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中学校家庭科と「総合的な学習の時間」の関連について : 全道中学校家庭科担当教員調査から

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(1)Title. 中学校家庭科と「総合的な学習の時間」の関連について : 全道中学校家 庭科担当教員調査から. Author(s). 増渕, 哲子. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 58(1): 127-140. Issue Date. 2007-08. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/466. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第58巻 第1号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.58,No.1. 平成19年8月 August,2007. 中学校家庭科と「総合的な学習の時間」の関連について 一全道中学校家庭科担当教員調査から−. 増 渕 哲 子 北海道教育大学札幌枚家庭科教育学研究室. TheRelationshipbetweenHomeEconomicsEducationand IntegratedStudyinJuniorHighSchool MASUBUCHI Satoko. DepartmentofHomeEconomicsEducation,SapporoCampus,HokkaidoUniversityofEducation. 概 要 本稿では,全道中学校家庭科担当教員に対するアンケート調査結果から,「総合的な学習の時間」に関わ る集計結果を中心に報告した。「総合的な学習の時間」については見直しを求める声がしばしば聞かれ,と りわけ中学校教員には否定派が多いといわれる。しかし,否定の背景にある中学校教員の深刻な多忙化に対 しては,十分な理解が及んでいない。そこで全道中学校家庭科担当教員調査をもとに,中学校教員が現在置 かれている状況の一端を示し,その上で,「総合」に対する単純な否定とはいえない「総合」観,教科との 接続についての考え,さらに家庭科に関連する「総合」の学習内容等を明らかにし,「総合」をより豊かに 発展させていく必要を述べた。. 護者,小・中学校教員,小・中学校評議員,都道 1.はじめに 「総合的な学習の時間」(以下「総合」と表記. 府県及び市区町村の教育庁と首長を対象におこな われたものである。「総合的学習の時間」の評価. する場合あり)が完全実施されてから,今年で5. について,およそ次のような結果が報告されてい. 年が経過した。この間,いわゆる「学力低下」に. る。. 対する危機意識が拡がり,対応策の一つとして, 「総合」の見直しを求める声がしばしば聞かれる. ようになった。 2005年11月に文部科学省による「義務教育に関. 「総合」の取り組みを「よいと思う」(「とても よいと思う」と「まあよいと思う」の合計)とし. た割合は,教育長,評議員,保護者,教員の順に 肯定的評価が下がっていく。最も高い教育長の評. する意識調査」1)が公表された。この調査は,同. 価80.9%に対し,小学校教員56.6%,中学校教員. 年3月から4月にかけて,全国の小・中学生,保. 43.5%となっている。すなわち中学校教員は肯定. 127.

(3) 増 渕 哲 子. が半数を下回るのである。. 評価の中身をさらにみていく。肯定的認識とし. るが,そのなかに,現段階における教員の「総合」. への取り組みと「総合」に対する考え方を明らか. て①自分で調べたり,考えたりするなど,積極的. にしようとした項目を設けている。本論文では,. に学習する意欲や表現する力が身につく,②教科. その結果を分析の中心としながら,こんにち家庭. の枠を越えた横断的・総合的な課題について学習. 科という専門教科の立場から,「総合的な学習の. できる,③地域の特性や学校の創意工夫を生かし. 時間」にどのように関わっていくことが必要なの. た特色ある教育が展開できる,④自然体験や社会. かを考察する。. 体験などさまざまな体験活動を行うことができ る,⑤教科で学んだ知識や技能を実際の場面で活 用できるようになる,のうち中学校教員の肯定率 が低いのは,⑤の33.3%である。中学校教員はす. 2.全道中学校家庭科担当教員調査について 学校完全5日制と現在の中学校教育課程は,. べての項目で小学校教員より肯定率は低くなるの. 2002年4月から実施されたものである。これに伴. だが,⑤以外は半数を割ることはない。. い,この年から,試行を経た「総合的な学習の時. 一方,否定的認識として⑥教師の力量や熱意に. 間」が完全実施となった。また1977年学習指導要. 差があり指導にばらつきが出る,⑦単なる体験に. 領より大幅に導入されていた選択教科がより拡大. なっており,教科との関連が不十分で学力が身に. され,さらに「4つの観点別絶対評価」が導入さ. つかない,⑧教科の時間が減っており,基礎的・. れた。特に中学校教育において,2002年度は激変. 基本的な内容の学習がおろそかになる,⑨「総合. の一年となったのである。. 的な学習の時間」で学んだことは実生活や受験で. 全道中学校家庭科担当教員調査は,完全実施と. 役に立たない,⑲教材作成や打ち合わせなど授業. なった初年度の年度末時期にあたる2003年2月. の準備の時間がかかり,教師の負担が大きくてた. に,家庭科を中心とした改変後のカリキュラムに. いへんだ,については中学校教員の肯定率が特に. ついて,家庭科担当教員がどのような総括をおこ. 高いのは⑧の81.0%,⑦の73.1%,また⑲は小・. なっているのかを,悉皆調査によって明らかにし. 中学校教員ともに高く,⑥は教員にみならず全般. ようとしたものである。. に高い割合であった。しかし⑨は全般に低く,こ の学習が役に立たないとは考えていない。. これらの結果を概観すると,中学校教員の「総 合」に対する評価は,単に「否定的」というだけ では説明できない事情があることが推察される。. なお,本論文において,家庭科とは中学校技術・. 家庭科の家庭分野を,また家庭科担当教員とは技 術・家庭科の家庭分野担当教員を指すこととす る。 この項では,調査の概要と,本論文において特. 2005年6月,結果の速報が出された折りの「中学. に焦点をあてる「総合的な学習の時間」と家庭科. の教員は自分の専門教科を持っており,教科横断. の関連を考察するために必要な,家庭科担当教員. 的な総合的学習に負担感が強いとみられる」とい. の状況をとりあげて結果を分析する。なお,全基. うような報道内容2)で捉えることには疑問を感じ. 礎データは別に作成した報告書3)に掲載してい. ざるをえないのである。現在の中学校教員の置か. る。. れた状況を含めて捉え直す必要があると考える。. 筆者は,2003年に全道中学校の家庭科担当教員 を対象とした質問紙調査をおこなった。「総合的 な学習の時間」を含む中学校教育課程と,家庭科 担当者を取り巻く状況の変容を,長期スパンで捉 えるための第1次調査としておこなったものであ. 128. (1)調査の概要. 調査対象,方法,時期,分析数は以下の通りで ある。. ①対象:全道の国公私立中学校736校(ただし 障害児学級のみの中学校は除く)の技術・家庭科.

(4) 中学枚家庭科と「総合的な学習の時間」の関連について. 表1 学校規模. の家庭分野担当教員,各校1名とした。 (彰方法:郵送による自記式質問紙調査法によっ た。. ③時期:2003年2月に調査票を各校あて発送 し,3月にかけて回収した。. ④回収数と分析数:288校分を回収した(回収 率39.1%)。今回の分析は,288校から私立の2校 を除き,286校の回答についておこなった。. 本 調 査 学級数. 回答数. 学校基本調査 %. %. 3以下. 77. 26.9. 30.7. 4∼6. 57. 19.9. 19.6. 7∼9. 44. 15.4. 13.4. 10∼12. 37. 12.9. 12.9. 13∼15. 41. 14.3. 10.7. 16∼18. 17. 5.9. 7.4. 調査内容は,学校規模,家庭科担当教員の属性,. 19∼21. 7. 2.4. 3.3. 家庭科担当歴,所有免許の種類,担当教科数,担. 22∼24. 3. 1.0. 1.4. 当時数,選択教科の開設状況,必修・選択家庭科. 25∼27. 0.3. 0.6. の学習内容と履修学年,履修形態,「総合的な学. 無回答. 2. 0.7. 286. 100.0. 習の時間」のテーマと家庭科関連テーマ,教育課. 合計. 100.0. 程改訂以降の実践の変容,改訂教科書の感想など である。 本悉皆調査の回収率は,前述の通り39.1%と決. 庭科免許の保有状況や教員歴,家庭科担当歴など に違いが見られることなどが指摘されている。北. して高い割合とはいえない。そこで,全道公立中. 海道については,調査票回収数が56,回収率28.0%. 学校の学校規模分布との比較をしておきたい。表. となっており,20代の若い教員の割合が高いこと. 1は,今回調査と2002年度北海道の学校基本調査 の数値を比較したものである。. (48.2%),教員歴10年以下の割合が最も高いこ. と(53.5%),家庭科担当歴5年以下の割合が最. 本調査では,「3学級以下」の規模で3.8%の減,. も高いこと(46.4%),専任の家庭科担当教員が. 「13∼15学級」の規模では3.6%の増となっていて,. いない割合が最も高いこと(58.9%),などが特. この規模で差があるものの,ほぼ学校基本調査結. 徴としてあげられている。. 果と対応している。後述するが,「3学級以下」. では家庭科専任教員がいない学校が多数を占め,. 上記調査から7年後となる本調査の結果を図1 ∼11に示す。. 「13∼15学級」では反対に家庭科専任がいる割合. が高く,なおかつ担当責任が分散しない規模であ. 家庭科担当者の性別,年齢. ることがわかり。このことと本調査の趣旨を合わ. 図1は担当者の性別である。女性88.5%,男性. せて勘案すると,今回の調査結果は,北海道の中. 11.2%で1割強が男性教員である。前述の1996年. 学校家庭科の全体状況を,相当程度反映している. 全国調査では,男性教員が約5%と報告されてい. と捉えることができると考える。. るが,この間に家庭科は小・中・高等学校を通し. 以下では,家庭科担当教員の状況として,属性, 所有免許教科,家庭科担当年数,各校の専任教員 数と家庭科担当者数,担当教科数,担当時数につ いて述べる。. て男女共学の教科として定着し,男性の担当教員 も徐々に増加の傾向にはあるといえる。. 図2には担当者の年齢を示した。20歳代後半が 22.4%と突出していることがわかる。道内公立中. 学校女性教員の年齢構成については,本調査時期 (2)家庭科担当教員の状況. と近い学校教員統計調査(2001.10.1現在)によ. 1996年に,中学校教員の家庭科担当状況に関す. れば,やはり20歳代後半が特に多くなっている。. る全国調査が行われている4)。そこでは,大規模. 20歳代としてくくると39.3%,年代が上がるにつ. 校の多い都市部と小規模校の多い地域とでは,家. れ減少し,50歳代になると1割を切り9.3%とな. 129.

(5) 増 渕 哲 子. 率は57.0%と低い。図4は年齢とのクロス結果で あるが40歳代を境に所有率が逆転している。若い. 教員ほど家庭科の免許を持たず,「免許外教科担. 任」5)となっていることがわかる。また前述の 11.2%にあたる男性教員の家庭科免許所有率は, わずか9.3%であった(女性教員は63.2%)。この. うち60%は技術の免許を所有し,残り40%は全教 科にわたっている。さらに男性教員の特徴として は,30代が多いこと,家庭科担当年がごく短いこ. 図1 担当者の性別. とであった。担当年1年が30%,3年以内が70% であった。. 図2 担当者の年齢 20代. る。これと比較すると,本調査の場合は50歳代が. 30代. 40代. 50代. 60代. 図4 家庭科免許の有無と年齢. 19.2%と約2割になり,家庭科担当教員において は,その9剖を占める女性教員の年代分布が平均. 教職経験年数と家庭科担当年数. とは異なることがわかる。この点については,14. 図5には,教職経験年数と家庭科担当年数を5. 年度北海道の職員録記載の号俸から家庭科担当者. 年ごとに示した。両者とも5年以下の占める割合. について年齢を推定したところ,やはり50歳代が. がもっとも高い(19.6%と39.2%)ため,5年以. 多く20%を越えていた。. 下のみをさらに1年刻みで示しているが,家庭科 担当1年目の教員が特に多いことが特徴である。. 家庭科担当者の所有免許教科 18.0. 図3には所有免許教科を示した。家庭科の所有. ︳. 庭 集 術 語 語 健 体 術 学 科 会 腰 答 家 音 技 国 美 保 保 美 数 理 山≠ 奪 回. 130. 18.0 14.0 12.0 10.O aO ¢.0. 4.0 之O. nO. 、…‥㌔㈱ 年数. 図5 教職経験年数と家庭科担当年数 0. 20. 30 Ii. 図3 所有免許教科. 40. 50. ¢0.

(6) 中学枚家庭科と「総合的な学習の時間」の関連について. 家庭科専任教員数. にあらわしたものである。/ト規模校においては「0. 図6には家庭科専任教員数を示した。「0人(い. 人」が多くを占めるが,さらに16学級,20学級の. ない)」が44.1%,「1人」が54.2%,複数人は僅. ような中規模以上の学校にも見られる。. 少である。図7はこの専任教員数を,学校規模別 家庭科担当者数. 図8では,専任か否かに関わりなく家庭科の授. 技家で1人. 業を担当する教員数(家庭科担当者数)を,学校 規模別に示した。図では度数で表したが,割合で は担当者「1人」が全体の65.0%,「2人」が22.7%,. 「3人」が8.4%,「4人」が2.1%,「5人」が1.0% となり,3人,4人,5人を合わせると10%をこ えていた。これを学校規模との関連で見ると,12 ∼15学級では担当者は1人ないし2人だが,これ より規模の小さい11学級までの学校では最大5. 図6 家庭科専任教員数 データの個数:家虐専任数 80. 70. 80. 50. 40. ユ0. ヱ0. 10. 0. 2. 3. 4. 5. 8. 7. 8. 9. 10 11 12 13 14 15 18 17 18 19. 20. 21 ヱヱ. 24. 25. 苧t■. 図7 学校規模別家庭科専任教員数 データの個数:家庭担当者 80. 70. 80. 50. 40. 30. 20. 10. 0. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9 10 11 12 13 14 15 18 17 18 19 20 21 22 24 25. 苧■■. 図8 学校規模別家庭科担当者数. 131.

(7) 増 渕 哲 子. 人,16学級以上では最大4人の場合がみられた。. れはほとんどが2時間である)が50%を占めてい. 教科担任制をとる中学校教育において,このよう. た。無回答が1割以上見られるのは,集中方式を. な免許外教科担任の拡大は決して望ましいことで. とることによるものと思われる。. はないはずである。. 以上,道内の中学校家庭科担当教員の状況を概 観した。結果を整理すると以下の通りである。. 担当教科数. ①北海道の中学校は,約50%が6学級以下の小. 冒頭,2002年度以降には選択教科が拡大された. ことに触れた。具体的には,第1学年より履修が. 規模校である。先行研究では,小規模校の多い地. 可能となり,第2学年では1教科以上,第3学年. 域においては,若手の家庭科担当教員が多いこと,. では2教科以上を履修することになった。「以上」. さらに家庭科専任教員の配置率が低く,免許所有. とされているように,これらは「総合的な学習の. 率も低いことが指摘され,このことは本調査でも. 時間」との関連から開設枠拡大が可能である。従. 同様に確認された。これに加えて本調査では,50. 来から他教科兼担の問題はあるが,この選択教科. 歳代のベテラン層の割合がやや多く,若手層とベ. 拡大の動きは,さらなる兼担増につながるもので. テラン層で家庭科免許所有率が逆転すること,特. ある。図9では必修・選択に関わらず,担当教科. に家庭科教員採用を手控える近年の傾向が,これ. 数を示した(障害児学級を担当する場合は,それ. に影響していると推察される。. を1教科として数えている)。家庭科のみの1教. ②学校規模ごとの家庭科担当者数については,. 科担当はわずか20.3%である。2教科担当が最も. 12∼15学級の規模で,1人ないし2人の担当者,. 多く34.3%,3教科は18.2%となった。また少数. これより小規模校でも大規模校でも,担当者数は. ながら5教科を担当する場合も見られた。. 増える傾向にある。このことは「免許外教科担任」 がこれらの規模の学校で多くなることを意味する. 担当時数. ものである。また教育課程の改訂による選択教科. 図10は,教科と「総合」を合わせた過当たりの. 枠の拡大が,より一層「免許外教科担任」を後押. 担当時数を,図11には「総合」の担当時数を示し. ししている現実がある。このような複数教科担当. た。. の常態化に加え,「総合的な学習の時間」と道徳. 前者では「15.1∼20」時間が最も多く40.6%で. や特別活動の指導,観点別絶対評価の導入などに. あった。中には「25.1∼30」時間との回答もあり,. より,中学校教員は一層の多忙化を強いられるこ. 持ち時数の上限を大きく超える場合が見られた。. ととなっている。. 教員によっては,さらに道徳や特別活動の時間が. ながら,次項では「総合的学習の時間」と家庭科. 上乗せされることになる。 後者の「総合」の担当時間は「1.1∼2」時間(こ. 132. 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ∧U ■ヽ︶ ∩︶ ■ヽ︶ 0 ■ヽ︶ 0 ■ヽ︶ 0 ■ヽ︶ 0. ▲T ▲T 3 3 2 2 ・l ・l. 図9 担当教科数. このような中学校教員を取り巻く状況を押さえ. の関係について考察する。. ′ぎ∼・せ.、・÷亭、・ミミ、一丁ぅ、一㍉F㌔ 図10 過当たりの担当時数. 図11「総合」の担当時数.

(8) 中学枚家庭科と「総合的な学習の時間」の関連について. 表2 「総合」観. 3.「総合的学習の時間」と家庭科 項. 「総合的な学習の時間」に関連して,前項で触 れた過当たり時数の他には,「総合」についての 考え方(「総合」観とする),家庭科と「総合」の. 日. えて実施すべきものなのかと思う 学級や学校の壁を越えて地域に開. 102 35.7. かれた学習になる. 関連についての考え方,「総合」の学年ごとのテー. 教科の閉じた枠を越えた学習にな. マと関連する家庭科テーマを質問した。. る. 以下はその結果である。. 回答数 %. 既存教科の時間数削減のなかであ 168 58.7. 77 26.9. 基礎学力の低下につながる. 70 24.5. 学校の特色づくりの指標となるこ 33 11.5 となど教育行政主導の改革になる (1)「総合」観. ことが懸念される. 表2では「総合的な学習の時間」についてどの. 今日の学校教育の文化的体質を間 21 7.3 い直す絶好の機会である. ような見解をもっているのかを示した。肯定,否. 定をとりまぜた回答であるが,最も多いのは「既. その他. 39 13.6 (複数回答N=286). 存教科の時間数削減のなかであえて実施すべきも のなのかと思う」の58.7%で,6割近い教員がこ れを選択している。まず教科の時数を保障してほ しいという声は大きい。. 現行学習指導要領では,各教科の授業時数が大. 否定的な自由記述には「総合」を支える条件整 備の問題にふれたものがある。「施設,予算,人. 員すべてしっかり確保されていない」,「予算が. きく削減されたが,削減率は一様ではなく,高い. まったくない」,そして「準備が大変,時間を確. のは音楽,美術(34.3%),技術・家庭科(28.6%). 保できる体制づくりが必要」という声もあった。. である。2分野に分かれる技術・家庭科の場合は,. 第3学年で授業時数が35となるため,家庭分野の. (2)「総合」と家庭科との関わり. 学習は週あたり0.5時間になる。今回の調査では. 図12は,総合的な性格をもつ家庭科として,「『総. 履修方法も調査したが,技術分野と半期ごとに交. 合的な学習の時間』に積極的に関わるべき」とい. 替,隔週で交替という回答が多かった。自由記述. う考えについてはどう思うか,に関する回答であ. ではこのあまりに少ない時数に触れるものが多. る。. かった。. 一方「総合」の肯定面として,「学級や学校の 壁を越えて地域に開かれた学習になる」35.7%, 「教科の閉じた枠を越えた学習になる」26.9%が. 「家庭科との関わりを特に意識はしていない」. が53.1%と,5割強の教員は教科との接続を否定 している。また,「できればそうしたいが,負担 が大きく積極的になれない」が25.5%,「その通. 続いている。. 複数回答による結果なので,回答の組み合わせ が肯定のみか,否定のみか,肯定否定の両者を含. むのかを調べたところ,否定のみが約4剖,肯定 のみと肯定否定の両者が各約3割だった。否定は 多いものの,この学習の意義を認めていないわけ ではないのである。自由記述の中には,「やって. みると既存の学習では得られない経験がたくさん できている」,「生徒の興味関心は高まりを感じる」 などがあった。. 四家庭科との関わりを特に意識はしていない ロできればそうしたいが、負担が大きく積極的になれない 田その道りだと思い、実際にそうしている 田その他 □無回答. 図12 「総合」と家庭科との関わり. 133.

(9) 増 渕 哲 子. りだと思い,実際にそうしている」が6.3%であっ. 各学年でとりあげるテーマは多少異なり,①地. た。家庭科との接続を積極的に進めている者は1. 域,(彰共生・福祉・ボランティア,(釘収穫祭・栽. 割にも満たないが,できればそうしたいとの思い. 培は全学年に,③環境・自然は低学年,④国際理. は3割弱がもっている。. 解,⑤進路・職業は高学年に多い傾向がある。. 中学校では,「総合」の指導体制は学年担任団. 次頁の表3は表4をさらに加工したものであ. が中心となって組織される場合がほとんどであ. る。上記の「地域」を例にとり,家庭科関連内容. る。すなわち,教科担当としてではなく学年担任. の学年枠をはずし再分類したところ,「地域特産. 団として「総合」に関わるために,勢い教科の視. の食物と調理」,「幼児,高齢者など地域に住む. 点は後退せざるを得なくなる。そのために,専門. 人々」,「生活環境」に大別された。. の教科,専門外の教科,道徳や特別活動の担当に. 「地域特産の食物と調理」では,地域で収穫す. 加えて,“別種の何ものが’を抱えることとなり,. る食物を素材の段階から加工・調理する,あるい. 一層負担感が増していく事態になる。. は自ら収穫し加工・調理する,新しい調理法を創. 中学校の「総合」においては,このような問題. 作する,食品加工場を訪問するなど,「幼児,高. はこれまで見過ごされてきたように思える。中学. 齢者など地域に住む人々」では,保育所,児童会. 校教員が「総合」に対して否定的な見方をするの. 館や老人福祉施設の訪問・交流・取材,職場訪問,. は,教科の専門性をもつゆえに当然である,とい. 母親との交流,「生活環境」では,近隣地域での. う解釈がなされるが,むしろ反対に専門性を大切. ごみ処理やリサイクルの取り組み,身の回りの地. にされない体制が組まれているからではないだろ. 域環境について取り上げている。これらを通して. うか。教科との関わりを意識していないとの回答. 地域の再発見,または地域課題を考えようとして. が5割を超えるのは,そのあらわれだと考える。. いる様子が伺える。. 今後どのような工夫でこの間題を解消するか真剣 に検討する必要があるだろう。. 食物,幼児と高齢者,リサイクル等は,「地域」 テーマ以外にも登場する,食物を例にとると,「共. (3)テーマ・内容. 生・福祉・ボランティア」では,年齢に応じた食. 巻末の表4には,学年ごとの「総合的な学習の. 事,「環境・自然」では,自然を学ぶ一環として. 時間」のテーマ・内容と家庭科関連テーマ・内容. の山菜調理,農薬や遺伝子組み換え食品などの安. を示している。「総合的な学習の時間」と家庭科. 全性の問題,「国際理解」では,外国の食文化や. の両者ともに記入があったのは対象校286校のう. 料理の起源・調理,「進路・職業」では,食品加. ち105校分,36.7%であった。「総合的な学習の時. 工業の職場体験,農業体験・収穫,「収穫祭・栽培」. 間」のテーマは学年ごとに変わる場合も,全学年. では学校菜園での栽培活動,収穫と調理,「健康・. 共通の場合もあるが,表4では,便宜上,第1学. 安全」では,栄養素,糖分・脂肪分の過剰摂取の. 年のテーマ・内容をもとに大まかな分類をおこ. 害,「その他」では,“アイヌ文化’’に関わりアイ. なっ7,〈. ヌの食生活,“自立’’に関わり親子逆転生活・食 事作り,“生きる’’に関わり戦時中の食の再現,“野. テーマ・内容の分類. 外活動’’での野外炊飯,などがある。. その結果9分類となったが,これを家庭科関連 内容の記述が多いものから並べると①地域,②共. 実践の特徴. 生・福祉・ボランティア,③環境・自然,④国際. 各々の実践内容の詳細は明らかにはできなかっ. 理解,⑤進路・職業,⑥収穫祭・栽培,⑦自由課. たので,これらの実践は単なる体験に終わってい. 題,⑧健康・安全,⑨その他,となる。. るのではないかという疑問は大いに残る。しかし,. 134.

(10) 中学枚家庭科と「総合的な学習の時間」の関連について. 表3 「地域」テーマの中の家庭科関連内容 分 類 家庭科関連内容 地域特産 サケのさばき方や薫製の作り方を学んだ の食物と 鮭について一食品(石狩鍋など)や食堂(レ 調理 ストラン). ここは可能性を追求する立場で記述を読みたい。. 表3,4から読みとることのできる第1の点は, 家庭分野の選択履修の学習内容を,「総合」の中 にあえて位置づけていることである。保育所訪問 や高齢者との交流などがこれにあたる。前述した. そば作り体験 薬草の料理 山ぶどうジャム作り. 教科時数の削減が,「総合」のなかに関連づけら. 山菜料理,わかさぎ天ぶら,収穫物料理等 地域の素材を使っての調理:にしん→三平 汁,野菜・米→クッキー など. 中に置かれていた学習内容を,枠を越えるべき学. 地域の素材を使ったお菓子づくりの研究 釧路町の名物料理を作ろう(釧路町の特産 物を作って,お菓子やラーメンなどを作っ ていた). 町の特産品を活用して調理実習を行った班 がある 地域の食材,地域の特産物. 特産品を使った調理・調査活動 郷土料理 地域の中で“食”について調べ学習や体験 学習をおこなった 炭坑が栄えていた頃の上砂川のグルメは? 地域の産業,地域の特産物,食品加工の工. れたともいえるわけだが,これまで閉じた教科の. 習内容として家庭科が積極的に提起しているとみ る必要もあるのではないだろうか。. 第2の点は,多様な展開の可能性である。食物 に関わる内容を例にあげたが,実に様々な分野に おいて食がテーマに通じる切り口となっている。. 家庭科における食に関わる学習との相違は,原材 料の姿にこだわる点,日常食の栄養と調理に限定 されない点,食文化面を強調する点にあるようで ある。文化をとりあげるのなら,必然的に文化創. 場見学. 造の担い手である人間を視野に入れることになる. 特産物の作り方調べ,工場見学。手作り品. だろう。実はこれらは民間の家庭科実践で取り組. と工場の加工品の違いを実践して比重交. まれてきた内容とそのまま重なるものである。. 幼児,高. 齢者など 地域に住 む人々. 子どもが学ぶ意味を心から納得することができ る教材を,多くの家庭科教師は求めてきた。教科 お年寄りとの交流 高齢者疑似体験・保育(遊び,特性) 保育園に職業体験に行った生徒がいる(数 名). 保育所訪問 保育園についてレポートを作成した班があ る. 地域参加で,保育園訪問,児童会館訪問の コース(3コース). の枠を越えた実践は,その内実が豊かならば,学 ぶ意味をより深化させるはずである。 「総合的な学習の時間」が新設されたことによっ て,基礎・基本重視の名のもとに,教科学習にお. ける総合学習の蓄積を否定する方向に向かっては いけない。それを土台としながらも,更に学習の. 保育所訪問に伴うおもちゃの製作,幼児の 心身の発達(遊び)(各班毎別々のテーマで. 意味を深化させうる総合学習のあり方を,なお一. 活動するので全員ではない). 層追求する姿勢が,こんにちの教科と「総合的学. お年寄りの取材を通して,地域の歴史,課. 題をさぐる 炊事遠足の献立作成を,PTAのお母さん方 からアドバイスをいただく 地域との連携など 地域社会とのかかわり 生活環境 ゴミの処理など(ゴミ調べ),川(水),食 物(自然など生活にかかわる内容),生活と. 消費との関係→教科としては時間をとらな. 習の時間」を担う教員に求められると考える。. 4.おわりに 道内の家庭科担当教員はいまどのような状況に あるのか,「総合的な学習の時間」をどのように. いが,かかわる内容が多い 環境,ごみ,音等,生活に関わる(個人課題). 捉え,家庭科として関わる例はどの程度あり,そ. アドバイスを行った リサイクル・ゴミ分別. の内容はいかなるものなのか。本論文では以上の. リサイクルについて考える,作品を作る(再 利用の)環境について. 点を明らかにしてきた。. 今回の調査に限らず,中学校教員の「総合」観. 135.

(11) 増 渕 哲 子. は,概して肯定的とはいえない事実がある。しか し筆者はそれが自明祝されることには大きな疑問. 今回の調査の自由記述には,教育課程改訂以降,. 「地域に出やすくなった」との声があった。意図. を感じてきた。学校現場が日に日に多忙化し,中. 的な働きかけを通じて地域のつながりは形成され. 学校では,本論で述べたような,改訂教育課程を. るのだと思うが,子どもの学習活動としての「総. 支えるに必要な条件整備が圧倒的に立ち遅れてい. 合」が地域づくりに発展する可能性を感じさせる。. る。じっくりと時間をかけてつくりあげていくべ. 「総合」のもつ別の一面である。. き時期に,困難を回避する手立てもとらないまま,. 拙速な「総合」の評価をおこなうことは,厳に慎. 1)ベネッセコーポレーション「平成16・17年度文部科. 学省委託調査報告書 義務教育に関する意識調査報告. むべきである。. 書」文部科学省ホームページ,2005.11. 従来,家庭科教員は,教科の学習において総合. を重視する立場をとってきた。「生活をトータル に把握する」ことの必要は常に提唱されてきた。. 総合とは反対の,分解の論理による生活研究への 次のような批判,「壷を研究するのに,それを粉々. 2)朝日新聞「総合的学習,中学校担任55%否定的 保 護者は肯定派7剖 文部省調査」2005.6.19付朝Tり 3)拙著「学校5日制のもとでの中学校家庭科一全道中 学校家庭科担当教員アンケート調査結果−」北海道教 育大学教育学部札幌校家庭科教育学研究室,2005.3 4)上里,′ト島他「12の都道府県調査からみる中学校家. に打砕いて観察するようなもので,それでは壷か,. 庭科教育の実施状況(1)」日本家庭科教育学会誌第42巻. 皿かわからなくなってしまう。壷の特質はつかめ. 第2号,1997.7,17−22頁. まい」6)に対してつねに向き合ってきた。 ゆえに家庭科教員は総合の難しさを身に染みて 知っている。だからこそ,いまは多くの人々の知 恵を結集し,人的・物的環境を整え,質の高い実 践を練り上げる努力を怠るべきではない。. 任に係わる制度ついて次のように記されている。「授与 権者は,当分の間,中学校,高等学校,中等教育学校 の前期課程若しくは後期課程又は盲学校,聾学校若し くは養護学校の中学部若しくは高等部において,ある. 教科の教授を担任すべき教員を採用することができな いと認めるときは,当該学校の校長及び教諭の申言引こ. 最後に1点付け加えておきたい。. より,一年以内の期間を限り,当該教科についての免. 今回の調査では,「地域」をテーマ・内容とす る学校が最も多かった。2005年9∼10月実施の「総. 合的な学習の時間実施状況調査」7)によれば,全 国の中学校600校の「総合」の学習内容でも,「地. 域のくらしや産業」が各学年とも多く,学習指導 要領に示されている「国際理解」,「情報」,「環境」, 「福祉・健康」を凌いでいた。「地域」は注目さ. 許状を有しない教諭が当該教科の教授を担任すること を許可することができる。この場合においては,許可 を待た教諭は,第三条第一項の規定にかかわらず,当 該学校,当該前期課程若しくは後期課程又は当該中学 部若しくは高等部において,その許可に係る教科の教. 授を担任することができる。」 6)吉野正治「生活様式の理論」光生館,1980.6,227 貢 7)総合的な学習の時間実施状況調査研究会 代表矢野. れるテーマとなっている。. 重典(国立教育政策研究所長)「文部科学省委嘱研究. 筆者は2002年9月に檜山・上ノ国町の地域調査 に加わり,地域住民や教師らから聞き取りをおこ. なった8)。上ノ国では,はやくから「ふるさと学 習」すなわち地域学習を総合学習として位置づけ ていた。子どもの認識がバー. 5)教育職員免許法附則第2項において,免許外教科担. チャルなものになっ. 総合的な学習の時間実施状況調査 調査結果の概要(中 学校)」文部科学省ホームページ,2006.3 8)拙著「父母・地域住民から見た上ノ国の『子育て・ 教育』」(北海道大学大学院教育学研究科 教育臨床心. 理学・臨床教育学研究グループ『槍山・上ノ国町地域 調査 調査報告書』2004.3,17−27頁). ているという問題意識を核に,さまざまな活動の 中で地域の人々と出会わせ,実感をくぐらせた認 識を育てていく実践がおこなわれていたのであ る。聞き取りの中では,地域住民が,地域のつな. がりに果たす学校の役割は大きいと語っていた。. 136. (札幌校准教授).

(12) 中学枚家庭科と「総合的な学習の時間」の関連について 表4 「総合」テーマ・内容と家庭科関連テーマ・内容 注:分類①∼⑨は,おもに第1学年「総合」のテーマ・内容による。記述内容は調査票に記載された原文のままである。空欄あるいは「な. し」と記入している箇所についても同様である。 家庭科関連テーマ・内容. 「総合的な学習の時間」のテーマ・内容 No. 1 年. 2 年. 3 年. 1 年. 2 年. 3 年. 分類:U〕地量或. 口 ふるさと深川 2 地域についての調べ学 習 3 ニセコを知ろう. 深川のまちづくり ニセコを知ろう. 職場体験. 4 ふるさと学習. 同左. 同左. 5 「地域に学ぷ」課題解 決学習,情報基礎,国. 深川の未来 同左. 同左. そば作り体験 たこの薫製作り 地域の食材,地域の特 産物 山菜料理,わかさぎ天 ぷら,収穫物料理等 山ぶどうジャム作り. なし 同左. なし 同左 幼稚園や保育園での体 験 同左. なし. 薬草の料理. 際理解(英会話). ささえあう社会一職場 体験から学ぷ一. 6 地域の特産物. 7 前期:地域学習,後期 :前期の内容を生かし た出店発表 8 ふるさとの再発見 9 地域:上砂川(人テー. 凹. バリアフリー. 同左. 同左. 同左. 10 人テーマ「釧路町の括 性化のために」(個人 テーマで学習をして. 同左. いった). 特産物の作り方調べ, 農作業体験による畑作 バリアフリー住宅の見 工場見学。手作り品と 学 工場の加工品の違いを 実践して比較 地域の素材を使っての 同左 調理:にしん→三平 汁,野菜・米→クッ キーなど 郷二上料理 炭坑が栄えていた頃の 上砂川のグルメは? 釧路町の名物料理を作 ろう(釧路町の特産物 を作って,お菓子や ラーメンなどを作って いた). サケ学習,職業体験, 薫別タイム音楽編 12 地域学習. 同左. 平成13年度は,サケの さばき方や薫製の作り 方を学んだ。実際に薫 製作りをした 同左. 13 「地域から学ぷ」一課 題解決学習一個人課題 で課題を決め,解決を して発表しまとめをす. 同左. 14 行事への取り組み,地 域・ボランティア,情 報教育 15 太鼓活動と地域. 同左. 地域の巾で“食”につ いて調べ学習や体験学 習を行った なし なし. 地域の素材を使ったお 菓子づくりの研究. る. 同左. 同左. 地域…お年寄りとの交 流,ボランティア…福 祉 老人福祉施設訪問 同左. 同左 老人福祉施設訪問,保. 育所訪問. 16 地域と一体化大作戦 地域と一体化大作戦 地域と一体化大作戦 高齢者疑似体験・保育 高齢者疑似体験・保育 高齢者疑似体験・保育 (地域のいろいろな (地域のいろいろな (地域のいろいろな (遊び,特性) (遊び,特性),調理 (遊び,特性),リサ イクル・ゴミ分別 人々とふれあおう), トマム周辺の水質調査 看板で環境美化 17 地域社会 アイヌ文化について 国際理解 お年寄りの取材を通し て,地域の歴史,課題 をさぐる 昧・種類などを学ぷ。 アイヌの食生活と北海 道の食を学ぷ。その他 生活道具など 保育園に職業体験に 18 弟子屈の自然 弟子屈の働く人々 私たちのまち・弟子屈 行った生徒がいる(数 (町づくり) 名) ある。保育園について レポートを作成した班 がある 19 郷二上学習 同左 同左 保育園訪問 20 全体のテーマ「地域の 保育所訪問に伴うおも ためにできること」: ちゃの製作,幼児の心 保育所を訪問しよう 身の発達(遊び)(各 班毎別々のテーマで括 動するので全員ではな い). 老人ホームについて調 ベたり訪問したりする. 21 地域を知ろう:リサイ 職業調べ,職場体験 地域を知ろう:福祉, リサイクルについて考 イベント等,個人ごと クル,地域の生物・産 業など,個人ごとに にテーマを設定 利用の). テーマを設定. 22 地域を知ろう. 環境問題について. 職業について. 環境について. 23 前期:調理のこだわ 前期:農作物に関わる 前期:検証,後期:意 前期:レシピ面ではな なし り,後期:わたしたち こと,観光,産業など, 見(自分の主張) く,栄養面や知識の部 の街にできること 後期:わたしたちの時 分でアドバイスを行っ た。後期:環境,ごみ, 代 昔等,生活に関わる(個 人課題)アドバイスを 行った. 地域のごみ問題につい. て なし(*訪問先へのア ドバイス筆筒単なも の). 137.

(13) 増 渕 哲 子 命,福祉,人権. 24 地域の歴史,環境,自 職業 然. ゴミの処理など(ゴミ 地域で活動している人 人権(命)など,家族, 調べ),川(水),食物 (自然など生活にかか わる内容),生活と消 費との関係→教科とし ては時間をとらない が,かかわる内容が多. しヽ. 25 札幌総合学習:読書発 小樽総合学習:(同 弘前総合学習:(同 環境問題について,各 地域参加で,保育園訪 自分が生まれてから, 左),自分史作り 自テーマをみつけて, 間,児童会館訪問の これまでのことを「自 表・環境発表・情報発 左),地域参加 調べ,発表する コース(3コース)も 表(3学年共通),地 域再発見 ある 発表 26 地域調査地域から課 職業調べ地域から広 自分を知る「興味のあ 地域社会とのかかわり 地域社会とのかかわり 個々の課題との関わり 題発見(グループ学 げて,将来の生き方を るものを個人で調べて で,職業観として,パ ティシエ,デザイナー, 習) 課題解決していく 調理師,保育士,etC. (グループ学習) 27 地域との連携など 地域を知る 28 地域との出会い 炊事遠足の献立作成 を,PTAのお母さん 方からアドバイスをい ただく 分類:(カ共生・福祉・ボランティア 29 福祉,環境 福祉,地域の職場一進 福ノ祉,進路,修学旅行 福祉施設,介護。リサ 特産品を使った調理・ 福祉施設,看護,介護 路,宿泊研修一自然観 i原ゴミ,洗剤と排水 察 30 「ともに生きる」 同左 同左 保育士助児との関わ り,介護福祉障害者 との関わり,ペットボ トル症候群,飲料水 31 「福祉」3年間の総合 「自ら課題を見つける 1,2年で学習した課 「ともに生きる生き方 の導入ととらえ,話を 力」自ら考えて経験す 題の巾からさらに深め を探ろう,ものづくり 聞いたり,調べる活動 る段階とおさえ,異年 たい課題を選択した 編」幼稚園,保育所, 老人ホームへの訪問 を中心に「知る段階」 齢の人との交流を通し ら,より発展的な課題 て,自分なりの課題を と押さえる で,積み木作り,紙芝 持ち,「体験を通して 居作り,アップリケ作 学ぷ段階」とおさえる り,門松作り,飾り物 作りなどを学習した の主体性を尊重して取 り組ませる). 32 「自分を見つめよう」・ 「自分を広げよう」・ 「自分の夢に進もう」・ 住まいのバリアフリー 20数カ所に出かけたが 市立図書館の活用やパ 地域で働く人々の姿や 学枚訪問等を通して, や相手の立場になって (保育所や病院,図書 ソコンの基礎学習,・ 職業体験等を通して, 中学枚卒業後の進路や みつめ直すという視点 館,老人施設,コンビ 色々な立場の人との共 社会生活や勤労に関わ 将来の生き方に関わる で,装具をつけたり, ニ,郵便局など),地 学習 車椅子で枚内を歩いた 域の人々とのふれあい 生体験や福祉に関わる を深めることができた 学習 33 ボランティア,情報(パ 同左 地域とのかかわり(ボ 同左 ランティアにかかわっ ソコン操作) て). 「福祉・ボランティア」. 34. について. 35 職業調べ. 36 人間・福祉 37. 38 職業体験学習 39 福祉. 高枚調べ 同左. 地域へのボランティア なし なし 地域との関わり,自分 同左 の成長・家族との関わ りなど. 幼稚園訪問 ごみ関越 同左. 私たちが「よりよく生 福祉関係で,年齢に応 きていける社会」を目 じた食事を考える班 指してできること。 バリアフリー 東北について→修学旅 1年家庭と家族関係 行とのからみ 健康,環境 国際理解 時間的に教科書を使っ て全部指導することは できない やれない. 分類:(刃環項・目然. 40 「環境」…身近な生活 「地域」…興部町につ 「進路」…修学旅行先 農業科学研究センター と食料を考える,「進 いて調べ学習,「進路」 で職場や施設を訪問 でのアイスクリーム・ 路」…自分の生き方に …職場体験を通して自 し,視野を広げる,「福 ソーセージ・バターづ ついて夢をもたせる 己の職業選択の参考に して,理解を深め,共 する 生について考えさせる 士より). 41 全枚たてわりで3グ 同左 ①調理(山菜)②調理 ループ:①自然②福祉 (お年寄りの好むも ③産業,歴史 の),保育(幼稚園訪問) 42 「歴史・文化」∼旅行 「歴史・文化」「産業・ 「歴史・文化」「人権・ クラスごとに人豆,そ 平和」 ば,小麦を栽培。収穫 的行事とリンクして。 物を使った調理実習 「くらしと自然」∼身 近な自然体験活動 43 「生きる姿」一環境 「生きる姿」一職業 「生きる姿」一共生(福 祉) 調理 44. 45. 46. 47 48. インスタント・シニア 体験,地域の人と交流 を深める 環境 福祉 国際理解 農薬,遺伝子組み換え 老人ホーム,養護学枚 世界の暮らしとの比較 「環境」身近な環境に 1年生の内容を1歩踏 「共生からの発信」 食品の安全性など 家庭生活と地域との関 保育に関すること(幼 ついて み込んで多方面への括 わり 経国と保育所体験をす る生徒もいる) 動 なし 食環境(添加物,牛乳), 福祉 環境 国際理解 せっけんと洗剤 の歴史 地域∼厚別区を支える 環境∼住みよい環境を 健康と福祉 食品公害,水質汚染, 保育園や幼稚園での実 ゴミ 習 人々∼ めざして∼ 「宇宙船地球号を政 「旭川,再発見」,「自 「世界に学ぼう」,「進 環境保全,ごみ,リサ 自然保護 え」,「働く人に学ぷ」,. 「市外見学学習」. 138. 同左. 研究」.

(14) 中学枚家庭科と「総合的な学習の時間」の関連について 49 環境と暮らし(枚外学 福祉(枚外学習日3回, 国際理解(枚外学習日 ゴミ問題・リサイク 保育所・幼稚園訪問, 習日2回,終日,施設. 4回,終日,施設訪問) ル,水質汚染,食物汚 染 50 情報,地域,環境 情報,平和,国際理解 情報,社会体験学習 ごみ処理問題 51 福祉 環境 訪問). 52 環境. 地域文化. 福祉. ごみ処理(問題). 53 環境. ボランティア. 国際理解. リサイクル,ごみを減 らす工夫. 職場体験一食品製造業 ごみ処理,エネルギー 問題,食糧問題. 54 「地球を救え!」(環 「夢,仕事,発見」(職 「今,共に生きる」(国 エコクッキング,地域 境学習)環境問題につ 場体験学習)職業調べ, 際理解,平和,生命学 でのゴミ処理に関わる いて学び,市内の調査, まとめをし,環境問題 解決の方法を考える もの同志としての望ま しい態度を考える 55 環境:身近な環境間 地域での勤労体験:地 地域と生活 地域との交流,環境や 地域の産業,地域の特 題,リサイクルセン 資源 産物,食品加工の工場 クー訪問,地域のし尿 見学,保育園・幼稚 園・老人施設見学 処理・ゴミ問題 観,自分の生き方を考 える 56 環境:下水調べ 同左 同左 生活排水で気をつける ことは何か 57 きれいな水と地球,ひ 同左 廃油からせっけん作 り,カタログを調べて とり暮らしと電化製品 気付いたことをまとめ よう 58 環境 環境 家庭生活と消費,家庭 環境 生活と地域とのかかわ. 老人介護,福祉施設, 幼児教育 外国の料理や衣服のち がい,外国の住居の特 徽 異国料理の調理実習 (留学生が講師として 教えてくれる). 同左 同左. り 分類:阜)国際理解. 59 国際理解:食文化,昔 楽文化,布・衣服文化. 同左. 60 世界に目を向けよう (E−Linkプロジュク ト:イギリスの学枚と. 同左,進路について考 えよう. の交流),情報を発信. 食材・調理法等調べ, 実際に調理を行った。 中国の方を招いて交流 をしながら体験学習を 行った。民族衣装の特 徽や,着方,素材,縫 製の仕方などを調べた. 同左. も)を使った料理の紹 介. しよう(HP作成) 61 国際理解. 環境. 世界の食べ物. 合成洗剤,石けん等に. ついて. 62 国際理解,情報基礎 環境,地域。(情報) 職業体験,スキル,福 環境教育 保育園・幼稚園訪問, 老人ホーム訪問 祉 進路 調査・発表 食文化 63 国際理解 64 職業調べ,凶際交流, 職業体験学習,凶際交 進路選定,凶際交流, 食生活,生活文化,衣 同左 同左 健康について考えよう 流,健康について考え よう 65 情報∼パソコンの使用 障がい者,高齢者 障がい者,高齢者 方法とその応用,国際 理解∼衣装,料理,世 界遺産の観点からの異 文化比較 身体・聴覚・視覚障が い者,高齢者の理解と 体験学習 ションを通して発表 衣食住多岐にわたる 国の違いによる食生活 66 地域学習 衣・食・住 国際交流. について. 67 環境. 福祉・健康. 国際理解. 不明. 不明. 外国の料理(トルコ, 中国,フィリピン,ス ウェーデン,イタリア). 班にわかれてそれぞれ のテーマに取り組んで いた。異国,地元文化 等 日本と世界を見渡して. 68. 69. 他国の衣生活,食生活 を調べ,実際に作って みる カテゴリー別で,食べ もの,住居,衣服等で. 調べてるグループが 70 国際理解 分類:(参進路・職業. 同左. 71 いろいろな職業を知る (職場見学),親子逆 転体験 72 読書タイム,進路学習, 行事=発表会. 同左 様々な世代に学ぶ. 個別テーマによる. あった 同左. 同左. 親子逆転で家庭の仕事 の話し合い,食事の準 備. 同左. 職場訪問(家庭科分野 に関わる職種について 考え,学習を進めた). 同左. 保育所・幼稚園・学童 保育所への体験実習. た 職場体験. 73. 74 職業調べ,福祉体験, 職業体験,福祉体験, 自分の将来を見つめよ コンピューター?(ど. コンピューターとは, ソフトの使い方,宿泊 う,福祉体験,情報通 ちらかといえば技. 学年・学級行事等 75. 研修等. 信について学ぼう,修 学旅行等 職業体験等. 自分の将来を見つめよ う(幼稚園実習) 保育. 139.

(15) 増 渕 哲 子 76 「Japan 職人魂」, 「職場体験学習」第1 「生きる」今までの学. お菓子屋さんへ行った 戦時中の食について, グループが,まとめ, 実習し再現していた 発表のために,帰枚し てから調理実習をした. 調べ方,まとめ方,発 学年での学習をふま 習をふまえ,個人とし 表の仕方の基礎を学ぷ え,体験・実践のなか でものの見方を深める える. 77 コンピュータの操作, メディアリテラシー. 食品加工に携わる生徒 もいた(チーズ,ジャ ム,ソーセージづくり. 78 「自然」をテーマに自 「社会」をテーマに職 文化をテーマに「外国 然観察,自然体験の学 の文化」にテーマをし ぼり学習 習. 専門技術体験…ケーキ 店,ラーメン店,そば. など). ベトナムの食文化. 店,パン店. 分類:(6)収穫祭・栽培. 同左. 農業国でできた作物の 調理 80 壁新聞作り,学級菜園 壁新聞作り,学級菜園 壁新聞作り,学級菜園 学級菜園で作った食材 を使い,調理実習 ビニルハウスで収穫し 81 収穫祭 パン作り た野菜での調理 79 学枚農業国,樹海(東. 同左. 海演習林). 82 縄文人の生活,竪穴式 作物栽培(かぼちゃ, 環境(原子模型作り, 住居を作る. 自分たちの作った野菜 個人調べ学習:豆腐づ などを使った料理 くり,きのこ・お茶に. トマト,きゅうり,そ ば,大根,にんじん). ついて. 石けん作り). 学枚菜園,収穫祭 学枚菜園,収穫祭 野外活動のメニュー選 択. 83. 84 農業について,食につ. いて. 分類:(刀目白課題. 職業体験. 85 調べ学習,生徒が設定. したテーマ毎にグルー プ編成した. 学枚菜園,収穫祭. 昔と今の食生活,給食 について,おいしいお 菓子(選択したグルー. なし. プ). 同左 86 体験を通して学ぼう: 食に関して選んだ生徒 がいる 個人テーマ 87 課題追求学習,職業調 情報教育,課題追求学 情報教育,課題追求学 なし なし 習,職場体験 習,修学旅行事前事後 学習 88 グループのテーマ別課 自主課題設定による調 題,調査活動 査活動. テーマ学習. 89 テーマ学習(いろいろ なテーマを決め,それ について調べたり体験. 同左. うどん作り,給食セン クー見学 個人で衣服について調 ベている流れで,衣服 製作. テーマによっては多少 関わる事もあるが,学 年で動いているので…. したりする). 90 学び方の基礎を身につ ける. 個人課題によってはあ. り. 課題へ. 分類:(軌隆康・安全. 91 スポーツ,健康. 石狩の産業. 福祉,ボランティア 栄養について. 鮭について一食品(石 狩鍋など)や食堂(レ ストラン). 92 1総合のための基礎学 習,2職業理解 93. 94 分類:(郭その他 95 全枚オペラ. 食物. 調べ,実習していた) 食物. の発見),2健康安全, コ. 3表現ミュニケー 3表現コミュニケー ション,4社会事象 健康・福祉「食につい て」. 食と心身の健康につい て考え,自分の生活に 生かす。例:糖分,脂 肪のとりすぎなど 食品添加物. 食品添加物. 同左 同左 96 職場見学・発表,野外 職場体験・発表,宿泊 進路学習・先輩から学 野外炊飯 炊飯・野外活動 学習・野外活動 ぷ・発表,修学旅行・ 自主研修,ユニセフ募 金活動,「感じて・伝 えて,表現する」 97 コース別 同左. 衣装係(被服). 同左. 同左. 野外炊飯,地域を知ろ 地域に参加,世界の(発 展途上国の)子ども(保 育). 保育所訪問,消費生活, 健康と栄養. 98 国際理解(35),図書の 図書の時間(2),健康 生き方(35),図書の 時間(2),コンビュー 夕(8),タンナョウー 斉調査(4),宿泊研修. 赤ちゃんとふれあい体 験学習(4). (4),意見発表会(8), 学枚祭の取り組み(4). 99 課題解決学習:テーマ 「人∼生命の始まりか ら豊かな老後まで∼」. 同左. 100. 全般. 全般. 全般 保育,調理実習,おも ちゃづくり. 「命をはぐくむ」性,. 生命誕生,保育,生活 の自立,保育実習など 101 スキル学習,石狩につ いて学ぷ. コンピュータ(技) グループによっては家 庭科的内容のものが. につける(自分たちで 生きる力とは何かを考 え身につけるため学習. あった。服製作,料理,. 家,ファッションにつ いてなど 同左. する). 102 自然体験学習,職場見 学学習,合唱を中心と した表現活動 103 104 105. 140. 表現活動. 同左. した表現活動 同左 文化面,調理 同左 「食」に関わるテーマ 「衣」に関わるテーマ 「住」に関わるテーマ 幼児虐待について調べ たグループを指導した.

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参照

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