東日本大震災 危機発生時の対応について考える:1.固定電話と通信サービス-東日本大震災における初期対応-
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(2) 状況把握とサービス確保. [設 置 回 線 / 設 置 個 所] 2500. 広域停電の影響 ネットワーク設備の被災状 況把握は初動として重要であ. 2000 設置回線 1500. る. し か し今回 の震 災 では,. 1,400 の通信ビルで停電が発生).. 5/5. 5/1. 4/25. 4/20. 図 - 3 特設公衆電話等の設置状況. 状況把握ができず,他の周辺 情報から判断して対応を実施した(ピーク時には約. 4/15. 4/10. 4/5. 4/1. 続 い た. 特 に 停 電 の 正 確 な. 0. インターネット設置個所. 3/25. 握が行えない状況がしばらく. 500. 3/20. 響を受け,正確な被災情報把. 設置個所. 3/15. 断され,監視制御用回線も影. 1000. 3/12. 中継伝送路約 90 ルートが切. 大規模災害時の支援 公衆電話無料化と特設公衆. 通信ビルには,バッテリと非常用エンジン(大き. NTT 東日本では,震災発生の夕方から順次,東北. な通信ビルのみ)があり,さらに非常時には移動電. から関東エリアにかけた広い範囲の公衆電話を無料. 源車が駆けつけて給電することとなっているが,あ. 開放した.その期間は,関東エリアでは震災から約. まりに広い範囲の停電で対応が追いつかず,一部地. 1 週間,被災地域ではおおむね 1 カ月であった.首. 域ではサービス停止となる事態が発生した.. 都圏でも,震災直後の帰宅困難者に提供し,災害時. 一方で電力会社の復旧作業によって電力供給が回. の通信確保の重要性を再認識した.. 復した通信ビルでは,その後,通信設備の再起動や. また,被災地の避難所などに,無料で利用できる. 遠隔による試験などを実施して通信サービスの正常. 特設公衆電話を設置して通信サービスの提供に努め,. 性を確認した上で,移動電源車を電力未復旧の別の. さらにインターネット利用のための無料 PC の設置. ビルに移動させるなどの対応を行った.. を進めるなど(図 -3),被災者や支援者の利用環境. 今後,バッテリの保持時間や移動電源車配備など. の整備を行っている.. を含めて,災害時の停電発生に備えた通信ビルの電 源確保について,改めて検討する必要があると考え. 今後に向けて. ている.. 阪神・淡路大震災,新潟県中越地震などの経験を 通じて,さまざまな改善施策やネットワークの強化. 津波の影響. を図ってきたが,今回の大震災は【広範囲,長時間. 前項で述べたとおり,一部の監視制御線が途絶し. 停電,津波被害(原発事故含む)】であり,どれも想. たため,震災直後からしばらくは正確な状況が把握. 定を超えた規模で,大規模災害への備えや対応につ. できない事態に陥った.特に沿岸部の通信ビルにつ. いて改めて考え直す必要があると認識した.. いては,停電状態か/津波で通信ビル自体が破壊さ. 通信設備のさらなる信頼性向上や迅速な復旧のた. れたのか/監視制御線だけが途絶したのか,などが. めの災害用機器の配備拡充,災害用伝言ダイヤルのサ. 正確に把握できず,震災発生翌日以降の現地視察に. ービス性向上など,災害に強いネットワークを目指し. よって詳細が判明した.. て,今後もさまざまな改善に取り組むこととしている.. 津波による直接被害としては,通信ビルの損壊,建 物の浸水,中継ケーブルや加入ケーブルの損傷,中 継ビル(親局)損壊による影響などであった.その後, 各々の被害に応じた設備回復措置とサービス復旧の対 応に追われた.. (2011 年 5 月 23 日受付). 小出利一 ■ [email protected]. NTT 東日本で,ネットワーク設備の大規模故障などに備えた危機管 理や施策の安全評価を担当.東日本大震災では,NW 運行チームリ ーダとして,通信サービスレベルの維持・回復に奔走.2011 年 7 月 より(株)NTT-ME に所属.. 情報処理 Vol.52 No.9 Sep. 2011. 1063.
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