• 検索結果がありません。

中国人より中国品!? (特集 チャイニーズ・オン・ザ・グローブ)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "中国人より中国品!? (特集 チャイニーズ・オン・ザ・グローブ)"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

中国人より中国品!? (特集 チャイニーズ・オン・

ザ・グローブ)

著者

安藤 裕二

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジ研ワールド・トレンド

202

ページ

23-24

発行年

2012-07

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00003927

(2)

●合言葉は

Made in China

  首都ダカの街を歩いていると 、 よく耳にする言葉がある。 ﹁ Made in China ﹂、この言葉はモノでは なく、歩いている筆者に向かって 放たれる。農村部においても同じ で、 英語を話せない人でも ﹁ Made in China ﹂という合言葉を口々に 話す。バングラデシュ人からすれ ば、日本人・中国人・韓国人は皆 同じに見えるようだ。それは日本 人から見て 、バングラデシュ人 ・ インド人・パキスタン人の区別が つかないことと似ているだろう。   アジア人を見るとバングラデ シュ人が ﹁ China ﹂と連想するか らには、余程バングラデシュには 中国人が多いのかと思いきや、国 内にはチャイナタウンはないし 、 ダカの街を歩いていても、中国人 らしき人を見かけることは滅多に なく、正直言って謎が多い。   ある中国人ビジネスマンの話で は 、 中国人でさえもバングラデ シュでの中国人の実態を把握して おらず、地方でインフラ工事やガ ス開発、市場開拓に従事している 人が多く、四∼五万人いるという 話だ。在バ日本人六五〇人と比べ ると格段に多いのも事実だが、親 日感情が非常に強いバングラデ シュにおいて 、﹁アジア人=中国 人﹂という等式が成立している理 由は、例の合言葉そのものが示し ているだろう。文字通り、 ﹁ Made in China ﹂がバングラデシュに溢 れているからだ。

バングラデシュに溢れる

Made in China

  統 計 デ ー タ で ﹁ Made in Chi-na ﹂の存在感の大きさを確認で きる。表 1から、バングラデシュ 最大の輸入相手国は中国で、二〇 一〇年度︵バングラデシュの会計 年度は七月∼翌六月︶輸入額全体 の約二〇%を占める。主要な輸入 品目は、機械、綿花、電気電子機 器、化学肥料が、全体の約五〇% を構成し、プラスティック製品な どの ﹁安かろう 、悪 かろう﹂の製品も多 い 。一方 、バングラ デシュから中国への 輸出額は 、全体の僅 か一 ・四%にしか過 ぎない。   直接投資について は 、二〇一〇年度の 直接投資額は全体の 一 ・八%と 、意外に も中国の存在感は大 きくない 。バングラ デシュは中国に対し て輸入超過で直接投 資 も 相 対 的 に 小 さ い、 ﹁片想い状態﹂が続いている。   バングラデシュは主要産業の縫 製業を背景に、年間成長率六%を 実現し、人口一億六〇〇〇万人の 豊富な内需がある。今まで﹁ビジ ネスの場所﹂と見なされなかった バングラデシュを、大市場として 目をつけたのが﹁中国人﹂だ。   市場に行くと 、﹁ Made in Chi-na ﹂ が溢れ返る。雑貨、 携帯電話、 電化製品などから道を走るバイ ク 、 バ ス に 至 る ま で ﹁ Made in China ﹂が多い 。模倣品や中国国 内で売れないような粗悪品までバ ングラデシュへ流れてくる。そん 表1 バングラデシュの主要国・地域別輸出入(通関ベース) (単位:100万ドル、%) 2009/10年度 2010/11年度 金 額 金 額 構成比 伸び率 輸出総額(FOB) 16,204.7 22,924.4 100.0 41.5 アメリカ 3,950.5 5,107.5 22.3 29.3 ドイツ 2,187.3 3,438.7 15.0 57.2 インド 304.6 512.5 2.2 68.3 日本 330.6 434.1 1.9 31.3 中国 178.6 319.7 1.4 79.0 香港 150.7 218.0 1.0 44.7 韓国 140.3 163.7 0.7 16.7 台湾 40.7 63.7 0.3 56.5 輸入総額(CIF) 23,738.4 33,657.6 100.0 41.8 中国 3,819.1 5,905.7 19.7 54.6 インド 3,213.9 4,560.0 15.2 41.9 日本 1,047.1 1,306.6 4.4 24.8 韓国 838.5 1,118.3 3.7 33.4 香港 787.2 760.8 2.5 △3.4 台湾 541.8 730.5 2.4 34.8 (注) 輸入総額には輸出加工区(EPZ)、借款・贈与分を含む。 (出所) バングラデシュ中央銀行および輸出振興庁資料から筆者作成。

中国人

り中国品

特 集

チャイニーズ・

オン・ザ・グローブ

23

アジ研ワールド・トレンド No.202 (2012. 7)

(3)

な﹁ Made in China ﹂に対し、バ ングラデシュ人は口々につぶやく ﹁ Made in China は One-Time Use だ﹂ 。 しかし彼らはそう分かっ て い な が ら も 、 安 い ﹁ Made in China ﹂を手に取る。

バッテリーリキシャも

Made in China

  バ ン グ ラ デ シ ュ に 溢 れ 返 る ﹁ Made in China ﹂は 、意外なモ ノにも使われていた。 主にインド、 バングラデシュで公共交通機関の ごとく利用される ﹁リキシャ﹂ ︵語 源は日本語の ﹁人力車﹂ ︶ という 乗り物だ。最近ではリキシャもグ レードアップし、ハンドルをひね れば進み出す充電式バッテリーの 付いた﹁バッテリーリキシャ﹂が 首都ダカを中心に急速に普及し始 めている ︵表紙写真参照︶ 。実は このバッテリーリキシャの生産中 核 を﹁ Made in China ﹂が 握っている。   バ ッ テ リ ー リ キ シ ャ は バ ン グ ラ デ シ ュ の 地 場 企 業 BEEV A TECH 社︵参考文献①︶が二年前に開発 し、独占製造販売している。取締 役 社 長 の M. Saidur Rahman P orag 氏は次のように語る 。﹁ バ ングラデシュでは自動車やバイク はモデルチェンジをしているが 、 リキシャは長い間モデルチェンジ をしていない。そこにアイデアを 得て、中国企業とバッテリー等の 基幹部分の委託生産を相談のう え、充電式バッテリーとモーター を付けた新型リキシャを開発する に至った﹂ 。   リキシャの仕事は自転車を漕い で人を運ぶ、貧困層がやる仕事と いうイメージが根強い。リキシャ のシステムはこうだ。オーナーか ら一日一〇〇TK ︵約一〇〇円 、 一TK=約一円︶でリキシャをレ ンタルし︵購入の場合は一五〇〇 〇TK︶ 、レンタル料を差引いた 額が自分の稼ぎになるというシン プルなもの。体力を使うリキシャ の仕事は一日三〇〇∼五〇〇TK しか稼げない 。 P orag 氏はこのリ キシャが全国で二〇〇万台ほど 走っていると話す。そんな﹁原始 的﹂な仕事を、突如﹁先進的﹂な ものに変えたのがバッテリーリキ シャだ。体力の消耗なしに、従来 のリキシャの三倍にあたる一日一 〇〇〇TKを稼ぐことも珍しくな い。バッテリーリキシャはレンタ ルではなく、 分割払いで購入され、 価格は馬力により四七〇〇〇TK ︵二五A︶ 、六二〇〇〇TK︵三八 A︶の二種類である。バッテリー は夜間六時間の充電で、日中一二 時間走行可能で、充電のコストも 一回僅か五TKとエコフレンド リーだ。   車輪や車体等の低付加価値部分 は国内生産されるが、核心部とな るバッテリーとモーター、速度コ ントローラー、電気部品等の高付 加 価 値 部 分 は 全 て﹁ Made in China ﹂が占める 。これはスクー ターや電気自動車に使用される部 品と共通することから、中国企業 に比較優位のある分野と言える。

●見つけた

Made in Japan

  P orag 氏は同社が二年前から独 占販売するバッテリーリキシャ を、チッタゴンやシレット等の都 市にも販売拠点を設け、現在国内 で同社製が一万五〇〇〇台走って いると話す。同氏は﹁バッテリー リキシャは雇用機会の少ない女性 にも職を与えられる。今年中には インドへの輸出も開始し、将来的 には電気乗用車を製造したい﹂と 意気込む。この革新的な乗り物を 支 え る の が ま さ に﹁ Made in China ﹂だが 、問題はバッテリー の耐久年数が一∼二年と、やはり ﹁ One-Time Use ﹂だ。   同社は今年二月からソーラーパ ネルを利用した ﹁ ソーラーリキ シャ﹂の製造販売を開始した。価 格は九〇〇〇〇TKと割高なた め、まだ二台しか販売実績がない という。恐る恐るソーラーパネル の輸入先を質問すると 、答えは ﹁ Made in Japan ﹂ 。   数年後同じ質問をしてみるとど のような答えが返ってくるだろ う。最近﹁ Made in China ﹂の品 質も上がっていると聞く。例の合 言葉が返ってきそうで怖い。 ︵あんどう   ゆうじ/アジア経済研 究所   在バングラデシュ ・ダカ海外 研修生︶ ︽参考文献︾ ① ﹁VEEBA TECH ﹂社ウェブサイ ト︵ http://www .beevatech. com/index.php ︶ 。 ② 山形辰史﹃バングラデシュの電 気自動車︱電力不足地域で未来 先取り?︱﹄ ︵アジ研ワールド ・ トレンド二〇一一年一二月号   第一九五号︶ 。 中国から輸入されているモーター部分。バッテリーリ キシャの核心部のひとつ

24

アジ研ワールド・トレンド No.202 (2012. 7)

参照

関連したドキュメント

音節の外側に解放されることがない】)。ところがこ

本章では,現在の中国における障害のある人び

中国の食糧生産における環境保全型農業の役割 (特 集 中国農業の持続可能性).

固体法は、中国における固形廃棄物の管理に関する基本法であると同時に輸 入廃棄物に関する規定も整備した法律である。同法は、海外の固形廃棄物の投

第?部 国際化する中国経済 第1章 中国経済の市場 化国際化.

新中国建国から1 9 9 0年代中期までの中国全体での僑

21 世紀は中国の時代になる。投資家のジム・ロジャーズが自著 A Bull in China でこう強調したのは 2007 年のことであった。それから

今回の刑事訴訟法の改正は2003年に始まったが、改正内容が犯罪のコントロー