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判例研究 性的志向に基づく差別から同性愛者を保護することを禁止するコロラド州憲法修正2がアメリカ合衆国憲法修正14条の平等保護条項に反するとされた事例

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(1)5 3. 判例研究: 性的志向に基づく差別から同性愛者を保護することを禁止 するコロラド州憲法修正 2がアメリカ合衆国憲法修正 1 4条 の平等保護条項に反するとされた事例. 西{康潤*. CASENOTE:Romer , G o v e r n o ro fC o l o r a d o, e ta l . v .. Evanse ta , . l1 1 6S . C t .1 6 2 0( 1 9 9 6 ) .. JunSAIJO. 【事案の概要 1. 1992年 1 1月 3日 、 コ ロ ラ ド 附 リ 州 什 、 、 卜 │ 札 t 十 修正された。 コロラド州及びその機関は、ホモセクシュアル、レズピアン又はパイセクシュアル の志向、行為、プラクティス又は関係を、マイノリティとしての地位、クォータ制に おける優遇、保護されるべき地位若しくは差別の適法性を争う法的主張の根拠とする、 又はそれらに対する権利を個人又は集団に与える法律、規則、条例若しくは基本方針 を制定し、採用し、又は執行してはならない。 以上のように規定するコロラド州憲法修正 2条 3 0節 b (以下、「リ札. 本近畿大学工学部機械工学科. Departmento fM e c h a n i c a lE n g i n e e r i n g, S c h o o lo fE n g i n e e r i n g , Ki n k i U n i v e r s i t y.

(2) 5 4. 西保. 潤. 記)が可決されたことで、 Aspen 、B o u l d e r、Denverなどが定めていた、同性愛志向 をもっ個人に対する差別を様々な分野で禁止する条例は、「ホモセクシュアル、レズ ピアンまたはパイセクシュアルの志向、行為、プラクティスまたは関係」に基づく差 別を禁止するかぎりで無効とされることとなった。州憲法修正の可決後、複数の原告. 4条の平等保護条項に反するとして、州憲法修正 が、州憲法修正は合衆国憲法修正 1 が無効であることの宣言とその執行差止を求める訴訟を提起した。 コロラド州事実審裁判所は、州憲法修正の執行差止を認める暫定的差止命令. ( p r e l i m i n a r yi n j u n c t i o n )を発した。このためコロラド州が上訴したところ、同州最高 裁判所は、大要、以下のように判示し、事実審裁判所の判断を維持した。同州最高裁. 4条の平等保護条項は、政治過程に平等に参加する 判所によれば、「合衆国憲法修正 1 基本的権利を保障しているため、他のクラスから孤立しているクラスに属する諸個人 を‘締め出す, ( ‘f e n c i n gou t ' ani n d e p e n d e n t l yi d e n t i f i a b l ec l a s so fp e r s o n s )こと によってこの権利を制限する立法または州憲法修正は、厳格審査に服せしめられねば ならなしリ1) r 州,憲法の修正を通じて有権者の多数の同意を得なし 1かぎり、分類対象 0. とされるクラスは差別から立法部、執行部および司法部により保護または救済されな いこととなる J ため、「州憲法修正が政治過程に平等に参加する権利に影響を及ぼす ことは明らかである J2)。コロラド什│最高裁判所はこのように述べ、州は州憲法修正. c o m p e l l i n gs t a t ei n t e r e s t )のあること、さ を正当化するだ、けの必要不可欠な州の利益( らに、州憲法修正が当該利益達成のためにもっとも制限的でない手法を用いて厳密に 立法されていることを立証しなければならないとし、現時点でその立証がなされてい ないとした。この後、連邦最高裁判所がコロラド州の上告を認めなかったことで、本 件は、州憲法修正を正当化するに足りるだけの必要不可欠な州の利益があるか否かに つき審理を尽くすため、州地方裁判所に差し戻されることとなった。 差し戻し審においてコロラド州は、州憲法修正を正当化する必要不可欠な州の利益 を 6つあげている 3)。しかしながら、コロラド州地方裁判所は、このうち 2つが必要 不可欠な州の利益にあたるとしたものの、州憲法修正は当該利益達成のためにもっと も制限的でない手法を用いて厳密に立法されて ( n a r r o w l ydrawn)し、ないと結論した心。 コロラド州最高裁判所はこの判断を維持した。この後、連邦最高裁判所は、コロラド 州の上告を受理し、コロラド州最高裁判所判決とは理由づけを異にしながらも、同判 決を維持している 5)。 [判旨】. (Kennedy裁判官法廷意見:S t e v e n s裁判官、 O'Connor裁判官、 S o u t e r裁判官、 Ginsburg裁判官、 B r e y e r裁判官が同調) 州憲法修正は、以下の 2つの理由により、合衆国憲法修正 1 4条の平等保護条項に 違反する。.

(3) 判例研究:性的志向に基づく差別から同性愛者を保護することを 禁止するコロラド州憲法修正 2がアメリカ合衆国憲法修正 1 4 条の 平等保護条項に反するとされた事例. 5 5. 第 1に、州憲法修正は、「広範かつ画一的な不利益を、名指しした一集団に対して 課す(i mposingabroadandu n d i f f e r e n t i a t e dd i s a b i l i t yonas i n g l enamedg r o u p )と いう特異な性質を有する」、「まれにみる」、「違憲無効な形態の立法(i n v a l i dformo f. l e g i s l a t i o n )で、ある J6)。 「国家およびその機関はその保護を求めるすべての個人に対して不偏不党の条件 で聞かれていなければならなし叫remaino penoni m p a r t i a ltermst oa l lwhos e e ki t s. a s s i s t a n c e )との原理が、法の支配とし、う理念の中心にも、合衆国憲法による平等保護 の中心にも存する j 吟。この原理に照らせば、「ある集団が国家による支援 ( a i d )を求め ることを他のし、かなる集団よりも困難ならしめることとする、と一般的に宣言する法 nt h emostl i t e r a ls e n s e )、法 は、それ自体で、もっとも字義どおりの意味において(i の平等保護を拒否している」紛。 I 憲法修正は、それを正当化するために提示された諸理由とあまりに一 第 2に、「州、J 貫性をもたないため、その適用を受ける集団に対する敵意以外の何ものによっても説 明できない j、つまりは、「正当な政府利益との合理的関連性をもたなしリため、平等 保護条項に違反する 9)。 Departmento fA g r i c u l t u r ev .Moreno10)が明らかにするとおり、「‘法の平等保護' という憲法上の概念が何らかの意味をもっとすれば、最低でも、政治的に不人気な集 団( p o l i t i c a l l yunpopularg r o u p )を加害したいという剥き出しの…願望は正当な政府 利益を構成しえないということを意味していなければならなしリ 11)。合理的根拠テス トは、ある集団を敵意に基づき不利益処遇するためだけに法的分類が設けられたので はないことを確認するために、「法的分類が独立した正当な立法目的 G ndependent. andl e g i t i m a t el e g i s l a t i v ee n d )と合理的関連性をもつことを要求する」のである. 。. 1 2 ). 州憲法修正は州の掲げる立法目的から導かれる範囲を超えてあまりに広範囲にわた り同性愛者に不利益を課しているため、当該立法目的は信用しがたい. I 州憲法修. 1 3 )0. 正は、明らかにすることのできる正当な何らかの目的または独立した目的 ( a n y. i d e n t i f i a b l el e g i t i m a t ep u r p o s eo rd i s c r e t eo b j e c t i v e )に向けられているとはいいがた し リ のであって、 「 リ 州 什 、 、 卜 │ 札 t 十 を他のし、かなる個人とも平等ならざる者とするために彼らを分類している J 叫 1 必 4 ) 0. ( S c a l i a裁判官反対意見:Rehnquist首席裁判官と Thomas裁判官が同調) 「法廷意見は、本日当裁判所が審理している争点にとってもっとも有意味である事 案に言及すらしていなしリ. 1 5 )。その事案とは、. Bowersv .Hardwickである. 1 6 ) 0. Bowers. 判決において当裁判所は、第 1に、合衆国憲法は同性愛者にソドミ一行為を行う基本 的権利を保障していないこと、第 2に、当該州、│法はジョージア州民の多数者の性的道 徳観念を反映しており合理的根拠を有するものであることを根拠として、当該州法を 合憲とした。この Bowers判決をもとにすれば、州憲法修正が合理的根拠を有するこ.

(4) 5 6. 西保. 潤. とは明らかである。 まず、州憲法修正の立法目的は正当なものである。「本件で争点となっている敵意 とは、同性愛行為に対する道徳的非難、つまり、当裁判所が Bowers判決において合 憲と判断した、数世紀も前からある刑法の生み出すものと同じ種類の道徳的非難なの " [ 4 t である J17)0 円 州什 十 、 札 │ ト 、. 表明したものではなく、むしろ、法を用いることによって伝統的性道徳を変えようと する、政治力をもっマイノリティの試みから伝統的性道徳をまもるために、寛容と思 われるコロラド、州民が行った穏当な試みJである. 1 8 ) 。くわえて、同性愛者に敵意を向. けることは人種または宗教について偏見をもつこと同様に許されないとする規範は 合衆国憲法中に見出されないのだから、裁判所がこのような文化闘争( KulturkampD に介入することは許されない酬。 次に、州憲法修正の採用する分類は合理的である。「同性愛行為を行っておらず向 性愛“志向"をもつだ、けの個人に州憲法修正が適用されることを、大は小をかねる、 としづ議論によって正当化することはできなしリとの批判もあるが、 r Bowers判決が なお、州憲法修正に合理的根拠を与えてくれる。同性愛行為を処罰することが合理的 であるなら、当該行為を行う傾向があると自認するか、または当該行為を行いたいと いう願望のある個人に対して特別な保護を与えないとすることは、当然に合理的であ るJ20)0 r 刑罰による制裁を伴わない場合には、同性愛“志向"があることをもって、 同性愛行為を行っていると判断してさしっかえない( a c c e p t a b l es t a n d i nf o r. homosexualc o n d u c t )ので、ある J21)。つまり、州法の採用する分類が過小包摂または 過大包摂であるというだけでは、当該分類は平等保護条項に違反しないのである. 2 2 ) 。. I 解説 1 1 . 本件は、同性愛者差別を禁止する立法および同性愛者に対する優遇措置を定める 立法を行うことを禁止する州憲法修正が合衆国憲法修正 1 4条の平等保護条項に反す るとされた事例で、ある。本判決は、以下の 2つの点で注目を集めた。第 1は、州憲法 修正は平等保護条項に反する違憲無効な形態の立法であると宣明された点である。第. 2は、もっとも緩やかな司法審査基準である合理的根拠テストのもとですら州憲法修 正が平等保護条項に違反するとされた点である。. 2 . 法廷意見は、「ある集団が国家による支援 ( a i d )を求めることを他のいかなる集団 よりも困難ならしめることとする、と一般的に宣言する法は、それ自体で、もっとも 字義どおりの意味において Gnt h emostl i t e r a ls e n s e )、法の平等保護を拒否している」 とする. 2 3 ) 0. 法廷意見のこの判示につき、反対意見は、以下のように述べ、法廷意見の. 依拠する前提を額面どおり受けとれば民主制はおよそ機能しえなくなると批判する。 反対意見によれば、法廷意見の説示の前提とは、民主制における意思決定を通じて利 益を得、または不利益を回避することを、ある集団についてのみ他の集団よりも困難 ならしめることは、平等保護条項に違反する、というものである。反対意見によれば、.

(5) 判例研究:性的志向に基づく差別から同性愛者を保護することを 禁止するコロラド州憲法修正 2がアメリカ合衆国憲法修正 1 4 条の 平等保護条項に反するとされた事例. 5 7. 法廷意見はこの前提から、困難な州憲法修正を経なければ特別な保護を受けられない 同性愛者は法の平等保護を拒否されている、との結論を引き出しているとしづ。しか しながら、民主制を通じてなされる州憲法修正や立法は、ある集団に対し回避困難な 不利益を課すことが常であるため、法廷意見の依拠する前提に立てば、これらの法は すべて合衆国憲法修正 14条違反となり、結果として民主制は機能しえなくなる. 。. 2 4 ). もっとも、民主制を通じてなされる州憲法修正や立法がある集団に対して回避困難な 不利益を課しているとしても、法の内容が合理的でありさえすれば合衆国憲法修正 14 条違反の疑義は生じないと法廷意見は反論するだろう、と反対意見はいう. 2 5 )。だが、. 反対意見は、この反論がなりたちえないとする。というのも、反対意見によれば、後 述のとおり札、 「 吋 リ 州 外 、 、 卜 │ 札 t 十 らでで、ある 却 2 却 6 ω ) 。 では、法廷意見はどのような前提から、州憲法修正は違憲無効な形態の立法である とする結論を引き出したのだろうか。. i b eらの展開 ここで参考となるのが、法廷助言者ブリーフにおいて LaurenceH.Tr した議論である。Tr i b e らは、以下のように述べ、州憲法修正は平等保護条項に本質 的に違反する ( p e rs ev i o l a t i o n )もので、あり、違憲無効な形態の立法の稀有な例である とする到。平等保護条項は、「州は、その統治権の及ぶ範囲内において ( w i t h i ni t s e q u a lp r o t e c t i o no ft h el a w s )を拒 j u r i s d i c t i o n )、何人に対しても法による平等な保護( んではならない j と定めている 28)0 このように定める平等保護条項は、何人で、あって も州法の下で平等に、少なくとも、自分たちに課されるかもしれない不利益からの保 護を求めることができなければならないことを要請する。ここにいう不利益が、強盗 という形であらわれるものか、それとも差別という形であらわれるものか、さらには、 私人により課されるものか、それとも国家により課されるものかは、関係ない 29)。こ のため、差別や強盗などの違法行為 ( w r o n g s )からの保護を求める機会がひろく開かれ ているかぎり、換言すれば、一定の諸個人についてのみ当該機会が剥奪されなし、かぎ り、平等保護条項違反の疑義は生じない。しかしながら、州憲法修正は、文面上ある 一定の諸個人を選び出して、当該諸個人についてのみ差別からの保護を求められない こととしているため、平等保護条項の文言のもつ上記の明白な意味に違反しており、 したがって文面上違憲で、ある制。 一見したところ、このTr i b eらの議論は、州憲法修正が字義どおり法の平等保護を 拒否するものであるとする点で、法廷意見と類似している。しかしながら、この世i b e らの議論は成功していないとする見解もある。この見解によれば、差別からの保護を 求める権利を一定の諸個人から剥奪するだけでなく、当該諸個人を、法的保護を受け られない者( o u t l a w )とする立法でないかぎり、平等保護条項に文面上違反するとまで はいえないという. 31 }0. T r i beらの議論においては、立法が差別からの法的保護を求め. る権利をあるクラスに属する個人から剥奪しているか否かが重要で、あって、立法があ. o u t l a w s )として扱っているか否 るクラスに属する個人を、法的保護を受けられない者(.

(6) 5 8. 西候. かは重要ではない. 潤. 3 2 ) 。しかしながら、平等保護条項は合理的根拠のない区別を禁止す. るものであるため、ある一定の諸個人が差別禁止法による保護を受けられないとして も、そのことに合理的根拠があるならば、平等保護条項違反とはならない。つまり、 一定の諸個人のみが他の諸個人と平等に法的保護を受けられなし、からといって直ち に平等保護条項違反となるわけではないのである. 3 3 ) 。. 法廷意見は、Tr i b e らの議論と同様の前提に基づくものなのだろうか、それとも、 反対意見の指摘どおり、成立しえない前提に依拠しているのだろうか。あるいは、こ れら以外のものが法廷意見の前提となっているのだろうか。州憲法修正は、平等保護 条項の根底にある、国家はすべての個人に対して不偏不党でなければならないとする 理念に反するからこそ違憲とされたのだと説明する見解もある. 。しかしながら、法. 3 4 ). 廷意見がどのような前提に基づいて州憲法修正が違憲無効な形態の立法であると結 論したのかは、その説示するところからは判然としない。 3 .. 以上の論拠とは別に、法廷意見は、伝統的な平等保護法理においてもっとも敬譲. 的な合理的根拠テストを用いて違憲判断を下している。. 3 . 1 まず、十│、│憲法修正が合理的根拠を有するか否かという点につき、法廷意見と反 対意見では問いの立て方が異なっている。反対意見によれば、州憲法修正は、同性愛 者差別のみを禁止する個別の立法を行し 1えないこととするものにすぎず、同性愛者差 別に限らず差別一般を禁ずる差別禁止法による保護を同性愛者から剥奪するわけで はない. 3 5 )。つまり、州憲法修正は、「同性愛行為に対する不利益処遇. ( d i s f a v o r i n g )す. ら行わず、同性愛行為に対し特別な保護を与えることを川│の統治のあらゆる局面で禁 止するにすぎなしリ. 。このように述べる反対意見によれば、不利な扱いをするわけ. 3 6 ). ψ 、 什 州 リ 、 卜 │ 札 t 十 ではなく特別扱いを禁ずるにすぎなし、サ 刊 の 7 )。これに対し、法廷意見は、「必然的にとはいわないまでも、州憲法修 あるという 3. 正の文言が広範であることからすれば、州憲法修正はゲイおよびレズピアンから国家 または私人による恋意的な差別からの保護を剥奪する、と推論することがもっともだ ろう」とし湖、断言してはいないものの、州憲法修正は一般的に適用されうる差別禁 止法による保護すらも同性愛者から剥奪しかねないとしている。法廷意見は以上のよ うに述べ、 、 リ 円 「、 卜 │ 札 t 十 別禁止法は特別扱いを受けることに対する権利を保障するものでで、あるとする反対意 見に異を唱えている。 たしかに、ある集団に属する個人に共通する様々な特徴のほとんどは、当該個人を 差別から保護すべきことの根拠とはならない。つまり、身長の低い人、映画制作者、 歌手、乗馬をする人、犬を飼っている人など、多種多様な特徴をもっ様々な個人は彼 らの特徴ゆえに差別から特別に保護されるべきであるということにはならないので ある。このように考えれば、反対意見の述べるように、州憲法修正は同性愛者の地位 を他の個人と同じ地位に戻したにすぎないともいえる. 4 0 ) 。しかしながら、法廷意見の. 指摘するとおり、同性愛者は州憲法を再度修正しなし、かぎり差別禁止法による保護を.

(7) 判例研究:性的志向に基づく差別から同性愛者を保護することを 4 条の 禁止するコロラド州憲法修正 2が ア メ リ カ 合 衆 国 憲 法 修 正 1. 5 9. 平等保護条項に反するとされた事例. 受けられないのに対し、異性愛者を含め彼ら以外の個人は州憲法を修正せずとも差別 禁止法による保護を受けられるのだから、州憲法修正はこの点で同性愛者のみを不利 ) 1 に扱っている 4。. 3 . 2 では、同性愛者にのみ上記のような異なる取扱いを行うことは平等保護条項に 反するだろうか。反対意見は、 Bowers判決が本件の先例であり、合理的根拠テスト を用いて州憲法修正の合憲性が審査されるべきである以上、それはありえないとする。 州憲法修正は、 Bowers判決で合憲とされた州法同様に、同性愛行為を道徳的に非難 し伝統的性道徳を保持することを目的としており、目的の正当性を要求する合理的根 拠テストに耐えられる。さらに、州憲法修正は当該目的達成のために刑事制裁を伴う 不利益処遇を行っておらず、くわえて、州憲法修正が用いる法的分類は、同性愛志向 を有するた、けで、同性愛行為を行ってはいない個人をも含む点で過大包摂であるとは いえ、正当な目的との合理的関連性を要求する合理的根拠テストには耐えられる。こ のように、反対意見によれば、州は Bowers判決を根拠として、不道徳な性行為を行 う傾向のある人々を差別から保護することを禁止できるのである. 4 2 ) 。. しかしながら、法廷意見が Bowers判決に言及すらしていないことに表れているよ うに、 Bowers判決が本件の先例たりうるかどうかは、明らかでない。 Bowers判決は、 成人の同性愛者間でなされる合意に基づくソドミ一行為を処罰する州法は合衆国憲 法修正 1 4条のデュー・プロセス条項に反しないとした事案で、あって、平等保護条項 の解釈論を展開してはいないからである。したがって、 Bowers判決によるデ、ュー・ プロセス条項の解釈において正当性を認められた目的が、平等保護条項の解釈におい ても当然に正当な目的として認められるといえるかどうかは、定かではない. 。デ、ユ. 4 3 ). ー・プロセス条項の解釈において正当性を認められた目的は平等保護条項の解釈にお いても正当な目的として認められるとしづ論理必然の関連性が両条項の間にあると、 反対意見のように措定してよし、かどうかについては、なお検討を要する。この点に関 して法廷意見から明瞭な示唆を得ることはできないが、いずれにせよ、法廷意見は州 憲法修正の目的の正当性を否定している。 法廷意見によれば、平等保護条項は、政治的に不人気な集団 ( p o l i t i c a l l yunpopular g r o u p )を加害したいという剥き出しの願望すなわち敵意に基づく立法を禁止してい る叫。にもかかわらず、州憲法修正は、十卜│の掲げる立法目的から導かれる範囲を超え てあまりに広範囲にわたり同性愛者に不利益を課しているため、同性愛者に対する敵 意に根差した立法であるとしか説明できず、したがって平等保護条項に反するのだと し 、 う 45)。 しかしながら、法廷意見のこの説示については、反対意見も指摘する以下の 2つの 疑問が生じる。 第 1に、ある立法が敵意に根差したものかどうかをどのようにして審査すべきだろ. f l u s h i n go u tu n c o n s t i t u t i o n a l うか。ここで想起されるのが、「違憲な動機を洗い出す( m o t i v a t i o n s )J機能をもっとされる、疑わしき分類の理論である. 4 6 ) 。立法者は、ある.

(8) 6 0. 西傑. 潤. 分類を採用するときに真の立法目的を掲げるとはかぎらない。そのため、掲げられた 立法目的が真の立法目的かどうかを確かめるには、当該分類が当該立法目的と合致す るかどうかを分析しなければならない。この分析において、立法目的からみて本来採 用されるべき分類と、実際に採用されている分類が祖師をきたすなら、当該立法目的 が真の立法目的ではないことが明らかとなる。疑わしき分類の理論とは、合憲性の疑 わしい法的分類について立法目的との適合性を厳密に審査することで、当該分類があ る集団を不利に扱うこと自体を真の目的としていなし、かどうか、換言すれば違憲な動 機に基づいて立法が行われていなし 1かどうかを洗い出そうとする理論なのである. 4 7 )。. たしかに、法廷意見は、州憲法修正が敵意に根ざしていると述べてはいるものの、 疑わしき分類の理論に依拠して敵意を洗い出したわけではない。もっとも、法廷意見 は、州の掲げる立法目的と法的分類の整合性のなさを根拠として州憲法修正の背後に 違憲な動機を見出している点で、疑わしき分類の理論と類似している。法廷意見が司 法審査の厳格度を高めることなく、しかしながら違憲な動機を見出していることは、 興味深い現象である。同性愛者に対する敵意と人種または宗教に関する偏見を同列に 扱うべきではないとし、さらに、合理的根拠テストのもとでは州憲法修正のように過 大包摂となっている法的分類も許容されうるとする反対意見と比較してみれば、この ような法廷意見の判断手法はとりわけ重要な意義をもっ。法廷意見が従来の平等保護 法理における司法審査基準論の枠組みのなかでどのように位置づけられるべきかが、 慎重に検討されなければならないだろう. 4 8 ) 。. 先述の法廷意見の説示に関する第 2の疑問は、厳密に言えば違憲な動機とはどのよ うなものなのかということである。ここで注目したいのが、疑わしき分類の理論の違 憲な動機を洗い出す機能を重要視する JohnHartE lyの議論である。疑わしき分類の 理論においては、違憲な動機すなわち敵意に基づいてある集団を不利益処遇している. lyによれば、同性愛者 蓋然性の高い立法は、違憲の疑いを向けられることとなる。 E を不利に扱う法的分類の合憲性は疑わしいが制、強盗犯を不利に扱う法的分類の合憲 性は疑わしくないという. 5 0 ) 。しかしながら、同性愛者に敵意が向けられる蓋然性は高. く、したがって同性愛者を不利益処遇する法的分類の合憲'性は疑わしいが、強盗犯に 敵意が向けられる蓋然性は低く、したがって強盗犯を不利益処遇する法的分類の合憲 性は疑わしくないと、なぜいえるのだろうか。本判決においても、これと同じ疑問を 反対意見が法廷意見に投げかけている。反対意見によれば、殺人、一夫多妻 ( p o l y g a m y )、 動物に対する残虐な行為および同性愛行為などに法が向ける道徳的非難と、法廷意見 の指弾する敵意は、同一のもので、あって区別できない。反対意見のこの指摘のとおり、 許容されうる道徳的非難と許容されえない敵意を判別する基準が明確にならなし 1か ぎり、法廷意見の説得力は大きく殺がれることとなろう 51)。平等保護条項の禁止する 敵意とは一体何で、それをどのようにして洗い出すのかを、より明確化する必要があ るだろう o 4 . 本判決は、同性愛者に対する法的処遇のあり方の再考を促す大きな契機となった。.

(9) 判例研究:性的志向に基づく差別から同性愛者を保護することを 4条の 禁止するコロラド州憲法修正 2がアメリカ合衆国憲法修正 1 平等保護条項に反するとされた事例. 6 1. 本判決から 1 0年以上が経過した今現在のアメリカ合衆国においても、向性婚を法認 すべきか否かというわが国でも報じられることのある争点を含め、同性愛者に対する 法的処遇のあり方が激しい論争の対象となり続けている。反対意見の言う文化闘争の 続く状況で、合衆国憲法と連邦最高裁判所は一体どのような役割を果たすべきだろう か。この間いに答えるには、本判決が何を明らかにし、そして何を明らかにしなかっ たのかを慎重に探ることが求められよう。. P .2d1270,1282( C o l o .1 9 9 3 )( e nban c ) .. 1 )E vansv .Romer ,854. Ida t1 2 8 5 .. 2 ). aコロラド州が主張した必要不可欠な州の利益は、以下のとおりである。(1)党派 f a c t i o n a l i s m )を抑制すること、 ( 2 ) 州の政治機能の信頼性G n t e g r i t y )をまもる 主義 ( 3 )疑わしいクラス ( s u s p e c tc l a s s )の差別救済にあてるための州の能力を節 こと、 ( 4 )個人ならびに家族のプライヴァシーおよび宗教的プライヴァシー 約すること、 ( 5 )特殊利益集団の政治目的を国家が奨励す への国家による介入を阻止すること、 ( 6 )児童の肉体的および心理的福祉( w e l l b e i n g )を ることを阻止すること、および( 促進すること、の六つである。 心コロラド州裁判所は、家族のプライヴァシーと宗教的プライヴァシーの保護の eeEvans双 Romer ,C i v .A. みが、必要不可欠な州の利益であると判断している。 S N o .92CV7223,1993W L518586,a t句 ( C o l o .D i s t .C t .D e c .14,1 9 9 3 ) . 5 )S eeRomerv .Evans,1 1 6S . C t .1620( 19 9 6 ) . 6 )I da t1 6 2 7 . 7 )I da t1 6 2 8 .. ωId ωIda t1 6 2 7 . 1 0 )D epartmento f A g r i c u l t u r ev .Moreno,413U . S .528( 19 7 3 ) .. Rome , r1 1 6S . C t .a t1 6 2 8 . 1 2 ) l d 1 3 )S e θi da t1 6 2 9 . 1 4 )I d 1 5 )I da t1631 . ゆ B owersv .Hardwick,478U . S .186( 19 8 6 ) .Bowersv .Hardwickは、ソドミ一 e o r g i a州法を、成人の同性愛者間で合意のもとになされるソド 行為を処罰する G 1 1 ). ミ一行為に適用することの合憲性が争われた事案である。この事案で合憲性が争 われたジョージア州法は処罰の対象となるソドミ一行為につき、「一方の者と性 器と他方の者の口腔若しくは紅門を用いる性行為又はこれを甘受する行為 J と定 a .CodeAn n . ~ 16・6・2( 19 8 4 ) . めていた。 G 1 7 )R omer ,116S . C t .a t1 6 3 3 . 1 8 )I da t1 6 2 9 . ω lSeeidat1629.文化闘争とこの現象に関する憲法学的分析については、志田 陽子『文化戦争と憲法理論ーアイデンティティの相克と模索-~ (法律文化社,二 00六)が詳しい。.

(10) 6 2. 西候. 潤. Ida t1 6 3 2 .. 2 0 ). 21 )I d. Sθ id Ida t1 6 2 8 . 2 4 )S eeida t16301 6 31.反対意見は、以下のような例を挙げて、法廷意見を批判 r e l a t i v e s )と契約を締 している。市が市長または市議会議員の親類などの関係者 (. 2 2 ) 2 3 ). ・. 結することが州法により禁止されていると考えてみよう。この場合、市長または m u n i c i p a l i t y )を説得するだけで足り 市議会議員の親類などの関係者は、市当局 ( る他のどの州民とも異なり、州立法部を説得して州法を改正または廃止させない かぎり、市と契約を締結することができない。たしかに、この場合、市長または 市議会議員の親類などの関係者は、他の集団よりも民主制における意思決定を通 じて利益を得ることが困難となっている。しかしながら、この州法が平等保護の 拒否にあたるとは到底考えられない。 2砂 S eeida t1631.先述の州法の例に関して反対意見が予測する法廷意見からの 反論は、当該州法は汚職防止としづ合理的根拠を有するため平等保護条項に違反 しないというものである。. Id B r i e fo fLaurenceH.Tr i b e, JohnH a r t e l y , G e r a l dGunther , P h i l i pB. Kurland, andKathleenM.8 u l l i v a n , a sAm i c iC u r i a ei n8upporto f Romerv .Evans,1168.C t .1620( 19 9 6 )( N o .9 4 1 0 3 9 ) Respondentsa t6, i b eB r i e f ] . [ h e r e i n a f t e rTr 28)U .8.CON8T.amend. X N , S1 . ω 2 SeθTri b eB r i e f ,s upran o t e27,a t1 4 . 3 0 )S θ ida t81 1 . 31 )S θθCassR .8 u n s t e i n,The8upremeCourt1995Term:FOREWORD: LEAVINGTH1NG8UNDEC1DED,1 1 0H a r v .L .R e v .6,5556( 19 9 6 ) . 3 2 )S eeTr i b eB r i e f , supran o t e27, a t1 9 . 3 3 )S eeS u n s t e i n,supran o t e3 1,a t5 6 .S u n s t e i nは、この点につき、一例を挙げ 2 6 ) 27). 開. ・. て以下のように説明している。仮にコロラド州が、婚姻関係にない女性もしくは 婚姻関係にない女性で、あって労働していない者、または婚姻関係にない男性と生 w e l f a r es t a t u t e )の受給資格を与えないこと 活を共にしている女性に社会福祉法( とする憲法修正を行うとしても、この州憲法修正が字義通り平等保護条項に違反 するとは考えられないだろう。つまり、 Romer判決において違憲とされた州憲法 awsg r a n t i n gw e l f a r eb e n e f i t s )による保 修正は、社会福祉受給権を付与する法(l 護をある一定の人々から剥奪する架空の州憲法修正と同じものなのである。この アナロジーが正しいとすれば、州憲法修正は平等保護を文字通り拒否していると b eらの主張は、“保護"としづ言葉のトリックを用いているにすぎないこ す る 官i ととなる。 3 4 )S eeAk h i lReedAmar,A t t a i n d e randAmendment2 :RometsR i g h t n e s s,95 .R e v .203( 19 9 6 ) ; R o d e r i c kM.H i l l s,J r .,1 8AMENDMENT2REALLY M i c h .L. AB1LLOFATTAINDER?SOMEQUE8T10NSABOUTPROFESSOR.

(11) 判例研究:性的志向に基づく差別から同性愛者を保護することを 4 条の 禁止するコロラド州憲法修正 2がアメリカ合衆国憲法修正 1 平等保護条項に反するとされた事例. 6 3. AMAR'SANALYSISOFROMER,95M i c h .L .R e v .236( 19 9 6 ) . 3 5 )S eeRomer ,1 1 6S . C t .a t1629・1 6 3 0 .反対意見は、州憲法修正が禁止するのは d e n ys p e c i a lf a v o randp r o t e c t i o n )Jであるとする。 「特別扱いおよび特別な保護 ( Ida t1 6 3 2 . 3 6 )I da t1 6 3 1 1 6 3 2 . 3 7 )S eeid 3 8 )I da t1 6 2 6 . 3 9 )I da t1 6 2 7 .州憲法修正により剥奪される、差別禁止法による保護を受ける権 利は、特別なものではないとする法廷意見のこの判示について、学説においては、 一方では、法廷意見はこのように理解すべき明確な理由づけを示していないとの e t e rJ .Rubin,EQUALRIGHTS,SPECIALRIGHTS, ANDTHE 指摘がある。 P , 97M i c h .L .R e v .564, 569( 19 9 8 ) . NATUREOFANTIDISCRIMINATIONLAW もっとも、法廷意見は、差別禁止法による保護を受ける権利が特別なものか否か という点に関して、「これらの保護は、ほとんどの人々が、すでに与えられている か、または必要としていないか、いずれかの理由で当然のものと考えているもの なのである。これらは、自由社会における通常の市民生活を構成する無数といっ てよい相互交流および活動から排除されることに対する保護なのである」と述べ ている。他方で、反対意見によるかぎり、人種差別禁止法までもが特別な権利を osephS . 与えるものとして理解されることとなり妥当でないとの批判もある。 J P e r s o n so fEqualW o r t h :Romerv .Evansandt h eP o l i t i c so fEqual Jackson, P r o t e c t i o n,45UCLAL.R e v .453,467( 19 9 7 ) .Jacksonは、「差別禁止法は、保護 されている人々に対し特別扱いを行うことではなく、平等な取扱いを受けること S c a l i a裁判 に対する権利を法認することを、義務づけているのである」とし、 r 官は、ランチ用の食卓に座る権利を人種的マイノリティに保障している公民権法 は当該マイノリティに対する優先処遇を行っている、と主張しているも同然であ ngleは、人種差別禁止法が特別扱いを受け るj と批判する。これに対し KarenE ることに対する権利を保障する法であると理解することは妥当でない、と指摘す るだけでは説得力がなく、問われるべきは、特別扱いを受けることに対する権利 を保障することがどのようにして正当化されるか、ということなので、あって、こ eeKarenEngle, Wha t ' sSo のことは人種差別禁止法にもあてはまるとする。 S S p e c i a l A b o u tS p e c i a lR i g h t s ?,7 5D e n v .U . L .Re 双 1 265,1275( 19 9 8 ) . 4 0 )S eeS u n s t e i n, s u p r an o t e3 1, a t57・5 8 .S u n s t e i nは、以下のように述べて、州 憲法修正が同性愛者を特別不利に扱うものかどうかを問うこと自体が意味をなさ ず、州憲法修正が合理的根拠をもつものかどうかがもっとも重要な論点であると 指摘する。「仮に、州憲法修正が同性愛者ではなく喫煙者を特別不利に扱うものだ ったと考えてみよう。その場合、州憲法修正が平等保護条項に違反するとはし、え ないだろう。喫煙者に課される不利益は、たしかに特別の不利益ではあるが、合 理的根拠テストをクリアしないことはないだろう。というのも、そのような不利 益処遇は、生命および健康に対する危険を減少させるという州の正当な利益と合 理的関連性を有しているからである」。.

(12) 6 4. 4 1 ). 西候. 潤. SeeRom θ T, 1 1 6S . C t .a t1 6 2 7 .. 4 2 )S u n s t e i nによれば、望ましくない行為を行う傾向のある人々はその傾向をも. つがゆえに(その地位にあるがゆえに)差別禁止法による保護を求められないと国 θ 家が宣言することが、当然に違憲といえるかどうかは、明らかでないという。 Se S u n s t e i n, s u p r an o t e31, a t6 6 .H i l l sもまた、「国家が同性愛行為を不道徳もしく は反社会的な、または望ましくないものとして正当に禁止できる場合には、その ような望ましくない行為を結果として生じさせる傾向にスティグマを押しつける 方策を国家がとることができなし、かどうかは、明らかでなしリと述べている。 S印 H i l l s,s u p r an o t e34,a t2 4 8 . 4 3 )S eeSunstein, s u p r an o t e31, a t6 4 6 9 . もっとも、 Bowers判決は L awrencev. . S .558( 2 0 0 3 ) .により覆されたため、今ではこの点を論じる実益は乏 T e x a s,539U しくなっている。 SθθLawrencev .T e x a s, 539U . S .558, 573・5 7 4 . とはいえ、 Lawrence判決法廷意見が、 Romer判決により Bowers判決の説得力は大きく殺 がれたと指摘していることに鑑みれば、デ、ュー・プロセス条項と平等保護条項と の論理的関連性について論じる理論的意義は失われていない。両条項の関係につ いて論じる見解として、 C assR .S u n s t e i n, S e x u a lO r i e n t a t i o nandt h e. C o n s t i t u t i o n :ANoteont h eR e l a t i o n s h i pBetweenDueP r o c e s sandEqual P r o t e c t i o n,55U.C h i .L .R e v .1161( 19 8 8 ) . 4 4 )S eeRome , r1 1 6S . C t .a t1 6 2 8 . 4 5 )S eei da t1 6 2 9 . 4 6 )JOHNHARTEL , Y DEMOCRACYANDDISTRUST146・153( 19 8 0 ) . 4 7 )E l yの所説によると、平等保護条項の根底には、マイノリティに対し、「彼ら を支配する政治的制度の仕組みおよび運用における平等な配慮、と尊重Jを拒んで はならないとの理念があり、ある集団を不利益処遇したいというあからさまな願 eeida t8 2 .E l yによれば、「あ 望に根差した立法はこの理念に反するとしづ。 S る集団に対し本質的に嫌悪に基づいて不利益処遇を行うことは、厳密にいえば当 w e l f a r e )を否定的に評価することによって、彼らに平等な 該集団の構成員の福祉( o Seeida t1 5 7 . この理念は Ronald 配慮と尊重を与えないことなのである J Dworkinの議論に端を発するものである。 SeeRONALDDWORKIN,TAKING 19 7 7 ) . RIGHTSSERIOUSLY180( 4 8 )T heSupremeC o u r t ,1995Term一一一L θ'amngCas θ ふ1 1 0H a r v .L .R e v .135, 155( 19 9 6 ) . は、法廷意見を評して、「平等保護法理の方法論と実体内容に新たな 問いを投げかけた J と述べている。 4 9 )S eeE l y ,s u p r an o t e46, a t1 6 2 . 5 0 )S eei da t1 5 4 . 51 )S eeRomer , 1 1 6S . C t .a t1 6 2 8 .反対意見は、一夫多妻は処罰されうるとの判例 法理が覆されていないことを指摘したうえで、「一夫多妻により生じると考えられ る社会的害悪は“国家の正当な関心事"で、あって、向性愛により生じると考えら れる社会的害悪はそうではないと法廷意見は結論したのだろうか」と述べている。 aurenceTri b eは、立法にあたっ 法廷意見に対する反対意見の批判と同様に、 L.

(13) 判例研究:性的志向に基づく差別から同性愛者を保護することを 禁止するコロラド州憲法修正 2がアメリカ合衆国憲法修正 1 4 条の 平等保護条項に反するとされた事例. 6 5. て許容されえない敵意と許容されうる道徳的非難を識別する基準が E l yの理論に r i be, TheP u z z l i n gP e r s i s t e n c eo f は欠けていると批判している。 SθθLaurenceT P r o c e s s -BasedC o n s t i t u t i o n a lT h e o r i e s, 89Y a l eL .J .1063, 1072・1077( 19 8 0 ) ..

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参照

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