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ステレオタイプの形成における誤った関連づけ

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Academic year: 2021

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(1)123. ステレオタイプの形成における誤った関連づけ 桟川和章' (平成8年9月20日受理). 我々は,多かれ少なかれ,他者のパーソナリティや行. 自体の問題が大きく関係するとしている。. 動特性を,年齢や性などの他者の属しているカテゴリ-. 通常の情報処理過程において誤った関連づけが生起す. と関係づけて理解しようとする傾向を持っている。この. るというHamilton & Gifford (1976)の研究は,重要. ようなステレオタイプ的な認知は,多くの情報を効率的. な問題を含んでいると考えられる。もしそのようなメカ. に処理するために必要なものであるが,過度の単純化に. ニズムが存在するならば,我々がH常の経験の中で接す. よって誤った推論を導くことになるとも言われる。いず. る対人的な情報を処理する際に,特別の動機的な基盤を. れにせよ,その背景には,他者が属しているカテゴリ-. 持たなくとも,純粋に認知的な要因で事実と異なるステ. とそのカテゴリーに所属する成員のパーソナリティや行. レオタイプが形成される可能性があるからである。ここ. 動特性との間に何らかの関連性があるという信念を,人. には,集団サイズの問題や望ましくない成員の目立ち易. が有しているという事実がある。そして,このような信. さの問題などの関連する要因が存在しうるだろうが,そ. 念そのものも,時に誤ったものである可能性を持ってい. れでもなお,小集団の成員であり生起頻度の少ない行動. る。例えば,近年話題になっている血液型ステレオタイ. であるという弁別性の高い事象の共生起が重要な要因と. プなどは,そのひとつであると言われており,このよう. なっていることは十分考えられる。そこで,本研究では,. な信念は,いったん形成されるとなかなか修正されない. Hamilton & Gifford (1976)と同様の大小2集団の成. ことも指摘されている(坂元, 1995など)0. 員の行動情報を混合提示する条件に,各集団成員の行動. ステレオタイプの形成に関与する認知的過程に注目し. 情報のみを単独に提示する条件を加え,その比較も行い. たHamilton & Gifford (1976)は,実際には関連のな. つつ,ステレオタイプの形成過程に関与する誤った関連. い2つの事象の間に関連性を兄いだすという誤った関連. づけについて検討することを目的とした。. づけ(illusory correlation)が,通常の対人的な情報を. 方法. 処理する過程の中で生じることを実証している。彼らは, 大小2つの異なる集団に所属する人物の行動情報を被験 者に提示した。行動情報には,望ましい行動をする場合. 被験者女子大学生60名。規模の異なる大小2集団. と望ましくない行動をする場合があり,いずれか一方が. の成員の行動情報を一緒に提示する混合提示条件に21. 多く生起し,その比率は大小2つの集団間で等しくされ. 名,それぞれの集団成員の行動情報のみを提示する単独. た。その結果,小集団に所属する生起頻度の少ない行動 をとる成員の頻度が過大評価されることを示した。彼ら. 提示条件のうち,大集団単独提示条件に20名,小集団 単独提示条件に19名であった。. はこの結果を,小集団成員であること及び生起頻度の少. 実験材料実験材料として用いた文章刺激は,小学校. ない行動であることという弁別性の高い2つの事象が共 生起する場合に,注意が喚起され,深い情報処理が行わ. 6年生の行動の記録として提示した。そこで,児童用の 向社会的行動尺度(菊池,1988),ソーシャルスキル尺度. れるためであると解釈している。. (庄司, 1994)などを参考に,対人的な行動や集団場面. すでにいくつか報告されているが,必ずしも十分に確認. での行動からなる75の行動記述を作成し,小学校6年 生の行動としての望ましさについて,非常に望ましいか. されているとは言い難い面がある。白井(1979)は,. ら全く望ましくないまでの7段階で, 40名の女子大学. Hamilton & Gifford (1976)と同様の手続きを用い, 誤った関連づけの生起することを示しているが,彼女は,. 生に評定を求めた。各行動記述に対する平均評定点を, その行動の望ましさの値とし,望ましい行動記述27,. 小集団成員の生起頻度の少ない行動の過大評価というよ. 望ましくない行動記述12を選出し, 39の行動記述を実. りはむしろ,単なる接触効果によって,大集団成員の生. 験材料とした。. 誤った関連づけに関する研究は,我が国においても,. 起頻度の多い行動が過大評価される可能性を示唆してい. 刺激構成は, Hamilton & Gifford (1976)の実験1. る。これに対して,杉森(1995)は,小集団において,. に準じ,先に選出された39の行動記述を,規模の異な. 望ましくない成員が目立ちやすくなるというバイアスが. る大小2つの集団成員の行動記述として配分した。具体. 存在することを指摘しており,小集団という集団サイズ. 的には,大集団であるAグループに,望ましい行動記述. *兵庫教育大学第1部(幼児教育講座).

(2) 124. が18と望ましくない行動記述が8,小集団であるBグ ループに,望ましい行動記述が9と望ましくない行動記. 件のみであり,第2,第3の従属測度は,混合提示条件 では, ABそれぞれのグループについて質問したが,早. 述が4である。したがって,集団規模の比は2対1であ. 独提示条件では,該当するグループのみについてであるo. り,望ましい行動と望ましくない行動の比は両グループ. 1)行動記述への集団の割り当て: 39の行動記録が. とも9対4であることになる。なお,両グループに配分. ABいずれのグループの行動記録であったかを判断させ. した行動刺激は,その望ましさの点でほぼ等しくなるよ. たo具体的には,提示した39の行動記録のグループ名. うにした(望ましい行動記述の平均評定値は, Aグルー. の部分を( )にした冊子を被験者に与え, ( )内に. プで6.22, Bグループで6.19,望ましくない行動記述. ABいずれかを記入させることで回答を求めた。. の平均評定値は, Aグループで1.78, Bグループで1.77)。. 2)望ましくない行動記述数の推定: ABそれぞれの. 混合提示条件の実験材料とした行動記録は, Aまたは. グループの行動記録の総数を被験者に示した後,その行. Bグループに所属するある子どもの行った行動記録を示. 動記録の中に,小学校6年生の行動として望ましくない. す形式をとっている(例えば, Bグループのかずお君は, 休んだ友達のためにノートを見せてあげる)。 39の文章. 行動がいくつあったかを訊ねた。. 刺激は, 1ページに1文章を印刷し,実験用冊子とした。 なお,提示順序は,すべてランダムとした。. 3)集団に対する印象評定:各グループのメンバーの 全体的な印象を質問した。評定項目は,柿(1978)及び 天板・吉田(1984)を参考に,小学生に適する対人認知. 単独提示条件では,グループ名の記載をせずに,各集. の基本3次元の項目として,個人的親しみやすさ(やさ. 団に該当する行動記録のみを,同様に印刷し,実験用冊. しい-いじわるな,あたたかい-冷たい,思いやりのあ. 子とした。したがって,大集団単独提示条件では, 26. る一自分勝手な),社会的望ましさ(知的な-知的でな. の行動記録,小集団単独提示条件では, 13の行動記録. い,きちんとした-だらしない,落ちつきのある-おっ. からなっている。 手続き混合提示条件の手続き及び教示は,. ちょこちょいの),活動性(活発な-おとなしい,外向 的な一内向的な,積極的な-消極的な)の9項目を用い,. Hamilton & Gifford (1976)及び白井(1979)に準じ. 7段階で評定を求めた。. た。なお,実験は個別に行った。被験者に対し,情報処 理のメカニズムを分析するための心理実験であるとの目. 結果. 的を教示した後,グループ名を記していない文章からな 行動記述への集団の割り当てまず,混合提示条件の. る3ページの練習用冊子を与え, 1ページに1つずつ書 かれた文章を合図に従って読むように教示した。各文章. 結果について述べる。各行動記述に対して大小いずれの. の提示時間は10秒とした。練習が終了した時点で,練. 集団を割り当てたかについて,あらかじめ設定された行. 習用冊子を回収し,実験用冊子を与え,次のように教示. 動記述の望ましさの種類別に,各被験者のデータを2. した。 「実際の実験で見ていただく記録が練習の時と違っ. (集団) ×2 (行動)分割表に整理した上で,各被験者. ているところは,ある行動を行った子どもが2っの集団. ごとにφ係数を算出した。大小いずれの集団においても,. のどちらか一方に所属しているというところです。 2つ の集団を便宜上ここではAグループ, Bグループと呼ぶ. 行動の生起確率は等しいので,設定された通りに被験者 が認知したならば,集団と行動の種類との問に関連は兄. ことにします。実際にこの行動記録を集めた時には, A. いだされないはずである。そこで,各被験者のφ係数に. グループよりもBグループの方が小さな集団でした。で すから,これから見ていただく記録の方でも, Bグルー. FisherのZ'変換を施し,期待値0との間のt検定を行っ た。その結果, z -0.270で有意に0とは異なることが. プのメンバーの記録は, Aグループのメンバーの記録よ りも数が少なくなってます。」練習試行と同様, 1ペー. 示されたa-2.819,p<.05)cしたがって,本来関連が ない,集団と行動の望ましさの間を,被験者は関連を持っ. ジの提示時間は10秒とした。被験者が39の文章刺激を. て認知していたと言える。. すべて見終わった後,実験用冊子を回収し, 30秒後に 従属測度の測定を行った。 単独提示条件は,集団で実施した。基本的な手続きは. さらに,このように割り当てられた全被験者の平均値 を示したものが表1である。あらかじめ設定された行動 記述の数との差を検定したところ,望ましい行動記述に. 混合提示条件と同様であるが,実験用冊子を与える前に. おいては,有意な差が見られなかったが,望ましくない. は, 「この行動記録は小学校6年生のある1つの集団に 所属している子どもたちから集めたものです。」との教. 行動記述においては,有意に異なることが示された(i. 示を行った。 従属測度の測定以下に示す順に, 3つの従属測度の 測定を行った。ただし,第1の従属測度は,混合提示条. -3.679,p<.05)。すなわち,望ましくない行動記述は, あらかじめ設定された以上に多く小集団成員の行動であ ると判断されており,逆に,大集団成員の行動であると の判断は少なくなっていることが明らかになった。.

(3) ステレオタイプの形成における誤った関連づけ. なお,小集団の行動記述数が少ないことを前提として いるため, Hamilton & Gifford (1976)は集団の割り 当ての総数において, Bグループの方がAグループより. 125. 望ましくない行動と印象評定との関係大小の集団別 に,望ましい行動の割り当て数,望ましくない行動の割 り当て数,及び,望ましくない行動の推定数と,各次元. も多い被験者を分析から除外している。本研究において. の印象評定得点との間の相関係数を求めたものが表4で. も, 2名がこのような反応を示していたが,この被験者. ある。個人的親しみやすさ得点との問に比較的強い相関 関係が見られ,望ましくない行動の認知と,個人的親し. を除いた分析結果もはば同様であったので,ここではす べて,全被験者による分析結果を用いている。 望ましくない行動記述数の推定各グループの行動記 録数を告げた後,望ましくない行動がいくつあったかを, 直接推定させることによって得られた推定値の平均を示 したものが表2である。 t検定の結果,大集団の場合に は,望ましくない行動の推定数はあらかじめ設定された. みやすさ得点とは負の相関関係にあることが示されてい る。. 単独提示条件の結果単独提示条件における望ましく ない行動の推定数の平均値を示したものが表5である。 大集団,小集団いずれの場合も,設定された数との比較 において有意な差は見られなかった。したがって,単独. 数(8)と有意に異ならないが,小集団の場合には,堊. 提示条件においては,望ましくない行動の推定において,. ましくない行動の推定数は,あらかじめ設定された数. 過大視や過小視は生じていなかったと言える。. (4)より有意に多くなっていた(」-4.644,p<.05)。 集団に対する印象評定対人認知の基本3次元に沿っ. また,単独提示条件における印象評定の平均値を示し たものが表6である。大集団単独提示条件と小集団単独. て測定した大小2つの集団成員に対する全体的印象は,. 提示条件との間に,いずれの次元の得点においても有意. 該当する各3項目の合計点をもって,各次元の印象得点. な差は見られなかった。. としたo集班別,次元別に,印象得点の平均値を示した ものが表3である。個人的親しみやすさ得点及び活動性 得点において,大集団の方が小集皆よりも平均値が高い ことが示された(それぞれ」-1.865,p<.10,」-2.097, p<.05)cすなわち,個人的親しみやすさや活動性の点 で,大集団の方が小集団よりも好ましい印象を持たれて いたことを示している。. 表4測度間の相関係数(混合提示条件) 大集団(A) (1) (2) (3) 個人的親しみやすさ.570 社会的望ましさ.249 活動性.059. 小集団(B) (1) 表1行動記述への集団の割り当て(混合提示条件). 個人的親しみやすさ.511 社会的望ましさ.168 活動性.207. -.555 -.811 -.390 -.380 -.219.037 (2). (3). -.577 -.555 -.213 -.033 -.123 -.282. 行動の望ましさ大集団(A)小集団(B) 望ましい行動17.38 (4.54) 9.62 (4.54) 望ましくない行動5.43 (3.13) 6.57 (3.13). 鍵) (1):望ましい行動記述の割り当て数 (2):望ましくない行動記述の割り当て数 (3):望ましくない行動記述の推定数. ( y.sD 表2望ましくない行動記述数の推定(混合提示条件). 表5望ましくない行動記述数の推定(単独提示条件). 大集団(A)小集団(B). 大集団(A)小集団(B). 推定数9.24 (3.48) 7.05 (2.94). 推定数8.10 (2.49) 4.ll (1.29) ( ):SD. ( y.sD. 表3印象評定値の平均(混合提示条件). 表6印象評定値の平均(単独提示条件). 大集団(A)小集団(B). 大集団(A)小集団(B). 個人的親しみやすさ15.52 (3.86) 12.48 C3.87) 社会的望ましさ13.29 (3.15) 12.19 (1.59) 活動性15.81 (3.29) 13.38 (2.79). 個人的親しみやすさ15、65 (2.06) 14.84 (2.41) 社会的望ましさ12.80 (1.69) 13.05 (1.93) 活動性16.65 (2.37) 15.42 (3.41). ( ):SD. ( ):SD.

(4) 126. 混合提示条件と単独提示条件の比較望ましくない行 動の推定数に関して,各集団別に,混合提示条件と単独. 望ましくない成員が目立ちやすくなることを指摘し,小 集団の集団サイズ自体を問題としている。しかし,本研. 提示条件の比較を行った。その結果,大集団においては,. 究結果において,単独に小集団成員の行動情報を提示す. 両条件下で有意な差は見られなかったが,小集団におい. るのみでは,そのようなバイアスは現れていない。した. ては,混合提示条件の方が,単独提示条件よりも,有意. がって,本研究結果は,望ましくない成員を目立ちやす. に推定数が多かったa -4.066,p<.05)c. くする集団サイズ自体の影響というよりは,むしろ,大. また,印象評定値に関しても,各集団別に,混合提示. 集団と比べての小集団成員の目立ち易さと頻度の少ない. 条件と単独提示条件の比較を行ったところ,大集団にお. 望ましくない行動の目立ち易さという弁別性の高い事象 が共生起することが原因となっていたと推察される。杉. いては,条件問の差は有意でなかったが,小集団におい ては,個人的親しみやすさ及び活動性の得点で提示条件 による印象の差が見られた(それぞれt-2.283,p<.05;t. 森(1993,1995)が示すように集団サイズ自体がもっ影 響も関係してくることはあろうが,本研究結果のように,. -2.028,p<.05)c. そのような影響がなくとも誤った関連づけは生じうると 考えられる。ただし,混合提示条件の教示において,そ. 考察. れぞれの集団規模が違うことを教示しているが,単独提 示条件では,このような教示は入れておらず,母集団規. 本研究は, Hamilton & Gifford (1976)と同様の大 小2集団の成員の行動情報を混合提示する条件に,各集. 模そのものの認知が影響を与えている可能性は残ってい る。. 団成員の行動情報のみを単独に提示する条件を加え,そ. さらに,印象評定の結果から,大小2つの集団の成員. の比較も行いっつ,ステレオタイプの形成過程に関与す. に異なる印象が形成されることも示された。これは,部. る誤った関連づけについて検討することを目的としてい. 分的には,小集団の望ましくない行動が過大評価される 結果から説明できる。個人的親しみやすさ得点と望まし. た。大小2集団の成員の情報を混合提示する条件につい. くない行動の推定数との間に有意な負の相関があること. てみると,望ましくない行動記述にいずれの集団を割り 当てるかに関する結果では,小集団成員が多く,大集団. から,望ましくない行動の認知がこの次元の認知と関連. 成員が少なく割り当てられており,望ましくない行動数. していたと言える。このことは,本研究で用いた行動記. の推定に関する結果では,小集団の場合のみ多く推定さ. 述が,向社会的行動やソーシャルスキルといった点の行. れていた。これらのことから,誤った関連づけが生じた. 動であったことが大きく関わっていたと思われる。活動. ものと判断できる。この混合提示条件は, Hamilton &. 性得点においても集団問で差が見られているが,活動性. Gifford (1976)の実験1と同様の条件であり,彼らの. 得点そのものは,望ましくない行動数の認知との間に, それほど高い相関関係を示しておらず,誤った関連づけ. 結果が再確認されたと言える。 白井(1979)は,単なる接触効果によって大集団成員. の認知がどのように反映しているのかはそれほど明確で. の望ましい行動が過大評価され,誤った関連づけが生じ. はない。. る可能性を示唆している。しかし,本研究における望ま しくない行動の推定では,小集団の場合のみ過大評価が. を確認するものであり,弁別性の高い事象の共生起によ. 生じ,大集団では影響が現れていないことから,むしろ. るものとして解釈できた。しかしながら,本研究では,. Hamilton & Gifford (1976)の指摘するように,弁別. 望ましくない行動をとる成員が集団内の少数者である場. 性の高い2つの事象の共生起によって,小集団成員の望. 合しか扱っていない。このような条件の場合に,誤った. ましくない行動が過大評価され,誤った関連づけが生じ. 関連づけの現象が強く現れるという指摘(Mullen &. たものとして解釈するのが適切であると考えられる。. Johnson,1990)や望ましい成員と望ましくない成員で. 以上のように,本研究結果は,誤った関連づけの現象. このような解釈は,混合提示条件と単独提示条件との. は目立ち易さが異なり,それが集団サイズと交互作用す. 比較からも裏付けられる。単独提示条件の場合,大集団 と小集団との間に差が見られないこと,大集団では,梶. るという結果(杉森,1993, Sugimori,1991)からも,行 動の比率が変化した時に同様の現象が現れるかどうかは. 合提示条件と単独提示条件との間に差が見られないこと,. 明らかでない。しかしながら,純粋に認知的な要因で,. 小集団では,混合提示条件の方が単独提示条件に比べて,. 誤った関連づけが生じ,ステレオタイプにつながる可能 性を持っていると言ってよいであろう。. 望ましくない行動が多く推定され,否定的な印象が持た れることなどの結果を総合すると,誤った関連づけが生 じたのは,大小2つの集団成員の情報が混合提示される ことが要因になっていると考えられるからである。. 引用文献. 杉森(1995)は, 13名からなる小集団の場合には,. 天根哲治・吉田寿夫1984児童のパーソナリティに対.

(5) ステレオタイプの形成における誤った関連づけ. する教師の認知次元と次元ウエイト兵庫教育大学研 究紀要第1分冊,4,141-150. Hamilton,D.L. & Gifford.R. 1976 Illusory correlation in interpersonal perception: A cognitive basis of stereotypic judgement. Journal of Experimental Social Psychology,12,392-407.. 林文俊1978対人認知構造の基本次元についての一 考察名古屋大学教育学部紀要(教育心理学科), 25,233-247.. 菊池章夫1988思いやりを科学する川島書店 Mullen.B- & Johnson,C. 1990 Distmctiveness-based illusory correlation and stereotyping: A metaanalytic integration. British Journal of Social Psychology, 29,ll-28.. 坂元章1995血液型ステレオタイプによる選択的な 情報使用一女子大学生に対する2つの実験一実験社 会心理学研究,35,35-48. 白井泰子1979ステレオタイプ的判断の認知的基礎 一誤った関連づけの認知一実験社会心理学研究, 19,61-69.. 庄司一子1994子どもの社会的スキル菊池章夫・堀 毛一也(編)社会的スキルの心理学川島書店 Pp.201-218. Sugimori,S. 1991 Effects of group size upon proportion judgment of likable and unlikable members and group impressions: Small is bad, not that large is good. Japanese Journal of Experimental Social Psychology,30,217-227.. 杉森伸吉1993集団サイズと成員誘意性の顕著性の交 互作用一集団サイズ自体の効果一心理学研究,64,1624.. 杉森伸吉1995母集団サイズと集団誘意性の間の幻相 関認知に関する実験的研究社会心理学研究,ll,3950.. 127.

(6) 128. ABSTRACT Illusory Correlation in Stereotype Formation Kazuaki Yokogawa (Department of Early Childhood Education). Illusory correlation refers to an erroneous inference about the relationship between two categories of events. Hamilton and Gifford (1976) found that the basis for illusory correlation was the co-occurrence of events which were statistically infreqent. The purpose of this study is to replicate their study and to examine illusory correlation in stereotype formation. Sixty subjects was employed. Twenty-one subjects recieved the informations of two groups,the other subjects recieved the information of one group.The results of this study suggested that illusory correlation between small groups and infrequent behavior occured. These results imply that stereotype resuited illusory correlation may exist in our everyday life..

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