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環境保全対策に伴う推定的経済効果の研究 : リアルオプション法による有用性向上の可能性

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(1)環境保全対策に伴う推定的経済効果の研究 ──リアルオプション法による有用性向上の可能性── 加 藤 郁 夫. 1.はじめに. の推進による経済効果を的確に貨幣に換算して 測定することは難しいため,投資判断に役立た. 近年,社会的責任投資(Socially Responsible. せる十分な定量情報を提供することができてい. Investments:SRI)が 欧米 の 投資家 を 中心 と. ないというのが現状である.しかし,最近では. して広がりを見せている.SRI は,歴史的に見. 投資分析にリアルオプション法を適用するとい. れば,宗教的 な 意味合いが強く,教義に合わ. う研究が進んでおり,投資分析の方法も徐々に. ない投資を忌避する投資の方法のことであっ. 変化しつつある.リアルオプション法により得. たが,現在では,財務諸表分析に加えて,企業. られる情報は,可能性という確率を用いた現在. の環境への取り組みや社会貢献など,企業の. 価値情報となる.そこで本稿は,多くの企業で. 社会的責任(Corporate Social Responsibility:. 実施されている地球温暖化対策に焦点を当て,. CSR)を評価の対象に加えて投資先企業を選別. 環境保全対策に伴う推定的経済効果を,確率を. するスクリーニング(Screening)と呼ばれる. 含んだ現在価値情報として発展させることによ. 方法や,株主の立場として議決権行使を行うこ. り,河野ほか(2004)が指摘しているようにス. と,そして地域社会に貢献するコミュニティ投. トックとフローを連携させ環境会計情報の有用. 資等に分かれており,その総称を SRI と呼ん. 性を向上させることができるかどうか模索する. でいる(SIF 2006) .. ものである.. 金額的 に は,SRI の 大半 を 占 め る の は ス ク リーニングである.英国では年金基金の投資判. 2.地球温暖化リスクの概要確認. 断基準として制度化されており,米国において. 最初に,地球温暖化は,我々人類にどのよう. も SRI の基準を採用するファンドが多く,そ. なリスクを及ぼしているのか,確認する.リス. の 残高 は 2005 年現在 1,790 億 ド ル ほ ど と なっ. クとは不確実性のことと定義されることが多. ている(SIF, 2006, p. 7) .しかし,わが国にお. い.本稿でも,不確実性をリスクと考えること. い て は,社会的責任投資 フォーラ ム の 集計 に. とする.. よ る と,SRI 型投信 の 残高 は 2006 年 3 月現在. 2006 年わが国では,日本海側での記録的な. 2,466 億 6 千 9 百万円と(SIF-Japan ホームペー. 降雪 で あ る「平成 18 年豪雪」や,各地 に 甚大. ジ) ,米国に比較して残高が伸び悩んでいる.. な被害をもたらした「平成 18 年 7 月豪雨」な. その理由の一つとしてわが国では株式投資分. ど,異常気象による被害が続発した(気象庁 . 析に当たり,会計情報を用いた定量分析が重視. 2007).異常気象による被害は,世界各地でも. されているということがあげられるであろう.. 発生しており,たとえば中国南東部の台風被害,. たとえば環境会計はあるものの,環境保全対策. フィリピンやアフリカ東部の大雨,ヨーロッパ.

(2) 72 (252). 横浜国際社会科学研究 第 12 巻第 2 号(2007年 8 月). の寒波や熱波,オーストラリアの干ばつなどが. めて「20 世紀半ば以降に観測された世界の平. あげられる(気象庁 2006) .. 均気温の上昇のほとんどは,人為起源の温室効. 異常気象は直接的な災害ばかりでなく,発展 途上国において,マラリアやデング熱などの 感染症 や,農作物 の 不作 に よ る 餓死 と いった 二次災害をも引き起こし,特にマラリア患者数 の増加は深刻であり,アフリカにおける損失余 命への影響が問題となっており,1 年間あたり の日本の経済活動によって引き起こされる損 失余命は約 50 万年と計算されている(RSBS, 2005,229 頁) .そ し て 異常気象 に よ る 経済損 失は,1950 年代に年間 40 億ドルであったもの が,1990 年代には 400 億ドルと 10 倍に増加し 1) ている(IPCC 2001, p. 42) .. これらの被害は,20 世紀中の気温が約 0.6℃ 上昇したこと,いわゆる地球温暖化と深く関係 していると考えられ,その温暖化の原因は,直 近 50 年間に関していえば,ほとんどは人間の 活動に起因した二酸化炭素やメタン等の温室効 果ガス濃度の増加によるものであった可能性が 高いと考えられているのである(IPCC 2001, p. 21) .2005 年における二酸化炭素の大気中の 濃度は 379ppm(1750 年比で 135.4% 増加) ,メ タンは 1783ppm(1750 年比で 254.7% 増加)と なっており,産業革命以降急増しているのであ 2) る(WMO 2006) .. 果ガスの増加によってもたらされた可能性がか なり高い (very likely)」というリスク認識が示 されており,今後発展途上国における排出量が 増加することとも相俟って,現状のまま化石燃 料の消費が続けられていくと,排出量が最大と なるシナリオの場合,1900 年比プラス「4.0℃ (可能性 が 高 い 予測幅 は 2.4 ~ 6.4℃)」と な る と指摘されている(IPCC  2007, p. 10).よって, 生態系の気候変動への自然な適応,食料生産の 確保,経済発展の持続可能など,生態系や人類 に悪影響を及ぼさずに済む,ある安全な水準で 気温を安定させるためには,気温上昇を 2℃に 抑えるということが国際問題となっている(山 本 2006). 気温上昇を 2℃以下に抑えるには,大気中の 温室効果ガス濃度を 2100 年時に 475 ppm 以下 にすることが必要と試算されている(肱岡 2005,7─8 頁).だ が,排出 さ れ る 二酸化炭素 の約 4 分の 1 は排出後数世紀にわたって大気中 に残留してしまうため,今すぐストップしたと しても,気温を安定させるには数百年,また海 面水位を安定させるには数百から数千年と,多 くの年月を要することになるのである.. 地球温暖化 は,銀行預金 の 複利計算 と 同. 3.地球温暖化への取組みとわが国の課題. 様,時間とともにある一定の成長率をもって. 国際的な地球温暖化の防止の取組みに関して. 幾何級数的に増加していると考えられている. は,1992 年 5 月 に 国連 で 気候変動枠組条約 が. ( Meadows and others  2004, pp. 17─49(枝 廣. 採択され,翌年の 6 月にサミットにおいて署名. 訳 2005,21─61 頁) ) .そのような気候システム. が開始され,1994 年に発効されている.その. を複製することは,現在わが国でもスーパーコ. 3 回 会 議( Conference of the Parties 3: COP3). ンピューターを用いれば可能となっており,そ. が,1997 年 わ が 国京都 で 開催 さ れ,京都議定. の気候予測モデルでは,二酸化炭素は年 1% の. 書が締約され 2005 年 2 月に発効されている.. 複利で増加し,70 年で 1.6℃の地球表面の平均. 京都議定書では,以下のように定められている. 気温が増加するという設定がなされているとい. (UNFCC KYOTO PROTOCOL 1997, Article 3. う(行本ほか 2001, pp. 47─48) .. (邦訳:環境省「気候変動 に 関 す る 国際連合枠. このようなコンピューター技術の発達による. 組条約京都議定書」第 3 条)).. 精度の高い予測が可能となり,2007 年 2 月に 公表された IPCC の第 4 次評価報告書では,改. 附属書Ⅰ の 締約国 は,2008 年 か ら 2012 年 ま.

(3) 環境保全対策に伴う推定的経済効果の研究(加藤). (253). 73. 2005年度 (速報) における我が国の排出量は,基準年比 8.1% 上回っており, 議定書の 6% 削減約束の達成には,8.7% の排出削減が必要. 13億5,500 万トン 13億6,400 万トン (+8.1%) (+7.4%). (百万トン CO2). 12億6,100 万トン. 8.7% の排出 削除が必要. 原発の利用率(+5.8%) (+4.6%)低下による 一時的影響 -0.6%. -6%. 基準年排出量 (原則 1990 年). 2004 年度 排出量. 森林吸収源対策で 3.8% 京都メカニズムで 1.6% を確保.. 2005 年度 京都議定書削減約束 排出量(速報値) (2008 年~ 2012 年). (出典:環境省(2006),16 頁). 図 1 わが国の温室効果ガスの排出量. での約束期間において,附属書Iの締約国全. JI と は,附属書 I 国間 で の 省 エ ネ プ ロ ジェ. 体の排出量を 1990 年の水準から少なくとも 5. ク ト 等 の 共同実施 の こ と で あ り,そ れ に よ. パーセント削減することを念頭において,個. り 発行 さ れ る ク レ ジット が ERU(Emission. 別に又は共同で,附属書Aに掲げる温室効果. Reduction Unit)である.また CDM とは,非. ガ ス の 人為的 な 排出量(二酸化炭素換算量). 附属書 I 国 に お い て,附属書 I 国 が 省 エ ネ プ. の合計が,附属書Bに定める数量的な排出抑. ロジェクト等を実施することであり,それに. 制及び削減の約束に基づいて計算された割当. より発行されるクレジットが CER(Certified. 量を超えないことを確保しなければならない.. Emission Reduction)である.いずれも,プロ ジェクトから得られる温室効果ガスの追加的削. わが国も付属書Ⅰの締約国であることから,. 減量(CDM の場合は吸収量もカウントされる). 二酸化炭素削減目標 を 基準年(1990 年)よ り. の一部または全部を,当事者間の合意によって. 6% 削減するよう約束している.. クレジットとして移転するものである.排出量. 京都議定書 で は,京都 メ カ ニ ズ ム の 枠組. の削減の状況は附属書 I 国間において差が生じ. み が 盛 り 込 ま れ て お り, 共 同 実 施( Joint. るため,初期割当量の一部を売買することが認. Implementation: JI)やクリーン開発メカニズ. められており,ERU や CER を売買する仕組み. ム( Clean Development Mechanism: CDM) ,. が排出量取引である.. そ し て 国際排出量取引 の 3 種 の 方法 が 認 め. 図 1 のとおり,わが国の温室効果ガスの排出. ら れ て い る( UNFCC KYOTO PROTOCOL,. 量は,二酸化炭素換算で 13 億 6 千 4 百 万トン. Article 6, 12, 17(邦訳:環境省「気候変動に関. であり,京都議定書の規定による基準年(1990. す る 国際連合枠組条約京都議定書」第 6, 7, 13. 年,ただし HFCs,PFCs 及び SF6 については. 条) ) .. 1995 年)の総排出量(12 億 6 千百 万トン)を.

(4) 横浜国際社会科学研究 第 12 巻第 2 号(2007年 8 月). 74 (254). 表 1 2005 年度部門別内訳 京都義定書 の基準年 合計. 1,144. 小計. 1,059. エネルギー起源 . 産業部門 (工場等) 運輸部門 (自動車・船舶等 業務その他部門 (商業・サービス・事業所等). 482 217 164. 非エネルギー起源. 家庭部門. 127. エネルギー転換部門 (発電所等). 67.9. 小計. 85.1. 工業プロセス. 62.3. 廃棄物 (焼却等). 22.7. 燃料からの漏出. 0.04. (出典:環境省(2006),3 頁). 8.1% 上回って お り,マ イ ナ ス 6% を 達成 す る には,森林吸収源対策の 3.8% や京都メカニズ. 2004 年度 (基準年比) 1,286 (+12.4%) 1,196 (+13.0%) 466 (-3.4%) 262 (+20.3%) 227 (+37.9%) 168 (+31.5%) 74.9 (+10.4%) 89.4 (+5.2%) 53.2 (‒14.6%) 36.2 (+59.5%) 0.03 (-4.4%). 2004 年度か らの増減 → +0.8% → → +0.8% → → +0.2% → →-1.8% → → +3.1% → → +4.5% → →-0.6% → → +1.1% → → +1.1% → → +1.0% → → +7.4% →. 2005 年度速報値 (基準年比) 1,297 (+13.3%) 1,206 (+13.9%) 466 (-3.2%) 257 (+18.1%) 234 (+42.2%) 175 (+37.4%) 74.4 (+9.7%) 90.4 (+6..3%) 53.8 (‒13.7%) 36.6 (+61.1%) 0.04 (+2.6%). (単位:百万 t-CO2) . 4.企業の地球温暖化への取組み. ムの 1.6% を考慮しても,トータルで 8.7% の削. 4. 1 環境会計情報. 減が必要となる.. 産業界では既に地球温暖化の取組みが進行し. 産業部門では,排出量を基準年以下への達成. ている.日本経団連(2006)によると,環境報. が見込めるまでになっているが,運輸部門や業. 告書 の 記載内容 は 約 9 割 の 企業 が「地球温暖. 務その他部門,家庭部門,そして廃棄物は,基. 化対策」(93%)を取り上げており,その具体. 準年より大幅に上昇しており,その削減が課題. 的方法は,「全社の温室効果ガス(又は二酸化. となっている.. 炭素)排出量」(81%),「温室効果 ガ ス 排出量. 運輸部門では,自家用乗用車の温室効果ガス. の 自主削減目標」(73%),「物流,業務部門 で. の排出が,業務その他部門や家庭部門では,家. の温室効果ガス排出削減の取り組み」(66%),. 電製品等のエネルギー消費増加による二酸化炭. 「従業員教育などの取り組み」(65%),「省エネ. 素の排出量削減が問題となっている.このこと. 製品等の紹介」(61%)などをあげている.. から,産業部門は追加削減を求められているわ. その場合,地球温暖化対策といっても,株主. けではないが,運輸部門や家庭部門でのエネル. 価値を最大化するよう求められるため,株主に. ギー消費は,製品の使用に由来し発生する温室. 対しては,コストに対する明確な効果を貨幣単. 効果ガスであることから,製造販売した企業側. 位で示す必要があると考えられる.. は社会貢献としてだけではなく,製品の使用時. 企業の投資意思決定には,投資家の投資分析. の温室効果ガス削減のための研究開発などの費. 方法が,会計情報を基に割引キャッシュフロー. 用も盛り込み事業計画を立てる必要があるであ. (Discounted Cash Flow:DCF)法を用いるこ. ろう.. とが一般的であるため,DCF 法に整合するよ う,NPV を用いる方法が広く普及しており, 代替案の意思決定に関しては,NPV 法が用い.

(5) 環境保全対策に伴う推定的経済効果の研究(加藤). (255). 75. 表 2 環境保全コストの事業活動に応じた分類. ಽ㘃. ౝኈ. ੐ᬺࠛ࡝ࠕౝࠦࠬ࠻. ਥߚࠆ੐ᬺᵴേߦࠃࠅ੐ᬺࠛ࡝ࠕౝߢ↢ߓࠆⅣႺ⽶ ⩄ࠍᛥ೙ߔࠆߚ߼ߩⅣႺ଻ోࠦࠬ࠻. ਄࡮ਅᵹࠦࠬ࠻. ਥߚࠆ੐ᬺᵴേߦ઻ߞߡߘߩ਄ᵹ෶ߪਅᵹߢ↢ߓࠆ ⅣႺ⽶⩄ࠍᛥ೙ߔࠆߚ߼ߩⅣႺ଻ోࠦࠬ࠻. ▤ℂᵴേࠦࠬ࠻. ▤ℂᵴേߦ߅ߌࠆⅣႺ଻ోࠦࠬ࠻. ⎇ⓥ㐿⊒ࠦࠬ࠻. ⎇ⓥ㐿⊒ᵴേߦ߅ߌࠆⅣႺ଻ోࠦࠬ࠻. ␠ળᵴേࠦࠬ࠻. ␠ળᵴേߦ߅ߌࠆⅣႺ଻ోࠦࠬ࠻. ⅣႺ៊்ኻᔕࠦࠬ࠻. ⅣႺ៊்ߦኻᔕߔࠆࠦࠬ࠻. ߘߩઁࠦࠬ࠻. ߘߩઁⅣႺ଻ోߦ㑐ㅪߔࠆࠦࠬ࠻. (出典:環境省(2005),12 頁,図表を基に加藤作成). 表 3 環境保全対策に伴う経済効果の分類 ෼ ⋉. ⾌ ↪ ▵ ᷫ. ታᣉ䈚䈢ⅣႺ଻ోᵴേ䈱⚿ᨐ䋬 ᒰᦼ䈮䈍䈇䈩ታ⃻䈚䈢෼⋉䈱䈉䈤䋬 ⏕ታ䈭ᩮ᜚䈮ၮ䈨䈇䈩▚ቯ䈘䉏䉎෼⋉. ታᣉ䈚䈢ⅣႺ଻ోᵴേ䈱⚿ᨐ䋬 ᒰᦼ䈮䈍䈇䈩ታ⃻䈚䈢෼⋉䈱䈉䈤䋬 ઒ቯ⊛䈭⸘▚䈮ၮ䈨䈇䈩ផ⸘䈘䉏䈢 ⅣႺ଻ోኻ╷䈮઻䈉෼⋉. ታᣉ䈚䈢ⅣႺ଻ోᵴേ䈱⚿ᨐ䋬ᒰᦼ䈮䈍䈇䈩⊒↢ 䈚䈭䈇䈖䈫䈏⹺䉄䉏䈢⾌↪䈱䈉䈤䋬⏕ታ䈭ᩮ᜚䈮ၮ 䈨䈇䈩▚ቯ䈘䉏䉎⾌↪. ታᣉ䈚䈢ⅣႺ଻ోᵴേ䈱⚿ᨐ䋬ᒰᦼ䈮䈍䈇䈩⊒↢ 䈏࿁ㆱ䈘䉏䉎䈫⷗ㄟ䉁䉏䉎⾌↪䈱䈉䈤䋬઒ቯ⊛䈭 ⸘▚䈮ၮ䈨䈇䈩ផ⸘䈘䉏䉎⾌↪. ⅣႺ䈎䉌੐ᬺᵴേ䈻䈱 ⾗Ḯᛩ౉䈮઻䈉⾌↪䈱䈉䈤䋬 ⏕ታ䈭ᩮ᜚䈮ၮ䈨䈇䈩▚ቯ䈘䉏䉎▵ᷫ㗵. ⅣႺ䈎䉌੐ᬺᵴേ䈻䈱 ⾗Ḯᛩ౉䈮઻䈉⾌↪䈱䈉䈤䋬 ઒ቯ⊛䈭⸘▚䈮ၮ䈨䈇䈩ផ⸘䈘䉏䉎▵ᷫ㗵. ੐ᬺᵴേ䈎䉌ⅣႺ䈻䈱 ⽶⩄෸䈶ᑄ᫈‛ឃ಴䈮઻䈉⾌↪䈱䈉䈤䋬 ⏕ ታ䈭ᩮ᜚䈮ၮ䈨䈇䈩▚ቯ䈘䉏䉎▵ᷫ㗵. ੐ᬺᵴേ䈎䉌ⅣႺ䈻䈱 ⽶⩄෸䈶ᑄ᫈‛ឃ಴䈮઻䈉⾌↪䈱䈉䈤䋬 ઒ቯ⊛䈭⸘▚䈮ၮ䈨䈇䈩ផ⸘䈘䉏䉎▵ᷫ㗵. ⅣႺ៊்䈮⿠࿃䈜䉎⾌↪䈱䈉䈤䋬⏕ታ䈭ᩮ ᜚䈮ၮ䈨䈇䈩▚ቯ䈘䉏䉎▵ᷫ㗵. ⅣႺ៊்䈮⿠࿃䈜䉎⾌↪䈱䈉䈤䋬 ઒ቯ⊛䈭⸘▚䈮ၮ䈨䈇䈩ផ⸘䈘䉏䉎▵ᷫ㗵. ታ⾰⊛ലᨐ. ផቯ⊛ലᨐ. (出典:環境省(2005),27 頁,図表を基に加藤作成). られる3).環境保全に関しても,当該期間の環. いる4).. 境保全に係る費用と,それに対応する効果とを. 環境省(2005)によると,平成 15 年におけ. 把握 し,環境省『環境会計 ガ イ ド ラ イ ン 2005. る環境省の調査では,環境会計情報を報告する. 年版』 (以下環境会計ガイドライン)等に則っ. 企業は上場企業の約 3 割にまで達しているとい. て環境会計情報として,環境報告書やウェブサ. う(環境省 2005,1 頁).環境会計 と は「環. イトなどの媒体を通して報告する企業が増えて. 境による負荷とそれによる効果を可能な限り認.

(6) 横浜国際社会科学研究 第 12 巻第 2 号(2007年 8 月). 76 (256). 表 4 経済効果開示状況 ⚻ᷣലᨐ㗄⋡ Ԙ࡝ࠨࠗࠢ࡞ߦࠃࠆ᦭ଔ‛ߩᄁළ⋉ ԙ⋭ࠛࡀ࡞ࠡ࡯ߦࠃߞߡ೥ᷫߐࠇߚ⾌↪ Ԛ⋭⾗Ḯߦࠃߞߡ೥ᷫߐࠇߚ⾌↪ ԛᑄ᫈‛ߩᷫዋߦࠃߞߡ೥ᷫߐࠇߚ⾌↪ ԜⅣႺ▤ℂല₸ൻߦࠃߞߡ೥ᷫߐࠇߚ⾌↪ ԝ࿁ㆱߐࠇߚⅣႺ࡝ࠬࠢ⾌↪ Ԟઃടଔ୯⽸₂㗵 ԟⅣႺ⺞๺ဳ⵾ຠᄁ਄㜞 Ԡᐢ๔ትવലᨐ ԡ૶↪⠪࿁ㆱࠦࠬ࠻. ᐕᐲ          . 㐿␜ડᬺᢙ ᐕᐲ ᐕᐲ                    . 注 1) 開示企業数:2000 年度 26 社,2001 年度 90 社,2002 年度 131 社 注 2) ガイドライン準拠企業数:2000 年度 18 社,2001 年度 83 社,2002 年度 127 社 (出典:八木裕之(2003 年),61 頁,図表 6 を基に加藤作成). 識し,報告すること」であり,環境会計情報は,. より行われた調査のとおり,実質的経済効果(①. 「環境保全コスト(貨幣単位) 」 , 「環境保全効果. から⑤)に比べ,推定的経済効果(⑥から⑩). (物量単位) 」 , 「経済効果(貨幣単位) 」に 分 か. を報告している企業はわずかとなっている(八. れる(環境省 2005,2 頁) .. 木 2003,60─62 頁).. 環境保全コストとは, 「環境負荷発生の防止,. 環境会計の具体的な例として,輸送部門にお. 抑制又は回避,影響の除去,発生した被害の回. ける二酸化炭素排出の大半に関係している,わ. 復又はこれらに資する取組みのための投資額及. が国自家用車の製造販売最大手,トヨタ自動車. び費用額」のことであり,貨幣単位で測定され,. の環境会計を次に考察してみる.. その内容は表 2 のように分類されている(環境 省 2005,11─20 頁) .. 4. 2 トヨタ自動車の事例. 環境保全コストに対する当期の効果は,基準. 前述したとおり自動車からの二酸化炭素排出. 年(たとえば前期)と比較した環境負荷の削減. 量を減らすことがわが国の温室効果ガス削減の. 分 を 集計 し,ト ン(t)や ジュール(J) ,CO2. 課題となっていることから,トヨタ自動車の取. などの物量単位を用いて表わされる「環境保全. 組みは注目を集めている.トヨタ自動車の環境. 効果」と,それらのうち貨幣単位に換算できる. 保全の取り組みは,事業活動に起因する環境負. ものをも含め,企業利益に貢献した効果を貨幣. 荷を低減させることを目的とした環境マネジメ. 単位で測定した「経済効果」に分けられ, 「経. ン ト の 実施 で あ る(ト ヨ タ 自動車株式会社 . 済効果」は,さらに「実質的経済効果」と「推. 2006b,10 頁).トヨタ自動車では,海外に生. 定的経済効果」に 分けられる(環境省 2005,. 産拠点を移しているため,日本国内における二. 21─30 頁) .実質的経済効果 に は,根拠 が 確実. 酸化炭素の排出削減については,図 2 のとおり. なものが含まれ,推定的経済効果には,根拠の. 達成されている.. 蓋然性が低いあるいは不明なものや推定的な要. そして,その環境マネジメントに則って当期. 素までもが含まれる.その詳細な分類は,表 3. に発生した環境会計情報を,独自の集計方法に. のとおりである.. よるものと,環境会計ガイドラインを基に集計. 経済効果に関しては,表 4 の八木(2003)に. したものとを公表している.環境会計ガイドラ.

(7) 環境保全対策に伴う推定的経済効果の研究(加藤). 非生産部門の CO2 排出量 生産部門の CO2 排出量 売上高当たりの CO2 排出量. 77. 売上高当たり. (t/ 億円). 総排出量 (エネルギー使用量). (万 t) CO2. (257). 排出量. CO2. (出典:トヨタ自動車株式会社(2006b),32 頁). 㧔಴ౖ㧦࠻࡛࠲⥄േゞᩣᑼળ␠㧔2006b㧕‫ޔ‬32 㗁㧕 図 2 トヨタ自動車の二酸化炭素排出量(国内). . 表 5 トヨタ自動車単体の環境保全コスト 〈環境省フォーマットによる 2005 年度実績〉 (単位:億円) 分類. トヨタ. *ボディーメーカー 6 社. 投資. 費用. 投資. 費用. 42. 14. 29. 24. 216. 9. 35. 4. ③資源循環コスト. 3. 26. 23. 23. ⑵上・下流コスト. リサイクル関連費用, 業界団体分担金. 0. 31. 0. 5. ⑶管理活動コスト. 環境広告 環境報告書発行費用, 環境専任スタッフ費用 等. ─. 95. 0. 21. ⑷研究開発コスト. 環境負荷低減のため の研究開発費用. ─. 1,915. 5. 329. ⑸社会活動コスト. 環境保全団体への寄付 等. ─. 5. ─. 1. ⑹環境損傷対応コスト. 土壌・地下水汚染の 修復のための費用等. 5. 17. ─. 1. 2,112. 93. ①公害防止コスト ⑴事業エリア内コスト ②地球環境保全コスト. 合計. 266. 2,378. 407 500. *ボディーメーカー 6 社:関東自動車工業,ダイハツ工業,トヨタ車体,日野自動車, トヨタ自動車九州,セントラル自動車(各社採用基準に基づき集計しています) (出典:トヨタ自動車株式会社(2006b),23 頁). インに準拠した環境保全コストは,表 5 のとお. ロアクティビティ」という考え方が基礎になっ. りである.. ている(トヨタ自動車株式会社 2004,23 頁).. トヨタ自動車の環境コストの大半を占めてい. それは,将来自動車が社会に引き起こす環境問. るのは研究開発コストである.トヨタ自動車の. 題や交通事故,交通渋滞などのネガティブ・イ. 研究開発のベースにある考え方は,危うい状況. ンパクトをゼロに近づける研究を進めると同時. になってしまってからでは手遅れであり,そう. に,楽しさや快適性などの顧客満足度を最大化. ならないように事前に予防策をうっておく「プ. することを両立するためであると考えられてい.

(8) 横浜国際社会科学研究 第 12 巻第 2 号(2007年 8 月). 78 (258). 表 6 トヨタクリーンエネルギー車の販売台数(国内) ʼ01 年度 ʼ02 年度 ʼ03 年度 ʼ04 年度 ʼ05 年度 電気自動車 ハイブリッド車. 56. 23. 7. 0. 0. 23,373. 15,390. 42,021. 64,877. 57,756. 天然ガス自動車 計. 187. 162. 222. 277. 208. 23,616. 15,575. 42,250. 65,154. 57,964. トヨタ車総販売台数に占める割合 1.4%. 0.9%. 2.4%. 3.7%. 3.4%. (出典:トヨタ自動車株式会社(2006b),28 頁). 表 7 トヨタ自動車単体の実質的経済効果 (単位:億円) ʼ03 年度 ʼ04 年度 ʼ05 年度 エネルギー費 低減 廃棄物処理費用の低減 リサイクル品売上 その他 (環境関係技術収入他) 合計. ボディ メーカー 6 社 ʼ05 年度実績. 11. 11. 21. 19. 6 33. 3 59. 4 58. 1 41. 8. 25. 21. 1. 58. 98. 104. 62. (出典:トヨタ自動車株式会社(2006b),23 頁). る.. つまり,わが国が課題としている家庭や事務. 地球温暖化対策に関しての研究の成果はハイ. 所での自動車の使用時における温室効果ガス排. ブリッド技術や燃料電池の開発に見られる.そ. 出削減につながり,さらにメリットとして燃料. れは将来の競争力の更なる強化のためであると. 費の節約にもなるというのである.ハイブリッ. いう(トヨタ自動車株式会社 2006c,35 頁) .. ド車の国内における販売状況は表 6 のとおりで. トヨタ自動車株式会社のホームページを参照す. ある.. ると,ハイブリッド技術とは,ガソリンエンジ. 将来的には温室効果ガスの排出をゼロにする. ンにモーターを組み合わせ,車両のトータル効. ために,トヨタ自動車では,燃料電池車を開発. 率が最も高くなるように制御する技術である.. している.トヨタ自動車のホームページによる. 停車時には,エンジンがストップし,スタート. と,燃料電池 と は,水素 と 酸素 の 化学反応 で. や低速走行時は,バッテリーの電気を使い,ス. 電気をつくるというものであり5),その仕組み. ピードが上がると最も効率の高い回転域で効. は,水素が持つエネルギーの 83% を電気エネ. 率優先の運転をし,高効率の運転中あるいは減. ルギーに変えることで,ガソリンエンジンにく. 速時等に余ったエネルギーを発電機で電気に換. らべ,かなり高い効率を期待でき,さらに温室. え,バッテリーに充電するというのである.た. 効果ガスの排出もなく,出るのは水だけである. とえばプリウスは,従来の同クラス(1.5)の. という.現状では水素を作る過程で二酸化炭素. ガソリン車に比べて,CO2 排出量を 1/2,CO,. を排出するのだが,将来的にはこの問題を解決. HC,NOX の 排出 を 現規制値 の 1/10 に 低減 し. し,ハイブリッド技術を組み合わせた「トヨタ. たと い う の で あ る(トヨタ自動車株式会社 . FCHV(Fuel Cell Hybrid Vehicle)」という「究. 1998) .. 極のエコカー」を開発することで,顧客の使用.

(9) 環境保全対策に伴う推定的経済効果の研究(加藤). (259). 79. 表 8 顧客効果・生涯効果 ガソリン代節約 : 43億円 CO2換算削減量 : 79千t 生涯効果:∑[(1万km*1/従来型車の燃費*2-1万km/新型車の燃費*2)×128円*3×2005年度販売台数*4]×(10.93年*5)=466億円 *1 国土交通省「自動車輸送統計」による乗用車平均年間走行距離 *2 10・15モード燃費 *3 石油情報センター調査による2005年度全国平均ガソリン単価(消費税含む) *4 発売月による影響を排除するため,実際の販売台数を年間想定販売台数に補正.(補正による2005年度の影響額 : 29億円) *5 自動車検査登録協力会調査による平均使用年数を掛けることで生涯効果を算出 (注1)2005年度新型車・モデルチェンジ車,全10車種. (注2)CO2換算係数=2.322kg-CO2/L (出典:トヨタ自動車:環境・社会活動>環境への取り組み(http://www.toyota.co.jp/SR/06repo/envac/)). 表 9「環境対応による利益寄与効果」算出式 㪁㪍 㪁㪍 ゞਔᄁ਄㜞 䋨㪎㪃㪏㪈㪐㪃㪉㪈㪏⊖ਁ౞䋩㩷㩷㬍ᄁ਄㜞༡ᬺ೑⋉₸䋨㪏㪅㪊䋦䋩㩷 㪁㪎 㩷㩷㩷㩷㩷㩷㩷㩷㩷㩷㩷㩷㩷㩷㩷㩷㬍ⅣႺᖱႎ䈮䉋䉎䊨䉟䊟䊥䊁䉞ነਈ₸㩷䋨㪌㪐㪅㪍䋦䋩 䋽⚂㪊㪃㪐㪇㪇ం౞. 㪁㪍㩷㩷㪉㪇㪇㪍ᐕ㪊᦬ᦼන⁛᳿▚ 㪁㪎㩷㩷ᣣ⚻㪙㪧䊶ⅣႺ䊐䉤䊷䊤䊛╙㪍࿁䇸ⅣႺ䊑䊤䊮䊄⺞ᩏ䋨㪉㪇㪇㪌ᐕᐲ䋩䇹 ⅣႺᖱႎ䈮䉋䉎䊨䉟䊟䊥䊁䉞䋨䊃䊣䉺ゞ䉕⥄ಽ䈪⾼౉䈚䈢䈇䋩䈻䈱ነਈ₸ 䇭䋨಴ౖ䋺䊃䊣䉺⥄േゞ䋺ⅣႺ䊶␠ળᵴേ䋾ⅣႺ䈻䈱ข䉍⚵䉂䋨㪿㫋㫋㫇㪑㪆㪆㫎㫎㫎㪅㫋㫆㫐㫆㫋㪸㪅㪺㫆㪅㫁㫇㪆㪪㪩㪆㪇㪍㫉㪼㫇㫆㪆㪼㫅㫍㪸㪺㪆䋩䋩. . . 時の温室効果ガス排出はほとんどなくなると考. に及んでいるというのは,疑わしい.すると,. えているというのである.. トヨタの環境会計は,環境コストが経済効果を. 環境保全コストに対する経済効果について. 大幅に上回ってしまい,費用対効果がないとい. は,報告書上では実質的経済効果のみが報告さ. うことになってしまう.本稿ではこの点を解決. れている(表 7) .. する方法としてリアルオプション法を考えてみ. さらにウェブサイトにおいて, 「顧客効果・. る.. 生涯効果」及び 「環境対応による利益寄与効果」. 近年米国でハイテクブームが起き,IT 企業. と呼ばれる推定的経済効果を算出している.そ. など,企業利益に対して何倍もの株価がつくと. れぞれ表 8,表 9 のとおりである.. いう現象が現れ,キャッシュフローの予測が困. 5.リアルオプション法による投資分析例. 難なベンチャー企業に,オプション評価理論を 適用するという研究が行われている(Amram. 以上環境会計情報を見てきたわけであるが,. and Klatilaka  1999 ). た と え ば Kellog and. トヨタ自動車の場合,環境コストの大半は研究. Charnes(2000)は,多くのバイオテクノロジー. 開発コストであり, それに対する経済効果は 「環. 企業では,収益が出るまでに 10─15 年という長. 境対応による利益寄与」であるということにな. 期間を要し,NPV を計算するとほぼゼロであ. る.しかし,表 6 を見る限りでは,ハイブリッ. るにもかかわらず,株式市場では高い株価がつ. ド車の普及が進んでいるとはいえず,環境対応. くことを,バイオテクノロジー企業 Agouron. による利益寄与がハイブリッド車の売上高以上. の実例をあげ,オプション評価理論を聞いて分.

(10) 䋨಴ౖ䋺䊃䊣䉺⥄േゞ䋺ⅣႺ䊶␠ળᵴേ䋾ⅣႺ䈻䈱ข䉍⚵䉂 䋨㪿㫋㫋㫇㪑㪆㪆㫎㫎㫎㪅㫋㫆㫐㫆㫋㪸㪅㪺㫆㪅㫁㫇㪆㪪㪩㪆㪇㪍㫉㪼㫇㫆㪆㪼㫅㫍㪸㪺㪆䋩䋩. .  80 (260). 横浜国際社会科学研究 第 12 巻第 2 号(2007年 8 月). ⴫ 10 ᩣᑼߩࠝࡊ࡚ࠪࡦߣ࡝ࠕ࡞ࠝࡊ࡚ࠪࡦߩᲧセ 表 10 株式のオプションとリアルオプションの比較 ᩣᑼ䈱䉮䊷䊦䉥䊒䉲䊢䊮 ⃻࿷䈱ᩣଔ ᮭ೑ⴕ૶ଔᩰ ᮭ೑ⴕ૶ᦼ㑆. 䊒䊨䉳䉢䉪䊃䈱䊥䉝䊦䉥䊒䉲䊢䊮 ᦼᓙ䉨䊞䉾䉲䊠䊐䊨䊷䈱䋨✚䋩⃻࿷ଔ୯ ᛩ⾗⾌↪ ᯏળ䈏⃻䉏䉎䉁䈪. ᩣଔ䈱ਇ⏕ታᕈ ή䊥䉴䉪㊄೑. 䊒䊨䉳䉢䉪䊃䈱ଔ୯䈱ਇ⏕ታᕈ ή䊥䉴䉪㊄೑. (出典:Trigeorgis (1995) p. 125, Figure 4.2 を基に加藤作成). 䋨಴ౖ䋺㩷㪫㫉㫀㪾㪼㫆㫉㪾㫀㫊䋨㪈㪐㪐㪌䋩㫇㫇㪅㩷㪉㪄㪊㪃㩷㪫㪸㪹㫃㪼㩷㪈㪅㪈㪅䋩. 析している.. ル(Black and Scholes 1973)等 の オ プ ショ. 環境 の 分野 で も,オ プ ション 評価理論 を 用. ン評価モデルを用いて求めることができる.. いることは以前より指摘されている.Koëchlin. 取引所で取引されていない投資プロジェクト. and Muller(1992)は,CFCs(クロロフルカー. などに,この理論を適用する場合,それは株式. ボン類)を例に挙げ,伝統的な NPV 法に加え. 等のオプションに対し,リアルオプション(Real. オプション価値の存在を指摘している(Koëchlin. Option)と 呼 ば れ6),そ れ を 用 い た 資産評価. and Muller  1992, pp. 115─127) .それによると,. の 方法 は リ ア ル オ プ ション 法(Real Option. FCFs を放棄するには,新規投資を必要とする. Method)と呼ばれる.株式等のオプションと. のだが,1970 年代にオゾン層についての国際. プロジェクトのリアルオプションの違いは,表. 的な議論が始まると,CFCs を使用しないデオ. 10 のとおりである.. ドラント・スプレーの開発に成功していた企業. トヨタ自動車に関しても,京都議定書の約束. は,市場占有率を増やすことにつながり,その. 期間が迫っているという高い不確実性があるこ. ような新しい状況にすばやく適応できる能力. とから,リアルオプションが潜在すると考えら. は,将来行う多数のプロジェクトに投資する機. れ,それは主にボラティリティの変動に関係し. 会を得られる大きな戦略的価値であると考えら. ていると考えられる.. れ,その価値を評価するには,オプション評価. 株式会社野村総合研究所(NRI)で は,2006. 理論を利用することがその一助となると述べて. 年 9 月 19 日 に ハ イ ブ リッド 車 に 関 す る ア ン. いるのである.. ケートを実施している7).それによると,「低. Schaltegger and Burrit(2000)は,そ の プ ロ. 騒音である」,「排ガスがきれい」,「技術的に最. ジェクトのオプションは,コール・オプション. 先端 で あ る」,「燃費 が 良 い」,「税制面 で 優遇. (call option)であると指摘している(Schaltegger. が受けられる」,「加速性能が良い」などの点を. and Burrit 2000,pp. 141─144(宮崎修行監訳 . 評価し,現在のハイブリッド車を所有している. 2003,158─162 頁) ) .. ユーザーの 94% が再購入に前向きであり,一. オプションとは,取引所で取引されている株. 般ユーザーの 45% もハイブリッド車の新規購. 式などの原資産を,あらかじめ決められた権利. 入を前向きに考えているという.. 行使日に,権利行使価格で購入,または売却で. しかし, 「排ガス処理のために,ガソリン車. きる権利であり,条件付請求権という資産の一. に比べて 10~15% 程度コストアップする」ため,. 種である.前者はコール・オプション,後者は. 一般車とハイブリッド車の価格差を 30 万円未. プット・オ プ ションと呼ばれている.株式の. 満にすることや,メンテナンスコストを下げる. オプション価格は,二項格子モデル(Cox and. など, 「コストダウン」について改善を求める. others 1979)やブラック=ショールズ・モデ. 回答が最も多く,次いで軽自動車のハイブリッ. ⴫ 11 ࡏ࡜࠹ࠖ࡝࠹ࠖᄌേࠝࡊ࡚ࠪࡦߩ⸘▚ㆊ⒟.

(11) ⥄േゞ⽼ᄁบᢙߩࡏ࡜࠹ࠖ࡝࠹ࠖߦ෼᧤ߐࠇࠆߣប߃߼ߦ઒ቯߔࠆ‫⥄࠲࡛࠻ޕ‬േゞ. ⥄േゞ⽼ᄁߩࡏ࡜࠹ࠖ࡝࠹ࠖߪ‫⋥ޔ‬ㄭߩታ❣୯ߢ޽ࠆ⥄േゞ⽼ᄁบᢙࠍ↪޿ࠆߣ‫ޔ‬. ᐲ߇ 7,407,378 บ‫ޔ‬2006 ᐕᐲ߇ 7,974,563 บߢ޽ࠆߩߢ‫ޔ‬એਅߩࠃ߁ߦ⸘▚ߢ߈ࠆ 環境保全対策に伴う推定的経済効果の研究(加藤). ド化など「商品ラインナップの拡大」や「ハイ ブリッド車の乗車経験機会の拡大」などを要望 する声が寄せられたということであり,それら. V. ln(7,974,563 / 7,407,378). (261). 81. 0.074. 2008 年度は京都議定書の約束期間に入るこ. 2008 ᐕᐲߪ੩ㇺ⼏ቯᦠߩ⚂᧤ᦼ㑆ߦ౉ࠆߎߣ߆ࠄ‫ޔ‬ౣ߮ࡏ࡜࠹ࠖ࡝࠹ࠖ߇਄᣹ߔ の要望が改善されることが条件のようである. とから,再びボラティリティが上昇すると仮定. こ れ ら の 点 が 解決された場合,自動車業界 する.トヨタ自動車でも 2010 年以後の早い時 ቯߔࠆ‫⥄࠲࡛࠻ޕ‬േゞߢ߽ 2010 ᐕઍߩᣧ޿ᤨᦼߦᐕ㑆 100 ਁบߩࡂࠗࡉ࡝࠶࠼ゞ⽼ 全体としてハイブリッド車の普及は促進され, 期に年間 100 万台のハイブリッド車販売を目指 ᜰߔߣㅀߴߡ޿ࠆ㧔࠻࡛࠲⥄േゞ 2006a‫ޔ‬11 㗁㧕‫ࠍࠇߘޕ‬ၮߦࡏ࡜࠹ࠖ࡝࠹ࠖࠍ 2012 年 の ハ イ ブ リッド 車 の 販売 は 日本国内 すと述べている (トヨタ自動車 2006a, 11 頁). に お い て は 46 万台,欧州 で 5.2 万台,米国 で それを基にボラティリティを推計すると,以下 ࠆߣ‫ޔ‬એਅߩࠃ߁ߦߥࠆ‫ޕ‬ 167.5 万台となると予測され,全体の市場規模 は 約 220 万台,年平均成長率 は 35% と な る と 予測している.. のようになる.. V (1 / 4) u ln(1,000,000 / 263,000) 0.33 V (1 / 4) u ln(1,000,000 / 263,000) 0.33. これからのことから,トヨタ自動車のハイブ. 11 リッド技術によるトヨタ自動車の普及は,日 2008 年以降に関しては,GM やダイムラー 2008 ᐕએ㒠ߦ㑐ߒߡߪ‫ޔ‬GM ߿࠳ࠗࡓ࡜࡯ࠢ࡜ࠗࠬ࡜࡯ߥߤ߇‫ޔ‬㊂↥ࠍᧄᩰൻߐ 2008 ᐕએ㒠ߦ㑐ߒߡߪ‫ޔ‬GM ߿࠳ࠗࡓ࡜࡯ࠢ࡜ࠗࠬ࡜࡯ߥߤ߇‫ޔ‬㊂↥ࠍᧄᩰൻߐ 本国内よりも米国で大きく伸びる可能性があ クライスラーなどが,量産を本格化させるとい ੍᷹ߐࠇ‫ߩߘޔ‬႐ว 2010 ᐕߦߪ 250 ਁบߦߥࠆߣ޿߁੍᷹߽޽ࠆߎߣ߆ࠄ㧔᫪ ੍᷹ߐࠇ‫ߩߘޔ‬႐ว う予測もあることから 2010 ᐕߦߪ 250 ਁบߦߥࠆߣ޿߁੍᷹߽޽ࠆߎߣ߆ࠄ㧔᫪ り,連結ベースで考える必要があると考えられ (森田 2005),もし仮に, 2005㧕 ‫ߒ߽ޔ‬઒ߦ‫ޔ‬࿾⃿᷷ᥦൻߦኻߔࠆ㑐ᔃ߇㜞߹ࠅ‫࡯ࠡ࡞ࡀࠛޔ‬ଔᩰ߽㜞ᱛ߹ࠅࠍ る.オプション価値の算出はランダム・ウォー 地球温暖化に対する関心が高まり,エネルギー 2005㧕 ‫ߒ߽ޔ‬઒ߦ‫ޔ‬࿾⃿᷷ᥦൻߦኻߔࠆ㑐ᔃ߇㜞߹ࠅ‫࡯ࠡ࡞ࡀࠛޔ‬ଔᩰ߽㜞ᱛ߹ࠅࠍ クを前提とするため,直近のデータを用い推 価格も高止まりを続けるとすると,2006 年度 ᐕߩࡏ࡜࠹ ߣߔࠆߣ‫ޔ‬2006 ᐕᐲߩࠃ߁ߥ⽼ᄁჇ߇޽ࠆ߆߽ߒࠇߥ޿‫ޔߣࠆߔޕ‬2008 ߣߔࠆߣ‫ޔ‬2006 ᐕᐲߩࠃ߁ߥ⽼ᄁჇ߇޽ࠆ߆߽ߒࠇߥ޿‫ޔߣࠆߔޕ‬2008 ᐕߩࡏ࡜࠹ 測と仮定により算出を試みる.トヨタ自動車 のような販売増があるかもしれない.すると, ࠖߪౣ߮‫ޔ‬ ࠖߪౣ߮‫ޔ‬ の 2006 年 3 月期における,全世界におけるハ 2008 年のボラティリティは 2006 年度と同じ, イブリッド車の販売台数は,26.3 万台(前期比 + 12 万台)で あ り(トヨタ自動車 2006a,8 頁) , そして, 連結ベースの自動車の販売台数は,. V ln(263,000 / 140,000) 0.61 V ln(263,000 / 140,000) 0.61. 7,974,563 台である.すると,ハイブリッド車 と,高 い 伸 び を す る か も し れ な い.よって, ߣ‫ޔ‬㜞޿િ߮ࠍߔࠆ߆߽ߒࠇߥ޿‫ޔߡߞࠃޕ‬2007 ᐕߩࡏ࡜࠹ࠖ࡝࠹ࠖߪ の占有率は約 3.3% と計算できる.連結売上高 2007 年度 の ボ ラ ティリ ティは 0.074,2008 年 0.074‫ޔ‬200 ߣ‫ޔ‬㜞޿િ߮ࠍߔࠆ߆߽ߒࠇߥ޿‫ޔߡߞࠃޕ‬2007 ᐕߩࡏ࡜࠹ࠖ࡝࠹ࠖߪ 0.074‫ޔ‬20 は 19 兆 3,381 億円 で あ り,ハࡏ࡜࠹ࠖ࡝࠹ࠖߪ イ ブ リッド 車 の 0.61度のボラティリティは 0.61 となると予想する ߣߥࠆߣ੍ᗐߒ‫ޔ‬዁᧪ࠠࡖ࠶ࠪࡘࡈࡠ࡯ࠍ⸘▚ߔࠆߣ‫⴫ޔ‬ 1 ࡏ࡜࠹ࠖ࡝࠹ࠖߪ 0.61 ߣߥࠆߣ੍ᗐߒ‫ޔ‬዁᧪ࠠࡖ࠶ࠪࡘࡈࡠ࡯ࠍ⸘▚ߔࠆߣ‫⴫ޔ‬ 占 め る 割合,約 3.3% を か け る と,約 6,778 億 と,表 11 の よ う に,現在価値 が 6,778 億円 か 㧥‫ޕ‬ ߁ߦ‫⃻ޔ‬࿷ଔ୯ 6,778 ం౞߇ 7,951 ం౞߳ߣ਄᣹ߔࠆߩߢ޽ࠆ 9) ߁ߦ‫⃻ޔ‬࿷ଔ୯ 7,951 ం౞߳ߣ਄᣹ߔࠆߩߢ޽ࠆ 円(販売単価 は 6,778 億円÷ 26.3 万台=約 242 6,778らం౞߇ 7,951 億円へと上昇するのである . 㧥‫ޕ‬ 万円)と推計される.この 6,778 億円を原資産. 次にコストを考えてみる.トヨタ自動車の場. とし,二項格子モデルを展開してみる. 合,研究開発コストは毎期追加投資されるため, ⴫ 11 ࡏ࡜࠹ࠖ࡝࠹ࠖᄌേࠝࡊ࡚ࠪࡦ ⴫ 11 ࡏ࡜࠹ࠖ࡝࠹ࠖᄌേࠝࡊ࡚ࠪࡦ 金利は,2006 年の新発 10 年国債の平均利回 コストの変動を考慮に入れる必要があるであ りを用いる.ボラティリティに関しては,2006. ろう.2006 年度の研究開発コストは,2005 年. 年度は,原油価格の大幅な上昇からハイブリッ 度の 1,910 億円と同額と考えてみる.仮にすべ ᰴߦࠦࠬ࠻ࠍ⠨߃ߡߺࠆ‫⥄࠲࡛࠻ޕ‬േゞߩ႐ว‫⎇ޔ‬ⓥ㐿⊒ࠦࠬ࠻ߪᲤᦼㅊടᛩ⾗ ド車の売り上げが順調であったが,それは一時 てがハイブリッド車に関するものであり,2006 ᰴߦࠦࠬ࠻ࠍ⠨߃ߡߺࠆ‫⥄࠲࡛࠻ޕ‬േゞߩ႐ว‫⎇ޔ‬ⓥ㐿⊒ࠦࠬ࠻ߪᲤᦼㅊടᛩ⾗ 的なものであり,2007 年度は連結自動車販売 年度以降年率 10% で伸びると仮定する.する ߚ߼‫ޔ‬ ࠦࠬ࠻ߩᄌേࠍ⠨ᘦߦ౉ࠇࠆᔅⷐ߇޽ࠆߢ޽ࠈ߁‫ޕ‬ 2006 ߚ߼‫ޔ‬ ࠦࠬ࠻ߩᄌേࠍ⠨ᘦߦ౉ࠇࠆᔅⷐ߇޽ࠆߢ޽ࠈ߁‫ޕ‬ 2006ᐕᐲߩ⎇ⓥ㐿⊒ࠦࠬ࠻ ᐕᐲߩ⎇ⓥ㐿⊒ࠦࠬ࠻ 台数のボラティリティに収束されると控えめに と,① 2007 年度 の 研究開発費予想 は 2,101 億 ం౞ࠍࡌ࡯ࠬߦ⠨߃ߡߺࠆ‫ޕ‬઒ߦᲤᐕ 10%ߢિ߮ࠆߣ઒ቯߔࠆ‫ޔߣࠆߔޕ‬Ԙ2007 ᐕ ం౞ࠍࡌ࡯ࠬߦ⠨߃ߡߺࠆ‫ޕ‬઒ߦᲤᐕ ᐕ 仮定する.トヨタ自動車の連結自動車販売のボ 円,② 2008 年度10%ߢિ߮ࠆߣ઒ቯߔࠆ‫ޔߣࠆߔޕ‬Ԙ2007 の 研究開発費予想 は 2,311 億. ⓥ㐿⊒⾌੍ᗐߪ ラティリティは,直近の実績値である自動車販 円となる. ⓥ㐿⊒⾌੍ᗐߪ2,101 2,101ం౞‫ޔ‬ԙ2008 ం౞‫ޔ‬ԙ2008ᐕᐲߩ⎇ⓥ㐿⊒⾌੍ᗐߪ ᐕᐲߩ⎇ⓥ㐿⊒⾌੍ᗐߪ2,311 2,311ం౞ߣߥࠆߣߥ ం౞ߣߥࠆߣߥ 売台数 を 用 い る と,2005 年度 が 7,407,378 台, 以上のことを,表 11 に組み込むと,表 12 の  એ਄ߩߎߣࠍ‫⴫ޔ‬ એ਄ߩߎߣࠍ‫⴫ޔ‬1111ߩࡏ࡜࠹ࠖ࡝࠹ࠖߩᄌേߦ⚵ߺㄟ߻ߣ‫⴫ޔ‬ ߩࡏ࡜࠹ࠖ࡝࠹ࠖߩᄌേߦ⚵ߺㄟ߻ߣ‫⴫ޔ‬12 12ߩࠃ߁ߦ ߩࠃ߁ߦ1,69 1,6 2006 年度が 7,974,563 台であるので,以下のよ ように 1,691 億円と,オプション価値が算出で ߣ‫ࡦ࡚ࠪࡊࠝޔ‬ଔ୯߇▚಴ߢ߈ࠆ‫ޕ‬ ߣ‫ࡦ࡚ࠪࡊࠝޔ‬ଔ୯߇▚಴ߢ߈ࠆ‫ޕ‬ うに計算できる8). きる.. ⴫⴫12 12ࡏ࡜࠹ࠖ࡝࠹ࠖᄌേࠝࡊ࡚ࠪࡦ㧗ࠦࠬ࠻ផ⒖ࠝࡊ࡚ࠪࡦ ࡏ࡜࠹ࠖ࡝࠹ࠖᄌേࠝࡊ࡚ࠪࡦ㧗ࠦࠬ࠻ផ⒖ࠝࡊ࡚ࠪࡦ.

(12) 82 (262). 横浜国際社会科学研究 第 12 巻第 2 号(2007年 8 月). 表 11 オプション価値を含むキャッシュフロー 㫌 㪈㪅㪇㪎㪍. 㪻 㪇㪅㪐㪉㪐. 㪧 㪇㪅㪌㪐㪋. 䌲䌦 㪇㪅㪇㪈㪍㪌. 㱟 㪇㪅㪇㪎. 㱐㫋 㪈. 㫌 㪈㪅㪏㪊㪐. 㪻 㪇㪅㪌㪋㪋. 㪧 㪇㪅㪊㪍㪌. 䌲䌦 㪇㪅㪇㪈㪍㪌. 㱟 㪇㪅㪍㪈. 㱐㫋 㪈. 㪉㪇㪇㪍ᐕᐲ. 㪉㪇㪇㪎ᐕᐲ. 㪉㪇㪇㪏ᐕᐲ. ⴫㪈㪈㪄㪘 䋨න૏䋺บ䋩 䇭䇭䇭䇭䇭䇭㩷䇭㪉㪍㪊㪃㪇㪇㪇㬍㪈㪅㪇㪎㪍䇭䇭䇭䇭 㪉㪏㪊㪃㪈㪇㪇 㪌㪉㪇㪃㪍㪍㪍 㸠㪉㪏㪊㪃㪈㪇㪇㬍㪈㪅㪏㪊㪐 㪈㪌㪊㪃㪐㪉㪐 㪉㪍㪊㪃㪇㪇㪇 䇭䇭䇭䇭㸡㪉㪏㪊㪃㪈㪇㪇㬍㪇㪅㪌㪋㪋 㪉㪊㪍㪃㪇㪇㪇㬍㪇㪅㪐㪉㪐 㪉㪋㪋㪃㪊㪉㪎 㪋㪋㪐㪃㪊㪌㪎 㸠㪉㪋㪋㪃㪊㪉㪎㬍㪈㪅㪏㪊㪐 㪈㪊㪉㪃㪏㪋㪎 㸠㪉㪋㪋㪃㪊㪉㪎㬍㪇㪅㪌㪋㪋. ⴫㪈㪈㪄㪙䋨⴫㪈㪈㪄㪘㬍㪉㪋㪉ਁ౞䋩 㪍㪃㪏㪌㪈. 䋨න૏䋺ం౞䋩 㪈㪉㪃㪍㪇㪇 㪊㪃㪎㪉㪌. 㪍㪃㪊㪍㪌 㪌㪃㪐㪈㪊. 㪈㪇㪃㪏㪎㪋 㪊㪃㪉㪈㪌. ⴫㪈㪈㪄㪚 䇭䋨㪇㪅㪌㪐㪋㬍㪈㪈㪅㪊㪈㪍㪂㩿㪈㪄㪇㪅㪌㪐㪋㪀㬍㪊㪊㪋㪌㪀㬍㪼䌸䌰䋨㪄㪇㪅㪇㪈㪍㪌㬍㱐㫋䋩 䇭䇭䇭䇭䇭㸣䋨㪇㪅㪊㪍㪌㪁㪈㪉㪃㪍㪇㪇㪂㩿㪈㪄㪇㪅㪊㪍㪌㪀㬍㪈㪇㪃㪏㪎㪋㪀㬍㪼㫏㫇㩿㪄㪇㪅㪇㪈㪍㪌㬍㱐㫋㪀 㪎㪃㪐㪌㪈 㪈㪈㪃㪊㪈㪍 㪈㪉㪃㪍㪇㪇 㪊㪃㪊㪋㪌 㪊㪃㪎㪉㪌 㪈㪇㪃㪏㪎㪋 㪊㪃㪉㪈㪌 㪇㪅㪊㪍㪌㪁㪊㪎㪉㪌㪂㩿㪈㪄㪇㪅㪊㪍㪌㪀㬍㪊㪉㪈㪌㪀㬍㪼㫏㫇㩿㪄㪇㪅㪇㪈㪍㪌㬍㱐㫋㪀 Ꮕ㗵. 㪎㪃㪐㪌㪈㪄㪍㪃㪊㪍㪌㪔. 㪈㪃㪌㪏㪎. ం౞. 地球温暖化が与える影響は,不確実性を伴う. 費者が地球温暖化の進行というボラティリティ. ため,ボラティリティやコストは,2008 年度. の変動を考慮するならば,ハイブリッド車のト. 以降,想定以上に上昇するかもしれない.その. ヨタ車の売り上げに占める割合はもっと高かっ. 場合,オプション価値はさらに増加すると考え. た可能性があるということになるのである.. られる.. NRI(2006)のアンケートの結果をもう一度. 6.環境会計情報の有用性の向上の可能性. 振り返ってみると,コストダウンや軽自動車の ハイブリッド化など 「商品ラインナップの拡. 以上のように,リアルオプション法により将. 大」を要望する声もあることから,ハイブリッ. 来キャッシュフローを計算すると,オプション. ド車を購入しようとしたが,外観が気に入らな. 価値を想定した分だけ,キャッシュフローの現. かった,あるいは値段が高価で買えず,環境対. 在価値は大きくなる.したがって,前述した利. 応という観点から,別の車を購入したという消. 益が出ていない企業の高い株価の例と同様,消. 費者もいた可能性がある.つまり,ハイブリッ.

(13) 環境保全対策に伴う推定的経済効果の研究(加藤). (263). 83. 表 12 リアルオプション計算例 㫌 㪈㪅㪇㪎㪍. 㪻 㪇㪅㪐㪉㪐. 㪧 㪇㪅㪌㪐㪋. 䌲䌦 㪇㪅㪇㪈㪍㪌. 㱟 㪇㪅㪇㪎. 㱐㫋 㪈. 㫌 㪈㪅㪏㪊㪐. 㪻 㪇㪅㪌㪋㪋. 㪧 㪇㪅㪊㪍㪌. 䌲䌦 㪇㪅㪇㪈㪍㪌. 㱟 㪇㪅㪍㪈. 㱐㫋 㪈. ᛩ⾗⾌↪ 㪉㪇㪇㪍ᐕᐲ䈱⎇ⓥ㐿⊒⾌ 㪈㪃㪐㪈㪇 ం౞ 㽲㪉㪇㪇㪎ᐕᐲ䈱⎇ⓥ㐿⊒⾌੍ᗐ 㪉㪃㪈㪇㪈 ం౞ 㽳㪉㪇㪇㪏ᐕᐲ䈱⎇ⓥ㐿⊒⾌੍ᗐ 㪉㪃㪊㪈㪈 ం౞ 2006年度 2007年度 2008年度 ⴫㪈㪉䋭㪘 䋨න૏䋺ం౞䋩 䇭䇭㩿㪇㪅㪌㪐㪋㬍㪋㪎㪌㪇㪂㩿㪈㪄㪇㪅㪌㪐㪋㪀㬍㪊㪏㪈㪉㪀㬍㪼㫏㫇㩿㪄㪇㪅㪇㪈㪍㪌㬍㱐㫋㪀 䇭䇭䇭㸣⴫㪈㪈㪄㪙䈱㪍㪃㪏㪌㪈ం౞㪄㪉㪈㪇㪈ం౞ 㪋㪃㪎㪌㪇 㪈㪇㪃㪉㪏㪐 㸠⴫㪈㪈䋭㪙䈱㪈㪉㪃㪍㪇㪇ం౞㪄㪉㪃㪊㪈㪈ం౞ 㪈㪃㪋㪈㪋 㸠⴫㪈㪈䋭㪙䈱㪊㪃㪎㪉㪌ం౞㪄㪉㪃㪊㪈㪈ం౞ 㪋㪃㪉㪐㪏 㪊㪃㪏㪈㪉. 㪏㪃㪌㪍㪊 㸠⴫㪈㪈䋭㪙䈱㪈㪇㪃㪏㪎㪋ం౞㪄㪉㪃㪊㪈㪈ం౞ 㪐㪇㪋 㸠⴫㪈㪈䋭㪙䈱㪊㪃㪉㪈㪌ం౞㪄㪉㪃㪊㪈㪈ం౞ 䇭䇭䇭䇭⴫㪈㪈䋭㪙䈱㪌㪃㪐㪈㪊ం౞㪄㪉㪃㪈㪇㪈ం౞ ⴫㪈㪉㪄㪙 㩿㪇㪅㪌㪐㪋㬍㪍㪃㪌㪏㪇㪂㩿㪈㪄㪇㪅㪌㪐㪋㪀㬍㪌㪃㪊㪍㪏㪀㬍㪼㩿㪄㪇㪅㪇㪈㪍㪌㬍㱐㫋㪀 䇭䇭㸣㩿㪇㪅㪌㪐㪋㬍㪈㪇㪃㪉㪏㪐㪂㩿㪈㪄㪇㪅㪌㪐㪋㪀㬍㪈㪃㪋㪈㪋㪀㬍㪼㩿㪄㪇㪅㪇㪈㪍㪌㬍㱐㫋㪀 㪍㪃㪌㪏㪇 㪈㪇㪃㪉㪏㪐 㪈㪃㪋㪈㪋 㪌㪃㪐㪏㪐 䇭䇭㸣㩿㪇㪅㪌㪐㪋㬍㪏㪃㪌㪍㪊㪂㩿㪈㪄㪇㪅㪌㪐㪋㪀㬍㪐㪇㪋㪀㬍㪼㩿㪄㪇㪅㪇㪈㪍㪌㬍㱐㫋㪀 㪌㪃㪊㪍㪏 㪏㪃㪌㪍㪊 㪐㪇㪋 ⴫㪈㪉㪄㪚 㩿㪇㪅㪌㪐㪋㬍㪍㪃㪌㪏㪇㪂㩿㪈㪄㪇㪅㪌㪐㪋㪀㬍㪌㪃㪊㪍㪏㪀㬍㪼㩿㪄㪇㪅㪇㪈㪍㪌㬍㱐㫋㪀 䇭䇭䇭㸣㪤㪘㪯㩿㪋㪎㪌㪇㪃㪍㪌㪏㪇㪃㪇㪀 㪌㪃㪐㪏㪐 㪍㪃㪌㪏㪇 㪈㪇㪃㪉㪏㪐 㪤㪘㪯㩿㪈㪇㪉㪏㪐㪃㪈㪇㪉㪏㪐㪃㪇㪀 㪌㪃㪊㪍㪏 㪈㪃㪋㪈㪋 㪤㪘㪯㩿㪈㪋㪈㪋㪃㪈㪋㪈㪋㪃㪇㪀 㪏㪃㪌㪍㪊 㪤㪘㪯㩿㪏㪌㪍㪊㪃㪏㪌㪍㪊㪃㪇㪀 㪐㪇㪋 㪤㪘㪯㩿㪐㪇㪋㪃㪐㪇㪋㪃㪇㪀 㪤㪘㪯㩿㪊㪏㪈㪉㪃㪌㪊㪍㪏㪃㪇㪀 Ꮕ㗵. 㪌㪃㪐㪏㪐㪄㪋㪃㪉㪐㪏㪔. 㪈㪃㪍㪐㪈. ド車は購入しなかったものの,環境対応を評価. ం౞. くこともできるであろう.河野ほか(2004)は,. し,トヨタ車を購入した分が,表 12 で試算し. 「フローとストックという,会計におけるきわ. た 1,691 億円分であると考えられ,トヨタ自動. めて重要な概念に基づくことが重要である」と. 車の環境対応により利益に貢献した推定的経済. 述べ,フロー情報だけでは,環境活動の一部を. 効果なのではないかと考えることもできるであ. 示すことしかできないため,ストック(「環境. ろう.. 価値ストック」)とフローとを連携させること. もし,取引所において排出権取引が行われる. を提起している.この場合の「環境価値ストッ. ようになれば,本稿で考察した将来の売上によ. ク」と は,「生物資源,土地,地下水,水,大. る未実現利益だけではなく,あらゆる環境ス. 気など」も含め,「環境価値がプラスのストッ. トックの改善の可能性という未実現収益を割引. クを環境資産,マイナスのそれを環境負債」の.

(14) 84 (264). 横浜国際社会科学研究 第 12 巻第 2 号(2007年 8 月). ことである.. る大半のポートフォリオに組み入れられ,し. 大森(2005)も, わが国の環境会計ではフロー. かも組み入れ比率がトップとなることが多い.. 情報のみを扱っているが,フローのみでは環境. 2006 年 12 月末 時点 で,時価総額最大 の 企業. ストックの改善は難しいと指摘し,予算を用い. はトヨタ自動車である.. ることで,ストック情報とフロー情報とを連携. 分散投資をしていれば個々の企業特有の値動. させることができ,予算と実績を比較すること. きのリスクは消去されるのであるが,市場平均. により経済効果を測定できる可能性を提案して. を若干でも上回ることを目指す機関投資家は,. いる.. 業績のチェックも行う.今後地球温暖化が今以. 外部に公表するには,わが国環境会計ガイド. 上に大きな経済問題となる可能性は高く,投資. ラインにおいては, 「将来期待される成果や予. 家は企業に地球温暖化対策の情報を一層公開す. 想される包括的な影響」という非定量的要素や. るよう更に求めることになるであろう.トヨタ. 主観的な判断を含む環境会計情報に関しては,. 自動車は投資家から最も多くの要求を受ける企. 「信頼性」を確保するために, 「十分な吟味が必. 業であるといえるであろう.. 要」であり,開示する際は, 「情報の前提条件. 極言すれば,ポートフォリオの組み入れ銘柄. と根拠」を明らかにし, 「利害関係者の誤解を. 及び比率は TOPIX に倣い,トヨタ自動車の地. 招かないための配慮」 ,つまり「慎重性」が求. 球温暖化対策を評価し,ポートフォリオへの組. め ら れ て い る が(環境省 2005,6 頁) ,リ ア. みいれ比率を調節するだけでも,環境に配慮し. ルオプションを用いた投資家の投資方法が増え. たファンドという特色を出せるということにな. るに伴い,提供される環境会計情報もそれと整. る.時価総額の大きな企業の環境会計は,特に. 合的である必要が生じると考えられる.. 重要な役割を果たすはずである.. 7.結 び. 本稿で考えた単純なオプション以外にも,複 雑化すれば,さらにいろいろとオプションが考. 環境コストは,単に今期のみの経済効果を期. えられるであろう.最近ではパソコンの普及に. 待したものではなく,将来の様々な 「環境資産」. より,簡単に計算ができるようになっている.. を創造・維持・再生するためのコストであると. オプションの計算に合わせた会計情報を提供し. 考えることができるであろう.推定的経済効果. ていくことにより,環境保全に対する姿勢を宣. として,当期に環境ストックを改善したことに. 伝する効果も期待できる.今後のトヨタ自動車. よる推定的経済効果を計上すれば,環境会計情. の環境会計情報に注目していきたい.. 報の有用性を向上させることができると考えら れる. 投資家のリスク・マネジメントは分散投資が 原則であり,市場平均株価に近くなるように分 散してポートフォリオを組成し,リスクを分散 する.市場平均株価とは,たとえばわが国では 東証一部 の 全銘柄 を 時価総額 で 加重平均 し た TOPIX をベンチマークとすることが一般的で ある.TOPIX は,時価総額加重型であるため, 時価総額の大きな企業の株価の変動の影響を大 きく受けるという特徴がある.すると,時価総 額最大の銘柄は,TOPIX をベンチマークとす. 注 1)IPCC は 1990 年,1995 年にそれぞれ第一次評 価報告書,第二次評価報告書の報告書をとりま とめ,2001 年には 3 回目の報告書となる第三 次評価報告書をとりまとめている. 2)二酸化炭素 は 産業革命以前 の 1 万年間 は 280 ppm で安定したという. 3)NPV ルールとは以下のとおりである(Bodie and Merton 1998, pp. 91─96(大 前 訳 2001, 148─163 頁) ) ・NPV が正であるプロジェクトに投資し,負 であるものに投資すべきではない.

(15) 環境保全対策に伴う推定的経済効果の研究(加藤). ・資本の機会費用よりも高い収益率のプロジェ クトに投資すべきである ・複数の選択肢から最適な投資プロジェクトを 選ぶときは,最も大きい NPV のプロジェク トを選択すべきである ・投資回収期間が短いほうの投資プロジェクト を選択すべきである 初期投資を,割引率を,将来キャッシュフロー を FV,期間数をとすると,NPV は,以下のよ うに計算することができる.. NPV. FV. n. ¦ (1  i) i 1. n. I. 4)八木(2003)は,1 部上場企業 131 社 の 環境 会計を調査したものであるが,対象企業中 127 社が環境省による『環境会計ガイドライン』を 用いて報告されているという調査がなされてい ることから,本稿でも,『環境会計ガイドライ ン』によって報告される会計情報を環境会計情 報と呼ぶこととする. 5)水素をマイナス極に供給し,触媒上で電子を 放出させ,プラス極に流れつき電気が発生し, 水素は水素イオンとなり,マイナス側から高分 子電解質膜を通ってプラス側へ移り,プラス極 の触媒上で,酸素と水素イオンと電子が結合し 水を生成するという構造である. 6)Myers(1977)が 株式 の コール・オ プ ション に対してリアルオプションと呼んだことに始ま る. 7)野村総合研究所によると,対象者は,ハイブリッ ド 車 ユーザー(N=300)と そ れ 以外 の 一般車 ユーザー(N=600)で,有効回答数 は 900,野 村総合研究所のインターネットリサーチ「True Navi」を利用したということである. 8)ボ ラ ティリ ティの 推測 に 関 し て は,Amram and Kulatilaka(1999),pp. 212─214 を参照. 9)リアルオプションの算出方法については,Mun (2003),pp.171─196(川 口 雄 一 郎 訳(2003), 239─273)を参照した.なお,表 11,12 中の u, d, p は以下の算式で計算されている.. u. eV. Gt. 㧘d. e V. Gt. 㧘 p. e rGt  d u  d. 参考文献 (英語文献) Amram, M. and Kulatilaka(1999)Real Options:. (265). 85. Managing Strategic Investment in an Unceratin World, Harvard Business School Press. Black, F. and M. S. Scholes(1973)“The Pricing of Options and Corporate Liabilities”, Journal of Political Economy, Vol. 27. Bodie, Z. and R. C. Merton(1998)Finance, Prentice Hall, 1998(邦訳: 『現代ファイナンス理論 改 訂版』大前恵一訳(2001) :Prentice Hall). Cox, J. C., S. A. Ross, and M. Rubinstein (1979), “Option Pricing: A simplified Approach”, Journal of Financial Economics. Dixit, A. and R. Pindyck(1993)Investment under Uncertainty, Princeton University Press(邦 訳: 『投資意思決定とリアルオプション』川 口有一郎翻訳主幹(2002) :エ コ ノ ミ ス ト 社). FASB(Financial Accounting Standards Board) (2004)Statement of Financial Accounting 『 FASB 財務会計 の 諸 Concepts No.7(邦訳: 概念』広瀬義州・平松一夫訳(2004) :中央 経済社) . Hull, J. C.(2003)Options, Futures, & Other Derivatives, Fifth Edition, Prentice Hall(邦訳: 『フィナンシャルエンジニアリング : デリバ ティブ取引とリスク管理の総体系』三菱証券 商品開発本部訳(2005) :きんざい) . IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)(2001)A Report of Working Group II of the Intergovernmental Panel on Climate Change, Impacts, Adaptation and Vulnerability WG II 〈 http://www.grida.no/climate/ipcc_tar/ wg2/pdf/wg2TARspm.pdf 〉(opened Mar. 24, 2007) (邦訳: 「 IPCC 第三次評価報告書 ~第一作業部会報告書 気候変化 2001 科 学的根拠 政策決定者向けの要約」気象庁訳 (2001) : 気 象 庁〈 http://www.data.kishou. go.jp/climate/cpdinfo/ipcc_tar/spm/spm. htm 〉 (アクセス日:2007 年 3 月 24 日) ). IPPC Intergovernmental Panel on Climate Change)(2007)Climate Change 2007: The Physical Science Basis〈http://ipcc-wg1.ucar. edu/wg1/docs/WG1AR4_SPM_PlenaryApp roved.pdf#search=‘Climate%20Change%202 007%3A%20The%20Physical%20Science%20 Basis’〉 (邦訳: 「 IPCC 第 4 次評価報告書第 1 次作業部会報告書 政策決定者向 け 要約」気 象庁訳(2007) :気象庁 〈 http://www.data.kishou.go.jp/climate/ cpdinfo/ipcc/ar4/ipcc_ar4_wg1.pdf#search= ‘IPCC%E7%AC%AC4%E6%AC%A1’〉 (アクセ ス日:2007 年 3 月 24 日) ) . Kellog D., and J. M. Charnes(2002) “Real-.

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