石油学会誌 Sekiyu Gakkaishi, 44, (6), 407-410 (2001) 407 [レ タ ー] 中 国 に お け る 甘 コ ウ リャ ン を 用 い た エ タノー ル 生 産 の ケ ー ス ス タデ ィー 松 村 幸 彦* 広 島 大 学 大 学 院 工 学 研 究科 機 械 シ ス テ ム エ 学 専 攻, 〒739-8527広 島 県東 広 島 市 鏡 山1-4-1 李 大 寅 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 化 学 シ ス テ ム 工 学 専 攻, 〒113-8656東 京 都 文京 区 本郷7-3-1
A Case Study of Ethanol Production from Sweet Sorghum in China Yukihiko Matsumura*
Department of Mechanical System Engineering, Hiroshima University, 1-4-1 Kagamiyama, Higashi-hiroshima-shi, Hiroshima 739-8527, Japan
Li Dayin
Department of Chemical System Engineering, The University of Tokyo, 7-3-1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo 113-0033, Japan
(Received August 21, 2001)
Ethanol production from sweet sorghum in China was investigated for three cases: 1. Conventional fermentation, 2. Fast fermentation, and 3. Fast fermentation with hydrothermal hydrolysis of horocellulose. Sweet sorghum production in the present corn field in Jilin province will produce 7.1 times as much energy as gasoline used in Shanghai. Fast fermentation is effective for reducing cost of ethanol production. Hydrothermal hydrolysis further reduces the cost by increasing the amount of ethanol production.
1. 緒 言 地 球 温 暖 化 問 題 に対 して、 化 石 燃 料 に依 存 した社 会 か ら再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー を有 効 に利 用 した持 続 可 能 な 社 会 シ ス テ ム へ の 転換 が 求 め られ て い る。 我 が 国 にお い て は従 来 か ら行 わ れ て きた黒 液 や 工 場 残 材 の利 用 を 除 け ば、 太 陽 電 池 を 主体 と した 新 エ ネ ル ギー の 導 入 促 進 が 進 め られ て い るが、 海 外 にお い て は バ イ オ マス の利 用 に 重 点 を お い た 研 究、 開 発、 政 策 が 進 め られ て い る。 北 欧 で は バ イ オ エ ネ ル ギ ー を 中心 と した再 生 可 能 エ ネル ギー シ ス テ ム の 導 入 を進 め て お り、米 国 で は1998年 に64億L、 ブ ラ ジル で は 同 じ く135億Lの エ タ ノ ー ル の 生 産 を輸 送 用燃 料 と して 行 っ て い る。 しか しな が ら、 今 後 のエ ネ ル ギ ー 消 費 の 増 大 を 考 え れ ば、 特 に発 展 途 上 国 にお い て 再 生 可能 な エ ネ ル ギー シス テ ム を 導入 す る こ とが 求 め られ て い る。 エ ネ ル ギー 問題 は 世 界 的 な視 野 で 考 え られ るべ きで あ り、 我 が 国 と して も国 内 バ イ オ マ ス 資 源 の 有 効 利 用 だ け で は な く、海 外 との連 携 にお い て 発 展 途 上 国 で 利 用 で き る技 術 の 開 発 を行 い、 海 外 へ 技 術 提 供 を す る こ とが 望 ま しい。 東 京 大 学、 ス イ ス連 邦 工 科 大 学、 中 国 の 主 要 な4大 学 の研 究 者 に よ ってSETAプ ログ ラ ム (A Sustainable Energy Transportation and Agroforestry R&D Program) が 立 ち 上 げ られ、 現 在、 他 の 大 学、 研 究所 の 参 加 も得 て、 中 国 に お け る再 生 可能 エ ネ ル ギー シ ス テ ム の 構 築 を検 討 して い る。 途 上 国 に お け るバ イ オ エ ネ ル ギー 利 用 を考 え る と き、農 業 残 さ と して 発 生 す るバ イ オ マ ス 資 源 は、発 生 量 も 多 く、 穀 物 生 産 に付 随 して 発 生 す る た め に 食 料 生 産 とも競 合 しな い ため、 持 続 可 能 な エ ネル ギ ー シス テ ム にお け る主 要 な エ ネ ル ギ ー源 とな る。1990年 の 値 で も、 先 進 地 域 で21.7EJ、 途 上 地 域 で29.8EJの 発 生 量 が あ り、併 せ れ ば 世界 の 年 間1次 エ ネ ル ギ ー 消 費333EJの6分 の1の エ ネ ル ギー 量 に相 当 す る1)。 しか しな が ら、現 在 は ご く一 部 が発 展 途 上 国 で効 率20%以 下 の 直 接 燃 焼 に用 い られ て い る に す きな い。 本 報告 で は、 中 国 で、 成 長 速 度 が速 い 甘 コ ウ リャ ンを原 料 に用 い、 そ の搾 汁 に 含 まれ る糖 と、茎 の加 水 分 解 に よ っ て得 られ る糖 を ア ル コ ー ル 発 酵 して、 輸 送 用 燃 料 と して エ タ ノー ル を生 産 す る 可 能 性 を検 討 す る。 従 来 の エ タ ノ ー ル 発 酵 を用 い た場 合、高 速 エ タ ノー ル 発 酵 を用 い た場 合、 さ らに 加 圧 熱 水 を用 い て バ イ オ マ ス に含 ま れ るホ ロセ ル ロー スの 糖 化 を 行 い、 これ もエ タ ノ ー ル 発 酵 の 原 料 と して 用 い る 場 合 につ い て 比 較 検 討 した。 生 成 した エ タ ノー ル は 直 接 あ る い はETBEの 形 で ガ ソ リ ンに 添加 す るか、 燃 料 電 池 の 燃 料 と して輸 送 用 燃 料 と して 用 い る こ とが で き る貯 蔵 可 能 で 利 用 価 値 の 高 い 燃 料 で あ る。 *連 絡 先
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2. 原 料
甘 コ ウ リャ ン(Sweet sorghum, Sorghum bicolor)は、 コ ウ リャ ンの 一 種 で あ る が、 成 長速 度 が 速 く、 また さ ま ざ まな 環 境 で 栽 培 で き る こ とが 知 られ て お り、 こ の た め に エ ネ ル ギー 作 物 と して の 検 討 が 行 われ て きた2)。 現 在、 中 国 の 北 部 で 主 に生 産 され て い る。1ha、1年 あ た りの穀 物 生 産 量 は 約4 dry-t ha-1 yr-1で あ り、米 の8 dry-t ha-1 yr-1、
トウモ ロ コ シの7 dry-t ha-1 yr-1、小 麦 の3 dry-t ha-1 yr-1な ど と比 較 して 同 じ程 度 あ るい は 多 少 低 めの 値 とな る が、 甘 コ ウ リャ ンの 特 長 はサ トウキ ビ と 同様 に糖 分 を 多 く含 ん だ汁 を生 産 す る こ と と、茎 の成 長 速 度 が大 き く、バ イ オ マ ス と して の 生 産 量 が大 きい こ とで あ る。 こ の た め、 飼 料 と して穀 物 を 利 用 した後 に、 糖 分 を含 ん だ汁 を茎 か ら搾 り取 っ て 高 効 率 で エ タ ノー ル を 生 産 で き、 ま た茎 の ホ ロセ ル ロー ス成 分 を加 水 分 解 利 用 す れ ば、 さ らに そ の生 産 量 を 高 め る こ とが 可 能 とな る。 3. 変 換 技 術 こ こ で は、 中 国瀋 陽 農 業 大 学 の 開発 した 高 速 エ タ ノー ル 発 酵 技 術 を用 い る3)。 高 速 エ タ ノー ル 発 酵 技 術 は 固定 化 酵 母 の 流 動層 を用 い て迅 速 な 物 質 移 動 を 実 現 す る もの で あ り、 この こ と に よ って 従 来100h程 度 か か って い た エ タ ノー ル 発 酵 を5hで 可能 とす る。 エ タ ノー ル 収 率 は ほ ぼ 理 論 収 率 で あ る49%を 得 る こ とが 可 能 で あ り、ベ ンチ ス ケ ー ル で の実 証 は 完 了 して い る。 一 方 で、 茎 の 部 分 を加 水 分 解 して グル コ ー ス を得 る技 術 と して は 九 州 工 業 技 術 研 究 所 (現 産 業 技 術 総 合 技 術 研 究 所 九 州 セ ンタ ー) の検 討 して い る水 熱 加 水 分 解 技 術 を 用 い る4),5)。本 技 術 で は300℃程 度 の 加 圧 熱 水 中 で に セル ロ ー ス を加 熱 し、セル ロ ー ス の加 水 分 解 を数10秒 で 実 現 す る も の で あ る。水 熱 条 件 にお い て は セ ル ロー ス の水 素 結合 が 弱 め られ、 結 晶構 造 が ゆ る め られ、 一 部 が 水 溶 性 とな る と 同時 に、 水 そ の もの の 酸 触 媒 作 用 も機 能 して迅 速 な加 水 分 解 が 可 能 とな る6),7)。 4. シ ス テ ム 評 価 物 質 収 支 に 基 づ い た エ タ ノー ル 生 産 の ス キ ー ム をFig. 1に 示 す。 数 字 は1年1haあ た りの 生 産 量、 太 字 は 水 熱 加 水 分 解 を行 った 場 合 の 値 を示 す。 家 畜 飼 料 と して利 用 さ れ る4t ha-1 yr-1の 穀 物 の他 に 茎 と して100t ha-1 yr-1 が 生産 され る。 これ を絞 る と78t ha-1 yr-1の 搾 汁 と22t ha-1 yr-1(6.7 dry-t ha-1 yr-1) の 絞 りか すが 得 られ る が、 後 者 は乾 燥 ベ ー ス で セ ル ロー ス を30%, ヘ ミセ ル ロー ス を40%程 度 含 む た め、 加 水 分解 に よ って 収 率50%で これ らの 糖 を 回収 すれ ば、2.3t ha-1 yr-1でC6とC5の 単 糖 を得 る こ とが で き る。搾 汁 の方 は12%の グ ル コ ー ス を含 む た め に 9.4t ha-1 yr-1の グ ル コー ス が得 られ る。 両 方 を 用 い れ ば11.7t ha-1 yr-1の 糖 が得 られ、 これ を エ タ ノー ル 発 酵 して、 収 率50%で エ タ ノー ル を得 る場 合、 水 分 含 有 量4%の 粗 エ タ ノ ー ル と して6.1t ha-1 yr-1が 得 られ る。C5糖 の 発 酵 に は、 遺 伝 子 組 み 替 え を 行 っ た大 腸 菌 を用 い る こ とが で き る。 吉 林 省 にお い て 現 在 飼 料 作 物 と して 栽 培 され て い る ト ウモ ロ コ シ に代 え て甘 コ ウ リャ ンを 栽培 す る こ と を考 えれ ば、 栽 培 面 積 は248万haで あ り、純 粋 なエ タ ノー ル と
して の 生 産 量 は1440万tと な る。 こ れ は 上 海 で 消 費 され る ガ ソ リン120万tの7.1倍 に 相 当 す るエ ネル ギー 量 で あ る。 ポ テ ン シ ャ ル と して きわ め て 大 き い値 が 得 られ る こ とが 分 か る。
Fig. 1 Mass Balance Calculation for Ethanol Production from Sweet Sorghum (unit: t ha-1 yr-1)
409 Table 1に 検 討 結 果 を 示 す。 サ トウキ ビの 栽 培 を行 って、 バ ガ ス は 酸 加 水 分 解 で糖 と し、従 来 の エ タ ノー ル 発 酵 シ ス テ ム を適 用 した 場 合 につ い て は、 小宮 山 ら8)が 検 討 して い る。 本 研 究 で は、 この 計 算 結 果 を 吉林 省 に適 用 した も の を Case 0と し、 こ れ に 甘 コ ウ リャ ン を用 い て 高 速 発 酵 法 を用 い た 場合(Case 1)、 さ らに 水 熱 加 水 分解 を行 って 茎 ま で も利 用 した場 合(Case 2)に つ いて 検 討 した。 なお、 小 宮 山 らは オ ー ス トラ リア の85,000haの 土 地 を想 定 し、そ の利 用 コ ス トも含 めて 計 算 して い る が、 ここ で は 土 地 コ ス トは除 い て あ る。 エ タ ノ ー ル 生 産 量 は、Case 0に つ い て は文 献 値 か ら単 位 面積 当 た りの エ ネ ル ギ ー 生 産 量 を求 め、 これ に想 定 して い る248万haの 面積 を乗 じ、エ タ ノ ー ル の 単 位 重 量 あ た りの 発 熱 量 で除 して 求 め て い る。Case 1お よ び Case 2で は、 Fig. 1に 示 した生 産 量 に上 記 面積 を 乗 じて 求 め られ る。 甘 コ ウ リャ ン を用 い る こ とに よ って 効 率 よ く糖 が 生 産 され、 さ らに水 熱 加 水 分 解 に よ って エ タ
ノー ル 生 産 量 が25%向 上 させ られ て い る。
Case 0の 消 費 エ ネ ル ギー は、 文 献 値 に栽 培 面 積 の補 正 を 行 った もの で あ る。Case 1お よ びCase 2で は、 甘 コ ウ リャ ンの 生 産 に必 要 な エ ネ ル ギー は Case 0の 場 合 と同 じ と して 見 積 も っ た。 これ に よ り、消 費 エ ネル ギ ー は エ タ ノ ー ル 生 産 技 術 の 違 い に よ る も の とな る。 プ ラ ン トの建 設 に 必 要 なエ ネ ル ギ ー は、 小 宮 山 らの手 法 に従 っ て 計 算 して い る。 小 宮 山 らの 計 算 で は、 エ タ ノ ー ル 発 酵 の 反 応 速 度 が 遅 い ため に大 きな 反 応 器 容 積 が 必 要 とな る。 この こ とが 設備 の 建 設 エ ネ ル ギ ー な らび に コス トが 大 き くな って い る原 因 で あ る。 急 速 発 酵 法 を用 い た場 合 に は、 従 来100h か か っ た発 酵 時 間 を5hに 短 縮 で き るの で、 反 応 器 容 積 が1/20で 済 む。 しか しな が ら、 甘 コ ウ リャ ンの 場 合 に は 収 穫 後2ケ 月 で処 理 しな い と糖 分 が 分 解 して しま うの で、 処 理 能 力 は 年 平 均 で 処 理 を 行 っ た場 合 の6倍 必 要 に な る。 施 設 の 建 設 に必 要 な材 料 の量 は容 積 の2/3乗 に 比 例 す るの で、Case 1の 設 備 建 設 に伴 うエ ネ ル ギ ー 消 費 は 小 宮 山ら の 値 を (1/20×6)2/3倍 して 計 算 した。Case 2の 場 合 に は、 この 値 に水 熱 加 水 分 解 に 必 要 な 反 応 器 の 材 料 を 計 算 し、 全 体 で この3倍 の 鋼 鉄 が 必 要 に な る と して 計 算 した 消 費 エ ネ ル ギー を Case 1の 値 に加 え て い る。 こ こ で 償 却 期 間 は 小 宮 山 ら と同 様 に20年 と して い る。 プ ラ ン トの 運 転 エ ネ ル ギ ー は、Case 1の 値 は Case 0と 同 じ と し、 Case 2 の場 合 に は 水 熱状 態 を作 る ため に加 え る熱 量 の75%が 熱 交 換 器 で 回収 で きる もの と して、 不 足 分 の 熱 量 を Case 1 に加 え て 求 め た。高 速 エ タ ノー ル 発 酵 に よ っ て反 応 器 容 積 が 小 さ くな る こ とで 多 少 消 費 エ ネ ル ギー が 小 さ くな るが、 水 熱 加 水 分解 で は 加 熱 の た め の エ ネ ル ギ ー 消 費 が 必 要 とな り、3倍 近 い エ ネ ル ギー 消 費 が 必 要 とな る。 しか しな が ら、消 費 エ ネル ギー を生 産 す る の に 必要 な 時 間 で 表 さ れ るエ ネル ギ ー 回収 時 間 は この 場 合 で も16日 で あ り、プ ラ ン トの 寿 命 と して 想定 され る20年 に 比 べ て 十 分 に短 い。 コス ト計 算 に つ いて は、Case 0の 場 合 に は 文 献 値 を 総 生 産 エ ネル ギ ー 量 の 補 正 を行 って 求 め た。Case 0で は、 生 産 に必 要 な労 働 力 コ ス トは労 働 力 と して プ ラ ン ト運 転 に必 要 な労 働 力 コ ス トと併 せ て 示 され て い る が、Case 1お よ び Case 2で は、 中 国 に お け るコ ウ リャ ンの 生 産 に必 要 な コ ス トを、42,420円/ha yrと して 労 働 力 込 み で 与 え た。 労 働 力 コス トにつ い て は、Case 1で は3人、 Case 2で は4人 が 常 駐 す る3交 代 勤 務 で2ケ 月 間 の 労働 力 が 必 要 と考 え、 中 国 にお け る労 働 力 単 価 を実 際 の平 均 値 か ら10元/人 day と して 計算 して い る。 なお、1元 は14円 と し、1
Table 1 Evaluation Result of Each Case
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処 理 施 設 の 処 理 量 は100t-stem/dと した。Case 1の 装 置 コ ス トは、 高 速 ア ル コー ル 発 酵 を用 い て反 応 器 容 積 が 小 さ くな る こ と を考 慮 して、 エ ネル ギ ー消 費 量 と同様 に 計 算 して い る。 但 し、 こ こ で は ス ケ ー ル ア ップ の0.7乗 則 を 用 い た。Case 2に つ い て もエ ネ ル ギー 消 費 と同様 に水 熱 加 水 分 解 装 置 に必 要 な素 材 の量 に基 づ い て、 小宮 山 らの 方 法 に 従 って 計 算 して い る。 プ ロセ ス の エ ネル ギー コ ス トは、 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 に基 づ い て、 や は り小 宮 山 らの 用 い て い る50,000円/TOE (=1,200円/GJ)を 用 い て 計 算 した。Case 0と Case 1で は ほ ぼ 同等 の 総 コ ス トとな り、水 熱 加 水 分 解 で は コ ス トが17%ほ ど高 くな る。 しか しなが ら、 エ タ ノ ー ル 生 産 量 が 増 加 す る分、Case 0よ り Case 1、 Case 1よ り Case 2の 方 が 生 産 エ タ ノー ル重 量 あ た りの コ ス トは 安 くな り、高 速 ア ル コ ー ル 発 酵 に よっ て4%、 水 熱 加 水 分解 を 行 う こ と に よ っ て さ らに7%の コ ス ト低 下 が得 られ る。 以 上 を 整 理 す る と、 吉 林 省 で トウモ ロコ シ に代 え て成 長 速 度 の 速 い 甘 コ ウ リャ ン を栽 培 し、 エ タ ノー ル 生 産 を行 うこ とに よっ て、 上 海 で 消 費 して い る ガ ソ リ ンの7.1倍 の エ ネ ル ギ ー 量 の エ タ ノー ル を輸 送 用 燃 料 と して 生 産 す る こ とが で きる。 高 速 ア ル コー ル 発 酵 を 用 い る こ とに よ り、 反 応 器 容 積 が 小 さ く抑 え られ る の で エ ネ ル ギ ー 回 収 時 間 も エ タ ノ ー ル 生 産 コ ス トも改 善 さ れ る。 さ らにホ ロ セ ル ロー ス の 水 熱 加 水 分 解 を用 い れ ば、 総 生 産 コ ス トは 増 加 す る が、 生 産 エ タ ノ ー ル 量 も増 加 す る た め、 エ タ ノー ル 単 価 は 低 くな る。 本研 究 はSETAプ ログ ラ ム の 一 環 と して 行 わ れ た も の で あ る。 References
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Keywords
Sweet sorghum, Ethanol, Alcohol fermentation, Hydrothermal hydrolysis, Bioenergy