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生命の形態学 作品集

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生命の形態学 作品集

著者

後藤 仁敏

雑誌名

鶴見大学紀要. 第3部, 保育・歯科衛生編

47

ページ

79-90

発行年

2010-03

URL

http://doi.org/10.24791/00000065

Creative Commons : 表示

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生命の形態学 作品集

Works of morphology by students at a junior college of art

後 藤 仁 敏

GOTO Masatoshi

(3)

鶴見大学紀要,第47号,第3部,79−90,2010.

生命の形態学 作品集

Works of morphology by students at a junior college of art

後藤 仁敏

GOTO Masatoshi

1.はじめに  ゲーテの原形論とクラーゲスの生の哲学をもとに独自の 生命の形態学(morphplogy)を展開した三木成夫(1925年 12月−1987年8月)は、没後23年になってもその評価はま すます高まるばかりである。   三 木 が 生 前 に 残した 著 者 は わ ず か2冊( 三 木 , 1982, 1983)であるが、その死後、次々と著書が6冊も出版され ている( 三 木 , 1989, 1992a,b, 1995, 1996, 1997)。また、 追悼文集(浅見ほか , 1989)。も出版され、医学・生物学、 芸術、友人、親族ごとに総計102名もの方々が、三木の思 い出を語っている。  また、各種雑誌でも三木の特集号が、「ドルメン」2号の「胎 児と生命記憶 + ネオテニー」(1990年2月)、「現代思想」22 巻3号の「三木成夫の世界」(1994年3月)、「モルフォロギア」 (ゲーテと自然科学)16号の「三木成夫の思想」(1994年11

月)、「Saison Art Program Journal」9号の「三木成夫の形 態学をめぐって」(2002年9月)、「考える人」2003年春号の 「からだに訊く」(2003年5月)など、次々と発行されている。

これは、生前に三木について特集した雑誌が「G-TEN」22 号(1987年9月)の特集「生命記憶」1冊のみであったあっ

*〒230−8501 横浜市鶴見区鶴見2−1−3 鶴見大学短期大学部歯科衛生科 E-mail: goto-m@tsurumi-u.ac.jp

Department of Dental Hygiene, Tsurumi University, Junior College, 2−1−3 Tsurumi, Tsurumi-Ku, Yokohama 230−8501, Japan. たことと、著しい対照をなしている(三木 , 1987a,b;太田 , 1987;市川・三木 , 1987;三木・井上 , 1997)。  なかでも,「現代思想」22巻3号の特集「三木成夫の世 界」では各分野の多くの人びとが三木の学説と思想につ いて書き、三木自身の論文も収められている(中村・養 老 , 1994;金子 , 1994;中川 , 1994;長野 , 1994;丹生谷 , 1994;鎌田 , 1994;団 , 1994;大島 , 1994;芹沢 , 1994; 矢代 , 1994;関口 , 1994;中村 , 1994;タナカ , 1994;萩 尾 , 1994; 内 田 , 1994; 後 藤 , 1994a; 坂 井 , 1994; 高 橋 , 1994;小林(博), 1994;永沢 , 1994;小林(昌), 1994;渡辺 , 1994;臼井 , 1994;布施 , 1994;市川・三木 , 1994;三木 , 1994a;塚本 , 1994)。「モルフォロギア」16号 の特集「三木成夫の思想」でも同様である(吉本 , 1994 ; 後藤 , 1994b,c;河本 , 1994;小谷 , 1994;三木 , 1994b)。  また、「Saison Art Program Journal」9号の「三木成夫の 形態学をめぐって」でも、吉増(2002)、高橋(2002)、布 施(2002)が三木について語っている。さらに、「考える人」 2003年春号の特集「からだに訊く」でも布施(2003)と養 老(2003)が三木について語り、三木(2003)自身の文も 採録されている。 Abstract

I taught morphology from September, 1996 to March, 2003 at the Yokohama Junior College of Art and Design. The theme was “how the Urbild (original form) of life is transformed in the morphogenesis of plants, animals and human race”. Students’ works, which consist of pictures, carvings, sculptures, collages, designs and theses, are introduced in this paper with my comments.

要 旨  私は、1996年度から2003年度までの8年間わたり、横浜美術短期大学専攻科において形態学の授 業を担当した。私の授業は恩師・三木成夫氏東京藝術大学で実施していた生物学(生命の形態学 morphology)に見習ったものであった。私は三木氏に習って、毎年、学生に対して「生の原形(Urbild) を求め、植物・動物・人間の3者で、いかなる変身(Metamorphose)をとげるか」という課題を与え、 作品を提出させた。学生の作品は、絵画、彫塑、コラージュ、デザイン、論文などで構成されていた。 ここに、その作品と私のコメントを紹介する。

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 雑誌「考える人」の17(2006年夏)号(2006年7月)の「創 刊4周年記念特集:戦後日本の『考える人』100人100冊」に も、三木(1983)の『胎児の世界』が選ばれている(島村 , 2006)。また、中野(2005)も三木を紹介している。  三木成夫記念シンポジウム「発生と進化」は、1989年7 月に開催されて以来、2009年7月で18回を数え、講演者は 延べ125名にも及んでおり、その分野は医学、生物学、哲学、 思想、美術、音楽など諸方面に及んでおり、21世紀におけ る科学・思想・芸術を総合した新しいシンポジウムの先が けとなっている。  そのようななかで、私も、恩師・三木成夫氏の業績と 思想について、折にふれ、多数の記述を残してきた(後 藤 , 1983, 1987, 1989a,b, 1992a,b, 1993, 1994a,b,c, 1995, 1996a,b, 1997, 1999, 2000a,b, 2001, 2003, 2005, 2008)。  また、「骨のかたち1〜3」(後藤 , 1990a,b,c,d)と『唯臓論』 (後藤 , 1999, 2008)は、私なりに三木の学説を継承し、展 開した試みである。   2.横浜美術短期大学における形態学の授業  三木成夫は、解剖学者として東京大学医学部解剖学教室 の大学院生と助手、東京医科歯科大学医学部解剖学教室の 助教授として、解剖学の研究と教育にたずさわった後、東 京藝術大学保健管理センターに移り、助教授、教授、所長 として、学生および教職員の健康相談にあずかる一方で、 生物学(生態学)および保健理論の授業を担当した。  ユニークなのは、東京医科歯科大学医学部での人体解 剖学実習の学生への課題が、「脊椎動物の個体体制の原形 (Urbild)を求め、人体の頭・頸・胸・腹・腰の各部で、い かなる変身(Metamorphose)を遂げるか、横断面で図示せ よ」であったことである。横断面においては、引き出し線 による各器官、各部位のラテン名の記述の正確さにこだわっ たという。それが、東京藝術大学美術学部での生物学の講 義では、学生への課題が「生の原形を求め、植物・動物・ 人間の三者で、いかなる変身をとげるか」を表現した作品 の提出となった。  私も、東京医科歯科大学歯学部口腔解剖学教室および鶴 見大学歯学部口腔解剖学教室で、永年、解剖学の研究と教 育に従事し、現在も鶴見大学短期大学部歯科衛生科で解剖 学の研究と教育にたずさわっている。そんななか、三木氏 の芸大時代の教え子である彫刻家の中野 滋氏より、氏の勤 務する横浜美術短期大学専攻科において、形態学の講義を 設けるので、非常勤講師として担当していただきたいとの 依頼を受けた。中野氏からの依頼は、三木氏の芸大での形 態学と同じような授業をしてほしい、とのことであった。  そこで、私は、横浜美術短期大学(2001年3月まではト キワ松学園横浜美術短期大学)専攻科学生を対象に、1996 (平成8)年9月から2004(平成16)年3月まで8年間に及んで 形態学の授業を担当した。私は、三木氏にならってこの授 業の学生への課題を「生の原形(Urbild)を求め、植物・ 動物・人間の三者で、いかなる変身(Metamorphose)をと げるか」を表現した作品の提出とした。  私が実施した授業計画は図1に示すようなものであった。 すなわち、まずは、「1.形態学とは何か?」では、私の専 門の解剖学と形態学の研究方法と歴史について述べ、と くに形態学の方法すなわち三木氏が図示したシェーマにつ いて解説した(図2)。すなわち、左上の図中の太い幻の 点線で示される人類の系統発生を解明するには、まず上 に示す現在の動物、とくに「生きている化石」と呼ばれる 動物たちを比較する(Ac1〜Ac4:比較解剖学 Comparative

Anatomy)、また、過去の地層の中に埋もれた化石となった 動物を復元し研究する(P1〜P4:古生物学 Palaeontology)、 さらに右の時間軸による各動物の個体発生を比較する(人 体の発生では C1’〜C4’, E1〜E4:比較発生学 Comparative Embryology)という3つの研究方法を総合するというもの である。それらの例として、脊椎動物の頭骨の比較解剖学 を右上の左に、古生物学を右上の右に、また、頭骨の発生 を左下の左に、顔面の初期発生を左下の右に、そしてそれ らを総合した脊椎動物の頭骨の系統発生を右下に図示して いる。  その後は、三木(1992)の『生命形態学序説−根原形象 とメタモルフォーゼ』および三木(1997)の『ヒトのから だ−生物史的考察』にそって講義を進めた。すなわち、「2. 生の原形」では、「生の波」「食と性の位相交替」について 植物、動物、人間におけるさまざまな例を紹介し、「3. 植 図 1 形態学の授業計画

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後藤仁敏:生命の形態学 作品集

図 2 脊椎動物の頭骨の系統発生を例にした形態学の研究方法(三木 , 1992a).左上:系統発生(Phylogenesis)と比較 解剖学(Comparative Anatomy)と古生物学(Paleontology)と比較発生学(Comparative Embryology)の関係を示す.

右上:脊椎動物の頭骨の比較解剖学(Ac1〜 Ac4)と,古生物学(P1〜 P4)を示す.左下:ヒトの頭骨の個体発生

(E1〜 E4)と顔面の個体発生(C1’〜 C4’).右下:脊椎動物の頭骨の系統発生.1. 魚類.2. 両生類,3. 爬虫類,4.

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物と動物」では、独立栄養の植物と従属栄養の動物の生き ざま、成長と個体体制を比較し、「4.植物器官と動物器官」 では、人体を構成する栄養−生殖に関わる植物器官と、感 覚−運動に携わる動物器官を紹介した。  以上が総論で、以下の「5.人体の植物器官①消化系」、「6. 人体の植物器官②呼吸系」、「7.人体の植物器官③血液− 脈管系」、「8.人体の植物器官④泌尿系」、「9.人体の植物 器官⑤生殖系」、「10.人体の動物器官①感覚・神経系、「11. 人体の動物器官②運動系」は各論である。ここでは、各器 官系について、初めにその歴史と発生を概説し、つぎに人 体における各器官の形態・構造・機能について述べ、最後 に人間生活における各器官系の現状と課題、健康と病気に ついて解説した。  最後の「12.人間とはいかなる生物か?」は授業のまと めで、植物器官への動物器官の介入と支配、動物器官の進 化の過去と未来について述べた。最終回は、「13.作品の 提出」とし、毎年学生の提出した作品の写真を撮影し、評 価をおこなった。  授業では、前半は板書と三木シェーマなどのプリントを 用いて講義し、後半は2台のスライドプロジェクターを併用 して、スクリーンの左右に映像を映し、比較しながら解説 した。これは、芸大での三木氏の授業を受講した際に学ん だ三木氏の授業の方法をそのまま真似したものである。現 在、私はすべての講義において、パソコンによりパワーポ イントで作成したスライドを液晶プロジェクターで上映し ており、プリントも配付資料としてスライドを印刷したも のを使用しているが、当時はまだそのような技術は普及し ていなかった。  じつに幸運なことに、私はそこで、素晴しい作品に出会 うことができた。作品は、水彩画、アクリル画、クレヨン画、 日本画、版画、ペン画、切り絵、彫塑、素焼き、陶芸、七宝焼、 コラージュ、電気製品、レポート、論文などのさまざまな 様式で、材料としては紙、布、綿、紐、木材,粘土、金属、 ガラス、プラスティックなどさまざまであった。  私は、各作品について、写真を撮影し、私なりのコメン トをしるし、評価した。以下に、年度順にその一部を紹介し、 私の短いコメントと評価を記し、実践記録とし、皆様のご 批判、ご意見を承りたいと思う次第である。今回は頁数の 制限により、やむなく紹介できなかったが、このほかにも、 多数の素晴らしい作品があったことを明記したい。    3.1996(平成8)年度の作品から  1996年度は28名の学生が作品を提出した。そのなかから、 図3に示す6つの作品を紹介する。図の説明では、作品の名称 を記し、制作者である学生の氏名を括弧のなかに明記した。  作品1は、「地球上の生物進化」と題するアクリル画で、 地球の海に生まれた原始生命から、海藻、魚類、爬虫類、 哺乳類、鳥類、霊長類から人類まで、さまざまな生物が描 図 3 1996(平成 8)年度形態学作品集(1997 年 2 月 3 日提出).1. 地球上の生物進化(鴨原由佳),2. 人間・魚・植物の混合「顔」 (林美矢子),3. キャベツ・肉・ウンコ・土(石原加織),4. 水から生えた花・尻・手(江藤尚子),5. 植物の成長とヒトの精 細管(鈴木治奈),6. 魚からヒトへの骨格系の進化(新津こづ恵).

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後藤仁敏:生命の形態学 作品集 かれている。地球における生物進化をみごとに表現した素 晴しい作品である。  作品2は、人間・魚・植物の形象が混合した「顔」とい う彫塑である。ヒトの顔の歴史を一つの像として表現しよ うとした印象深い力作である。  作品3は、植物のキャベツと動物の骨についた肉が人間 によって食べられて糞塊を形成し、それが土に帰る様を表 現した紙粘土による作品である。地球の生態系における循 環を、植物・動物・人間の3者の関係としてみごとに表わし ている。  作品4は、「水から生えた植物の花と動物のお尻と人間の 手」を表現した紙粘土による作品である。生物進化の本質 が単純な姿で描かれている。  作品5は、右が植物の細胞の積み重なりによる成長を、左 がヒトの精細管の横断面を描いた2枚の七宝焼である。植 物と動物と生の一場面がみごとな作品として表現されてい る。  作品6は、魚類から人類までの骨格系の進化を表現した 切り絵である。地球上における重力に応じた骨格系の発達 がみごとに描かれている。 4.1997(平成9)年度の作品から  1997年度は24名の学生が作品を提出した。そのなかから 図4に示す8つの作品を紹介したい。  作品1は、「生命の誕生と死」と題するアクリル画で、手 前に魚が泳ぐ海があり、その左に子どもを宿した母親が、 中央に胎児が、背景には十字架と植物、雲や月、生命体と 鳥が描かれている。生命体が死んで鳥になって空に羽ばた いてゆく一方で、母親の胎内に生まれた胎児が、成長して ゆく様子が表わされている。  作品2は、「耐性卵−生物はこのような姿で環境変化に耐 える」と題する彫塑である。紫色の卵殻の中にあるのは、 青いのが胎児、赤が心臓、緑は腸を表わすという。現在の 地球環境の破壊に耐える生の姿を描いた迫力のある作品で ある。  作品3は、植物の発生と動物の発生を描いた三木氏の 図 4 1997(平成 9)年度形態学作品集(1998 年 1 月 19 日提出).1. 生命の誕生と死(間中朋美),2. 耐性卵(梅玲彩奈),3. 植 物の発生(上)と動物の発生(下)(神谷文子),4. 植物のメタモルフォーゼ(黒川留美),5. 海からの由来(齋藤朝子),6. 鬼女の悲しみ(土屋利華),7. 3 本の植物と鱗の螺旋(佐野康子),8. 原形から木・魚・鳥・猫へ(大竹知子).

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シェーマを描いた2枚一組の水彩画である。素朴な表現の 中にも、植物は「積み重ね」、動物は「はめ込み」によって 成長する様が表現されている。  作品4は、「植物のメタモルフォーゼ」という彫塑の作品 である。今まさに、種から発芽した若芽が螺旋を描きなが ら成長しようとする姿が、みずみずしく表現されている。  作品5は、「海からの由来」と題する彫塑である。ヒトの 頭が魚の形象になっており、頭髪と魚の鱗の相同性が示さ れ、人類もその先祖が海に棲む魚であったことが表現され ている。  作品6は、「鬼女の悲しみ」と題する塑像である。いかな る訳があったのだろう。鬼になった女性の悲しみがみごと に表現された力作である。  作品7は、「3本の植物と鱗のらせん」と題する彫塑である。 DNA の二重螺旋から銀河宇宙の渦巻きまで、螺旋こそ生 の原形であるとする、三木学説をみごとに表現している。  作品8は、「原形から木・魚・鳥・猫へ」と題する作品である。 中央の円形の原形から、右上に向かって植物の木、右下に 向かって魚、左下に向かって鳥、左上に向かって猫、それ ぞれの形象が生まれてくる様子がみごとに表わされている。 5.1998(平成10)年度の作品から  1998年度は30名の学生が作品を提出した。そのなかから 図5に示す7つの作品を紹介する。  作品1は、「受精(交接)と植物と骸骨」と題する水彩画 で、中央には植物の花が、その左に人魚、右に赤ん坊を肘 で吊るしたヒトの骨格が、その背景には、卵巣・卵管・子宮・ 膣という女性生殖器が描かれ、その膣のなかには男性生殖 の陰茎が挿入され、そこから射精された無数の精子が子宮 から卵管をさかのぼり、卵管のなかで、排卵された卵子と 受精しようとしている。まさに、生の原形をみごとに描い た作品である。  作品2は、「生命の進化と誕生」と題するアドベントカレ ンダーである。ヒトの赤ちゃんが眠っているのを2頭のウマ が見ている(上)。この絵の中には、25もの窓があり、窓を 開けると(下)、受精から卵割、桑実胚、胞胚、腸胚、胚子 から、子宮内での胎児の発育と出産=分娩の過程が描かれ ている。まさに、“人間誕生”を描いた素晴しい作品である。  作品3は、「子宮」を描いた水彩画である。胚子を宿す子 宮の周囲に、爬虫類の卵、哺乳類の胎児、脊椎動物の横断 面を描いている。脊椎動物の横断面の周囲には、動物と植 物の初期発生が描かれている。“生の原形”がみごとに表 現されている.  作品4は、網目状の殻皮に包まれた発生する植物の「種子」 を表現した彫塑である。植物の発生が強い意志によって成 し遂げられる様が描かれている。 図 5 1998(平成 10)年度形態学作品集(1999 年 1 月 18 日提出).1. 受精(交接)と植物と骸骨(大森鈴香),2. 生命の進化と誕生(岸 野育子),3. 子宮(増田麻里亜),4. 種子(足立英里),5. 球根(矢島朝子),6. 植物的女性と動物的男性(戸嶋桂子),7. 食 物連鎖(梅崎ゆう).

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 作品5は、「球根」と題する彫塑の作品である。今まさに、 球根から一方では若芽が螺旋を描きながら成長しようとし、 他方では根が放射状に地中に広がろうとする姿が、生き生 きと表現されている。  作品6は、「植物的女性と動物的男性」を描いたアクリル 画である。幻想的な絵で、中央の女性は木の枝のような髪 の毛をもっていて植物的なイメージを、右側の男性は腕に 毛が生えていて動物的なイメージを与えている。  作品7は、「食物連鎖」と題する絵画である。地球が半分 に割れ、右では卵からかえったトリの雛の口から魚が出現 し、左ではワニの口から出た不思議な動物が植物を食べよ うとしている。渦巻きは生態系の繰り返しを表現している のであろうか。 6.1999(平成11)年度の作品から  1999年度は27名の学生が作品を提出した。そのなかから 図6に示す11の作品を紹介したい。  作品1は、「魚の上陸」と題する粘土と板による作品であ る。右上に水面から顔を出している魚類がおり、中央に胸 鰭と腹鰭を使って必死に地上を歩こうとする中間段階があ り、左手前に陸上生活に適応した原始両生類がいる。原始 両生類には、まだ尾鰭が残っており、魚類から進化したば かりであることが表現されている。脊椎動物進化の最大の 事件(イベント)である魚類から両生類への進化、上陸作 戦がみごとに表現されている。  作品2は、「ザクロの実の形をした細胞の集団」と題する 彫塑である。さまざまに着色された特徴をもつ細胞は、数 十個ずつ集まって小集団を形成している。そのような小集 団が6個あり、一つの大集団をつくっているのであろう。生 物の構造的および機能的最小単位である細胞の姿が、表現 されている。  作品3は、人間の「口」の彫塑である。唇は大きく開か れ、前歯がむき出しになっておる。とくに下唇は前方に突 き出しており、その奥には舌が今にも飛び出そうとしてい る。人生はまず食べることから始まる。その意味で、口は「生 の原形」である。迫力のある口により、人間の「生の原形を」 みごとに表現している。  作品4は、「翼と鰭をもつヒトの骨格」という切り絵の作 品である。このヒトの骨格は、上肢に翼をもち、下肢は魚 の尾鰭になっている。人類の遠い先祖が魚類や鳥類と深い 結びつきをもっていたことを表現している。ヒトは魚類か ら進化し、今は鳥類にあこがれ、空に向かって、羽ばたこ 後藤仁敏:生命の形態学 作品集 図 6 1999(平成 11)年度形態学作品集(2000 年 1 月 25 日提出).1. 魚の上陸(石井花綾),2. ザクロの実の形をした細胞の集団(臼 井さやか),3. 口(関川広子),4. 翼と鰭をもつヒトの骨格(辻垣内聖子),5. 生の原形(富田享子),6. 母鳥の愛でつつむ卵 (中島陽子),7. 骨格系の進化(原雅恵),8. 鼻の系図(佐野麻子),9. 弟の顔のメタモルフォーゼ(山本沙織),10. サンショ ウウオになった自分(塩山亜弥),11. 生物の系統図(江原理恵).

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うとしているようである。  作品5は、「生の原形」と題するアクリル画である。原核 細胞から真核細胞への進化が4つの絵で描かれ、その周囲 に、水生動物であるイルカ、陸上動物であるイヌ、空を飛 ぶトリ、さらにヒトの赤ちゃんが描かれている。深い味わ いのある作品である。  作品6は、「母鳥の愛でつつむ卵」と題する彫塑である。 巣の中にある4つの卵は、母鳥の愛情によって守られて成長 し、雛になり、やがて巣立ってゆくのであろう。  作品7は、「骨格の進化」と題する七宝焼の作品である。 左上の魚類からその下の両生類、爬虫類、哺乳類をへて、 下中央の霊長類、そして右下の人類へと骨格が進化してき た様子が美しく表現されている。  作品8は、「鼻の系図」と題する彫塑である。上の2つが 父親と母親の鼻で、その下の3つがその3人の子どもたちの 鼻を表わしている。子どもたちが親からそれぞれ異なる遺 伝的特徴を受け継いでいることが、みごとに表現されてい る。  作品9は、「弟の顔のメタモルフォーゼ」と題する水彩画 である。幼い頃の弟の顔が、成長にともなって変化し、現 在ではゲーム機のやり過ぎや漫画の見過ぎにより、眼を悪 くしてしまった様が描かれている。生物のメタモルフォー ゼを身近な例でみごとに表現した素晴しい作品である。  作品10は、「サンショウウオになった自分」と題する彫塑 の作品である。何の因果かサンショウウオに変身した自分 顔がお尻に描かれている。必死で陸上をもがき歩こうとし ている様が読み取れる。井伏鱒治の小説『山椒魚』、カフカ の『変身』を彷佛とさせる作品である。  作品11は、「生物の系統図」と題する青紙に白ペンで描 かれた水彩画である。生の原形、すなわち原始生命から植 物と動物に分かれ、さらにさまざまな種類に分かれて進化 してきた様が描かれている。人間は果たしてその頂点に立っ ているのであろうか。 7.2000(平成12)年度の作品から  2000年度は25名の学生が作品を提出した。そのなかから 図 7 2000(平成 12)年度形態学作品集(2001 年 1 月 23 日提出).1. 尻尾がとれたばかりのヒトの尻(磯貝麻子),2. 増殖(柳 原麻理子),3. 七福神骨図(新島久美),4. 生命誕生(前田真知子),5. 四面顔像(伊藤陽子),6. 人間は胎児の時に世紀を越 えた進化を遂げる(齊藤亜沙美),7. 胸(乳房)(前島和枝),8. 手:前腕と手(横澤朋穂),9. 猿人の顔(三重野香織),10. 宇宙にうかぶ地球(安田久恵).

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図7に示す10の作品を紹介する。  作品1は、「尻尾のとれたばかりのヒトの尻」と題する彫 塑である。全体にモンゴル斑があるような青色である。脊 椎動物などの新口動物では、腸胚の原口は肛門になり、か らだの前方に新しく口が開口する。その点で、肛門こそ「根 源の器官」と言われる。肛門を取り囲むヒトの尻は、まさ に「生の原形」というのであろうか。  作品2は、「増殖」と題する黒陶の作品である。キノコで あろうか、次々と増殖して、横に縦に広がってきた様子が 表現されている。  作品3は、「七福神骨図」と題する水彩画である。竜の舳 先をもつ宝船に、七福神が乗っているが、その頭は髑髏で ある。ヒトの頭骨もあるが、原始脊椎動物の頭骨もある。 左上には夕日のかかる富士山の前に鶴が飛び、右下の海面 にはウミガメが泳いでいる。目出たさの中に、恐ろしさを 感じる作品である。  作品4は、「生命誕生」というアクリル画である。右上か ら左下にかけて胎児の発育過程が描かれ、右下には動物の 卵が、左上には植物の発芽していく様が描かれている。植物、 動物、人間の発生と誕生をみごとに描いた作品である。  作品5は、「四面顔像」と題する彫塑である。2つの立方 体の四面に、さまざまな表情のヒトの顔が作られている。 阿修羅のような顔は何を訴えているのであろうか。迫力の ある作品である。  作品6は、「人間は胎児の時に世紀を超えた進化を遂げる」 と題する絵画と粘土の作品である。海と空を表わす青の世 界に、左下から右上に向かって、サメ類、両生類、蛇類、 哺乳類、霊長類、そしてヒトの乳児が粘土で作られている。  作品7は、「胸(乳房)」と題する砂粘土による作品である。 女性の大きな胸、乳房が描かれている。私たちヒトは生ま れるとすぐにこの母の胸の乳房に吸い付いて、乳汁を吸っ て生きる。その点で、乳房も「生の原形」と言える。  作品8は、「手(前腕と手)」と題する彫塑である。前腕 を構成する尺骨と橈骨、8個の手根骨、5本ずつある中手骨、 指骨が作られて、しっかり紐で結ばれている。手こそ、ヒ トを人に進化させた器官で、私たち人類は、直立二足歩行 により自由になったこの手で、道具を使い、道具を作り、 さらに芸術作品を創造するのである。手こそ、人類の「生 の原形」である。  作品9は、「猿人の顔」と題するアクリル画である。よく 見ると、猿人の髪の毛は植物やミミズのような動物ででき ている。人類の先祖と人類の遠い自然史を表現した作品で ある。  作品10は、「宇宙に浮かぶ地球」と題するアクリル画で ある。この地球は水をたたえる青色で、そこにはヒトの胎 児と植物とヤツメウナギが描かれている。私たちの地球、 生命を生み出した地球こそ、「生の原形」なのである。 8.2001(平成13)年度の作品から  2002年度は過去最高の59名もの学生が作品を提出した。 そのなかから図8に示す8つの作品を紹介したい。  作品1は、「地球をとりまく生物進化」と題するアクリル 画である。中央に地球があり、その上に人類を代表する女 性の裸体が立ち、その右側から地球を取り囲んで、植物や 後藤仁敏:生命の形態学 作品集 図 8 2001(平成 13)年度形態学作品集(2002 年 2 月 2 日提出).1. 地球をとりまく生物進化(阿部由実子),2. 脳の進化(上本 好恵),3. 頭骨の進化(竹澤優子),4. メタモルフォーゼ(大竹美佳),5. 原形(原田裕加),6. 原核生物から真核生物へ(近 藤訓代),7. サルの進化(三井麻祐子),8. 人間の生のくり返し(下山瑠美).

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蝶、菌類、クラゲ、魚類、両生類、爬虫類のカメ、霊長類 のサルが並んでいる。まさに、地球上における生物進化を 表現した素晴らしい作品である。  作品2は、「脳の進化」と題する作品である。左下の小さ な動物の脳から、しだいに機能が進んで、大きな脳に発達 し、ついに巨大な人類の脳にまで進化した過程が描かれて いる。「発達」「機能」「進化」という文字も理解を助けている。  作品3は、「頭骨の進化」と題する作品である。暗黒の宇 宙のなかに地球が描かれ、そこで、原始魚類から両生類、 爬虫類、哺乳類をへて、原始霊長類から原人を経て現代人 が進化してきた過程が表現されている。  作品4は、「メタモルフォーゼ」と題する陶芸の作品である。 左側からそら豆の種が発芽し、しだいに成長し、双葉を出 してゆく過程が表現されている。植物の成長におけるメタ モルフォーゼの過程をみごとに表わした作品である。  作品5は、「原形」と題する半立体の作品である。子宮の なかの胎児を思わせるようなもやもやした涙形が描かれ、 まさに「生の原形」とはこのような混沌から始まったこと を表現している。  作品6は、「原核生物から真核生物へ」と題する布切れと 紙による楽しい作品である。単純な構造の細胞からなる原 核生物が、次第に核や細胞内小器官を増やして、真核細胞 からなる生物へ進化し、さらには動物細胞から魚類、両生類、 爬虫類、哺乳類、人類へ分岐し、植物細胞からはシダ植物、 裸子植物、被子植物へと分岐する過程が表現されている。  作品7は、「霊長類の進化」と題するアクリル画である。 原猿類のキツネザル、真猿類のニホンザル、類人猿のチン パンジーの顔が、みごとに描かれている。人類への進化を 予感させる素晴しい作品である。  作品8は、「人間の生のくり返し」と題する半立体作品で ある。ヒトが生まれて、成長し、性成熟をして結婚し、ま た子どもが生まれて成長し、結婚して子どもを造るという 「生の循環」がみごとに表現されている。  この学年は、出席カードの裏面にも興味深い絵や文が書 かれていることが多かった。図9にその一部を紹介する。こ のようなものにも、芸術作品が描かれる美術大学の学生へ の授業はじつに貴重な体験であった。 9.2002(平成14)年度の作品から  2002年度も42名もの学生が作品を提出した。そのなかか ら図10に示す6つの作品を紹介したい。  作品1は、ガラスの地球のなかに少女がすわり、そこから 海水が下にこぼれ落ちている様を描いたアクリル画である。 地球に生きる生の象徴としての少女、生命を宿す海水が美 しく描かれている。少女は「地球の生の原形」の象徴である。  作品2は、異様な動物を描いたアクリル画である。ウサギ のような長い耳をもった動物の顔は魚である。その魚の口 には植物の木がくわえられている。さらによく見ると、そ の動物の後足はヒトの足である。植物、動物、人間の「生 の原形」を描いた意表をついた作品である。  作品3は、大小さまざまな青の球の連なった塑像である。 青の球は、原子を表わすのか、細胞を表わすのか、星を表 わすのか。いずれにしても、それらの繋がりが「生の原形」 であることは間違いない。  作品4は、「人体」を構成するさまざまな系統(器官系)を 表現した作品である。骨格系、循環系、筋系、内臓系などが 描かれている。人体の様々な姿をみごとに表わしている。  作品5は、「サルからヒトへ」と題する作品である。左側 にはサルは「進化前」として描かれ、中央には類人猿か猿 人かが「進化中」として示され、右側にはヒトが「進化後」 として置かれている。左から右へと、青の横棒が減り、赤 の横棒が増えることで、サル的な要素がしだいに消えて、 ヒト的な要素が増加することが表現されている。  作品6は、「Metamorphose」と題する絵画の作品である。 下から上に向かって、原子生命から魚類、両生類、爬虫類、 哺乳類、霊長類から人類へと進化、すなわちメタモルフォー ゼしてきた過程が表現されている。単純な絵であるが、人 類への生物進化がみごとに描かれた作品である。  なお、授業は2003年度まで実施した。この年から男子学 生も入学し、さらに多様で発想の豊かな力作が提出されて いる。しかし、2003年度は写真のみで、私の不手際でその 他の記録がなく、紹介することができなかった。学生諸氏 に深くお詫びする次第である。 図 9 2001(平成 13)年度の学生が出席カードの裏に書いた 4 つの作品 .

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10.あとがき  これらの作品は、学生が私の授業をどのように感じ、受 けとめたかを物語っている。それはまた、恩師・三木成夫 の理論と思想を私なりに、受け継ぎ発展させる試みにもなっ ている。素晴しい作品を前に、私はただ感動し、写真を撮 影し、コメントを書き続けるばかりであった。  それは、これまで自然科学系および医療系の学生しか教 えた経験のない私にとって、まさに「未知との遭遇」であり、 日々新しい感動と経験の連続であった。  本稿を執筆するにあたり、授業の機会を与えられた横浜 美術短期大学の中野 滋氏、私の形態学を受講し、素晴ら しい作品を提出された1996年度から2003年度まで同大学 専攻科の学生だった方々、英文要旨の校閲を賜った Emma Longhorn 氏に深謝の意を表する。 文 献 浅見一羊・中尾喜保・平光癘司・養老孟司・吉増克實・和気健 二郎(1989)三木成夫追悼文集.東京印書館,343頁,東京. 団 まりな(1994)発露なき直感のさけび.現代思想,22(3), 82−86. 布施英利(1994)図像でみる三木形態学.現代思想,22(3), 183−190. 布施英利(2002)らせんの形象−ウンチから宇宙まで.Saison Art Program Journal,No.9,42−58.

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後藤仁敏(1993)三木成夫の原点と到達点−書評:三木成夫著 『生命形態学序説』(うぶすな書院).モルフォロギア(ゲーテ と自然科学),15号,100−103. 後藤仁敏(1994a)三木成夫と手塚治虫の比較人間論.現代思想, 22(3),191−203. 後藤仁敏(1994b)三木成夫の生涯と業績.モルフォロギア(ゲー テと自然科学),16号,30−51. 後藤仁敏(1994c)吉本隆明氏の講演を聞いて.モルフォロギア (ゲーテと自然科学),16号,17−19. 後藤仁敏(1995)広がる三木成夫の世界−増補版によせて.三 木成夫著,増補版・内臓のはたらきと子どものこころ,214− 217,築地書館,東京. 後藤仁敏(1996a)三木成夫先生について.三木成夫著,人間 生命の誕生,232−238,築地書館,東京. 後藤仁敏(1996b)三木学のエッセンス−書評:三木成夫著『人 間生命の誕生』(築地書館).モルフォロギア(ゲーテと自然 科学),18号,150−151. 後藤仁敏(1997)人体の歴史的理解と三木成夫の人間観.三木 成夫著,ヒトのからだ−生物史的考察,241−248,うぶすな書 院,東京. 後藤仁敏(1999)唯臓論.風人社,223頁,東京. 後藤仁敏(2000a)三人の恩師.日本の科学者,35(10),26−27. 後藤仁敏(2000b)三木成夫における進化思想の展開.モルフォ ロギア(ゲーテと自然科学),22号,58−72. 後藤仁敏(2001)自然・生命・人体の記憶−三木成夫生命形態学. ネイチャーインタフェイス,1(4),30−33. 後藤仁敏(2003)三木成夫の生涯と業績.第12回三木成夫記念 シンポジウム講演要旨集,9−10,順天堂大学医学部. 後 藤 仁 敏(2005)化 石 少 年(74):三 木 成 夫 の 生 命 形 態 学. KAZESAYAGE,98号,6−7,風人社,東京. 後藤仁敏(2008)唯臓論.中公文庫,中央公論新社, 223頁,東京. 萩尾望都(1994)胎児の夢に.現代思想,22(3),130−133. 市川 浩・三木成夫(1987)対談:宇宙・人体・都市.G-TEN, 22号,37−64. 市川 浩・三木成夫(1994)対談:宇宙・人体・都市.現代思想, 22(3),262−274. 鎌田東二(1994)対談:耳をもった生命.現代思想,22(3), 102-105. 金子 務(1994)身体知の基盤としての三木形態学.現代思想, 22(3),78-81. 河本英夫(1994)動きとかたち.モルフォロギア(ゲーテと自 然科学),16号,20−29. 小林博行(1994)ヘッケルの形態学的世界.現代思想,22(3), 239−251. 小林昌廣(1994)咆哮するオナニスト.現代思想,22(3),152-163. 小谷幸雄(1994)ゲーテ,クラーゲスと冨永半次郎(序説).モ ルフォロギア(ゲーテと自然科学),16号,52−70. 三木成夫(1982)内臓のはたらきと子どものこころ.築地書館, 191頁,東京. 三木成夫(1983)胎児の世界−人類の生命記憶.中央公論社, 226頁,東京. 三木成夫(1987a)胎児の世界と「いのちの波」.G-TEN,22号, 11−27. 三木成夫(1987b)生命の記憶としての「元の理」.G-TEN,22 号,65−69. 三木成夫(1989)生命形態の自然誌・第一巻解剖学論集.うぶ すな書院,498頁,東京. 三木成夫(1992a)生命形態学序説−根原形象とメタモルフォー ゼ.うぶすな書院,308頁,東京. 三木成夫(1992b)海・呼吸・古代形象.うぶすな書院,236頁, 東京. 三木成夫(1994a)「原形」に関する試論.現代思想,22(3), 252−261. 三木成夫(1994b)ゲーテ『植物のメタモルフォーゼ』に学ぶ. モルフォロギア(ゲーテと自然科学),16号,71−90. 三木成夫(1995)増補改訂版:内臓のはたらきと子どものこころ. 築地書館,217頁,東京. 三木成夫(1996)人間生命の誕生.築地書館,243頁,東京. 三木成夫(1997)ヒトのからだ−生物史的考察.うぶすな書院, 248頁,東京. 三木成夫(2003)誌上再録:海と呼吸のリズム.考える人, 2003年春号,34−36. 三木成夫・井上昭夫(1987)対談:否定・絶望から希望へ. G-TEN,22号,70−86. 長野 敬(1994)分子生物学と自然哲学.現代思想,22(3),87− 89. 永沢 哲(1994)水の人.現代思想,22(3),164−182. 中川米 造(1994)三 木さんの学問.現 代思 想,22(3),100− 101. 中村一美(1994)クンセリング−樹木−大地.現代思想,22(3),  122−125. 中村雄二郎・養老孟司(1994)対談:三木成夫の世界.現代思想, 22(3),64−77. 中野 翠(2005)満月雑記帳583:三木成夫という解剖学者がいた. サンデー毎日,2005年12月4日,48−49. 丹生谷貴志(1994)三木生物学なんて知ったことじゃあない! 現代思想,22(3),90−95. 大島 清(1994)原始感覚−生命記憶.現代思想,22(3),96− 99. 太田久紀(1987)胎児の世界と『倶舎』『唯識』.G-TEN,22号, 28−36. 坂井建雄(1994)三木学の解剖.現代思想,22(3),204−211. 関口敦仁(1994)「うずまきは宇宙の根源である」.現代思想, 22(3), 118−121. 芹沢俊介(1994)「真の快」について.現代思想,22(3),106− 109. 島村菜津(2006)三木成夫.考える人,17(2006年夏)号,66. 高橋義人(1994)ゲシュタルトの内的把握.現代思想,22(3), 212−221. 高橋義人(2002)かたち・リズム・おもかげ−三木形態学と芸術学. Saison Art Program Journal,No.9,28−41.

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吉本隆明(1994)三木成夫さんについて.モルフォロギア(ゲー テと自然科学),16号,2−17.

養老孟司(2003)三木成夫を語る:三木さんの思想は正統的な ものだった.考える人,2003年春号,37−39.

図 2 脊椎動物の頭骨の系統発生を例にした形態学の研究方法(三木 , 1992a).左上:系統発生(Phylogenesis)と比較 解剖学(Comparative Anatomy)と古生物学(Paleontology)と比較発生学(Comparative Embryology)の関係を示す.

参照

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