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広瀬川におけるアユの加入過程と生産構造に関する研究

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(1)

広瀬川におけるアユの加入過程と生産構造に関する

研究

著者

白鳥 幸徳

学位授与機関

Tohoku University

(2)

広瀬川におけるアユの加入過程と

生産構造に関する研究

専 攻 資源生物科学 専攻

指導教員 南

卓志 教授

学籍番号

A6AM1121

氏 名 白鳥

幸徳

(3)

目次

Ⅰ 序論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 Ⅱ 材料と方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 1 調査地点 2 調査期間 3 サンプリング方法 3.1 アユについて 3.2 物理化学的環境について 4 調査項目 4.1 アユの計測と日齢査定 4.2 標識放流について Ⅲ 結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 1 汽水 - 淡水境界域から淡水域におけるアユの遡上と成長 1.1 汽水 - 淡水境界域におけるアユの遡上と成長 1.1-1 生息密度 1.1-2 孵化日組成 1.1-3 体長組成 1.1-4 肥満度の推移 1.1-5 孵化日と体長 1.2 淡水域におけるアユの遡上と成長 1.2-1 生息密度 1.2-2 孵化日組成 1.2-3 体長組成 1.2-4 肥満度の推移 1.2-5 孵化日と成長 1.3 汽水 – 淡水境界域と淡水域におけるアユの特徴の比較 2 淡水域におけるアユの分布、移動、成長 2.1 調査水域の物理環境 2.1-1 物理環境の変化

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2.1-2 物理環境の詳細分布 2.2 アユの分布 2.2-1 アユの生息密度 2.2-2 標識放流実験からみたアユの移動性 2.3 生息環境別のアユの成長 2.3-1 孵化日組成 2.3-2 体長組成 2.3-3 肥満度組成 2.3-4 胃内容物重量組成 2.3-5 孵化日と成長 Ⅳ 考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 1 汽水 – 淡水境界域から淡水域までの加入過程の特性 2 アユの成長と生活について 3 総合考察 Ⅴ 引用文献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 Ⅵ 謝辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 図表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24

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Ⅰ. 序論

アユ Plecoglossus altivelisは海と河川を行き来する両側回遊型の回遊魚で、日本列 島を中心に朝鮮半島、中国大陸東部にかけて分布し、日本国内の内水面漁業において最 も重要な水産資源の一つである。宮城県広瀬川においても遊漁を中心としたアユ資源と しての重要性のほか、仙台市の中心部を流れる都市河川に生息するアユとして人々の関 心も高い。 アユの孵化時期は年魚であるにも関わらず長期間にわたることが報告されている(高 橋・東2006)。広瀬川が合流する名取川においても菊地(2007)によると、9 月上旬か ら11 月下旬までが孵化時期と報告されている。 Tsukamoto et al. (1987)や高橋(2005)は、アユの孵化時期の違いによって初期生活史 における回遊経路や遡河時期といった回遊パターンが大きく変化することを明らかに している。また、孵化日が早いほど早く遡上することが多くの研究で確認されている (Tsukamoto et al. 1987、高橋・新見 1999、高橋 2005)。さらに、早生まれのアユほ ど河川の上流に多く、大型に成長する傾向が示唆されている(平野1995、中村 1980、 高橋・東2006)。 このように多くの研究において、アユが長い産卵期をもつことによって個体ごとの孵 化時期の違いが、アユの生活様式の多様性を生むと考えられている。そのため、孵化時 期の違いは、回遊パターンと深く関係し、アユの一生に大きな影響を与える最も基本的 な要因の一つであるといえる。 ところで、アユは海水域から淡水域への遡上に伴って動物プランクトン食から付着藻 類食へと食性が変化する。菊地(2007)による広瀬川での研究では、河口から 4.5km から 6km の間に藻類食へと変化していることを確認している。河川における付着藻類 食期には、なわばり行動をはじめとした社会性を示すことが古くから知られており(宮 地 1960、水野・川那部 1957)、社会構造と生息密度がアユの成長に深く関係している

ことが示唆されている(川那部1957、1970、井口 1996、Iguchi and Hino 1966)。

これらのことから、河川生活期に見られるアユの生産構造は、孵化時期が異なるため の回遊パターンの違いによって影響されるだけではなく、河川への遡上後における生活 の仕方や、環境との関わり方が重要になってくると考えられる。 そこでアユの生産構造を詳細に理解するためには、初期生活から加入までのアユの生 態的な特徴と、加入後のアユの生活の仕方と環境なども考慮に入れた総合的な視点から 研究を行う必要がある。 しかし、天然アユの遡上特性に関してはいくつか報告があるが(荒山 2006、堀田 1953、田子 2002、高橋 2005)、遡上期から定着期まで、アユの生態研究を一貫して行 った例は少ない(高橋・新見、1999)。また宮地(1960)や川那部(1970)の一連の研究に あるように、河川生活期におけるアユの生態研究は多く行われてきた。しかし、 Tsukamoto and Kajihara(1987)によるアユの日齢査定手法の確立後、それらの視点か ら、河川生活期における天然遡上アユの生態について詳しく行った研究はほとんどない。

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そこで本研究では、広瀬川におけるアユの生産構造を明らかにするために、アユの加 入時期や加入時におけるサイズ組成が孵化日とどのように関係し、時間的に変化してい くのかということと、加入後の定着期におけるアユの成長への孵化日の違いの影響と、 条件の異なる生息環境をどのように利用して成長していくのかを明らかにすることを 目的とした。

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Ⅱ. 材料と方法

1 調査地点 図1a に調査地点を示した。宮城県広瀬川において調査定点3点を設定し、名取川と の合流点から約200m 上流の地点を St.合流点(図1b)、合流点から約4km 上流の郡山 堰下流部をSt.郡山堰(図 2b)とした。St.郡山堰より約 1km 上流には St.愛宕堰を設定し た。St.合流点は感潮域の上流端(名取川河口から約 6km 上流)で、汽水域と淡水域の 境界域にあたる。St.郡山堰は農業用水取水のための堰の下流で、例年アユの滞留がみ られている(宮城県内水面試験場2007)。また St.愛宕堰でも郡山堰同様にアユの遡上 が停滞する地点であるが、愛宕堰までの遡上の絶対数が少ないため郡山堰ほどの滞留は 見られない。 図2a に 2007 年 St.郡山堰においてスモールスケール(数 m)での物理環境の違い に注目したアユの生活との関係を解明するために設定した河川構造の異なる 4 ポイン ト(P1−P4 )とアユの遡上経路定点の 2 ポイント(P5、P6)を示した。また表1に はそれぞれのポイントで設定した河川構造を示した。 P1 は St.郡山堰の最下流部に「とろ」として設定し、流れが緩やかで砂や泥などが堆 積するような場所である(図 2 b)。 P2 は右岸側の魚道の下に形成されている「よどみ」として設定した。魚道の直下は 水流により河床が深くえぐられているが、その周辺は流れの巻き返しなどにより流速は 緩やかである。底質は砂地が主でその中に大小の石が埋まっている(図2 c)。 P3 は右岸側の最上流部に「早瀬」として設定した。流速は早く、ある程度の水深も あり、河床には大きい石がしっかりと埋まっている(図 2 d)。 P4 は左岸側に「平瀬」として設定した。流速は早いが水深は浅く、河床には小さな 石がおおくほとんどが浮石であった(図2 e)。 P5 は水たたきの上に設定し、落差約 1.5m の堰からの越流が通過する。水深は浅く、 河床はコンクリートである。大部分のアユにとって遡上の上流端となるため、遡上経路 の特定のためにポイントとして設定した(図 2 f)。 P6 は水たたきの下のテトラ帯の中に設定した。テトラ帯の中は流れが複雑で、場所 によって水深も大きく異なる。P5 水たたきとは 30cm ほどの落差によって分断され、 アユが多数生息している(図 2 g)。

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2. 調査期間 2006 年5月から7月にかけて St.合流点(汽水 – 淡水境界域)および St.郡山堰(淡水 域)において毎月 2 回から 3 回のサンプリングを行った。2007 年は 6 月と 7 月において St.郡山堰、St.愛宕堰で標識放流実験を行った。 3 サンプリング方法 3.1 アユについて サンプルは投網(1 号 20 節 1600 目)によって採集した(広瀬名取川漁業協同組合の 宍戸宗氏と守屋信男氏に投網を依頼した)。 3.2 物理化学的環境について 各定点における水温、流速、水深を記録した。流速は河川用電磁流向流速計AEM1-D (アレック電子株式会社)により測定を行った。また、前途の観測とは別に、2007 年 9 月 St.郡山堰においてはステーション内に 32 点の観測点を設定し、水流、水深、河床 の状況を詳細に記録した。 4 調査項目 4.1 アユの計測と日齢査定 2006 年の St.合流点、St.郡山堰において採集したアユは標準体長、体重、胃内容物 重量の測定と肥満度(CF=体重/標準体長3×1000)、胃内容物重量指数(SCI=胃内容物 重量/体重×100)の算出を行った。 また、アユの生息密度として調査定点および調査ポイントごとに投網一回当たりの漁 獲尾数(以下CPUE)を算出した。 <天然アユと人工孵化アユの判別法> 天然アユおよび人工孵化アユの区別のために戸井田(2000)、石田(2003)の方法を参 考に、下顎側線孔数と側線上方横列鱗数の計測を行った。戸井田(2001)によると下 顎側線孔数は天然アユが 4 対、放流アユは不規則な 4 対か 4 対以下としている。また 側線上方横列鱗数は天然アユが21 前後、放流アユが 15 前後としている。 本研究において採集されたアユの下顎側線孔数は0対から6 対であった。また側線上 方横列鱗数は12 から 21 であった。そのため、下顎側線孔数が規則的な 4 対のもので、 側線上方横列鱗数が18 前後の個体を天然魚とし、それ以外を放流魚として判別を行っ た。また、下顎側線孔数と側線上方横列鱗数により天然魚と判別された個体のうち、側 線上方横列鱗数が少ない個体の中には扁平石が透明で日齢査定ができない個体が数個 体みられた(図3)。これらの個体は井塚(2001)に従い、改めて放流魚に判別しなおし た。このことから、下顎側線孔数および側線上方横列鱗数の計測のみによる両者の判別 には注意が必要で、正確な判別には耳石の観察も併せて行うことが望ましいといえる。 <アユの日齢査定>

天然魚については耳石の輪紋数の計測による日齢査定を Tsukamoto and Kajihara

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した扁平石は蒸留水に浸し、超音波洗浄を行った。洗浄後はスライドグラス上に透明マ ニキュアを用いて包埋し、個体ごとに日齢査定用のプレパラートを作成した。作成した プレパラートはラッピングフィルムシート(#600∼#8000、住友スリーエム株式会社)

を 用 い て 研 磨 し 、 耳 石 日 輪 計 測 シ ス テ ム (RATOC SYSTEM ENGINEERING

CO.,LTD.)により輪紋数の計測と解析をおこなった。 一部の個体については輪紋の間隔から成長量の算出を行った。成長量の算出には体長 の違いによる成長量の差の影響を小さくするため以下の式を用い、採集の10 日前から 採集を行った日までの10 日間の成長率を求めた。成長率の算出にはまず、図4のよう に耳石半径R(μm)を測定した。次に耳石の辺縁部から中心部に向かって輪紋 10 本 分の間隔の長さを計測し、過去10 日分の耳石の成長量 R’(μm)を求めた。R’が R に 占める割合から採集時の体長SL(mm)に占める過去 10 日間の成長量(mm)を算出 した。この時、アユの扁平石は薄く厚みがないため、成長量が同じであれば輪紋間隔も 同じであると仮定した。そして、採集時の体長から過去10 日間の成長量を引くことで 採集から 10 日前の体長が推定される。この推定体長と採集時の体長の比を過去 10 日 間の成長率として用いた。 SL 採集時の標準体長(mm) R 耳石半径(μm) R′ 耳石辺縁部から中心部に向かって輪紋 10 本分の間隔の長さ(μm) 4.2 標識放流実験によるアユの移動性の検証と仮設魚道設置の効果の検証 2007 年 6 月と 7 月は St.郡山堰において、定点内でのアユの移動性の検証と仮設魚道 設置の効果を明らかにするために標識放流実験を行った。 1 日目 (1)標識放流用のアユの捕獲と体長測定 表1 に示した 6 カ所ポイントごとに投網によって標識放流用のアユを捕獲し、体長の 測定を行った。6 月は 206 個体、7 月は 344 個体を捕獲した。体長測定の際には、捕獲 したアユに与える影響を最小限にするため全長(TL)を用いた。 (2)リボンタグによる標識と標識魚の放流 体 長 測 定 し た ア ユ の 背 鰭 後 方 に 、 捕 獲 ポ イ ン ト 別 に 色 分 け さ れ た リ ボ ン タ グ (13S ,HALLPRINT 社)を打ち込み、しばらく静置した後、それぞれ採集と同じポイ ントに放流を行った(図 5)。6 月は 206 個体、7 月は 175 個体を放流した。その際、遊 泳が困難なほど弱ってしまったものは取り除き、放流は行わなかった。なお、リボンタ グの針部は、予め、イソジン消毒を施した。

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2 日目 (3)再捕獲と目視観察 再捕獲は放流から1 日後又は 2 日後に行った。捕獲は 1 日目と同様に St.郡山堰でポ イント別に行ったほか、St.愛宕堰においても行った。また目視による観察も併せて行 い、アユのタグの色を記録した。採集したアユはタグの有無にかかわらず持ち帰り、 2006 年と同様に天然-人工孵化アユの判別、体長、体重、胃内容物重量、耳石日輪数の 計測を行った。

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Ⅲ. 結果

1 汽水-淡水境界域から淡水域におけるアユの遡上と成長 1.1 汽水-淡水境界域におけるアユの遡上と成長 1.1-1 生息密度 図6 は 2006 年 St.合流点における CPUE の推移である。5 月は CPUE が 6 個体/投 であったが、6 月 6 日に 9.6 個体/投でピークをむかえ、その後 6 月 13 日に 2 個体/投ま で低下し、7 月まで安定した密度を保っている。 1.1-2 孵化日組成 2006 年 St.合流点において採集されたアユの孵化日組成を図 7 に示した。孵化は 8 月下旬から翌1 月まで長期間にわたるが、9 月下旬をピークに 9 月から 11 月がメイン であることがわかる。 図 8 には採集月別にアユの孵化日組成を示した。5 月に採集された個体の孵化日は、 9 月下旬をピークに 9 月上旬から 10 月下旬までの範囲である。6 月になると 11 月孵化 の個体も出現するようになり、はっきりとしたモードが見られなくなる。さらに7 月に なると9 月生まれは減少し、孵化日組成の中心は 10 月から 11 月の範囲に移り、より 遅生まれの個体が増加していることがわかる。 1.1-3 体長組成 2006 年 St.合流点での採集月別のアユの体長組成を図 9 に示した。体長 60mm から 130mm と組成の幅は広いが、中心となるサイズは 70mm から 100mm で、5 月から 6 月にかけて変化が少ない。また図 10 に示した体長の平均値の推移をみても、5 月から 7 月にかけて 80mm から 90mm 前後で、時間が経過しても大きな変化は見られなかっ た。 1.1-4 肥満度(CF)の推移 図 11 に肥満度(CF)の平均値の推移を示した。5 月は CF が 11.5 程度だったが 6 月中旬に一度 11.1 までわずかに低下したが、7 月になると増加し始め、7 月後半には 12.5 まで上昇した。 1.1-5 孵化日と成長 図12 に採集月別の体長階級別孵化日組成を示した。5 月採集の体長組成をみると、9 月生まれのほうが10 月生まれと比べて体長が大きく、早く生まれた個体ほど大きいこ とがわかる。しかし6 月になり 11 月生まれも採集されるようになると孵化時期が遅い 個体でも大型のものが出現するようになった。また7 月になると遅生まれでも大型の個 体がさらに増加し、孵化時期による体長の差が殆ど認められなくなってくる。

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1.2 淡水域におけるアユの遡上と成長 1.2-1 生息密度 図13 に 2006 年 St.郡山堰において採集されたアユの天然アユ、人工孵化放流アユの 割合を示した。人工孵化アユ種苗の放流が行われる前の5 月の場合、採集個体は全て天 然アユであった。人工孵化アユ種苗の放流はSt.郡山堰には行われず、St.愛宕堰より上 流にある愛宕橋が放流ポイントの最下流域である。放流が行われた6 月以降では採集さ れたアユの約3 割が人工孵化アユであった。 図14 に 2006 年 St.郡山堰における CPUE を示した。5 月 23 日では水たたき上まで 進入する個体は少なかった。しかしその後は増加し、6 月 22 日には CPUE が 100 を超 えており非常に高密度で滞留していることがわかる。一方、7 月に水たたき上での CPUE が減少しているのは 6 月下旬に行われた大規模なアユのくみ上げ作業の影響で あると考えられる。アユのくみ上げ作業では St.郡山堰の下流で約 2000 個体のアユを 捕獲し、St.愛宕堰より上流部への放流を行った。 1.2-2 孵化日組成 図15 に 2006 年 St,郡山堰において採集されたアユの孵化日組成を示した。5 月に採 集された個体の孵化日は9 月から 10 月上旬にかけてで、早生まれの個体がおおかった。 6 月になると早生まれにモードはあるが、孵化日が 11 月の遅生まれの個体も見られる ようになった。7 月になると孵化日のモードが 10 月下旬から 11 月上旬に移り、早生ま れの個体は少なくなった。これは6 月下旬に行われたアユのくみ上げ作業の影響により、 早期に水たたき部に進入した早生まれのアユが選択的に取り除かれたためと考えられ る。 1.2-3 体長組成 図16 に 2006 年 St.郡山堰における月別のアユの体長組成を示した。5 月から 6 月は 体長 70mm から 130mm を中心として組成の幅はほとんど変化していない。しかし 7 月になると体長組成が110mm から 190mm の範囲まで成長した。 また図 17 に示した標準体長の平均値の推移からも、5 月から 6 月にかけては体長 90mm 前後で大きな変化は認められないが、7 月になると 130mm 以上まで成長したこ とが確認できる。 1.2-4 肥満度(CF)の推移 図18 に 2006 年 St.郡山堰における肥満度(CF)の平均値の推移を示した。5 月には CF は 11.7 だったが 6 月になると 10.8 から 10.6 まで低下した。しかし 7 月になると再 び上昇し、CF は 13 にまで上昇した。 1.2-5 孵化日と成長 図19 に 2006 年 St.郡山堰で採集されたアユの採集月別の体長階級別孵化日組成を示 した。5 月に採集されたアユでは 9 月生まれが 10 月生まれよりも体長が大きい傾向が

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確認された(P<0.05)。しかし、6 月および 7 月採集のアユは孵化月の違いによる体長 の差は確認されなかった(P>0.1、P>0.1)。 1.3 汽水 – 淡水境界域と淡水域におけるアユの特徴の比較 St.合流点と St.郡山堰において採集されたアユの孵化日組成を図 20 に示した。どち らの定点においても9 月下旬生まれをモードとして、主に 9 月から 11 月が主な孵化時 期となっており、孵化日組成に違いは見られなかった。 次に両定点で採集されたアユの標準体長SL(mm)の平均値の推移を図 21 に示した。 5 月から 7 月にかけて St.合流点では 80mm から 90mm 前後でほとんど変化が見られ なかったが、St.郡山堰では 7 月には 130mm 以上にまで成長しており、両定点に出現 するアユの体長に大きな差が確認された。 両定点での一投当たりの CPUE を図 22 に示した。両定点を比較すると、St.合流点 の生息密度は常に低いが、St.郡山堰の生息密度はかなり高いことが分る。また 7 月に はSt.郡山堰での CPUE が低下しているが、これは 6 月に行われたアユのくみ上げ作業 の影響で生息数が減少したためである。

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2 淡水域におけるアユの分布、移動、成長 2006 年に行った調査結果を基に、2007 年には淡水域におけるアユの生態について、 物理環境との関係を詳細に解析するために、St.郡山堰内に物理環境が異なる、さらに 細かいポイントを設定し調査を行った。 2.1 環境の特徴 2.1-1 物理環境 図23 に 2007 年 6 月と 7 月における St.郡山堰の中に設定した調査ポイントごとの水 深と流速を示した。円の大きさは流速を示しており、大きいほど流速が早い。6 月にお ける流速は P1 および P2 では遅く(5~15cm/sec)、P3、P4 および P5 では早かった (50~170cm/sec)。また水深は P1 および P2 が深く(50~80cm)、P3、P4 および P5 は浅 かった(10~20cm)。P6 はテトラブロックが複雑に入り組んでいるため、流速および水 深は参考値である。 次に7 月の流速と水深を見ていく。2007 年の郡山堰においては新しく左岸側に仮設 魚道が設置された。6 月に通水された仮設魚道からの流水の影響に加え、仮設魚道設置 のための工事によって新しく造成されたばかりの郡山堰下の河床は攪拌されやすく、7 月までの間に増水が起こるたびに少しずつ河川構造が変化していった。 P2 では流速は緩やかなままで変化はなかった(6cm/sec)が、河床がさらに深く削られ 深くなった(120cm)。 P3 でも流速は早いままだったが(110cm/sec)、水深が深くなった(80cm)。底質に変化 は見られなかった。 P4 では流速はほとんど変化しなかったが(90cm/sec)、水深がやや深くなるとともに (60cm)、多くの浮き石が洗い流され大きな石が目立つようになり、「早瀬」に近い環境 に変化した。 P1 は 6 月と 7 月を比較しても大きな変化は見られなかった(流速30cm/sec、水深 70cm)。 P5 および P6 は河床がコンクリートであったり、テトラブロックの中で環境に大き な変化はなかった。 2.1-2 St.郡山堰における物理環境の詳細分布 2007 年 9 月 5 日に行われた St.郡山堰の物理環境に関する詳細な調査結果を示した。 St.郡山堰における流速の水平分布を図 24 に、水深の水平分布を図 25 に、底質の分布 を図 26 に示し、6 点のポイントも図示した。なお P1 は中洲よりも 200m ほど下流な ため図示していないが、流速0~30cm/sec、水深 50~80cm 程度で底質は D(図 26)の ほぼ一様な環境であった。また水たたき上の P5 とテトラ帯の P6 では細かい測定は行 っていない。

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2.2 アユの分布 2.2-1 アユの生息密度 図27 に 2007 年 St.郡山堰において採集されたアユの天然アユ、人工孵化アユの割合 を示した。6 月には人工孵化アユの割合が 10%以下だったのに対して、7 月には約 40% が人工孵化アユになっている。 図 28 には 2007 年 St.郡山堰における CPUE を示した。この結果は後述する標識放 流実験のために採集された尾数を用いて算出したものである。すなわち「1日目」は標 識するアユの採集日を、「2 日目」は再捕獲日を示している。6 月、7 月ともに P5 での CPUE が非常に高く、アユの滞留が確認された。次に採集月別に P1 から P4 について 見てみる。6 月においては、P2 と P4 の 1 日目と 2 日目の間で CPUE が大きく変動し たが、P1 と P3 では CPUE に大きな変化は見られなかった。7 月においては、P1 の 1 日目と2 日目の間で CPUE が大きく変動したが、そのほかのポイントでは CPUE の大 きな変動は見られなかった。またP3 においては流速が早く水深も深かったため、投網 による採集が困難であったため CPUE が低くなったと考えられ、解釈には注意が必要 である。 2.2-2 標識放流実験からみたアユの移動性 表2、表 3 に標識放流実験の結果を示した。 6 月実施の実験では 1 日目に 206 個体を標識放流し、二日目に 249 個体を採集した。 そのうち標識魚は2 個体のみでいずれも天然魚であった。また目視によって確認できた のは5 個体であった。目視で確認できた個体のうち、P4 から P5(水たたき)へと進入 した個体が多かったが、仮設魚道へと遡上した個体も確認できた。また P2 から P3 へ と移動したアユも1個体確認できた。St.愛宕堰では標識魚は確認できなかった。 7 月実施の実験では 1 日目に 175 個体を標識放流し、2 日目に 117 個体を採集した。 そのうち標識魚は 1 個体のみで、P5 に放流したアユが同じ P5 で再捕された。また目 視によってもP5に放流した1個体が P5 にとどまっていることが確認された。また、 P2 に放流した 2 個体が再び P2 で確認できた。St.愛宕堰では2日目には標識魚は確認 できなかったが、その二日後の7 月 26 日に宮城県内水面試験場によって行われたアユ の調査で標識魚が1 個体再捕された。再捕された個体は P1 から遡上した個体で放流魚 であった。 これらの結果から、遡上期においては、アユは放流したポイントより上流のポイント で再捕され、特にP5 に集まりやすい傾向が確認された。また、定着期になるとポイン ト間の移動が少なくなる傾向が見られた。 2.3 生息環境別のアユの成長 2.3-1 孵化日組成 図 29 に 2007 年 St.郡山堰で採集されたアユの孵化日組成を示した。10 月上旬を孵 化のピークとして9 月上旬から 11 月上旬が主な孵化時期となっている。採集月別に見 ると、6 月に採集されたアユの孵化のピークは 10 月上旬である。7 月に採集されたア

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ユの孵化のピークは10 月上旬から 10 月下旬にあり、6 月採集群よりも遅生まれの個体 が増加していることがわかる。 つぎに採集ポイント別に孵化日組成を詳しく見ていく。 まず6 月に採集したアユについて図 30 に孵化日組成を示した。P1 から P4 の間で孵 化日組成に違いは見られなかった。 次に7 月の場合を図 31 に示した。7 月においても P1 から P4 の間で孵化日組成に違 いは見られなかった。 2.3-2 体長組成 2007 年 6 月と 7 月に St.郡山堰で採集されたアユの体長組成を以下の図(図 32∼37) に示した。それぞれの月で標識放流実験における1 日目は標識魚に与える影響を最小限 にするために全長を測定したため、図中も全長(TL)で示してあり、2 日目は標準体長 (SL)で示してある。 図32 にそれぞれの実験の 1 日目と2日目で採集されたアユの体長組成を示した。す なわち、6月の1日目と7月の1日目の比較、6月の2日目と7月の2日目の比較を行 ってみた。その結果、6 月より 7 月に採集されたアユの体長が大きかった(P<0.001)。 図 33 に 6 月と 7 月に採集されたアユの体長の平均値を採集ポイント別に示した。6 月にそれぞれのポイントで採集されたアユの体長は、1 日目と 2 日目がほぼ変わらない。 しかし7 月になると P3 と P4 において採集されたアユの体長が 1 日目と 2 日目で大き く変化している。 そこでそれぞれの月でのP1 から P4 までの体長組成について詳しく見ていく。 まず6 月について図 34 に 1 日目と 2 日目に採集されたアユの体長組成を示した。P1 とP4 では 1 日目も 2 日目も平均的なサイズ組成を示した。P2 では 1 日目は平均的な サイズ組成であったが2 日目には小型の個体が増加した。P3 ではサイズ組成の幅は他 のポイントと変わらないが、1 日目も 2 日目も大型の個体が多い傾向が見られた。 次に7 月の場合を図 35 に示した。P1 では 1 日目も 2 日目もやや小さい傾向が見ら れた。P2 では 1 日目は特にモードはみられず幅広いサイズ組成を示し、かつ、やや大 きい傾向があった。2 日目にはその中でも小型の個体が増加した。P3 では個体数が少 ないが、1 日目は大型の個体が採集され、2 日目は小型の個体が採集された。一方 P4 では1 日目は、中間的なサイズ組成であったものが、2 日目には大型の個体が見られた。 このように 7 月には同一ポイント内でも生息しているアユのサイズ組成が短期間の うちに大きく変化していることがわかった。 次に孵化月別にポイントごとの体長組成を詳しく見ていく。6 月の場合を図 36 に示 した。P1 から P4 を比較すると、9 月生まれのなかで体長の大きい個体は P3 にやや多 い傾向がみられた。また 10 月生まれの中では、大きい個体は P3 に多く、小さい個体 はP2 に多い傾向が見られた。11 月生まれは個体数が少なかったが、P2 に小さい個体 が多い傾向が見られた。 次に7 月の場合を図 37 に示した。9 月生まれの中では体長の大きい個体は P4 に多

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く、小さい個体はP1 に多い傾向が見られた。10 月生まれの中では大きい個体は P2 と P4 に多く、小さい個体は P1 に多い傾向がみられた。また 11 月生まれの中でも、個体 数は少ないが、大きい個体はP2 と P4 で確認され、小さい個体は P1 に多かった。 これらのことをまとめると、6 月においては、孵化日(生まれ月)によらず大きい個 体は P3 に多く、孵化日が遅めで小型の個体は P2 に多いという傾向が見られた。7 月 においてもほとんど孵化日によらず、大きい個体は P4 に多く、小さい個体は P1 に多 いという傾向が見られた。 このように St.郡山堰においては、アユのサイズは孵化日との関係よりは生息環境と の関わり合いが強いと推定された。 2.3-3 肥満度(CF)組成 図38 に 2007 年 St.郡山堰で採集されたアユの肥満度(CF)組成を示した。6 月に採 集されたアユよりも7 月に採集されたアユのほうが低い CF を示した(P<0.01)。 次にそれぞれの月でのアユのCF 組成を採集ポイント別に詳しく見ていく。 まず図39 に 6 月における CF 組成を示した。ポイント間でアユの CF に差は確認で きなかった(P1-P4、P>0.05)。 次に図40 に 7 月における CF 組成を示した。P1 から P4 で採集されたアユの CF に 差は確認できなかったが(P>0.5)、P5 で採集されたアユの CF は他のポイントと比べ て低かった(P<0.01)。 2.3-4 胃内容物重量組成(SCI) 図41 に 2007 年 St.郡山堰におけるアユの胃内容物重量指数 SCI を採集月別に示した。 6 月に採集したアユよりも 7 月に採集したアユの SCI のほうが低かった(P<0.01)。 そこでそれぞれの月でのアユのSCI 組成を採集ポイントごとに詳しく見ていく。 まず図42 に 6 月の SCI 組成を採集ポイント別に示した。P1、P2 で採集されたアユ のSCI が高かった。 次に図43 に 7 月の SCI 組成を採集ポイント別に示した。P1、P3 で採集されたアユ のSCI が高く、P2、P4 は 6 月と比較して低下した(P<0.01)。 このことから、アユの摂餌量には時期によって違いがあるだけではなく、ポイント間 でも異なることが示された。 2.3-5 孵化日と成長 図44 に 2007 年 St.郡山堰において採集されたアユの体長組成を孵化月ごとに示した。 6 月採集のアユは 9 月生まれよりも 10 月、11 月生まれが小さかった。しかし、7 月に なると 9 月生まれのアユの体長が大きい傾向はあるものの、11 月生まれのアユでも体 長が大きい個体が見られるようになった。 次に孵化日と体長の関係を見ていく。 図45 に St.郡山堰において採集されたアユの孵化日と体長の関係を示した。6 月の場 合をみると、8 月の早期に生まれた個体にサイズが小さい個体が少ないことと、11 月生

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まれに大きい個体が少ないことを除けば、孵化日による体長の差はほとんど見られない。 また7 月においてもやや早生まれの個体が大きい傾向は見られるものの、同じ孵化日で もサイズ組成が幅広いという傾向が見られた。 そこで次に、採集ポイント別に日齢と体長の関係を詳しくみていく。 まず6 月の場合を図 46 に示した。P2、P4 において採集されたアユは日齢が高いほ ど体長が大きい傾向がみられた。しかしP1、P3 において採集されたアユは、日齢が低 い個体であっても大型の個体が多い傾向が見られた。 次に図 47 に 7 月の場合を示した。P3、P4 で採集されたアユは日齢が高いほど体長 が大きい傾向が見られた。またP2 において採集されたアユの個体数は少ないが、他の ポイントと比較して同日齢でも体長が大きい傾向が見られた。 <成長率> 次に図48 に 2007 年の St.郡山堰 P1 から P4 において採集されたアユの過去 10 日間 (採集日直近)の成長率を体長別に示した。 6 月のグラフを見ると、P1、P3 においては体長によらず成長率は一定である。しか しP2、P4 においては、小型の個体の成長率が高くなっている。7 月ではどのポイント でも体長による成長率の違いは認められなかった。

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Ⅳ. 考察

1. 汽水 – 淡水境界域から淡水域までの加入過程の特性 高橋・新見(1999) によると、流下した早生まれの仔アユが海況によって選択的に減 耗することがあるため、流下仔アユと遡上稚アユの孵化日のピークは異なるといわれて いる。他の多くの研究でも早生まれのアユは成長が良いが死亡のリスクは高いと言われ ている。しかし川那部(1970)では遡上から夏までの生存率は比較的安定であるとしてお り、本調査の結果からもSt.合流点と St.郡山堰で孵化日組成に違いが見られなかったこ とから(図 20)、両定点の間では孵化日の違いによる選択的な減耗は起こっていないと考 えられ、St.合流点まで遡上してきたアユにとっては、孵化日の違いが生残には影響し ないということが考えられる。 調査期間中のSt.合流点と St.郡山堰の平均体長を比較すると、St.郡山堰では 7 月に は大きく成長していたが、St.合流点ではほとんど体長が変化していない(図 21)。また St.合流点での CPUE が 6 月 6 日にピークを迎え、それ以降減少していることから St. 合流点はアユがさらに上流へ遡上していくための通過点としての役割が大きいことが わかる(図22)。 一般にアユ稚魚の体サイズは遡上初期が最も大きく、時期の経過とともに小型化して いくということが報告されているが(堀田 1953、楠田 1963、塚本 1988、田子 2002)、 本研究で設定した St.合流点においてはそのような傾向は認められなかった。これは、 多くの場合、研究で設定している定点が河口域やより下流域であったことから、遡上初 期のアユについて観測していたということに対して、本研究では加入直前のアユについ て観測していたことの違いもあると考えられる。一方、高橋・新見(1999)の矢作川 の研究では体長の時間的変化は小さかったと報告しており、本研究の結果と一致する。 高橋・新見(1999)によると定点の河川形態や河床の状態が大型のアユの生息に不向 きであったためとしており、今回のSt.合流点もそれと類似していると考えている。 また広瀬川においてSt.合流点よりもさらに下流域で行われた菊地(2007)の研究に よると、遡上魚の体長組成と季節の間に明確な関係性は見いだせなかったが、炭素・窒 素安定同位体比の測定により、体長が大きいアユは藻類食に転換してからの経過時間が 長く、中流域を滞留しながらゆっくりと遡上していくが、小型の個体は比較的短期間の うちに遡上するということを示唆している。このことを考慮すると、広瀬川においても 河口域までの遡上は体長の大きい個体から始まるかもしれないが、St.合流点までの遡 上の間に体長の違いによる到達時期の差はほぼなくなったため、見かけ上の体長組成は 時期を通じて変化しなかったと考えられる。 ところで、体長階級別の孵化日組成(図 12)をみると、遡上の初期においては早生 まれの個体ほど大型である。これは St.合流点が遡上の通過点であることから、遡上初 期においては早生まれで成長の良かったものから順に、St.合流点には停滞せずに通過 していくためと考えられる。このことは塚本(1988)の回遊の原則とも一致する。し かし、時期が遅くなるにつれ、早生まれでも成長の悪い個体や遅生まれでも成長の良い

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個体が増加し、孵化日による体長差は小さくなっている。これは河川への遡上を始めて から St.合流点までの間に孵化日の違い以外の要因、つまり、食性や生活様式の変化に 起因する要素が、成長に影響するようになったためと考えられる。また、回遊の原則に よると、遅生まれの個体は生息地間をゆっくりと移動する(塚本,1988)。Iguchi et al.(2005)でも小型のアユは標準的なサイズのアユが遡上を始めてもなお河口に留まっ ていることを示唆している。そのため遅生まれの個体は、早生まれで成長が良い個体よ りも長い間それらの要因の影響を受け、その間に成長差が大きくなっていったと考えら れる。 2. アユの成長と生活について St.郡山堰でのアユの体長は、孵化日の非常に早い個体や遅い個体を除けば、ほとん どの個体において体長と孵化日の関係は明瞭ではなく、孵化日の近い個体であっても 様々なサイズ組成を示すことがわかった。しかしこの一方で、体長組成の結果から、採 集ポイントごとにサイズ組成に特徴が見られることもわかった。そのため、淡水域にお けるアユの成長には、孵化日の違いよりも河川のさまざまな環境が関係していると考え られる。 河川における物理環境は空間的にはスモールスケール(数メートル程度)で大きく異 なり、さらに、時間的にも変動している。一方、アユも成長に伴い、生活の仕方を変化 させていくと考えられる。 そこでアユの成長について生活の仕方や環境の特性との関係から考察を進めていく ことにする。 アユにとってサイズの違いは生活様式と密接に関係してくる。まず、体長の違いによ って遊泳力も異なるため、小型の個体は河川の流速によっては生息範囲が制限される。 またアユのサイズの大小によって藻類を食む力に違いがあり、サイズによって胃内容物 の藻類組成や量に違いが見られるという報告もある(深見ら1994)。生活様式について も、川那部(1957)はアユの密度が低い場合、なわばりを持っているアユと持ってい ないアユの体長は二つの等級に分かれるとしている。 ここでアユの生活の仕方(群れを形成しているのか、定住しているのか)を生息密度 (CPUE)から考察してみる。標識放流実験において、実験魚採集のために行った 1 日目 のCPUE と、再捕獲のために行った 2 日目の CPUE とを比較することにより、短期間 の生息密度の変化を推察してみる。すなわち、1 日目と 2 日目の CPUE が大きく変化 していたならば、アユは高い移動性を持ち、群れとして行動していることを示唆する。 これに対して、1 日目と 2 日目の CPUE の変化が小さい場合には、アユは定住してい る可能性が高いと予測される。 さらに、同じ調査ポイントで行われた 6 月の標識放流実験(第 1 回)と 7 月の標識 放流実験(第2 回)の結果を比較することは、長期的な変化について考察できる。 以上のことを踏まえ、体長組成の特徴と生息密度の変化から、ポイントごとにアユの 特徴を表4 に示した。 P3(早瀬)は遡上期初期から定着期までの長期間にわたり、大型の個体が定着して生活

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するのに適した環境であると考えられる。6 月においては、安定して大型の個体が採集 されており、早い段階から大型の個体が定着していたと推測できる。7 月においては日 によって体長組成が大きく変化したが、これは水深が深くなったことにより投網による 採集が困難で、採集個体数が少なかったためと考えられる。目視による観察では、7 月 の2 日目に大型の個体が定住しているのが確認されている。そのため、7 月においても P3 は大型の個体が定住する環境であると推測できる。また、P3 には堰の切欠き部から の越流が流れ込むため、常に早い流速を保っていると考えられる。そのため今後も土砂 の堆積などは少なく、現在の物理環境は長期的に保たれると推測できる。また、庄子 (2008)のデータによると、P3 における付着藻類のクロロフィル a 量の現存量や増加 量が高いことが分かっており、これらのことが大型の個体の成長を支えている可能性が 考えられる。 P2(よどみ)は 6 月から 7 月の間に生息するアユのサイズ組成と生息密度が変化した。 6 月においては中型から小型の体長組成で、日によって僅かながら変動が見られた。ま た生息密度も日によって変動しており、P2 には中型から小型のアユが群れで出入りす るものと考えられる。また図48 から、6 月における小型の個体の成長が良い傾向が見 られているが、庄子(2008)によると P2 におけるクロロフィル a の現存量は低く、増 加量も低い。このことは、P2 の下流にある餌場となる A のような場所(図 26)と隣接 する流速の緩やかな場所(図 24)の存在が遊泳力の弱い小型の個体の成長に適してい るものと考えられる。しかし、7 月においては大型から小型までサイズ組成が幅広く、 日によって小型の個体が増加した。このことは、群れで生活する小型のアユと、群れの 中から河床にわずかに存在する大型の石に定着して生活する大型のアユも分布するよ うになったと考えられる。 P4(平瀬)は 6 月から 7 月の間の河床の変化に伴って、生息するアユの特徴は変化した と考えられる。6 月における P4 の体長組成は St.郡山堰全体と類似しており、1 日目も 2 日目も幅広い組成を示した。しかし生息密度は日によって変動していた。このことか ら、6 月の場合、様々なサイズのアユが群れで出入りをしていたと考えられる。また 7 月になると中型から大型の個体が採集され、生息密度は安定していた。このことから、 P4 では 6 月から 7 月にかけて水深が深くなり、底質が大きい石へと変化したため、P3 のように定着する個体が増加したと考えられる。 P1(とろ)では 6 月から 7 月の間を通じて群れで生活するアユが多いと考えられる。6 月における体長組成の範囲は、St.郡山堰全体の体長組成と類似しており、幅広いサイ ズ組成がみられた。また生息密度も低く安定していた。7 月になると体長組成は小型で 安定していたが、生息密度は日によって変動した。したがって、St.郡山堰全体の体長 組成を反映していたことや、6 月から 7 月にかけて環境の変化はほとんど見られなかっ たことを考慮すると、P1 では 6 月には遡上してきたアユにとっての通過点としての役 割が大きく、他のポイントへの群れアユの供給源となっていると考えられる。また6 月 から7 月にかけて、短期間の生息密度の変動が大きくなったことから、7 月になるにつ れ小型魚を中心とした群れとしての集合が強くなり、広い範囲を移動しながら生活する ようになると考えられる。

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また、図48 をみると 7 月においてはポイントによって体長の分布に違いがみられる が、体長の違いやポイントの違いでは成長率に差は見られない。また肥満度組成(図 40)を見てもポイント間で差は見られなかった。このことは、物理環境や基礎生産力の 優劣など、環境の違いによって必ずしも成長が制限されているのではないと考えられる。 以上のことから、St.郡山堰においては物理化学的に条件の異なる環境(ポイント)に よって、生息するアユの体長や生活様式に特徴が見られた。 一方で川那部ら(1957)では、すみつく時期のアユの生息密度が高い時には淵もえ さ場として利用するということを示しているが、藻類の生産性が低いことから、一般的 に淵という環境がアユにとって瀬よりはよくない場所であることを示唆している。 しかし6 月から 7 月の間にみられた体長組成と生息密度の変化から考えると、基礎生 産力の低い環境に生息する小型の個体であっても、広い範囲を群れで移動しながら生活 することで淘汰されずに、基礎生産力の高い環境に生息する大型の個体と変わらない成 長率を示すことがわかる。つまり、アユが〝のぼり〟から〝すみつき〟へと移動性を変 化させるこの期間は(宮地1960)、生息する環境ごとに生活様式を選択し、環境に柔軟 に対応することで成長していくと考えられる。 また、アユの成長にとって最も基本的な要因であると考えられる孵化日の違いは、淡 水域でのアユのサイズにも影響しているものと考えられる。しかし、孵化日と体長の関 係は、河口域や下流域と比べると明瞭ではなくなり、上流域においては成長に合わせた 生息環境の選択がより重要な要因となっているのかもしれない。 3. 総合考察 本研究では、広瀬川におけるアユの加入時の生態と加入後の成長と環境との関係につ いて明らかにすることができ、アユの生産構造の一部を解明できたと考える。河口域を はじめ遡上期のアユを扱った多くの研究例にあるように、早生まれであることは早期に 遡上し(Tsukamoto et al. 1987、高橋 2005)、上流に多く分布するため(平野 1995、 高橋・新見1999)、成長に有利に働いていると考えられる。早期に上流まで遡上できる ことで得られるメリットは、上流域の良好な食物環境でより競争者が少なく、長い期間 にわたって成長を続けられるためと推測できる。本研究においても、ごく初期に孵化し た個体については大型である傾向が見られた(図45)。しかしそれらを除けば、これま で述べてきたように孵化日と体長に関係性はほとんど見られない。この原因は St.郡山 堰は遡上してきたアユの大部分が滞留しているという特殊な環境であることも要因の 一つと考えられる。このような場所では、早生まれが他の孵化時期の個体と比べて日齢 の高いためにサイズが大きいというだけで、早期に遡上するメリットは少ない。そのた め今回の結果のように孵化時期と成長の関係は小さく、生息環境との関係性がより重要 になったと考えられる。 アユと河川における生息環境の関係を考えたとき、特に St.郡山堰のように生息密度 が高く、生活空間や食物といった資源が限られる環境では、アユの柔軟な環境への対応 力が、スモールスケールで物理条件や基礎生産力の異なる環境を有効に利用するための 重要な要因となっていると考えられる。一方では、条件のことなる環境が存在すること

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がまたアユの多様性を生じさせ、柔軟な対応力を生むことにつながると考えられる。こ のことはアユの生産向上を目指す際にも、また、河川の改修をしたり、他の利水との調 整を図る際にも重要な視点であるかもしれない。 また、広瀬川におけるアユの生産向上のためには、人工構造物が存在することによる 影響も考慮しなければならない。熊谷ら(2006)によると水たたきに進入したアユの 肥満度は低く、高密度の滞留による餌不足と推測している。本研究においても7 月には 低い肥満度を示した(図 39)。そのため、P5 水たたき上におけるアユの栄養状態は著 しく悪いことがわかる。それに加え、P5 においては堰を超えようと飛び跳ねる遡上ア ユを捕食する鳥類が多く観察されており、鳥類による遡上アユの食害も広瀬川のアユ資 源に大きな影響を及ぼしていると考えられる(図 49、50)。 広瀬名取川漁業協同組合によると2007 年の広瀬川への人工孵化アユ種苗の全放流量 は1100kg で、本研究での定点に最も近い放流場所は St.愛宕堰の上流に 100kg 放流さ れている。また、2007 年 7 月に St.郡山堰全体で採集されたアユの約 40%、P5 水たた き上では約 50%ものアユが放流魚であった。これらは上流に放流された人工孵化アユ が増水などにより流下し、再遡上を阻まれて滞留しているものと考えられる。このこと は、アユは河川で生活する上で大規模な増水への対応が必要で、そのためにはある程度 の連続した流程の長さが必要であることを示唆しているのかもしれない。 一方では改善策として、2007 年に郡山堰左岸側へ仮設魚道の建設が行われた。宮城 県内水面水産試験場(2007)による報告では、2007 年は St.愛宕堰において例年以上 に天然魚が採集されたことを報告している。また、本研究においても標識放流実験によ って、St.郡山堰の P1 から St.愛宕堰までの遡上が確認されている(表 3)。そのため、 仮設魚道の設置によって、アユの遡上は明らかに向上しているものと推測できる。また、 アユが魚道の入り口を見つけることが出来れば、2 日間という短期間のうちに上流まで 遡上するということも示している。 しかし現状としては、2007 年 7 月の P5 水たたき上における CPUE は非常に高く、 依然として水たたきの上でアユの遡上が滞留していることが確認されている。7 月にお ける肥満度も低く(図40)、成長にも影響を及ぼしていると考えられる。仮設魚道の設 置によってアユの遡上状況は向上したが、十分な改善にまでは至っていないと考えられ る。また、放流魚の滞留も多くみられていたことから、天然遡上アユだけでなく放流ア ユにとっても減耗の一因になっていることが推測される。 今後は郡山堰まで遡上するアユをどのようにして水たたき上に進入させずに、魚道ま で誘導するかが重要な課題となる。また、増水によるアユの流下量と流下範囲を明らか にするとともに、放流場所や放流量の見直しが必要である。 最後に、本研究では、最終的に淡水域で生活するアユのサイズを決定づける要因が何 であるのかは明らかにできなかった。孵化日の違いという要素は大きいものの、今回示 された結果を考えると、河川での生活を始めるまでのどこかで別の要因が影響している ためと推測できる。菊地(2007)によると、遡上稚アユの櫛状歯への生え換わりも個 体差が大きく、完全に生え変わるまでも約45 日齢以上の開きがあることが分かってい る。どのようなきっかけで食性が変化するのかは不明であるが、おそらくこの時に第二

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の成長を決定する要因が生まれ、そこから新たな成長をめぐる競争が始まるのではない かと推測している。そのためには今後、St.合流点から河口域にかけて詳しく調査し、 耳石のSr/Ca 比の履歴などから河口域での滞留時間や淡水域への遡上時期を割り出し、 安定同位体比による長期的な食性の変化と組み合わせることで明らかにできるかもし れない。アユという魚は生活史の変異が非常に大きい魚であるといわれているが、その 変異を引き起こす要因の一端を明らかにすることは、アユ資源の向上を目指す上でも非 常に重要であると考えられる。

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究科修士論文.2007. 熊谷明、三品祐輔、伊藤絹子.2004∼2005 年の広瀬川における天然アユおよび人工放 流アユの分布状況.宮城県水産研報. 2006; 6: 65-70. 楠田理一.海産稚アユの遡上生態―Ⅱ 大雲川における遡上群の季節的変化.日水誌. 1963; 29(9): 822-827. 中村誠.久慈川産アユの生態について.茨城県内水面水産試験場報告.1980; 17: 39-46. 宮城県内水面水産試験場.平成19 年度 広瀬川におけるアユ遡上状況.宮城県内水面 水産試験場.2007. 宮地伝三朗. アユの生活史.アユの話.岩波新書.東京.1960; 77-140. 水野信彦、川那部浩哉.なわばりの密集した地域におけるアユの行動.日生誌.1957; 7(1): 26-30. 田子泰彦.富山湾の湾奥部で成長したアユ稚魚の河川への回遊遡上.日水誌.2002; 68(4): 554-563. 高橋勇夫. 四万十川河口域におけるアユの初期生活史に関する研究. 高知大学海洋生物 教育研究センター研究報告. 2005; 23. 高橋勇夫、東健作.アユの四季.ここまでわかったアユの本.築地書館.東京.1-131. 高橋勇夫、新見克也.矢作川におけるアユの生活史‐Ⅱ 遡上から産卵・流下までの生 態.矢作川研究.1999; 3: 247-267. 戸井田伸一.アユの鱗による産地判別法.アユ資源研究部会研究報告書(平成12 年度). 2001; 46-47.

Tsukamoto K. and Kajihara T. Age determination of ayu with otolith. Nippon

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(27)

塚本勝巳. アユの回遊メカニズムと行動特性. pp100-133.in 上野輝彌・沖山宗雄, 編. 現代の魚類学. 朝倉書店, 東京.1988.

Ⅵ 謝辞

本研究を進めるにあたり、研究全体において終始的確なご助言と温かいご指導を下さい ました東北大学水圏資源生態学分野教授 南卓志先生、同准教授 佐々木浩一先生に深く御 礼申し上げます。また、生物生産情報システム学分野教授 鈴木徹先生には本稿の校閲を していただくとともに多くのご指導をいただきました。深く感謝申し上げます。 また、研究を進めるにあたり、水圏資源生態学分野助教 伊藤絹子先生には、多くのご 指導とご協力を頂きました。また、本研究に用いたサンプルの採集におきましては、広瀬 名取川漁業協同組合の宍戸宗氏、守屋信男氏に多くのご協力をいただきました。本研究で おこなった標識放流実験においては、井筒釣具店様、菅野釣具店様には、遊漁者への周知 や情報提供といった深いご理解とご協力をいただきました。厚く御礼申し上げます。 宮城県内水面水産試験場の熊谷明氏、谷合祐一氏には多くの貴重なサンプルやデータを 提供していただきました。また水圏資源生態学研究室の先輩、同輩、後輩のすべての仲間 達には惜しみない協力と励ましをいただきました。心より感謝申し上げます。

(28)
(29)

24

図2 a St.郡山堰における調査の定点

(30)

表1  St.郡山堰内に設けた調査ポイントの概要 表2  標識放流実験 における放流個体数、再捕個体数

∼25日

7月24日

175

1/117

6月11日

206

2/249

∼13日

放流個体数

再捕個体数

小礫

-浅

-P6

底質

大礫

水深

平瀬

水たたき上

流速

区分

-よどみ

早瀬

    標識個体数/全捕獲個体数

P1

テトラ帯

-P3

P2

P5

-P4

(31)

表3 標識放流実験における標識アユのポイント間の移動 ; 再捕した個体 ; 目視により確認した個体     矢印の本数は個体数を示す 放流ポイント 再捕ポイント DATE 6月11日 6月13日

P1

P1

P2

P2

P3

P3

P4

P4

P5

P5

P6

P6

仮設魚道

DATE 7月23日 7月24日 7月26日

愛宕堰

P1

P1

P2

P2

P3

P3

P4

P4

P5

P5

P6

P6

(32)

表4 2007年6月と7月にSt.郡山堰で行わた標識放流実験のアユのサイズ組成と 生息密度の結果を基に推定したアユと生息場の特性の関係 1日目 2日目 1日目 2日目 アユのサイズ 中 → 中 小 → 小 短期的スケール 生息密度 低 → 低 高 → 低 短期的スケール 長期的スケール アユのサイズ 中 → 小 幅広い組成 → 小が増加 短期的スケール 生息密度 低 → 高 中 → 中 短期的スケール 長期的スケール アユのサイズ 大 → 大 大 → 小 短期的スケール 生息密度 高 → 高 低 → 低 短期的スケール 長期的スケール アユのサイズ 中 → 中 中 → 大 短期的スケール 生息密度 低 → 高 中 → 中 短期的スケール 長期的スケール P4 安定 変動 変動 安定 安定に向かう P3 安定 変動 安定 安定 安定 P2 変動 変動 変動 安定 安定に向かう 6月 7月 P1 安定 安定 安定 変動 変動に向かう

(33)

27 図6 St.合流点におけるCPUEの推移(2006年) 図7 St.合流点におけるアユの孵化日組成(2006年)  0 2 4 6 8 10 12 5月1日 5月15日 5月29日 6月12日 6月26日 7月10日 7月24日 採集日 C P U E   個 体 / 投 0 5 10 15 20 8 月 3 0 日 9 月 1 0 日 9 月 2 0 日 9 月 3 0 日 1 0 月 1 0 日 1 0 月 2 0 日 1 0 月 3 0 日 1 1 月 1 0 日 1 1 月 2 0 日 1 1 月 3 0 日 1 2 月 1 0 日 1 2 月 2 0 日 1 2 月 3 0 日 1 月 1 0 日 孵化日 個 体 数

(34)

28

  図2 c P2  よどみ 図2 d P3  早瀬

(35)
(36)

図 3     広 瀬 川 に お い て 採 集 さ れ た ア ユ の 扁 平 石 左 図 ; 正 常 個 体     右 図 ; 中 心 部 は 輪 紋 数 の 計 測 が 可 能 だ が ( a) 、 周 辺 部 は 透 明 で ( b ) 、 輪 紋 数 の 計 測 が 難 し い

(37)

図4 成長率の算出に用いた耳石半径の測定位置

       R; 耳石半径   R'; 輪紋10本分の長さ

(38)

32 図8 St.合流点における採集月別アユの孵化日組成 (2006年)   5月採集 0 2 4 6 8 10 個 体 数 6月採集 0 2 4 6 8 10 7月採集 0 2 4 6 8 10 8 月 3 0 日 9 月 1 0 日 9 月 2 0 日 9 月 3 0 日 1 0 月 1 0 日 1 0 月 2 0 日 1 0 月 3 0 日 1 1 月 1 0 日 1 1 月 2 0 日 1 1 月 3 0 日 1 2 月 1 0 日 1 2 月 2 0 日 1 2 月 3 0 日 1 月 1 0 日 孵化日

(39)

33 図9 St.合流点におけるアユの採集月別体長組成(2006年) 5月採集 0% 10% 20% 30% 40% n=238 頻 度 6月採集 0% 10% 20% 30% 40% n=162 0 20 40 60 80 100 120 S L   m m 7月採集 0% 10% 20% 30% 40% 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 SL (mm) n=36

(40)

図10 St.合流点におけるアユの平均体長の推移(2006年)  (バーは標準偏差を示す) 34 図11 St.合流点におけるアユの平均肥満度(CF)の推移(2006年) (バーは標準偏差を示す) 9 10 11 12 13 14 5月11日 5月21日 5月31日 6月10日 6月20日 6月30日 7月10日 7月20日 採集日 C F 5月採集 0% 10% 20% 30% 40% 頻 度 9月生まれ 10月生まれ 6月採集 0% 10% 20% 30% 40% 9月生まれ 10月生まれ 11月生まれ 7月採集 0% 10% 20% 30% 40% 9月生まれ 10月生まれ 11月生まれ

(41)

図12 St.合流点におけるアユの体長階級別の孵化日組成(2006年) 35 図13 St.郡山堰における天然アユと人工孵化アユの比率(2006年) 図14 St.郡山堰におけるCPUEの推移 (2006年) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 5月 6月 7月 8月 9月 採集月 割合 人工孵化 天然

0

20

40

60

80

100

120

5

1

1

5

2

1

5

3

1

6

1

0

6

2

0

6

3

0

7

1

0

7

2

0

採集日

C

P

U

E

/

郡山堰下 郡山堰水たたき上

(42)

36 6月採集 0 5 10 15 5月採集 0 5 10 15 個 体 数 7月採集 0 5 10 15 全体 (5月から7月の合計) 0 5 10 15 20 25 日 日 日 日 日 日 日 日 日 日 日 日 日 日 日

(43)

図15 St.郡山堰における採集月別アユの孵化日組成(2006年) 37 図16 St.郡山堰における採集月別アユの体長組成(2006年) 5月採集 0 5 10 15 20 25 30 個 体 数 6月採集 0 5 10 15 20 25 30 8 月 8999月 1 0 月 1 0 月 1 0 月 1 1 月 1 1 月 1 1 月 1 2 月 1 2 月 1 2 月 1月 孵化日 7月採集 0 5 10 15 20 25 30 5 0 60 70 80 90 1 0 0 1 1 0 1 2 0 1 3 0 1 4 0 1 5 0 1 6 0 1 7 0 1 8 0 1 9 0 2 0 0 2 1 0 SL (mm)

(44)

38 図17 St.郡山堰におけるアユの平均体長の推移(2006年)  (バーは標準偏差を示す) 9 10 11 12 13 14 5 月 2 3 日 6 月 2 日 6 月 1 2 日 6 月 2 2 日 7 月 2 日 7 月 1 2 日 7 月 2 2 日 採集日 C F 0 30 60 90 120 150 180 5 月 2 3 日 6 月 2 日 6 月 1 2 日 6 月 2 2 日 7 月 2 日 7 月 1 2 日 7 月 2 2 日 採集日 S L   m m

(45)

39

5月採集

0

5

10

15

20

9月生まれ

10月生まれ

11月生まれ

6月採集

0

5

10

15

20

7月採集

0

5

10

15

20

(46)

図19 St.郡山堰におけるアユの体長階級別の孵化日組成(2006年) 40 図20 広瀬川におけるアユの孵化日組成(2006年)   上段;合計  下段;定点別 合計 (St.合流点とSt.郡山堰) 0 5 10 15 20 25 30 35 個 体 数 0 5 10 15 20 25 8 月 2 0 日 8 月 3 0 日 9 月 1 0 日 9 月 2 0 日 9 月 3 0 日 1 0 月 1 0 日 1 0 月 2 0 日 1 0 月 3 0 日 1 1 月 1 0 日 1 1 月 2 0 日 1 1 月 3 0 日 1 2 月 1 0 日 1 2 月 2 0 日 1 2 月 3 0 日 1 月 1 0 日 孵化日 St.合流点 St.郡山堰

(47)

41 図21 広瀬川における定点別のアユの平均体長の推移(2006年) (バーは標準偏差を示す) 図22 広瀬川における定点別のアユのCPUEの推移(2006年) 60 80 100 120 140 160 5 月 1 1 日 5 月 2 1 日 5 月 3 1 日 6 月 1 0 日 6 月 2 0 日 6 月 3 0 日 7 月 1 0 日 7 月 2 0 日 採集日 S L   (m m ) St.合流点 St.郡山堰

0

10

20

30

40

50

5月11日 5月21日 5月31日 6月10日 6月20日 6月30日 7月10日 7月20日

採集日

C

P

U

E

St.合流点 St.郡山堰

(48)
(49)

図23 St.郡山堰における調査ポイント別の水深と流速(2007年)    上段;6月   下段;7月 6月 P1 P2 P3 P4 P5 P6 0 20 40 60 80 100 120 140 水 深     c m 7月 P1 P2 P3 P4 P5 P6 0 20 40 60 80 100 120 140 流速 100cm/s 50cm/s 10cm/s

(50)

図 2 4 S t. 郡 山 堰 に お け る 流 速 ( c m / se c )の 分 布 (2 0 0 7 年 9 月 )

(51)

図 2 5 S t. 郡 山 堰 に お け る 水 深 ( c m ) の 分 布 ( 2 0 0 7 年 9 月 )

(52)

図 2 6 S t. 郡 山 堰 に お け る 底 質 の 分 布 ( 2 0 0 7 年 9 月 )

(53)

図27 St.郡山堰における天然アユ-人工孵化アユの比率(2007年) 上段;6月   下段;7月

6月

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 個 体 数 人工孵化 天然

7月

0 5 10 15 20 25 30 35 P1 P2 P3 P4 P5 P6

(54)

図28 St.郡山堰における採集ポイント別のCPUEの変化(2007年) (1日目は標識放流実験用としての採集日、2日目は再捕獲日を示す) 6月 0 5 10 15 20 25 30 35 40 P1 P2 P3 P4 P5 P6 C P U E 1日目 2日目 7月 0 5 10 15 20 25 30 35 40 P1 P2 P3 P4 P5 P6 C P U E 1日目 2日目

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