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中学校技術科における関心・意欲・態度の評価に関する研究

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(1)中学校技術科における関心・意欲・態度の評価に関する研究 誠*1・中村. 尾崎. Development. of. a. in Technology. Makoto. 1. は. Method. 南治*2. for Assesslng. Education. Ozaki,. at. Affective. Junior High. Domain. School. Yuji Nakamura. じ め に. 教育課程審議会の答申1)を受け,学習評価は相対評価から目標に準拠した評価を-一一層重視する方 向に大きく舵を切ることとなった。生徒自身を値踏みし,生徒同士を比較し順位付けする評価作業 に慣れてきた教師は,体に染みついた評価の経験則を変えることに厳しさがあるo 学習評価は,指導と評価の-体化を目ざして,学ぶべきねらいである到達点を生徒自らが自覚す るとともに,題材学習の事前・過程・成果すべての学習活動において,自覚したねらいを目ざした 学習状況を自らが把握・修正・改善するため機能するものであるo学習評価の機能を考えるなら, E]標に準拠した評価を重視していく必要がある。. 平成、13年度まで学校で通常的に採用されていた相村評価では,観点別学習状況の評価「生活や技 術への関Jト意欲・態度」. (以下「関心・意欲・態度」と表示する)の観点は・生徒同士の学習行動. や態度を比較し順位付ける方法で評価しても,問題が表面にでることはなかった。しかし,目標に 準拠した評価になっても,相村評価時代の感覚が抜けきらず,授業で学力を育て,育てた学力を読 みとる学習評価本来の機能を逸脱した評価方法になっている実態がある。 例えば, 「忘れ物をしないで授業に参加する」 「私語なしに授業を聞く」. 「挙手回数が多い」など生. 徒が学ぶべきねらいの到達を意識した授業で育てていく学力とは関係ない一時的に表れた行動や態 度で評価する方法が,多くの学校で実践されているo 観点別学習状況の評価の趣旨を逸脱した実態は,目標に準拠した評価である「関心・意欲・態度」 の授業での育て方,育った力の読みとり方の実践研究が少ない上に,教師自身が新たな局面への舵 切りに対応したトレーニングができず,過去の経験則に即してできる方法をとらざるを得ない状況. が原因にあると考えられる。. [研究のねらい] 本研究では,俄術・家庭科の目標に準拠した評価である,観点別学習状況の評価における観点「関 心・意欲・態度」について,この学力を育てる指導構成の在り方と,育った学力を読みとる指針を 示し,生徒の学習に役立つ評価が可能な読みとり方法の提案をねらいにするo. ・1附属鎌倉中学校. *2前技術教育講座.

(2) 170. 尾崎. 裁・中村. 鉱治\. 【研究方法】 評価作業に関する理論的な指針について,評価規準の具体例2)に示された表記の分析,及び文献 調査から,観点別学習状況の評価の4観点における「関心・意欲・態度」の性格付けをする。これ を基に開発した指導構成及び読みとり方法を授業実践で検証し,その有効性を探る。. 観点別学習状況の評価における「関心・意欲・態度」. 2 2-. 1. 評価規準の作成,評価方法の工夫改善のための参考資料(中学校)の分析. 「関心・意 学習の到達度を客観申に評価するための参考となる評価規準の具体例2)の分析から, 欲・態度」の性質や飽観点との関連性を明らかにしたo. 2-1-1. i. 「関心・意欲・態度」と他の3観点との重なり. 「関心・意欲・態度」の技術分野における評価規準の具体例2)紘,すべて『-に関心をもち』 しようとしている』という構造で表記されている(図1)0. 節-に関心をもち・』の部分ほ,観点の趣. 旨に沿い,技術に関する事柄に関心をもつ土とが規準として示されている。 の部分は, 「生活を工夫し創造する能力」 ぞれ以下「工夫し創造」. 『-. 『-しようとしている・』. 「生活の技能」 「生活や技術についての知識・理解」. (それ. 「技能」 「知識・理解」と表示する)に関連のある行動で示されているo. こ. れは,観点の趣旨にある「生活をよりよくするために知識と技術を進んで活用しようとする」姿を 具体的に示したものであると考えられるo 従って,. 「関心・意欲・態度」は「工夫し宕弓造」. ない性質を持つことがわかるo同時に,. 「技能」 「知識・理解」と重なり,完全に分離でき. 「関心・意欲・態度」は他の3観点を伸ばす情意的基盤とな. り,すべての学習活動を支える推進力になると考えた。. 生活や産業の中で用いられている技術. 生活を向上させるための製作品を構想すること 加工技術 製作に使用する機器の仕組み 身のまわりのエネルギー 草花や野菜等 コンピュータ等の情報機器や情報通宿ネットワーク及 び情報手段の果たしている役割 コンピュータの基本的構成及びソフトウェアの機能 応用ソフトウェアの特徴と利用方法 情報通信ネットワーク マルチメディア. コンピュータを用いたプログラム. く上記の表記について>関心をもち. 図1. 「関心・意欲・態度」の技術分野における評価規準の具体例2)の表記の構造.

(3) 中学校技術科における関心・意欲・態度の評価に関する研究. 171. 「工夫し創造」と「知識・理解」及び「技能」との重なり. 2-1-2. 教科目標は, 「生活に必要な基礎的な知識や技術」を習得し,それを生かして「生活を工夫し創造 「工夫し創造」は,課題に応じて知識 する」ことを求めている。評価規準の具体例2)を分析すると, や技術を組み合わせたり,これらを生かし新たな具体物を生み出す能力と解釈できる3)o 「知識・理解」や「技能」と「工夫し創造」には強い関連性があるといえる。. このことから,. 2--1-3. 4観点の関連性. 「関心・意欲・態度」は学習の入口や出口にあたるとともに,他の3. 2-1-1で述べたように,. 観点を伸ばす情意的基盤となる。また,. 「工夫し創造」 「知識・・理解」 「技能」が高まることで・将来. の技術への関心や,実践的な態度の育成につながるo2-1 -2で明′らかになった点も考慮すると・ 「関心・意欲・態度」を三層で捉えると他観点との重なりの関 4観点の関連性は図2のようになる。 連性が明確になる。. 「関心・意欲・態度」は,学習成果を生活で活用していく教科の最終目標の--一っ. であり,学習活動を通して育成すべき学力であるといえるo. 第三層. 関心・意欲・態度. 注:「工夫し創造」. (学習活動の出口). Lこついては,新たに必要となる「技能」や「知識・理解」も加わる 図2. 「関心・意欲・態度」と他の3観点との関連性. 先行研究から明らかになった,. 2-2. く醸成された力として生活へ活用 していく「関心・意欲・態度」>. 「関心・意欲・態度」の性質. 「関心・意欲・態度」を学力として捉え,学習を通して育て,その学習状況を把握するために, 先行研究から「関心・意欲・態度」の性質を明らかにしたo特徴をつかむことで・明確なねらいを 持って計画的に指導することができ, 「関心丁意欲・態度」の学力の学習状況を把捉し評価すること ができる。. 2-2-1情意領域の学力 教育目標のタキソノミ-1'における3領域(情意領域,認知領域,精神運動領域)と,観点別学 「関心・意欲・態度」は生徒 習状況における評価の4観点との対応を検討すると表1のようになり, の内面にある情意領域の学力であると捉えることができるo生徒の内面の学習状況は,直接つかみ にくく読みとりにくいため,育っていく学力を捉えるのが難しいo.

(4) 172. 尾崎. 誠・中村. 蕗冶. 表1領域と技術科における各観点との対応 領域卓). 観点. 特質. 情意領域. 1軌L,.意欲」態度. 心情や気持ちの方向性 心情が表出した療度.行動. ・-しようとしている.. 頭脳での思考活動,.廟的活動, 記憶活動. .考える,判断す.る 知る,わかる. 認知領域. 工夫し創造 知識.理解. 精神運動領域. 手足を使う.身体的活動.. 技能. 行動目標で示す評価規準z■) -に関心をもち. 横磯-,擁器■.,道具等を使い できる. 「関心・意欲・態度」の育て方・読みとり方. 2-2-2. 先行研究で分かった「関心・意欲・態度」の性質を基に,次の方針を明らかにした。 ①. 学習の積み重ねにより少しずつ醸成される 情意面の学力は,学習の積み重ねにより,風船が膨らむように少しずつ育つ5)ため,学力形 成にはかなりの時閑を要するf与)oこ0)研究では,少しずつ育ち学力形成されていく力を「醸成」 と称したoそこで,. 「関心・意欲・態度」を醸成するには!生徒への働きかけをくり返し,外発. 的動機付けによって生徒の内面を刺激し,生徒自らが学力彰成していく内発的動機付けに転換 させていくよう指導する必要がある毛≦). ②. 方向目標でねらう学力が示される 情意面の性質上,学習の到達点は個人差が大きいとともに,到達の姿も多様7)であり,達成. 点を具体的に示すことが困難である.そこで,「関心・意欲・態度」の中らいは,学習の方向や 生徒に期待する心的傾向を,方向目標8)で示す必要があるo ③. 内面の学習状況が記載に表出する. 教科学習-め関心は言言吾的態度でありf'),生徒の思考や態度や儀偉観の評価には論文体がも っとも妥当しているfりoっまり「関心・意欲・態度」の学習状況は記載に表出しやすい特徴を 持つ。そこで,生徒の情意面の変容を長期的に蓄積した記載内容の変容から,間接的に読みと る方法を採用する必要があるま毛j∋. 2-3. 「関心?意欲・態度」の授業実践の基本的な考え方. 文献調査で明らかにした性質を生かし,. 「関心・意欲・態度」の学力を育てる授業を実践するため. の基本的な考え方を提案するo・ ①. ねらいの方向を示す 「関心一意欲・態度」の学力には儀大差が大きく,具体的な到達点を示すことは困難であるo そこで,. 「関心事意欲・態度」のね,らいを,表2のように方向目標により示すこととする.ねら. いに向かう生徒の姿は多様であるため,記載にある「ねらいに向かう方向」及び「ねらいに向 かう探さ」の状況を,個人内の変容から読みとる。 表2. 技術科(技術分野)における方向目標の例. 材料への関心,加工法への関心,インターネット-の関心,ものづくりへの関心,技術 への関心,将来の新しい技術への関心,安全に対する態度,学んだこ七を生かす態度.

(5) 173. 中学校技術科における関心・意欲・態度の評価に関する研究. 授業では,ねらいの方向を示すとともに,ねらいに向かう姿を具体的に示すことが必要であ る。例えば『材料への関心』の方向に向かった姿は, 「授業で学習した材料を探すようになった」 「学習していない材料を調べ知識が増えた」 「各種材料を比較しながら,材料の性質を考えた」 「材料の特徴を考えながら製品を扱うようになった」などがあげられる。. ②. 内面で琴成される学力を育てる 教師の間接的な働きかけを継続することで,生徒の内面で風船を少しずつ膨らませていくよ うに少しずつ醸成される学力を育てる。ねらう方向に到達した「関心・意欲・態度」は,知識. や技術の習得につな声音る基盤となり,生活に生かす態度や・将来の技術への関心などに る。. (例えば授業態度,挙手・発言,提出物等)は,. 授業で一時的に表出する「 関心・意欲・態度」. 長期的に醸成される「関心・意欲・態度」とは性質が異なり,両者を混同しないほうがよい7)o. ③. 個人内の長期的な変容を読みとる 内面が記載に表出しやすい性質を生かし,学習前後の記載内容の変容を読みとるoねらいに 向かう変容が記載に表れれば,. 「関心・意欲・態度」の学力が醸成されたとみなすことができるo. 変容の様子は個人で異なるため,個人内評価で読みとる。 また,長い時間をかけ少しずつ醸成されていくため,変容の読みとりは,題材毎,学期・学 年毎の長いスパンが必要である。長期的スパンで記載内容を読みとれば,個人内の変容が見え やすく,読みやすくなる。. ④. 「関心・意欲」 「関心」. 「態度・意欲」で組み合わせる. 「意欲」. 基準の具体例では,. 「態度」を分離することで,ねらう方向が明確になる。学習指導要領や評価 「関心」と「態度」を区別していることが多い。. している」などの表現は「意欲」にあたり,. 「進んで」や卜しようと. 「関心」 「態度」の動機付けとしてすべての学習活. 動に関わる原動力である。. 「関心・意欲・態度」の学力を,. そこで,. 「関心・意欲」と「態度・意欲」で組み合わせるこ. 「関心・意欲」は,学習活動で徐々に醸成されて育つ技術への関心,知識や技術を 「態度・意欲」は, 「知識・理解」 「技能」 「工 高める意欲,将来の技術への関心のように捉えるo とにした11)0. 夫し創造」 「関心・意欲」の到達によってみなす1‖ことにする。そこで,まずは「関心・意欲」 を育て,その醸成の状況を読みとる方法を実践することが求められるo. 2-4. 「関心・意欲」の指導構成と読みとりの提案. 2-3で示した基本的な考え方と,平成16年度の試行授業(3章で示す実践校A)から判明した基 本的な考え方を基に,. 「関心・意欲」を醸成させていく指導構成や醸成した学力の読みとりの具体的. な構想について提案する。. 2-4-1. 「関心・意欲」の指導構成. 授業で「関心・意欲」を醸成していく指導構成を図3で示すよう提案するo.

(6) 174. 尾崎. 図3. 誠・中村・蕗治. 「関心・意欲」を醸成する指導構成. 「関心・意欲」の醸成とは,ノ教師の直接的な指導で育つのではなく,. 「技能」や「知識・理解」及. び「工夫し創造」の到達を日ざす学習活動と関連のある様々な-一骨性のある間接的な働きかけによ り,風船が少しずつ膨らんでいくようtに生徒自身の力で育つのであるo 「関心二意欲」は,学習用ノートに記載する学習活動による働きかけを適して補強・深化されな がら生徒の内面で醸成されていく。すなわち,. 図4. 「関心・意欲」,を育T<る,. 「関心・意欲」は学習活動で育つ力なのであるo. -骨性ある「軸」と働きかけの「窓口」. 働きかけは,方向目標『生活や技術についての関心』では,具体性がなく生徒に届かない恐れが ある。そこで,図4のように下位目標として『材料』を「軸」に設定し,授業で学習内容と関連し た「窓口」により具体性のある働きかけをするo試行授業では,働きかけに--一貫性をもたせること で,生徒の情意面の形成過程における「ぶれ」をなくし醸成を促すことが分かった。 「窓口」により,生徒の書く・開く・見る・触れる・手を使うなど様々な感覚を生かす働きかけ が有効であると考えたo・ 「軸」に一貫性を持たせるには,働きかけの「窓口」の背景にある,教師の教科観・指導方針や 教材観などにぶれが無いことが大切である。教科戟・指導方針や教材観などは,偏った私的感情で なく,教科のねらいに沿い十分に練られた普遍的なものでなくてはならない0 ---Bi-i8性ある「軸」とは,「授業で,無意識に・いつも・たくさん使う言葉,ノートに記載され数多 『材料』以 く出現するキーワード」や教師の技術への思い・こだわりから具体化できるものであるo.

(7) 175. 中学校技術科における関心・意欲・態度の評価に関する研究. 外に『加工法,エネルギー,機能,丈夫な構造,安全,コンピュータ,ソフトウェア,ネット上の 安全,ハードディスク』などが例としてあげられる。. 2-4-2. 「関心・意欲」の学習活動と変容の読みとりの提案. 「関心・意欲」は,主として「技能」や「知識・理解」及び「工夫し創造」を養う学習活動の中 で間接的で計画的な働きかけにより,長期にわたり生徒の内面で少しずつ醸成される力である。醸 成された内面の力を読みとるには,一瞬の行動や態度では誤差を生ずるし,. -授業で40人の生徒の. 内面の学習状況の資料を正確に収集することができない。 「初発の気づきや感想」, ② 「各授業をふり返った感想の蓄積」,. そこで,図5に示す①. 最終段階の学習のまとめ」の3種類の記載欄を学習用ノートに準備する。. ③ 「学習. 3種類の記載欄の機能は,. 図2で示した第一層(学習活動の入口)が①「初発の気づきや感想」,第二層(学習活動の展開)が②「各 授業をふり返った感想の蓄積」,第三層(学習活動の出口)が④「学習のまとめ」にそれぞれ該当する。 学習用ノートは,記録を通して,. 「関心・意欲」を醸成していく学習活動にもなっている。. 醸成した学力は,準備した学習用ノートに記載された①. 「各授業を 「初発の気づきや感琴」と③. ふり返った感想の蓄積によりできた学習最終段階の学習のまとめ」の資料から,長期間に醸成され ていった変容の変化を個人内評価により読みとる。変容で読みとる方法は,個人差がある情意的性 格をもつ「関心・意欲」の力を評価事務に時間をかけずに客観的に評価する方法として,妥当性が あると考えた。 記載内容の変容から読みとる方法は,平成15年度の研究成果7)を基に平成16年度にA中学校で試 行授業した結果,生徒の内面に醸成された「関心.意欲」の力を客観的に読みとることができるこ とが分かった11)0. 図5 2-4-3・. 「関心・意欲」を醸成する学習用ノートの記載欄. 「関心・意欲」の読みとりの判定方法の提案. 「関心・意欲」は,方向目標に向かう個人の状況が多様であり,定まった規準で到達点を判定で きる他の3観点(工夫し創造は幅がある)と異なり,一つの物差しでは判定できない。. そこで,生徒の内面に醸嘩された力を読みとるため,記載内容の変容を「記載量の変化」「記載内 容の質の変化」 「情意面の変化」の3視点の物差しで読みとる方式を開発した。それぞれの物差しには, 図6のように,生徒のねらいに向けた方向性の個人差に対応するための幅がある。今回開発した読みと り方法は, 2回目の実践授業で,判定一致率が80.′6%となり11),授業実践での有効性が確立されたo.

(8) 尾崎. 17(). 読みとり. 誠・中村. 内容の質の向上. 記載豊の増減. 情意の記載の有無. 質の深まり. 蔓の広がり I. 療治. 】胤昏の高まり. +ー■■■■. -●●●●--I I ・-■■■. -ーI-ー一ー-◆■I●●●●I. ねらいの方向 (方向目標). 一 I. l■. I. t1. I 一. E). I. 蜘達 ヒなか-,た方([,i(;. 図6. ■■. -一一-I--. ねらいとずれた方向. 一-一一. I. 「関心・意欲」の読みとり方法. 「関心・意欲・態度」を育て評価する方法の実践. 3. 「関心・意欲」が醸成していく指導構成による授業実践を次に示すA-C校で実施し,. 「関心・意. 欲」が醸成され[=かを記載内容の変容で謹みとり検証したo 実践校A. :埼玉県所沢市立A中学校 平成16年度4-5月(実践1),岡6-7月(実践2),弼9月-12月(実践3). 実践校B 実践校C. 3-i. 平成16年度4-7月(実践4) :神奈川県相模原市立B中学校 平成17年度4-7月(実践5). :附属鎌倉中学校 「関心・意欲」が醸成される授業の姿. 3-1-1技術への関心を高めるガイダンス授業 3年間の最初に行う技術科の授業(ガイダンス授業)で,. 「技術」への関心を誘発するようにした. (表3)。いずれの実践でも,生徒に「技術って何だろう?」と投げかけることで,この教科の学習 内容に対する興味・関心を引き出すとともに,生活や社会で利用されている技術に関心を向けさせ ることを目的としたo. 授業初発では,イメ-ジが発散的であり,. 「技術」と開∨、ても何も思いつかないなど,生徒の反応. が様々であった。授業展開において,教室内や学校内,家庭や通学路の風景などを思い出しながら-, 技術に関係のあるもの(製品,乗り物,材料等)を見つけたo授業では扱わない時計,消火器,シ ャープづンシル,鉛筆削りなどに関心を示す生徒が多く見られた。生徒の感想では『技術ってこん なにたくさんあるとは思わなかった』 『技術が意外と身近なものだと気づいた』 『実は技術_が無いと 生きていけないのかなと考えた』の記載が見られた。 ガイダンス授業を行うことで,学習の内発的動機付けとしての「技術への関心・意欲」 ける第一層)の醸成を促しやすくなる_t考えられるo. (図2にお.

(9) 177. 中学校技術科における関心・意欲・態度の評価に関する研究. 表3 実践例. ガイダンス授業のテーマと内容 主な学習内容. 授業テーマ. 実践1. 技術室探検. 技術室のガイダンスを兼ねて,技術室内にある「技術」(工具,製品等)を探すo′終末では『技術ノつて何だろう』.と考えさせる○. 実践4. 学校探検. 校舎内を探検しながら,「技術」(技術の利用例,製品等)を探すo 学校内,家庭,通学路の風景を思い出しながら,そこにある「技術」. 琴嘩5. (技術の利用例,製品,乗り物等)を考えるo終末では『技術つて何. 技術を探そう. だろう』と考えさせるo. 3-1-2. 学習活動における「軸」と「窓口」の必要性. 一貫性のある継続的な働きかけを行う指導構成により「関心・意欲」の醸成がより確かなものに なることが,実践1-3の比較から分かった。 「コンピュータ-の関心」という「軸」を設定し,ロゴマ-′ク製作の学習を行った。 「軸」がぶれ働きかけに一貫性が無 しかし,授業者がコンピュータに苦手意識を持っていたことや・ 実践1では,. かったこと,知識注入型の学習で生徒に気づかせる場面が少なかったことなどが原因となり,生徒 の「関心・意欲」に大きな変容は見られなかった。 実践2では,. 「材料-の関心」という「軸」を設定し,キーホルダー製作の学習を行った()今度は. 授業者が得意な分野であり,授業内容や言葉かけなどに一貫性があり,生徒に着目させたい点や関 心を持たせたいことが明確であったo働きかけも具体的であり,生徒の関心の醸成の姿が目に見え て分かる授業だった。その結果,生徒の「関心・意欲」は大きな変容を見せ,知識の広がりだけで なく,概念が変化した生徒もいた。. 実践3では,実践2の分析をふまえ,学年を変えて再び「コンピュータへの関心」という「軸」 を設定し授業を行った。この実践では授業者も要領を得ており,一貫性のある継続的で具体的な働 きかけを行うことができた。その結果,生徒の「関心・意欲」は実践1に比べ大きな変容を見せた。 『加工法』『コンピュータ』のように具体的に 以上の実践の比較から,一貫性の「軸」を『材料』 表せば,あらゆる学習場面・学習環境を通じて,内容に一貫性のある「窓口」からの働きかけを行 うことができることが分かった。. 表4に,実践2. ・. ・4. 5で行った働きかけの「窓口」の例を整理したo表4の分析から,. 「関心・. 意欲」の醸成を促す間接的な働きかけは,次のような方法が有効であることが分かった。 「技能」 「工夫し創造」を学ぶ授業 「知識・理解」 a.方向目標に沿った一貫性を持ち, b.生徒の気づきの誘発や内面を刺激する教師からの投げかけ(表4の◇印). 。.生徒が興味をもって見る,実物見本(加工見本等)や新開記事等の提示(表4の◇印) d.学習用ノートを利用した,継続的な「書く」学習活動(表4の◆印) 。.投げかけは,実践的・体験的活動を通して,書く・聞く・見る・触れる・手を使うなど様々 な感覚を生かすことが有効である。 このような働きかけは,一貫性を持ち,継続的・計画的に行うほど,生徒の変容がより明確に表 出することも分かった。.

(10) 尾崎. 178. 表4. 南治. 『材料』を「軸」にした間接的な働きかけの「窓口」例(もJのづくりの例) 働きかけの「窓口」の具体例 (投げかけ,観察,調べ学習での意識付け,実習に関連した投げかけ等). 学習段階. 初発の学習. 裁・中村. ◆初発の気づき,感想の記入 ・学習用ノート-の記載活動(図5(丑) 「材料と開いて, 『今』思いつくことを書こう」 「何でも・いいから,自由に書いてみよう」 ◇様々な材料の利用例の紹介 駅のベンチ,建物,歴史的建造物,最先端の材料等. 設計の学習. ◇材料に応じた工具や窺L工法を調べさせる ◇材料の選択 「どんな材料を使えばいいかな」 ◇構想図に材料や接合法を記入させる ◇教科書にある図面や写真を見せる ◇ヒントを与え,自分で調べさせる 「先輩の作品を見てみよう」 「いろんな本を参考にしてみよう」 _. 繋件の学習. ・_・__ ・_・_-- _ I-. ー. _. l-. - ・-・--- -・--・-. -. -■. ・--I--- 1-. -. l-. -. -- - LL11 1. l-. -. -- - --- -・-. l-. -. -. -- -- I-・-. 1. -. ■-. ・--- 一- --.-. -. ◇各種材科の加工体験 キーホプレダーの襲作を適して,材料毎の加工法の遠いを体験するo ◇カロ工法の示範,板書,説明 途中まで切断して「この続きをどうしたらいいか,自分たちで調べよう」 ◇加工見本,実物見本の展示 木材,プラスチックの加工見本を手に取れるようにしておく。 かんな加工前後の材料や,削りくずをさわれるようにしておく。 ◇発間の競=-感・ -一貫性 「材料」という言葉を用いるよう意識する。 ◇技能の向上をほめる 「かんながけが上手になったね」 「きれいに磨いたね」 「材料にあった工具を選べるようになったね」 ◇大声で気づき、,着目させたい視点を伝える プラスチックを熱しているときに「ねえ,小さい泡がでてきたよ」 木材を判っているときに「内側にも模様があるみたい」. -. .--- -- 1. 設計と製作の 学習. ◆授業毎の感想の蓄積 学習用}-ト-の記載活動(図5②) 「材料について気づいたこと,思ったことを書こう」 「木材と金属とプラスチックの製作を比べて,同じだったこと・違ったことを 見つけてみよう」. まとめの学習. ◆学習のまとめの感想 学習用ノート-の記載活動(図5(塾) 「材料と聞いて, 『今』思いつくことを書こう」 「その他気づいた感想なども番いてみよう」 ◇変容に気づかせる自己評価活動 「初めの記載と,まとめの記載を比べてみよう」. -. lL.

(11) 179. 中学校技術科における関心・意欲・態度の評価に関する研究. 読みとりの実践と分析. 3-2. 「関心・意欲」を育てる学習活動と変容の読みとりについて,学習用ノートの記載欄(2-42. 図5)への記録活動を通して,その記載内容から変容を読みとる実践を行ったo. 3-2-1. 学習用ノートの開発. 「関心・意欲」を醸成する指導構成に沿って開発した学習用ノートの例を図7に示すo記載欄の ①-③は図5に基づいたものである。. ①学習の初発の感想. (吾学習のまとめの感想. (参授業毎のふり返り. 金属を切るときにのこぎ. プラスチックはあたためると. りみたいなので切るより. やわらかくなる。. ル,糸,くぎ,リボン,樵, 布,わた,ボタン,プリン. はさみでやった方がよかっ. 金属はピカールでみがくとピ. た。. カピカになる。. のカップ,秩,ゴム,タイ. 金属はピカールでみがくと. 木材はみがけばみがくほどツ. ヤ). ピカピカになった。. ルツルになる。. その作品に必要なもの (木,ボンド,ペットボト. 木材でも名前がほれたo 注: 図7. ①. ①-④は,図5内の番号に対応している。. 実践で使用した学習用ノートの例(実践2の例). 学習の初発の感想 感想記入欄のみで構成されるo方向目標の提示も兼ね,. 『 「材料」って聞いて,. 「今」思いつ. くことを書こう』と発間し,感想を自由に記述させた。. ②. 授業毎のふり返り 製作段階において,授業末に5分程度の時間をとり,感想を記入させ蓄積したo. ③. 学習の`まとめの感想 感想記入欄と自己評価欄で構成される。感想記入欄では初発と同じ発間を行い,■感想を自由 に記述させた。自己評価欄では,生徒自身が初発とまとめの記載を見てふり返り,自身の関心.

(12) 180. 尾崎、誠・中村. 祐治. が育った姿を,記号(◎○△×の4段階)とその理由伯由文)で記入できるようにした1(∫)o. 3-2-2. 生徒が記入しやすい記載欄. 読みとりは,授業者と複数の涜職教員が,生徒の記載から変容を読みとった。実践1-4では初 発とまとめの感想記入欄を大きくした。協議の結果,記載欄の構成について次のような評価を得たo ◇ま'tめの自己評価欄があったほうが変容を読みとりやすい ◇初発とまとめの感想欄は,同じ党閥がよく,生徒が自由に書けるような構成がよいo. ◇まとめの感想磯を分割したほうが,生徒の変容(特に情意的な変容)を読みとりやすいので はないか。. ◇毎時間の感想記入欄があるほうが,生徒の「関心・意欲」を育てやすい。 これらの評価をふまえ!実践5ではまとめの感想記入欄を2つに分翻して実践を行った。その結 栄,生徒によっては何を番いていいのかがわかりにくくなった様子が見られた。また授業者と複数 の現職教員が変容を読みとった結果,かえって読みとりにくくなった評価を得たo 以上のことから,生徒が記入しやすく,変容を読みとりやすい記載欄作成のポイントは表5のよ うになることがわかった。この例に基づいて学習用ノートを作成することで,生徒の「関心・意欲」 を計画的に育てることができ,その変容を記載から読みとりやすくなる。 表5. 生徒が記入しやすく変容を読みやすい記載欄作成のポイント 記入枠の例. 発間の例. 記載活動の段階. (壬)初発の気づき 「○○」つて聞いて,『今』思いつくこ とを書こうo や感想. 感想記入欄を,用紙-一杯にとる○. 何でも自由に轟いてみようo ②学習過程での. 授業をふり返り,. 「0○.」について気?llいたことや,忠. ・授業毎の感想 の蓄積. つたことを書こう○. ③学習のまとめ の感想. とを書こうo.. 「○○」つて開いて,.『今』思いつくこ. 感想記入欄を小さめにとり,記載を苗■ 積できるようにするo. 感想記入廟を,初発と同程度にとるo 自己評価欄をとり,記号による.自己評 価とその理由を記入できるようにす. 感想も番いてみようo. るo. 注:00は「軸」のキーワード(『材料』. 3-3. 『コンピュータでできること』など). 3段階での読みとり. 記載に表出した変容の方向と深さで,読みとりを客観化できろ(2-4-3)oねら_いに向かい醸 成された深さを読みとる方法が確立されれば,. 「関心・意欲」の目標に準拠した辞儀が可能となるo. 実践では,記載内容の変容から「関心.意欲」の醸成を3段階で読みとったo. 3-3-1. 読みとりの3視点. 初発とまとめの感想の変容を,図6に示した3視点(量の増減,内容の質の向上,情意の記載の 有無)で読みとった。実践1-5の読みとりと協議の結果から明らかにした,具体的な読みとりの 視点を表6に示す。.

(13) 中学校技術科における関心・意欲・態度の評価に関する研究. 表6 初発の感想. 181. 読みとりの3視点と記載例 まとめの感想. 一変容の3視点-+. 記載量の減少 の 学習の広がり 利用例など, 増 が見られる 単語や単文 減 記載量の増加 の羅列. △ふり返りがなく記載量が減つた臓泌屠) ○単語が文章になつたた吟減少,量でなく-質の蛮化で読みとる. ねらいの方向 に合致した具 経験や知識 内 体的な気付き の思い出し, 杏 の記載が見ら 単なる感想 の れる や印象,イ 質 メ-ジ の ねらいの方向 向 に合改した学 上 習の深まりの 記載が見られ ★材料ヘの. 仕組み,学習の内容と比較などの説明,授業での気付き,具体的な現 象,原因.理由,単なる名称から動作などの状態を示す記載 例プラ板は熱すると変形する,-だから失敗した 材料によつで性質が違う,-ということがわかつた. t1. 名称,事象,. 要. 関心に閲す. る. る記載例. ねらいの方向 に合敦した意 諏の変化や感 覚的な記載が. 生徒Aの例. 「木,ボン. 情. られる. ド,ペット. 意. ボトル,糸,. 的 質の変化を伴. くぎ,鉄」. 生徒Bの例 「色々な目 的に合わせ. な い行動しよう 内 とする態度の 容 記載が見られ の. る. 有 技術に対する 輿 概念の変化の. て材料を使. 記載が見られ. つてきた」. る. 質の変化が読みとれれ8.ぎ関心の変容があつたと判断 単語数の増加,文章量の増加,行数の増加. ねらいの方向に沿つた新たな気づきや発見,学習以外への広がり,視 点が変化した説明,具体的な観察の様子 例材料の特徴や性質に目を向けた,この材料の特徴は○○だ 材料をこすつたら○○になつた,-○○と見方が変わつた 生活-.の広がりや結びつけ,知的好奇心,興味や驚き,感動,達成感 例生活の中のものが気になつた,家にあるものの材料を考えた,. 意識するようになつた,自分なりの感覚(-だから,おもしろ いと思つた.驚きなど),奥深さを伴う個性的な内容の記載 (コンピュータは-であることを強く感じた) 自分の向上や変容の様子,前向き,積極的,持続的な心情,向上心, 授業-の期待,学習成果を生活に生かす態度. 例前より,初めは,しかし,だけど,-だつたiiE,-になつた, もつと,やつてみたい,-したい,驚いた,調べてみたい,発見 することが多かつた,さつそく.-したい,くわしくなつた. 深みを増した情緒の高まり,技術の本質に迫る考え方の変化 技術が好きになる,将来の技術や社会の技術を大切に感じる. 例○○だとわかり.気づき.考え,(その結果)将来は大切ギ. 身近に感じる.技術は生活に欠かせない.イメージが湧くな ど. 3-3-2. 読みとりの目安. 記載内容の変容は,図6に示すように「量」 内容の変容を,個人内評価む羊より, 「量の変化」. 「質」 「情意」の順で表れると考えた。そこで,記載 -. 「質の変化」. -. 「情意的な変化」の順に3段階で. 読みとった。実践1-5の読みとりと協議の結果から明らかにした,段階毎の視点と判断基準を判 定の目安として表7に整理した。.

(14) 182. 尾崎. 衷7. 鉱治. ㌔ 3視点による「関心・意欲」の変容の判定目安例. 変容. 読みとり段階. 誠・中村. 記載内容の読みとりの判断潜繁 I. 量の変化. 第1段階. 記載量の増加. 減少;. l I. E] ●. rー#_--準-?. (広がり)■. 暮. もク一ー、. □. ■具体的な記載や学習の質の深まり *向上が見られない 質の変化. ・第2段階. I 1 l. ー致師が豊岡したねらいの方向性に *ふり返りの学習重言 できていない; I. (深まり). 合致. *前t串ーの言己載や友達 の記載を写して; I. l. I授業では扱わない知識の変容. I. いる,. I. -+A. ++.で転 ■意識の変化や感覚的な記載. 教科のねらいに沿わな い記輯;. I. I質の変化を伴う推進力(態度)_.. 脈絡のない記載. ロ □. I概念が変容する様1-. 部知勺な変容とはいえ ない記載;. ■ねらいに沿う偶作的な内布. 学習に関係なレ・内容の記載;. I. 第3段階. 情意的な 変化 摘まり). ,. f. □ f I. ∩. 4ユらいのjiF句に 如か-'たかの判去目安. 方向により深く向か?た方軌ニ如、つた;. 方事 1. 四■■■J■■四■■■. (胡岩例車1). )ずれた… (C)准!-;. 1. 備考: ※1いずれの場合も別資料で判定もあり得る ※2. 3-3-3. 表中(A)(B)(C)紘,生徒指導要録における評価の目安に相当する。. 読みとりの検証.. 読みとりは,授業実践毎に授業者と現職教員5名が行った。読みとりの前に図6の考え方を説明 し,読みとりの目安(表7)を利用して読みとったo読みとりと協議から,次の結果を得た。. ○今転の読みとり方法により,阜徒の約9割について,判定を行うことができたo O授業者の判定と,現職教員の滞克が,液終約に80.6%一致したo O. BとAを区朋せず「到達」・と判定した場合,生徒の74%の「到達」状況を和束できた。 このとき,授業者と現職教員の判定は97.50/.一一致したo. O授業中の様子を考慮せず,記載を基本にして読みとることで,授業者との判定一致率が 54・.0%から66.5%に向上した。 ○生徒一人ずつ「量」 ○. 「質」 「情意」の順に読みとるほうが,的中率が高かった。. まとめの記載欄を分離したことで,以前よりも読みとりにくくなった。. ○読みとりに要した時間は,生徒62名分で平均的35分であった。 以上から,次のことが分かったo O. 「量」 「質」 「情意」の3段階で読みとることで,. 8割の生徒について,個人内の変容を明確.

(15) 183. 中学校技術科における関心・意欲・態度の評価に関する研究. に読みとれる。. 「軸」に沿う,ある程度の「量の増加」が見られたら,目標に到達したとみなすことで,ほ. o. とんどの生徒について,学習の到達状況を把握できる。 ○授業中の一時的な行動や様子でなく,記載を基本にして読みとると,変容をより明確に読み とれる。. ○感想記入欄は表5のように構成すると,生徒も書きやすく,. 3段階で読みとりやすい。. 「関心・意欲」を育て評価する方法の考察. 3-4. 実践と検証から, 「関心・意欲」を育て評価する方法について,次の点が明らかになった。 ○. 指導構成に基づき,方向目標に沿う間接的な働きかけを継続することで,生徒の「関心・意 欲」が醸成される(3-1)0. ○. 学習用ノート-の記載活動は,間接的な働きかけとして重要な学習活動である。そのための 学習用ノートは表5に基づいて作成するとよい(3-2)。. ○. 初発の感想とまとめの感想を利用して,長期的な変容を(個人内評価で)明確に読みとるこ とができる(3-2)。. ○. 変容を「量」. 「質」 「情意」の3段階で読みとることで,. 「関心t意欲」の到達状況を客観的に. 把握することができる。客観性を高めるためには,学習用ノートの記載欄の工夫や,記載を 基本にした読みとりが必要である(3-3)0. ま. 4. と. め. 今回の研究で,判明できた点は,次のようである。 o「関心・意欲・態度」を区分けし,. 「関心・意欲」と「態度・意欲」を組み合わせることで,学. 習題材のねらいの方向が明確にできた。そのため,方向目標へ到達する「窓口」を通した醸 成に向けた教師の働きかけが容易になった。 o. 「関心・意欲」は,学習活動により醸成されながら育つ学力であり,教師が方向目標に向かう 間接的で一貫性のある働きかけを継続し,生徒が学習用ノートに記載する活動を通して醸成 しながら育つ指導構成を明らかにすることができた。. ○. 学習用ノートに記録する学習活動を積み重ね蓄積し,まとめの学習でふり返りの機能を生か すことで醸成される「関心・意欲」が,初発とまとめの感想の記載内容の変容を「量」. 「質」. 「情意」の3段階で読みとることが有効で,方向目標へ向かう情意面の学習状況を客観的に 把握することができた。 o. 「関心・意欲・態度」が情意領域であるため,生徒の内面で育てる学習指導の手法が掴めず, 学校の大部分が忘れ物や挙手の回数,授業態度の様子,授業中の私語の有無で観点の評価を していたが,今回開発した①計画的な記録欄等の準備, け, ④記録する学習活動,. ②方向性を意識した計画的な働きか. ④醸成した力を記載内容から読みとる手法を用いることで,次の. ような効果があった。. ・休憩時間に技術-の関心を示す会話が見られる,通学途上に技術に閲した場面を観察する行 動が見られ,学習成果を進んで生かす態度形成に結びつけることができた。 ・教師が態度の監視の評価行動から脱皮し,教師自身が真の「関心・意欲」を認識し実践した.

(16) 184. l毛崎. 誠・中村. 砧治. ことで,生徒と教珪車との信頼関係が改善されたo ・. r関心・意欲」を学習題材単位の長期スパンで醸成し,題材学習の学習凝と学習成果との変容 を読みとることで,毎回の授業単位で評価資料を収集する必要がなくなり,授業を本来のね ら,い達成に置くことができたo ・初発の気づきの感想,授業単位のふり返り,そのふり選りを生かした終末のまと吟の感想を. .記載するノートを準備しさえすれば,比較的簡単に「関心・意欲」が醸成され,育った学力 を読みとることができた。 ・トレ-ニングすれば誰でも読みとることができ,読みとり暗闘も生徒-人あたり1分以内で 処理することができた。. 「関心暮意欲.態度」を醸成する指導構成や醸成Lた学力を読みとる方法は,. 「忘れ物,私語の有. 無挙手の拷数」で評価する方法から抜け出す一方法であると考える。どの学校,どの教師でも初 発の気持ち.ふ巧遜り・学習のまとめを記載するノートの準備と働きかけのT窓口」を意識して授 業に望めばたやすく本来の「関心・意欲・態度」に近づくことができると考える。. 課題として,今後次の点について研究を継続させる必要がある。 ○. 今桓=ま,. -一・-. ----学習題材単位での「関心・意欲」のねらいを醸成する検証であったo今後は, 学習題材で醸成していく過程を.3年間につなげ,最終的な方向目標である「生首舌と技術への 関心」の力を醸成させ,. 「生活を充実向上するために進んで実践しようとする」馨度や豊後彩. 成まで追求していく。方向目標の最終到達は,技術社会において,社会を見つめ,環境と共 生しながら人間生活を追求できる力になる。 0. 3年間を通して-一貫性をもたせる「軸」の具体的な設定を,授業案践を通しながら,明確に する必要がある。. 「軸」の例として,第1学年「コンビュ-タと情報」,第2学年「コンピュータとインターネ. o. ット」,第3学年「コンビュ-夕とマルチメディア」の設定を考えているo 「関心・意欲.態度」が情意面であるから,投げかけの「窓口」は,教師からの言葉がけや観 察などに限らず,見る・聞く・触れる・喚ぐ・書く・読む・味わうなど多くの感覚を適して 働きかけるとよいことが判明しつつあるo. 文. これを詳細に検証したいo. 献. 1. )教育課程審議会:児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について(答申),2000.12. 2. )国立教育政策研究所教育課程研究センター編:評価規準の作成,評価方法の工夫改善のための参 考資料一評価規準,評価方法等の研究開発(報告). -. 第8章,. 2002. 3)中村銀治・小倉修・尾崎誠:技術・家庭科における「生活を工夫し創造する能力」の観点に関す る研究,日本教材学会誌. 第16巻,. 2005,. pp.17ト174. 4)B.S.ブルーム健著,漁谷憲一一-・藤田恵璽・梶田叡-訳:教育評価法ハンドブック. -教科学習の形. 成的評価年給括的評価-,第一---・法乳1973(昭和48) 5)中村耐台他:中学校「技術・家庭」 2003. (技術分野う教授用資料. 関心・意欲・態度の評イ乱闘隆堂,.

(17) 185. 中学校技術科における関心・意欲・態度の評価に関する研究. 6)金井達蔵編著:中学校. 関心・態度-その理論と指導と評価-,図書文化,. 1985. 7)中村耐台・尾崎誠・′ト倉修・安田賢:中学校技術・家庭科(技術分野)における関心・意欲・態 度に関する研究,日本教材学会誌. 第15巻,. 2004,. pp.89-92. 1983(昭和58),. 8)中内敏夫・三井大相編:これからの教育評価,有斐閣選書, 9)橋本垂治:学習評価の研究,図書文化,. 1971,. p.405及びp.294. 10)中村耐台・安田賢・尾崎誠:学習用ノートを活用した評価の研究 分野)の評価実践-,日本教材学会誌. pp.119-120. 第14巻,. 2003,. -中学校技術・家庭科(技術. pp.2O3-206. ll)尾崎誠・中村南治:技術・家庭科における「関心・意欲・態度」の評価に関する研究,日本教材 学会誌. 第16巻,. 2005,. pp.175-178.

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参照

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