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講演内容 平成26年度県外研修:熊谷市ホームページ

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(1)

平成26年11月5日

あてま高原リゾート

ベルナティオにて

(新潟県十日町市)

写真は十日町市の美人林

平成26年11月5日、自治会長189名が参加し、熊谷市自治会連合会県

外研修が行われました。今回の研修は「自治会・集落が主体の共助の取組(主

に除雪)」をテーマに、

Ⅰ「十日町市内の自治会・集落が主体の共助の取組の概要」

(十日町市企画政策課 村山成明係長)

Ⅱ「原田集落安心づくりの会の活動について」

(原田集落安心づくりの会 丸山三義代表)

Ⅲ「儀明上組集落安心づくりの会の活動について」

(儀明上組集落安心づくりの会 仲村文弥代表)

の御講演をいただきました。

(2)

講演内容

Ⅰ 十日町市内の自治会・集落が主体の共助の取組の概要

(十日町市企画財政課 村山成明係長 による講演)

十日町市について

十 日 町 市 は 新 潟 県 の 南 西 と 長 野 県 の 県 境

に位置しており、東京 から電車で約1時間

50分、車で約3時間 の距離にあります。

市街地中央を信濃川が 貫流し、その両岸に

は河岸段丘が広がっており、「棚田」や「ブ

ナ林」といった美しい 景観が数多く残ると

ころです。

十日町市には、8つの自慢があります。

①グルメ:魚沼産コシヒカリやへぎそば、地酒など雪

国独特の食文化により育まれた銘品が数多くあります。

②雪:市内には4つのスキー場があります。ゲレンデ

に敷き詰められるスノーキャンドルは、雪国ならでは

の幻想的な風景を作り出します。

③温泉:日本三大薬湯のひとつである松之山温泉郷を

はじめ、市内には多くの温泉があります。

④農業:冬の豪雪が春には山肌を流れ、耕地を

豊かに潤し、魚沼産コシヒカリを育みます。

⑤アート:隣接する津南町を含めた広大な里山

を舞台に、3年に1度「大地の芸術祭」が開催

されます。

⑥きもの:冬の間、機織りは女性の大切な仕事

でした。明石縮みは雪国の風土と女性の真心が

生み出した宝物です。

⑦自然:棚田やブナ林など日本の原風景ともいえる

豊かな自然があります。

⑧歴史:国宝に指定された縄文土器(火焔型土器)

(3)

十日町市の雪について

十日町市は、毎年の平均積雪深が2mを超

える全国有数の豪雪地帯です。1945年に

は、425cmという年最大積雪深の最高値

を記録しました。1年のうち3分の1以上の

期間が雪に覆われてしまいます。

市が行う除雪について

(1)除雪車による除雪

重機を使用した除雪作業を行います。具

体的には、雪を道路脇に寄せる、道路上の

踏み固められた雪を剥がすなどの作業を

行い、雪で交通が妨げられることのないよ

うに心がけています。

また、本年2月には埼玉県からの要請を

受 け て 秩 父 地 域 で の 除 雪 支 援 活 動 を 行 い

ました。除雪支援活動に対して、埼玉県知

事より感謝状をいただきました。

(2)雪を処理するインフラの整備

除雪車による除雪のほか、道路に消雪パイ

プを設置し、地下水をくみ上げて雪を溶かし

ています。また、側溝に水を流して雪を処理

する仕組み(流雪溝)も活用しています。

流雪溝

消雪パイプ

(4)

集落安心づくり事業

集落安心づくり事業とは、高齢者や障がい者などの世帯を集落ぐるみで支援

する際に、必要経費の一部を地域自治組織※1が助成するものです。

対象となる行政区は中山間地に位置する行政区や高齢化率40%以上の行政

区です。また、要件としては、行政区単位を基本とし、概ね8割以上の世帯が

加入した実施組織を設置すること、実施組織は規約、予算書、役員・会員名簿

を備えていることです。助成限度額は1組織あたり10万円です。

活動内容としては、高齢者や障がい者などの世帯への支援活動が中心となり

ます。具体的には、①冬場の屋根の雪下ろしや私有地内の避難路の除雪、②日

常の見守りなどによる安全と安心確保のための支援、③事故や災害など非常時

の支援、④そのほか支え合いを促進する活動です。

イメージ図

実施希望などを確認

活動支援

交付金の支出 事業実施の意向を伝える

実績報告・補助金の請求

補助金交付(上限10万円)

※1地域自治組織について

十日町市は、平成17年4月1日に5市町村が合併し、5つの「地域協議会」

を設置しました。その後、この仕組みをよりわかりやすいものにするため、平

成24年度から現在の13の「地域自治組織」を設置しました。

地域自治組織は、地域の意見、地域の身近な課題を自主的・自立的に解決を

図ることを目的として設置されました。既存の振興会等を運営母体とし、市は

新規に交付金を支出してその活動を支援しています。

十日町市

自治組織

(○○振興会)

(5)

講演内容

Ⅱ「原田集落安心づくりの会の活動について」

原田安心づくりの会 丸山三義代表

原田集落について

原田集落は、十日町市の川西地域の

橘地区に属します。集落の人口は26

世帯・96人です。

原 田 集 落 は 自 然 豊 か な 場 所 に あ り

ますが、写真のとおり季節によってそ

の風景は大きく変わります。冬は平均

で3mの積雪があり、朝5時半には除

雪を始めます。

原田集落の安心づくり事業

川 西 地 域 で は 5 つ の 集 落 が 安 心 づ

くり事業に取り組んでいます。

地 域 自 治 組 織 か ら 補 助 を 受 け る に

は、集落全体で概ね8割以上の世帯が

加入した実施組織を設置すること(集

落の一区域で設置する場合は、20世

帯 以 上 が 加 入 し た 実 施 組 織 で あ る こ

と)という要件がありますが、原田集

落の加入率は100%で、26世帯が

加入しています。

支援活動の内容については、①要援

護世帯などへの支援活動、②集会所な

ど公共施設の維持管理に分けること

(6)

①については、私有地内の避難路の除雪、市道認定のない生活道路の除雪、

通学路確保のための除雪を行っています。また、日常の見守りについては、常

日頃から隣同士の交流があるので、自然と安否確認ができますが、適宜民生委

員も安否確認を行っています。さらに、事故や災害などの非常時に備えて、原

田集落には「原田自主防災組織」があり、年一回の防災訓練を実施しています。

農地の災害には農家組合長が対応しています。

②については、毎月行われる常会の際に、清掃・保守活動を行っています。

常会では、全世帯が一堂に会し、橘地区・三箇地区・原田集落の情報を共有し、

お互いの情報交換と親睦を深めています。具体的な活動については、写真を御

覧ください。

集落安心づくり事業の事務手続きについて

集落安心づくり事業を行うにあたっては、事業の着手前に地域振興会会長あ

てに申請をします。提出書類は5種類で、①集落安心づくり事業取組以降確認

書②実施組織の規約③役員・会員名簿④実施年度の収支予算書⑤補助金請求書

です。申請は4月上旬に行います。

事業完了後にも地域振興会あてに書類を提出します。提出書類は6種類で、

①実績報告書(会計概算)②補助事業実績報告書③決算書④事業実施集計表⑤

活動状況・安否確認写真⑥領収書のコピーです。各書類は3月31日付けで締

め、4月上旬には提出します。

集落安心づくり事業のメリットと課題

メリットとしては、集落の金銭面の負担が軽くなることが挙げられます。集

落が所有する除雪機の修繕費、燃料費に補助金を充てることができるようにな

りました。また、除雪機のオペレーターも今まではボランティアでお願いして

いましたが、賃金も費用項目として認められているので、お願いしやすくなり

(7)

たので、共助の精神を高めることができたと思います。今後、要救援護世帯が

増えることを考えると、この制度は地域住民にとっての公助としての役割は大

きいのではないでしょうか。

課題としては、高齢化集落で極端に戸数の少ない集落や作業をする人、事務

手続きをする人を確保できない集落では、この事業に取り組めないと思います。

自助共助のボランティア精神がないと、この事業の継続は難しいでしょう。

(8)

講演内容

Ⅲ「儀明上組集落安心づくりの会の活動について」

儀明上組集落安心づくりの会 仲村文弥代表

儀明集落について

儀明集落はほくほく線まつだい駅から約

9kmの位置にあります。人口が120人、

戸数が51戸、集落の平均年齢は64.7

歳(超高齢化)の集落です。山間地の尾根

状傾斜地に沿った北西に山を抱えた場所に

あることから、特に雪が多く、特別豪雪地

帯と呼ばれています。冬は厳しい環境です

が、美味しい魚沼産コシヒカリや山菜(フ

キ・コゴメ・ウド・ワラビ・ゼンマイ等)

の産地です。儀明の棚田も有名です。

安心づくり事業の経緯

安心づくり事業は平成12年に旧松代町で冬季の支援事業としてスタートし

ました。事業開始前はかんじきを履いて、早朝に各自で自宅前を道付け(雪踏

み)していましたが、高齢化により外出が困難になり、日々の新聞・郵便配達

や急病・火災等の不測の事態に対応できない世帯が出てきました。そうした状

況を解消することを目的にこの事業が始まりました。

その後、十日町市と周辺の町村が合併しましたが、平成17年にはこの事業

が合併後の十日町市の全域で展開されることとなりました。なお、儀明集落で

は、平成16年度より集落内の上中下の3組で事業をスタートしています。

安心づくり事業の活動概要

(1)避難路確保と安否確認

儀明集落では、15cm以上の降雪時に、

朝 5 時 頃 よ り 投 雪 機 を 操 作 し 歩 道 と 各 世

帯の玄関先までの道付け除雪を行います。

平成25年度の除雪状況ですが、除雪実施

戸数は51戸中36戸で、除雪実施距離は

1309m(市認定道路:938m、歩道・

公共施設:130m、個人家屋:241m)

です。

避難路確保

(9)

( 2 ) 屋 根 の 雪 降 ろ し 及 び 落 雪 後

の処理

平 成 2 5 年 度 の 実 績 で は 、 屋 根

雪 降 ろ し を 実 施 し た の は 5 1 戸 中

3 戸 で し た 。 2 8 戸 は 雪 が 自 然 落

下 す る 屋 根 も し く は 屋 根 融 雪 の 仕

組 み が あ り ま す 。 屋 根 融 雪 の 世 帯

は 灯 油 価 格 が 高 騰 し て い る こ と も

あ り 、 金 銭 的 負 担 が 大 き い よ う で

す 。 残 り の 2 0 戸 は 自 身 や 親 戚 で

雪 降 ろ し を 実 施 し ま し た が 、 高 齢

化 の 状 況 を 考 え る と 今 後 の 増 加 が

心 配 で す 。 雪 降 ろ し 後 の 排 雪 作 業

は 5 1 戸 中 3 6 戸 で 実 施 し ま し た 。

安心づくり事業の実施概要

(1)事業実施前

8 月 末 ま で に 取 組 意 向 確 認 書 ・

予 算 書 を 地 域 振 興 会 へ 提 出 し ま す 。

そ う す る と 、 1 0 月 末 に は 事 業 補

助 金 1 0 万 円 を 受 け 取 る こ と が で

きます。この10万円を軽油に換算すると約666ℓになります。なお、補助金

以外に各世帯から年会費1500円を集金しています。

(2)事業実施中

実施期間は12月~3月です。期間中は除雪(避難路確保)や安否確認、雪

降ろしを行います。活動中の様子は写真撮影をします。実績としては、以下の

とおりです。

除雪回数:平成25年度48回、平成24年度52回

参考価格:道付け35円/m、除雪機:1400~1600円/h

作業者人件費1650円/h(シルバー人材センターと同等)

除雪機稼働時間:531.3h(上中下組実績)、軽油燃費:2.5ℓ/h

(3)事業完了後

4月末までに、事業実施報告書、決算書を地域振興会へ提出します。

屋根の雪降ろし

(10)

安心づくり事業のポイント

①除雪機械導入時の地元負担金の低減制度

→大型投雪機は数百万円し、集落で購入するには大きな負担となります。

22馬力以上の大型投雪機を購入する場合には、その費用の5割以上は市

の補助金を利用できます。(市の単独補助制度「小型除雪機械共同導入事業」

を利用しています。)

②個人家屋への道の除雪事業への市の補助制度

→2戸以上の隣接または消火栓設備が設置されている住宅への道路を除雪す

る場合には、市の補助の対象になります。補助率は、山間地の町内で9割、

その他は7割です。

③集落内で上中下の3組による協力体制

→不測の事態に備え、集落内の上中下の三組で相互共助する3本の矢体制を

構築しています。

④豪雪災害時の特例措置

→市内指定5ヶ所観測所で平均積雪が330cmを超えた場合、災害救助法

が適用され、要援護世帯の除排雪を実施します。

まとめ

図のように、儀明集落では幹線道路は公助、それ以外の部分は共助・自助と

いう形で、うまく協力し合いながら除雪を行っています。安心づくり事業は、

豪雪地において集落自身を存続させ“先祖伝来の地を守り、生き残るため”の

(11)

質疑応答

質問:建物の屋根はどのような形式なのか。

回答:原田集落では、瓦屋根はない。落下式か

融雪の屋根となっている。

質問:防災訓練はどのような実施状況か。

回答:十日町は中越地震を経験しており防災意識が

高い。集落ごとに自主防災組織を結成してお

り、組織ごとに防災訓練を実施している。

なお、原田集落では、毎年10月末に秋祭り

と一緒に防災訓練を実施している。冬期は

高齢者等の参加が難しいため、防災訓練は

実施しない。

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