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奄美群島を舞台とする研究 教育を通じて地域貢献をめざす鹿児島大学の取り組み鹿児島大学奄美群島拠点鹿児島県は 南北600キロメートル 温帯から亜熱帯に及ぶ広大な県域を有し 28 の有人島をはじめとする離島が点在しています 島々には 本土と海を隔てたがゆえに伝承されてきた古い文化や伝統 固有に進化してき

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Academic year: 2021

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鹿大キャンパ

ス漫遊記

S AT T U N ’ s C a m p u s S k e t c h e s

鹿児島大学教育学部第二講義棟

アクティブラーニングプラザ

Vol.03 今号の表紙

「VERA入来観測局」

●編集・発行/鹿児島大学広報センター

〒890-8580 鹿児島市郡元一丁目 21 番 24 号 TEL: 099-285-7035 FAX: 099-285-3854 E-mail: [email protected]

KADAI

KADAI JOURNAL

鹿 大 広 報

2

広 報

2

201

016 SpringNo. 鹿 https://www.kagoshima-u.ac.jp/

、教

鹿

 2015年7月、本学教育学部第二講義 棟がアクティブラーニングプラザとしてリ ニューアルされました。講義室、演習室の ほかラウンジ、学習ラウンジ、書道教室を 配置。対話・創造・学びを実現する「学び のサードプレイス」としての機能が期待さ れています。  多様化する教育環境に応えるフレキシ ブルなスペース設計により、学生のグルー プワークやディスカッション、ディベートなど 能動的な学習活動が可能になりました。 採光の良い階段やラウンジ、テラスから の緑いっぱいのキャンパス眺望など、居 るだけで五感が活性化されるような学習 環境が整備されました。将来的には地域 交流スペースとしての運用も図られます。 開館:月∼金曜 午前7:00∼午後9:00  農学部の入来牧場にある口径20mの電波望遠鏡は、国立天文台と鹿児島大学 が推進するVERAプロジェクトの望遠鏡の1台です。日本全国(岩手、小笠原、石垣 島、鹿児島)に配置された4台のVERA望遠鏡が協力して同時観測することで、直径 2300kmの望遠鏡に相当する解像度が得られ、月面上に置かれた1円玉が見分け られる10マイクロ秒角の解像度を実現します。VERAは世界最高の位置測定精度 で星々までの距離を測量し銀河の姿を描き出しています。そして、同じ敷地内にある 理学部の1m光赤外線望遠鏡とも連携し、世界初となる我々の住む天の川銀河の 精密立体地図の作成を目指しています。  表紙の写真は暗闇の中にライトアップされたVERA望遠鏡の神々しい姿です。 潜入ルポ ∼学びの部屋∼ 潜入ルポ ∼学びの部屋∼

科学の目を通して、

科学の目を通して、

放射線を正しく知る

放射線を正しく知る

自然科学教育研究支援センター 福徳 康雄 自然科学教育研究支援センター 福徳 康雄 准教授 08 鹿大トピックス

赤﨑勇先生に鹿児島大学

名誉博士の称号を授与

学生表彰

鹿大「進取の精神」支援

基金への寄附者一覧

ほか 16 進め! 鹿大生

恒星誕生前の竜巻状

ガス流を世界で初めて

3次元的に解明

大学院理工学研究科博士後期課程3年 ロス・アレキサンダー・バーンズ さん 27

さっつんが行く!

教育学部アクティブラーニングプラザ 先輩からのメッセージ 先輩からのメッセージ

OG:

株式会社ワイズプラス株式会社ワイズプラス 代表取締役社長 森 好子 代表取締役社長 森 好子 さん 10 研究室からSCHOLAR INTERVIEW 研究室からSCHOLAR INTERVIEW

食品の機能性評価によって

食品の機能性評価によって

鹿児島産ブランドを創出する

鹿児島産ブランドを創出する

農学部食料生命科学科 侯 德興 教授

あまみの生活習慣病予防と

長寿に関する研究

大学院医歯学総合研究科 嶽崎 俊郎 教授 12 潜入ルポ ∼学びの部屋∼

科学の目を通して、

放射線を正しく知る

自然科学教育研究支援センター 福徳 康雄 准教授 08 鹿大トピックス

赤﨑勇先生に鹿児島大学

名誉博士の称号を授与

学生表彰

鹿大「進取の精神」支援

基金への寄附者一覧

ほか 16 進め! 鹿大生

恒星誕生前の竜巻状

ガス流を世界で初めて

3次元的に解明

大学院理工学研究科博士後期課程3年 ロス・アレキサンダー・バーンズ さん 27

さっつんが行く!

教育学部アクティブラーニングプラザ 先輩からのメッセージ

OG:

株式会社ワイズプラス 代表取締役社長 森 好子 さん 10 研究室からSCHOLAR INTERVIEW

食品の機能性評価によって

鹿児島産ブランドを創出する

農学部食料生命科学科 侯 德興 教授

あまみの生活習慣病予防と

長寿に関する研究

大学院医歯学総合研究科 嶽崎 俊郎 教授 12

特 集

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、教

鹿

鹿

鹿 児 島 県 は 、 南 北 6 0 0 キ ロ メ ー ト ル 、 温 帯 か ら 亜 熱 帯 に 及 ぶ 広 大 な 県 域 を 有 し 、 28の 有 人 島 を は じ め と す る 離 島 が 点 在 し て い ま す 。 島 々 に は 、 本 土 と 海 を 隔 て た が ゆ え に 伝 承 さ れ て き た 古 い 文 化 や 伝 統 、 固 有 に 進 化 し て き た 自 然 環 境 な ど が 現 存 し 、 学 術 的 な 面 か ら も 国 内 外 の 注 目 を 集 め て い ま す 。 本 土 最 南 端 に 位 置 し 、 こ れ ら の 島 々 を 有 す る 県 に 立 つ 総 合 大 学 と し て 、 本 学 は 伝 統 的 に 南 方 地 域 に 深 い 学 問 的 関 心 を 抱 き 続 け て き て お り 、 国 際 島 嶼 教 育 研 究 セ ン タ ー を そ の 中 核 的 機 関 と し て 、 数 々 の 研 究 成 果 を あ げ て き ま し た 。 ま た 現 在 、 本 学 は 「 地 域 社 会 の 発 展 と 活 性 化 に 貢 献 す る 」 と い う 大 学 憲 章 の 基 本 方 針 の も と 、「 島 嶼 」「 環 境 」「 食 と 健 康 」「 水 」「 エ ネ ル ギ ー 」 の 5 つ の プ ロ ジ ェ ク ト に つ い て 、 全 学 横 断 的 な 研 究 活 動 を 推 進 し て い ま す 。 と り わ け 「 島 嶼 」 に つ い て は 、 水 産 学 部 、 農 学 部 、 医 学 部 、 法 文 学 部 な ど 各 学 部 の 教 員 に よ る 「 リ ュ ウ キ ュ ウ ア ユ の 保 全 」「 か ん き つ 産 業 保 護 の た め の ゴ マ ダ ラ カ ミ キ リ 防 除 の 試 み 」「 琉 球 先 史 時 代 に お け る ヒ ト の 適 応 過 程 」 を は じ め と す る 43の 研 究 が 進 め ら れ て い ま す 。 2 0 1 4 年 度 は 全 学 横 断 の 「 火 山 と 島 嶼 を 有 す る 鹿 児 島 の 地 域 再 生 プ

特集

ロ グ ラ ム 」 が 文 部 科 学 省 の C O C 事 業 に 採 択 さ れ ま し た 。 2 0 1 4 年 11 月 に は 、 奄 美 広 域 事 務 組 合 と の 包 括 連 携 協 定 が 締 結 さ れ 、 2 0 1 5 年 4 月 に は 奄 美 市 名 瀬 に 「 国 際 島 嶼 教 育 研 究 セ ン タ ー 奄 美 分 室 」 を 開 設 し ま し た 。 分 室 の 開 設 を 機 に 、 本 学 の 知 的 資 源 を さ ら に 奄 美 群 島 の 発 展 と 振 興 に 役 立 て る こ と を 目 指 し て い ま す 。 写 真 / 土 盛 海 岸 ( 奄 美 大 島 ) 特集 鹿児島大学奄美群島拠点 奄美群島を舞台とする研究、教育を通じて 地域貢献をめざす鹿児島大学の取り組み

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ロ グ ラ ム 」 が 文 部 科 学 省 の C O C 事 業 に 採 択 さ れ ま し た 。 2 0 1 4 年 11 月 に は 、 奄 美 広 域 事 務 組 合 と の 包 括 連 携 協 定 が 締 結 さ れ 、 2 0 1 5 年 4 月 に は 奄 美 市 名 瀬 に 「 国 際 島 嶼 教 育 研 究 セ ン タ ー 奄 美 分 室 」 を 開 設 し ま し た 。 分 室 の 開 設 を 機 に 、 本 学 の 知 的 資 源 を さ ら に 奄 美 群 島 の 発 展 と 振 興 に 役 立 て る こ と を 目 指 し て い ま す 。 写 真 / 土 盛 海 岸 ( 奄 美 大 島 ) 特集 鹿児島大学奄美群島拠点 奄美群島を舞台とする研究、教育を通じて 地域貢献をめざす鹿児島大学の取り組み

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奄美大島 与論島 徳之島 国際島嶼教育研究センター 奄美分室 鹿児島大学 奄美島嶼実験室 奄美サテライト教室 徳之島サテライト教室 与論水産実験室 与論活性化センター 奄 美 群 島 拠 点 に つ い て 鹿 児 島 大 学 は 2 0 1 5 年 4月 、 奄 美 市 に 国 際 島 嶼 教 育 研 究 セ ン タ ー 奄 美 分 室 を 開 設 し ま し た 。 こ れ は 6か 所 の 奄 美 群 島 拠 点 の 中 核 と な る も の で 、 教 員 も 常 駐 す る 施 設 で す 。 国 際 島 嶼 教 育 研 究 セ ン タ ー は 、 前 身 の 南 方 地 域 総 合 研 究 教 育 セ ン タ ー か ら 数 え る と 35年 以 上 の 歴 史 が あ り ま す 。 こ れ ま で は 主 に ア ジ ア ・ 太 平 洋 の 島 嶼 域 を 対 象 に 教 育 ・ 研 究 を 進 め 、 海 外 の 研 究 者 と の 交 流 を 行 っ て き ま し た が 、 こ の た び 、 地 域 に 根 差 す 大 学 と し て 県 内 の 離 島 を 中 心 と し た 教 育 研 究 と 地 域 の 活 性 化 に 向 け て 、 奄 美 群 島 拠 点 を 設 置 し た も の で す 。 分 室 に 常 駐 す る 先 生 方 は 奄 美 群 島 の 教 育 研 究 だ け で な く 、 年 間 を 通 じ て 一 般 向 け の 自 然 観 察 会 や セ ミ ナ ー 等 も 開 催 し て い ま す 。 参 加 者 と 一 緒 に 干 潟 の 生 き 物 を 調 べ た り 、 分 室 を 訪 ね て く る 地 元 の 高 校 生 に 情 報 を 提 供 し た り と 、 地 域 と の 交 流 の 輪 は 着 実 に 広 が っ て い ま す 。 拠 点 活 動 に つ い て の 手 応 え   2 0 1 5 年 12月 に は 、 本 学 環 境 学 研 究 会 主 催 で 「 奄 美 の 明 日 を 考 え る 奄 美 国 際 ノ ネ コ ・ シ ン ポ ジ ウ ム 」 を 開 催 し ま し た 。 放 し 飼 い さ れ て い る ペ ッ ト の ネ コ や 捨 て ら れ た 子 ネ コ が 野 生 化 し 、 ア マ ミ ノ ク ロ ウ サ ギ な ど 貴 重 な 固 有 動 物を 噛み 殺 し て い る 現 状 に つ い て 、 地 域 の 方 と 問 題 意 識 を 共 有 し ど の よ う に 対応 して い く か を 考 え る 目 的 で 開 き ま し た 。 特 筆 す べ き こ と は 、 こ の 問 題 に つ いて 龍郷 町 大 勝 小 学 校 の 授 業 に も 取 り 入 れ て い た だ き 、 子 ど も た ち 参 加 の シ ンポ ジウ ム を 実 現 し た こ と で す 。 子 ど も た ち 自 身 に 地 域 の 自 然 保 護 に つ い て 考え ても ら う き っ か け と な り 、 知 的 探 究 心 を 刺 激 す る こ と が で き た の で は な い で し ょ う か 。 貴 重 な 資 源 を 未 来 に 活 用 奄 美 群 島 は 、 生 物 の 遺 伝 資 源 と い う 点 で も 非 常 に ユ ニ ー ク な も の を 持 っ て い ま す 。 そ の 昔 、 大 陸 か ら い ろ ん な 植 物 や 食 べ 物 、 小 さ な 動 物 が 伝 わ っ て き て 、 離 島 で あ る が ゆ え に 貴 重 な 生 物 資 源 、 遺 伝 資 源 が 今 も 残 っ て い ま す 。 ト カ ラ ウ マ や ト カ ラ ヤ ギ 、 島 豚 な ど 、 本 土 に は ほ と ん ど 残 っ て い な い 家 畜 が 残 っ て い て 、 将 来 的 に は 食 資 源 と し て 見 直 さ れ る 時 期 が く る の で は な い か と 思 い ま す 。 ま た 、 シ ー ク ワ ー サ ー 、 ケ ラ ジ な ど 非 常 に 香 り の 良 い 島 独 特 の み か ん も 庭 先 に な っ て い ま す 。 今 後 、 地 域 の 農 産 物 を 農 学 部 や 栄 養 関 係 の 先 生 が 一 緒 に な っ て 開 発 し 、 6 次 産 業 化 す る と 良 い 商 品 に な る と 思 い ま す 。 ま た 、 島 の 家 族 の あ り 方 、 コ ミ ュ ニ テ ィ づ く り 、 教 育 シ ス テ ム に つ い て も 学 ぶ べ き と こ ろ が 大 き い で す 。 今 後 、 人 文 系 の 先 生 方 の お 知 恵 も 借 り て 、 少 子 高 齢 化 の 傾 向 に 対 し て 有 益 と な る プ ロ ジ ェ ク ト を 組 み 立 て る こ と が で き れ ば と 考 え て お り ま す 。

01

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鹿

文化

自然資源

研究

と教育

を通

地域

貢献

総合大学

使命

⃝家畜育種、在来家畜、遺伝資源、選抜育種

前田 芳實

鹿児島大学長 特集 鹿児島大学奄美群島拠点 奄美群島を舞台とする研究、教育を通じて 地域貢献をめざす鹿児島大学の取り組み 世 界 で も 類 を 見 な い 神 秘 の 島 嶼 文 明 を 追 っ て 私 は 、 先 史 時 代 、 文 字 以 前 の 時 代 に 人 が ど の よ う に 島 に 渡 っ て き て 、 ど の よ う に 生 き て き た か と い う こ と に つ い て 、 奄 美 ・ 沖 縄 諸 島 を 主 な フ ィ ー ル ド と し て 研 究 し て い ま す 。 島 は 資 源 が 少 な い の で 、 農 耕 民 で な い と 定 住 す る こ と が で き な い 、 と い う の が 世 界 の 定 説 だ っ た の で す が 、 奄 美 ・ 沖 縄 諸 島 の 人 々 は 漁 や 狩 猟 、 野 生 植 物 の 採 集 で 生 き て い た と い う こ と が 分 か っ て き た の で す 。 そ の こ と に 関 し て 2 0 1 5 年 10月 、 環 境 文 明 史 に 関 す る 学 際 的 な 国 際 誌 ﹃ The Holocene ﹄ に 発 表 し ま し た 。 現 在 ま で に 世 界 か ら 反 論 が な い こ と か ら 、 奄 美 ・ 沖 縄 諸 島 は こ の 点 で 世 界 的 に 例 外 的 な 島 と 言 え る で し ょ う 。 し か も 、 世 界 の 島 々 に 人 が 住 み 始 め た と さ れ る 1 万 年 前 よ り 早 く 人 が 住 ん で い た 世 界 で も 珍 し い 島 々 の 一 つ で す 。 さ ら に 人 が 住 ん だ ら 必 ず 起 こ る と 考 え ら れ る 環 境 破 壊 の 痕 跡 も 見 当 た ら な い 。 他 に も 世 界 的 に 見 て 珍 し い 文 化 現 象 が あ り ま す 。 こ れ ら は 島 の 環 境 に お け る 人 類 集 団 と し て み た 場 合 、 一 つ で も あ れ ば 大 変 珍 し い の で す が 、 い く つ も あ っ た と い う こ と は 奇 跡 的 な 気 が し ま す 。 こ の よ う な 文 化 現 象 を 有 す る 島 々 は 世 界 で 一 箇 所 か も し れ ま せ ん 。 そ こ で 「 奇 跡 的 な 島 々 」 を 「 島 嶼 文 明 」 と し て 紹 介 す る こ と も あ り ま す 。 研 究 成 果 を 地 域 貢 献 の 糧 に 私 は 昨 年 3月 ま で 、 札 幌 大 学 に 勤 務 し て い ま し た 。 研 究 成 果 を 講 義 や シ ン ポ ジ ウ ム で 披 露 し て い た の で す が 、 北 海 道 や 多 く の 本 土 地 域 で は 「 面 白 い な 」 で 終 わ る ん で す 。 次 第 に 「 自 分 た ち の 島 は こ ん な に す ご い 島 だ 」 と い う こ と を 地 元 の 人 た ち に 知 っ て ほ し い と い う 気 持 ち が 強 く な っ て い た 頃 、 折 良 く 、 本 学 に 採 用 に な り 、 分 室 に 赴 任 し て き ま し た 。 奄 美 の ﹁ 知 の 拠 点 ﹂ と し て 本 学 の 奄 美 群 島 へ の 貢 献 に は 3 本 の 柱 が あ る と 考 え て い ま す 。 1 本 目 の 柱 は 研 究 で す 。 本 学 は こ れ ま で に も 奄 美 群 島 の 「 自 然 ・ 生 物 の 多 様 性 と 保 全 活 動 お よ び 文 化 ・ 社 会 」 の 研 究 を 学 際 的 に 実 施 し て き ま し た 。 そ の 結 果 、 こ の 地 域 に は 世 界 に 誇 れ る 素 晴 ら し い 自 然 、 文 化 が あ る こ と が 分 か っ て い ま す 。 私 の 研 究 で 解 明 さ れ た こ と も そ の 一 つ で す 。 2 つ 目 の 柱 が 、 こ の 研 究 成 果 を 地 域 に 還 元 す る こ と で す 。 分 室 が 中 心 と な り 、 奄 美 群 島 の 自 然 や 文 化 に 関 す る 情 報 を 地 域 の 皆 様 に お 伝 え す る 研 究 会 や 公 開 講 座 な ど の 活 動 に 積 極 的 に 取 り 組 ん で い ま す 。 最 近 で は 、 勉 強 の た め に 分 室 を 訪 ね て 来 る 地 元 の 高 校 生 も お ら れ ま す 。 若 手 研 究 者 や 学 生 さ ん の 知 的 好 奇 心 を 刺 激 し 、 将 来 的 に 島 の 研 究 を 担 う 島 出 身 の 人 材 を 育 成 す る こ と は 私 た ち の 大 き な 役 割 だ と 思 い ま す 。 そ し て 研 究 の 成 果 を 奄 美 群 島 や 国 内 だ け で は な く 国 外 へ 発 信 す る こ と を 3 本 目 の 柱 と 捉 え て い ま す 。 国 際 島 嶼 教 育 研 究 セ ン タ ー は 2 0 1 3 年 に 「 The Islands of Kagoshima 」 を 発 刊 し 、 2 0 1 5 年 度 は 「 The Islands of Amami 」 を 発 刊 し ま す 。 今 後 も 世 界 レ ベ ル に お け る 奄 美 群 島 の 自 然 と 文 化 の 貴 重 さ を 国 際 会 議 な ど で も 積 極 的 に 発 信 し た い と 思 い ま す 。 将 来 的 に は 、 地 元 出 身 の 研 究 者 が 世 界 レ ベ ル で 自 分 の 郷 土 の 素 晴 ら し さ を 発 信 し て も ら い た い 。 奄 美 分 室 が そ ん な 未 来 へ 続 く 入 り 口 に な る こ と が で き た ら 、 こ ん な に 嬉 し い こ と は あ り ま せ ん 。

02

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研究、

教育

を通

資産

地域

還元

る「知」

高宮 広土

⃝先史人類学 国際島嶼教育研究センター教授 (札幌大学名誉教授) 国際島嶼教育研究センター 奄美分室 奄美市名瀬柳町2-1 水道課庁舎2階 ○開室/9:00〜16:00(平日のみ) ○常駐スタッフ/専任教員1名、特任 教員1名、特任研究員1名、事務 補佐員1名の4名

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特集 鹿児島大学奄美群島拠点 奄美群島を舞台とする研究、教育を通じて 地域貢献をめざす鹿児島大学の取り組み 世 界 で も 類 を 見 な い 神 秘 の 島 嶼 文 明 を 追 っ て 私 は 、 先 史 時 代 、 文 字 以 前 の 時 代 に 人 が ど の よ う に 島 に 渡 っ て き て 、 ど の よ う に 生 き て き た か と い う こ と に つ い て 、 奄 美 ・ 沖 縄 諸 島 を 主 な フ ィ ー ル ド と し て 研 究 し て い ま す 。 島 は 資 源 が 少 な い の で 、 農 耕 民 で な い と 定 住 す る こ と が で き な い 、 と い う の が 世 界 の 定 説 だ っ た の で す が 、 奄 美 ・ 沖 縄 諸 島 の 人 々 は 漁 や 狩 猟 、 野 生 植 物 の 採 集 で 生 き て い た と い う こ と が 分 か っ て き た の で す 。 そ の こ と に 関 し て 2 0 1 5 年 10月 、 環 境 文 明 史 に 関 す る 学 際 的 な 国 際 誌 ﹃ The Holocene ﹄ に 発 表 し ま し た 。 現 在 ま で に 世 界 か ら 反 論 が な い こ と か ら 、 奄 美 ・ 沖 縄 諸 島 は こ の 点 で 世 界 的 に 例 外 的 な 島 と 言 え る で し ょ う 。 し か も 、 世 界 の 島 々 に 人 が 住 み 始 め た と さ れ る 1 万 年 前 よ り 早 く 人 が 住 ん で い た 世 界 で も 珍 し い 島 々 の 一 つ で す 。 さ ら に 人 が 住 ん だ ら 必 ず 起 こ る と 考 え ら れ る 環 境 破 壊 の 痕 跡 も 見 当 た ら な い 。 他 に も 世 界 的 に 見 て 珍 し い 文 化 現 象 が あ り ま す 。 こ れ ら は 島 の 環 境 に お け る 人 類 集 団 と し て み た 場 合 、 一 つ で も あ れ ば 大 変 珍 し い の で す が 、 い く つ も あ っ た と い う こ と は 奇 跡 的 な 気 が し ま す 。 こ の よ う な 文 化 現 象 を 有 す る 島 々 は 世 界 で 一 箇 所 か も し れ ま せ ん 。 そ こ で 「 奇 跡 的 な 島 々 」 を 「 島 嶼 文 明 」 と し て 紹 介 す る こ と も あ り ま す 。 研 究 成 果 を 地 域 貢 献 の 糧 に 私 は 昨 年 3月 ま で 、 札 幌 大 学 に 勤 務 し て い ま し た 。 研 究 成 果 を 講 義 や シ ン ポ ジ ウ ム で 披 露 し て い た の で す が 、 北 海 道 や 多 く の 本 土 地 域 で は 「 面 白 い な 」 で 終 わ る ん で す 。 次 第 に 「 自 分 た ち の 島 は こ ん な に す ご い 島 だ 」 と い う こ と を 地 元 の 人 た ち に 知 っ て ほ し い と い う 気 持 ち が 強 く な っ て い た 頃 、 折 良 く 、 本 学 に 採 用 に な り 、 分 室 に 赴 任 し て き ま し た 。 奄 美 の ﹁ 知 の 拠 点 ﹂ と し て 本 学 の 奄 美 群 島 へ の 貢 献 に は 3 本 の 柱 が あ る と 考 え て い ま す 。 1 本 目 の 柱 は 研 究 で す 。 本 学 は こ れ ま で に も 奄 美 群 島 の 「 自 然 ・ 生 物 の 多 様 性 と 保 全 活 動 お よ び 文 化 ・ 社 会 」 の 研 究 を 学 際 的 に 実 施 し て き ま し た 。 そ の 結 果 、 こ の 地 域 に は 世 界 に 誇 れ る 素 晴 ら し い 自 然 、 文 化 が あ る こ と が 分 か っ て い ま す 。 私 の 研 究 で 解 明 さ れ た こ と も そ の 一 つ で す 。 2 つ 目 の 柱 が 、 こ の 研 究 成 果 を 地 域 に 還 元 す る こ と で す 。 分 室 が 中 心 と な り 、 奄 美 群 島 の 自 然 や 文 化 に 関 す る 情 報 を 地 域 の 皆 様 に お 伝 え す る 研 究 会 や 公 開 講 座 な ど の 活 動 に 積 極 的 に 取 り 組 ん で い ま す 。 最 近 で は 、 勉 強 の た め に 分 室 を 訪 ね て 来 る 地 元 の 高 校 生 も お ら れ ま す 。 若 手 研 究 者 や 学 生 さ ん の 知 的 好 奇 心 を 刺 激 し 、 将 来 的 に 島 の 研 究 を 担 う 島 出 身 の 人 材 を 育 成 す る こ と は 私 た ち の 大 き な 役 割 だ と 思 い ま す 。 そ し て 研 究 の 成 果 を 奄 美 群 島 や 国 内 だ け で は な く 国 外 へ 発 信 す る こ と を 3 本 目 の 柱 と 捉 え て い ま す 。 国 際 島 嶼 教 育 研 究 セ ン タ ー は 2 0 1 3 年 に 「 The Islands of Kagoshima 」 を 発 刊 し 、 2 0 1 5 年 度 は 「 The Islands of Amami 」 を 発 刊 し ま す 。 今 後 も 世 界 レ ベ ル に お け る 奄 美 群 島 の 自 然 と 文 化 の 貴 重 さ を 国 際 会 議 な ど で も 積 極 的 に 発 信 し た い と 思 い ま す 。 将 来 的 に は 、 地 元 出 身 の 研 究 者 が 世 界 レ ベ ル で 自 分 の 郷 土 の 素 晴 ら し さ を 発 信 し て も ら い た い 。 奄 美 分 室 が そ ん な 未 来 へ 続 く 入 り 口 に な る こ と が で き た ら 、 こ ん な に 嬉 し い こ と は あ り ま せ ん 。

02

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研究、

教育

を通

資産

地域

還元

る「知」

高宮 広土

⃝先史人類学 国際島嶼教育研究センター教授 (札幌大学名誉教授) 国際島嶼教育研究センター 奄美分室 奄美市名瀬柳町2-1 水道課庁舎2階 ○開室/9:00〜16:00(平日のみ) ○常駐スタッフ/専任教員1名、特任 教員1名、特任研究員1名、事務 補佐員1名の4名

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学 問 の 機 会 均 等 に 寄 与 す る 奄 美 サ テ ラ イ ト 教 室 離 島 は 不 便 な 上 に 、 高 等 教 育 の 機 会 も な か な か な い と い う こ と で 考 え ら れ た の が 奄 美 サ テ ラ イ ト 教 室 で す 。 人 文 社 会 科 学 研 究 科 経 済 社 会 シ ス テ ム 専 攻 が 2 0 0 2 年 か ら 2 年 間 、 串 木 野 で サ テ ラ イ ト 教 室 を 開 講 し た 実 績 が あ り 、 そ こ に 着 目 し た 奄 美 市 か ら 要 請 を 受 け た の が き っ か け で す 。 通 常 、 サ テ ラ イ ト 教 室 は 、 郊 外 に あ る 大 学 が 都 心 に 教 室 を 設 け 、 仕 事 帰 り の 社 会 人 が 通 学 し 司 法 試 験 や 会 計 士 試 験 の 勉 強 を す る と い う の が 一 般 的 で す が 、 鹿 大 の 場 合 は ま る っ き り 逆 で 、 離 島 な ど の 不 便 な 場 所 に 教 室 を 置 き 、 こ ち ら か ら 出 向 い て 教 育 の 機 会 を 与 え る 場 に な っ て い ま す 。 こ れ は 全 国 に も 例 が な い 、 画 期 的 な 取 り 組 み と 言 え ま す 。 先 駆 的 取 り 組 み か ら 生 ま れ た 新 た な 可 能 性 教 室 の 開 設 に あ た っ て 、 ま ず 本 学 教 員 ら に よ る 公 開 講 座 を 開 き 、 ア ン ケ ー ト を と る な ど 入 念 な 事 前 調 査 ・ 準 備 を 経 て 、 2 0 0 4 年 に 奄 美 市 、 2 0 0 7 年 に は 徳 之 島 で 開 講 し ま し た 。 当 初 は イ ン タ ー ネ ッ ト を 利 用 し て 配 信 す る 予 定 で し た が 、 地 元 の 人 か ら 対 面 式 を 要 望 す る 声 が 出 て 、 奄 美 、 徳 之 島 と も 教 員 が 出 向 い て 授 業 を す る よ う に な り ま し た 。 総 合 講 義 形 式 で ス タ ー ト し 、 そ の 後 、 学 位 取 得 を 視 野 に 入 れ 、 科 目 履 修 方 式 に 切 り 替 わ り ま し た 。 受 講 す る と 各 科 目 2 単 位 取 得 で き ま す 。 修 士 課 程 修 了 に 必 要 な 32単 位 の う ち 20単 位 ま で は 奄 美 サ テ ラ イ ト 教 室 で の 履 修 科 目 が 認 め ら れ ま す の で 、 奄 美 在 住 の ま ま 修 士 課 程 に 進 学 す る こ と が 可 能 で す 。 活 動 の 意 義 と 今 後 の 展 望 こ れ ま で に 奄 美 大 島 在 住 の 女 性 が 修 士 課 程 を 経 て 博 士 号 を 取 得 。 こ の ほ か 奄 美 で 2 人 、 徳 之 島 で 1 人 の 方 が 現 在 、 博 士 課 程 に 在 籍 し て い ま す 。 研 究 テ ー マ は 奄 美 の 宗 教 や 政 治 、 行 政 な ど 、 各 自 の 経 験 や 関 心 に 沿 っ て 研 究 さ れ て い ま す 。 地 域 に 根 ざ し た 研 究 で す の で 、 テ ー マ 自 体 リ ア リ テ ィ が あ る し 、 地 元 の 方 な ら で は の 詳 し い 調 査 も 可 能 で す 。 地 元 で 学 ぶ こ と の 良 さ で す 。 ま た 、 私 た ち 大 学 の 教 員 と 直 接 議 論 の 場 を 持 て る こ と が 刺 激 に な る 、 と い う 声 を 聞 く こ と も あ り ま す 。 地 域 の 方 々 と 直 接 ふ れ あ う こ と は 私 た ち 大 学 の 教 員 に と っ て も 有 意 義 で 面 白 く 、 ま さ に 相 互 教 育 の 場 に な っ て い る と 思 い ま す 。 現 在 、 奄 美 大 島 の サ テ ラ イ ト 教 室 に は 受 講 生 が 在 籍 し て お り ま せ ん が 、 島 で 学 ぶ 修 士 ・ 博 士 課 程 の 大 学 院 生 が 学 ぶ 場 と し て も 教 室 を 活 用 し て い き た い と 思 い ま す 。 7 万 と い う 人 口 の 集 積 し た 奄 美 群 島 で す か ら 、 学 び た い と い う 人 は こ れ か ら 先 も 出 て く る と 思 い ま す 。 そ ん な 時 、 学 ぶ こ と の で き る 環 境 と 機 会 を い つ で も 用 意 し て お く こ と は 鹿 児 島 大 学 の 使 命 で あ り 、 そ れ が 地 域 貢 献 と い う こ と だ と 思 い ま す 。

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奄美

機会

を創設

先駆的取

り組

⃝島嶼学、歴史人類学、文化人類学

桑原 季雄

法文学部人文学科教授 2013年島嶼研によって 発刊された『The Islands of Kagoshima‒Culture, Society, Industry and Nature-』 サテライト受講生や研究者のレ ポートや研究論文が掲載され、 互いの研究成果を共有する場と もなった「奄美ニューズレター」 特集 鹿児島大学奄美群島拠点 奄美群島を舞台とする研究、教育を通じて 地域貢献をめざす鹿児島大学の取り組み き び し い 離 島 水 産 業 の 現 状 離 島 の 水 産 業 は 、 い ず こ も ほ ぼ 同 じ 課 題 を 抱 え て い ま す 。 ま ず 消 費 地 が 遠 く 、 鮮 度 に よ る 品 質 優 位 性 を 築 く こ と が 難 し い と い う 問 題 が あ り ま す 。 離 島 か ら 船 便 で 鹿 児 島 市 へ 届 け る 場 合 、 水 揚 げ か ら 2 ~ 3 日 を 要 す る た め 、 鮮 度 で の 優 位 性 を 謳 う こ と が で き ま せ ん 。 ま た 、 島 で は 季 節 に よ っ て 漁 獲 が 集 中 し 魚 価 が 下 が る た め 、 ビ ジ ネ ス と し て 成 立 し 得 な い 。 さ ら に 低 気 圧 発 生 時 は 出 漁 で き ず 、 観 光 客 の 望 む 新 鮮 な 地 魚 を 提 供 で き な い と い う 実 態 が あ り ま す 。 こ の よ う な 離 島 水 産 業 の 抱 え る 課 題 に つ い て 解 決 策 を 探 ろ う と い う こ と で 私 た ち が 取 り 組 ん で い る の が 「 か ご し ま の 島 嶼 水 産 業 高 利 益 転 換 プ ロ グ ラ ム 」 で す 。 ひ と 言 で 言 え ば 、 離 島 の 漁 業 者 が ど う や っ た ら 儲 け る 仕 組 み づ く り が で き る か 、 と い う 試 み で す 。 高 利 益 転 換 プ ロ グ ラ ム へ の 取 り 組 み 本 学 の C O C 事 業 立 ち 上 げ に 際 し 、 与 論 町 漁 業 集 落 と 協 働 し て プ ロ グ ラ ム を ス タ ー ト し ま し た 。 最 初 に 着 手 し た の が シ ビ ︵ キ ハ ダ マ グ ロ ︶ の 研 究 で す 。 与 論 で 食 べ る シ ビ は 透 明 感 が あ り コ リ ッ と し た 最 高 の 食 感 で す 。 と こ ろ が 、 一 昼 夜 た つ と 色 も 食 感 も 劣 化 し て し ま う 。 そ こ で 私 た ち は 、 漁 協 に 与 論 水 産 実 験 室 を 設 置 さ せ て い た だ き 研 究 を 始 め ま し た 。 私 た ち が 技 術 提 供 す る だ け で な く 、 漁 業 者 の 人 た ち に も 技 術 を 学 ん で い た だ き 、 私 た ち も 現 場 を 学 ば せ て も ら う と い う 生 涯 学 習 ・ 相 互 学 習 の 場 に も な っ て い ま す 。 画 期 的 発 見 を 活 路 に マ グ ロ の 研 究 を 通 じ 、 エ ネ ル ギ ー 物 質 で あ る A T P に は 色 素 タ ン パ ク 質 の 変 性 を 抑 制 す る 働 き が あ る と い う こ と を 、 国 内 で 初 め て 発 見 し ま し た 。 A T P が 残 存 す る う ち に 急 速 冷 凍 し 、 緩 慢 解 凍 す る こ と で 、 と れ た て の も の と 同 じ 状 態 を 保 持 で き る の で す 。 品 質 管 理 も 不 可 欠 で す の で A T P が 残 る 商 品 ︵ シ ビ 、 カ ツ オ 、 カ マ ス 、 サ ワ ラ ︶ に つ い て の 商 標 登 録 も 行 い ま し た 。 こ の 与 論 島 で の 成 果 を 他 地 域 に も 応 用 し て 漁 業 集 落 の 活 性 化 に 寄 与 で き れ ば と 考 え て い ま す 。 漁 業 は 消 費 者 の み な さ ん が 思 う 以 上 に 大 変 な 仕 事 で す 。 後 継 者 の 参 入 を 促 進 す る た め に も 、 集 落 み ん な が 連 携 し て 将 来 を 見 据 え 、 チ ー ム プ レ イ に よ っ て 収 益 を 上 げ る シ ス テ ム を 作 る こ と が 大 切 だ と 思 い ま す 。

04

04

04

水産物

高付加価値流通

を実現

情報

技術

提供

と地域貢献

⃝水産食品加工学、食品生化学

木村 郁夫

かごしまCOC センター長 学長補佐 水産学部教授 右/シビの鮮度別冷凍解凍品の比較 左上/漁獲3h 後凍 結(ATP4.9mM) 左下/一日冷蔵後凍結 (ATP0.1mM) 鹿児島大学与論活性化セン ターは、旧与論町立診療所を活用した与論町の活性化 を目的とし、2006年2月に開所しました。このセンター は、集中講義や医学部、歯学部の医療実習の場として与 論町を訪れる学生や教職員の簡易宿泊所として利用され ています。宿泊者用に二段ベッド、リネン類(利用料約 1200円)、自炊用台所、与論島内実習先等への移動用の 自転車、インター ネット環境、会議 室等の設備を整え て い ま す。( 問 合 せ:研究国際部社 会連携課地域連携 係 099-285-7105)

与論活性化

センター

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特集 鹿児島大学奄美群島拠点 奄美群島を舞台とする研究、教育を通じて 地域貢献をめざす鹿児島大学の取り組み き び し い 離 島 水 産 業 の 現 状 離 島 の 水 産 業 は 、 い ず こ も ほ ぼ 同 じ 課 題 を 抱 え て い ま す 。 ま ず 消 費 地 が 遠 く 、 鮮 度 に よ る 品 質 優 位 性 を 築 く こ と が 難 し い と い う 問 題 が あ り ま す 。 離 島 か ら 船 便 で 鹿 児 島 市 へ 届 け る 場 合 、 水 揚 げ か ら 2 ~ 3 日 を 要 す る た め 、 鮮 度 で の 優 位 性 を 謳 う こ と が で き ま せ ん 。 ま た 、 島 で は 季 節 に よ っ て 漁 獲 が 集 中 し 魚 価 が 下 が る た め 、 ビ ジ ネ ス と し て 成 立 し 得 な い 。 さ ら に 低 気 圧 発 生 時 は 出 漁 で き ず 、 観 光 客 の 望 む 新 鮮 な 地 魚 を 提 供 で き な い と い う 実 態 が あ り ま す 。 こ の よ う な 離 島 水 産 業 の 抱 え る 課 題 に つ い て 解 決 策 を 探 ろ う と い う こ と で 私 た ち が 取 り 組 ん で い る の が 「 か ご し ま の 島 嶼 水 産 業 高 利 益 転 換 プ ロ グ ラ ム 」 で す 。 ひ と 言 で 言 え ば 、 離 島 の 漁 業 者 が ど う や っ た ら 儲 け る 仕 組 み づ く り が で き る か 、 と い う 試 み で す 。 高 利 益 転 換 プ ロ グ ラ ム へ の 取 り 組 み 本 学 の C O C 事 業 立 ち 上 げ に 際 し 、 与 論 町 漁 業 集 落 と 協 働 し て プ ロ グ ラ ム を ス タ ー ト し ま し た 。 最 初 に 着 手 し た の が シ ビ ︵ キ ハ ダ マ グ ロ ︶ の 研 究 で す 。 与 論 で 食 べ る シ ビ は 透 明 感 が あ り コ リ ッ と し た 最 高 の 食 感 で す 。 と こ ろ が 、 一 昼 夜 た つ と 色 も 食 感 も 劣 化 し て し ま う 。 そ こ で 私 た ち は 、 漁 協 に 与 論 水 産 実 験 室 を 設 置 さ せ て い た だ き 研 究 を 始 め ま し た 。 私 た ち が 技 術 提 供 す る だ け で な く 、 漁 業 者 の 人 た ち に も 技 術 を 学 ん で い た だ き 、 私 た ち も 現 場 を 学 ば せ て も ら う と い う 生 涯 学 習 ・ 相 互 学 習 の 場 に も な っ て い ま す 。 画 期 的 発 見 を 活 路 に マ グ ロ の 研 究 を 通 じ 、 エ ネ ル ギ ー 物 質 で あ る A T P に は 色 素 タ ン パ ク 質 の 変 性 を 抑 制 す る 働 き が あ る と い う こ と を 、 国 内 で 初 め て 発 見 し ま し た 。 A T P が 残 存 す る う ち に 急 速 冷 凍 し 、 緩 慢 解 凍 す る こ と で 、 と れ た て の も の と 同 じ 状 態 を 保 持 で き る の で す 。 品 質 管 理 も 不 可 欠 で す の で A T P が 残 る 商 品 ︵ シ ビ 、 カ ツ オ 、 カ マ ス 、 サ ワ ラ ︶ に つ い て の 商 標 登 録 も 行 い ま し た 。 こ の 与 論 島 で の 成 果 を 他 地 域 に も 応 用 し て 漁 業 集 落 の 活 性 化 に 寄 与 で き れ ば と 考 え て い ま す 。 漁 業 は 消 費 者 の み な さ ん が 思 う 以 上 に 大 変 な 仕 事 で す 。 後 継 者 の 参 入 を 促 進 す る た め に も 、 集 落 み ん な が 連 携 し て 将 来 を 見 据 え 、 チ ー ム プ レ イ に よ っ て 収 益 を 上 げ る シ ス テ ム を 作 る こ と が 大 切 だ と 思 い ま す 。

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水産物

高付加価値流通

を実現

情報

技術

提供

と地域貢献

⃝水産食品加工学、食品生化学

木村 郁夫

かごしまCOC センター長 学長補佐 水産学部教授 右/シビの鮮度別冷凍解凍品の比較 左上/漁獲3h 後凍 結(ATP4.9mM) 左下/一日冷蔵後凍結 (ATP0.1mM) 鹿児島大学与論活性化セン ターは、旧与論町立診療所を活用した与論町の活性化 を目的とし、2006年2月に開所しました。このセンター は、集中講義や医学部、歯学部の医療実習の場として与 論町を訪れる学生や教職員の簡易宿泊所として利用され ています。宿泊者用に二段ベッド、リネン類(利用料約 1200円)、自炊用台所、与論島内実習先等への移動用の 自転車、インター ネット環境、会議 室等の設備を整え て い ま す。( 問 合 せ:研究国際部社 会連携課地域連携 係 099-285-7105)

与論活性化

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