「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面
著者 毛 桂榮
雑誌名 明治学院大学法学研究 = Meiji Gakuin law journal
巻 97
ページ 31‑59
発行年 2014‑08‑31
その他のタイトル People's Organizations (renmin tuanti) and Civil Service System in China
URL http://hdl.handle.net/10723/1977
明治学院大学
「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面
毛 桂 榮(明治学院大学)
1. めに
中国政治の分析では,「人民団体」の概念がよく登場する。例えば,唐亮『現 代中国の政治』では,中国共産党の統一戦線組織である「政治協商会議」に参 加する組織について,「民主党派」,「人民団体」,「社会団体」に分けられ,8 つの「人民団体」の組織が示されている(1)。
私は,行政学の研究として,「事業単位」の改革に関する論文では,事業単 位「編制」をとる人民団体などのことを紹介し(2),また最近,中国の公務員制 度に関する論文では,公務員の概念範囲に関して,青年団(共産主義青年団)な ど 21 の団体が中国の公務員法を参照して人事管理を行う組織であると紹介し ていた(3)。その際,「事業単位」の編成をとる「人民団体」のような表現を使 用していた。やや不正確な表現である(4)。本稿では,もう少し「人民団体」を 厳密に検討し,その上でその組織の管理体制,さらに「人民団体」と公務員制 との関係(参照管理)について,検討してみたい。
2. 人民団体 と 社会団体
現行の中国憲法(1982 年憲法,2004 年修正)の序文では,中国共産党が指導す る統一戦線のことに関して,各民主党派や各「人民団体」が参加する政治協商 会議(正式には中国人民政治協商会議,「全国政協」は全国委員会の通称・略称)の規
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定があり,そこでは,「人民団体」の用語が使用されている。他方,憲法の本 文を読むと,共産党や民主党派への言及がないだけではなく,「人民団体」の 表現もない。代わりに,憲法の本文では「社会団体」の表現が多く登場してい た。例えば,第 5 条では各政党と「社会団体」の憲法尊重義務が規定されてい る。憲法序文と本文では,「社会団体」の用語が合わせて 7 か所も使用されて いる。憲法解釈では,後者の「社会団体」は,前者の「人民団体」を含むもの とされている。
憲法の政治協商会議に関する規定で,各民主党派と各「人民団体」の表現が あることと同様,政治協商会議の規程や組織規程では「人民団体」の用語が使 用されている。他方,「社会団体」との表現は,例えば,中国の民法総則では「社 会団体法人」の概念があり,また単独の法律としては,後述する「社会団体登 録管理条例」がある。「人民団体」に関する条例のような規定は見られない。
他方,中国の刑法には,「社会団体」の概念とともに,「人民団体」の概念が ある(5)。例えば,刑法にある「国家工作人員」(日本の刑法にある「公務員」の概 念に相当する用語)について定義する第 93 条では,第 1 項に「国家工作人員」は,
「国家機関のなかで公務に従事する人員」,同 2 項に「国有企業,事業単位,
人民団体の中で公務に従事する人員,また国家機関,国有企業,事業単位より 非国有企業,民営非企業単位,社会団体に派遣され公務に従事する人員,及び その他の法律により公務に従事する人員は,国家工作人員と見なす」と規定さ れている(6)。その第 2 項では「人民団体」と「社会団体」の表現が注意深く区 別されており,概念としては「社会団体」に「人民団体」を含むと解釈できそ うにない。
また,中国刑法の第 54 条に刑罰とする「政治的権利の剥奪」に関する規定 では,第 1 に選挙権と被選挙権,第 2 に言論・出版・集会・結社・デモの自由 の権利,第 3 に国家機関の職務を担当する権利,第 4 に国有会社(公司),国 有企業,(政府の)事業単位及び人民団体の指導職務を担当する権利が剥奪の対
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象として挙げられている。即ち,「人民団体」の指導職務を担当することが剥 奪する政治的権利の一つとされているが,この第 54 条 4 項の「人民団体」を「社 会団体」と訳すると,本稿が分析するように大きな間違いをしてしまうことに なる。
「社会団体」に関する単独の規定は,1998 年に実施された「社会団体登録管 理条例(国務院令 250 号)がある。これは法律ではないが,国務院の条例(政令)
として,言わば「社会団体」を規制した単独で唯一の法規である。そこでは,
会員の共同目的を実現し,その定款にある活動を行うため中国公民の自由意志 によって結成された非営利社会組織(第 2 条)が「社会団体」と規定され,そ の非営利性が強調されている。興味深いことに,この「社会団体」の登録手続 きを定めた条例では,その第 3 条第 1 項に,「中国人民政治協商会議に参加す る人民団体」がこの団体登録条例の範囲ではないことが示された。また,同第 2 項では,「国務院の機構編制管理機関が審議確定をし,国務院が許可した登 録免除とされた団体」,さらに同第 3 項では,行政機関,社会団体などの内部 で設立し,その組織の内部で活動する組織が登録の対象ではないことが示され ている。本稿が検討するように,この社会団体登録管理条例の登録範囲ではな い団体(政治協商会議に参加する団体と登録免除の団体)は,まさに「人民団体」(な いし群衆団体,後述)である。
以上の諸規定,即ち憲法や民法総則,刑法,社会団体登録管理条例などから して,「社会団体」の用語は,広い意味では「人民団体」などを含めた概念で あるが,「人民団体」などを除いた,狭い意味の「社会団体」の概念もあると 言えよう。その区別は,重要である。中国政治を理解する,或は中国にある社 会団体のあり方を理解するためにも,中国にある「人民団体」などのあり方を 理解する必要がある。とりわけ「人民団体」(及び後述する「群衆団体」)と「社 会団体」とを区分する作業が必要である。さもないと,刑法 54 条,93 条の規 定を正確に解釈できないことになる。より重要なのは,中国政治における「人
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民団体」の政治的特殊性などを見落としてしまうことである。以下,まず,政 治協商会議に参加する組織,そして社会団体登録を免除された団体を検討して いく。
3.政治協商会議に参加 人民団体
「人民団体」は,一般的な辞書の解説では民間の大衆団体とされるが,これ は誤解されやすい解説であり,中国の実態に則していないと言わざるを得ない。
憲法に規定され,また社会団体登録管理条例ではその管轄外とされる「人民 団体」は,まずもって政治協商会議(中国人民政治協商会議)の参加団体である。
その意味でこの「人民団体」は,特殊な「社会団体」である。中国憲法の序文 及び政治協商会議の規定などで言及される「人民団体」は,具体的には,中華 全国総工会(総工会),中国共産主義青年団(共青団),中華全国婦女聯合会(婦 聯),中国科学技術協会(科協),全国帰国華僑聯合会(僑聯),中華全国台湾同 胞聯誼会(台聯),中華全国青年聯合会(青聯),中華全国工商聯合会(工商聯)
である。図表 1 に示された 8 つの団体(1 番から 8 番まで)は,政治協商会議に 参加する「人民団体」である。その創設の時期からも分かるように,必ずしも すべては政治協商会議が 1949 年に設置された時に存在していた組織ではない。
ここでは,政治協商会議の紹介を省略するが,中国共産党の統一戦線組織で ある政治協商会議に参加する民主党派,即ち,中国国民党革命委員会(1948 年 1 月創設),中国民主同盟(1941 年 10 月),中国民主建国会(1945 年 12 月),中国 民主促進会(1945 年 12 月),中国農工民主党(1930 年 8 月),中国致公党(1925 年 10 月),九三学社(1946 年 5 月),台湾民主自治同盟(1947 年 11 月)は,いず れも 1949 年以前成立されたもので,1949 年における共産党中国の成立に参加 し,また臨時憲法である共同綱領の作成に関わった組織である。ちなみに,政 治協商会議には,中国共産党も当然参加し,全国政治協商会議の主席は,共産
「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面 党政治局常務委員の一人が就任することになっている。
各民主党派と同列され,政治協商会議に参加する「人民団体」は,その組織 形成や組織の目的などではかなり多種多様である。その創設時期から見て,政 治協商会議に参加する 8 つの「人民団体」は,およそ三つのグループに分けら れる。まず,中国共産党の革命に参加・協力した組織(1925 年成立の総工会,
1922 年成立の青年団),そして建国と社会主義建設に協力した組織(1949 年成立 の婦聯と青聯,1953 年成立の工商聯,1956 年成立の僑聯,1958 年成立の科協)である。
第三に,改革開放政策が実施されてから成立した台聯(1981 年成立)がある。
台湾問題などに関わる組織としては,民主党派である中国国民党革命委員会,
台湾民主自治同盟があるが,この組織が新設されたのは,「解放台湾」の方針 から平和統一政策への転換に関連があるからと推測される。これは,中国(大 陸)における台湾人の利益を擁護し,平和統一を促進することを目的にした組 織で,8 つの「人民団体」のなかで一番新しい団体である。
以上のように,政治協商会議に参加する組織としては,民主党派は,いずれ も 1949 年以前に存在していたのに対して,「人民団体」は,すべてが 1949 年 以前に成立していた組織ではない。1981 年の台聯を別にして,1949 年以後に 成立した組織は,いずれも社会主義への改造・過度期(1950 年代)に成立した ものである。言うまでもなく,これらの組織は,自由に設置されたものではな い。「人民団体」の各組織に関する紹介は省略するが,この 8 つの「人民団体」
については,一般的に次のような特徴を有すると紹介される。
第 1 に,これらの組織は,広範な代表性を有する組織とされる。全国規模の 組織である。例えば,工商聯合会の場合,人民代表大会や政治協商会議と同じ ように,各政府レベルに設置されている。また,「工会」(労働組合),「青年団」,
「婦聯」(この 3 組織は,「工青婦」と略称)などは,各政府レベルだけではなく,
大学や企業などの各組織に設置され,社会の隅々まで存在する組織である。
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図表 1 人民団体 と公務員法を参照管理 組織 人民団体・群衆団体
公務員法を参照管理する人民団体・
群衆団体(組織部 2006 年 28 号通知)
組織名(略称) 成立時期 歴史と性質
(1)政治協商会議に参加する8つの「人民団体」
1 中華全国総工会(総工会) 1925 年 5 月 労働組合の連合会 参照管理① 2 中国共産主義青年団(共青団) 1922 年 5 月 青年の共産主義教育の組織 参照管理② 3 中華全国婦女聯合会(婦聯) 1949 年 3 月 女性労働者,女性農民,女性知識人の愛国組織 参照管理③ 4 中国科学技術協会(科協) 1958 年 9 月 自然科学専門学会聯合会と全国科学技術普及協会と
の統合で成立
参照管理⑥
5 全国帰国華僑聯合会(僑聯) 1956 年 10 月 帰国した華僑の利益を擁護する組織 参照管理⑦ 6 中華全国台湾同胞聯誼会(台聯) 1981 年 12 月 台湾同胞の愛国組織 参照管理⑪
7 中華全国青年聯合会(青聯) 1949 年 5 月 共青団を中心に各種青年組織の連合組織 参照管理の対象になっていない 8 中華全国工商聯合会(工商聯) 1953 年 11 月 商会組織。民主党派に準じて管理,その責任者は,
政治協商会議の副主席となる
公務員法の対象組織
(2)社会団体登録が免除される 14「人民団体(群衆団体)」
(民政部 2000 年,256 号通知)
9 中国文学芸術界聯合会(文聯) 1949 年 7 月 文学芸術家の聯合組織,政治協商会の発起組織の一 つ
参照管理④
10 中国作家協会(作協) 1949 年 7 月 作家の協会組織 参照管理⑤
11 中華全国新聞工作者協会(記協) 1957 年 3 月 前身は,1937 年の中国青年新聞記者協会,1954 年の 中華全国新聞工作者聯誼会。新聞記者,ジャーナリ ストの協会組織
参照管理⑩
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12 中国人民対外友好協会(対外 友協)
1954 年 5 月 国際交流を目的にした団体で,1966 年に現在名に改 称
参照管理⑨
13 中国人民外交学会(外交学会) 1949 年 12 月 国際問題と外交政策を研究する団体 参照管理⑮ 14 中国国際貿易促進会(貿促会) 1952 年 貿易を促進し,外資利用,外国技術の導入を図る組
織
参照管理⑫
15 中国残疾人聯合会(残聯) 1983 年 11 月 障害者及び障害者組織の聯合組織 参照管理⑬ 16 中国宋慶齢基金会(宋基会) 1982 年 5 月 宋慶齢国家名誉副主席,孫文夫人を記念し青少年の
教育や福祉を推進する組織。2005 年に現在名に変更
参照管理⑯
17 中国法学会 1949 年 6 月 法曹,法律学者の組織 参照管理⑧
18 中国紅十字会 1904 年 1950 年に改組。中国赤十字組織 参照管理⑭ 19 中国思想政治工作研究会(政
研会)
1983 年 1 月 マルクス主義による思想教育を研究する組織 参照管理⑲
20 欧美同学会 1913 年 10 月 帰国した欧米など留学生の親睦団体 参照管理⑱ 21 黄埔軍校同学会 1984 年 6 月 黄埔軍校設置 60 周年を記念して発足。1924 年以後
の黄埔軍官学校など卒業生の同窓会
参照管理⑰
22 中華職業教育社 1917 年 教育者などによる職業教育を促進する組織。民主党 派である中国民主同盟,民主建国会の成立に寄与
参照管理⑳
(3)上記に属しない「人民団体・群衆団体」
23 中国計画生育協会 1980 年 5 月 計画出産を宣伝,促進する組織 参照管理㉑
(4)地方で「人民団体」とされる組織(例)
24 社会科学界聯合会 各省レベルで 組織
地方の政治協商会議に参加し,社会科学研究を推進 し,各種社会科学研究団体の活動を調整する聯合組 織
地方では,公務員法を参照管理する
「人民団体(群衆団体)」とされる
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第 2 に,共産党の指導を受け入れ,共産党の「統一戦線組織」である中国人 民政治協商会議の構成組織である。「統一戦線」という政治術語についてはそ の分析を省略するが,「人民団体」は,中国の各民主党派と同様に,中国共産 党の統一戦線政策の対象組織である。中国共産党では,中央統一戦線工作部(統 戦部)が設置され,これらの民主党派と人民団体のことを指導している。
第 3 に,民主党派とともに各「人民団体」は,政治協商会議などを通じて,
中国の政治へ積極的に参加し,「政治協商」や「民主監督」に大きな役割を果 たしている。
第 4 に,8つの「人民団体」のなかで,工商聯合会がやや特殊な存在である。
工商聯合会は,制度上,「人民団体」であると同時に「商会」組織であり,
1953 年に社会主義への改造,公有制への転換に際して組織された非公有制企 業を中心にした経済団体連合会である。通常,全国工商聯合会の最高責任者で ある主席は,全国政治協商会議の副主席になり,「党と国家の指導者」(原語は「党 和国家領導人」)の一員に数えられる(7)。地方では同様に,工商聯合会の責任者 は各地方の政治協商会議の副主席になることが慣例である。また,中国で政治 協商会議を紹介する文章では,同会議の参加メンバーは中国共産党,各民主党 派,工商聯合会,各人民団体によって「協商」を通じて推薦されると叙述され ることが一般的である。この「各民主党派,工商聯,各人民団体」という叙述 の慣わしからも,工商聯合会は特殊であることが分かる。共産党の統戦部では,
工商聯合会への指導は,民主党派と同列である。そのような政治的位置,また 慣例もあり,工商聯合会は,「人民団体」でありながら,その他の 7 つの「人 民団体」よりも優位な地位に置かれ,民主党派に近い政治的地位を獲得してい る。中国の公務員法では,共産党の組織,各民主党派の組織とともに,工商聯 合会組織の常勤スタッフが,公務員法の適用対象となり,公務員試験によって 職員が採用されることになっている(図表 2 を参照)。
第 5 に,工商聯合会を除く 7 つの「人民団体」のなかで,「工青婦」と略称
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される「工会」(労働組合),「青年団」,「婦聯」の 3 組織は,政治的に優位であ る。中国共産党の派閥分析では,「団派」(青年団の出身など)の表現があるが,
「工青婦」は,その組織の規模からして,ほとんど「人民団体」の代表組織に なっている。これらは共産党の指導を受けることになっているが,実際,各地 方の共産党委員会では,「工青婦」を担当する「専職副書記」が設置される。「工 青婦」組織の幹部人事は,党委員会の決定事項となっている。
4.社会団体 登録を免除さ た 人民団体 あ い 群衆団体
「人民団体」という政治用語は,上記の 8 つの団体以外にも使用されている。
しかし,その範囲が曖昧な部分がある。この点を考える手掛かりは,前記の「社 会団体登録管理条例」にある登録免除団体である。
1998 年 10 月に公布・実施された「社会団体登記管理条例」第 3 条 2 項では,
「国務院の機構編制管理機関が審議確定をし,国務院が許可した団体」が登録 を免除されることが示された。しかし,その登録免除となる団体の具体的な組 織名は,同条例では列挙されていない。2000 年 12 月に国務院の民政部が公表 した「部分団体が社団登録を免除することに関する民政部通知」(2000 年 256 号 通達)でその免除となる組織が詳細に列挙されて,その具体的な免除団体に関 する情報が提供された。同通知では,党中央と国務院の同意を得た 3 点が通達 された。第 1 に,政治協商会議に参加する団体は社会団体の登録をしないこと が明示され,具体的には上述した政治協商会議に参加する 8 つの団体が列挙さ れた。第 2 に,国務院の批准を得て登録を免除できる団体名が列挙された。そ れは,中国文学芸術会聯合会(文聯),中国作家協会(作協),中華全国新聞工 作者協会(記協),中国人民対外友好協会(対外友協),中国人民外交学会(外交 学会),中国国際貿易促進会(貿促会),中国残疾人聯合会(残聯),中国宋慶齢 基金会(宋基会),中国法学会,中国紅十字会,中国思想政治工作研究会(政研会),
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欧美(欧米)同学会,黄埔軍校同学会,中華職業教育社,合わせて 14 団体で ある。図表 1 の第 2 段(9 番―22 番)に掲載されたのは,この 14 団体である。
中国の社団登録では,この 14 団体と上述の 8 団体(人民団体)と合わせて,22 団体が免除される形となる。問題となるのは,上記の 8 つの「人民団体」とこ の 14 団体との相違である。
「社会団体登録管理条例」は,第 3 条 1 項では政治協商会議に参加する団体,
第 3 条 2 項では国務院が認可した登録免除団体を登録の対象外としていた。両 者の相違はこの条例ですでに示されていると言える。民政部 256 号通達では,
同じく 8 団体と 14 団体の相違が示されている。即ち,通達では政治協商会議 に参加する団体(8 つの人民団体)は社団登録をしない団体,また 14 団体は国 務院が許可した登録免除の団体とされている。換言すると,8 つの人民団体は,
国務院の許可を必要としないものであるが,14 団体は,審査が必要であり,
また実際この通達で審査を経て許可と明示された団体である。さらに民政部 256 号通達では,登録が免除できる 14 団体については,社団登録条例に則り 団体登録をし,また年度の検査に参加したければ,その条例に基づいて登録の 手続を行うことができること,また免除できる 14 団体は社団登録をしたくな い場合,社団登録機関は,今回(2000 年)の社団整理の過程で,その社団の法 人証書を更新しないことにし,またすでに発行された社団法人証書,社団の公 印などを社団登録機関に返却すると規定されている。繰り返すが,社団法人の 登録においては,8 つの「人民団体」は登録しない団体で,上記の 14 団体は 登録免除できる団体である。後者の 14 団体は,登録したければ,登録可能で あるが,その場合,普通の社会団体と同じように,法人となり,法人証書と公 印が登録機関から発行され,また社団法人の年度検査に参加することになる。
実際,14 団体が社団登録をしたという情報は伝えられていない。
以上のようなこともあり,中国では,「人民団体」を言う場合,8 つの「人 民団体」を指す場合と,また上記の 22 団体を合わせて「人民団体」と通称す
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る場合がある。また曖昧な表現として,これらの 22 団体を指して「人民団体・
群衆団体」と称することがある。換言するなら,前記の 14 団体については,「人 民団体」とする場合もあれば,「群衆団体」と称する場合もある。「群衆団体」
という言葉は,中国の政治用語であり,法律や法規では「社会団体」,「人民団 体」(例えば中国憲法,刑法の例)があるが,「群衆団体」と表現する法規はあま り見当たらない。上記に検討した 22 団体を一括して「人民団体」と称し,あ るいは「人民団体・群衆団体」と総称することが良く見られるが,22 団体の ことを「社会団体」と表現することはあまりない。同様に,登録免除できる 14 団体を指して「社会団体」と通称することはやや不正確である。この点に 関連して,上記に引用した唐亮『現代中国の政治』では,民主党派及び団体登 録をしない 8 つの「人民団体」とともに,団体登録を免除できる 14 団体のこ とを,政治協商会議における「社会団体」として列挙されている。団体登録を しない 8 つの「人民団体」も登録免除できる 14 団体も政治協商会議の参加団 体である点に問題はないが,唐亮は,登録免除できる 14 団体のことを「社会 団体」と表現している。正確的には「人民団体(群衆団体)」の組織であると指 摘しておきたい。
5. 人民団体・群衆団体 政治的特殊性
上記の 22 団体は,なぜ「社会団体」と通称しないのかは,社会団体登録管 理条例がいわばその法的根拠を示したと言える。この 22 団体は,法人登録を しない,あるいは登録を免除されている「人民団体・群衆団体」である。それ らは,普通の「社会団体」ではない。
普通の「社会団体」と区別される「人民団体・群衆団体」は,その政治的特 異性が政治協商会議への参加に現れる。8 つの「人民団体」はもちろん,法人 登録を免除されている 14 の「群衆団体」も政治協商会議の参加団体である。
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同じ政治協商会議の参加団体でありながら,8 つの「人民団体」と 14 の「人 民団体・群衆団体」の相違はどこにあるのか,これについては,さほど明確で はない。直近の 2004 年に修正された政治協商会議章程(規程)の第 20 条では,
中国人民政治協商会議全国委員会は,中国共産党,各民主党派,無党派人士(有 識者),人民団体,各少数民族,各界の代表,香港特別行政区同胞,マカオ特 別行政区同胞,台湾同胞,また帰国華僑同胞,及び特別招待代表からなり,若 干の「界別」を設けると規定されている。一つの説明は,14 団体は,人民団 体(群衆団体)でありながら,「界別」の代表,あるいは「各界の代表」という 資格で政治協商会議に参加している。
政治協商会議の規定にある「界別」という用語がいつ頃から使い始めたかは 不明であるが,政治協商会議の規程では 2004 年の修正で初めて使用されたよ うである。香港特別行政区立法会及び行政長官選挙委員会の選挙は,直接選挙 のほか,職能・職業集団の代表が選ばれており,その場合の表現は,「功能界別」
である。言わば職能,職業集団別のことである。その影響かと勝手に推測され るが,中国語辞書では登場しない「界別」という用語が最近使用されるように なった。また,政治協商会議の構成を説明する場合,共産党,民主党派,人民 団体のほか,文化芸術界,科学技術界,社会科学界,経済界,農業界,教育界,
スポーツ界,マスコミ出版界,医薬衛生界,対外友好界,社会福祉界,少数民 族界,宗教界の(各界)代表も参加すると説明されるように,社会科学界,経 済界などのような表現から「界別」の用語が成立したのであろうか。現在,「界 別」は,職能,職業の別に限定されず,党派などのことも「界別」と表現して おり,2013 年に成立した第 12 回政治協商会議全国委員会(任期 5 年)では,
中国共産党を第 1「界別」,8 つの民主党派を 8 つの「界別」(2 番から 9 番まで)
として,合わせて 34 の「界別」が示されている。「界別」は,政治協商会会議 を構成する基本となり,共産党,各民主党派に続き,青年団など「人民団体」
は,それぞれが政治協商会議の「界別」の一つとなっている(8)。
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政治協商会議に参加する「界別」組織のことをこのように理解するなら,な ぜこの 14 団体(或は 22 団体)が特別なのかという問題は,依然として合理的 に説明できない。とりわけ 14 団体の成立時期をみると,1949 年以前のものも あれば,それ以後の組織もある。また 1980 年代に成立したものもある。政治 協商会議は,共産党の統一戦線組織で,参加者は,選挙によって選出されるも のではない。香港の映画スターが政治協商会議に参加することでマスコミを賑 わすが,政治協商会議の規程第 30 条では,毎回の政治協商会議全国委員会の「参 加単位」,委員定数,人選及び「界別」の設置は,前回政治協商会議全国委員 会主席会議が審議して同意した上,(政治協商会議の)常務委員会が協商して決 定すると規定されている。制度的に会議に参加する組織に関する明白な規定は ないと言える。34 の「界別」は政治協商会議を構成する基本ではあるが,政 治的判断で参加団体,参加組織,参加者が選ばれている。上記の 22 団体は,
政治協商会議に参加するので,「人民団体・群衆団体」になるのではなく,政 治的に「人民団体・群衆団体」であるので,政治協商会議に参加するのである と理解すべきであろうか。
ここでは,一例をあげてこの点(政治的位置づけ)をもう少し説明していきた い。14 団体の中には中国思想政治工作研究会(政研会)なる組織があり,当該 組織の政治的背景と立場をここでは分析しないが,その成立の歴史から「人民 団体」,あるいは「群衆団体」になる政治的根拠がある程度推測できる(9)。こ の組織は,共産党中央書記処の同意を得て 1983 年 1 月に設置され,2 月に当 時の労働人事部が公表した 1983 年 13 号通知では,当該研究会は国家経済貿易 委員会の所管となり,「事業編制 20 名」(編制のことは後述)とされていた(10)。 中国職工思想政治工作研究会は,職業労働者の思想教育に取り組む組織である。
1988 年に共産党中央の同意を得て国務院の決定を経て(経済貿易委員会と計画委 員会が合併後),共産党の宣伝部の管轄となり,即ち,政府の管轄から共産党の 管轄となり,政治的に重要な団体(群衆団体)となったのである。また 1994 年
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に共産党の中央機構編制委員会弁公室から「政研会の機構改革に関する通知」
が出され,そこでは宣伝部の管轄及びその機能,内部組織の設置,全額財政支 給の「事業編制 22 名」(行政編制 22 名?)(11)が明示され,また当時国家公務員 暫定条例(1993 年)が実施されたので,公務員条例を参照して人事管理すること,
指導幹部は局級幹部 3 名,処級(課長級)幹部 8 名の級別定数が示されると同 時に,当該組織は中央機構編制弁公室が直接管轄する全国 19 団体(当時,現在 は 22 団体)の一つと明示された。即ち,中国職工思想政治工作研究会(政研会)
が「人民団体・群衆団体」の一つになったのである。また 2003 年に,共産党 の宣伝部と機構編制弁公室の許可を得て,組織名は中国思想政治工作研究会に 変更し,さらに 2005 年に機構編制弁公室の許可で,「事業編制 20 名」の研究 所が追加で設置された。現在,中央宣伝部,中央党学校や青年団の関係者がそ の政研会の指導部に入り,全国で 34 の地方政府(省)レベルの政研会を含む 74 の団体会員,また全国の(化学工業・金融業など)42 業界の支分会を抱える 一大組織になっている。
以上の事例から見るように,「人民団体・群衆団体」は,共産党,より具体 的には,機構編制委員会の審査と認定がその地位のありように決定的な意味を もっていると言える。その結果,8 つの「人民団体」と 14 の「人民団体・群 衆団体」は,組織や人事,財政保証などでその相違が現れたといってよい。し かし,機構編制委員会の審査と認定は,何に依拠するのか,やはりそれらの「人 民団体・群衆団体」の政治的位置が重要な要素となるであろう。8 つの「人民 団体」については,その特殊性をすでに指摘してきた。さらに「工商聯」が民 主党派に近い地位を有することや,「工青婦」が「人民団体」の代表格である ことなどその広範な代表性があることを紹介した。8 つの「人民団体」は,い ずれも全国規模の組織であり,同様の地方組織がほとんどの地方で設置されて いる。これに対して,14 の「人民団体・群衆団体」は,必ずしも同様に地方 組織が設置されているとは限らない。14 団体は,組織の規模や代表性などで
「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面
は 8 つの「人民団体」に及ばない。業界や職能組織が多い。その政治的重要性,
そして共産党の統一戦線政策における位置づけも異なってくる。
関連して,地方レベルでは「人民団体・群衆団体」の構成が異なることがあ る。政治協商会議の「界別」の一つとなっている「社会科学界」については,
各地方では「社会科学界聯合会」なる団体が組織されることは一般的であるが,
社会科学界聯合会(社聯)は,地方では「人民団体」あるいは「群衆団体」と するのが一般的である。例えば,上海市社会科学界聯合会(上海社聯)の規程 第 2 条では,上海社聯は上海市共産党委員会が指導する「学術的・群衆団体」
と定義されている(12)。上海社聯は,上海市政治協商会議に参加し,公務員法 を参照して管理する組織となっている。各種資料を検索してみると,地方の社 会科学界聯合会のことを「群衆団体」のほか,「人民団体」と称することも多い。
しかし,全国レベルでは「社会科学界連合会」という「人民団体」は存在しな い(図表 1 を参照)。このように「人民団体・群衆団体」の具体的構成は,全国 と地方では異なり,「人民団体・群衆団体」は一定しない。
6. 人民団体 と行政編制
以上の説明で,すでに「人民団体・群衆団体」のあり方に関しては,共産党 の機構編制委員会の決定が重要と指摘した。ここでは,「人民団体」と編制管 理との関係について,少し検討してみたい。
この「編制」という制度は中国独特のものであるが,一般に行政編制(国家 機関編制),事業単位編制,国有企業編制などに分かれるとされるが(13),国家 機関などに関わる管理は「行政編制管理」とされ,事業単位の管理は「事業(単 位)編制管理」とされている。編制管理は,言わば行政学における組織権,組 織決定制度のことである。中国の編制管理は,通常,機能,組織(内部組織の 構成),人員(人員総数,級別定数など)の 3 つを審査・許可・確定することから,
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「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面
法学研究 97号(2014年8月)
「3 定」(機能,組織,人員の 3 つの確定)と大まかに理解されている。注意すべ きなのは,行政編制(国家機関編制)は,行政機関の編制だけではなく,通常 の(立法,司法を含む)国家機関のほか,政党組織,工商聯合会組織の編制(管理)
も「行政編制」と呼ばれる。
中国では,国家組織と政府の事業単位組織の編制管理は,共産党の中央機構 編制委員会の管轄となっている。事業単位については,中央機構編制委員会の 事業単位管理局が担当することについて分析したことがあるが(14),行政編制 管理も,同委員会が担当することになっている。
本稿が分析する「人民団体」は,行政編制か,それとも事業編制かを問うな ら,その回答は行政編制である(15)。注意すべきなのは,第 1 に,行政編制と 事業(単位)編制などは,予算上の区分であり,いずれも財政の支援を受ける ことに相違ない。行政編制は,基本的に全額財政保障となるが,事業編制は,
全額自主経営,部分財政保障と全額財政保障に分かれる(16)。例えば「(事業・
行政)編制 22 名」と明示される場合,その 22 名の人件費が全額財政保障であり,
事業編制と行政編制では,財政の保障においては相違がない。第 2 に,行政編 制は,政治的,行政的な組織に適用され,拘束性が高い。行政機関的に管理さ れ,規制が厳しくなる。他方,事業編制は,公共サービス(教育,医療,文化な ど)の組織に適用され,多様であり,より自由に運営されている。事業編制は 応用性が高く,経済社会の変化に応じて変化することが多い。現在,事業単位
(事業編制組織)は法人化の方向へ改革が進められている。第 3 に行政編制と 事業編制の組織は,ときおり複雑に絡むことがある。行政編制組織は,そのも とで別組織として「事業編制」の組織を作ることができる。
「人民団体」は,行政編制の組織である。事業編制か行政編制かの問題は,「人 民団体」のことを考える上で,重要なポイントである。しかし,注意すべきは,
これらの団体組織が行政編制であるので政治的に重要となるのではなく,政治 的に「人民団体・群衆団体」であるので,行政編制の制度によって管理され,
「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面
その人事が共産党委員会の直接統制に服し,また「人民団体」として政治協商 会議に参加するのである。「人民団体・群衆団体」は,その編制が行政編制か 事業編制かというより,これらの組織は,「人民団体・群衆団体」という性格 付けの方がより重要である。後述する公務員法との関係では,行政編制の団体 であるゆえに公務員法を参照して人事管理を行うことになるよりは,「人民団 体・群衆団体」であるゆえに公務員法を参照して人事管理を行うことになると 理解すべきであろう。前掲の政治思想工作研究会は,1994 年に「事業編制 22 名」
と明示されて,それがどこまで正確に記述されているか(行政編制 22 名?)は 不明であるが,当該組織は,「人民団体・群衆団体」の一つとして,業務は共 産党の中央宣伝部の管轄となり,人事・組織などは中央機構編制弁公室の直接 管轄となり,またその上,国家公務員暫定条例の参照管理組織と許可されたの である。
他方,地方では社会科学界聯合会(社聯)は,政治協商会議の参加組織(社 会科学界という界別の代表組織)であり,「人民団体(群衆団体)」であるが,すべ ての地方ではその組織が行政編制かというと,実は,(特に県レベルでは)事業 単位編制をとるケースが結構ある。しかし「人民団体(群衆団体)」であるので,
これらの組織は,地方でも地方党委員会の直接な指導下に置かれ,共産党の編 制管理組織の統制に服し,人事はもちろん,組織編成・再編成は,党の機構編 制委員会の審査と許可が必要である。後述するように,各地方では社会科学界 聯合会(社聯)は,「人民団体(群衆団体)」として公務員法を参照管理する団体 となっている。
7. 人民団体 と公務員法:参照管理について
中国思想政治工作研究会は,1994 年に国家公務員暫定条例を参照して人事 管理をする組織と通知されたことは,すでに言及していた。1993 年に国家公
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「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面
法学研究 97号(2014年8月)
務員暫定条例が実施され,その直後から多くの「人民団体・群衆団体」は,新 規採用において国家公務員の統一採用試験に参加し,また公務員暫定条例を参 照して人事を管理することになっていった(17)。
中国では 2006 年 1 月に公務員法が実施されたが,公務員法の適用範囲組織
(公務員の範囲)が明示されなかった。同年 4 月に共産党の中央組織部が公表 した「公務員法の実施方法」通達では,「公務員範囲の規定」などが付属文書 で明示された。その結果,図表 2 に見られるように,国家機関のほか,共産党,
各民主党派,工商聯合会の各組織は公務員法の適用対象となった。国有(公有)
企業の役職員,また軍人は,公務員ではない。
工商聯合会は,「人民団体」として,現在,公務員法の適用範囲に含まれて
分類 対象組織(常勤スタッフ) 公務員法の
根拠規定 関係法規と政策
国家機構 立法機関,行政機関,
司 法 機 関(検 察, 裁 判 機関)
公務員法第 2 条。
細則として中央組 織部 2006 年「 公 務員法実施方法」
附属文書「公務員 の範囲規定」第 11 条
憲法,設置法,組織法,裁判官 法など特別法も適用
国家機構で はない組織
共産党の各級組織 共産党規程,政治協商会議規程
なども適用 民主党派の組織
政治協商会議 工商聯合会 公務員法を
参照管理す る組織
共産党中央及び国務院 直属事業単位が 2008 年 まで 19 組織。また各部・
委員会管轄の事業単位 など
公務員法第 106 条。
同上「公務員法実 施方法」附属文書
「参照組織審査方 法」
中 央 組 織 部 2006 年 通 知 27 号
「事業単位参照公務員法の管理 に関する意見」,組織部 2006 年 33 号「公務員法参照の党中央,
国務院の直属事業単位リストの 通知」
「工青婦」など 21「人 民団体・群衆団体」
(規定なし) 中 央 組 織 部 2006 年 通 知 28 号
「工青婦など人民団体・群衆団 体の公務員法参照管理の通知」
図表 2 中国公務員法 適用
出典:毛桂栄・白智立「中国の公務員制度」,表‒2(74 頁)を修正。
「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面
いる。公務員法の法案趣旨説明に関する資料では明示されなかったが,後に中 央組織部が発した「公務員範囲の規定」で公務員法の適用範囲に含まれるよう になったものである(18)。「工商聯合会」は,政治協商会議と同様に中央と地方 で設置されており,前述したように民主党派に準じる政治的地位を獲得してい る。公務員法の具体的適用で,「人民団体」である工商聯合会は公務員法の適 用対象に含まれるようになった。
工商聯合会を除くそのほかの「人民団体」は,どうであろうか。まず,指摘 すべきは,中国公務員法の附則第 106 条では,法規により公共管理機能を担う
「事業単位」組織については審査により公務員法を参照して人事管理を行うと 規定されている。この規定をより具体化したのは,中央組織部が発した「公務 員法の実施方法」の付属文書 5「公務員法参照管理審査方法」,及び中央組織 部 2006 年 27 号通知「事業単位参照公務員法の管理に関する意見」などである。
その結果,2006 年に中央組織部 33 号通知では公務員法を参照管理する党中央,
国務院直属の事業単位として 17 組織がリスト・アップされていた。党中央直 属の事業単位としては,中央党学校,中央文献編訳局,中国外文出版発行事業 局,(上海)浦東幹部学院,井岡山幹部学院,延安幹部学院の 6 機関,また国 務院の直属事業単位としては,地震局,気象局,国務院発展研究センター,国 家行政学院,銀行業監督管理委員会,証券業監督管理委員会,保険監督管理委 員会,国家電力監督管理委員会など 11 組織が含まれていた。さらに 2008 年 10 月には中央党史研究室,中央文献研究室が追加される通知が発せられた。
2008 年までに中央レベルでは,合わせて計 19 の事業単位が公務員法を参照し て管理する組織と許可されている。同様な作業は,地方政府でも行われている が,省略する。
中国公務員法の附則第 106 条は,公共事務管理機能を有する事業単位の参照 管理に関する規定である。「人民団体」については,公務員法では,直接に言 及していない。すなわち事業単位が許可により公務員法を参照して管理する規
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「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面
法学研究 97号(2014年8月)
定(106 条)が公務員法に存在するのに対して,「人民団体・群衆団体」が(審査・
許可により)公務員法を参照して管理するという規定は,公務員法には存在し ていない(19)。中央組織部が 2006 年に公布された,「公務員法の実施方法」付 属文書 5「公務員法参照管理審査方法」の第 3 条では,「国家行政編制を使用 する人民団体と群衆団体が公務員法を参照管理することに関しては中央が別途 文書で明示する」と規定されている。公務員法に関わる「人民団体」及び「群 衆団体」の参照管理は別途に規定されることが明示されたのである。ここから も分かるように,「人民団体」及び「群衆団体」の人事管理は,事業単位のそ れと区別されている。
さて,共産党の中央組織部は,2006 年に「工会・共青団・婦聯など人民団 体及び群衆団体が公務員法を参照管理することの意見」(2006 年第 28 号通知)
で公務員法を参照管理する人民団体のリスト(21 団体)を公表した。通知の表 題は,「工会・共青団・婦聯など人民団体及び群衆団体」となっており,「工青 婦」がその代表格と示され,また「人民団体及び群衆団体」との表現が使用さ れていることにも注目してほしい。即ち「人民団体」のほか,「群衆団体」の 表現が使用された。いうまでもなく,「社会団体」の表現は使用されていない。
このリストで公表された公務員法を参照管理する 21 の「人民団体・群衆団体」
は,前述した 22 の「人民団体・群衆団体」と照合できるように図表 1 の右側 に整理した。「人民団体・群衆団体」の構成に関する微妙な相違は,この比較 対照によって明らかとなる。結論的にいうと,前述した 22 の「人民団体・群 衆団体」すべてが公務員法を参照管理する組織になったわけではなく,また参 照管理する組織(21 の「人民団体・群衆団体」)は,本稿が検討した 22 の「人民 団体・群衆団体」に限定されない(図表 1 を参照)。
まず,前述した 22 の「人民団体・群衆団体」は,すべてが公務員法を参照 管理する団体になったわけではない。「人民団体」としての工商聯合会は,前 述したように公務員法の適用組織となり,工商聯合会の常勤職員は公務員とし
「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面
て扱われる。他方,「人民団体」として中華全国青年聯合会(青聯)は,公務 員法の適用対象ではないが,この通知によれば,公務員法の参照管理の対象組 織にもされていない。中華全国青年聯合会(青聯)が「人民団体」として公務 員法の参照管理団体としない理由は,通知では明示されていないが,推測とし てはその団体の常勤スタッフが青年団のそれと重なるからである。青聯は,
1949 年に各種青年団体の聯合組織として発足していたが,現在は青年団を中 心に 16 の全国団体及び 36 の地方団体から構成され,主たる参加団体は青年団 のほか,中華全国学生聯合会,中国青年企業家協会,青年郷鎮企業家協会,青 年科学技術工作者協会などである。青聯の本部は青年団の本部と同じ住所にあ り,機能的に青年団と重複すると推測される。公務員法の参照管理組織である 青年団と重なる中華全国青年聯合会(青聯)は,「人民団体」ではあるが,公 務員法の参照管理団体とならなかったのである。
他方,22 の「人民団体・群衆団体」に関する紹介では登場しない組織として,
中国計画生育協会が公務員法の参照管理組織と許可されていた(図表 1,23 番 の団体)。当該協会の規程では,非営利の「群衆団体」と定義されている。前 述した 14 の人民団体・群衆団体に類似する組織といってよいが,前述した 14 の「人民団体・群衆団体」に含まれていない組織である。なぜこの団体が公務 員法の参照管理団体になったのかは不明である。「人民団体・群衆団体」の具 体的構成が一定しない事例でもある。関連して,前述したように社会科学界聯 合会(社聯)は各地方で設置される「人民団体・群衆団体」であり,「人民団体・
群衆団体」は,上述した 22 団体に限定されないという結論が補強されている(20)。
「人民団体・群衆団体」である「社会科学界聯合会」(社聯)は,(図表 1 の 24 番に見るように)地方では公務員法を参照管理する団体となっている(21)。結果 として,公務員法を参照管理する人民団体・群衆団体は,とくに地方では,党 中央組織部が通知した上述 21 団体(2006 年 28 号)に限定されないことになる。
さて,以上で「人民団体・群衆団体」は,行政編制で公務員法を参照管理す
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「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面
法学研究 97号(2014年8月)
ることを明らかにしてきたが,次にその参照管理に関しては,2 つの問題を明 らかにしていかなければならない。まず第 1 に,「人民団体・群衆団体」はな ぜ公務員法の参照管理組織となるのか。第 2 に,具体的にどのように参照管理 するのか,その参照管理の具体的な制度設計などの問題もある。この点は,事 業単位組織の参照管理にも言える問題である。
第 1 に,「人民団体・群衆団体」は,なぜ公務員法を参照管理する組織にな るのか。それは,実はさらに 2 つの問題に分解できる。一方では,「人民団体・
群衆団体」は,非政府の「社会団体」として公務員法を適用あるいは参照管理 とせずに,労働法などを適用できないのか。他方,すべての「人民団体・群衆 団体」はなぜ,前述した工商聯合会と同じように公務員法をそのまま適用でき ないのか。即ち,「人民団体・群衆団体」の常勤スタッフをなぜ公務員として 制度化できないのか。前者の問題は,本稿の分析ですでにある程度,明らかに なってきた。中国政治においては「人民団体・群衆団体」は,単なる「社会団 体」ではないし,厳密に「非政府組織」でもない。中国憲法の規定にあるよう に共産党の統一戦線組織として,「人民団体・群衆団体」は,共産党の政治支 配に大きな役割を果たし,多くの公共管理事務を分担している。中国の刑法 93 条で国家工作人員(公務員)を定義する場合,「人民団体」で公務に従事す る人員を含めて捉えるのはそのためである。
他方,「人民団体・群衆団体」が公共事務管理機能を有するなら,その組織 のスタッフを,工商聯合会と同じように公務員法の適用対象にしないのは,な ぜか。中国公務員法の第 2 条では,公務員は法により公職を履行し,国家行政 編制に依拠し,国家財政により給与と福利厚生を負担する人員と定義されてい る。この(公職,行政編制,財政負担)定義から,事業単位組織は「行政編制」
ではなく,「事業編制」であるので,公務員法がそのまま適用できず,結局,
公務員法を参照管理することとなった。しかし,本稿で検討されている「人民 団体・群衆団体」は,行政編制であり,国家財政により支えられていることは
「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面
明白である。またその担当する事務は,共産党の統一戦線組織として「公職」
と言えなくもない。実際,共産党や各民主党派,政治協商会議はもちろん,工 商聯合会も公務員法の対象組織となっており,これらの組織は,「公職」を履 行していると判断されている。中国の政治環境においては,「人民団体・群衆 団体」は公職を履行する団体といってよいであろう。繰り返すが,刑法の 54 条では,このような判断のもとで「人民団体」の指導職務を担当する権利が(剥 奪する)政治的権利とされたのである。従って「人民団体・群衆団体」は,公 務員法の第 2 条の定義に則して判断するなら,すべてが工商聯合会と同じよう に公務員法の適用対象組織とされてもおかしくないはないはずである。
しかし,本稿が検討するように「人民団体・群衆団体」は,多種多様である。
その一部は,政治的な判断で政治協商会議の参加組織となり,あるいは社団登 録が免除されている。非政府組織としての自律的な発展,国際的に非政府組織 との交流などの理由で,結局,公務員法では「人民団体・群衆団体」を公務員 概念の適用対象としなかったのである(22)。事業単位が許可により公務員法を 参照して管理する規定(106 条)は公務員法に存在するのに対して,「人民団体・
群衆団体」が(審査・許可により)公務員法を参照して管理するという規定は,
公務員法には存在しない,ということになった。「人民団体・群衆団体」の政 治性の故であろうか。結局,共産党の中央組織部が公表する通知(2006 年 28 号 通知)で公務員法への参照管理を具体的に規定することになった。
さて,事業単位組織も「人民団体・群衆団体」組織も,結果として審査・許 可により公務員法を参照して人事を管理するということになったが,公務員法 の参照管理とは一体,何であろうか,どのように参照管理するのか,これは,
次に検討する。
共産党中央組織部 2006 年の 28 号通知では,「人民団体・群衆団体」の参照 管理に関しては,まず,「人民団体・群衆団体」(行政編制)の下で設置する事 業単位編制の組織は公務員法を適用・参照しないことや,また運転手などの勤
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「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面
法学研究 97号(2014年8月)
務員(中国では「工勤人員」とされる)は,公務員法を適用・参照しないことが 明確に規定された上で,「幹部」管理に関する特別な法規や団体に関する特別 な規程を除き,公務員法及び関連法制による規定を適用する方針が示された。
即ち,公務員の採用,業績評価,職務の任免,昇格・降格,奨励・懲罰,研修,
交流(人事異動)と回避(職務回避,公務回避など),給与や福利厚生,辞職退職,
告訴控訴,非指導職務設置の規定等が参照管理組織で適用されることになる。
そして具体的な作業としては,最初に参照管理組織において参照管理人員の登 録・確認作業を行い,行政編成(定員規制,級別定数など)を前提に常勤のスタッ フに対して「参照公務員法管理機関工作人員登記表」が作成され,また審査と 許可の手続きがとられる。実務では編制管理を超えない範囲でこの登記表で再 確認されたスタッフが「公務員法参照管理人員(参公管理人員)」として,その 職位,職級などを公務員法に則して確認し,給与福利厚生なども公務員法に則 して調整することが進められる。
その結果,参照管理する「人民団体・群衆団体」,また参照管理する事業単 位組織においては,それぞれの行政編制あるいは事業編制の規制をもちながら,
参照管理するスタッフの人事管理などは,公務員との相違がほとんどなくなる。
実務としては,参照管理する「人民団体・群衆団体」,及び参照管理する事業 単位の新規採用は,公務員統一試験の一環として行われている。言わば競争試 験制度が参照管理する「人民団体・群衆団体」,また事業単位に適用されるよ うになった。その後の昇進や昇格は,公務員法制の昇進・昇格の規定を適用し,
「公務員」の身分をもたないが,公務員と同じようなキャリアが形成されるよ うになる。例えば公務員では,総合管理職類の非指導職務は巡視員,副巡視員,
調研員,副調研員,主任科員,副主任科員,科員,事務員に等級区分されるが,
参照管理する組織のスタッフにも同様な職級規定が適用される。「公務員法参 照管理人員(参公管理人員)」は「準公務員」と言ってよいであろう(23)。 もちろん,現実的な問題も存在する。「公務員法参照管理人員」は,公務員
「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面
と同じようなキャリアを形成するが,例えば非指導職務の主任科員に昇進した 場合に,政党や政府機関の同職級に人事異動し,公務員の身分を取得すること ができるかどうかといった問題がある。即ち「準公務員」が公務員になること ができるかという問題である。それは,身分保障にかかわる問題でもあるが,
現実問題として公務員法では,交流(人事異動)制度があり,同じ公務員の場合,
各組織間で人事異動は問題ないが,参照管理する「人民団体・群衆団体」及び 事業単位の「準公務員」と公務員との人事交流をどう進めるのか,という問題 が発生する。中国の公務員法(第 64 条)では,「調任」という制度が設けられ ている。即ち,国有企業,事業単位,「人民団体・群衆団体」の中より,公共 管理事務に従事する人員を公務員に異動(調任)する制度である。公務員の対 象組織に「調任」された場合,公務員の身分を獲得する。これは,指導職務あ るいは非指導職務の副調研員以上の職級に適用される制度である。副調研員は,
日本の中央省庁の課長補佐に相当する職級であり,この人事異動の規定は,言 わば国有企業,事業単位,「人民団体・群衆団体」の幹部職を幹部公務員に任 命する方法である(24)。その以下の職には適用されない。そうなると,非指導 職務の副調研員職級以下(例えば主任科員)の「準公務員」が公務員と同じキャ リアを形成しながら,公務員になることができるかどうか,という制度設計の 問題が現に発生している。それを可能とするならば,公務員の規模が大きく膨 張する可能性が出てくるが,各地方政府では,現在異なる政策をもちながら,
実験を繰り返している。
公務員法を参照管理する制度に関しては,より詳細な関係法制が公表されて いないので,不明瞭な部分をもちながらも,大きな方針に則して現在,進めら れている。
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「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面
法学研究 97号(2014年8月)
8.終わ に: 人民団体 準公務員組織
中国では,「人民団体・群衆団体」は,普通の「社会団体」ではない。憲法 や刑法にも登場する「人民団体」という言葉は,特殊な政治用語である。本稿 が検討するように,政治協商会議に参加し,社会団体登録をしない団体(8 団体)
は「人民団体」で,社団登録が免除できる 14 団体は「人民団体・群衆団体」
である。狭義の「人民団体」は,政治協商会議に参加する 8 団体であるが,こ れらの 22 団体を併せて「人民団体」あるいは「人民団体・群衆団体」と通称 することもある。その結果,例えば前述した中国刑法にある「人民団体」の概 念が曖昧であると指摘されている。それはともかく,これらの「人民団体・群 衆団体」は「国家行政編制」によって管理され,多くの公共管理機構を担当し,
現在もその政治的な位置により,公務員法を参照して人事管理する国家的な組 織(準国家組織)になっている。「人民団体・群衆団体」の常勤のスタッフは,「準 公務員」といってよいであろう(25)。
社会団体は,非営利性や公益性のほか,自律的なガバナンス構造を有する非 政府組織とされるが,中国の「人民団体・群衆団体」は,政府財政に依存し,
共産党の統制に服しており,「社会団体」の概念では捉えられない政治的な役 割を有する,「準国家組織」である。「人民団体・群衆団体」では,公務員法を 参照して管理するような人事制度が形成され,「準公務員」組織となるのである。
中国の「準国家組織」あるいは「準公務員」組織である「人民団体・群衆団 体」は,共産党や国家が社会を統制するための補助装置として(26),これから も大きな役割を果たしていくであろう。
(2013 年 10 月初稿,2014 年 4 月改稿,毛桂榮
/MAO, Guirong)
「人民団体」と公務員制:中国政治の一側面 注
( 1 ) 唐亮『現代中国の政治』(岩波新書,2012 年),149 頁を参照。
( 2 ) 毛桂榮『比較のなかの日中行政』(風行社,2012 年)第 4 章「中国における事業 単位の改革」を参照(原出は,明治学院大学『法学研究』90 号,2011 年 1 月,219 302 頁)。
( 3 ) 毛桂榮・白智立「中国の公務員制度」,武藤博己ほか編著『東アジアの公務員 制度』(法政大学出版局,2013 年)第 2 章所収を参照。
( 4 ) この点,諏訪一幸静岡県立大学教授から指摘を受けた。記して感謝したい。
( 5 ) 中国の刑法については,甲斐克則ほか編訳『中華人民共和国刑法』(成文堂,
2011 年)を参照。中国刑法の 54 条(同書,84 頁),93 条(同書,95 頁)では,正確 に「人民団体」と訳出されている。
( 6 ) 中国における「国家工作人員」の用語に関しては,毛桂榮「『公務員』の用語 と概念をめぐって:日本と中国」(明治学院大学『法学研究』98 号に掲載の予定)を参照。
( 7 ) 中国における「党と国家の指導者」という特殊政治用語については,毛桂榮「『公 務員』の用語と概念をめぐって:日本と中国」を参照。
( 8 ) 本稿で検討する 22 団体の組織名は,すべて政治協商会議の界別リスト名になっ ているわけではない。若干の相違がある。詳細は,つぎの政治協商会議の資料を 参照。(2013 年 10 月 5 日アクセス)
http://www.cppcc.gov.cn/2011/11/23/ARTI1322013701379833.shtml
( 9 ) 以下の分析は,当該組織が開設したHPの資料,http://siyanhui.wenming.cn/
syzhq/jggk/201012/t20101228_39948.shtml
を参照。(2013 年 10 月 5 日アクセス)(10) 1980 年代に中国の大学で思想政治教育専攻が設置されたことは,この研究会 の活動と関係があると推測される。私の記憶では,復旦大学の政治学科で 1984 年に思想政治教育専攻が設置されていた。
(11) 当該組織が開設しているHPでは,このような「事業編制 20 名」の表現が使 用されている。22 団体が行政編制管理の組織という理解なら,これは記述ミスと なる。
(12) 詳細は,当該組織の次の資料を参照。http://www.sssa.org.cn//zc.htm(2013 年 10 月 5 日アクセス)
(13) 中国における「編制」については,Kjeld Erik Brødsgaard, “Institutional Reform
and the Bianzhi System in China”, The China Quarterly, Vol. 170, 2002,また諏訪一
幸「中国共産党の幹部管理政策」,アジア政経学会『アジア研究』第 50 巻第 2 号,2004 年所収を参照。
(14) 前掲毛桂榮『比較のなかの日中行政』第 4 章,246 頁以下を参照。
(15) 中国のある地方政府人事部門責任者へのインタビューによる。2013 年 9 月 30 日。
(16) 中国行政管理学会は事業単位として,聞くところでは 18 名の事業編制(全職員