移 動 体 の 画 像 計 測
安 藤 浩 司 *
ヽ江
easurement by Digitalof Moving Obiect IInage Processing
Hiroshi ANDO
Abstract
Measurement of inoving object was performed by digital image processittg using high speed image processor(TOSPIX― Ul).
Locus and moving velocity of the center of gravity of the pen
rolling over the plane was obtained.
1.は じ め に
近年 の コンピュー タの高性能化 に伴 い、様 々な応用分野で コンピュー タが 使用 されている。特 に「 百聞は一見 に しかず」 とい うことわざに もあるよ う に、 コンピュー タで様 々な画像 が取扱われ るよ うになって きた。 コンピュー タで画像 を扱 うデ ィジタル画像処理 は、基本的な処理手法 が確立 されて きて お り、現在では CTに よる医療関係や リモー トセ ンシングによる衛星画像処 理 か ら、産業分野での製品の検査 。監視・ 組立てや、個人認識、文字認識等 様 々な応用分野 で用 い られ るようにな ってい る。 この画′ 怯 象処理応用分野では 処理装置の高速化 に伴 い、従来の静止画像 に加 え、時間的に変化す る動画像 を対象 とした「 動画像処理」 の研究が急速 に増加 してい る。動画像処理 の応 用分野 としては レー ダー追跡、 リモー トセ ンシングにおける植生や雲 などの 時間変化、 スポー ツなどにおける人間の運動 の解析 、生物 の行動解析等 が考 え られ る。
本稿 では、 この動画像処理 を行 うにあたって、比較的画像計測 が容易であ ると考 え られ る
2次元的に運動す る物体 の各運動パ ラメー タを、汎用高速画 像処理装置 を用 いたデ ィジタル画像処理手法 によ り計測す る試みを行 った結 果 を報告す る。
平成
2年12月 15日 受理
* 情 報 システ ムエ学 研 究所講師
―
‑18‑2.移 動体 の測定方法
本研 究 で使用 した画像処 理 装 置 は東 芝製 の
TOSPIX―Ulで あ る。 TOSPIX
― Ulは 、 局 所 並列 処 理 とパ イ プ ライ ン処 理 を採 用 した高速 画′
,象処 理 装 置 で あ り、512× 512X8ビ ッ トの画 像 デー タを 33msの ビデ オ レイ トで処 理 す る こ とがで きる。 図 1に
TOSPIX―Ulの ハー ドウェア構成 を示す。
測 定 す る移 動体 と して、近似 的 に
2次元 的 な動 きを示 す 、平 面 上 を転 が る ペ ンを用 いた。 カ ラー ITVカ メ ラ (解 像度 512× 512画 素 )で 移動体 を撮影 し、
そ の画像 を ビデオ に収 録 した。 ビデオか らの 16コ マ の連続 カ ラー画像 を66ms の間隔 で取 り込 み、 モ ノ クロ化 して画像処理 を行 った。
各 画 像処 理 は、 256× 240画 素 の解 像度 、256階 調
(8ビッ ト )で 、
TOSPIX―Ulの 画像処理 コマ ン ドを用 いて行 った。
部
35″ また
1よ8″FDD
5″HDD×2
RS232C/422
5″
光デイスク
トランシーバ
/レンーパ
処理部
画イ 象バス
(8ビッ ト×
4本)I押 V カ メ ラ
キーボー ド
図l TOSPⅨ―Ulのハー ドウェア構成 (文献
1よ
り転ゴ成)ノ 十
ロセン
O画像 メモ リ
X3ピ
′ト 主メモリ
イー十二,
―‑19‑
3.処 理 結 果
図
2にVTRか ら
66msの間隔 で取 り込 ん だ 16コ マ の連続画像 を示 す。 これ らの写真 は
TOSPIX―Ulに 取 り込 ん だ画 像 を、 35 mmカ ラー ハー ドコ ピー装 置 に出力 した もので あ る。 ペ ンが左 上 か ら右 下 に向か って転 が って い る様子
がわか る。静止物 と して、右端 に黒 い ゴム板 を置 いて い る。
図
2連続的に取 り込 んだペ ンの画像 (各 番号は取 り込んだ順番 を示 し、
時間間隔は 66msで ある
)― ‑20‑―
次 に移動 してい るペ ンを背景 か ら抽出す るために、連続画像 の差分画像 を 求 めた。例 と して最初 の画像 と
2番目の画像 の差分画像 を図 3に 示す。 この 差分画像では右端 の静止物及び背景が殆 ど消 えて
(0レベルになっている )、
移動 してい るペ ンだけが抽 出 されてい ることがわか る。
図
4にペ ンの移動の軌跡 を表す ス トロボ画像を示す。 これは 16コ マの差分 画像 を重ね合 わせた ものである。重ね合わせは各画像 の論理和 (OR)を 取 っ た。 この図か らペ ンの連続的な動 きが一 日でわか る。
差分画像 を しきい値50で
2値化 し、各 ペ ンの重心座標 を測定 し、その軌跡 をプ ロッ トした ものを図 5に 示す。各画素間の距離 は 0.5mmで ある。更 に こ の重心 の移動速度 を計算 し、その変化 を図
6に示す。移動速度 は徐 々に減少 す る傾 向を示 してい る。
図3 差分 画像 (c=b―
a)
図 4 ペ ンの移動の軌跡画像
1:3と │
―
‑21‑―
言
︼
︶ 思 照 s 碑
5 10
マ
15
ヨ
図
5ペ ンの重心の軌跡
(カ ッコ内の数字 は画 像の座標 を示す
)図
6移動速度の変化
4.考
察
今回行 った移動体画像計測 に よ り、
2次元的に移動す る物体 の移動の軌跡 及 び移動速度 を求め ることがで きた。
しか し問題点 がい くつか考 え られ る。 まず今回の計測では移動対象物を各 シー ンではぼ分離で きたため移動体 の抽出は時間的に隣会 う画像の差分によ り求 まった。 しか し各 シー ンで移動体 が完全 に分離で きず重 な り合 う場合 に は、 まず背景画像 を求め各移動体 の画像 と背景画像 の差分 を取 り、移動体 の 抽 出を行 う必要 がある。
また VTRか らの入力 は、回転 む らによ り生ず るジ ッタや同期 の乱れな ど によ り、画像の位置がずれ ることが考 え られ るため、画像の位置の 自動補正 を行 う必要がある。
更 に今 回は
TOSPIX―Ulの 画像処理 コマ ン ドをい くつ か組 み合 わせた
UNIXの
シェルスクリプ トを用 いて画像処理 を行 ったため、処理時間が長 く かか った。そ こで一連 の画像処理 をプ ログラ ミングして実行 させ ることによ
り、 よ り高速で汎用性 のあ る処理 を行 う必要 がある。
この移動体 の画像計測 は様々な応用が考 えられ る。移動体の中で も生物は、
様 々な複雑 なパ ター ンの動 きを示すため、手作業で これを解析す るには多大 な労力が必要 とされ る。そ こで この画像計測法 を更 に改良す ることにより、
生物の動 きの 自動画像計測 を行 ってい きたい と考 えてい る。
―…22‑―
5.む
す
び
デ ィジタル画像処理手法 を用 い、平面 を移動す る物体 の軌跡及 び移動速度 の計測 を行 った。 この画像計測手法 を更に改良す ることによ り、他の移動体 の 自動計測 を行 うことが期待 され る。
参 考 文 献
1) 2) 3) 4)
田中 :画 像処理応用技術、工業調査会 金谷 :画 像理解、森北 出版
田村 :コ ンピュー タ画像処理入門、総研出版
直井
他 :構 造可変型 ビデオ レー トカラー画像処理 システム「 草駄天」、
信学論 (D一 II)、 J73‑D― Ⅱ、10(1990)
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