• 検索結果がありません。

-対象者の居住家族形態の比較を中心に-

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "-対象者の居住家族形態の比較を中心に-"

Copied!
9
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Ⅰ.諸言

 人は家族の中に生れ落ち,家族を通して社会化が行わ れ,また地域社会との接点が取り結ばれる.このため,

地域住民一人ひとりの地域活動への参画も,その人自身 の性別や年齢,居住している家族規模,どのような構成 員によって成り立つ家族に所属しているかによって,地 域社会への接点や関わり方が異なってくる.また,一組 の男女の結婚をきっかけに誕生する家族が,子どもの誕 生,成長,独立,配偶者の死といった段階を経て変化し ていく過程で,地域との関係も当然異なってこよう.少 子高齢化の進む昨今において,地域における自治会活動 や子育て支援,高齢者支援に地域住民がどのようにかか わるべきかという議論が高まっているが,この時に,性 別,年齢といった個人の属性と同様に,その人がどのよ うな家族に属しているか,といった家族の在り方にも着 眼することは非常に重要であると思われる.

 昨今指摘されている,希薄化しつつある近隣づきあい

(内閣府,2007)1)のそもそもの原因にはなにがあるのか,

そこに個人ならびに個人の家族の形態はどのように影響 しうるのかを明らかにすることは,今後の少子高齢化を 迎える日本の地域社会が取り組むべき喫緊の課題のため の基礎資料を提供しうる.

 本研究では,まず対象者の家族の同居者の構成員別,

家族のライフサイクル別(森岡,1973:344-345)2)に,

子ども・自治会・近隣住民との関係にどのように影響し ているのかを明らかにする.

Ⅱ.用語の定義

1 .単独世帯:対象者のみの世帯.

 2 .核家族世帯:夫婦と未婚の子のみの世帯.

 3 .夫婦家族世帯:対象者とその配偶者のみの世帯.

 4 .拡大家族世帯:世帯主を中心とした直系三世代以上 または夫婦と子どもの夫婦のみの世帯,複合家族を 含む世帯.

 5 .核家族(養育期):夫婦と未婚の子のみの世帯で子 どもが職を持っていない家族.

 6 .核家族(排出期):夫婦と未婚の子のみの世帯で子 どもが職を持っている家族.

 7 .夫婦家族(新婚期):対象者とその配偶者のみの世 帯で現在子育て中もしくは今後,子育てをすると考 えられる世代に属する家族.

 8 .夫婦家族(老年期):対象者とその配偶者のみの世 帯で65歳以上の年代に属する家族.

Ⅲ.研究方法  1 .調査対象

T町住民の子ども・自治会・近隣住民との関係に関する意識

-対象者の居住家族形態の比較を中心に-

上園 美澄・窪田 祐也・福島 香織・平野 裕子

1 福岡大学病院 2 大阪医科大学病院 3 長崎大学病院

4 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 要 旨  

目的:T町在住の住民を家族の居住形態ごとに分類し,対象者の居住家族形態ごとに,子育て,自治会活 動,近隣住民との信頼関係に対する意識を比較する.

方法:T町の自治会加入者で20歳以上の者(717名)に対する無記名自記式配票調査.調査項目は,基本属 性,家族構成,T町の子ども・住民・自治会との関わり等.

結果:拡大家族世帯に属する対象者は,子育てや自治会活動への関心が低く,近所付き合いの頻度も有意 に低かった.

考察:T町の拡大家族は地域活動への参加は少ないが,これは世帯構成員が多いため,世帯外に手助けを 求める必要が少ないことが関係していると思われる.本件に関しては,さらなる分析が必要である.

保健学研究 27 : 35-43,2015

Key Words : 家族のライフサイクル,地域,子育て,高齢者

2014年 7 月31日受付 2014年 9 月24日受理

(2)

 T町は,長崎市のベッドタウンとして,30年ほど前に 長崎市郊外に住宅造成地として開発された.2013年10月 末日現在の人口は1124名,世帯数413戸であり,高齢化 率は33.5%となっている.本研究では,長崎市T町の自 治会長から紹介を受けた,自治会加入者であり20歳以上 の717名を対象とした(本研究では,世帯主が自治会に 加入していれば,その世帯は全て自治会加入者とみなす.

このため,調査票は,一世帯に複数の20歳以上の構成員 が含まれる場合には,その人数分配布された).なお,

T町における自治会加入者は345世帯(加入率83.5%)

である.

 2 .調査方法

 データの収集は,T町の自治会を通し,自治会に加入 している20歳以上の各個人に自記式無記名調査票を配布 した.回収は自治会を経由せず,調査票を同封した返信 用封筒にて郵送法で回収した.回答済み調査票の返答に より,調査への参加同意が得られたとみなした.調査期 間は2013年 9 月 6 日から 9 月30日であった.

 3 .調査項目

 調査項目は,年齢,性別,家族形態,現在の仕事の有 無,居住年数,日常生活の関心事,T町の子どもとの関 わり,T町の住民同士の関わり,T町の自治会との関わ り等である.

 4 .分析方法

 分析は主としてχ2 検定,フィッシャーの直接確率法,

t 検定,Pearsonの相関係数,Chronbachのα係数等を 用いた.分析にはJMPver.10を用い,有意水準は 5 %未 満を有意差ありとした.

 「日常生活への関心事」「子どもへの関心事」「地域活 動の大切さ」「T町に住み続けたいか」「回覧板を読んで いるか」「自治会活動への参加頻度」は 4 件法(順序尺 度)を関心および実施の度合いごとに 2 群に分け,名義 尺度化した.「T町の住民との関わりの度合い」は,付 き合いの質の深さの違いを考慮して,「生活面で協力し 合う付き合い」と「立ち話程度の付き合い」「あいさつ 程度の付き合い」「付き合いは全くしていない」の 2 群 に分け名義尺度化した.

 また,「T町の住民との近所付き合いの頻度」は,T 町の住民の現状を踏まえ,「日常的にしている(週に数 回以下)」「ある程度頻繁にしている(月に数回以下)」

「時々している(年に数回以下)」と「めったにしていな い(数年に 1 回)」「全く無い」の 2 群に分け名義尺度化 した.

 また,文部科学省が委託した調査(日本総合研究所,

2006)3)を参考に,「子どもとの接し方」は,「よくする」

に 2,「時々する」に 1,「あまりしない」に-1,「全く しない」に-2 を与え,「子どもとの接し方への考え方」

「積極的に関わって欲しい」に 2,「ある程度関わって欲 しい」に 1,「何とも思わない」に 0,「あまり関わって 欲しくない」に-1,「関わらないで欲しい」に-2 を与 えた.

 家族形態は,居住者構成別およびライフサイクル別に 類型化した.居住者構成別に,「単独世帯」「核家族世 帯」「夫婦家族世帯」「拡大家族世帯」に,ライフサイク ル別に「夫婦家族世帯(新婚期)」「核家族世帯(養育 期)」「核家族世帯(排出期)」「夫婦家族世帯(老年期)」

に分類した.また,同居家族内における「学童期の子ど もの有無」「世帯内有職者の有無」等の項目に分類した.

 5 .倫理的配慮

 本研究は長崎大学大学院医歯薬学総合研究科倫理審査 委員会における承認を得た上で実施した (承認番号:

13062723).

Ⅳ.結果

 調査票は155人(有効回収率21.6%)から回収された.

調査対象者の基本属性は表 1 の通りである.対象者の男 女比は男性37.6%,女性62.3%と女性のほうが多かっ た.平均年齢は58.5(SD14.3)歳であり,男性で年齢が 有意に高かった(p<0.05).職業の有無については,無 職者46.1%であり,有職者の平均年齢は51.2(SD1.31)

歳,無職者の平均年齢は67.1(SD1.42)歳であり無職者 のほうで有意に高かった(p<0.001).対象者の家族形態 は単独世帯が32.2%,夫婦家族世帯が17.4%,核家族世 帯が28.3%,拡大家族世帯が21.2%であった.対象者の 居 住 年 数 は 平 均19.4(SD8.17) 年 で あ り20 ~ 24年 が 26.7%と最も多かった.

 経済的な分類については世帯内に有職者が存在せず,

年金で生活していると考えられる世帯が29.6%であり,

世帯内に有職者が存在している世帯が70.3%であった

(表 1 ).

 なお,以下の家族の類型別の分析においては,「夫婦 家族(新婚期)」に該当する対象者が 1 名のみであった ため,除外している(表 2,表 3 ).

(1)日常生活上の関心事

 日常生活の関心事について「とても関心がある/関心 がある」と回答した項目の割合の高い順に「地域の安 全」(94%)「子どもの安全」(91%)「環境整備」(92%)

「高齢者の安全」(91%)であった.

 対象者の属性別には,「高齢者支援」(p<0.01),「高齢 者の安全への関心」(p<0.05),「環境整備への関心」

(p<0.01),「地域の安全への関心」(p<0.05)の各項目に おいて,「関心がある/どちらかと言えば関心がある」

と回答した者の年齢が,そうでないものに比べて有意に 高かった.

 日常生活上の関心事の傾向は家族形態によって異なり,

(3)

表1.基本属性 %(n)

表2.居住家族形態別の子ども・自治会・地域住民への意識・関わり方の違い

(統計的有意であった組み合わせについて表示)

属性 分布     属性 分布  

性別 男性 37.6(58) 家族形態 単独世帯 32.2(50)

女性 62.3(96) 夫婦世帯 17.4(28)

年齢(歳) 58.5(SD14.3)   うち老年期 (27)

20-29 5.2(8) うち新婚期 (1)

30-39 4.5(7) 核家族世帯 28.3(44)

40-49 15.0(23) うち排出期 (24)

50-59 20.2(31) うち養育期 (20)

60-69 30.7(47) 拡大家族世帯 21.2(33)

70-79 19.6(30)

80- 4.5(7) 家族形態別世帯内有職者なし (46)

居住年数(平均) 19.4(SD8.17) 単独世帯 19.6(9)

-9 15.0 (23) 夫婦家族世帯 78.3(36)

10-14 11.7(18) 核家族世帯(排出期) 2.2(1)

15-19 11.7(17)

20-24 26.7(41)

25-29 26.1(40)

30- 9.1(14)

職業の有無 あり 53.8(83)

なし 46.1(71)

経済的状況 世帯内有職者なし 29.6(46)  

世帯内有職者あり 70.3(109)

子どもとの関わり方・意識に関する項目 近隣住民との関係に関する項目 自治会への関わり方 及び関心のある自治会活動の 内容に関する項目

単独世帯 一緒に遊ぶ (-1.17, -1.52)1) 生活面で協力している (24.3%, 6.2%)

一緒に遊んで欲しい (0.71, 0.26) 地域の信頼度 (4.13, 3.72)

困っている時に相談に

乗って欲しい (1.02, 0.62) 近所との付き合いは

数年に一度/全くない (5.71%, 22.3%)

良いことをしたのでほ めたりご褒美をあげて

欲しい (1.08, 0.74)

夫婦家族世帯

(新婚期除く)道であったときに声を

かける (1.48, 1.03) 地域の信頼度 (3.40, 3.95)

核家族世帯 困っている時に相談に

乗って欲しい (0.35, 0.81)

拡大家族世帯 道であったときに声をかける (0.71, 1.21) 近所との付き合いは

数年に一度/全くない (41.9%, 12.1%) 高齢者支援に関心あり (72.7%, 93.3%)

一緒に遊んで欲しい (0.07, 0.50) 環境整備に

関心あり (78.8%, 95.0%)

地域の安全に

関心あり (81.8%, 96.7%)

自治会活動に 毎回/時々

参加している(41.4%, 80.7%)

括弧内の数値について,コンマより左は各家族形態に該当する回答,右はそれ以外の家族形態に該当する回答を示す.

なお数値について,%表示があるものは,項目に示されている内容の回答率を示す.数値については,平均値を示す.

注 1 )値が 0 に近いほど該当項目へのあてはまりが強いことを示す.

(4)

核家族(養育期)に属する対象者は,そうでない対象者 よりも「子どもへの関心」(p<0.01)に関心があると回 答する者の割合が有意に高かった.

(2)子どもへの関心・付き合い方

 T町在住の子どもへの関心については「とても関心が ある」と「関心がある」をあわせると(67%)であっ た.対象者自身の,T町の子どもへの関わり方について,

「よくする」「ときどきする」との回答が多かった項目順 に,「道で会ったとき声をかける」(87%)「悪いことを したので,注意したり叱ったりする」(38%),「良いこ とをしたので,ほめたりごほうびをあげる」が32%で あった.

 またT町の大人に,子どもへどう関わってほしいかに ついて,「積極的に関わってほしい/ある程度関わってほ しい」との回答が多かった項目は「道で会ったとき声を かける」(95%),「悪いことをした時に注意したり叱っ たりする」(92%)の順であった.

 対象者の属性別には,年齢が高いほど「よいことをし たのでほめたりご褒美をあげて欲しい」(r=.17, p<0.05)

と希望しており,実際に「子どもが困っている時に相談 に乗る」(r=.22, p<0.05),「悪いことをしたので注意し たり叱ったり」(r=.27, p<0.001)していた.無職者は有 職者よりも子どもと「一緒に遊ぶ」(p<0.05),「よいこ とをしたのでご褒美をあげる」(p<0.05),「悪いことを したので注意したり叱ったりする」(p<0.01)割合が多 かった.また女性において「よいことをしたのでご褒美 をあげる」(p<0.05),「悪いことをしたので注意したり 叱ったりする」(p<0.05)割合が多かった.

 子どもへの関心や子どもの付き合い方の傾向は,家族 形態によって異なり,単独世帯に属する対象者はそれ以 外 の 対 象 者 よ り も 実 際 に 子 ど も と「 一 緒 に 遊 ぶ 」

(p<0.01)という回答が多く,「T町の大人として子ども へはどう関わって欲しいか」については,「一緒に遊ん で欲しい」(p<0.01),「困っているとき相談に乗って欲 しい」(p<0.05),「良いことをしたので,褒めたりごほ うびをあげて欲しい」(p<0.05)と希望していた.

 夫婦家族(老年期) に属する対象者はそれ以外の対象 者よりも実際に子どもと「道で会ったとき声をかける」

(p<0.05)と回答していた.

 核家族(排出期)に属する対象者はそれ以外の対象者 よりも「T町の大人として子どもへはどう関わって欲し いか」については「困っているとき相談に乗って欲し い」(p<0.05)と回答していなかった.

 拡大家族に属する対象者はそれ以外の対象者よりも,

実際に子どもと「道で会ったとき声をかける」(p<0.05)

という回答が低く,「T町の大人として子どもへはどう 関わって欲しいか」については「一緒に遊んで欲しい」

(p<0.05)と回答していなかった.

(3)地域との付き合い方

 T町の住民は,「互いに相談したり,日用品の貸し借 りをするなど,生活面で協力しあっている」は12%で あったが,「日常的に立ち話をする程度の付き合いをし ている」が48%,「あいさつ程度の最小限の付き合いし かしていない」は39%であった.また地域活動の大切さ について,「とても/少し大切」と感じている住民が 96%であった.今後ともT町に住み続けたいかどうかで は,「ぜひ住み続けたい/住み続けたい」と感じている 住民が96%であった.地域への信頼度は62%の住民が

「信頼できる」と感じていた.

 対象者の属性別には,「年に数回以上の付き合いがあ る」者で「数年に一回以下の付き合い・全く付き合いが ない」者よりも平均年齢が有意に高い(p<0.01).また 女性において,「生活面で協力」している割合が有意に 高かった(p<0.05).

 地域との付き合い方の傾向は,家族形態によって異な り,単独世帯に属する対象者はそれ以外の対象者よりも

「生活面で協力している」(p<0.01)者の割合が高く,地 域への信頼度得点も有意に高かった(p<0.01).また

「近所との付き合いの頻度が数年に一度か,全くない」

と回答した割合が低かった(p<0.05).一方,夫婦家族

(老年期)に属する対象者はそれ以外の対象者よりも,

地域への信頼度得点は有意に低かった(p<0.01).また 表3.家族のライフサイクル別の子ども・自治会・地域住民への意識・関わり方の違い

(統計的有意であった組み合わせについて表示)

子どもとの関わり方・意識に関する項目 近隣住民との関係に関する項目 自治会への関わり方 及び関心のある自治会活動の 内容に関する項目

養育期 子どもに関心がある (90.0%, 63.1%) 子どもを対象

とした活動を

期待する (85.0%, 67.2%)

排出期1) 困っている時に相談に

乗って欲しい (0.35, 0.81)

老年期2) 道であったときに声を

かける (1.48, 1.03) 地域の信頼度 (3.40, 3.95)

括弧内の数値について,コンマより左は各家族のライフサイクルの時期に該当する回答,右はそれ以外に該当する回答を示す.

なお数値について,%表示があるものは,項目に示されている内容の回答率を示す.数値については,平均値を示す.

注 1 )表 2 における「核家族」に同じ.

注 2 )表 2 における「夫婦家族(新婚期を除く)」に同じ.

(5)

拡大家族に属する対象者はそれ以外の対象者よりも,

「近所との付き合いの頻度が数年に一回か,全くない」

と回答した割合が高かった(p<0.01).

(4)自治会との関わり

 自治会活動については,自治会活動へどれくらい参加 しているかは,「時々参加している」が最も多く45%で あった.自治会活動のうち,「公園清掃・市民大清掃」

(70.6%),「夏祭り」(68.5%),「募金」(64.3%)の順に 対象者が参加していると回答する度数が高かった.また

「草刈り・道路清掃」(p<0.05),「火の用心」(p<0.05),

といった活動において,女性より男性が多く参加してい た.

 自治会に期待している活動別には「地域」「高齢者」

「子ども」を対象とした活動内容の順に多く,それぞれ 45%,38%,15%の順になっていた.また,自治会の回 覧板を読んでいるかは「よく読んでいる」が最も多く,

65%であった.

 属性別には,無職者において,自治会活動として「子 どもへの活動」(p<0.05),「高齢者への活動」(p<0.05)

を期待していた.また女性において,自治会活動に参加 し て い る/毎 回 参 加 し て い る 」 割 合 が 高 か っ た

(p<0.05).

 自治会との関わりの傾向は家族形態によって異なり,

核家族(養育期)に属する対象者はそれ以外の対象者よ り も「 自 治 会 に 子 ど も を 対 象 と し た 活 動 を 期 待 」

(p<0.05)する者の割合が高かった.また拡大家族に属 する対象者はそれ以外の対象者よりも「自治会活動に毎 回/時々参加している」と回答した者の割合が有意に低 く(p<0.001),「高齢者支援への関心」(p<0.05),「環境 整 備 へ の 関 心 」(p<0.01),「 地 域 の 安 全 へ の 関 心 」

(p<0.01)が有意に低かった.

考察

1.T町の特徴について

 本研究の対象者は,平均年齢が58歳とかなり高く,家 族構成別には,単独世帯と夫婦世帯が半分を占めること からも明らかなように,高齢化傾向にある.このため,

本研究の結果には,自治会非加入者は含まれていない点 も含め,サンプリングバイアスがかかっている可能性が あるが,T町には以下の特徴があることが考えられる.

 まず,T町の自治会活動への参加については,「時々 参加している」が最も多く約半数を占めていた.また自 治会活動の内容別には,「公園清掃・市民大清掃」「各種 募金活動」「夏祭り」の順に参加している住民が多かっ た.「公園清掃・市民大清掃」は参加が半ば強制されて いる活動であるため参加者が多いと考えられる.また,

「夏祭り」はポスターでの周知や,老人会・子ども会な ど,自治会を挙げての参加があることや,「市民大清掃」

の日の午後に実施されることが多いことからも,多数の

住民が参加していると考えられる.「高齢者の生活支援」

「老人会」「子ども会」「ゴミステーションの管理」「花壇 の整備」は知っているが参加はしていない,という住民 が多かった.これらの活動は自治会からの周知や住民同 士で情報が交換されていると考えられるが,活動内容に より実際に関わる住民は限られているため,認知度は高 いものの参加している住民が少ないのではないかと考え られる.また,「害虫の駆除」「空き地・空き家の管理」

「危険個所の管理」を知っている住民は少なかった.こ れらの活動に関わっている住民が少ないため,認知度が 低いと考えられる.また,今後もこの町にぜひ住み続け たい/住み続けたい,と回答しているものが9割を超して いた.この結果は,規模も住宅造成時期も異なるが,都 市周辺部のベットタウンとして,長崎市におけるT町と ほぼ同様の機能をはたしていると推察される泉北ニュー タウンにおける定住希望傾向(財団法人堺都市政策研究 所,2007:228)4)(66.1%)よりも高いことが明らかに なった.

 これらの結果は,もともと土着の人々が多いと思われ る離島における高齢者を対象とした調査(生田ら,

2007:39-46)5)において76%が「毎回参加する」と回答 しているのに比べ,T町における自治会活動への参加度 合いは低いことを示していた.一方,東京都八王子市に おける調査(斉藤ら,1975:9-22)6)で明らかにされた,

昭和40年以降に作られた住宅地区における住民の「節度 を持った」近所づきあいに似た郊外型の自治会で,居住 地における定住化傾向が強いことが考えられる.

2.個人の基本属性及び家族形態と,地域社会への意識   や関わり

 本研究では,基本属性により,日常生活の関心やその 度合い,子どもや住民,自治会への関わり方が異なるこ とが浮かび上がってきた.まず,ジェンダーについて言 えば,「良いことをしたので,ほめたりごほうびをあげ る」(p<0.05)および「悪いことをしたので,注意した り叱ったりする」(p<0.05)の項目において,男性より も女性でそのように考える傾向が強い.このことは,女 性の方が男性よりも,近所の人が子どもに対しコミット することを期待していることを示していると思われる.

総じて女性は男性に比べ,近所との付き合い方において

「生活面で協力する」(p<0.05)傾向が高く,「自治会活 動への参加頻度」(p<0.01)も高くなっている.この結 果は,久保による関西地方の住宅地における調査(久保,

2003:27-37)7)で,女性において,子どもを通じて近隣 住民とのコミュニケーションをとることがより強い傾向 にあることとも共通している.中尾(中尾,2000:145- 158)8)は,結婚して子どもを産み,家庭を形成すること が「男は仕事,女は家庭」といった性別役割分業を肯定 すると述べている.また,中央調査社による男性の育児 参加についての調査(中央調査社,2001)9)によると,

(6)

男性は「仕事に追われて,育児をする時間がとれないか ら」「『育児は女性の仕事』と考えているから」などの理 由により子育てへの意識や関わりが低い.T町では女性 が男性よりも,T町の大人が子どもに対しより深いかか わりを期待する傾向も,男女間での性役割分業の傾向を 反映していることがわかる.加えて,T町は長崎市の ベットタウンであることを考えると,仕事をする男性の 職場は地域から切り離される一方,家庭を守る女性は地 域との接点を持ちやすいことが考えられる.これが本研 究においては,女性が男性よりも子育てや地域の関心が より高いという結果になって現れたと思われる.

 一方,実際の地域活動の担い手は必ずしも女性のみに よって担われているわけではないことも明らかになった.

例えば,「草刈り・道路清掃」「火の用心」といった活動 においては男性が多く参加していた.これらの活動は力 仕事であり,また危険も伴うため男性がより多く関わっ ていると考えられる.このように,T町では地域活動へ の実際の関わり方において男女間で役割が分担されてい ると考えられる.

 次に,職の有無と地域社会への意識や関わりについて は, 無 職 者 は 有 職 者 よ り も 地 域 へ の 信 頼 度 が 高 く

(p<0.05),地域住民と生活面で協力し合あう(p<0.05)

などの傾向がみられた.国民生活白書(内閣府,2007)1)

では,地域で助け合う住民がいると答えた無職者は 4 割 近くいたが,雇用者は 3 割と,雇用者の方が低かった.

また労働時間や通勤時間が長くなるにつれボランティア 活動に参加する割合も少なくなるといった結果もあった.

反面,無職者は,有職者と比べ仕事に費やす時間が少な い代わりに自由に使える時間が多く,それにより,地域 に出る機会や近所との付き合いも増えると考えられる.

付き合いが増えると助け合える住民の数も増え,関わり も深まると考えられる.それにより,地域活動への参加 はもちろん,お互いの生活面といったより近い間柄でも 協力し合えるという関係を築くことができているのでは ないかと考える.

 また,個人の属性のみならず,個人の家族形態や家族 のライフサイクル別にも地域社会への意識や関わり方が 異なることが明らかになった.このことは自治会活動の 内容への期待は,対象者が学童期の子どもを持つ家族を もつかどうか,あるいは世帯内に有職者がない家庭をも つかどうかなど,対象者個人を取り巻く家族環境によっ て異なること,子育て支援への関心を持つ者が核家族

(養育期)である傾向からも読み取れる.

3.子どもへの関心に関連する要因

 本研究では,家族の構成員別・ライフサイクル別類型 において,いずれのパターンに類型される家族において も,地域の子どもに対する意識や関わり方において有意 な関連が認められた.

 一般に,地域における関心の中で,子どもに対する関

心事は高く,小・中学生の保護者を対象とした調査 (内 閣府,2006)3)の調査では,「地域の教育力」について,

地域の子どもに対し「道で会ったときに声をかける」と 答えた人が最も多く,次いで「悪いことをしたので,注 意したり叱ったりする」と答えた人が多いことが示され ている.T町の住民全体に対する本調査でも,同様の傾 向がみられた.「道で会ったときに声をかける」ことは 形式的な関わりとしても行うことができる.しかし「悪 いことをしたので,注意したり叱ったりする」といった,

一歩踏み込んだより深い関わりをするには,自分の子ど も以外の子どもでも,わが子のように捉え,その成長を 見守ろうとする気持ちがあるのではないかと考えられ る.また日常生活の関心事のうち「子どもの安全」に

「とても関心がある/関心がある」と回答した人が9割を 超えていることも,これを裏付けている.本研究の対象 者が,必ずしも小・中学生の保護者ではなかったことか ら考えると,子どもには,ただ声をかけたりするだけで なく,しつけという面でも地域全体で積極的に関わりた いと考える住民が多いと考えられる.一方,本研究では 核家族(排出期)世帯において,「T町の住民に,困っ ている時に相談にのって欲しい」(p<0.05)とは考えて いないことが明らかになった.これはどのように理解し たらよいのだろうか.

 山田(山田,2009)10)は,保護者の地域に対する認識 についての調査で,8 割程度の保護者が地域の安全につ いて不安を抱いていると報告している.また,排出期に ある核家族は,ことさら地域における学童期の子どもに 対する関心を持たなくともよいライフサイクル期にある と考えられるため,その他の家族形態の対象者に比べ,

子どもの相談にT町の住民がのって欲しいと考える割合 が低くなったと考えられた.

 一方,本研究の結果は,老年期にある人々において,

子どもへの関心が高い可能性を示唆していた.例えば,

世帯内有職者なしの世帯に属する対象者は,地域の子ど もに対し,一緒に遊んだり,良いことをした際褒める,

悪いことをした際注意したり叱ったりする,などより密 接な関わりをしていることである.世帯内有職者なしと は退職していると同様であると考えられる.このため,

世帯内有職者なしの世帯に属する対象者は,日常生活に おいて仕事に割く時間がなくなることにより,より多く の時間を自由に使うことができるようになる.高齢社会 白書(2005)11)によると,高齢者の子どもや孫との付き 合い方について 3 割以上が「子どもや孫とは,いつも一 緒に生活できるのがよい」「子どもや孫とは,ときどき 会って食事や会話をするのがよい」と考えていた.この ように,高齢者にとって学童期の子どもは,積極的に関 わりたい存在であると考えられる.

4.拡大家族と地域社会

 本研究では,拡大家族について,家族構成員が多いた

(7)

め,地域社会との接点が多くなるという定説とは異なる 傾向が示された.

 高齢社会白書(内閣府,2008)11)によると,地域活動 の参加意向について,同居世帯別にみると,三世代世帯 は 6 割以上の住民が「参加したい」と答えていた(世帯 構成の類型について,内閣府の調査では「三世代世帯」

と表現しているが,これは本研究における「拡大家族」

に該当する).一方,本研究ではT町の日常生活の関心 事について「高齢者支援への関心」(p<0.05),「環境整 備 へ の 関 心 」(p<0.01),「 地 域 の 安 全 へ の 関 心 」

(p<0.01)において,拡大家族世帯に属する対象者はそ うでない者より有意に関心が低かった.また,「近所と の付き合いの頻度」において「~数年に 1 回/全くな い」と答えた住民が有意に多数であった.このことは,

T町においては,拡大家族世帯に属する対象者は地域へ の関心が低い傾向にあると考えられる.森岡(森岡ら,

1983:142)12)は,家族内の家族資源が多いほど家族を 危機から防ぎ,少なければ危機に陥れると述べている.

このことから,拡大家族世帯では,それ以外の形態の家 族と比べ,家族構成員が多く,その世帯内に各世代が存 在しており,子育てや介護に関する社会資源を家族内で まかなえるため,T町の拡大家族世帯に属する対象者は 世帯外に手助けを求める必要が少ないことを示している と思われる.ただし,拡大家族には複数の世代が含ま れ,その世代ごとに地域との関係が異なることも考えら れる.一方,本研究では対象者数が限られていることも あり,拡大家族世帯における世代別の比較は困難であっ たため,より詳細は分析ができなかった.このためこの 傾向がT町に特有の傾向であるかどうかは,今後の研究 成果を待ちたい.

5.高齢者と地域における社会資源

 本研究では,世帯内有職者なしの高齢者はそうでない 人に比べ自治会活動への関心が高い等,高齢者は総じて 地域活動や地域の子どもとの関わりが多く,また自治会 活動にも積極的であることが明らかになった.また独居 高齢者は,世帯内に頼る者がおらず地域に関わりを求め ているため,地域における社会資源,すなわち生活上の 課題を解決するためのネットワークやサポートをより多 く持つと考えられる.

 一方,本研究では,世帯内有職者なしの夫婦世帯に属 する対象者は,地域における社会資源が少なかった.こ の理由として,世帯内有職者なしの夫婦世帯に属する対 象者では,自身も,配偶者も高齢であることから,体調 や介護など,健康に対する意識が高まり,それらが一番 の関心事となるのではないかと考える.これらの世帯に 属する対象者は余暇を楽しむ時間も増え,周囲に目を向 ける余裕は出てくる.同時にこの先の将来への不安も高 まり,それらの問題を対処する必要があるが,当面夫 婦 2 人で相談や協力できるといった体制もあり,世帯内

の社会資源は限られているものの,存在はしている.

 地域で生活する高齢者の社会資源について,世帯類型 に応じた高齢者の生活実態等に関する意識調査(内閣 府,2005)13)によると,高齢者の「現在の生活の満足度」

について,「不満」と答えた単独世帯に属する対象者は 24.6%であり,夫婦世帯に属する対象者では19.0%で あった.また,「日常生活での心配ごと」について「心 配がある」と答えた単独世帯に属する対象者は22.6%で あり,夫婦世帯に属する対象者では16.0%であった.ま た,同調査において,高齢者の日常生活での心配事につ いて,「頼れる人がいなく一人きりである」と答えた単 独世帯に属する対象者は30.7%,夫婦世帯に属する対象 者は2.2%,「家事が大変である」と答えた単独世帯に属 する対象者は18.0%,夫婦世帯に属する対象者は7.6%

というように,単独世帯に所属する対象者については,

世帯内に頼るものがおらず不満や不安を感じており,地 域に活路をもとめるために,より地域と関わる機会が増 えるため社会資源を多く持つ.一方世帯内に頼る人のい る夫婦世帯に属する対象者は地域に頼る必要が少ないた め社会資源が少なくなると考えられる.これは,稲葉

(稲葉ら,2013:47)14)が,世帯内に同居者がいる場合は,

同居家族以外の人との交流が乏しくても,同居の家族か らの支援を期待できるため支え合える環境が整っている,

と述べていることに矛盾しない.このように,意識が自 身や家庭内に向くため,世帯内有職者なしの独居高齢者 よりも社会資源が少ないのではないかと考える.

 高齢者にとり,限られた社会資源を補完しうるのが,

地域における子どもの存在であろう.前述のように,現 在子育て中の対象者と,子育てを終えた後の対象者との 間に存在する子どもへの関わり方や意識にはギャップが ある.子どもと高齢者との関わりについての先行研究に よれば,特に小学生や中学生の子どもは,近所の高齢者 と「週に数回」接触するパターンが多く,また,地縁的 な活動やボランティア活動といった社会参加をする機会 もあり,高齢者と関わる機会も多いという報告がある

(岡正,2012:184-194)15).一方高齢者は子どもの世話 をしている高齢者の方がそうでない高齢者よりも,毎日 により生きがいを感じている,と述べており(内閣府,

2005:54-56)16),若い世代との交流を希望している高齢者 は半数を超えているという報告もある(内閣府,2007)1) このことから,特に単独世帯の高齢者や老年期の高齢者 が子どもとの接触を持つことは,高齢者のQOLを高め るうることが考えられる.

 本研究を通して,単独世帯や夫婦世帯,拡大家族世帯 など,世帯には様々な形態がある.世帯を構成する人数 や役割,支え合う体制もそれぞれ異なることが明らかに なった.世帯員がその世帯内で不足していると感じてい る資源の量的・質的違いにより周囲の人々や地域に求め るニーズも異なる.このように,世帯構成は地域社会へ の考え方や関わり方,社会資源にも影響していると考え

(8)

られる.

 本研究の限界としては,調査票の回収率は21.6%と低 く,限られた住民からの回答のため結果にバイアスがか かっている可能性がある.今後は,T町の全住民からの 回答を得られるような態勢を工夫することが必要である.

また,経済状況や健康状態も踏まえ,より包括的に調査 する必要がある.しかしながら,家族のライフサイクル の段階別,家族構成別,基本属性別にみた地域への捉え 方,考え方や関わり方について明らかにした研究は多く はないため,このような研究の限界を踏まえてもなお,

本研究における意義はあったと考える.

Ⅳ.結論

 本研究はT町の住民の年齢,性別,職業の有無,家族 構成,世帯構成,居住年数といった属性と,日常生活,

子ども,子育て,自治会活動に対する意識や関わりを明 らかにし,その関連や特徴を明らかにすることを目的と した.分析から得られた知見を要約すると,以下の通り である.

1 .世帯の構成員や,その世帯内での役割分担により,

地域や自治会,子どもとの関わり方に関するニーズ も変化する.

 2 .T町では,現在子育てをしているか否かに関わら ず,地域における子育てへの関心は高いが,排出期 にある核家族に属する対象者は,子どもの相談事に 住民が関与すべきと考えない傾向が表れる.一方特 に単独世帯や老年期にある対象者は,子どもに関心 を持ち,実際に子どもと関わっている傾向がある.

 3 .拡大家族世帯に属する対象者においては,その世帯 内に各世代が存在していて,子育てや介護,またそ れらに関わる情報源など,それぞれを支える協力体 制が整っていると考えられる.

 4 .総じて高齢者は社会資源を多く持ち,その中でも単 独世帯に属する対象者では,地域社会への接触が高 いと考えられる.

謝辞

 本調査にご協力いただきましたT町の自治会の皆様,

および地域住民の皆様に深く感謝申し上げます.

引用文献

 1 ) 内閣府:平成19年度版国民生活白書-つながりが築 く豊かな国民生活[インターネット],

http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h19/10_

pdf/01_honpen/ (2014年 3 月 1 日閲覧)

 2 ) 森岡清美:家族周期論,培風館,東京, 1973.

 3 ) 日本総合研究所:文部科学省委託調査-地域の教育 力に関する実態調査報告[インターネット],

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/

chukyo2/003/siryou/06032317/002.htm (2014 年 3 月 1 日閲覧)

 4 ) 財団法人関西情報産業活性化センター・財団法人堺 都市政策研究所:ニュータウン再生を支える地域コ ミュニティ創生に関する調査研究,NIRA助成研究 報告書NIRA,東京,2007.

 5 ) 生田奈美可,大下由美,田中マキ子,森口 覚,小 川全夫:豊かなソーシャルキャピタルと縮小の危機,

山口県立大学大学院論集,8:39-46,2007.

 6 ) 斎藤昌男:近郊都市の自治会・町内会:東京都八王 子市の調査から,立正大学人文科学研究所年報 12:9-22,1975.

 7 ) 久保妙子:接地型住宅地における近隣コミュニケー ションの現状と意識,日本家政学会54(1):27-37,

2003.

 8 ) 中尾 香:性別役割分業規範に関する考察:友愛夫 婦の規範と家族形成に関する規範との関係について,

年報人間科学,21:145-158,2000.

 9 ) 中央調査社:父親の育児参加に関する世論調査,

http://www.crs.or.jp/backno/No659/6592.htm(2014 年 3 月 1 日閲覧)

10) 山田哲也:保護者が抱く不安のゆくえ:不安による 離脱か,不安ゆえの協力あるいは監視か?学校教育 に対する保護者の意識調査2008 報告書[インター ネット],

http://berd.benesse.jp/berd/center/open/report/

hogosya_ishiki/2008/hon/pdf/data_07.pdf(2014 年 3 月 1 日閲覧)

11) 内閣府:高齢社会白書-高齢者の地域社会への参加 に対する意識調査結果[インターネット],

http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2005/

zenbun/17index.html (2014年 3 月 1 日閲覧)

12) 森岡清美,望月 嵩:新しい家族社会学,培風館,

東京,1983.

13) 内閣府:世帯類型に応じた高齢者の生活実態等に関 する意識調査[インターネット],

http://www8.cao.go.jp/kourei/kongo/k4/pdf/s2.pdf

(2014年 3 月 1 日閲覧)

14) 稲葉陽二,藤原佳典:ソーシャルキャピタルで解く 社会的孤立 重層的予防策とソーシャルビジネスへ の展望,ミネルヴァ書房,京都,2013.

15) 岡正寛子,田口豊郁:子どもの発達に焦点をあてた 地域の役割-子どもの認識するソーシャルキャピタ ルの測定から-, 川崎医療福祉学会誌 21(2):184- 194,2012.

16) 内閣府:高齢者白書-高齢者の生活と意識,内閣府,

東京,2005.

(9)

Perceptions of residents of the T-housing complex towards relationship with local children, neighbors and the autonomous association: Comparison

by the structure and life stage of the family of the respondents

Misumi UEZONO, Yuhya KUBOTA, Kaori FUKUSHIMA, Yuko Ohara-HIRANO

 1 Fukuoka University Hospital  2 Osaka Medical College Hospital  3 Nagasaki University Hospital

 4 Nagasaki University Graduate School of Biomedical Sciences

  Received 31 July 2014   Accepted 24 September 2014

Key words  Family life circle, Community, Child-rearing, Elderly Abstract

 Purpose: This study aimed to compare the perception of the residents of the T-housing complex of Nagasaki City towards relationship with local children, neighbors, and autonomous association according to the structure and life stage of the family of the respondents.

 Methods: A six-page questionnaire was developed and distributed to 717 residents of the T housing complex older than 20 years of age. The studied variables included basic characteristics (e.g. age, gender, economic condition, relationship between the respondent and each family member, etc.), perception and level of participation in community-based child-rearing and activities.

 Results: Respondents from the expanded family were less likely to show an interest in participating in community-based activities, particularly child-rearing and supporting the elderly.

 Discussion: One can assume that the members of the expanded family in the T housing complex may contain sufficient manpower within the family for child-rearing and elderly care-giving. Therefore, members of the expanded family are also less likely to participate in activities within the community and are likely to isolate themselves from other community members.

Health Science Research 27 : 35-43, 2015

参照

関連したドキュメント

The inclusion of the cell shedding mechanism leads to modification of the boundary conditions employed in the model of Ward and King (199910) and it will be

Incidentally, it is worth pointing out that an infinite discrete object (such as N) cannot have a weak uniformity since a compact space cannot contain an infinite (uniformly)

We recall here the de®nition of some basic elements of the (punctured) mapping class group, the Dehn twists, the semitwists and the braid twists, which play an important.. role in

Keywords: continuous time random walk, Brownian motion, collision time, skew Young tableaux, tandem queue.. AMS 2000 Subject Classification: Primary:

Answering a question of de la Harpe and Bridson in the Kourovka Notebook, we build the explicit embeddings of the additive group of rational numbers Q in a finitely generated group

Our method of proof can also be used to recover the rational homotopy of L K(2) S 0 as well as the chromatic splitting conjecture at primes p &gt; 3 [16]; we only need to use the

In this paper we focus on the relation existing between a (singular) projective hypersurface and the 0-th local cohomology of its jacobian ring.. Most of the results we will present

This paper presents an investigation into the mechanics of this specific problem and develops an analytical approach that accounts for the effects of geometrical and material data on