• 検索結果がありません。

(様式6号) 「課程博士用」

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "(様式6号) 「課程博士用」"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

(様式6号) 「課程博士用」

学 位 論 文 の 要 旨

専 攻 名 システム工学 専 攻 氏 名

田中

た な か

元 史

もとふみ

学位論文題目 水平軸風車に対するプラズマ気流制御の実験的研究

(Experimental Study on Plasma Aerodynamic Control for Horizontal Axis Wind Turbines)

本研究では、風力発電の大型化と変動風対策に資する技術として、水平軸風車に対するプラズマ 気流制御技術の適用可能性を明らかにすることを目的とした。プラズマ気流制御技術の中でも実用 化可能性の高いコンセプトに的を絞り、 「誘電体バリア放電電極を用いて、パルス変調制御により、

翼で発生する前縁剥離を抑制する」というコンセプトが、大型風車に適用可能かどうかを検証する ため、種々の実証実験を実施した。

第 1 章では、上記の研究目的に至った背景を整理した。風力発電の普及を妨げている技術的課題 を分析したところ、大型化と変動風対策が重要であることが判明した。これを解決する手段として、

風車翼におけるアクティブ空力制御技術が検討されているが、従来検討されている技術は機械的機 構であるため耐久性に問題がある。これに対し近年注目を集めているプラズマ気流制御技術は、電 気的デバイスである点で従来技術とはまったく異なるコンセプトであり、風車環境での実用化可能 性が高い。ただし、プラズマ気流制御を記述できる理論がまだ構築途上のため、本研究では風車適 用のために必要な課題を、実験的手法により検証していくことにした。

第 2 章では、誘電体バリア放電電極の設計に必要な種々のパラメータへのプラズマ誘起流速依存 性を調べ、また、シュリーレン法による誘起流の時間分解計測を行った結果を記した。まず、電圧 と誘電体種類を変えて誘起流速を計測し、プラズマ誘起流の速度は電力を増加させると増加し、誘 電体の誘電率を小さくしたほうが誘起効率が高くなることがわかった。また、電圧波形に休止時間 のある両極性パルス電圧波形では、印加電圧波形の半値幅を所定の閾値まで広げた場合が最も誘起 効率が高くなることがわかった。さらに、電圧の勾配が正よりも負のときのほうが誘起効率は高く なり、誘起流は電圧の勾配が負の時間帯に顕著に生成されていることがわかった。これらの結果を 総合して考察することで、プラズマ誘起流の原動力となる電界として、ストリーマ先端電界よりも、

外部電界の寄与が大きいということが示唆された。さらに、シュリーレン計測で誘起流を時間分解 計測したところ、誘起流が形成される時間スケールは約 1ms 程度であり、それ以下の時間では密度 変化を生じるほどの誘起流は生じていないことがわかった。プラズマ気流制御による前縁剥離抑制 効果は、パルス変調の ON 時間が 1ms 以下でも有効なケースがあることがわかっており、このよう な場合プラズマは流速ではなく外力として流れに擾乱を与えていると言える。

第 3 章では、プラズマ気流制御の風車への適用検討にあたり、翼の前縁剥離抑制の観点から、高 速流れでの効果、風車翼型における効果、動的流れ場における効果、回転場における効果を風洞実 験によって確認した結果を記した。まず、筆者らが過去に行なった NACA0015 翼に対する 20m/s での風洞実験結果を整理したところ、前縁剥離における失速角の遅延効果は、連続放電よりパルス

続紙 有■ 無□

(2)

(様式6号-続紙) 「課程博士用」

氏 名

たなか もとふみ

田中 元史 ○

変調制御で顕著であり、プラズマが失速後の揚力を引き上げ、さらに失速における揚力係数の急減 を緩和する効果があることを確認した。失速後の揚力係数の急減を緩和できることは、迎角変動が 激しく頻繁に失速域に到達する条件で運転されることを特徴とする風車翼に対して、好適な制御手 法であることを示している。次に、高速流れでの風洞実験により、主流速度が 70m/s、レイノルズ 数が 10

6

程度のレベルまで、前縁剥離に対するパルス変調制御の効果が認められることがわかった。

さらに、後流の速度分布計測により、揚力向上だけでなく、後流欠損を緩和し抗力を低減できる可 能性があること、剥離抑制は回転場中の翼に対しても適用が可能であること、後縁剥離現象に対し ては前縁に設置したプラズマでは効果が認められないことがわかった。

第 4 章では、翼前縁に放電電極を設置したフィールド検証試験を、三重大学 30 kW 風車を用いて 世界で初めて実施したことを記した。まず、屋外環境において回転翼前縁に安定に放電プラズマを 形成できた。次に、1分ごとにパルス変調の ON/OFF を切り替えて風車性能に対するプラズマ効 果を調べ、変動する実風況下でもプラズマによるロータトルク増大効果が確認できた。これは翼素 に対する高迎角の失速域での揚力向上効果によるものと考えられる。この実験では、周速比λ=3~5 の低周速比領域で出力係数の増大効果が認められ、短時間の試験期間ではあったが放電電力を十分 上回る平均出力増大効果が得られた。この試験条件で翼上にタフトを設置した流れの可視化を実施 した結果、剥離が頻繁に発生してタフトが乱れるアジマス角付近において、プラズマによりタフト が整列する傾向があることを捉えた。また、同時に計測した風車まわりの風速分布から、プラズマ による出力増大効果が大きく出ているケースでは、プラズマ ON のほうがプラズマ OFF に比べて風 車の正面と真後ろで風速が増加しており、プラズマによるロータディスクの抵抗緩和で流入風の減 速が緩和できる可能性があることが示された。

第 5 章では、これらの知見を踏まえて 1.75MW の大型風車での検証を行い、大型実機の翼上で安 定に放電を形成して試験を行い、実機適用の可能性を検討して課題抽出を行ったことを記した。

本結果は、風車におけるプラズマ気流制御の効果を、世界で初めて、実風況下で捉えたものであ り、その手法と取得されたデータは、今後の実用化を進めるための大きな知見といえる。第 5 章で 得た実用化の課題のうちデバイスの耐久性に関しては、その後の開発で大きく前進し実用化のレベ ルに近づきつつある。今後は、実機で取得されたデータの評価・解釈を行い、それに基づいて実機 風車の性能を最大限引き出すための適用手法を開発する予定である。これにより多くの風車へのプ ラズマ適用を進め、風力発電のエネルギーコストの削減により風力発電の導入を促進し、地球温暖 化防止とエネルギーセキュリティの向上に貢献できるものと考えている。

続紙 有□ 無■

参照

関連したドキュメント

物質工学課程 ⚕名 電気電子応用工学課程 ⚓名 情報工学課程 ⚕名 知能・機械工学課程

平成 21 年東京都告示第 1234 号別記第8号様式 検証結果報告書 A号様式 検証結果の詳細報告書(モニタリング計画).. B号様式

1号機 2号機 3号機 4号機 6号機

区分 授業科目の名称 講義等の内容 備考.. 文 化

②計画.

産業廃棄物の種類 建設汚泥 廃プラスチック類 排    出  

木くず 繊維くず 動植物性残さ 動物系固形不要物 動物のふん尿 動物の死体 政令13号物 建設混合廃棄物 廃蛍光ランプ類

10 藤川 昂 宮崎大学 博士課程 3 年 The 2021 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies. Direct Electrochemical Detection of Extracellular Electron