奈良教育大学学術リポジトリNEAR
細菌キシラナーゼに関する研究
著者 高橋 光雄
雑誌名 奈良学芸大学紀要. 自然科学
巻 11
ページ 87‑129
発行年 1963‑02‑28
その他のタイトル Studies on the Bacterial Xylanase URL http://hdl.handle.net/10105/3486
Journ. Nara Gakugei Univ.,Nat.Sci.,Vo1.ll.Mar. 1963 87
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Studies on the Bacteria] Xylanase By Mitsno Takahashi
(Dept. Agr. Chem., Nara Gakugei Univ.)
Abstract
Studies on the purification, crystallization, enzymic properties and enzyme formation conditions of Bacillus subtilis xylanase were investigated.
1. Aerobic mesophiles of 300 kinds , which Fukumoto (Bull. Osaka Municipal Technical Res. Inst, 9,1 (1943)) had isolated from various sources, were used in the screening test of xylanase-producing bacteria, and a strain (G 2) of Bac. subtilis was selected whose culture filtrate showed comparatively strong xylan-hydrolyzing activity.
2. In order to find the best culture medium, the effects of various materials on the xylanase formation were examined by using 5% soybean cake extract as the basal medium, and the addition of wheat bran extract was found to greatly stimulate the enzyme production.
3. The culture filtrate of Bac. subtilis (G 2) was used for the crystallization of xylanase. The enzyme in the culture filtrate was salted out with ammonium sulfate, dialysed, followed by submitting to anion resin (Duolite A 2) column treatment to decolor. Then, the decolored enzyme solution was passed through a cation resin column (Duolite C 10), whereby the enzyme was specifically adsorbed on the resin. The enzyme was subsequently eluted with a certain buffer, dialyzed, and then crystallized in a dilute acetone solution.
4. The main properties of the crystalline enzyme preparation obtained here are as follows :
( 1 ) The enzyme is stable only betweenpH 5.0 and 7.0 and at temperatures of less than 45°C. The optimum pH for enzyme action is atpH 6.0 ~ 6.2and the optimum temperature for saccharifying and liquefying activity of the enzyme is in the vicinity of 37° and 45°C, respectively, in a thirty minutes' test.
*
(2) The activity of the enzyme is markedly increased by various calcium salts or chlorides. In spite of these facts, neither of ions shows any protective action on the enzyme.
(3) The enzyme is inhibited by heavy metals in the following order:
Hg++>Ag+>Fe+++>Cu++>Fe++, but not so seriously inhibited by Co++
andNi++.
(4) A certain thiol group (s) of the enzyme protein was ascertained to be essential to enzymic activity.
( 5 ) The enzyme splits corn cob xylan-chiefly into L-arabinose and various xylooligosaccharides. D-xylose is also very slightly produced.
( 6 ) The maximum degree of hydrolysis of xylan by the crystalline enzyme is about 38 per cent.
( 7 ) The crystalline enzyme preparation, however, was certified not to be homogeneous as protein component by means of electrophoresis, but seemed to be enzymatically pure.
5. The chief conditions for formation of the enzyme are as follows:
(1) The formation of the enzyme is inducible and xylose and xylan, especially the latter, are a good inducer and a very small quantity of xylan is sufficient to induce the enzyme. Xylan also serves as a carbon source for cellular respiration of the bacteria.
(2) The conspicuous effect of xylan is reasoned from the fact that it is not only an excellent inducer for the enzyme formation, but also that it makes the respiration metabolism of the cells very moderate or rather sluggish, bringing forth an excellent physiological condition for the enzyme formation.
(3) Also, it was found that the coexistence of galactose with xylan in the medium further stimulates the production of the enzyme, suggesting that the xylanase formation is coupled with the metabolism of certain kinds of carbon sources.
細菌キシラナ‑ゼに関する研究
目 次
緒 ロ
第1編 細菌に関する研究
第1章 細菌キシラナーゼ分泌菌の
第2章 細菌キシラナ‑ゼの生成と培養条件
要 約
第2編 酵素化学的研究 第1章 酵素の精製
第1節 精製並びに結晶化
第2節 結晶酵素の電気泳動法による精製 第3節 本章の考察
要 約
第2葺 酵素 の性質 第1節 酵素 の安定性 第2節 至適pHと至通温度
第3節 酵素作用に及ぼす塩類の影響 第4節 酵素蛋白に及ぼす重金属の影 第5節 酵素蛋白に及ぼすSH試薬の影響
第6節 酵素によるキシラン分解率及び分解生成物 第7節 結晶酵素の均一性
第8節 本章の考察
要
第3章 酵素の生成条件
第1節 細胞非増殖下に於ける酵素の生成 第2節 細胞増殖下に於ける酵素の生成 第3節 本章の考察
要 総 括 文 献
89
90 高 鳩 蝣t Sii
緒 言
従来キシランはβ‑1,4‑xylopyranoside結合よりなるキシロ‑ス多糖類がその主体であるとさ れていたが,最近海藻のキシランにβ‑1,3‑xylopyranoside結合のみよりなるものが発見され(1) ついでこれを分解するβ‑1,3‑キシ,jナーゼが分離された(2)ので,キシラナーゼの名称には従来 の通念に訂正を加える必要が生じて来たが,ここにはβ‑1,4‑xylopyranoside結合を主成分とす る多糖類の加水分解をいとなむ酵素をキシラナーゼと限定して観察を進めていくことにする。
キシラナ‑ゼは最初軟体動物及びある種の昆虫の体内に発見され(3)その後家兎,モルモッ ト,ウシなどの腸内及び土壌細菌(4‑12)かび8), Asp. oryzaea3M¥ Asp. mgeras>,タカジァ スターゼ(13.16.17), Actinomycetes'^,麦芽(14.18)カタツム│J (3.12.14.19;節足動物の肝臓(20)並びに 高等動物(21.22)等に見出され若干の酵素化学的性質が明らかになった。キシランの分解様式につ いてSorensen(23‑24)はある種の細菌及びStreptomycesのキシラナ〜ゼにxyloside結合をキシ ロビオースに加水分解する酵素とキシロビオースをD‑キシロースに加水分解する酵素の二つの 型があると報じた。
これらのことは,この研究が開始された当時(1954年頃)すでに報告せられていたことである。
著者は近年の酵素化学の急速な進歩に照らしてキシラナ‑ゼに関する研究が比較的数少く,ま た不明の点が多いこと及びこの種酵素の分泌能の最大なるものは恐らく細菌類にあるものと考 え,その精製,結晶化には細菌を起源とすることが最も好都合であるとの観点からこの研究に着 手したOかかる見地よりキシラナーゼ分泌菌検索の対照菌としてかって福本(25)がアミラ‑ゼ分 泌薗検索の際,自然界より分離した好気性中温細菌を実験に供し,その培養波液が最も強力なる キシラン分解作用を示すBac. subtilis属の1細菌を選択し,その酵素を生成せしめる培養条件, 酵素の精製,結晶化 性質並びに生成条件等につき研究を行い, 2, 3の新知見を得た。
なお,この研究遂行中報告された主な関係事項は次の如くである。
キシラナ‑ゼの生成に対し炭素源としてキシランが特に有効であり(26)かび及び Actinomy‑
cetesのキシラナーゼ姥適応的に生成されると推定された(27)。また,キシラナーゼの結晶化が最 近細菌(28)及びかび(29.30)の酵素で行われた。キシランの酵素分解について稲岡ら(28.29)は,その β‑1,4‑結合の末端に近い結合のはか,分子内部の結合をも切ると推定し,またAsp. nigeγの菌 体内には培養液中に分泌されるキシラナーゼ(キシランを分解し主としてキシロビオ‑ス,キシ ロトリオ‑スを生成するもの)と異なったキシラナーゼ(主としてD‑キシロ‑スを生成するも の)を含むと報告した.福井(31)は糸状菌キシラナ‑ゼの作用様式を検討し,液化型(endo‑type) と糖化型(exo‑type)の存在を推定した。すなわち,液化型酵素は基質分子の内部からβ‑1,4‑鰭 合を水解し,糖化型酵素は分子末端のβ‑1,4‑結合を切りD‑キシロ‑スを生成するとした.
Howard^及びPazurら(33)はそれぞれヒツジ及びウシの第一胃の細菌起源の酵素の基質分解を検 討し, Howardはベントザンを基質とした場合,反応生成物としてD‑キシロース,キシロビオ ース及びキシロトリオ‑スを,またPazurらはキシロビオ‑スを基質とした場合,反応生成物と してD‑キシロ‑スを得たが,その反応速度がキシロテトラオ‑ス,キシロトリオ.‑スを基質と
して用いた場合に比しやや遅かったので, Sorensen(24>の提案したキシロビア‑ゼの存在に疑義 をもち動物の第‑胃中にキシロビアーゼ様酵素の存否を決定することが大切であると報告した.
Sorensen(26)はStreptomycesのキシラナーゼを渡航電気泳動により精製しキシロビオ‑スを基質
細菌キシラナ‑ゼに関する研究 91 としてその酵素による反応生成物を検討し,キシロビオースは分解されなかったと報告した。な お, Sorensen(24)がさきにキシロビオースのD‑キシロースへの分解を認めたのは菌体抽出液につ いてである。 Whistlerら(341はAsp. foedidusの生成するキシラナーゼに最終生産物としてD‑辛 シロ‑スを生成するものとキシロビ1ォ‑スまでの募糖類を生成するものの2種があると報告し た。最近Howardら(351もウシとヒツジの第‑胃中のキシラン分解細菌より2種の酵素,すなわ ちキシラナーゼ(キシランに作用し,その内部結合を加水分解し,主最終産物としてキシロビ オ‑スを生ずるもの)とキシロビア‑ゼ(キシロ募糖類に作用し, D‑キシロースを生ずるもの) を電気泳動により分離した。
92 高 橋 光 雄
第1編 細菌に関する研究
第1章 細菌キシテナーゼ分泌菌の検索(36)
大阪市立工業研究所福本研究室に保存中の好気性中温細菌(25)約300株を対照菌として,キシラ ナ‑ゼ分泌力の強力なものを選択した.
培養基:種々の培養基を用いたが,主として5%大豆粕培養液(5%に相当する溶剤抽出大豆 柏をo.2%NaOHと共に1時間煮沸した後渡過し,その潰液をHClで中和したもの)を使用した。
培養法: 5%大豆柏培養液(pH6.0) 25mlを100ml容三角フラスコに分注し,常法にしたがい 殺菌した。後これに予め24時間培養した供試菌を1白金耳接種し37。Cで静置培養した。
酵素液:培養液液を酵素液として実験に供した。
基質(キシラン)の調製:稲葉を細切,乾燥,粉砕,約2%NH4OHに48時間浸漬,水洗した 級, 5?^NaOHに24時間浸潰し,得られた抽出液にアルコ‑ルを加えキシランを沈澱せしめた。
この沈澱を1%NaOH (50^アルコール含有)と共に加熱しリグニンを除去した。次に, NaOH 及びアルコールを用い精製を繰り返した後,その透明渡液を稀HClで中和し,アルコールを加え キシランを沈澱せしめた。後アルコ‑ル洗源,脱水,乾燥し白色粉状のキシランを得た(17)
糖化力の測定法: 1%キシラン3ml, M/10燐酸緩衝液2m1,酵素液1mlの混液(PH6.2)を37。C で30分放置した後, Fehling‑Lehmann‑Schoorlの変法により生成還元糖を定量し, lmgのD‑
キシロースに相当する還元糖を生ぜしめる酵素力を1単位とした。
液化力の測定法:オストワルド粘度計を用い粘度の低下より液化力を測定した。 2.5%キシラ ン(pH6.2のM/10燐酸緩衝液に溶解したもの)4mlに酵素液1mlを加え37。Cで30分放置した後, その2mlを0.5mlのIN NaOHを入れた試験管に採り十分混和して酵素反応を停止せしめた後, オストワルド粘度計で流下時間を測定した。液化力は次式により算出し30分で粘度を50%低下 せしめる酵素力を1単位(u)とした。
粘度降下率‑ Fo ‑ F只。ー Fcc × 100
Fか:酵素で十分に分解したときの反応液の流下時間(秒) F。 :酵素の代りに水を添加したときの反応液の流下時間(秒) J?8。・酵素を30分間作用せしめたときの反応液の流下時間(秒)
粘度降下率が30%すなわち, 0.6u以下では酵素濃度と粘度降下率との間に比例的関係が成立し た。
検索の結果
種々の条件下に於て多数の実験を実施し,キシラナーゼ分泌力の強力な菌株を得た。その結果 を第1・1表に示す。糖化力の強力な菌株としてG3, Gl, G2, G4及びS7D,また液化力の強力 なものとしてG3, G2, S7D, G4, G5, Gl及びK2を得た。
なお′ 第1・1表に示した如く,便宜上液化力の糖化力に対する比率より見ると,それら供試菌 は比較的液化酵素を主に分泌するもの(K2, G5, K27, W5B),また反対に糖化酵素を主とする もの(G1‑G4, S7D)の2群に分vj'られることがわかったO
なお,これらの菌株のキシラナーゼのキシラン分解限度を求めると第1・1図に示す如く, 4型 に分類することができ,キシラン分解限度は約50, 40, 20及び10%で,それらの代表的菌株はそ れぞれG2, G5, W5B及びU16であった.そのうちG2菌株のキシラナ‑ゼが最大の分解率を示し
細菌キシラナ‑ゼに関する研究 第1・1表 キシラナ‑ゼ分泌菌の糖化力と液化力
培養後 糖化力(SA) 液化力(LA) 菌 株 Pf Cu/ml) (u/ml) K 8. 4 3. 7 16.
K 1. 5 1. 4 4. 8
1 4. 1 7. 6 i. 6 1 4. 2 2 1. 7 1. 6 1 5. 3 22. 0 3. 5 1 2. 4 1 9. 2 1. 4 4. 3
S 7D 3. 5 1 1. 6 20. 1 U 16 1. 5 1. 3 3. 0 W5B 3. 4 2. 4 7. 7 5 %大豆粕培養液(pH6.0),37ロC,2日,帝置培養
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時 間(時)
第1・1図 細菌キシラナ‑ゼの糖化曲線 酵素液 5%大豆拍培養液(pH6.0),30‑C,4時間帯置培養後の渡液
酵素力の測定法 0.6?キシランIml,M/5燐酸緩衝液Iml,酵素液(液化力14u) lml,水2mlの混液 (pH6.0)を37‑Cで24,40,64時間放置した後,生成還元糖をFehling‑Lehmann‑Schoorlの変法に より定量したo
) :酵素(液化力14u)追加
I:G2*,S7D ; II:Gl,G3,G4,G5* ; m:W5B ; IV:U16
*代表菌株
約54%であった。,この結果と第1 ・ 1表のそれより大体において糖化力に比し液化力の強い菌の酵 素液が分解限度が大であった。因みに,酵素源の異なったもののキシラン分解率を示すと麦芽で
は約7596as¥ カタツムリでは約7096m, Asp. oryzaeでは約 ((31)である。
94 rt t;5 1i; !i仁
要 約
1.大阪市立工業研究所福本研究室に保存中の好気性中温細菌約300株を対照菌として,キシ ラナーゼ分泌菌を検索し,キシラン分解力の比較的大なるもの10株を選定した。
2.これらの菌株の分泌キシラナ‑ゼはすべてキシラン液化作用を示した。
3.また,それらのキシラナ‑ゼは糖化力と液化力との比より2群に分けられた.
4.これらの酵素はキシラン水解限度より4型に分類された。
5.最も強力にこの酵素を分泌する菌株はBac. subtilis G2で,その酵素のキシラン分解限 度は約54%であった。
第2童 細菌キシテナーゼの生成と培養条件(36) 1.培養温度の影響
5%大豆柏培養液(pH6.0)25mlを100ml容三角フラスコに分注,常法にしたがい殺菌した後, 予め24時間培養したBac. subtilis G2(以下G2菌株と略称)の1白金耳を接種し,所定の温度で
2日間静置培養した後,その培養液液を酵素液とし酵素力を測定した。
その結果は第1 ・2表に示す如く,培養温度30‑37。Cの問では,酵素生成に及ぼす培養温度の 影響はさして大差ないが, 40‑Cを越すと酵素生成は急減することがわかった。
第1.2表 培養温度の影響
温度 培養後 糖化力 CO pH Cu/ml)
3 0 1. 2 1 5. 5 i. 4 1 6. 3 3 7 3. 6 1 6. 3 4 0 i. 6 , 4
G2菌株, 5%大豆柏培養液(pH6.0), 2日,静琵培養 2.培養pIIの影響
pH 5.0, 6.0及び7.0の5%大豆柏培養液を前項に準じ37。Cで1,2,3,4,5及び7日間静置培 養した後,その培養液液を酵素液とし酵素力を測定した。
酵素生成に及ぼす培養液の初発pHの影響を第1 I 3表に示す。この表に示す如く,培養液の初 発pHは6.0附近が最適であり,また初発pHが5.0及び6.0の場合は培養日数2日,初発pHが7.0 の場合は3日の糖化力がそれぞれ最高であった。また,何れの初発pHの場合にも培養日数が5日 になると糖化力は前日に比し半減したが,爾後7日に於てもその減少は僅少であった。
第1.3表 初 発 pH5.0
培養後 糖化力 pH ( u/ml)
6. 7 3. 6 3. 2 1 4. 6 3. 6 1 0. 4 3. 7 9. 2 4. 6 3. 3
G2菌株, 37‑C,静置培養
pH の 影 響
pH6.0 pH7.0 培養後 糖化力 培養後 糖化力
pH (u/ml) pH (u/ml) 7. 4 4. 7 7. 2
!. 2 1 5. 1 3. 2 i. 6 1 3. 6 I. 6
!. 9 9. 9 i. 9 i. 9 4. 8 i. 9 i. 9 3. 6 3. 9
2. 8 1 0. 6 1 1. 2 9. 4 4. (1 3. 0
細菌キシラナ‑ゼに関する研究 95 3.培養時間と酵素の消長
pH5.0, 6.0及び7.0の種々の5%大豆粕培養液を前項に順じ37‑Cで7日間静置培養した後, その培養液液を酵素液とし酵素力を測定した。
初発pHが6.0の場合の培養中の経過を第1 ・ 2図に示す。この図に示す如く,全権(全糖は培 養液を3N H2S04と共に100。Cで30分間加熱分解し生じた還元糖を定量した)は菌体の繁殖 に伴って最初速かに減少し, 3日以後は殆ど減少せず, 7日間での全糖の消費量は添加時の約40
%であったD酵素の生成は全糖の消費と比較的並行し,その消費が見られなくなる前日に於て酵 素力は大体最高を示したが,窒素の消費と酵素生成との関係は明らかでなかった。なお,これら の関係は初発pH5.0及び7.0の場合にも殆ど同一の傾向であった。
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第1・2図 培養中の酵素の消長 G2菌株, 5%大豆柏培養液CpH6.0), 37。C,醇置培養
‑0‑:糖化力 全窒素,‑△‑:全糖,‑▲‑:直糖,‑×‑:pH 4.炭素源の影響
5%大豆柏培養液には相当多量の炭素源を含有しているが,これに炭素源を添加した場合,そ の種類によってはアミラーゼ分泌に有効なものの有ることが知られているので,炭素源添加がキ シラナ‑ゼ生成に如何なる影響を及ぼすか検討したO
5%大豆粕抽出液(基本培地)に種々の炭素源を加えpHを7.0に調節し,前項に準じ37。Cで3 日間静置培養した後,酵素力を測定した。その結果を第1・4表に示すO キシロ‑ス及びキシラ ンの添加(0.05^またはO.iao はキシラナーゼの生成に対し著しく効果があった。一方グルコ
96 嵩 を,ァ ー)t 丑
‑ス,フラクト‑スまたはシュクロ‑スの添加はこの酵素の生成を阻害した。
第1・4表 酵素生成に及ぼす炭素源の影響 0.05%
炭素源 培養後 酵素力
一一1一I
pH u/ml % キシ ロ ース 1.4 32.4 266 グルコ ‑ス
マ ン ノ ー ス ガラクト‑ス フラクト‑ス シュクロ‑ス マルト ース ラクト ース
キ シ ラ ン !.4 28.3 233 デキストリン
マ ンニ ット ソルビット 可Jv tt;華子?蝣}
0.1%
培養後 酵素力 培養後 酵素力 pH u/ml %
i.4 34.0 280
;.2 9.E i.6 16.5 130 8.6 9.3 77 1.4 6.8 55 8.4 7.8 64 8.4 9.6 79 i.4 ユ 97
;.4 29.4 242 8.4 73 1.6 16.4 133 i.6 14.7 121 8.4 9.6 79 S.4 12.1 100 3.4 12.1 100
G2菌株, 5%大豆柏培養液(pH7.0), 37‑C, 3日,帝置培養
ヽ ヽ
pH u/ml
!.2 13.9 120 7.8 4.6 40 7.1 5.1 44
!.0 12.4 105 i.4 3.8 33 7.0 1.2 10 S.3 12.8 110 8.3 1ユ.6 ユOo
n D O O I I O C D C O c O H n U
r: : :
C O O i n l o c o ( M S O l n H E: G= CO O ¥r (O (D C O C O c O 0 0 0 0
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培養後 酵素力
r ^ 1
pH u/ml %
!.0 13.4 117 7.8 3.E 33 7.8 5.6 49 8.0 9.6 83 8.3 3.5 30 i.6 1.4 12
!.4 11.5 100 10.9 95
n D I O r f N O
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C O C O C O C O 0 0
5.窒素源の影響
基本培地にNH^Cl, (NH4)3S04, NH4N0台, (NH^HPCU, KNO畠, NaNOs等をそれぞ れ添加(NとしてM/10またはM/50)し,前項に準じ G2菌株を培養した後,酵素力を測定し た。その結果キシラナーゼ生成のための窒素量としては基本培地に含有せられる窒素量のみで大 体適当であった。
第1.5表 酵素生成に及ぼす塩類の影響 酵素力
yi 濃 H'f (M) CaCl, 1/50
〝 1/250
〝 ユ/i,ODD
NaC1 1/50 MgSO4 1/50
〝 1/250
KH2PO4 1/25
〝 1/50
MnSO4 1/5,000
培養後
nil I O ( O C O C O ( D
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^ c O C C C O c O C O c O C O C O C Q C G c O G O
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G2薗棟, 5%大豆柏培養液, pH6.0, 37"C, 2日,静置培養
細菌キシラナ‑ゼに関する研究 97
6.塩寮の影響
基本培地に第1 ・5表に示す種々の塩類を加え,前項に準じG2菌株を培養した後,酵素力を測 定したO第1・5表より明らかな如く CaCl3の添加特にそのM/50の添加は,キシラナ‑ゼの生 成に対しかなりの効果を示した。一方, MgSO*の添加はさして効果はなかった。
7.娘抽出液の影響(37)
第1 ・ 6表に示す組成の試験液CpH6.0) 20mlを前項に準じ30。Cで66時間静置培養した後, その酵素力を測定した。その結果は第1 ・6表より明らかな如く,毅抽出液(毅をl^NaOHと共 に100。Cで3分間煮沸した後,渡過して調製した)と大豆柏抽出液の濃度比を適当にすることに より酵素力を3倍にも増大せしめることができた。
第1.6表 酵素生成に及ぼす毅抽出液の影響 試 験 液
5 %大豆粕 2.5%毅 抽出液(ml)抽出液(ml)
2 0 0 1 8 2 1 6 4 1 4 6 1 2 8 1 0 1 0 8 1 2
培養後 酵素力
pH u/ml 右 8.4
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G2菌楓 pH6.0, 30‑C,66時間,静置培養
本実験で明らかになったようにヰシランはキシラナーゼ生成に極めて有効であるので,毅抽出 液の効果は,多分そのヰシランによるものと思われる。
要 約
1. Bac. subtilis G2菌株のキシラナ‑ゼの生成を大豆柏培養液を用い静置培養法で検討し た結果,キシラナーゼの生成に対する培養の至通温度は35‑37。C,至適pHは6.0附近,その 条件での最高の酵素カは2日培養の時にみられた0
2. 5 大豆粕抽出液にキシロース,キシランまたは毅抽出液の添加はキシラナ‑ゼの生成を 著しく増大したO
98 高 橋 光 雄
第2編 酵素化学的研究 第1章 酵素の精製 第1節 精製並びに結晶化(38)
供試菌(G2菌株)の分泌するキシラナ‑ゼの結晶化は次のような方法により達成されたo 精製,結晶化の方法: 5%大豆柏培養液(pH6.0) 700mlを51容培養三角フラスコに注入,常法 にしたがい殺菌した後,供試菌を接種し30‑Cで3日間静置培養した。その浪液を硫酸アンモニア 塩析(0.2‑0.6飽和)及び透析(外液: pH6.0のM/50酢酸カルシウム)した後,透析内液をア ユオン交換樹脂Duolite A2により脱色した。次いでその液をカチオン交換樹脂Duolite CIOに 吸着,洗浄した後> pH7.4のM/5燐酸緩衝液でこの酵素を溶離した。その溶離区分のうち酵素活 性の高いものを奨め硫酸アンモニア塩折(0.6飽和),透析した後,その上澄液にアセトンを加え
アセトン濃度30‑ で沈澱する区分を集め,少量の水に溶解,再びアセトンを加え冷蔵庫に1 夜放置するとキシラナーゼが結晶として析出した(第2・1表)。ここに得られた結晶は針状または 三角板状の結晶形(第2・1図)であったo
第2.1表 細菌キシラナ‑ゼの結晶化 培養基
I
培養液液
I
渡 液
I
脱色液
;
離tit
l
透析内液
I.
溶 液
丁
結 晶
:
再結晶
薗 株: Bac. s.〝bitUs G2
5%大豆粕培養液(pH6.0),30‑C, 3日間静置培養 塩 析:硫酸アンモニア(0.2‑0.6飽和), 3回, 水こirf軒
透 析: M/50酢酸カルシウム(pH6.0)
脱 色: M/10燐酸緩衝液(pH6.2)で緩衝化したDuolite A2 吸 着: M/10燐酸緩衝液(pH6.2)で綬衝化したDuolite CIO 溶 離ニM/5燐酸緩衝液(pH7.4)
塩 析・.硫酸アンモニア(0.6飽和),水に溶解 透 析:M/50酢酸カルシウム
アセトン分別(30‑70%),水K溶解 アセトン添加(約10%) ,冷所に放置
pH5.4の水に溶解 NH4OHでpHを8.0とし,氷室に放置
全望u/ml u/mg‑N腎
3,050 10.0 3.8 100
700 40.0 46.0 92.0
700 30.0 47.5 69.0
700 22.0 115.8 50.5
55 180.0 32.4
20 217.0 124.0 14.2
10 380.0 316.0 12.5
*クエン酸緩衝液
第2筋 結晶酵素の電気泳動法による精製(39)
ここに得られた結晶酵素標品が単一蛋白であるか否かを検討するため Tiselius の電気泳動及 び連続渡紙電気泳動により検討した結果,この標品は電気泳動的には少くとも2種の蛋白区分か らなり(第2・2図),また窒素分布と酵素活性の分布とが一致しないことがわかった(算2・3図)
細菌キシラナ〜ゼに関する研究 101 ので,酵素精製の課程に連続渡紙電気泳動を採用し,窒素当りの酵素力価が原結晶酵素の約2倍 のキシラナ‑ゼ区分を分離することができた(第2・2表)0
第2・2表結晶酵素と精製酵素との比戟 酵素力(u/mg‑N) 結 晶 酵 素 1.090
*
精 製酵素 2,125
*第2.4図 管番号6
結晶酵素を水に溶かし硫酸アンモニア0.4飽和(pH5.0)で沈澱する区分を除き,その上澄液 をpH7.0に調節した後,再び硫酸アンモニアを添加し0.5飽和(pH7.0)とし沈澱する区分を集め 透析した。その内液を連続渡紙電気泳動(第2・4図)により分画し酵素活性の高い区分を集めた (精製酵素)。
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0 1 3 5 7 9 11
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現激 誤陶 (u /m g‑ N)
00
川.
管 番 号
第2・4図 精製酵素の連続漉紙電気泳動図
燐酸緩衝液,室温(約12。C), 48時間, 200V/50cm, 24mA, pH5.0,イオン強度0.1
‑I:濯I'. , .,‑jaミi \‑:純:fr
第3節 本章の考察
稲問ら(28.29)はBac.sp.,Asp.niger,また福井ら(30)はAsp. batataeのキシラナ‑ゼをそれぞれ l)バノール沈澱法により結晶状に得たが,著者は民らと異なる方法により比較的容易にG2菌株 のキシラナーゼを結晶状に得た。すなわち,アニオン交換樹脂Duolite A2を用いG2菌株の大 豆粕培養液液中の着色性物質を除去することにより比較的容易に結晶化が達成されたものと認め
・>一
一方,数回再結晶を繰り返した結晶標品もこれを連続波紙電気泳動にかけると,窒素分布と酵 素活性の分布とが必ずしも一致しなかった。また,同じ標品をTiseliusの電気泳動にかけた場 合,少くとも2つのピークがみられた(第2・2図)。これらのピークの中には恐らく不純蛋白によ るものもあると考えられるが,またこの酵素には比活性の異なる幾つかの蛋白があるかも知れな いが,現段階ではこれらのことを論及するまでに至っていない。
この酵素を精製する際ある程度精製の進んだ酵素については,精製が進むにつれ275mβの吸収 が大となるので 275mβの吸収を測定することにより比較的簡単に精製の程度を予測することが
102
できた42)(一第2 ・ 5図)O
rj'j 橋 光 雄
240 250 260 270 280 290 300
波 長(nvO
第2・5図 細菌キシラナーゼの紫外部吸収曲線 1 :精製酵素(第2・4図,管番号No.6), 2,125u/mg‑N 2 :結晶酵素 1,090 〝 3 :精製酵素(第2・4図,管番号No.12), 222 〝
要 約
1. Bac. subtilisG2菌株のキシラナーゼが5%大豆粕培養液液を硫酸アンモニア塩折,透析, イオン交換樹脂(Duolite A2,同CIO)処理及びアセトン分画等を行うことにより比較的容易に 精製され,針状または三角板状の結晶として得られた。
2.結晶酵素は硫酸アンモニア塩折,連続渡紙電気泳動等により精製された。
革2章 酵素の性質(38,39)
本章に於て用いた酵素は大部分結晶酵素標品(本章では酵素と略す)及び精製酵素標品である が,一部結晶酵素と比較のため粗酵素を用いた。
第1節 酵素の安定性
pHと安定性:種々のpHの緩衝液にこの酵素の稀釈液を加え室温(14。C)に3,8及び24時間 放置した後,残存酵素力を測定したO その結果は第2・6図に示す如く、この酵素はpH5.0‑7.0
の問では安定であるが,それ以外のpHでは容易に失活された。
細菌キシラナ‑ゼに関する研究
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㍉ 速射畢洲tl(%)
103
pH
トク エ ン 酸緩衝液ヰ トホウ酸緩衝液⇒
第2・6図 pH‑安定性曲線
酵素液Iml,緩衝液3mlの混液を14‑Cで3,8,24時間放置した後,酵素力を測定した。
酵素.・結晶酵素,I基罪(キシラン) :稲葉より調製(17)
‑。‑:反応3時間, ‑△‑: 8時間, ‑×‑:24時間
温度と安定性:燐酸緩衝液と酵素液との混液(pH6.0)を所定の温度に5分間放置した後, 急冷し残存酵素力を測定した。その結果は第2・7図に示す如く,この酵素はpH6.0,5分間加熱 の場合45。C以下では安定であるが, 70‑Cでは完全に失活した。
無機イオンと安定性:酵素と塩類の混液(dH6.0)を30。Cで15時間放置した後,キシランに 作用させ残存酵素力を測定した。その結果は第2・3表に示す如く, Ca^ 及びCl はこの酵素の 安定性に殆ど影響を及ぼさないことが知られたo
また,精製酵素を用いキシラン(0.3S),酢酸カルシウム(M/200)の混液(pH6.0)を37。C で所定時間反応した後,生成還元糖及び残存酵素力を測定しCa4 の効果を検討したが,結晶酵 素の場合と同様の結果が得られた(第2 ・ 8図)0
第2節 至適pfIと至適温度
この酵素の作用至通pHは6.0‑6.2附近(第2・9図)であり,またその至適温度は30分間の反 応を条件として37‑40‑Cであった(第2・10図)0
第3節 酵素作用に及ぼす塩類の影響
2%キシラン2ml, M/10酢酸緩衝液2ml,酵素液Iml,塩類1mlの混液(pH6.0)を40。Cで30分間 反応した後,生成還元糖を定量した。その結果は第2・4表より明らかな如く,この酵素はMn+‑に
104
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温 度(‑C) 第2・7図 熱一安定性曲線
M/30燐酸緩衝液と酵素との混液(pH6.0)を種々の温度 で5分間放置した後,残存酵素力を測定した。
第2.3表 酵素の安定性に及ぼすCaT 及びC1‑の影響 Nad Ca(AcO)2 CaCl ,
CM/12. 5) CM/25) CM′/25)
5.28
5.28
1.10
1.60 1.00
虚LOOOOOOi‑HCVJ<N│OCDO対LOLOIDT‑ti‑Hi‑I
結晶酵素,塩類の混液CpH6.0)を30‑Cで15時間放置した後,残存酵素力を測定した。
残存酵素力の測定法:酵素(H :5倍稀釈) lml, 2%キシラン2ml, M/10燐酸緩衝液2ml,水1ml(対照 は水0.5ml及び相当する塩類0.5ml)の混液(pH6.0)を37‑Cで30分放置した後 Fehling‑Lehmann‑
Schoorlの変法により還元糖を測定したO キシラン:第2・6図と同じ
表中の数字:残存酵素力(u/ml)
よって何ら影響を受けないが, Mg, Ca及びClによって著しくその酵素力を増大するこ考がわか
っ^一
次に,このCa++及びCトによる影響をしらべるためそれらの添加時のキシラン分解生成物の ペーパークロマトグラフィを実施したが Ca++及びCトによる影響は判然としなかった。また この実験で酵素反応系えのEthylenediaminetetra‑acetate (EDTA)の添加は影響なかったO
第4節 酵素蛋白に及ぼす重金属の影響
第2・5表に示す如く,この酵素はHg・++の微量で完全に失活した。しかし,硫化水素または EDTAの添加によりそのHg・++の濃度によっては,その活性を殆ど完全に回復した。 Ag十につい
てもある程度同様の結果が得られた。また, Cu++, Fe+++及びFe+十等による失活は少なく阻害 順位はHg++> Ag+〉Fe+十十〉Cu十 >Fe+十であっだが Co++及びNi++は阻害しなかった。
細菌キシラナ‑ゼに関する研究 (A)酵素の安定性とCa
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‑ 3 (i ui /S iu )資
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(B)酵素の活性とCa
2
30 60 90 120
時 間(分) 第2・8図 酵素に対するCaの効果
酵素,キシランCO.3%),酢酸カルシウム(M/200)の混液(pH6.0)を37‑Cで所定時間反応した 後,生成還元糖及び残存酵素力を測定した。
酵素:精製酵素
基質(キシラン):トウモロコシの穂軸を原料とし, Whistlerの方法(40)に準じ調製したO
酵素力の測定法:0.6%ヰシランIml, M/15燐酸緩衝液3ml,酵素液1mlの混液(pH6.0)を37‑C で10分間放置した後,生成還元糖をSomogyi法(41)の変法によりキシロ‑スとして定量し, O.lmgの還元糖を生じた場合を1単位とした。
1 :対照;2:Ca
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5 6 7 8
pH
第2・9図 pH‑活性曲線
反応条件:M/10クェン酸緩衝液, 37‑C, 30分 逮卦 苛淋
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高 橋 光 雄
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40 50 69
温 度(‑C) 第2‑10図 温度一活性曲線
反応条件: M/10クェン酸緩衝液, pH6.0, 30分 第2・4表 酵素作用に及ぼす塩類の影響 塩 類
NaCI Na2SO4 Na2HPO4 Na‑Citrate KCI MgSO4 CaCl2 Ca‑Acetate MnSO4 Zn‑Acetat EDTA
濃度LM)
m o o o m o o o o o o C O C O C O U r o c o c o c o
ii."Ⅶ.iZI iil iil iil iiZI lil iil lil ln"Ⅶ li!ll‑ 1 1 1 1 1 I.I.1 ・I・ l '‑1
生成還元糖 弟封 績洲 ti (% )
り・一
100 410 100 160 310 410 410 600 530 100 150 100
反応条件: pH6.0,40ウC,30分 *キシロ‑スとして換算 第5節 酵素蛋白に及ぼすSfI試薬の影響
酵素蛋白に及ぼすカーchloromercuribenzoate (PCMB)の結果を第2・11図に示す。なお, 精製酵素のPCMBによる失活は窒素当り同一単位の結晶酵素の失活に要するPCMB量の1/8で完 全に失活した。
第2・6表より明らかな如く,この酵素はPCMB, Hg,ヨード及びモノヨード酢酸により失活 した。 PCMBによる失活はグルタチオン及び硫化水素により完全に,またシステインにより僅か 回復した。 Hgによる失活は硫化水素によりかなり回復したが、システインによっては全く回復 しなかった。また,ヨードによる阻害も濃度と比例し,その範囲のヨードによる失活はシステ インにより殆ど復活した。
第6節 酵素によるキシラン分解率と分解生成物 酵素によるキシラン分解率
第2・12図で明らかな如く,結晶酵素によるキシラン分解限度は約38%で粗酵素に比し小であ った。
細菌キシラナ‑ゼに関する研究
第2・5表 酵素蛋白に及ぼす重金属の影響 重金属
Hg+
〟
Ag+
Cu++
Fe++千 Fe‑
!′
Co++
Ni++
濃 度 (M)
10‑
5xl0‑
in‑4 io‑
iUH
10‑3 10‑
i0‑
10‑2
醐 脚
︒ ⁝
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結晶酵素Iml,試験液0.5ml,M/40トリス緩衝液0.5mlの混液 (pH7.0)を21‑Cで30分間放置した後,残存酵素力を第2.8図の 方法により測定した。
107
第2‑11図 PCMBの濃度と細菌ヰシラナーゼの失活 実験方法:算2・5表と同じ
酵素,基質,酵素力の測定法:第2・8図と同じ 酵素によるキシランの分解生成物
1.結晶酵素によるキシランの分解生成物:種々反応段階の酵素反応液をペーパークロマト グラフィによりしらべた。その結果は第2・13図に示す如く,反応の比較的初期よりキシロト リオ‑ス, L‑アラビノ‑ス及びキシロビオ‑スがあらわれ,反応が進むにつれキシロビオ‑ス, キシロトリオ‑スが著明になり,分解率が最大に達した頃(反応約24時間後)にはD‑キシロース
も僅かに認められた。
2.結晶酵素と粗酵素とによるキシラン分解生成物の比較:酵素液(14u/ml) 2ml, 2%キシラ