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116 論文 ( 大図, 他 ) て, 人形峠センターでは 2000 年より統一した測定手法でウラン量を評価するために 238 U の子孫核種である 234m Pa から放出される 1,001 kev のガンマ線を測定するパッシブガンマ線法による非破壊測定装置を導入し, 廃棄物の種類 (NaF アル

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(1)

論  文

高速中性子直接問いかけ法による実廃棄物ドラム缶のウラン量

非破壊測定システムの実用化研究

大図 章

1,*

,米田 政夫

1

,呉田 昌俊

1

在間 直樹

2

,中塚 嘉明

2

,中島 伸一

2

Development of Non-destructive Assay System using Fast Neutron Direct

Interrogation Method for Actual Uranium Waste Drums

Akira OHZU1,*, Masao KOMEDA1, Masatoshi KURETA1, Naoki ZAIMA2, Yoshiaki NAKATSUKA2 and Shinichi NAKASHIMA2

1Nuclear Science and Engineering Center, Japan Atomic Energy Agency, 2-4 Shirakata,

Tokai-mura, Naka-gun, Ibaraki 319-1195, Japan

2Ningyo-toge Environmental Engineering Center, Japan Atomic Energy Agency, 1550 Kamisaibara,

Kagamino-cho, Tomata-gun, Okayama 708-0698, Japan

(Received August 4, 2015; accepted in revised form December 6, 2015; published online April 26, 2016)   A non-destructive assay system using the fast neutron direct interrogation method has been de-signed and developed to be put into practical use for the determination of the uranium (235U) mass contained in actual uranium-contaminated waste drums. The method is capable of measuring the fis-sile mass in a drum by counting the number of fission neutrons resulting from nuclear fission reac-tions between the fissile materials contained in a drum and thermal neutrons generated by 14 MeV fast neutrons irradiated from outside the drum. A performance test employing simulated metal waste drums demonstrated that a natural uranium mass of as low as approximately 10 g could be detected within an error of ±20% regardless of the distribution of uranium samples in the drum, and the total number of fission neutrons was proportional to the 235U mass. A demonstration test employing actual waste drums could determine the uranium mass by using a newly developed correction method for de-riving the fissile mass in a drum. It has been proved by the experimental validation tests that the as-say system equipped with the correction method is very useful for the accountancy of waste drums.

KEYWORDS: 14 MeV neutron, Monte Carlo calculation, uranium waste, non-destruc-tive assay, MVP, calibration, decommissioning, accountancy, measurement, interroga-tion

I. 緒  言

 国内の原子力施設では,事業で排出された,あるいは施 設の解体・廃止措置等で発生したウランを含む廃棄物が封 入されたドラム缶(200 L)が多数保管されており,その数 量は今後も増加することが見込まれている。原子力事業者 は,その核燃料物質量の在庫・計量管理が法令等で求めら れているため,ドラム缶 1 本ごとに核燃料物質量をパッ シブガンマ線法あるいはパッシブ中性子法で測定してい る1,2)。日本原子力研究開発機構(以下,原子力機構(JAEA)) の人形峠環境技術開発センター(以下,人形峠センター) でも,これまでのウランの製錬,転換,濃縮に関わる事業 での施設の操業または解体・廃止措置等により核燃料物質 (天然,濃縮,および再処理回収ウラン)を含むスクラップ 状の放射性廃棄物が現在多数(約 15,000 本)のドラム缶に 密封され貯蔵庫に保管されている。  人形峠センターでは,それまでこれらのドラム缶に含ま れるウラン量の測定法,評価法等の管理基準に統一性がな かったために,1998 年に国際原子力機関(IAEA)より, その管理法が核物質不明量(MUF:Material Uncounted For)を増大させる要因となるため,その測定法,評価法 を改善して MUF 量を可能な限り低減させることを保障措 置上の解決すべき課題として指摘を受けた。これを受け 1 (国研)日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究センター 2 (国研)日本原子力研究開発機構 人形峠環境技術センター Corresponding author, E-mail: ohzu.akira@jaea.go.jp

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て,人形峠センターでは 2000 年より統一した測定手法で ウラン量を評価するために238U の子孫核種である234mPa から放出される 1,001 keV のガンマ線を測定するパッシ ブガンマ線法による非破壊測定装置を導入し,廃棄物の種 類(NaF・アルミナ等の吸着剤,金属類,コンクリート, 樹脂材,廃液処理時の澱物等)により区分けされた多数の ドラム缶を測定して廃棄物ドラム缶のウラン総量をこれま でに評価してきた3,4)  この測定法の校正試験の結果,ドラム缶内の内容物(マ トリックス)が金属類(スクラップ)の場合,マトリックス とウランの偏在に基づく測定誤差を含む測定値の大きなば らつきが問題となった。パッシブガンマ線法によるドラム 缶の測定では,ドラム缶の中心部ほど測定感度が小さくな るという位置感度差がある。この位置感度差は,マトリッ クスが粉末状,または小さなペレット状の場合などマト リックスとウランが一様かつ均一に分布している場合には 補正法が適用できる。しかし,マトリックスが金属スク ラップの場合には適切な補正法がなく,金属スクラップや それに付着するウランのドラム缶内の偏在(不均一な分布) の効果によってドラム缶内のガンマ線の吸収が一様でなく なるため測定値が大きくばらつく(50~250%)ことが判明 した。例えば,金属系廃棄物以外のドラム缶の嵩密度が 0.4~1.4 g/cm3で,かつ含まれるウラン量が 20 g 以上の 条件であれば±10%以内の誤差で測定できることが確認 された。しかし,金属系廃棄物ドラム缶の場合にはこの誤 差範囲には収まらず,特にウランの含有量が少ない場合の 測定値が大きくばらつく(最大約 250%)ことがわかった。 この金属系廃棄物ドラム缶での誤差の主因は,ドラム缶内 での金属スクラップの偏在とウランの位置感度差である。  マトリックスがペレットや粉末状の吸着剤,コンクリー トの場合は,マトリックスはドラム缶内である程度均一に 分布するのに対して,金属類のスクラップの場合は均一な 分布とはならず,ドラム缶内の径方向,縦方向の偏在の効 果が大きくなる。さらに,金属のスクラップに付着してい るウランも実際には均一ではないので,金属廃棄物の場合 にはその他のマトリックスよりも偏在の効果が大きくなり 測定誤差を大きくする。人形峠センターでは,鉄材などの 金属類を収納した廃棄物ドラム缶に含まれるウランの総量 は少ないが,本数が多く最大誤差(250%)で評価すると誤 差は 490 ㎏となり,金属類以外の廃棄物の誤差の合計の 8 倍以上という結果であった。このため,金属系廃棄物ドラ ム缶のようにマトリックスやウランの偏在が大きな廃棄物 は,ウランの定量評価に大きな誤差を生じるので,それを 補完する計測技術の開発が急務となった。   この問題に対して,従来のパッシブガンマ線法で金属系 廃棄物ドラム缶でのマトリックスやウランの偏在の影響を 解消する補正法の開発もなされる一方5,6),パッシブ中性 子法による測定法も試行されたがパッシブガンマ線法と同 様に偏在の影響を解消する補正法の開発が課題となった。 このため,この偏在の影響を克服する手段の 1 つとして, 原子力機構で独自に開発した高速中性子直接問いかけ法 (FNDI 法:Fast Neutron Direct Interrogation)による非

破壊測定(NDA)技術に注目した。  FNDI 法は,原子力機構で独自に開発されたアクティブ 中性子問いかけ法の一種である7~11)。従来のアクティブ中 性子問いかけ法(以下,従来法)は,熱中性子をドラム缶に 照射するため吸収によりドラム缶中心部ほど熱中性子密度 が小さくなる12~15)。このため,235U からの誘発核分裂高 速中性子を測定するとパッシブ法と同様の位置感度差の問 題が無視できなくなる。この問題があるため,従来法は現 在に至っても廃棄物ドラム缶測定に実用化されていない。 これに対して,FNDI 法は高速(14 MeV)中性子をドラム 缶に直接照射して235U の量を測定する方法である。高速 中性子を直接ドラム缶に照射するため,その高い物質透過 力のために従来法の熱中性子の直接照射よりもドラム缶の 内部まで浸透して,熱化するためにドラム缶の中心の付近 の熱中性子密度が周囲よりも高くなる。この中心部での熱 中性子密度の増加が,中心部の測定感度の低さを補うため にドラム缶の径,縦方向に対してパッシブ法,あるいは従 来法よりもフラットな 1/100 以下の位置感度差(最大±約 20%)を有する。このため,FNDI 法はマトリックスや核 燃料物質の偏在の影響を受け難く,少ない位置感度差によ り誤差を抑えて235U の量を測定できるという特長がある。 これまでに,その特性試験やシミュレーション計算により ドラム缶内にマトリックス(金属,コンクリート,ウェス) やウランの偏在がある場合でも,小さな位置感度差を実現 し,少量(数 g)の235U でもその量を少ない誤差で測定で きることを実証してきた11)  さらに,FNDI 法では,マトリックスが同じ種類で同じ 嵩密度であれば,測定する核分裂中性子数はドラム缶に含 まれる235U の質量に比例するため,補正係数で中性子数 から質量を容易に求めることができる。しかしながら,マ トリックスの種類や嵩密度が異なる場合,その補正係数も 変化する。このため,マトリックスの種類や嵩密度に応じ たいくつもの補正係数が必要になる。実廃棄物のマトリッ クスは多数の種類からなり,また嵩密度も個々に異なるた め,実廃棄物を測定する場合,実廃棄物のマトリックスと 同様の条件(種類,密度)で校正試験を行い,補正係数を取 得しなければならないという短所があった。これが, FNDI 法でマトリックスの種類,内部のウランの分布状態 が不明である実廃棄物ドラム缶を測定する場合の解決すべ き課題となっていた。  FNDI 法の実廃棄物ドラム缶への実用化に際して,この 課題を解決することが必要不可欠である。このため,マト リックスと測定される核分裂中性子数,中性子の消滅時間 (Die-away time)の関係に着目し,その消滅時間からマト リックス,嵩密度が異なる廃棄物ドラム缶ごとにその補正 係数を変える簡易的な導出法を新たに開発した16,17)。さら

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に,実用化に際しては測定装置の低コスト化も必要となる ため,実廃棄物ドラム缶のウラン計量を目的として,人形 峠センター内にアクティブ中性子法では初となる遮蔽体に コンクリートを用いた FNDI 法による廃棄物ドラム缶用 非破壊測定装置(JAWAS-N:JAEA Active Waste Assay System-Ningyo)を低コストで構築した。その装置の基本 特性試験として,ウラン線源および 200 L の模擬ドラム 缶(マトリックス:鉄材,NaF,アルミナ)の試験体,お よび実廃棄物ドラム缶を用いたウラン量測定試験に着手し た18,19)  FNDI 法の実用化研究の一環として,新たに開発したウ ラン量の導出法を低コストで新規に設計,構築した測定装 置に適用する基本特性試験を実施し,シミュレーション設 計で予測した基本性能を検証した。また,その導出法を実 廃棄物ドラム缶内のウラン質量測定に適用した結果,中性 子アクティブ法で初めてウラン質量を少ない誤差で特定す ることに成功し,いまだ実用化されていない中性子アク ティブ法の実用化に見通しを得ることができた。本報で は,FNDI 法のウラン質量の導出法を含む測定原理を紹介 するとともに,実用化を目的に開発した FNDI 法専用の 非破壊測定装置の基本特性試験結果,およびその装置での 実廃棄物測定試験結果を装置設計時に実施した MVP また は MCNP によるシミュレーション結果と合わせて報告す る。

II. FNDI 法の測定原理

1. 中性子の照射法

 Figure 1 に FNDI 法 の 測 定 原 理 の 概 略 図 を 示 す。 FNDI 法は,測定試料(廃棄物ドラム缶)に高速中性子を照 射してドラム缶内の核分裂性物質(235U)に核分裂反応(n, f)を誘起させ,それにより発生した核分裂中性子を計数し て核分裂性物質量を求めるアクティブ中性子問いかけ法の 一種である。Fig. 1 に示すように①高速中性子照射⇒②核 分裂性核物質との核反応⇒③核分裂中性子の検出という測 定上のプロセスを取る。従来法との違いは,中性子の照射 法である。従来法は照射した高速中性子を主に遮蔽体の内 壁で熱中性子化させてドラム缶に熱中性子を浸透させるの に対して,FNDI 法はドラム缶に高速中性子を直接照射し てドラム缶内のマトリックス自身で熱中性子化させる方法 をとる。ただし,マトリックスが金属類の場合には,金属 による高速中性子の減速効果が小さいので中性子の熱化を 促進させるための減速材(モデレータ:ポリエチレン等)を ドラム缶の周囲に配置させる9)  この中性子照射の相違の結果,従来法では,熱中性子を 照射するために熱中性子がドラム缶のマトリックスで減速 吸収されるために中心ほど照射する熱中性子数密度が減少 する。また,核分裂反応で発生した高速中性子も同様に内 容物の減速吸収の効果を受けるためにドラム缶の中心ほど を核分裂中性子の検出効率が低下する。よって,核分裂性 物質量が同じであっても検出する核分裂中性子数はドラム 缶内の核分裂性核物質の位置に大きく依存するため,位置 感度差による誤差が大きくなり核分裂性核物質量を正確に 測定することが困難となる。マトリックスがコンクリート などの場合には,この効果が顕著になりドラム缶の中心と 外側の位置感度差は約 50 倍以上にもなる。これに対し て,FNDI 法では,物質の透過力に優れた高速中性子をマ トリックスに直接照射して熱中性子化するため,ドラム缶 の中心付近の熱中性子数密度が周囲より高くなる。した がって,中心ほど熱中性子数が高くなることがドラム缶中 心の検出効率の低下を緩和させる結果,従来法の 1/100 以下の誤差で核分裂性核物質をより正確に測定することが 可能となる11)

2. 核分裂中性子の時間スペクトル

 FNDI 法および従来法とも,照射中性子と核分裂中性子 との弁別は,中性子の消滅時間差を利用した DDT(Dif-ferential Die-away Technique)法 を 用 い る。Fig. 2 に

Fig. 1  Schematic of the fast neutron direct interrogation method

Fig. 2  Schematic of the fast neutron counting time spec-trum in the method

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FNDI 法で計数される高速中性子の時間スペクトルの概略 を示す。まず,中性子発生管から高速中性子が短い時間内 (<10μs)にパルス状に遮蔽体内のドラム缶に向けて照射 される(Fig. 2(a))。ドラム缶内に照射された高速中性子 は,マトリックスとの間で減速を繰り返して熱化して熱中 性子となり照射した高速中性子よりも長い時間ドラム缶内 に滞留し,ドラム缶内の核分裂性物質との核反応により Fig. 2(b)のように核分裂高速中性子を発生させる。した がって,この核分裂中性子数は,ドラム缶内の熱中性子数 に比例し,熱中性子と同様の消滅時間(寿命)で指数関数的 に減衰する。  Figure 2(b)の三角形で囲まれた面積の部分が測定され る核分裂中性子の総数を表し,ドラム缶のマトリックスの 種類と嵩密度が同一の場合,その数はドラム缶内の核分裂 性物質量に比例する。核分裂性物質量が変化すると Fig. 2 (b)に示す点線のように,消滅時間の傾きは変わらず,ド ラム缶内の核分裂物質の質量の増減に応じて,測定される 核分裂中性子の総数が変化する。FNDI 法では,ドラム缶 内で発生するこの核分裂中性子数から核分裂性物質量を導 出する。Fig. 2 に示す高速の照射中性子と核分裂中性子 は,実際には合算されて計数されるため,データ処理によ り Fig. 2(b)下部の部分を抽出して核分裂中性子数が求め られる。照射する高速中性子と核分裂中性子は,それぞれ の消滅時間τ0とτ1で指数関数的に減衰し,A0 exp(-t/τ0) と A1 exp(-t/τ1)で近似できる。測定される核分裂中性子 の総数,A1 exp(-t/τ1)の積分値は,ほぼ A1τ1となる。

3. 補正係数のマトリックス依存性

 FNDI 法での核分裂性物質量は,中性子照射により発生 した Fig. 2(b)の三角形の面積部分に相当する核分裂中性 子を測定し,その総数 N から補正係数 C を介して導出さ れる。しかし,その補正係数は一義的に決定することがで きずマトリックスの状態で多様に変化する。  FNDI 法では,ドラム缶内の核分裂性物質の位置感度差 を低く抑えられるため,測定される核分裂中性子数はドラ ム缶内の核分裂性物質の分布にあまり影響されず核分裂性 物質量に単純に比例して増加する。しかしながら,ドラム 缶内に含まれる核分裂性物質量とマトリックスの種類が同 じでもその嵩密度が変わると Fig. 2(b)の核分裂中性子の 消滅時間やその三角形部分の高さが変化して測定,検出さ れる核分裂中性子の総数 N が変化する。  実際にマトリックスの種類,嵩密度を変えた校正試験で 測定される核分裂中性子総数 N と核分裂性物質量 m の比 例関係は,Fig. 3 に示すようにマトリックスの種類によっ て異なり,種類が同じでもその嵩密度によって変化するた め,マトリックスの種類,嵩密度が異なる分の補正係数が 必要となる。ドラム缶内のマトリックスの種類,嵩密度が 既知であれば,Fig. 3 に示す核分裂中性子総数 N と核分 裂性物質量 m の比例関係から導き出される補正係数 C(g/ count)を用いて,m=NC によって核分裂性物質量 m が 求められる。しかしながら,実廃棄物の場合には,横の破 線で示すように実際に測定した核分裂中性子総数が n で あった場合に,マトリックスの種類,嵩密度が不明のため にどの補正係数かを定めることができない。補正係数を求 めるには,実廃棄物のマトリックスと同じ状態での校正試 験が実廃棄物ごとに必要になり,膨大な数の校正試験とそ のための時間,労力が必要となる。これが,FNDI 法の実 用化に際しての大きな課題であった。  このマトリックスの状態(種類,嵩密度)により補正係数 が変わる原因は,ドラム缶内に現れる熱中性子の発生特性 がマトリックスによって変化するためである。Fig. 2(b) に示す核分裂中性子の総数 N は,ドラム缶内に現れる熱 中性子によって誘発され,その熱中性子の総数に比例して 発生する。この熱中性子の発生は,マトリックスの種類ま たは嵩密度が異なるとマトリックスの中性子減速,吸収能 が変わるため,その総数や消滅時間も変化する。FNDI 法 での熱中性子の発生特性は,照射する高速中性子が一定の 場合,マトリックスの中性子の減速吸収性能で決まる。そ れを表す 1 つの指標として消滅時間τ1があり,マトリッ クスの種類,嵩密度によって消滅時間τ1は変化する。  ドラム缶内の核分裂性物質量が一定の場合,マトリック スが異なり中性子の減速吸収性能が変化するとそれに応じ て熱中性子の総数,寿命も変化するために測定される核分 裂中性子数 N および消滅時間τ1も変化する。マトリック スが金属類の場合には,他のコンクリート,ウエス等に比 べて熱中性子吸収の効果が大きく消滅時間τ1が短くなる。 さらに,マトリックスが同じ金属類でもその質量が増えて ドラム缶の嵩密度が増加した場合もそれによって吸収が増 えるのでその分消滅時間τ1も短くなり,測定される核分 裂中性子の総数 N も減少する。

4. FNDI 法による核分裂性物質量の導出法

 FNDI 法で測定される核分裂中性子の総数 N は,ドラ ム缶内の熱中性子数に依存するためマトリックスの種類, 嵩密度等に依存して変化する。マトリックスの熱中性子の

Fig. 3  Schematic of the relationship between fissile mass and total number of fission neutron depending on the matrix in the drum

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の模式図を示す。従来法の装置では,遮蔽体にグラファイ ト,高密度ポリエチレン(HPDE),カドミウムシート等の 高価な中性子減速,遮蔽材料が大量に使用されるが,本装 置では低コストで構築できるよう厚さ 40~50 cm コンク リートブロックのみを遮蔽体に用いた。その外寸は,縦 200 cm,横 200 cm,高さ約 220 cm であり,側面および 上面のコンクリートブロックはそれぞれ厚さ 50 cm, 40 cm とした。天井部には,遮蔽のため厚さ 10 cm のポ リエチレン板が設置されている。その内側のドラム缶を設 置する空間は,縦 100 cm,横 100 cm,高さ約 175 cm と し,その内面には内部の熱中性子を吸収するために厚さ 減速,吸収能を表す指標として核分裂中性子の消滅時間 τ1があり,消滅時間τ1が同じであればマトリックスは同 じ状態のものと考えられる。マトリックスが同じものであ れば,ドラム缶内の熱中性子数と消滅時間は変わらず,核 分裂性物質量に比例して核分裂中性子の総数 N は増加す る。  この性質を利用して,マトリックスの種類,嵩密度が異 なる結果として生ずる消滅時間τ1の違いに応じて核分裂 性物質量を求める補正係数を変化させる導出法を開発し た。これまでのシミュレーションおよび試験結果から得ら れる様々な消滅時間と核分裂性物質の単位質量(1 g)当た りに発生する核分裂中性子の総数の関係に着目し,Fig. 3 に示す縦の一点破線の核分裂性物質単位質量(1 g)での 様々な消滅時間と核分裂中性子の総数をプロットした結 果,Fig. 4 のようなほぼ直線の関係となることを見い出 した16,17)。これは,核分裂中性子の総数 N が,A1 exp(-t/ τ1)の積分値の A1τ1となり,ほぼτ1に比例するためであ る。A1が定数に近い場合には時間 t の一次式となるが, 実際には A1はマトリックスの種類,嵩密度によって変化 し,A1のもとになる A0 exp(-t/τ0)の積分値 A0τ0に関係 するため時間 t のべき乗になる。これにより,マトリック スが不明の場合でも核分裂中性子の消滅時間τ1から核分 裂性物質単位質量(1 g)当たりに発生する核分裂中性子の 総数の補正係数 Nu(τ1)(count/gU)が求められ,この補正 係数 Nu で実際に測定される核分裂中性子の総数 N を割 れば,m=N/Nu(τ1)よりその廃棄物ドラム缶に含まれる 核分裂性物質量 m を特定することができる。また,核分 裂性物質が235U であり,その濃縮度 E(%)がわかれば 235U を含むウランの総量 mU も mU=100 m/E より特定 できる。

III. 試 験 装 置

1. 装置の構成および仕様

 Figure 5 に人形峠センター製錬転換施設内に設計,構 築した FNDI 法を実現できる実廃棄物ドラム缶用非破壊 測定装置(JAWAS-N)を示す。また,Fig. 6 に装置内部

Fig. 4  Schematic of the relationship between die-away time and total number of fission neutron per 1 gU

Fig. 5  Photograph of the non-destructive assay system (JAWAS-N) for actual waste drums, newly

con-structed at Ningyo-toge environmental engineering center in JAEA

Fig. 6  Schematic of the structure of JAWAS-N, (a) hori-zontal cross section, (b) vertical cross section

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3 mm の B4C ラバーシートを貼り付ける構造とした。ま た,その空間には,ドラム缶回転台,中性子発生管(MF Physics 社製 A-210),および長さ 100 cm,直径 2.54 cm の He-3 ガス中性子検出器(EURISYS MESURES 社製, 150NH100)が 14 本組み込まれた長方体の中性子ディテ クターバンク(寸法:162.2×51.5×7.7 cm)が収められて いる。  このディテクターバンクは,核分裂高速中性子を熱中性 子と弁別して測定できるようステンレス製長方体のケース の外側に厚さ 0.3 cm のカドミウムシートが設置され,か つその中に配置されたポリエチレンの中に He-3 ガス検出 器が等間隔に 14 本配置されている。また,図には示して いないが内部に中性子モニター用としてディテクターバン ク内のものと同じ He-3 ガス型中性子検出器が中性子発生 管の横の角に設置されている。  ドラム缶は,Fig. 6 のように対向する中性子発生管と ディテクターバンクの中間に設置され,中性子発生管の中 性子発生位置は,ドラム缶およびディテクターバンクの高 さの中心位置と同等の高さに設置した。装置は,これらの ほか,中性子発生管の制御およびディテクターバンクの計 測システムからなる。また,ドラム缶を設置する回転台 は,従来法やパッシブガンマ線測定法でも採用されている ようにドラム缶内の径方向のマトリックスおよびウランの 密度分布を平均化するため縦軸を中心に円周方向に回転 (2.5 rpm)する機構をもつ。  中性子発生管(外寸:直径 10 cm,長さ約 43 cm)は, 100 Hz で 動 作 し, 時 間 幅 約 10μs の D-T 反 応 に よ る 14 MeV のパルス中性子を 1 パルス当たり約 106個発生さ せる。試験では,このパルス中性子を 10 分間照射してド ラム缶内部より発生する核分裂中性子と装置内部に照射し た高速中性子をディテクターバンクで MCS(Multi-Chan-nel Scaler,収集時間(Dwell-time):9μs)を用いて測定 した。ディテクターバンクの各 He-3 ガス中性子検出器に は,短い時間で発生する大量の高速中性子を損失なく計数 するために開発した高速(約 4 MHz)の増幅器が装備され ている。また,Fig. 5 に示すようにドラム缶の測定装置内 への出し入れを容易にする装置としてドラム缶の設置回転 台へドラム缶を搬入搬出するローラー式の機構が装備され ている。そのドラム缶の搬入搬出は,遮蔽体のコンクリー トブロック(約 200×200×厚さ 50 cm)を扉として,遠隔 操作により開閉する機構を取り入れた。さらに,ドラム缶 の周囲には,照射する高速中性子のドラム缶内での熱化を 促進させるため厚さ 2 cm のポリエチレン製のモデレータ が取り付けられた9)  人形峠センターに構築する装置の設計指針として,性能 面ではドラム缶に含まれる最小のウラン(天然)量を 10 g 程度まで測定可能とすること,および遮蔽体をコンクリー トブロックで構築するなどして可能な限り低コストで製作 することとした。この指針に基づいて,本試験装置の設 計,特性解析用に用いた MVP シミュレーションコード で,コンクリートおよびそれ以外の様々な遮蔽体材料での 中性子検出能を評価した。その結果,遮蔽体の内側に遮蔽 体(コンクリートブロック)からの散乱する中性子および熱 中性子をカットする厚さ 3 mm の B4C ラバーシートを張 り付ければ,遮蔽体の厚さを 50 cm のコンクリートで構 築しても効率よく核分裂中性子が測定できること,また中 性子発生源からの高速中性子および核分裂中性子の遮蔽能 力,残留放射能も問題ないことがわかった。また,従来法 では検出感度を稼ぐために中性子発生管を 2 本,He-3 ガ ス型検出器を 30 本程度使用するが,それらを半数にして も,10 g 程度の天然ウランを検出できることがシミュレー ションで確認された。さらに,遮蔽体の製作に当たって は,アクティブ中性子法の装置に初めて遮蔽体材料にコン クリートのみを使用したことにより,従来装置でグラファ イト,高密度ポリエチレンを使用して製作される場合の 10 分の 1 程度の価格で製作することができ,低コスト化 を図ることができた。

2. 線量評価

 ウラン線源を用いる基本特性試験の前に JAWAS-N 装 置の運転時の実効線量,照射物の放射化の調査および評価 を行った。その結果,中性子発生管を週 20 時間運転させ た場合,一週間当たりの装置周りの施設内の実効線量は最 大 88μSv 程度であった。また,装置を設置している部屋 の境界では,中性子線は 0.12~0.88μSv/h,二次ガンマ 線は 0.02~0.07μSv/h となりともに実効線量基準以下と なった。さらに,遮蔽体通過後の中性子がすべて熱中性子 になると仮定して室内空気の放射化を計算で評価したとこ ろ, 最 大 で も Ar-41 の 空 気 中 濃 度 限 度 0.1 Bqcm-3 1/1,000 以下となった。  機器の放射化については,模擬金属マトリックスが入っ たドラム缶試験では 30 分の中性子照射直後では 3.9μSv/ h 以下となることを確認した。また,コンクリートの放射 化については,5 年間の照射運転,および減衰で評価する と放射性核種濃度の割合合計(ΣD/C)は 1/100 以下となっ た。JAWAS-N 装置の運転において特に放射線管理上問 題となるような値は,実測および計算でもないことが確認 された。

IV. 試験結果と考察

1. 基本特性試験

 実廃棄物ドラム缶測定用に設計,構築した測定装置 JAWAS-N の基本性能を確認するため,実廃棄物ドラム 缶を測定する前に Fig. 7 に示す金属((a), (b)とも鉄材の スクラップ(嵩密度約 0.5 gcm-3)のマトリックスの模擬廃 棄物ドラム缶(200 L)と,Fig. 8 に示すウラン線源(天然 ウラン:U3O8,3~198 g)を用いて,測定される核分裂中 性子数のドラム缶内のウランの設置位置の依存性,ウラン

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質量依存性等の基本特性を調べ,シミュレーション結果と 比較しその特性を検証した。また,その試験結果から JAWAS-N での Fig. 4 に相当する補正係数 Nu(τ1)を求め た。 (1 )核燃料(ウラン線源)位置依存性  鉄材でのマトリックスのドラム缶内のウランの偏在が測 定値に与える影響を調べるために,Fig. 7 に示すドラム缶 (嵩密度 0.5 gcm-3)にウラン線源を偏在させてドラム缶内 の位置感度差を測定した。これまでの試験研究成果では, マトリックスが鉄材(嵩密度約 1.1 gcm-3),コンクリート (嵩密度 2.4 gcm-3),およびウエス(嵩密度 0.43 gcm-3)で の位置感度差は,それぞれ±20%,±10%,±5%程度で あり,鉄材が最も高くなることが確認されている11)。これ ま で と 異 な る 遮 蔽 材 を 用 い て 新 規 に 設 計, 構 築 し た JAWAS-N でも同様の性能が得られるかを評価,検証す るため,ウラン線源を模擬廃棄物ドラム缶内の径,縦方向 に偏在させて核分裂中性子数を測定した。ウラン線源は, Fig. 8 の右に示すプラスチックの円筒容器(外径約 1.1 cm,長さ 3.6 cm)に封入されたウラン(3 g)をさらに銅管 の容器(Fig. 8 左側:(外径約 1.5 cm,長さ 4.5 cm))に収 納し,ビニール製のキャップ(Fig. 8 中心)で蓋をしたもの を多数使用した。  ウラン線源を径方向に偏在させる場合には,Fig. 9(a) に示すように Fig. 8 のウラン線源 11 個(33 g)を等間隔に ステンレス製の細いロッドに括り付けて直線状に配置した もの(長さ約 60.5 cm)を Fig. 7(a)に示すドラム缶内に径 方向に配置された金属パイプ(アルミニウム製:外径 3.4 cm,内径 3 cm,長さ 80 cm)内に入れ替えて設置し,そ の棒状の線源の長さの中心がドラム缶内の高さ中心(ドラ ム缶高さの半分)になるように調整した。  Figure 10 には,その棒状のウラン線源をドラム缶の 中心から径方向に移動させたときに測定された核分裂中性 子数(Fig. 2(b)の面積部分に相当)の測定結果を示す。試 験結果では,中心部と外側がその間よりも高い値を示した が,径方向に対してほぼフラットな中性子数が得られ,平 均値からの変動幅は約±10%程度であった。  次にウラン線源位置をドラム缶の高さ方向に移動して測 定した核分裂中性子数の結果を Fig. 11 に示す。このとき ウラン線源 9 個(27 g)は,Fig. 9(b)に示すようにドラム 缶中心と中心から 13.5 cm 離れた径方向に均等に配置さ れた Fig. 7(b)に示す計 9 本の金属パイプ内に同じ高さで

Fig. 7  Simulated metal (Iron) waste drum samples, in which aluminum pipes are arranged for (a) radial and (b) vertical distribution of uranium samples

Fig. 8  A fissile (uranium) material sample (3 gU) in a plastic case (right), a metal (copper) cover case for the plastic case (left), and a vinyl cap for the metal case (center)

Fig. 9  Schematic of the arrangement of uranium samples in a drum, (a) radial direction, (b) vertical direction

(8)

設置され,その金属パイプ内の線源の高さを変えて測定し た。  その結果,ドラム缶径方向の場合と同様に高さ方向に対 してもほぼフラットな特性を示したが,変動幅は径方向の 場合の倍程度の約±20%程度であった。この径方向と高 さ方向の変動の差は,使用したドラム缶の内容物である模 擬廃棄物ドラム缶内での不均一な嵩密度の分布に依存した 結果であると考えられる。  核分裂中性子の発生はドラム缶内に発生する熱中性子の 数に比例し,熱中性子は金属(鉄材)に吸収されるためその 嵩密度が変動するとウラン線源周囲の熱中性子数も変動 し,結果として発生する核分裂中性子数も変動する。嵩密 度の変動の幅がこれら径方向,縦方向の核分裂中性子数の 変動となって現れる。本試験の結果,試験で用いた模擬廃 棄物ドラム缶内の鉄材の嵩密度の不均一さは,径方向より も縦方向のほうが大きいことがこの結果より推察できた。 使用した模擬廃棄物ドラム缶は,金属(鉄)の廃材をランダ ムに詰め込んだものであるが,それでも変動幅を最大 ±20%以内に抑えることができた。鉄材が圧縮されより 均一な状態であれば,これらの変動はさらに小さくなると 予想される。  また,この試験結果により,鉄材のマトリックスでこれ までの研究成果での嵩密度が 1.1 gcm-3より 0.5 gcm-3 軽くなったが,これまでの研究成果で得られた径方向,縦 方向の測定値の変動幅(±20%以内)と同様の変動幅が JAWAS-N でも達成できることが確認できた。鉄材のマ トリックスの嵩密度が倍以上変化しても同様の変動幅が得 られた。これより,JAWAS-N でコンクリートやウエス 等の他のマトリックスを用いた場合の変動幅も,その嵩密 度が半減してもこれまでの研究成果と同様の鉄材よりも小 さい変動幅(±10%,±5%以内)が達成できると考えられ る。さらに,JAWAS-N での模擬金属マトリックスを用 いたウラン線源の位置感度差は最大で±20%程度あった。 この変動幅が,測定の不確かさになり,ドラム缶内のウラ ンの分布が不明の金属系実廃棄物ドラム缶を JAWAS-N で測定する場合に,測定されるウラン量の位置感度差に起 因する不可避の誤差となる。このため,JAWAS-N で鉄 材,コンクリートおよびウエスのマトリックスの実廃棄物 ドラム缶内のウラン量を測定した場合の誤差は,それぞれ ±20%,±10%,±5%になる。 (2 )核燃料(ウラン)質量依存性  Figure 7(b)に示す鉄材の模擬廃棄物ドラム缶内の中心 軸と径方向の金属パイプ内にウラン線源(天然ウラン, U3O8)を多数設置し,その質量を変えて測定される中性子 時間スペクトルの変化を確認した。その結果を Fig. 12 に 示す。図中の信号の前半に現れる大きなパルス部分は, Fig. 2(a)に相当する中性子源より照射した高速中性子を 示し,後半の減衰時間の長い部分は,Fig. 2(b)の照射し た高速中性子が誘発したウランからの核分裂性中性子の発

Fig. 10  Dependence of the total fission neutron counting on the radial position of the natural uranium sample (33 g)

Fig. 11  Dependence of the total fission neutron counting on the vertical position of the natural uranium sample (27 g)

Fig. 12  Neutron counting time spectrums obtained with the different uranium (natural) mass when the same matrix (Iron) was used

(9)

生を示す。図に示すように各時間スペクトルの Fig. 2(b) に相当する部分の面積は,ドラム缶内に設置したウラン線 源の質量に応じて増加すること,および同じマトリックス の模擬金属廃棄物ドラム缶を使用したため,核分裂中性子 の消滅時間τ1はほぼ同じになることを確認した。  また,このとき得られた試験結果の 1 つを MCNP によ るシミュレーションの計算結果と比較した。その結果を Fig. 13 に示す。時間スペクトルの初期(照射中性子)に差 がみられるものの,その後はシミュレーション結果とほぼ 一致した。これより,シミュレーションで得られた装置特 性が実際に構築した装置でも同様の特性を示すことが確認 された。前半のシミュレーションの値と試験値の差異は, 短い時間内に多数発生した照射中性子の数に対して試験で 用いた中性子計測システム(MCS)の計数性能が不足して いたために試験値が低い値を示したことによるものであ る。これにより,試験結果をシミュレーションでほぼ再現 できることが確認できたため,試験では実施できない多量 のウラン質量で MCNP によるシミュレーション計算を 行った。その結果を Fig. 14 に示す。図に示すようにドラ ム缶内のマトリックスが一定の嵩密度(約 0.5 gcm-3)の場 合には,Fig. 2(b)に示す照射した高速中性子が誘発する ウランからの核分裂中性子の消滅時間τ1はウラン量に関 係なく同じになること,および核分裂中性子数に相当する Fig. 2(b)の三角形の面積がウラン量に応じて増加するこ とが明確にシミュレーションで確認された。  さらに,試験とシミュレーションから得られたドラム缶 内のウラン量と発生する核分裂中性子の総数の関係を Fig. 15 に示す。図に示すように試験とシミュレーション 結果を合わせると 3 g から 10,000 g までの質量に対して 同じ割合で核分裂中性子数が直線状に比例して増加し,両 方の結果が重なる 27 g から 198 g の質量の範囲では核分 裂中性子数がよく一致することが検証された。これによ り,構築した装置で天然ウラン量 10,000 g までは核分裂 中性子数はウラン量に比例して増加すると推測できた。  また,上記 IV-1-( 1 )項で示した鉄材のマトリックスに おいて±20%の誤差で測定できる天然ウラン量の適用範 囲を調べた結果,試験での最少の 3 g の場合には検出でき る核分裂中性子数が少なくなり測定値が検出限界近くにな るために±20%の誤差が期待できないことがわかった。 こ れ に よ り, 現 状 の 本 装 置 で 鉄 材 の マ ト リ ッ ク ス で ±20%以内の誤差が適用できるのは天然ウラン約 10 g (9 g)以上であることが確認できた。天然ウラン量 10 g 以 下のばらつきを±20%以内と同程度にするには,中性子 検出器であるディテクターバンクの台数を増やすか,また は照射する高速中性子のフラックスを増やす必要がある。 (3 )補正係数の導出  基本特性試験では,模擬廃棄物ドラム缶の鉄スクラップ (鉄の配管,鉄筋,L 型,H 型鋼等)の嵩密度(0.25~1.2 gcm-3)とウラン線源の量(最大 198 g)を変えて試験を行う

Fig. 13  Comparison between the simulation and experi-mental results of the neutron counting time spec-trum

Fig. 14  Neutron counting time spectrums obtained with the different uranium mass and the same matrix (Iron) in the simulation

Fig. 15  Dependence of the neutron counting on the urani-um mass when the metal (Iron) matrix was used

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ン結果を考慮すると,NaF とアルミナを 200 L ドラム缶 にフルに充填したときの嵩密度,それぞれ約 1.0 gcm-3 0.8 gcm-3から半分程度の嵩密度に変化しても Fig. 16 に 示す直線上で補正係数は変化すると予想される。同様に, 本試験では測定していないコンクリートおよびウエスのマ トリックスを用いた場合でもそれらの補正係数は同じ直線 上に並ぶものと考えられる。したがって,Fig. 16 に示す 補正係数は,これまでの試験やシミュレーション結果より 判断すると嵩密度が上記の範囲で変化しても鉄材,NaF, アルミナ,コンクリート,およびウエス等の多様なマト リックスに適用可能であり,上記に示したマトリックスの 種類による位置感度差に基づく誤差でウラン量を測定でき る。また,これらマトリックスと同様の主成分をもつ素材 のマトリックスにも十分適用可能である。これまでの試験 結果によれば,コンクリートでは±10%,ウエスでは ±5%程度の誤差となる。さらに,鉄以外のそれらマト リックスでは誤差が小さくなるために鉄の±20%程度の 誤差であれば天然ウラン 10 g 以下でも測定が可能となる。 (4 )ウランの化学形態および濃縮度依存性  基本特性試験では,核燃料物質であるウランの化学形 態,濃縮度に対する測定への影響をも検証した。FNDI 法 では,ウランを測定対象とする場合には照射する中性子は 235U にしか反応しないため,238U の吸収は無視できるほ ど小さく,またウランの化学形態および濃縮度に関係な く,測定される核分裂中性子数はドラム缶内に含まれる 235U の質量によって決まる。Fig. 17 には,同じマトリッ クス(鉄)のドラム缶を用いて,ウランの化学形態および質 量の異なる UF4,U3O8,および UF6の各ウラン線源を用 いたときの235U の単位質量 1 g で測定される核分裂中性 子の平均の総数を調べた結果を示す。試験では,同じ化学 形態でも異なる質量の線源を用いたために最高で平均値よ り±13%程度の変動幅が観測された。また,図のように と同時に,金属以外のマトリックスである NaF(ペレット) とアルミナ(ペレット)を用いた試験をも実施した。これら の試験で得られた消滅時間τ1から補正係数としての Fig. 4 に相当する JAWAS-N 装置での補正係数 Nu のグ ラフを求めた。Fig. 16 に消滅時間τ1とウラン 1 g 当たり の核分裂中性子数を示す。マトリックスが鉄の場合には, 嵩密度の増加とともに消滅時間τ1が短くなり,それに伴っ て核分裂中性子数も図のように減少した。解析の結果,予 想したように装置 JAWAS-N でのウラン 1 g 当たりの核 分裂中性子数の補正係数 Nu(τ1)は,消滅時間のべき乗(約 2.5 乗)に比例することが確認できた。これを用いて, JAWAS-N でウラン系実廃棄物ドラム缶内のウランの質 量の特定を行った。  この補正係数 Nu の不確かさ,誤差は,消滅時間τ1を 求めた核分裂中性子数の測定値の誤差によって決まる。し たがって,マトリックスが鉄材の場合には誤差が±20% 程度あるので補正係数の誤差も同程度となる。この誤差 は,位置感度差に基づく誤差であり,測定誤差であれば測 定回数または測定時間(現在の測定時間 10 分)を増やせば 小さくすることが可能であるが,位置感度差による避けら れない誤差であるためにマトリックスが鉄材の場合には ±20%程度となる。  上記の補正係数は,マトリックスに鉄,NaF およびア ルミナを用いて鉄の場合のみ嵩密度を変えて測定した試験 結果から求めたものであり,NaF およびアルミナの嵩密 度が変化した場合については測定していない。鉄の場合, 嵩密度が 0.5 から 0.25 gcm-3に減少しても鉄による熱中 性子の吸収が減少するため位置感度差が小さくなり嵩密度 0.5 gcm-3と同等(±20%),またはそれ以下の誤差とな る。また,鉄,コンクリートおよびウエスのマトリックス の嵩密度をそれぞれ 0.2~2 gcm-3,0.25~0.75 gcm-3 お よ び 0.2~0.4 gcm-3と 変 え た と き の MVP に よ る シ ミュレーション結果では,それら補正係数は Fig. 16 に示 すグラフ同様に直線上に並んだ16,17)。そのシミュレーショ

Fig. 16  Relationship between die-away time and total num-ber of fission neutron per 1gU in the experiment

Fig. 17  Dependence of total fission neutron counts on the chemical form of uranium, uranium oxides, urani-um tetrafluoride, and uraniurani-um hexafluoride

(11)

化学形態の種類間では±10%程度の変動幅が観測された。 これらの原因は,用いたウラン線源試料の質量の誤差によ るものと考えられる。このように測定による核分裂中性子 の総数にばらつきはあるものの,エラーバーを考慮すると 化学形態に拠らず235U の単位質量に対してほぼ同じ総数 が測定できることが確認できた。  さらに,ウラン単位質量当たりの核分裂中性子の総数と 235U の濃縮度の関係を調べたものを Fig. 18 に示す。235U の濃縮度に対してほぼ比例してウラン単位質量 1 g 当たり の核分裂中性子数が増加し,測定している核分裂中性子は 235U の量に起因するものであることが確認できた。これ らのデータの一次関数で線形近似した図の点線からのずれ は±約 10%以内であった。このずれの原因も,化学形態 での試験データのときと同様に使用したウラン線源試料の 質量の誤差によるものと考えられる。

2. 実廃棄物測定試験

 現在,人形峠センターでは前項 IV-1-( 3 )項で求めた補 正係数グラフ Fig. 16 をもとに,保管しているウラン系実 廃棄物ドラム缶のウラン質量の定量化試験を実施してい る。2015 年 5 月時点で約 550 本超の測定を完了してい る。また,この FNDI 法によるウラン質量測定試験と同 時にウラン濃縮度が不明の対象物には確認のため Ge 半導 体検出器により238U 由来の 1001 keV と235U の 186 keV のガンマ線による濃縮度の測定も実施しており,濃縮度と FNDI 法の 2 つの測定結果よりウランの全質量を特定して いる。  測定試験に用いた実廃棄物ドラム缶は,ウラン製錬転換 プラントなどの天然ウランを扱う所で発生した解体廃棄物 が封入されたもので,ウランの濃縮度は天然のままであ る。現在は,この天然の濃縮度のウラン廃棄物の測定を実 施しているが,今後測定する予定の遠心分離機の濃縮プラ ントの解体廃棄物では,濃縮度が異なるウランが付着した 廃棄物が 1 つのドラム缶に混入する可能性がある。しか し,この場合,濃縮度が異なるウランが見掛け上混合され た状態でパッシブガンマ線により測定されるため,混合さ れた状態での濃縮度が測定される。  また,パッシブガンマ線法により濃縮度を特定している ため,上述したように濃縮度の測定もマトリックスやウラ ンの偏在の効果を受け,マトリックスが CaF(スラッジ2 状)で均一にドラム缶内に分布している場合でも最大で 20%の誤差を生じることが報告されている2)。この原因 は,1001 keV と 186 keV のエネルギーが大きく異なるこ とによる物質の透過率の差によるものである。このため, 同じ濃縮度の場合でも,ドラム缶内のマトリックスやウラ ンの分布の様子が異なると測定値がばらつく原因となり, マトリックスが金属系の場合には濃縮度の測定値の不確か さは CaF2の場合よりも大きくなると考えられる。人形峠 では濃縮プラントで生成した濃縮ウラン以上の濃縮度(3 ~5%)のウラン,および劣化ウラン(0.2~0.3%)の濃縮度 以下のウランは存在しないが,238U と235U を含むウラン 総量をより正確に非破壊で測定するには,現在のパッシブ ガンマ線法での濃縮度測定を補完する測定技術,または新 たな補正法等の開発が必要である。  Figure 19 には,測定結果の 1 つであるマトリックス がアルミナの場合の時間スペクトルを基本特性試験の模擬 廃棄物で取得した消滅時間τ1がほぼ同一の時間スペクト ルと合わせて示す。模擬廃棄物の校正試験で求めた Fig. 16 の補正係数から,この実廃棄物ドラム缶に含まれる天 然ウラン質量 mU は約 27 kg であることが推定された。 実廃棄物の測定で時間 4,000μs 以降のバックグランドが 高いのは,ドラム缶内で定常的に発生している238U の自 発核分裂中性子と238U(α, n)反応による中性子によるもの である。また,アルミナでは天然ウラン質量約 1 g まで鉄 材マトリックスの 10 g の場合と同様の誤差で測定できる

Fig. 18  Total number of fission neutron as a function of the enrichment of 235U

Fig. 19  Neutron counting time spectrums obtained with the actual uranium waste drum and the simulated waste drum

(12)

ことがわかった。  シミュレーションではマトリックスが鉄の場合にウラン 質量 10 kg までは核分裂中性子数がウラン質量に比例する ことが確かめられているが,試験では 198 g までしか実際 に確認されていない。FNDI 法の実用化に当たっては数十 kg までのウラン質量に対して核分裂中性子数が比例して 増加することを確認する校正試験,および他のマトリック スでの詳細な基本特性試験が今後の課題として残されてい る。しかし,FNDI 法は,このようにして現在人形峠セン ターで大量に保管しているウラン系実廃棄物ドラム缶の含 有ウランの定量化に役立てられ,課題であった金属系廃棄 物ドラム缶のウランの定量化に関してはほぼ実用化の域に 達することができた。

V. ま と め

 これまでの FNDI 法に関する基礎研究開発成果をもと に,新たにコンクリートブロックを遮蔽体に用いて約 10 分の 1 の低コストで FNDI 法による廃棄物ドラム缶測定 用のウラン定量 NDA 装置 JAWAS-N を設計・構築し, 金属系廃棄物ドラム缶を用いた基本特性試験によりその特 性を検証した。その結果,設計時にシミュレーションで予 測されたウラン線源の偏在による位置感度差(径方向: ±10%,縦方向:±20%以内)が小さいこと,鉄スクラッ プ(嵩密度 0.5 gcm-3)の廃棄物ドラム缶では天然ウラン 10 g 以上で位置感度差に起因する±20%以内の誤差で 10 分の測定時間で測定できること,さらに測定した核分裂中 性子数が235U 質量に比例することを JAWAS-N において 実証することができた。また,同装置において鉄以外のマ トリックスの場合は,アルミナの廃棄物ドラム缶を用いた 試験では最少約 1 g の質量まで天然ウラン量を同様の誤差 で測定できることを確認し,マトリックスが鉄の場合と同 様に嵩密度が変化しても,コンクリート,ウエス,NaF およびアルミナ等の他のマトリックスでも新規に開発した FNDI 法での核物質量の導出法による補正係数を用いて測 定できることを示した。さらに,実廃棄物ドラム缶測定試 験では,同導出法による補正係数により鉄スクラップ, NaF およびアルミナの実廃棄物ドラム缶内の天然ウラン 量も測定し,アルミナでは数 10 kg のウラン量まで推定で きることを実証した。  本試験結果により,パッシブガンマ線,中性子線法を用 いた従来の金属系廃棄物ドラム缶の計量管理の測定技術の 短所を FNDI 法で補完できる見込みが得られた。従来の 計量管理の測定技術と相補的に併用すれば計量管理時の測 定誤差の低減に貢献できると考えられる。今後,金属系廃 棄物ドラム缶以外のドラム缶に本方法を適用する場合に は,誤差をより小さくするために金属以外の様々なマト リックスでの校正試験を継続して実施し位置感度差を正確 に割り出し,補正係数の精度を高める必要がある。  最後に,人形峠センターでは,FNDI 法の本格的な実用 化を目指して現在の FNDI 法での実廃棄物の測定試験の 成果をもとに,IAEA の査察機器としての認証試験を平成 27 年度中に受ける予定である。  本試験装置の人形峠環境技術センターでの構築に当たり 多大なるご協力を頂いた門 一実氏(現,JAEA 核燃料サイ クル工学研究所),時澤孝之氏(現,JAEA 福島環境安全セ ンター),吉田英明氏(現,JAEA 人形峠環境技術セン ター),大塚芳政氏(同),および長濱洋次氏(同)の関係者 の方々に深謝いたします。また,本装置の試験実施に当た り精力的にご尽力頂いた(株)人形峠原子力産業の洲脇拓郎 氏,藤木直樹氏に感謝いたします。さらに,装置の構築か ら試験の実施についてご指導,ご協力頂いた JAEA 原子 力基礎工学研究センターの関係者の方々,特に有益な助 言・コメントを頂いた高瀬 操氏,飛田 浩氏,春山満夫氏 に感謝いたします。 ― 参 考 文 献 ―

1) Y. Ohara, M. Naganuma, T. Nohiro, K. Yoshida, A. Makita, M. Sakate, T. Irisawa, T. Murashita,

Measure-ment Performance of the NDA using Q2 System for Urani-um Waste DrUrani-um, JAEA-Technology 2012-048, Japan

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2) N. Zaima, S. Nakashima, Y. Nakatsuka, K. Kado, On

Per-formance Experience and Measurements with Ningyo Waste Assay System (NWAS)-II, JAEA-Technology

2012-023, Japan Atomic Energy Agency (2012).

3) N. Naganuma, Y. Ohara, Y. Miyamoto, T. Murashita, A. Makita, T. Nohiro, Further Study of Measurement

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Agency (2014).

4) N. Zaima, S. Nakashima, Y. Nakatsuka, N. Fujiki, K. Kado, On Performance Experience and Measurements with

Ningyo Waste Assay System (NWAS)-III,

JAEA-Technolo-gy 2013-050, Japan Atomic EnerJAEA-Technolo-gy Agency (2014). 5) K. Yokoyama, H. Hata, Y. Ohara, N. Sugitsue,

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35th Ann. Meeting (Internet), 8 Pages (2014), [in

Fig. 2  Schematic  of  the  fast  neutron  counting  time  spec- spec-trum in the method
Fig. 6  Schematic  of  the  structure  of  JAWAS-N, (a) hori- hori-zontal cross section, (b) vertical cross section
Fig. 9  Schematic  of  the  arrangement  of  uranium  samples  in a drum, (a) radial direction, (b) vertical direction
Fig. 12  Neutron counting time spectrums obtained with the  different  uranium (natural) mass  when  the  same  matrix (Iron) was used
+4

参照

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