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学位論文題名Studies on Microflira in Bre7n Fermentation using a Dry‐starter,ーR倔gZ7丶ゆ¢

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Academic year: 2021

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博 士 ( 農 学 ) イ ヌ ガ ス ジ ャ ー ヤ

     学位論文題名

Studies on Microflira in Bre7n Fermentation using     a Dry ‐starter ,ーR 倔gZ7 丶ゆ¢

     (ラギ・夕べをスターターとする

ブレム[インドネシア米酒]発酵における微生物叢の研究)

学位論文内容の要旨

  ブレムは、主としてバリ島(インドネ シア)で作られるアルコール飲料である。乾燥スター ターのラギ・タベを用いて白と黒の餅米を混合して作る。ブレムの発酵は、2つの段階的なプロ セスで進行する。第一段階は、固体発酵 で、蒸米にラギ・タペを接種して、含まれる微生物に よって米澱粉を液化・糖化してタペ・ジ ュースができる。第2の段階 は、タペ・ジュースの発 酵で、容器の中で約60月間行われ、清澄なブレム(甘ずっぱぃアルコール飲料)ができあがる。

バリ島のデンパサールの市場で売られている酒「ブレム・バリ」は、アルコール10%、グルコー ス27.8%と非常に甘い。

  乾燥スターターのラギ・タペは、糸状 菌、酵母及び細菌を含んでいる。これらの微生物は、

米デンプンの液化・糖化、アルコールの 発酵および乳酸生成に関与しており、これらは同時に 進行する。しかし、伝統的製法によって 作られる乾燥スターターのラギ・タペが、微生物の混 合状態であること、さらに、ブレムの発 酵は、温度制御をしなぃ熱帯環境の室温での発酵プロ セ ス な の で 、 発 酵 の 精 密 な コ ン ト ロ ー ル 難 し く 、 一 定 し た 酒 質 を 保 ち に く い 。   ブレムの酒質は、ラギ・タペの品質に 密接に関係している。以前の研究から良いラギ・タペ は、Saccharomycopsis  bur toniiもしくはS.fibuligeraそしてAmylomyces rouxiiが含まれて いると言われていた。しかし、我々の発 酵試験では、これらのうちの2種の微生物を用いても 良い酒はできなかった。

  酒の他にもタペをスターターとした食 品がある。米粒(あるいはぺースト)を発酵させたタ ペ・ケタン、キャッサバの固まりを発酵 させたタペ・ケテラであり、いずれも甘酸っぱくアル コールの香りが少しあるスナックである 。共通する性質は、澱粉を液化と酵母によるアルコー ル発酵である。アルコール飲料であるブ レムでは、酵母によるアルコール発酵が重要であるこ とはもちろん、乳酸菌の役割も重要と考 えた。ラギタぺに含まれる乳酸菌が、ブレムのフレー バーを高める可能性もあると考えた。

  本研究は、ラギタぺに含まれる乳酸菌 に焦点をあて、種類や役割を解明した。これは、ブレ ムの品質を改良する際の重要な知見を提 供するものである。バリ島で使われている5種の異な った タイ プのラギ ・タペから乳酸菌を分離し、生理学的、遺伝学的に同定 した。その結果、

Pediococcus pentosaceus丶Lactobacillus curvatus、ぬterococcus faecium、Weissella confusa、 及ぴ 、眦paramesenteroidesが、 ラギ タペの主要な乳酸菌であることを示 した。Efaecium丶

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影confusaおよび 眦paramesenteroidesの存在 は、この 研究で初めて明らかにされた。また、

既報のようにラギ・タペの最も主要な乳酸菌が、P. pentosaceusであることも遺伝学的同定に よって確認した。これらの乳酸菌の存在は、ラギ・タペ生産の際の乾燥化において、桿菌より も球菌の細胞が更に抵抗カがあるという事実と符合する。また、より古いラギ・タぺでは、桿 菌より更に多くの球菌が存在した。

  ラギ・ タペで の乳酸菌 の分布 を明らかにするために、P・ pentosaceusの16S rDNAをターゲ ットにした特異的プローブ(Rpt)を開発した。このプローブをドットブロットおよびコロニーハ イブリダイゼーションに用いた。他の乳酸菌のプローブ(Weissella spp.、己.curvatusおよび E faecium)は、 既報のも のを用 いた。インドネシアで入手した5種類のラギ・タペは、乳酸菌 の種類 から見 ると3種類の異 なるタイプからなることがわかった。ラギ・タぺにおける乳酸菌 の相違 は、製 造された 地方のそ れぞれ異なった環境の影響を受けているのだろう。収集した5 種類のラギ・タペを使って伝統的な方法によって米のお酒ブレムを作った。できたブレムの官 能評価 の結果 、Gelatikラ ギ・タぺを用いて作られたブレムが、最も良い品質であった。ブレ ムは、高い濃度の有機酸、特に乳酸を含んでいる。この乳酸は、乳酸菌と糸状菌の活動が原因 であると考えられた。

  ブレム発酵中の乳酸菌の挙動を詳しく調べた。乳酸菌は、発酵初期に急速に増殖した。米も ろみは 、発酵 の24時間後 には、pH 3.6の最小値 に下降 した。乳酸菌種の変化を見ると、発酵 初期は 、Weissella spp.が 主要な乳 酸菌で、 その後 は交代してP.pentosaceusが、主要な乳 酸菌となった。発酵の30時間後で、乳酸菌の細胞数は減少していった。この時期は、アルコー ル発酵も始まり、エタノール濃度が、5ー6%に達する時でもある。5種類のラギ・タベの中でも Gelatikラ ギ・タ ペは、エ タノールに最も感受性の高い乳酸菌を含んでいた。このためエタノ ール生成と共に乳酸菌から酵母への微生物交代が起こった。一方、もろみ中のグルコース濃度 は、約86時間で 最高に達 した。 その濃度 は、ラギ タペの 種類によって異なりさまざまであっ た。その後は、エタノールへと分解され減少していった。

  発酵の初期のpHの急速な低下は、乳酸菌が重要な役割を果たしていることを示している。ラ ギ・タペより分離した酵母を用いたモデル発酵系の実験を行った。すなわち、A. rouxii SD23お よびS. fibuligera SY20―7を含む発酵モデルを構築した。これに乳酸菌を加えると米デンプ ンの液化・糖化は促進された。乳酸菌の代謝物が、酵母A. rouxii SD23の液化活性を高めた可 能性も あると 考えてい る。乳酸 菌の種 類によっ て効果 も異なっ た。P pentosaceusおよび眦 con fusaは 、よ り 活発 に液化活 性を高め た。Efaeciumお よび己 ,curvatusでは 、生育も 液 化の活性化も劣っていた。

  これらの結果を基にラギ・タペから分離した微生物の中で優良な株だけを集め発酵試験を行 った。すなわち優良な糸状菌、酵母、乳酸菌を混合してブレム発酵を行った。その結果、乳酸 菌の存在は、ブレムの香りを高めることがわかった。GCによって揮発性物質の相違も検出でき た。

  以上、本研究によって、ラギ・タペ中の乳酸菌のブレム発酵への役割として、(1)糸状菌およ び酵母 のデン プン液化 活性を高 める。(2)発酵初期の急速なpH低下を引き起こし酵母と糸獣菌 が活躍しやすい環境を作る。(3)ブレムの香りを複雑にしてより品質の高いアルコール飲料とす る。ことが、わかった。

  本研究は、伝統的アルコール飲料であるバリ島のブレムの製造における微生物の種類と役割 を明らかにした。特に乳酸菌が重要な役割を果たしていることを明らかにし、ブレム発酵に必

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須の微生物種を特定することができた。ブレム発酵の仕組みを理と品質向上に大きな貢献をす るものである。今後、これらの知見を活用して、ブレムをより良い品質の酒にするための製造 方法の改良を行うことが可能となった。インドネシアの産業の活性化に貢献するものと考えら れる。

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学位論文審査の要旨

     学位論文題名

Studies on X/Iicroflira in Bre71/l Fermentation using     a Dry‑starter ,Ragi Tape

     (ラギ・夕べをスターターとする

     ブレム[インドネシア米酒]発酵における微生物叢の研究)

  本 論 文 は 、6章 か ら な り 、 図22、 表13、 文 献92を 含 む 総 頁 数101の 英語 論文 であ る 。 別 に 参 考 論 文1編 が 付 さ れ て い る 。

  ブ レム は、 主 とし てノ くり 島( イン ドネ シア )で 乾燥スター ターのラギ・タペを用いて 白 と 黒 の 餅 米 を 混 合 し、 発酵 して 作ら れる アル コー ル飲 料で あ る。 乾燥 スタ ータ ーの ラ ギ ・ タ ペ は 、 糸 状 菌 、酵 母及 び細 菌を 含ん でい る。 これ らの 微 生物 は、 米デ ンプ ンの 液 化・ 糖化 、ア ル コー ルの 発酵 およ び乳 酸生 成に 関与 していると 考えられている。しかし、

伝 統 的 製 法 に よ っ て 作ら れる ブレ ムの 発酵 は、 その 精密 なコ ン トロ ール が難 しく 、一 定 した 酒質 を保 ち にく い。

  ブ レム の酒 質 は、 ラギ ・タ ペの 品質 に密 接に 関係 している。 以前の研究から良いラギ・

タ ペ は 、 数 種 の 酵 母 が含 まれ てい ると 言わ れて いた が、 乳酸 菌 の役 割も 重要 であ ると 考 えた 。な ぜな ら ,ラ ギ・ タペ に含 まれ る乳 酸菌 が、 ブレムのフ レーノくーを高める可能性 も あ る か ら で あ る 。 そ こ で , 本 研 究 は 、 ラ ギ タ ペ に 含 ま れ る 乳 酸 菌 に 焦 点 をあ て、 種 類 や 役 割 を 解 明 す る とと もに 、ブ レム の品 質を 改良 する 際の 重 要な 知見 を提 供す るこ と を目 的と して 行 った 。

  バ リ 島 で 使 わ れ て い る5種 の 異 な っ た タ イ プ の ラ ギ ・ タ ペ か ら 乳酸 菌を 分離 し、 生理 学的、遺伝学的に同定した。その結果、Pediococcus pen tosaceus丶Lactobacillus curvatus、 幽terococcus faecium、Weissella confusa、 及 び 、 肌paramesenteroidesが 、 ラ ギ ・ タ ペ の 主 要 な 乳 酸 菌 で あ る こ と を 示 し た 。E faecium、 肌confusaお よ び 肌 paramesenteroidesの 存 在 は 、 こ の 研 究 で 初 め て 明 ら か に さ れ た 。ま た、 既報 のよ うに ラ ギ ・ タ ぺ の 最 も 主 要 な 乳 酸 菌 が 、P pentosaceusで あ る こ と も 遺 伝 学 的 同 定 に よ っ

男 篤

和 蔵

房  

  博

田 田

井 野

授 授

授 授

   

   

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て確認した。

  ラ ギ・ タぺ での 乳酸菌 の分 布を 明らかにするために、P pentosaceusの16S rDNAを ターゲッ卜にした特異的プローブ(Rpt)を開発した。このプローブをドットブロットお よびコロニーハイブリダイゼーションに用いた。他の乳酸菌のプローブ(Weissella spp.、 己. curvatusおよ びEfaecium)は 、既報のものを用いた。インドネシアで入手した5 種類のラギ・タペは、乳酸菌の種類から見ると3種類の異なるタイプからなることがわ かった。これら5種類のラギ・タペを使って伝統的な方法によって米よルブレムの発酵 を行った。官能評価の結果、Gelatikラギ・タペを用いて作られたブレムが、最も良い 品質であった。

  ブレム発酵中の乳酸菌の挙動を詳しく調べた。乳酸菌は、発酵初期に急速に増殖し、

米も ろみ のpHは、 発酵の24時 間後 には3.6の最 小値 に下 降し た。乳酸菌種の変化を 見 る と 、 発酵 初 期 は 、Weissella spp.が 主 要 な 乳 酸 菌 で 、 そ の 後 は交 代し てP・ pen tosaceusが、主要な乳酸菌となった。発酵の30時間後では、アルコール発酵も始 まり、エタノール濃度が5―6%に達し、乳酸菌の細胞数は減少していった。一方、もろ み中 のグルコース濃度は、約86時間で最高に達し、その後はエタノールヘと分解され 減少していった。

  ラ ギ・ タペ より 分離し た酵 母を 用いたモデル発酵系の実験を行った。すなわち、A rouxii SD23およびS.fibuligera SY20一7を含む発酵モデルを構築した。これに乳酸 菌を加えると米デンプンの液化・糖化は促進された。また乳酸菌の種類によって効果も 異なった。またこれらの結果を基にラギ・タペから分離した微生物の中で優良な糸状菌、

酵母、乳酸菌を混合してブレム発酵を行った。その結果、乳酸菌の存在は、ブレムの香 り を 高 め る こ と が わ か っ た 。GCに よ っ て 揮 発 性 物 質 の 相 違 も 検 出 で き た 。   以上、本研究によって、ラギ・タペ中の乳酸菌のブレム発酵ーの役割として、(1)糸 状菌および酵母のデンプン液化活性の向上、(2)発酵初期の急速なpH低下を引き起こし 酵母と糸状菌が活躍しやすい環境の導入、(3)ブレムの香りを複雑にすることによる品 質の向上の3点が示された。  `

  本研究は、伝統的アルコール飲料であるノくり島のブレムの製造において乳酸菌が重要 な役割を果たしていることを明らかにし、またブレム発酵に必須の微生物種を特定する ことができた。ブレム発酵のブロセスの理解と品質向上に大きな貢献をするものである。

今後、これらの知見を活用して、ブレムをより良い品質の酒にするための製造方法の改 良を行うことが可能となった。インドネシアの産業の活性化に貢献するものと考えられ る。

よって審査員一同は、イヌガスジャーヤが博士 (農学)の学位を受けるのに十分な資 格を有するものと認めた。

参照

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