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図 2: 4, 3 5, 3, 2 5, \ j y 2, i 5,, 5, 出所 :INE 勤労者の収平均 5~24 25~34 35~44 45~54 55~64 65 以上 ( 年齢幅 合計女性男性 毎賃金を受け取っている労働者の年齢別収平均は図 2 のとおりとなっており 65 歳以下の場合

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チリの消費市場調査

Ⅰ.消費者概観 1)人口推移

チリの人口は2008年6月末現在で1,676万3,470人である。特徴としては都市へ の集中(87%)である。全体の人口の40.2%にあたる675万人がサンティアゴ首都圏 に住んでいる。人口増加率は漸減しており、1970年~82年の10年間における1年当 たりの人口増加率平均が2.03%であったものが、1982年~92年は1.64%、1992年~

2002年が1.24%(いずれも国勢調査による)となっている。ちなみに2007年~08年

の増加率は0.9%となっている。

2005 年に国家統計院(INE)が「2050 年に向けて~人口の見通し~」(CHILE HACIA EL 2050 Projecciones de Población)という資料を発表したが、それによるとチ リの人口ピラミッドは2020年にかけて「壺型」になっていく。0歳から50 歳台後半 までの層が均一に近い形になるがその中で最も厚みのある年齢層は、2015年時点で20 歳台前半の人口の層である。2020年には当該層が25~30台後半の層にスライドして いく。

2005年の人口ピラミッド

0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 800,000

0- 4 5-9 10-14 15-19 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 70-74 75-79 80+

(人)

男性 女性

2010年

0 200,000 400,000 600,000 800,000

0- 4 10-14 20-24 30-34 40-44 50-54 60-64 70-74 80+

人)

(年齢)

男性 女性

2020年

0 200,000 400,000 600,000 800,000

0- 4 10-14 20-24 30-34 40-44 50-54 60-64 70-74 80+

(年齢)

男性 女性

2)個人の所得分布とその推移

2007年10月のINEの調査(Ingresos de Hogares y Personas 2007)によると世 帯数は473万9,834世帯、世帯あたりの人数平均は3.5人、就労者数は1.4人である。

世帯あたりの月収平均は53万9,700ペソ(1ドル522ペソ・2007年平均で換算する と1,034ドル)、一人当たりでは15万4,000ペソ(同295ドル)となっている。一人 当たりの月収は前年同期比で4.6%増加している。また、世帯毎の所得分配におけるジ

ニ係数は0.397となっており0.5を超える国が多い中南米の中では所得分配の偏りが尐

ない。ただし、就労者の中での同係数は0.44と世帯毎でみるより若干高くなっている。

ニールセンは、小売市場の規模はGDPの約2割にあたる3,500万ドルと推定している。

図1:

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0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 1,600,000 1,800,000 2,000,000

(金額:ペソ)

(職種)

図3.職種間給与 格差(出所:IN E 2008年5月時 点)

0 5 0 , 0 0 0 1 0 0 , 0 0 0 1 5 0 , 0 0 0 2 0 0 , 0 0 0 2 5 0 , 0 0 0 3 0 0 , 0 0 0 3 5 0 , 0 0 0 4 0 0 , 0 0 0

15~24 25~34 35~44 45~54 55~64 65以上

i・

y・\

j

( 年 齢 幅 )

勤 労 者 の 月 収 平 均 ( 年 齢 別 )

合計 女性 男性

出所:INE

毎月賃金を受け取っている労働者の年齢別月収平均は図2のとおりとなっており、65 歳以下の場合、年齢と比例して賃金が上昇している。

他方、学歴による賃金格差は小さくない。大卒の学歴を有する賃金労働者の平均賃金 が61万5,517ペソであるのに対し、高卒の場合、21万1,424ペソと3分の1程度であ り、高校を卒業して専門学校に行ったとしても技術系で32万5,734ペソにとどまってい る。

なお、地域別にみると、世帯当たりの収入はサンティアゴ首都圏が67万5,800ペソ、

第12州が67万100ペソ、第2州が64万5,300ペソの順で高い。第12州は最も南極 に近い地域であるが、ここでは公務員や企業関係者に僻地手当が支給されていることに よる。第2州には銅産業が集積している。収入全体(2007年10月~12月)の偏在をみ ると首都圏に49.4%が集中している。

職種間の給与格差をみてみると図3の通りとなっており、マネージャークラスと一般 のオフィス勤務者の差は小さくない。

以上のことなどからチリ におけるマーケティングを 行う場合、ジニ係数は中南 米の中では低く、全体でな らした場合の富の偏在は極 端なものではないものの、

地域別ではサンティアゴに 購買力のある消費者が集中 しており、学歴、職種、業 種(後述)で差異が存在す ることをふまえる必要があ る。

チリにおける民間のマ ーケティング会社は、世帯 主の学歴や住居ならびに 個人向けサービスの利用 状況、消費財の所有の有無 図2:

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などに基づき階層を分けている。前述のとおり、具体的には、マーケティング協会(AIM)

が基準づくりをしている。それによると、ABC1(全体比10%)というのを最も富裕な 層であるとし、続いてC2(〃20%)、C3(〃25%)、D(35%)、E(10%)としている。

上記全体比は大サンティアゴ圏のものであり、国全体にあてはめると ABC1(全体比 6.7%)、C2(〃14.9%)、C3(〃21.3%)、D(38.4%)、E(18.7%)となる。

それぞれの階層の特徴は図5のとおり。サンティアゴ以外でABC1層が多い都市は ヴィーニャ・デル・マール(サンティアゴから車で 1 時間半程度の保養地、別荘地で 有名)やコンセプシオン(サンティアゴから南に飛行機で 1 時間程度の木材、食品加 工、セメント、鉄鋼などの工業地帯)、イキケ(北部第1州の都市。フリーゾーンがあ り、ボリビア、パラグアイなどの太平洋の玄関)、アントファガスタ(北部の都市。銅 産業の拠点)などである。他方、貧困層の割合は、北部で低く(国境防衛の必要もあり フリーゾーンなどが設けられていることや、銅産業の存在が大きい)、第 12 州除く南 部(第9州、7州、10州・・・林業、漁業従事者多い)で高い。チリには図4のよう に業種間の給与格差も存在し、主力産業である銅産業に関する業種で給与が高いため、

地方でも例外的に給与の高い地域は存在するが、人口規模でみると僅尐である。

0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000

(金額:ペソ)

(部門)

図4.業種間給与格差(出所:INE 20 08年5月時点)

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図5:マーケティング協会(AIM)によるカテゴリー分け

カテゴリー 住環境 自動車 通信 月給 職業 その他特性

AB 300 ㎡以上の家。家具は センスのよいもの。質感 の高い建材・家具使 用。

Aは 100%の自動車 保有率でかつベン ツ、ジャガーなど 高価な自動車を複 数保有。

固定電話保有。

携帯電話保 有。

約 20,000 ドル。 会社役員、外国機関の 長など。

複数以上の家事手伝い ないし門番。Bは一人。

3,500 世帯

C1 賃貸20UF(約 730 ドル)

以上。門番有りで 150

㎡以上の庭付マンショ ンなど。家電は仕様の 高いもの保有。

年以内の新車 95%

保有率。日本車や プジョー、シボレー など。

固定電話保有。

携帯も持ってい ることが多い。

約 7000 ドル。 大学教授。会社の上層 部、弁護士など特殊 資格保持者、マスコ ミ、富裕な農家など。

銀行口座とクレジットカー ド保有。子女は私立。

海外旅行経験。国内 26 万世帯サンティアゴ 15 万世帯。時々家事手伝 い依頼。

C2 賃貸の場合12UF(430 ド ル)以上。住建材は安 価だが 100 ㎡程度の広 さ。家電はシンプル。

80%の保有率。新し くはない日本車を 持っているか韓国 車の新車を保有。

固定は 85%の保 有率。

世帯収入は月 額 2,500 ドル 程度。衣食 住は足りて おり、貯金の 余地もある。

会計士や若い技能資 格者。中堅企業の役 員、技術者など。

全国で 63 万世帯うちサン ティアゴに 30 万世帯。

家事手伝いは雇用しな い。服装はシンプル。

C3 古い住宅密集地に住む。

賃貸5UF(約 200 ドル)

程度。広さ 70 ㎡程度の 土壁。家具は古い。家 電は一部不足。

45%の保有率。古い 欧州車(フィアッ ト、プジョー)やトラ ック、タクシーな ど。

固定は 50%。 約 1400 ドル。

衣食は足り ている。

一般の会社員、教師、

小規模企業の販売 員、技術者など。

全国で 90 万世帯、サンテ ィアゴで 37 万世帯。子 息は公立校。

あまり整備されていない 小さい家に住む。50 ㎡ 程度の広さ。

保有していないこと が多い。保有して いても 20 年以上 前の古いもの。

固定は 10%程 度。

約 750 ドル。 単純作業労働者。世帯 の中に家事手伝いと して働いている者あ り。小売店勤務。

全国 150 万世帯サンティ アゴ 52 万世帯。洋服は 品質の悪いもの。

1ないし2つの部屋に家族 が住んでいる。薪などで 食事を作る。貧困層。

保有していない。 保有していない。 約 200 ドル。生 活保護を受 けるないし収 入が不安定 なケースが 多い。

非正規労働者。荷役な ど。

全国で 85 万世帯うちサン ティアゴに 15 万世帯。

出所:AIM資料より抜粋

図5では省略したが、各階層の居住地域もある程度自然な区分けが存在する。つまり、

サンティアゴ市内においてはおおよそ住んでいる地域で学歴、所得や消費財保有状況 が推測できるというのが特徴である。

3)耐久消費財の普及状況、ヒット商品など

マーケティング協会の2007年の調査によると、耐久消費財において中級(C層)ク ラスまで普及しているもの(80%以上)のものとしては、カラーテレビ、冷蔵庫、湯 沸し機、自動洗濯機、オーディオ、DVDなどがある。いずれも販売統計が存在せず、

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メーカー別の売上実績などの把握は困難だ。ただし、カラーテレビに関しては、日本 のソニー、パナソニックのほか韓国のLG,サムソンをよくショッピングモールで目 にすることができる。富裕層の居住地域ではLCDやプラズマテレビがメインとなっ ており、日本企業の中にはCRT販売はすでに取りやめているところもある。富裕層 居住地域以外のスーパーをみるとまだまだCRTテレビの販売面積が多くを占めてい るが、LCDの価格低下もあり、今後はLCDがCRTに置き換わるものと関係者は みている。

白物家電に関しては、冷蔵庫の場合、米国・GE、ブラジル・コノスル、韓国・サ ムスン、大宇、国産CTIのブランドであるFensaとMademsaなどが目に付く。日 本勢は、冷蔵庫などで国産メーカーに技術供与をしている。韓国製の強みは、電圧が チリと同じ220ボルトの韓国国内向け製品もそのままチリ向けに輸出できることが 背景にある(当地日系メーカー)。

なお、最も富裕なABC1層の保有率が 80%を超えているのに購買力がある程度あ るC2、C3層に普及していない(60%程度)のがコンピュータ(デスクトップ)、ケ ーブルないし衛星テレビなど。特にブロードバンドに関しては、C2層の普及率が40%

以下となっており、富裕層との差が大きい。

ビデオカメラの保有率は富裕層でも60%程度で、C2以下は20%以下と低い。携帯 電話については、料金前払い制のものは貧困層のE層でも 40%程度普及しているが、

最もユーザーとして多いのはC3層(中の下)である。後払い制の携帯電話となると D,E層のユーザーは10%未満であり、富裕層(ABC1)で80%弱、C2(中の中)

で40%、C3で20%超というところである。なお、収入の状況からみて全体的に普及

余地がありそうなのがラップトップパソコンである。富裕層でも 50%以下、そのすぐ 下のC2層でも20%以下の普及率である。

チリは貿易の自由化が進展しており、関税率が低い(平均関税率は1.5%)ことから ラップトップパソコンも日本や台湾と同等の価格水準で手にすることが出来る。普及 にあたっての課題は、パソコンの自宅での楽しみ方が確立しているかということであ る、ゲームや動画、音楽などのコンテンツをダウンロードするためのネットインフラ 資料がまだ高価であることだ(ブロードバンド4Gの月間使用料が日本円で6000円相 当)。ただし、当地関係筋によると、最近は富裕層中心にソーシャルネットワークサー ビス(SNS)特にFacebookが流行しており、そのためノートブックパソコン、デジ カメの売上が伸びている。

その他、当地関係者によると、チリならではのヒット商品ということで、まずヘッ ドフォンがある。治安の悪い他の中南米の国であればヘッドフォンをしながら歩くこ とは盗難、強盗に襲われる危険性が増すことを意味するが、チリでは問題ないという ことが背景にある。また、「みてくれを気にする」国民性を有することに加え、女性の 就業率が増えている(後述)ことから美容関連製品の売上も同様の人口規模の国と比 較して大きいのも特徴的である。

他方、収入の水準を鑑みて富裕層にも普及してもおかしくないのに普及率が低い家 電としては皿洗い機、エアコン、ヒーターなどがある。皿洗い機など清掃・水回り関 係の機器については、ABC1およびC1の場合、ほとんどの家庭が雇用している家 政婦の業務の一つである。家政婦自身もなるべく自らの労働余地を残し、雇用を確保 したいインセンティヴがあるほか、雇用主側も、家政婦の賃金がさほど高くない(以 下図参照)ことから高機能の機器をあえて購入するインセンティヴが双方に生まれ難 い状況にある。なお、C1以上の層が雇用している家政婦は、清掃、片付け、料理、

子供の世話を行うのが一般的である。

エアコンの低普及率の背景には、人口集積地の気候の良さもあろう。サンティアゴ

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2006 年第 2 四半期の男女別業種別就労(%)

男性 女性

農業、漁業(養殖含 む)

17 5

鉱業 2 0

製造業 15 10

電気・ガス・水道 1 0

建設 12 1

商業 15 27

運輸 11 4

金融 8 9

サービス 19 44

合計 100 100

出所:ILO

の場合、換気しやすい住宅では、1年のうち大部分の期間でエアコン特に冷房は特に 必要とされるものではない。サンティアゴはじめ寒流沿いの都市(イキケ、コンセプ シオン、ヴィーニャ・デル・マールなど富裕層が多い)は夏も湿度が低く、日当は暑 くても日陰は過ごし易い。

他方、冬は降雪こそ稀ではあるが気温が氷点下近くに下がることもある南部地方お よびサンティアゴなどはヒーターの潜在需要は大きい。現状、富裕層の居住する地域 のマンションなどには備え付けの温水暖房が普及しているがあまり効率がよくない割 に使用した場合のコストが高い。2008年に日本の石油ファンヒーターが爆発的に売れ、

チリ国内でもよく話題になったが、これは2007年の電気代高騰に加え、もともとサン ティアゴには、部屋の広さに対してぜい弱な暖房器具しかなかったことが関係してい る。

携帯電話については、保有率が96%と高率である。今後、全体の約 7割を占めるプ リペイドからポスペイド(料金後払い)への移行がオペレータのキャンペーン主導で 進展し、買い替え需要とともにより高機能の端末の販売増加がみこまれる。ちなみに チリでは高機能携帯の普及率は 10%に満たない。これはコンテンツの不足も一因であ る。

自動車の階層別保有状況については図5のとおり。ANAC(自動車工業会)のイ ヴァン・シルバ副会長にチリ国民の嗜好、ならびに近年の市場の変化についてジェト ロがインタビューしたところ、「保守的で地味な国民性を背景とした車の好みは変わっ ていない(セダンなどスタンダードなものが好まれる)が、中間所得者層の所得増加 と女性の社会進出に伴う購買層の増加および2008年前半までのペソ高により、チリ国 内の自動車市場は価格の安い大衆車から、もう 1 段上のより良い安全性、燃費、サー ビス(アフターサービスのみならず割賦条件、営業の対応等含む)が期待される車種 に人気が移っている」との見解であった。実際にANACの統計によると、従来韓国 車に乗っていた層がトヨタの小型車(Yaris日本名ヴィッツ)などにシフトする動きも リーマンショック前までは読み取れた。2008年前半まではトヨタが中南米で始めてレ クサスの正規輸入を開始(2008年4月)するなど、富裕層をターゲットにした商品投 入の動きもみられた。他方、安価な中国製車種のシェアが伸びてきているのは今後の 自動車市場の展開を見るうえで留意すべきことである。C3やD層など今まで新車に 手が出なかった層に中国車がうまく入り込めれば低価格車市場が盛り上がるだろう。

なお、自動車の販売は2008年10月以降、世界金融危機の影響を受けたクレジット減 尐で急減しており、2009年も2008年比で3~4

割程度の減尐が予想されている。

4)女性がキーポイント

前述のANAC のコメントにもあるとおりチリ では女性の購買力が伸びている。国際労働機構

(ILO)南米南部事務所(サンティアゴ)の資料

(Balance de la situacionlaboral de las mujeres en Chile)によると1997年から2006年の10年 間に女性の就労率が 34.6%から 38.5%に伸びて いる(同期間に男性は74.7%から71.7%に低下)。

地域別でみると(2007年第1四半期時点)最も 女性の就労率が高いのが南部アイセン地域(サー モンなど養殖産業の集積地)で46.5%。次がサン

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ティアゴ首都圏で44.3%となっており、国全体の人口の3分の1が集中するサンティ アゴ首都圏で高いのが注目される。

次にどのような業種に女性の就業者が多いかは図のとおり商業、サービスが中心と なっている。さらにこれらの業種の名目賃金上昇率(時給換算)がどの程度なのかを みてみると、商業が業種別で2位となっている。

つまり、女性の就業割合が97年比で増加し、かつ女性が就業する割合の高い業種で ここ数年の名目賃金が増えていること、および就業により、収入増加ばかりでなく、

例えば洋服、化粧品、美容関連製品・サービスなどの消費増加に貢献することを考え ると女性を対象にしたマーケティングの重要性が理解できよう。なお、実際にニール センの調査によると、チリの家庭では 5 割近い率で母親が購入決定権を有しているこ とから、あまり女性向けのものではない消費財についても、デザイン・ファッション 性に留意するなど女性向けのプロモーションに力を入れる企業も存在する。

業種別賃金上昇比較(一時間当たり)2006年1月を100とする。

業種別賃金の伸び(2006年=100)

100.00 105.00 110.00 115.00 120.00 125.00 130.00 135.00

2 0 0 6

1

3

5

7

9

1 1

2 0 0 7

1

3

5

7

9

1 1

2 0 0 8

1

3

5

7

9

1 1

出所 INE資料もとにジェトロサンティアゴ作成

鉱業 製造業

電気・ガス・水道 建設

商業

ホテル・レストラン 通信・運輸 金融 不動産 公的部門 教育 社会福祉

地域サービス、個人 向けサービス

Ⅱ.一般消費財流通市場の概要

1)有力グループ経営のチリ国内スーパーと拡大するコンビニエンスストア

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チリの小売は一部ファミリー企業による寡占化が特にサンティアゴで進んでいる。

店舗数は2005年以降2%台で増加基調にあるが、ハイパーメルカードと呼ばれる大型

スーパーやドラッグチェーンの増加率が高い。

有力誌Que`Pasa(2008年7月27日号)の特集(資産、価値創造、連結売上、連結 資産、従業員数によりランキング付け)によると、小売では、ファラベーラグループ が主要24財閥のうち2位ポールマングループが4位、イバネスグループが5位、カル デロングループが14位となっている。それぞれのグループの傘下企業は別表のとおり となっている。

別表以外に上場している小売企業としては食品スーパーのウニマルクを擁する名門 エラスリス財閥のHipermarcがあり、これらがアッパーミドルの階層向けの品揃えを している。

他方、所得水準が中~下程度の層をターゲットとしているものとしては、家庭用品、

電気、衣類などを販売するLa Polarを運営するEmpresas La Polarがある。また、上 場していないスーパーとして、La Polar同様所得水準が中~下程度の層をターゲット としているHitesや若者向け衣料中心のTricotなどがある。なお、地方においては必 ずしも首都圏で多い小売店舗ばかりをみかけるわけではない。例えば、スーパーマー ケット協会に加盟している企業で地方にある有力スーパーとしては、第 3 州の ABARTTAL,第6州のLA FAMA,第8州のCAMPODONICO,UNICO,第9州のAMIGO, 第10州のFULL FRESH MARKETなどが挙げられる。

コンビニエンスストアは、日本などに比して町で見かける頻度は尐ない。ニールセ ンによると2006年から2007年の間にコンビニエンスストアと同様の小売形態の店舗 は1.4%減尐している。ただし、近年、Big JohnやEkonoがビジネス街で店舗網を拡 大している。とくに31の拠点(2009年2月時点)をサンティアゴ市内に展開するEkono は、価格遡及的なビジネスモデルを前面に押し出しており、プライベートブランド(P B)商品などを食品および家庭用品中心に取り揃えている。一般的に、コンビニエン スストアの製品は、スーパーより安価であるといわれている。なお、ガソリンスタン ドに併設されているものも多い。これらの店舗は、品揃えも簡単な食品や飲料が多く、

機 能 は 限 定 的 で あ る 。 代 表 的 な も の は 、COPEC が 展 開 し て い る Punto や ProntoKiosko,Pronto Ciudad,Pronto Barra やエクソンモービルが展開しているOn the Runなどがある。その他ドラックストアチェーンのSalcoBrandが、このコンビ ニエンスストアの分野にも進出しており、OKMarketを14店舗(2009年2月現在)

首都圏を中心に展開している。

2)大手の間で規模拡大競争続く

ラテンアメリカの500大企業ランキング(America economia)によると小売りセクタ ーは石油・ガスセクターに次いで総売上の大きなセクター(1,966億ドル)であるが上 位10社のなかにポールマングループのセンコスッド(同グループ傘下企業を束ねるホ ールディング会社)とファラベーラグループのファラベーラが入っている。チリには 小売企業別売り上げ統計が存在しないが、中南米の中でもさほど大きくない人口規模 の割にこれら企業が上位に来ているのは、国内市場の寡占が進んでいることと、海外 展開の 2 点による。海外戦略では、ポールマングループがM&Aを通じて多くの外資 系流通企業を吸収してきた。

規模拡大競争は現在も続いている。公開株式会社別(チリには公開と非公開の2種 類の株式会社がある)の財務状況をランク付けしている Ranking de Empresas Estrategia2008から主要小売企業を抽出すると別表のとおりとなっている。Riplay以

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外は 2006 年、07 年と2年続けて営業キャッシュフローが黒字であるものの、センコ スッドの営業キャッシュフローは前年比13.8%の減。D&Sが39.5%減などとなって おり、ファラベーラの 51.7%増と対照的である。M&Aを積極的に進めているせいも あり、センコスッドやファラベーラは、投資キャッシュフローが営業キャッシュフロ ーを大幅に上回っている。いわば身の丈以上の投資による規模拡大競争が継続中であ ることを示している。特にセンコスッドについては、大規模プロジェクト(中南米一

となる300mの高さを誇るコスタネイラセンター建設)も手がけており、借り入れも多

くなっている。

3)その他専門スーパー、ネットスーパーなども尐数ながら存在。ドラッグチェーン は3社の寡占。

チリには専門スーパーも存在するが、さほど大規模なものはない。電化製品、通信 関連機器、精密機器(カメラ)などは、デパートや大規模スーパーのほか、専門店チ ェーン(情報機器であればABC,Cibertec,MacOnline,PCBook,PCFactor、AMBなど、

オーディオ・ビジュアル機器はソニーセンターやパナソニックストア、デジタルセン タ ー ・ サ ム ス ン な ど 、 携 帯 電 話 は Bluenet,CellStar な ど 、 カ メ ラ は Kodak Express,Konica Photo Expressなど)も存在する。

薬 品 、 化 粧 品 に 関 し て は 、 特 に 首 都 圏 では 3 つ の チ ェ ー ン (Ahumada,Cruz Verde,Salcobrand)を目にする機会が圧倒的に多い。ちなみに Ahumada はファラベ ーラ・グループであり、自身でもFarmacia Ahumadaとして上場している。

4)秀逸な大手小売企業のビジネスモデル

チリ国内での大手小売業のビジネスモデルは米国のスーパーに類似している。デパ ートも存在するが、メンタリティーはまさにスーパーマーケット(当地日系企業)で あり、要するに「場所貸し」である。出店者との業務の仕分けについては、「売り場と 支払いのシステム」は家主である大手小売企業側で、「マーケティング」は出店者の仕 事となっている。出展側は粗利の一部を小売企業側に払う。ただし、小売側の収益源 はこれら出店者からの粗利一部徴収よりも、ファイナンス事業に由来する金利収入が 重要である。大手小売業者が巨大なショッピングモールの中に様々な業態を入れ、集 客力を高めた上で、支払いを全てカードでも可能にし、かつカード使用の場合のディ スカウントを強調し、カードによる支払いを促す。そして分割払いによる金利を高め に設定することで利益をあげているわけだ。そのため、出店者のブランドはかすみ勝 ちである。小売側からみれば、テナント料は安くても金利収入を期待できる製品(多 くの消費者が分割払いで購入するもの)ないし集客力を高める(ないしショッピング モールへの滞留時間を長くする)製品ないしサービスが好ましいものといえる。

5)インターネット販売など他の販売チャンネルの可能性

大手小売ファラベーラなどはバーチャル店舗の売り上げが伸びている。価格比較サ イトは存在するが日本でいう楽天のような大型バーチャル店舗は存在していない。イ ンターネットで注文しても、店に取りに来る顧客が多い(当地関係筋)など、まだ本 分野に関しては拡大の余地がありそうだ。

以上

参照

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