著者 福井大学高等教育推進センター
雑誌名 福井大学高等教育推進センター年報
巻 1
ページ 1‑84
発行年 2011‑10
URL http://hdl.handle.net/10098/8932
福 井 大 学 高 等 教 育 推 進 セ ン タ ー 年 幸侵No.1(2010.4‑2011.3)
V高 等 教 育 改 革 研 究 レ ビュ ー(75)
日 本 学 術 会 議 寺 岡 英 男(77)
J.ハ ー バ ー マ ス 「大 学 の 理 念 」 柳 沢 昌 一(80) 南 原 繁 「大 学 の 理 念 」 柳 沢 昌 一(82)
CenterR)rtheAdvancementofHigherEducation 1」R6の0γ孟No.1
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福 井 大 学 高 等 教 育 推 進 セ ン タ ー 年 幸侵No.1(2010.4‑2011.3)
日本 学 術 会 議 のか らの 報 告 「 大 学 教 育 の 分 野 別 質 保 証 に 向 け て」
一 学 部 ・研 究 科 で の カ リ キ ュ ラ ム ・ポ リ シ ー、 デ ィ プ ロ マ ・ポ リ シ ー の
策 定 と カ リ キ ュ ラ ム づ く り ・評 価 の 作 業 を 進 め る た め に 一
センター長 寺岡英男
1.質 保 証 を 中心 と した 本 学 の 教育 改革 と 日本 学 術 会 議 の 提 案
中教 審 は2008年 に答 申 「学 士 課 程 教 育 の再 構 築 に 向 けて 」 を ま と め た。改 め て そ の 概 要 を整 理 して み る と、そ こで は 、 グ ロー バ ル 化 、 ユ ニ バ ー サ ル 段 階 に達 した大 学 教 育 の 改 革 、 学 士 課 程 教 育 の 構 築 が 、 我 が 国 の将 来 に とって 喫 緊 の課 題 で あ る こ と を述 べ て い る。 そ の課 題 と して は、 ① 国 際 的 通 用 性 を備 え た 、 質 の 高 い教 育 を行 う、 ② 日本 が 持 続 的 な発 展 を遂 げ る には 、 教 養 を備 え た専 門 的 人材 を多 数 育 成 し、 イ ノベ ー シ ョ ンの 創 出 、 産 業 の 生 産 性 の 向上 を 図 る、 ③ ユ ニ バ ーサ ル 段 階 で の入 試 を通 じ た質 保 証 の機 能 の低 下 の 中 で の 新 た な 質 保 証 が 言 わ れ て い る。 そ して 、 改 革 の実 行 に 当 た っ て は、 ① 各 大 学 が 、教 学 経 営 にお いて 、 「学位 授 与 の 方 針 」(デ ィ プ ロ マ ・ポ リシー)「 教 育 課 程 編 成 ・実 施 の方 針 」(カ リキ ュ ラム ・ ポ リ シー)「 入 学 者 受 け 入 れ の方 針 」(ア ドミ ッ シ ョン ・ポ リ シー)の3つ の 方 針 を明 確 に して 示 す こ と、 ② 学 内 の 全 教 職 員 が 共 通 理 解 を も って 具 体 的 な 教 育 実 践 に取 り組 む た め の教 職 員 の職 能 開発 、 質 保 証 の仕 組 み の強 化 、 が 言 わ れ て い る。
本 学 の 第2期 中期 目標 ・中期 計 画 の教 育 の領 域 で も、 上 記3つ の 方 針 の確 定 とそ れ をふ まえ た カ リキ ュ ラム づ く り と評 価 を通 して の質 保 証 を 中心 と し た教 育 改 革 が課 題 とな っ て い る こ とは 言 う まで もな い。 そ して そ の改 革 の取 組 み は主 に高 等 教 育 推 進 セ ンタ ー に委 ね られ て い る。
本 セ ン ター が こ の課 題 に応 え て行 く上 で、 上 記 中 教 審 答 申 「学 士 課 程 教 育 の 再 構 築 に向 けて 」 を受 けて ま とめ られ た 日 本 学 術 会 議 の 提 案 『大 学 教 育 の分 野 別 質 保 証 の在 り方 につ いて(回 答)』2010は 、 本 学 で の 取 組 み を進 め て 行 く上 で 、 い くつ か の参 考 とな る観 点 を提 示 して い る。 以 下 そ れ を 、 分 野 別 質 保 証 の た め の 教 育 課 程 編 成 上 の参 照 基 準 の策 定 の基 本 的 な 観 点 と、 本 セ ン ター が 中心 と な り進 め て い る共 通 教 育 改 革 に関 わ る 「教 養 教 育 の あ り方 につ いて 」 を取 り上げ 、 紹 介 し た い。
2.日 本 学 術 会 議 の 提 案 『大 学 教 育 の分 野 別 質 保 証 の在 り方 につ いて(回 答)』
中教 審 は 、 こ の答 申 を踏 ま え た分 野 別 質 保 証 の あ り方 に つ い て の 検 討 を、 関 連 す る各 学 協 会 に委 ね た。 中教 審 の こ う し た 措 置 は 、 大 学 の教 育 内容 と 国 との 関係 の あ り方 か らみ れ ば 、 適 切 な もの で あ った と言 え よ う。 日本 学 術 会 議 はそ れ に応 え る提 案 を、 『大 学 教 育 の 分 野別 質保 証 の在 り方 に つ い て(回 答)』 と して ま と めて い る。
この 提 案 につ いて は 、分 野 別 質 保 証 の そ れぞ れ の報 告(『 日本 の展 望 一学 術 会 議 か らの提 言2010』)の 、そ れ こそ 分 野 別 の 検 討 に委 ね た いが 、 こ こで は 日本 学 術 会 議 の審 議 の基 本 的 な 観 点 を ま と めて お きた い。
「回 答 」 は まず 提 言 内容 の検 討 の際 、 「十 分 留 意 す べ き」 と して 、 以 下 の 点 を 挙 げ て い る 。
① 大 学 教 育 の多 様 性 を損 な わ ず 、 教 育 課 程 編 成 に係 る各 大 学 の 自主 性 ・自律 性 が 尊 重 され る枠 組 み を維 持 す る こ と。
② 学 生 の立 場 か ら、 将 来 職 業 人 と して あ る い は 市 民 と して 生 き て 行 くた め の 基 礎 ・基 本 とな る、 真 に意 義 あ る もの を し っか り身 に付 け られ る こ とが 意 図 され て い る こ と、
③ 各 学 問 分 野 に固 有 の特 性 に対 す る本 質 的 な 理 解 を基 盤 と し、 そ れ に根 差 した 教 育 の 内容 が 明 示 され る こ と。
そ して 、 「分 野別 の 教 育 課 程編 成 上 の参 照 基 準」 に つ い て の考 え 方 と して 以 下 の こ とを 述 べ て い る 。
① 各 学 問 分 野 の固 有 性
分 野 に固 有 の 「世 界 の認 識 の仕 方 」・「世 界 へ の関 与 の仕 方 」 につ いて 、 学 問的 な 観 点 か ら同定 。
② す べ て の学 生 が 身 に付 け るべ き基 本 的 な 素 養
身 に付 け るべ き基 本 的 な知 識 ・理 解 と能 力 に つ い て 、 現 実 に 人 が 生 き て 行 く上 で の有 用 性(価 値 や 倫 理 等 も含 む)と い う観 点 に照 ら して 中核 的 な も の を絞 り込 む
③ 学 習 方 法 及 び 学 習 成 果 の評 価 方 法 に関 す る基 本 的 な 考 え方
単 に知 識 や 理 解 を付 与 す る だ け で な く、 そ れ を 実 際活 用 で き る 力 を培 うた め の 学 習 方 法 や 、 そ の成 果 の評 価 方 法 が重 要 。
「回 答 」 が 出 され る 前 に行 わ れ た2009年11月 の 「公 開 シ ン ポ ジ ウ ム」 で 紹 介 され た 「審 議 結 果 の概 要 」 で も、 同様 の こ とが 述 べ られ て い る が、 特 に 「各 大 学 の 自主性 ・自律 性 の 尊 重 」 で は 、 「『教 育 課 程 編 成 上 の参 照 基 準 』 とい う形態 を選 択 す る理 由は 、 『コア ・カ リキ ュ ラム 』 の よ う に各 大 学 の教 育 課 程 の外 形 的 な標 準 化 を求 め る の で は な く、 学 生 に とっ て 意 味 の あ る も のが 身 に付 くよ う、 む しろ 各 大 学 が 自主 的 ・自律 的 に判 断 し、 そ れ ぞ れ の 理 念 ・状 況 に即 して 独 自の教 育 課 程 編 成 を行 う こ と を支 援 す べ き と考 え るか らで あ る。」 と述 べ て い る。
また 、 「学 習 方 法 及 び 学 習 成 果 の評 価 方 法 」 につ いて の この よ うな言 及 は、 これ まで には な い もの で あ る。 そ れ は、 「回 答 」 も言 う よ う に、 大 学 教 育 に お い て は、 従 来 主 と して 「何 を 教 え る か 」 とい う学 習 内 容 が 重 視 され 、 学 習 方 法 の 問題 は 重 視 され て こな か った こ と に よ る。 しか し、 と 「回 答 」 は 以 下 の こ と を述 べ る。
② で 、 単 な る学 問上 の 「知 識 」 や 「理 解 」 と して で は な く、 職 業 生 活 や 市 民 生 活 な ど、 人 が 生 きて 行 く上 で 意 味 を も つ も の を、 学 び を通 し て 身 に付 け る とい う観 点 が 重 要 で あ る と した 。 そ の た め には 、 単 に 「う ま く」 教 えて 理 解 させ る と い うだ け の学 習 方 法 で は な く、知識 や 理解 を 実 際 活 用 で き る 力 を 培 うた め の 、あ る い は学 習 内容 自体 を一 つ の 「素 材 」 と して 、 そ れ を通 し て何 らか の ス キル を 身 に 付 け さ せ る た め の 学 習 方 法 が 、 教 育 課 程 の編 成 にお いて も、 極 め て本 質 的 な 意 味 を持 つ こ と にな る。
3.学 士 課 程 の 教 養 教 育 の在 り方 に つ い て
「回 答」 の第 二 部 は、 「学 士 課 程 の教 養 教 育 の在 り方 につ いて 」 の 提 案 で あ る。 日本 学術 会 議 は、 同時 期 に 『日本 の 展 望 一学 術 会 議 か らの 提 言2010』 の 一・環 と して、 教 養 教 育 に つ い て 「21世紀 の教 養 と教 養 教 育 」2010.4を 提 言 して い る(「 第 二 部 」 を取 りま とめ た の と 同 じ メ ンバ ー に よ る)。 本 年 報 所 収 の 「共 通 教 育WG概 要 報 告 」2011で 言 及 され て い る学 術 会 議 の 提 案 は 、 後 者 の 「21世紀 の教 養 と教 養 教 育 」 で あ る。
福 井 大 学 で は、 高 等 教 育 推 進 セ ン タ ー が 中 心 に な っ て 、 共 通 教 育 の 見 直 しの 作 業 を行 って い る。 そ こで は、 ① 現 代 の複 合 的 ・学 際 的 課 題 に応 え、 「A群(共 通 教 養 ・副 専 攻科 目)」 につ いて の コ ア ・カ リキ ュ ラム 化 、② 就 業 力GP関 係 科 目が 、 地 域 参 画 活 動 や 協 働 実 践 プ ロ ジ ェ ク ト的 な科 目で あ り、 そ れ ら と工 学 部 の ワー ク シ ョップ や 創 成 教 育 の統 合 型 体 験 学 習 等 との 科 目 も併 せ た 新 た なC群 と して の再 編 、 ③ 今 年 度 に設 置 され た 語 学 セ ンタ ー で の 外 国 語 の リテ ラ シー の 育 成 な ど を 中 心 に した カ リキ ュ ラム や 枠 組 み ・セ メス ター の見 直 しが 検 討 され て い る。
こ の よ うな 立 場 か ら、 抱 え る課 題 と関 わ らせ て、 こ こで は 「学 士 課 程 の 教 養 教 育 の在 り方 につ いて 」 の方 を取 り上げ 、 提 案 内 容 を紹 介 した い。
(1)教 養 教 育 の 原 点 と して の 市 民 教 育 と い う理 念
提 言 で は 、 日本 にお け る教 養 教 育 が、 市 民 の 育 成 とい う明 確 な 理 念 に関 連 付 け られ な れ る ことな くき た 問題 を指 摘 して い る。 そ して 、 教 養 教 育 にお い て は、 市 民 教 育 とい う理 念 が 原 点 にあ る こ との 認 識 が 重 要 で あ る とす る。 そ して、 「『市 民 社 会 』 を、 社 会 の公 共 的課 題 に対 して立 場 や 背 景 の 異 な る 他 者 と連 帯 しつ つ 取 組 む 姿 勢 と行 動 と して の 『市 民性 』 を備 え た 人 々 によ る社 会 」 と定 義 し、 日本 は そ の担 い手 の育 成 に成 功 して いな い、 と言 う。
特 に90年 代 以 降 の世 界 的 な 規 模 で の社 会 の変 動 の 中で は 、 「過去 を 学 ぶ こ と によ っ て 、あ り得 た 現 在 を 想 像 し、現 在 を 深 く知 る こ と に よ って 、 あ り得 べ き未 来 を構 想 す る力 を育 成 す る こ とが 、 現 代 の教 養 教 育 の課 題 で あ る」、 とい う。
(2)「 市 民 的教 養 」 の育 成 の た め の参 加 型 学 習 の 必 要 性
大 学 教 育 一 般 に関 して 、 教 師 に よ るteaching主 体 か ら学 生 に よ るlearning主 体 へ の 転 換 が 必 要 で あ り、 一 斉 授 業 の 講 義 によ る授 業 だ けで な く、 様 々な 参 加 型 学 習 を実 施 す る工 夫 が 求 め られ て い る。
と りわ け市 民 的 教 養 の育 成 と い う理 念 に 照 ら して 、 参 加 型 学 習 が 重 要 で あ る こ とは 改 め て 強 調 して お く必 要 が あ る。 ま た 、 教 養 教 育 が 担 わ れ る場 は、 大 学 の 中 だ け で あ る とは 限 らな い 。 社 会 の 公 共 的 課 題 の発 生 す る現 場 に学 生 が赴 く体 験 を 教 育 に組 み 込 む こ と も重 要 で あ る。 専 門性 や価 値 観 の 異 な る 人 々 と対 話 し協 働 す る こ と の重 要 性 を理 解 させ る た め に、 協 働 の機 会 を設 け る こ と、 ま た こう した経 験 が、 チ ー ム ワー ク や リー ダ ー シ ップ な ど の実 践 的ス キ ル の習 得 に とっ て も有 意 義 で あ り、 また 自 らの 職 業 選 択 を真 剣 に考 え る契 機 とな る。
この よ うなlearning主 体 の教 育 を実 施 す る た め に は、従 来 の 一斉 授 業 を 前 提 と した 異 な る 教 室 空 間 のデ ザ イ ンが 必 要 で あ る。 また 、 こ う した 教 育 方 法 を実 施 す るた め には 、 教 員 に対 してFDや 教 員 の 業 績 評価 の あ り方 も再検 討 す べ き 、 と述 べ られ て い る。
本 学 の共 通 教 育 の見 直 しと の 関 わ りで言 えば 、 こ こで 指 摘 さ れ て い る 空 間 の デ ザ イ ンは も ち ろ んで あ るが 、 参 加 型 の学
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福 井 大 学 高 等 教 育 推 進 セ ン タ ー 年 幸侵No.1(2010.4‑2011.3)
習 で は 、 学 習 の時 間 のデ ザ イ ン も必 要 で あ る。 カ リキ ュ ラム の 内 容 に止 ま らず 、 枠 組 み や セ メス タ ー の見 直 しを念 頭 に置 いて い るの も、 そ の た め で あ る。
(3)英 語 によ る リテ ラ シー 教 育 の構 想
グ ロー バ ル 化 に伴 い、 英 語 は 国 際共 通 言 語 とな っ て お り、 利 便 性 は 高 く、 そ の習 熟 は 不 可 避 で あ る。 この よ うな観 点 か らす れ ば 、 教 育 ・学 習 の対 象 とな る のは 、 英 米 の言 語 と して の英 語 で は な く、 媒 介 言 語 と して の英 語 で あ る。
こ う した 国 際共 通 語 と して の英 語 の教 育 は、 従 来 の 外 国 語 教 育 とは 別 の カ テ ゴ リー に属 す る も の と解 す る べ き で あ る。
グ ロー バ ル な 局 面 で 、文化 と言 語 を 異 に す る 他 者 と協 同 し交 流 す る 能 力 を 育 成 す る た め に 、ア カデ ミ ッ ク ・リー デ ィ ング 、 ア カ デ ミ ッ ク ・ライ テ ィ ン グ、 プ レゼ ン テ ー シ ョ ンを 核 とす る 「英 語 によ る リテ ラ シー 教 育 」 を構 想 す る必 要 が あ る、 と 言 う。 本 学 の 語 学 セ ンタ ー 設 置 で 企 図 した 内容 と重 な り、 参 考 とな る。
シ リー ズ 大 学 論
大 学 の あ り方 を め ぐる歴 史 的 な省 察 と展 望 の た め の文 献1
J.ハ ー バ ー マ ス 「 大 学 の理 念 一学 習 プ ロセ ス ー」
JUrgenHabermas,"DieIdeederUniversitat‑Lernprozesse"※
M.ア イ ゲ ン,H.G.ガ ダ マ ー,J.ハ ー バ ー マ ス 他(赤 刎 弘 也 訳)『 大 学 の 理 念 』,玉 川 大 学 出 版 部,1993.
MEigen,H.G.Gadamer,川abermas,WLepenies,H.LUbbe,KM.Meyer‑Abich,Dz濯66伽 σ癬r5雌1988.
「大 学 の 理 念 」 と い う 論 文 名 で 、 ヤ ス パ ー ス の 同 名 の 著 作 を 想 起 さ れ る 方 も 少 な くな い だ ろ う 。1923年 、 第 一 次 世 界 大 戦 後 の 状 況 で 表 さ れ た こ の 著 書 は 、1945年 、 再 び の 敗 戦 の 後 改 め て 出 版 さ れ 、1961年 に さ ら に 新 訂 版 が 刊 行 さ れ て い る 。 「大 学 の 理 念 を 自 ら の 内 に 持 つ も の だ け が 大 学 の た め に 問 題 に 即 し て 考 え 、 活 動 で き る 。」 こ の 言 葉 、 あ る い は そ の 「理 念 」 を 、 現 代 の 大 学 の 状 況 に あ っ て 私 た ち は ど う と ら え る べ き な の だ ろ う か 。
1988年 、 ハ イ デ ル ベ ル ク 大 学 に お い て 行 わ れ た 「大 学 の 理 念 」 を め ぐ る6人 の 研 究 者 に よ る 連 続 講 演 は 、 こ の ヤ ス パ ー ス の 著 作 と そ の 問 い へ の30年 を 経 た 時 代 に お け る 応 答 と い う 性 格 を 持 っ て い る 。1960年 代 末 、 世 界 的 に 広 が っ た 大 学 へ の 懐 疑 と 批 判 、 そ の 後 繰 り 返 さ れ る 内 と 外 か ら の 大 学 改 革 の 展 開 、 そ し て ユ ニ バ ー サ ル 段 階 に 向 け て 否 応 な く 拡 大 し 変 貌 し 続 け て い る 大 学 の 中 に あ っ て 、 大 学 の 求 め る べ き あ り方(理 念)を ど の よ う に 見 定 め て い く べ き な の か 。1980年 代 半 ば 、 こ の 連 続 講 演 が 行 わ れ た 時 期 に は 、 現 在 に 至 る 大 学 の 現 状 と 問 題 は す で に 現 実 の も の と な っ て い る 。 そ う し た 現 実 の 中 に あ っ て 、 大 学 の 現 実 と 歴 史 を 踏 ま え あ え て 「大 学 の 理 念 」 を 語 る とす れ ば 、 そ れ は ど の よ う な 意 味 と 可 能 性 を 持 つ の か 。 ガ ダ マ ー に 始 ま り、 ハ ー バ ー マ ス に よ っ て 締 め く く られ る こ の 論 集 は 、 そ う し た 挑 戦 に 応 え よ う と す る も の と な っ て い る 。
こ こ で は 、 こ の 連 続 講 演 の 最 後 に 登 壇 し た ハ ー バ ー マ ス の 議 論 に 触 れ て お こ う 。 「大 学 の 理 念 一 学 習 プ ロ セ ス 」(DieIdeederUniversitat‑Lernprozess)と 題 す る こ の 論 稿 の 中 で 、 ハ ー バ ー マ ス は ヤ ス パ ー ス を 基 点 に 、 シ ェ ル ス キ ー や パ ー ソ ン ズ ら の 大 学 論 、 リ ンガ ー ら の19世 紀 末 か ら20世 紀 初 頭 の ドイ ッ の 大 学 と 官 僚 制 を め ぐ る 研 究 、 そ し て 自 身 の1960年 代 末 の 立 論 も含 む 、 そ れ 以 後 の 大 学 論 の 稜 線 を 辿 り、 「大 学 の 理 念 」 の 凋 落 と そ の 必 然 性 を 追 っ た 上 で 、改 め て 近 代 の 大 学 の 出 発 点 に お け る 一 群 の 大 学 論 に 立 ち 返 る 。19世 紀 初 頭 の プ ロ イ セ ン 改 革 期 の 大 学 論 、 ベ ル リ ン 大 学 の 構 想 と か か わ っ て 展 開 さ れ た フ ィ ヒ テ 、 シ ュ ラ イ エ ル マ ッ ハ 、 シ ェ リ ン グ 、 フ ン ボ ル ト の 大 学 論(そ の 背 景 に あ る カ ン ト の 大 学 論)は 、19世 紀 末 か ら20世 紀 初 頭 に 「孤 独 と 自 由 」 に 象 徴 さ れ る フ ン ボ ル ト理 念 と し て 、当 時 の 拡 大 す る 大 学 に 対 し て 人 文 学 的 な 防 御 の 盾 の よ う に 持 ち 出 さ れ る 大 学 の イ メ ー ジ と は 大 き く 隔 た っ て い る 。 ハ ー バ ー マ ス は 、 近 代 の 大 学 論 の 出 発 点 と な る 諸 論 に 立 ち 返 り な が ら 、 「孤 独 と 自 由 」 と い う倭 小 化 さ れ た イ メ ー ジ に 囚 わ れ る こ と な くそ の 初 期 の 構 想 群 に 改 め て 光 を 当 て て い る 。 そ の 中 で ハ ー バ ー マ ス は 、 シ ュ ラ イ エ ル マ ッ ハ の お よ そ 次 の よ う な 言 葉 を 引 い て い る 。"学 的 な 認 識 の 努 力 は 、 何 よ り も ま ず そ の 知 を 伝 え 合 う こ と に 向 け られ て い る 。 認 識 が 、 言 葉 な し に 生 み 出 し得 な い と い う こ と が 、そ う し た 本 質 を 明 確 に 物 語 っ て い る 。そ う で あ る な らば 、そ う し た 認 識 へ の 衝 動 か ら、そ の 目 的 に 適 っ た 、 そ の 実 現 に 必 要 な す べ て の 結 び つ き 、 さ ま ざ ま な 種 類 の 意 志 の 共 有 、 活 動 の 共 同 体 が 、 形 成 さ れ て い く に 違 い な い 。"ハ ー バ ー マ ス は 、communityofinvestigation(探 究 の コ ミ ュ ニ テ ィ)と い う 言 葉 で そ れ を と ら え 返 し、 「こ の 考 え を い さ さ か の 感 傷 も 交 え ず に 支 持 す る 」 と述 べ て い る 。 近 代 の 大 学 の 出 発 点 に あ り,現 代 に お い て 「大 学 の 理 念 」 を 問 い 返 す と き に 基 軸 と な る 概 念 と し て ハ ー バ ー マ ス は こ の 提 起 を 選 択 し て い る 。
ハ ー バ ー マ ス の1986年 の こ う し た 「大 学 の 理 念 」 の 再 把 握 は 、 彼 自 身 の 社 会 理 論 、 公 共 性 ・民 主 制 を め ぐ る
80z1朋 観1、RゆoπNα1CenterfortheAdvancementofHigherEducation
NewsletterNo.022010.12.24
学 的 企 図 を 背 景 と し て い る 。 『公 共 性 の 構 造 転 換 』(1962)、 『認 識 と 関 心 』(1968)、 そ して1981年 の 『コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 的 行 為 の 理 論 』、 そ の 後 の 『事 実 性 と 妥 当 性 』(1992)を 通 じ て 、 ハ ー バ ー マ ス は 、 一 貫 し て 民 主 制 の 基 軸 と な る 省 察 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に よ る 秩 序 の 形 成 、 そ の 正 統 性 と 可 能 性 、そ し て 歴 史 的 な 展 開 を め ぐ っ て 問 い を 進 め て い る 。
そ の 問 い の 脈 絡 と こ こ で の 「大 学 の 理 念 」 の 再 把 握 は 直 接 結 び つ い て い る 。communityofinvestigation
と い う 言 葉 も 、 そ し て 「学 習 プ ロ セ ス 」 と い う 副 題 も ま た 、 開 か れ た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 、Publicな 学 習 プ ロ セ ス へ の 企 図 と の 関 連 を 意 識 し て 選 択 さ れ て い る と い え る だ ろ う 。 狭 い 意 味 で の 研 究 ・学 究 に 止 ま らず 、 よ り広 い 探 究 と 学 習 の プ ロ セ ス を も 含 む コ ミ ュ ニ テ ィ に 、 こ こで の 「大 学 の 理 念 」 を め ぐ る 問 い は ひ ら か れ て い る 。 学 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 共 同 体 と し て の 大 学 が 、 そ れ が よ り広 い 社 会 全 体 の 、 探 究 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 通 し た 社 会 形 成 の 可 能 性 の 震 源 地 と な り、 開 か れ た 基 盤 と な り、 そ し て そ の 省 察 と批 判 の 錘 と し て の 役 割 を 発 展 的 に 果 た し 続 け る こ と へ の 展 望 へ 、 ハ ー バ ー マ ス の 把 握 は つ な が っ て い る 。
※ こ の 論 文 は 、 ハ ー バ ー マ ス の 下 記 の 論 文 集 に 再 録 さ れ て い る 。JUrgenHabe㎜as,E伽 ル'3伽4θ η3α傭c肋 ηg, Suhrkamp,1987.
シ リー ズ 大 学 論
大 学 の あ り方 をめ ぐる歴 史 的 な 省 察 と展 望 の た め の 文 献2
戦 後 高 等 教 育 改 革 に お け る 「 教 養 」 の 理 念 南原繁 「 新 しい大学の理念」1951.4※
戦 後 教 育 改 革 の 中 で 、 高 等 教 育 の 改 革 は 、 中 等 教 育 ・教 師 教 育 の 改 革 と 並 ん で 教 育 改 革 の も っ と も重 要 な 柱 で あ っ た 。 改 革 案 の 策 定 の 中 心 と な っ た 教 育 刷 新 委 員 会 の委 員 長 で あ っ た 南 原 繁(当 時 東 京 大 学 総 長)は 、 と りわ け 高 等 教 育 改 革 に か か わ っ て 、 自 らそ の 理 念 と 組 織 に か か わ っ て 積 極 的 な 発 言 を 重 ね て い る 。 旧 制 高 校 の 廃 止 、 大 学 に お け る 教 員 養 成 の 実 現 と も か か わ っ て 各 県 に 国 立 大 学 を 設 置 した こ と、 そ して 戦 前 にお い て 専 門 課 程 の み を 置 い て い た 大 学 に 教 養 課 程 を 置 い た こ と は 、 そ の 改 革 の も っ と も 重 要 な 核 を な し て い る 。 こ の 改 革 に お い て 中 心 的 な 位 置 を 占 め た 南 原 が 、新 し い 大 学 、そ して そ こ で 新 設 さ れ た 教 養 教 育 に 何 を 求 め て い た の か 。南 原 の 大 学 論 ・教 養 論 は 、 大 学 の 理 念 が 見 失 わ れ て 久 し い と い わ れ る 現 状 の 中 で 、 大 学 の 理 念 の再 構 築 を 進 め よ う とす る と き 、 ま ず 立 ち 返 る べ き 道 標 で あ る 。 南 原 は 戦 中 ・戦 後 を通 じ て 、 大 学 に お け る 「演 述 」 と い う形 で 、 ま た 論 稿 と して 繰 り返 し大 学 の あ る べ き 姿 、 役 割 に つ い て 語 っ て い る が 、 こ こで は1951年4月12日 の 日付 の あ る 「演 述 」 を取 り上 げ る こ と と し た い 。 前 年 の 夏 に は 、 自 ら委 員 長 を 務 め た 教 育 刷 新 委 員 会 、 そ れ を 引 き 継 ぐ教 育 刷 新 審 議 会 が122回 に お よ ぶ 会 議
を経 て 、 最 終 報 告 書 を ま と め 終 え て い る 。
こ の 「演 述 」 の 中 で 、 南 原 は 入 学 生 を 前 に 、 新 し い 大 学 の 使 命 に つ い て 次 の よ う に 語 っ て い る。
い まや 、 大 学 にお け る学 問 の研 究 は、 大 学 令 に あ っ た ご とき 、 もは ら 「国 家 のた め 」 で は な い。 新 憲 法 に よ り、 学 問 と思 想 の 自 由 は完 全 に保 障 さ れ て い る。 わ れ わ れ は 、 い か な る問 題 を、 いか な る立 場 か ら、 いか な る方 法 に よ っ て 研 究 し よ う と も、 自 由で あ る。 そ れ は 現 実 の政 治 社 会 問題 につ いて も、 そ うで な けれ ば な らな い。
要 は 、 真 理 の大 胆 な追 究 で あ る。 わ が 国ば か りで な く、 第 二 次 世 界 大 戦 を境 と して 、 人 類 は 新 しい時 代 に踏 み入 っ た ので あ る。 そ こ に は、 い ま ま で に経 験 した こ との な い 、 多 くの 新 し い問 題 学 、 各 専 門 の科 学 の あ らゆ る領 域 に現 れ て 来 て い る。 こ の歴 史 や 文 化 の 尖端 に立 っ て、 ま さ に 時 代 の 問 題 と取 り組 む と こ ろ に、 大 学 の新 し い任 務 が あ り、 わ れ わ れ が こ の任 務 を よ く果 た し得 るか 否 か に よ って 、 大 学 の価 値 が 決 定 され るで あ ろ う。
か よ う に して 大 学 が か つ て の よ うな、 国 家 の 一 機 関 と して 、 国 家 目的 に奉 仕 す る と い う束 縛 か ら解 放 され た が、 他 方 に、 大 学 にお け る研 究 と教 育 は、 結 局、 人 類 と社 会 の た め で あ る こ と を、 わ れ わ れ は 忘 れ て は な らな い。 日本 の大 学 、 過 去 にお いて 、 多 かれ 少 か れ、 社 会 の現 実 と民 衆 生 活 か ら遊 離 して 、 ア カ デ ミズ ム に 閉 じ こも る傾 向が あ っ た こ
とは 、 否 み 難 い事 実 で あ る。 そ れ に も、 な お汲 む べ き 意 義 の あ る こ と を、 わ れ わ れ は 知 って い る。 しか し、 同 時 に、
わ れ わ れ に、 も っ と大 学 の社 会 的意 義 と社 会 的 責 任 を 自覚 す る 必 要 が あ る。 新 た に国 民 の大 学 と して、 い ま や敗 戦 に よ り根 底 か ら破 壊 され た、 国 民大 衆 の物 質 的 並 び に 精 神 的 生 活 の 回 復 と向 上 と に、 役 立 つ こと も、 大 学 に一・つ の任 務 で あ る。
専 門 教 育 と 一 般 教 養
これ らの 専 門 的 知 識 は 、 い か ほ ど分 化 し、 これ を掘 り下 げ て も、 な お 足 りぬで あ ろ う。 そ れ に よ っ て近 代 科 学 の発 展 が な され て 来 た の で あ る。 だ が、 忘 れ た な らぬ の は 、 これ ら各 専 門 の 未 分 化 の基 底 で あ る。 これ を忘 れ て 、 近 代 の 科 学 や 文 明 が あ ま りに専 門化 し、 技 術 化 し、 つ い に 人 類 の 生 活 目標 を見 失 う に至 った ので あ る。 近 代 の病 弊 は、 概 し て 、個 々 の 専 門 的 知 識 や 職 業 的 技術 は あ る が 、根 底 にお いて 、そ れ 生 か す 人 間 の 智 慧 が か け て い る とい う こ とで あ る 。 か よ うな 弊 害 と、 そ れ に対 す る編 成 とは、 い ま 世 界 に 共 通 の 現 象 で あ って 、 各 国 の大 学 にお いて も、 多 少 と も、 同
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NewsletterNo.022010.12.24
様 の見 地 か ら、 改 革 が 攻 究 され つ つ あ る。 殊 に、 わ が 日本 の 教 育 改 革 にお いて 「一 般 教 育 」 を大 学 の課 程 の 中 に取 り 入 れ た のは 、 そ の理 由 に 因 る ので あ って 、 けだ し、 新 制 大 学 の大 きな 特 徴 と いわ な けれ ば な らな い。(中 略)
た だ そ の こ と は、 現 在 の新 大 学 制 に お い て、 一 般 教 養 科 目定 と して 採 用 され て い る科 目 の配 置 や 単 位 数 が 、 そ の ま ま完 全 で あ って 、 わ れ わ れ もそ れ で満 足 して い る とい うわ け で は な い 。 現 在 の は 、 う し ろ多 彩 な 羅 列 か、 せ いぜ いそ の 間 の均 衡 に重 きが 置 か れ て い る ご と くで あ る。だ が、重 要 な のは 、そ う した 多 様 の 間 の 連 関 と総 合 で あ っ て 、 自然 ・ 人 文 ・社 会 相 互 に協 力 し、 人 間 と世 界 につ いて 、 も ろ も ろ の価 値 や 理 念 を把 握 す る こ とで あ る。
将 来 、 新 し い民 主 日本 を背 負 っ て 立 つ 人 間 の 形 成 と、 大 胆 な 追 究 を も って 、 ま さ に時 代 の 問題 と の対 決 を、 お の が 任 務 と して 引 き受 け て い る新 しい大 学 の使 命 は、 き わ め て 重 い 。 大 学 が よ く こ の使 命 を果 た す と き、 そ れ は祖 国 日本 の 再 生 で あ るば か りで な く、 狂 乱 怒 濤 の 世 界 へ の 寄 与 で あ るで あ ろ う。1さ らば 、 諸 君 、 現 在 わ れ わ れ を取 り囲 む 物 質 的 ・精 神 的 の多 く の困 難 と障 害 に耐 えて 、 諸 君 が 新 し い大 学 生 活 の逞 し い一 歩 を歩 み 出 され ん こ と を望 む 。
新 しい 形 で の 国 家 シ ス テ ム 的 統 制 、 仮 借 な く競 争 的 に 進 む 専 門 分 化 、 そ して さ ら知 識 社 会 ・知 識 基 盤 社 会 に お い て さ ら に重 要 とな り大 き くな る 大 学 の社 会 的 な 役 割 。 南 原 が 新 制 大 学 の 使 命 ・教 養 の 理 念 と し て 挙 げ て い る こ とが
ら は 、 今 も な お 、 さ ら に 先 鋭 化 さ れ た 形 で 現 代 の 大 学 の課 題 、 大 学 教 育 の 課 題 と し て あ り続 け て い る 。(Y)
※ 引用 は 南原 繁 『文 化 と国 家』(下)東 京 大 学 出 版 会1957,(pp.349‑448)よ り。 『南 原 繁 著 作 集 』第7巻(岩 波 書 店)に も収 録 され て い る(pp.391‑400)。 政 治 思 想 史 を専 門 とす る南 原 は、 「カ ン トにお け る国 際 政 治 の理 念」 の研 究 を そ の 学 的 な 探 究 の 起 点 と して い る。 フ ィ ヒテ の政 治 哲 学 の研 究 を進 め、 晩年 に はギ リシ ア か らル ネ サ ンス 、 近 代 、 そ して フ ァシ ズ ム に至 る政 治 思 想 の歴 史 的 な 展 開 を眺 望 す る 「政 治 思 想 史 」 を ま とめ て い る が、 終 始 一 貫 して、 カ ン トを そ の 歴 史 的 眺望 と省察 に お け る 判 断 の 基 軸 と して い る。
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