スコ社の事例からFIT制度を考える
著者 小川 沙有里
雑誌名 經濟學論叢
巻 64
号 1
ページ 145‑177
発行年 2012‑07‑20
権利 同志社大學經濟學會
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000013734
【研究ノート】
木質バイオマス発電の意義と課題
*―ファーストエスコ社の事例から FIT 制度を考える―
小 川 沙 有 里
は じ め に
近年の日本では,地域分散型の再生可能エネルギーへの期待が高まり,バ イオマスもエネルギー源として注目されている.バイオマス・エネルギーに は様々なものがあるが,本研究ノートでは,木質バイオマスを燃料とする発 電に着目する.なぜなら,日本は森林率67%という森林大国でありながら,
林業不況のために山村経済が振るわず,森林整備も不十分で,木質バイオマ スの過少利用ともいえる状態にあり,それを発電に利用することは,そうし た現状を打破する一つの方法と考えられるからである.
目下の日本で実際に稼動している木質バイオマス発電施設の多くが森林整 備と結びついているというわけではないが,その方向に進み始めている民間 企業や協同組合の発電施設もある.
日本では1970年代,80年代に木質バイオマス発電に取り組む民間企業が
* 本研究ノートの土台となっている現地見学とインタビューに際しては,突然の訪問であった にも関わらず快く対応してくださった佐藤祐二さん(株式会社日田ウッドパワー日田発電所運 転主任),見学時に加えその後の電話取材にも丁寧に応じてくださった安藤実さん(株式会社白 河ウッドパワー総務グループマネージャー),長時間にわたり取材に応じてくださった日下田伸 さん(株式会社ファーストバイオス代表取締役社長)にたいへんお世話になりました.記して 感謝申し上げます.また,本研究ノートの作成にあたり,中川清先生(同志社大学大学院総合 政策研究科),室田武先生(同志社大学経済学部)には貴重な助言をいただきました.心より御 礼申し上げます.
現れるが,それは主として合板工場や製材所においてであり,原木を加工す る段階で発生する端材,プレーナー屑(鉋屑),バーク(樹皮)などを産業廃棄 物扱いせず,自家火力発電の燃料として活用するタイプのものであった.つ まり,「燃料自家発生型」の発電であり,この場合,電気は副次的に発生する ものである.これに対し,2002年頃から,燃料としての木質バイオマスを外 部から購入し,発生電力を他社に売電することそれ自体を事業とする企業が 続々と登場してきている.言い換えれば,「燃料購入・売電型」の企業群の出 現である.
「燃料自家発生型」企業では,発電の目的は,業務に伴って副生する木質バ イオマスを燃料として火力発電を行い,電力会社から購入するはずの電気を,
全部か,あるいは部分的に自給することにより,電気の購入費用を節約する ことにある.このため,木質チップなどの燃料市場における燃料価格の変動 から直接の影響を受けることがない.しかし,「燃料購入・売電型」企業にお いては,採算は燃料価格の変動に大きく左右され,経営は不安定になりがち である.また,発生電力を1kWh当り何円で他社に売電することができるのか,
という売電単価にも経営が左右される.
本研究では,そのような意味でリスクを伴う「燃料購入・売電型」事業の 先駆者である株式会社ファーストエスコ(東京証券取引所マザーズ上場,コード
番号9514)に着目し,その歴史を明らかにした上で,経営上の困難,克服すべ
き課題などを論じる.研究方法は,同社の子会社である日田ウッドパワー(大 分県)と白河ウッドパワー(福島県)の木質バイオマス発電所の現場見学およ びその後の電話取材,東京本社でのインタビュー,文献調査,インターネッ ト検索である.
この分野の先行研究としては,遠藤(2006),江藤・佐々木(2010),伊東
(2011),小川(2010),久保山(2006,2009),工藤・大木・斉藤(2001),熊崎(2000,
2005,2009),竹内(2009)などがある.
木質バイオマス発電を取りまく法制としては,主なものとして,2002年6
月に公布,同年12月に一部施行され,翌2003年4月に全面施行された「電 気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(略称RPS法),お よび2011年8月に公布され,2012年7月に施行される「電気事業者による 再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(略称 FIT法)がある.
本研究は,これら二つの制度に注目してファーストエスコの経営の現況と今 後を検討する.
1 ファーストエスコの創業とグリーンエナジー事業 1. 1 株式会社ファーストエスコの創業理念
ファーストエスコは,英語名をThe First Energy Service Companyという.
この名称の意味は,日本で最初にエネルギー・サービス事業を営むことにし た会社,という意味である.より具体的には,省エネルギー支援サービス事 業を営むものとして1997年に創業したが,その後,そのノウハウを活かした グリーンエナジー事業にも取り組むことを決め,今日に至っている.
ある事業者が電気事業を営むことそれ自身を目的とするのではなしに,コー ジェネレーション(熱併給発電)などの省エネルギー技術の採用を他の事業者 に提案し,省エネルギーによる他の事業者の費用削減が実現すれば,その費 用削減分を利益と考え,利益を他の事業者と当該事業者とで分かちあう.こ れをshared savingsという.
そのような事業が成立可能であることは,1980年代後半以降のアメリカに おける需要管理制度(demand side management,以下DSMと略)の試みで立証さ れてきたことである.電力需要の拡大を放置すれば,電気事業者はそれに応 じた設備増強を図らなければならない.しかし,そのためには巨額の資金が 必要である.それを回避するには,省エネルギー,ないし節電が進めば対応 できるかもしれない.そこで,何らかの仲介者がいて,消費者に省エネルギー 機器の購入を勧め,その購入費用の一部を電気事業者が負担することを提案 する.そのための支出合計が,回避できた巨額の設備投資額より小さいならば,
そこには正味の利益が生まれることになる(室田,1993).しかも,当該事業 者単独の金銭的な利益にとどまらず,社会全体としての省エネルギーにも貢 献し得る.このアメリカのDSMは,1990年代には,日本においても一部の エネルギービジネス関係者の間で大いに注目された.
ファーストエスコの創業も,そのような社会経済的情勢の下でなされたの であるが,筆者は,同社の創業理念などを知る以前の2008年に,大分県と福 島県にある同社の子会社の木質バイオマス発電所を見学している.その際の 見聞については第2節で詳しく述べるが,本節では,先ず同社の設立経緯を 見る.
設立経緯の理解のために,筆者は,結果的には東日本大震災直前というこ とになった2011年2月下旬にファーストエスコの東京本社を訪ねた.取材に 際しては,日下田伸氏(当時,ファーストエスコのグリーンエナジー部門を担う,
株式会社ファーストバイオス代表取締役社長)が質問に答えてくださった.氏によ ると,ファーストエスコの創業に先立って,日本総合研究所(以下,日本総研 と略)でのカーボン・マネジメント(carbon management),すなわち二酸化炭素 排出削減で利益を産むような企業経営に関する勉強会があったという.ここ ではコンソーシアム方式が用いられ,エネルギー・サービスという省エネル ギー・モデルを勉強し,それを実践する場として,ファーストエスコが創業 することになった.省エネルギーというと環境保全が連想される場合がある が,それ以前のこととして,これが実現すれば金銭的な利益が現実に得られ るのであり,その結果として自然環境等の改善が期待できる.「環境と経済の 両立」が同社の理念である.
日下田氏のお話にあったコンソーシアムとは異業種連合のことであり,
ファーストエスコの創業に先立つ事業形態であった.創業者は筒見憲三であ るが,建築工学を学んだ彼は,日本総研に勤務していた時期にエネルギー・サー ビス事業(ESCO)に取り組み始めた.先ず,15社の大手異業種企業に勤務す る仲間を集め,エネルギー事業に関する研究に取り組み,最終的には8つの
大手企業から出資を仰ぎ,環境と経済の両立を実現する事業を構想し,1997 年5月27日,株式会社ファーストエスコを設立した.当初は,社員全員が別 の企業の社員であり,各々が自分の所属する会社に勤務しつつ,他の仕事も こなしながら会社立ち上げに参加するという方式であった.そして,事業が 軌道に乗り始めた2000年,ファーストエスコは日本総研から完全に独立し,
専業の社員を雇用する通常の株式会社へと転じた.
1. 2 RPS法とファーストエスコのグリーンエナジー事業
以上で見たように,当初はエネルギー・サービス事業として出発したファー ストエスコであるが,数年後には,グリーンエナジー事業も手がけることを 検討し始めた.このグリーンエナジー事業とは,売電目的の木質バイオマス 発電所を管理・運営することを業務の一部とすることを意味する.
日下田氏のお話によると,発電事業への取り組みとして再生可能エネルギー に着目したファーストエスコが,風力発電や太陽光発電ではなしに,木質バ イオマス発電を選択したのは,同社にはコージェネレーションなどの省エネ ルギービジネスの技術・ノウハウの蓄積があったことによるという.また,
建築廃棄物など,発電のための燃料は安価に購入できるだろう,という期待 もあったとのことである.氏によると,木質バイオマス発電への取り組みに 関しては,もう一つの背景もあり,それは,電気事業者に対し,新エネルギー 等とも呼ばれる再生可能エネルギーを用いた発電による電気を一定割合以上 利用することを義務づけたRPS法の成立を見込んでのことであったという.
結果を述べれば,RPS法に基づく買取価格,この場合,木質バイオマス発電 によりつくられた電気の買取価格は,当初,関係者の間で予測されていたよ りもはるかに低く,ファーストエスコ側の見込みを大きく下回るものであっ た.しかしながら,RPS法の施行は同社がこの事業に踏み切った一つの大き な動機であることに変わりあるまい.そこで以下では,この法律の概略を述 べる.
RPS法は「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(平 成14年6月7日法律第62号)を正式名称とする法律の略称であり,RPSとは Renewables Portfolio Standardの頭文字である.この法律は,2002年6月に公 布され,同年12月に一部施行され,翌2003年4月に全面施行された.同法 のいう「新エネルギー等」とは,風力,太陽光,地熱,中小水力,バイオマ スであり,最近の法律用語や日常用語で再生可能エネルギーといわれるもの と一致している.
このRPS法でいう電気事業者とは,電気事業法が定める「一般電気事業者」,
「特定電気事業者」,「特定規模電気事業者」のことである.ここで「一般電 気事業者」とは,一般(不特定多数)の需要に応じて電気を供給する者で,北 海道電力から沖縄電力に至る10社のことである.「特定電気事業者」と「特 定規模電気事業者」は,電力10社による地域独占を部分的に緩和する1999 年の電気事業法改正によって事業が可能になったものである.ここで「特定 電気事業者」とは,限定された区域に対し,自らの発電設備や電線路を用い て電力供給を行う事業者である.「特定規模電気事業者」とは,契約電力が 50kW以上の需要家に対して,一般電気事業者が有する電線路を通じて電力供 給を行う事業者のことである.
特定規模電気事業者は簡略にPPSと呼ばれるが,PPSとはPower Producer
and Supplierの略である.なお,PPSの要件である契約電力の大きさについて
は,法の制定当時は500kW以上の需要家に対する供給とされていたが,その 後改正され,2011年現在では50kW以上となっている.
RPS法においては,国が4年ごとに8年間分の「利用目標量」を定め,各 電気事業者の電気の供給量に応じて,基準利用量の割り当てを行なう.その 利用目標量は2010年度に122億kWhと見積もられた.
個々の電気事業者が達成しなければならない基準利用量を義務量ともいう が,それを達成するために,電気事業者は,経済性などを考慮して以下の三 つの方法の中から自らにとって最も有利な方法を選択することができる:
(1) 自ら発電した新エネルギー等電気を利用する方法.
(2) 他の電気事業者から購入した新エネルギー等電気を利用する方法.
(3) 他の電気事業者から新エネルギー等電気相当量を購入する方法.
上記(3)でいう「新エネルギー等電気相当量」は,別名「RPS相当量」と もいい,法の定めに従い電気の利用に充てる,もしくは,基準利用量の減少 に充てることができる量のことである.これは,(1)の方法で義務量の達成が できない場合,もし他の電気事業者が地理的に近いところにいれば,一般電 気事業者間での電力の融通と同様なやり方で不足分の購入ができるが,その ような条件が整っていない場合でも,直接に関係のない遠方の電気事業者か ら電子決済の方法で電気相当量を購入できるというものである.この意味で の「RPS相当量」は,新エネルギー等電気の持つ「環境価値」であると解釈 できる.他方,電気事業者間で上記(2)の意味で取引される電気の通貨価値 を「電気価値」といい,RPS相当量の通貨価値を「RPS価値」という.
なお,電気事業者,あるいはその他の発電事業体が新エネルギー等発電設 備を保有し,この法律が認める設備であることに伴う補助金申請などの特典 を得ようとする場合について,同法第9条は,「新エネルギー等を電気に変換 する設備を用いて発電し,又は発電しようとする者は,経済産業省令で定め るところにより,次の各号のいずれにも適合していることにつき,経済産業 大臣の認定を受けることができる」としている. そこでの各号とは
一 当該発電し,又は発電しようとする者が設置し,又は設置しようとす る当該新エネルギー等を電気に変換する設備が経済産業省令で定める基 準に適合すること.
二 その発電の方法が経済産業省令で定める基準に適合すること.
である.この認定を受けた設備は「RPS認定設備」と呼ばれる.
ここでファーストエスコの場合を見ると,同社は,グリーンエナジー事業 を展開する方式として三つの子会社を立ち上げ,各々が木質バイオマスを燃 料とする火力発電を実行することとした.そして,各々の発生電力を親会社 としてのファーストエスコが購入し,後に特定規模電気事業者(PPS)として その電気を希望する企業等に小売りする,という方式である.
そうした判断の下に同社が立ち上げたのが,株式会社岩国ウッドパワー
(2003年9月設立),株式会社白河ウッドパワー(2004年2月設立),株式会社日 田ウッドパワー(2004年2月設立),の3社であり,いずれも同社が100%出 資した会社である.それら3社の設立直後,すなわち2004年3月に,同社は PPSとして経済産業省に届出をした.そして,3社の蒸気タービン方式の木 質バイオマス発電所が,各々2005年1月,2006年7月,同年9月に運転を 開始した.そして,運転開始とほぼ同時期にRPS認定設備として経済産業大 臣の認定を受けている(第 1 表参照).
2 木質バイオマス発電の現場を訪ねて
筆者は,同社の東京本社訪問以前の2008年に,それらのうち先ず日田ウッ ドパワー,次に白河ウッドパワーを訪ねていたので,本節ではそれらの木質 バイオマス発電の現場について述べる.
(備考) 経済産業省バイオマス認定設備一覧(2010年3月31日までに認定された設備)より作成.
第 1 表 PPSとしてのファーストエスコ傘下の三つの木質バイオマス発電会社 名 称 所在地 発電出力
(kW) 運転開始年月日 RPS認定日
㈱岩国ウッドパワー 山口県岩国市 10,000 2005年1月5日 2005年1月5日
㈱白河ウッドパワー 福島県白河市 11,500 2006年7月10日 2006年7月5日
㈱日田ウッドパワー 大分県日田市 12,000 2006年9月1日 2006年7月21日
2. 1 日田林業の地に立地する日田ウッドパワーの火力発電所
2008年9月,筆者は,大分県日田市に立地する日田ウッドパワーの発電所 の現場を訪ねた.そこでは,発電所運転主任の佐藤祐二氏が詳しい説明をし てくださった.
はじめに日田市について簡単に述べておくと,この市は県の西部に位置し,
総面積は6万6,610ha,森林面積は5万5,887haである.林野率が84%と高く,
そのうち民有林が5万3,516ha(96%)を占める.スギの生育に適した風土と 江戸時代からの挿木の奨励により,日本三大林業地と呼ばれるほど林業が発 展してきた歴史をもつ.そして,現在においても基幹産業として林業や製材 業が根強く残っている.
日田市の木質バイオマスについて見ると,製材所等の残材としてバークが 30,502t/年,プレーナー屑が33,954 t /年,端材が27,096 t /年発生する.建築 発生木材は1,416 t /年,林地残材は21,143 t /年の発生量である.それらの利 用法としては,固形燃料化(木質ペレットの生産),堆肥化,製紙用チップの製造,
発電用燃料チップの製造,木製品加工(ウッドトレイなどの製造)が考えられる.
木質バイオマスに関する取り組みとしては,JR日田駅からさほど遠くない 東有田地区に,木材に関連する事業者がウッドコンビナート(高度総合木材加 工団地)を形成している.木材専焼火力発電所である日田ウッドパワーはそこ で操業している.また,この発電所に燃料供給を行なう株式会社九州ウッド マテリアル(以下,ウッドマテリアルと略)や,バークペレットを事業者向けに 製造している株式会社フォレストエナジー日田(小川,2009)もその地区にある.
第1表に示したように2006年9月に運転を開始した日田ウッドパワーの発 電出力は12,000kWであり,うち10,000kWについては売電し,残りの2,000kW を所内動力に用いている.売電先は九州電力ではなく,PPSに認定されてい る親会社のファーストエスコである.要するに,日田ウッドパワーが発電し た電力は,ファーストエスコに卸売りされている.その際の卸売価格は,九 州電力に直接販売する場合よりも高く設定されている.送電線は九州電力の
ものを借用しており,その費用については折半である.
発電所の敷地面積は20,440m2,総事業費は45億円である.燃料である木質 チップの使用量は年間約10万t(300 t /日)である.発電効率は27%で,およ そ1万世帯の一般家庭の電力を賄える.この発電効率は木材火力発電所とし ては高い水準といえる.設備の中心となる循環流動床ボイラーが木質チップ のもつエネルギーを高い燃焼効率で引き出し,無駄の少ない運転を実現して いるためである.
日田ウッドパワーでの発電の際の燃料について見ると,その調達先は隣接 するウッドマテリアルおよび解体業者や製材所である.そのうち,ほとんど はウッドマテリアルからの調達といってよいが,自前で木質チップの形状に 破砕している事業者に限り,大型トラックでの直接の搬入を許可している.
日田ウッドパワーが調達するこれらの燃料は,7割が建築廃材に由来するも ので,残りの3割が生木である.
生木は含水率が高く,燃料カロリーも低いため,発電燃料としては低品質 である.一般的にいって,建築廃材は質の良い部位については製紙会社が購 入するというのが日本のおおかたの現状であるが,日田ウッドパワーの場合,
近郊地域に大規模な製紙会社は存在しないため,燃料の質は全体としてまず まずといっていい.なお,燃料の収集状況は,筆者の訪問時には当初の予定 の8~9割であり,フル稼働を維持できる程度にはあるということだった.
ここで,先述のウッドマテリアルについてやや詳細を述べておくと,同社 はファーストエスコが業務提携をしている日本樹木リサイクル協会の加盟企 業であり,日本樹木リサイクル協会と同協会の加盟企業である株式会社モリ ショウ,飯森木材株式会社の出資により設立された.
ウッドマテリアルの主な事業内容は燃料用木質チップの製造と,日田ウッ ドパワーへの燃料供給である.このうち木質チップの製造工程は,①選別,
②破砕機にかけ,50mm以下の大きさにする,③建築廃材などに混入してい る金属類を取り除く,④大きさごとに選別,⑤再び残っている異物を取り除く,
⑥日田ウッドパワーへ搬出される,である.こうして一定の品質を満たした 木質チップが日田ウッドパワーで燃料として用いられている.この一連の工 程は,発電所の発電効率にも影響してくることであり,重要な点である.ま たこの木質チップは,ベルトコンベアで日田ウッドパワーに供給されている.
これにより輸送コストの大幅な削減を実現している.
ウッドマテリアルが扱う原料の調達先についても見ておくと,全体のうち 8割については,同社を基点として100km圏内の地域,例えば長崎県や熊本 県等の解体業者などからチップの形状で買い取り,残りの2割はウッドコン ビナート内や日田市近郊地域の製材所などから木屑のかたちで持ち込まれる とのことであった.
日田ウッドパワーは,産業廃棄物の中間処理事業の資格は取得しておらず,
ある程度の大きさに破砕処理された木質チップ状のものしか受け入れること はできない.ただし,2007年1月から燃料として樹皮の受け入れを開始して いる.日田市では,原木市場や製材所から出るスギなどの樹皮が大量に発生 しており,その廃棄処理が問題となっていた.そのことを理解していた日田 ウッドパワーは,当初,バークを燃料として受け入れることも検討したが,バー クは燃料搬送設備で詰まりや絡まりを生ずるなど,使用困難であることが判 明した.しかし,同発電所は雇用者のほとんどを地元から採用するなど,創 業以来地元密着型の事業所として操業してきた.地元以外の採用者は発電所 の運転技術に関わる熟練工であり,地元採用の若手の育成にも力を入れてい る.従業員の年齢は20代後半から60代前半までバランスのよい構成となっ ている.
そのため,地元貢献のためにもなんとかバークの燃料化を可能にしたい と研究を重ねた.その結果,皮むき機から発生したバークを,切断機で約 50mmに切断したものであれば,バークの搬送方法を工夫することによって 設備に障害を起こすことなく燃料として使用できることが判った.このため,
2006年12月から樹皮の試験的な投入を行ない,2007年1月の受け入れ開始
に至ったのである.
日田ウッドパワーは毎年の事業収入を10億円と見込んで運営している.こ のうちの2~3割が燃料費に充てられ,残りの一部で総事業費45億円の返済 を行なっている.現地訪問時の2008年現在の段階では収支は相半ばしている とのことであった.
火力発電所といえば,ふつう煤煙や騒音の問題が予想されるが,日田ウッ ドパワーの場合,立地点が人家からかなり離れていること,日田市と事前に 公害防止の協定を結んでいることなどから,少なくとも筆者の現地訪問時ま でには問題は起こっていないようである.
2. 2 白河ウッドパワーの発電現場と周辺地域の特徴
日田ウッドパワーの現地見学に続き,筆者は,2008年11月に福島県白河 市を訪ねた.これは,白河ウッドパワー大信発電所を見学するためであった.
応接してくださったのは,白河ウッドパワー総務グループマネージャーの安 藤実氏である.以下では,その際に明らかになった木質バイオマスをめぐる 新しい動きについて述べる.
白河ウッドパワーは福島県南部にある旧西白河郡大信村に位置し,現住所 としては白河市に所在する.同社は木質火力発電を専業として,発電所名は 大信発電所である.日田ウッドパワーと同じく株式会社ファーストエスコを 親会社としており,発電出力11,500kWでその他設備の仕様は日田ウッドパ ワーと大差はない.しかし,施設が立地する地域環境や燃料源となる木質チッ プの質において大きな違いがある.日田ウッドパワーでは供給される燃料の うち8割が建築廃材であり,残りの2割が生木であるのに対し,白河ウッド パワーでは生木8割,建築廃材2割という割合となっている.
ちなみに山口県の岩国ウッドパワーの事情も白河の場合と似ているという ことである.生木は含水率が高いため燃焼効率が悪い.安藤氏によれば,梅 雨時においては1日に500 tを超えて燃焼させたこともあるという.日田にお
けるそれの約1.5倍にあたる.
供給される燃料の多くが生木であることの原因は,近隣に製紙業を中心と する木質バイオマスボイラーを使用している施設が多く点在していることに ある.そのことが白河ウッドパワーの燃料調達を難しくしている.
白河ウッドパワーのある福島県には,いわき大王製紙株式会社の工場(新 聞用紙・段ボール原紙の製造)があり,いわき市に立地している.同社では既に 2001年から建築廃材や剪定木をチップ化したものを主燃料とするボイラー設 備(蒸発量=毎時65 t)が稼動している.そのボイラーでは,混焼材としてRPF(再 生困難な古紙と廃プラスチックを原料とした固形燃料)やペーパースラッジ(紙の 原料とならなかった微細繊維を製紙工程で排出し,脱水処理したもの)も利用してい る.2006年からはより蒸発量の大きい(蒸発量=毎時170 t)バイオマスボイラー も稼動し始めている.このボイラーも,木質チップを主な燃料として,ほか
にRPF,廃タイヤチップ,ペーパースラッジ等を混焼している.
また,同県北側に隣接する宮城県の石巻市には日本製紙株式会社の石巻工 場があり,2006年10月に木屑廃材を主な燃料とした流動床ボイラーを設置 した.さらに,県西側に隣接する栃木県宇都宮市白沢町には王子製紙株式会 社のグループ会社である王子板紙株式会社の日光工場が立地している.筆者 の白河ウッドパワー訪問時には,そこでも同様に木質チップを主燃料とする バイオマスボイラーを2008年12月末までに稼動させる計画があるとのこと であった.
この計画のその後の展開を確かめるための電話取材(2011年4月11日)に よれば,このボイラーは2008年11月から稼動し始め,3月11日の地震によっ ても損傷はなく,2週間ほどの安全点検を経て順調に稼動しているとのこと である.
現地訪問で聞いた際には,栃木県佐野市(旧・安蘇郡葛生町)においても住 友大阪セメント栃木工場が,木質チップを主燃料に用いる内部循環流動床式
のバイオマス発電設備(発電出力:25,000kW)の設置を準備中であり,2009年 4月からの運転を目指しているとのことであった(その後の筆者の調査では,予 定通り2009年4月から本格稼動を開始している).その発電設備は,年間約10万 t以上の木質チップのほか,石炭2万8000 t,タイヤチップ4000 tを利用する とのことである.同工場を中心に,半径100km圏内を基本的なチップ調達エ リアに想定し,処理業者やチップ業者などとの提携を進めている.この計画 では廃木材チップを主燃料に想定しているものの,廃材自体の受け入れの事 業化も検討しており,林地残材など未利用木材の活用についても念頭におい ているといい,これも白河ウッドパワーの抱えてきた問題の一つである.
このように,白河ウッドパワーの周辺地域には燃料調達において競合関係 にある事業者が多く点在している.以上の事業者の多くは製紙業者であり,
そこにはパルプ製造の原材料として質の良い木材が供給される.そのため,
白河ウッドパワーに集まってくるのは含水率の高い生木や山砂を多く含む抜 根材となってしまう.
同発電所へはいくつかの森林組合からの訪問があり,間伐材をはじめとす る林地残材を利用しないかという交渉があったというが,同社の場合,間伐 から運送というルートの確立に伴う,人材,重機やトラックの調達というよ うなコストを考えるとそれは現実的ではないということである.そもそも白 河ウッドパワーに中間処理事業者としての資格はなく,制度上も原木は受け 入れることができない.
燃料となる木質チップの調達先は株式会社バイオネンサービス(2010年より,
ファーストバイオスに社名変更)というファーストエスコ100%子会社で,白河 ウッドパワーに安定的な燃料調達を行なうため,ファーストエスコと特別非 営利活動法人日本樹木リサイクル協会に加入している三つの事業者で2008年 1月に設立したものである.具体的には株式会社ミツヤマグリーンプロジェ クト(白河市),奥田商事運輸有限会社(栃木県那須塩原市),ナイスクリーン株 式会社(宮城県仙台市)である.燃料チップの供給はこれまでミツヤマグリー
ンプロジェクトが担ってきたが,先に述べたように周辺地域に他業種ではあ るが競合する事業者が増えたことや2007年6月の建築基準法改正の影響で解 体物件が減ったことから,より安定的な供給スキームを組むことが必要だと して株式会社バイオネンサービスを立ち上げた(2010年4月に株式会社ファース トバイオスへと社名変更).出資比率は白河ウッドパワーが66.8%,ミツヤマグ リーンプロジェクトが20%,奥田商事運輸が6.8%,ナイスクリーンが6.6%
である.
木質チップを燃焼させた後,当然のことながら大量の灰が残る.原料とな るチップの含水率が高いため,焼却灰の量も増えてくる.産廃処理額は各々 の地域によって格差があるにせよ,日田ウッドパワーと比べると産廃処理に かかる費用はおよそ2倍である.地元の農業関連の事業者からは堆肥として 使用したいという要望もあるが,原料の木質チップはもともと産業廃棄物で あるため,安全性の面から個人に簡単には販売することはできない.そのた め現状では,セメント業者に産業廃棄物扱いで有価で引き取ってもらってい る.燃料購入費よりも燃焼灰の処理費の方が高くついてしまう.白河ウッド パワーではこの焼却灰の有効利用法を検討してきたが,その詳細については 小川(2009)に譲る.
なお,現地調査は行なっていないものの,山口県に立地する岩国ウッドパ ワーにもふれておくと,これは,第1表に示したように日田ウッドパワー,
白河ウッドパワーよりも一足先に運転を開始している.木質バイオマス専焼 の火力発電所であり,事業内容や設備等は日田,白河と大差ない.その概要 を述べておくと,発電燃料の調達先はファーストエスコが業務提携をしてい る日本樹木リサイクルセンターの加盟企業である飯森木材株式会社である.
年間9万tの木質バイオマスを調達,利用してきた.岩国ウッドパワーでつ くられた電力は,中国電力の送電線を借りて送り,最終的には関西電力に販 売するかたちをとってきた.
3 RPS法からFIT法へ
3. 1 FIT法と木質バイオマス発電
民主党政権は,再生可能エネルギーの利用拡大に熱心であり,そのための 制度として再生可能エネルギーを用いた発電に関し,その発生電力の固定価 格買取制度を重要視してきた.そうした政権の意向を受けて,経済産業省は 2009年11月からその法制化を検討し始め,2010年8月に制度の大枠を発表 し,翌2011年の1月には,総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会・電 気事業分科会買取制度小委員会報告書が発表された.これに基づいて法案が まとめられ,3月11日の午前中,「電気事業者による再生可能エネルギー電 気の調達に関する特別措置法案」が閣議決定された.東北地方太平洋沖地震 の発生は同日の午後,14時46分であったから,その直前の決定であったと いえる.地震は,東京電力福島第一原発の4機の原子炉の苛酷事故を引き起 こし,それまでの原発偏重の日本のエネルギー政策の見直しが迫られること になった.そうした状況の中で,当時の菅直人首相は,法案の成立を政策の 重点課題の一つと位置づけた.
法案は4月には国会に上程され,衆議院での審議が始まり,いくつかの修 正の後,8月23日には衆議院本会議で可決されて参議院に送られ,8月26日 には参議院本会議で可決され,「電気事業者による再生可能エネルギー電気の 調達に関する特別措置法」(平成23年8月30日法律第108号)として公布され るに至った.同法の附則によれば,施行は2012年7月1日である.
この法律が定める固定価格は,英語でFeed-in Tariffというため,同法を FIT法と略すことがあり,またその制度をFIT制度ということが多いため,
本研究でもそれに従う.FIT法においても,RPS法の場合と同様,「電気事業 者」という言葉を独特の意味で使うため,先ずその点を述べておくと,「電気 事業者」とは,電気事業法(昭和39年法律第170号)第2条第1項第2号に規 定する「一般電気事業者」,同項第6号に規定する「特定電気事業者」,およ
び同項第8号に規定する「特定規模電気事業者」をいう.
FIT法は,再生可能エネルギーから作った電気を,国が定める単価(固定価 格)―「調達価格」という―の下で一定の期間,電力会社が買い取ることを 義務づけるもので,RPS法でいう新エネルギー等と同じ内容の再生可能エネ ルギーによる発電を行なう事業者は,長期に安定的な価格で発電した電気を 売却できるようになる.その結果,そうした再生可能エネルギーを利用する 事業者が増加するであろう,という狙いである.買い取りにかかる費用は,
原則として電気を使う国民(個人,事業者)が,電気の使用量に応じて負担する.
既に,小規模な住宅用太陽光発電システムで発電した電気に対しては,
2009年より固定価格(当初は48円/kWh,2011年度現在は42円/kWh)で10年間 の買い取りを行う「太陽光発電の余剰電力買取制度」が実施されている.こ の際の買い取りに必要な費用は,電気の使用量に応じて全国民が負担してい る.電力会社から毎月消費者の手元に届く「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」 の中に「太陽光促進付加金」として課金されているものである.
FIT法は,これを住宅用太陽光だけでなく,大規模な太陽光発電,風力発電,
水力発電(中小規模),地熱,バイオマスにも拡大したものである.
買取対象の設備や方法については,経済産業大臣による認定が必要であり,
「安定的かつ効率的に再生可能エネルギー源を用いて発電を行う設備である 等」の条件を満たさなければならない.認定を受けた設備を用いる電気事業 者は「特定供給者」と呼ばれることになる.
買取単価や買取期間は,再生可能エネルギー源の種別,設置形態,規模な どに応じて,関係大臣(農水大臣,国交大臣,環境大臣,消費者担当大臣)が協議 したうえで,新しく設置される中立的な第三者委員会「調達価格等算定委員会」
での議論に基づき,経済産業大臣が決定することになっている.なお,買取 単価や期間は,半年ごとに見直せることになっている.そして,「施行後3年 間は,買取価格を定めるに当たり,再生可能エネルギー電気供給者の利潤に 特に配慮する」として,当初は集中的な再生可能エネルギーの利用拡大が図
られている.
FIT法の下での買い取りにかかる費用は,国民全体(個人,事業者)が電気 の使用量に応じて負担するわけであるから,電力消費が多い事業者にとって は問題が大きくなる可能性がある.買い取りの負担により電気料金が上昇す れば,製造コストも上昇し,価格競争力が失われるかもしれない.産業界の 一部はその点を懸念している.この問題に関し,FIT法は,単位売上高(千円)
あたりに電力会社から購入する電力量(kWh)が一定の値を超えると認められ た事業であって,実際に一定量以上の電力購入がある場合は,その事業所に は付加金の80%以上が減免されると定めている.
3. 2 FIT法の下での買取単価の見通し
買取単価がどのように設定されるかは,FIT法の公布段階では明らかにさ れなかったが,RPS法の下での「電気」および「RPS価値」の取引価格は,
太陽光発電以外の再生可能エネルギー電気に関しては十分に高いものではな かった.第 2 表からそのことが読み取れる.バイオマス発電についてみると,
「電気価値」に「RPS価値」を加えても,最近でようやく8円/kWhを上回る 程度である.
FIT法の下では,木質バイオマス発電を含むバイオマス発電による電気の 買取価格は,第2表に見る水準よりもっと高く設定されるはずである.FIT
(備考) 取引価格についての経済産業省アンケート結果を示した資源エネルギー庁省エネルギー・
新エネルギー部「第12回RPS法小委員会説明資料 次期利用目標量等について(資料3)」
7頁,による.
年 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
RPS価値+電気価値
風 力 11.8 11.6 11.1 10.7 10.4 10.4 10.1 水 力 8.1 8.5 8.4 8.4 7.2 8.9 8.6 バイオマス 7.2 7.5 7.6 7.7 7.8 8.0 8.7
RPS価値のみ 5.2 4.8 5.1 4.9 4.9 4.9 5.2
第 2 表 RPS制度における「電気」および「RPS価値」の取引価格(円/kWh)の推移
法が成立する以前の2011年1月,総合資源エネルギー調査会新エネルギー部 会・電気事業分科会買取制度小委員会報告書が発表されたが,そこでの導入 案では,買取価格20円/kWh,買取期間15年(再生可能エネルギーの種類や条 件に関わらず一律)が見込まれていた(ウェブサイト:バイオマス白書2011).
4 ファーストエスコの経営状態とFIT制度への期待
4. 1 ファーストエスコの経営の自己診断とFIT制度への期待
ファーストエスコは,FIT法成立に先立つ2009年12月10日に「再生可能 エネルギーの全量買取に関する資料」を公表した(ウェブサイト:ファーストエ スコ2009年12月10日付資料).これは,関係省庁に対して同社の経営状態を理 解してもらうための資料であり,同社についてだけでなく,他の「燃料購入・
売電型」の木質バイオマス発電事業者にも共通する面のある問題提起として 重要であるように思われるので次に紹介する.ただし,資料という性質上,
要点を箇条書きしてあるだけで,読みにくい部分もある.そこで箇条書きの 部分は普通の文章に直して内容を示す.
〈木質バイオマス発電の現状と課題について〉
ファーストエスコでは,岩国,白河,日田のそれぞれの地域で「ウッドパ ワー発電所」として発電事業を行なっており,その現状と課題については以 下の通りである.
ウッドパワーの特徴
① 100%木質バイオマスによる発電
燃料の全量を木質チップで賄っており,その全量を有価で購入している.
起動時の補助燃料以外,木質バイオマス比率はほぼ100%である.
② 地域の木質材の有効活用
使用する木質チップを,主に地元地域から調達している.
③ 電気とRPS の分離販売
電気は,安定した出力が得られるため,小売事業者へ直接販売している.
RPS は単体での売買契約を結んでいる.
ウッドパワーの問題点
① 大幅赤字
木質チップ燃料価格高騰,および燃料不足による稼働率の低下により,売 上総利益ベースで赤字が継続している.
② 燃料不足
各発電所の年間必要燃料は11~12 万トンだが,実際の調達量は70~
80%程度である.このため,設備稼働率は初期計画を大幅に下回る60~
70%の水準にとどまっている.
③ 燃料費高騰
事業開始時の燃料チップ購入単価はトン平均1,000円であったが,現在は トン平均3,000~4,000円の水準となっている.
燃料問題の原因
① 燃料不足
(需要側)燃料不足の原因は主に需要側の伸びから生じている.特に2007年 以降,製紙,セメント,電力などの企業が,CO2排出低減のために,木質チッ プを補助燃料とした混焼を拡大した結果,従来の需給バランスが大幅に需要 超過の状態となった.
(供給側)木質チップの流通ルートは,廃棄物業者を複数通じた小口陸上流 通である.このため,相対での都度取引が主体であり,安定大量流通には適 さない.また,市場統計も存在せず,思惑で流通が混乱するケースもある模 様である.
② 燃料価格高騰
(需給ギャップ)需要の大幅な伸びにより,供給が不足する状態が継続し,こ のため購入価格を引き上げて量を確保する動きが発生し,価格を押し上げる 結果となった.また流通業者も,こうした状況を利用して中間利潤の拡大を 図る動きが見られ,排出元にも木質材の価格引き上げを求める動きが現れた.
(輸送費)木質チップの流通ルートは主として陸上輸送であるため,軽油価 格の高騰が直接的に輸送費の上昇につながり,受け入れベースでの価格高騰 に影響する.特に,必要量確保のため調達範囲を拡大している影響から,輸 送費の占める比率は非常に大きい状況となっている.
③ 専焼と混焼
(燃焼効率)ウッドパワーの発電出力は12,000kW程度だが,微粉炭炊きの発
電所は40万~100 万kW と,規模には大きな開きがある.またボイラーの形
式も異なり,ウッドパワーの熱効率25%程度に対し,大規模発電所は40%以 上を達成している.このため,ウッドチップ1 トンから得られる電気の量に は大きな開きがあり,結果的に単位あたりのウッドチップから得られる,電気・
RPS は,ウッドパワーが大きく劣後する結果となっている.この結果,購入 するウッドチップの限界単価にも隔たりが生じて,結果的にウッドパワーは 粗損の状態を免れずにいる.
(CO2価値)混焼の場合,事業者によっては,その目的は主としてCO2の排 出削減にある.このため,ウッドチップの購入価格は,必ずしも商業的に採 算が合わなくてもよいケースが見受けられる.つまり,CSR的側面,もしく は国内クレジットとの対比など,熱量以外の点でウッドチップを評価してい る模様である.
採算性向上への課題と見通し
① 燃料問題
ウッドチップ燃料の購入価格は,処理業者および輸送業者との交渉により
決定されるものであり,購入者側の努力では限界がある.また,全国統計の 未整備,品質と価格の合理性の欠如などから,価格裁定が働きにくい状況で もあり,流通価格の下落には時間がかかる見通しとなっている.
② 電力・RPS 価格問題
(電力価格)現在,電力の業者間での取引は,すべて同一条件での取引となっ ている.つまり,排出係数に対するプレミアムはほとんど加味されないのが 実情である.
(RPS価格)RPS の取引価格は,現在4~5円/kWhであり,先高(将来高く なる見通しのあること)の状況ではない.これはRPS の購入者が少数であること,
また義務量水準が高くないことなどに依存しており,早期にトレンドが変わ る状況ではない.
全量固定価格買取の是非
ウッドパワーによる木質バイオマス発電は,これまでに述べた事情から大 幅な赤字であり,事業継続に支障をきたす恐れがある.このため,当面の状 況が改善されるまでの期間については,「全量固定価格買取制度」の導入を希 望する.商業用木質バイオマス発電としては,希少な「専焼」であり,また 再生可能エネルギーにおいては数少ない「有価燃料」を使用する事業である.
このため,事業継続中の燃料価格リスクを負った事業であり,この価格リス クをヘッジする手段が無いことを考慮していただき,事業継続性を担保して いただくことが,木質バイオマス発電事業の推進,国内バイオマスの有効利 活用のために必要と考えるものである.
以上が,ファーストエスコが2009年段階で抱えていた問題であり,関係省 庁への注文でもあった.
4. 2 有価証券報告書からの診断
赤字続きであったファーストエスコのグリーンエナジー事業であるが,仮 に買取単価が上昇すればどうなるのであろうか.筆者は,この点に関して次 の試算を行なってみた.その際のデータの出典は,インターネット上に公開 されている「㈱ファーストエスコ 有価証券報告書―第14期(平成21年7月1 日 ‐ 平成22年6月30日)」である.
ファーストエスコのグリーンエナジー事業の場合,事業は三つのセグメン ト(岩国ウッドパワー,白河ウッドパワー,日田ウッドパワー)からなる.その平 成21(2009)年7月1日~平成22(2010)年6月30日の期間について 発電実績=189,696MWh
販売実績=2,609,807千円
となっている.ここから計算される売電単価は,13.8円/kWhである.
その1年間の営業収支は,
売上高 2,616,507千円
外部顧客に対する売上高=2,609,807千円
セグメント間の内部売上高ないし振替高=6,700千円 営業費用 3,176,189千円
営業損失 559,681千円
ここで,仮に外部顧客に単価20円/kWhで売電できたものとすると,外部顧 客に対する売上高は3,793,920千円となる.
セグメント間の内部売り上げについては不変とすると 売上高 3,793,920千円 + 6,700千円=3,800,620千円 したがって,
売上高-営業費用=625,431千円
となり,営業収支は損失(赤字)ではなく,約6億2,500万円の黒字に転じる ことになる.
5 不採算部門の整理と技術水準の維持努力
5. 1 岩国ウッドパワーの譲渡と白河ウッドパワーの持分法適応関連会社化 2010年以降,ファーストエスコの経営に大きな変化が見られるようになっ た.東京本社での筆者の日下田氏からのヒアリングによると,同社の木質バ イオマス発電は赤字が続いた.2010年6月期の同社グループの部門ごとの事 業収益(営業利益)を見ると,省エネルギー支援サービス事業は9,500万円の 黒字だが,グリーンエナジー事業,すなわち木質バイオマス発電事業は5億
5,900万円の赤字である.こうしたことから発電事業の建て直しを図り,先ず
2010年7月には岩国,白河,日田の三つの発電所の運営業務を,先述のファー ストバイオスに一元化した.そして,集約化によるコスト削減を目指すほか,
発電所を所有して運転する業務よりはむしろ木質バイオマス発電のノウハウ を提供するビジネスを強化する方向に転じた.以下では,その方針転換の具 体的内容を見る.
ファーストエスコの方針転換として最初に実現したのは,岩国ウッドパワー のエムアンドディーグリーンエネルギー株式会社(以下,エムアンドディーと略)
への譲渡である.エムアンドディーは,風力発電などを手がける事業として,
株式会社ミツウロコの100%出資によって2000年に設立された.そして,北 海道,愛知県,長崎県などで風力開発を進め,2010年5月にPPSの届出を行 い,実際6月1日からは,東北,東京,中部の三つの電力管内で電力小売事 業を開始した.
親会社であるミツウロコは,その事業の拡大には供給能力の増強が必要と 考え,2010年12月28日開催の取締役会において,エムアンドディーがファー ストエスコから岩国ウッドパワーの全株式を取得し,それを子会社化するこ とを決議した.この株式取得の理由および方法について,ミツウロコは次の
声明を発表した.
「当社グループは現在,風力発電,太陽光発電等の新エネルギー事業の強化 を目指しており,また,今年度(2010年度―筆注)からはエムアンドディーが 特定規模電気事業者として一般需要家に対し環境負荷の低い電力の供給を開 始しております.
このような事業展開の中で,東京都が排出量取引制度を今年度から導入し たことなどにより,需要家における自然エネルギー由来の電気に対する強い ニーズに応えるため,環境付加価値を生み出す発電所を所有する岩国ウッド パワーの発行済み株式の全部をファーストエスコから取得する方法によって,
岩国ウッドパワーを当社の孫会社とすることにいたしました.本件株式取得 により,電力事業における当社グループの業務の範囲を拡大し,さらなる収 益の拡大を図ってまいります」(ウェブサイト:岩国ウッドパワーの譲渡).
こうして事業拡大を進めたエムアンドディーについては,2011年1月現在,
「供給先は約100件で,契約電力は約4万kW.商業施設などの業務用需要を 中心に供給先を増やしており,4月には契約電力が約7万kWまで増える見通 しだ」(日本経済新聞Web刊,2011年1月11日).なお,同社は,2011年10月1 日付で社名をミツウロコグリーンエネルギー株式会社へと変更している.
他方,白河ウッドパワーについてみると,2010年9月,ファーストエスコは,
ソニーと東京電力が共同出資する新会社にそれを譲渡する予定であると発表 し,10月には譲渡価格を9億円とする事業譲渡の基本合意を結んだ.しかし,
譲渡期限としていた12月31日までに条件が整わず,年を越した2011年1月 7日,合意を解消した.しかし,白河ウッドパワーの譲渡という基本方針は 変わらなかった.ファーストエスコは,上記の合意解消に伴い,今度は日本 テクノ株式会社(以下,日本テクノと略)への譲渡について検討した.その結果,
2011年2月10日,白河ウッドパワーの全株式をPPSとして電力小売事業に
乗り出している日本テクノに売却すると発表した.株式譲渡価格は1億円で ある.
白河ウッドパワーは2010年6月期に14億円の最終赤字だった.ただ,営 業損益は改善しており,日本テクノは借入金(16億8,700万円)を含む株式譲 渡を選択した.ただし,発電所の運転管理は従来通り,ファーストエスコ子 会社が担う.ファーストエスコは同時に総額4億8,000万円弱の第三者割当 増資の実施を発表した.日本テクノが全株式を引き受ける.払込期日は2011 年2月28日である.日本テクノは持ち株比率40%超の筆頭株主になる(日経 産業新聞,2011年2月11日).
日本テクノについていえば,1995年4月4日に設立された省エネルギー ビジネスの会社であり,2007年にPPSの事業開始を届け出ている.そして,
2009年6月,実際に電力小売を開始した(ウェブサイト:日本テクノ株式会社). 2011年1月現在,「供給先は約100件で,契約電力は約4万kW.商業施設な どの業務用需要を中心に供給先を増やしており,4月には契約電力が約7万 kWまで増える見通しだ」(日本経済新聞Web刊,2011年1月11日).同社が,岩 国ウッドパワーを傘下に収めることにしたのも,こうした事業拡大策の一環 である.
5. 2 木質バイオマス発電の課題
ファーストエスコが,岩国ウッドパワーと白河ウッドパワーを他社に全面 的に,あるいは部分的に譲渡することになった理由について,同社による白 河ウッドパワーの日本テクノへの譲渡のお知らせ(2011年2月10日付)は,「バ イオマス発電事業の不振の要因は,燃料である木質チップの価格高止まり,
電力および環境価値の販売価格の低迷,高水準の設備整備コストなどによっ ております」と述べている.これは,社会的,経済的な面から見る場合に木 質バイオマス発電が解決すべき課題であるが,技術の面からは何が課題であ ろうか.この点について,上記のお知らせは次のように述べている.
「現在わが国には多数の木質チップを燃料として使用する発電所が存在しま す.その使用する木質チップは,当社グループの発電所のように100%木質 チップのものもごく少数存在しますが,その他の多くは他の化石燃料(石炭な ど)との混焼になっております.この理由は,木質チップの安定収集の難しさ,
木質チップの燃料としての品質管理の難しさ,安定燃焼を継続することの難 しさ等に起因しています」(ウェブサイト:ファーストエスコ2011年2月10日声明).
ファーストエスコ傘下の三つの発電所の過去数年間の経営から見えてきた 以上のような社会的,経済的な諸課題,技術面での諸課題は,ファーストエ スコに限らず,現在の日本において木質バイオマス発電に取り組もうとする 際には,どのような企業であれ,団体であれ,必ず直面することになる課題 であろう.
ところで,東日本大震災の発生に関係する新しい動きとして,2011年3月 下旬に予定された白河ウッドパワーの日本テクノへの株式譲渡は,6月30日 をめどに延期が決まった.これに関し,3月31日付のファーストエスコの知 らせは,次のように述べている.
「現在,東日本全域において電力需給が逼迫しており,また東北地域の復 興活動が本格化する中,白河ウッドパワーにおきましては,昼夜フル出力
(11,500kW)で稼動しております.東北地区において,現状では希少な木質 バイオマス発電所としての期待を受けて,出来る限りこの操業状況を維持継 続することで,復興の一助となることを目ざしております.現在,損傷を受 けた建築物の廃木材等の受け入れが徐々に始まっており,今後もこうした材 の発生が増えることが予想されます.(中略)
原子力発電所が一部操業出来ない状況の下,当面の間電力の供給は石炭を 始めとする化石燃料に大きく依存せざるをえない状況にある中で,再生可能 エネルギーに対する期待は高まっているものと理解しております.また,日
本テクノが白河ウッドパワーの稼動継続に対して御理解を頂いていること及 び本件譲渡につきましては期日延期を受けても意向が変わらないこと等につ いて確認しております」(ウェブサイト:ファーストエスコ2011年3月31日声明).
日田ウッドパワーについては,これまでのところ,譲渡の動きはない.
2011年2月の東京本社訪問の際,日下田氏は,日田ウッドパワーの場合,設 備が安定しており,燃料の入荷状況は悪くはなく,またオペレーターのメン テナンスの技術水準の高い,と語った.つまり,ファーストエスコとしては,
グリーンエナジー事業から一挙に手を引いてしまうのではなく,技術の蓄積 はできる限り続ける,という意向のようである.
なお,より最新の状況として,ファーストエスコは日本テクノとの間で合 意していた白河ウッドパワーの株式譲渡について100%から50%(9800株)
に条件を変更すると発表した.上述の通り,白河ウッドパワーは,震災後,3 月20日から昼夜フル稼働を続けており,「高い稼働率を維持するためには,
発電所のオペレーション全般を受託する同社子会社のファーストバイオスに よる運営が不可欠と判断した.部分譲渡の実施日は6月30日を予定」(『循環 経済新聞』,2011年6月13日)している.
お わ り に
小川(2011)が示すように,2011年現在の日本には125カ所の木質バイオ マス発電(熱電併給を含む)施設がある.はじめに記したように,そうした木 質バイオマス発電については,多くの先行研究がある.しかし,それらの多 くは断片的な事例調査の報告にとどまっており,詳細な分析はなされていな い.本研究は,それらの先行研究ではこれまで歴史を含めての系統的な議論 がなされることのなかったファーストエスコ傘下の三つの発電所を対象とし た.そして,ファーストエスコの設立理念や経営の実態を詳しく考察した.
その結果,環境と経済の両立という理念の実現には,いくつかの条件のあ ることが分かった.特に重要なのは,燃料としての木質バイオマスが量的に 安定して調達できるか否か,という点,および発生電気の買取価格がコスト に見合う程度に高水準のものか否かという点である.近隣に競合する事業者 がいて燃料の取り合いが生じると,発電設備の稼働率が下がり,経営は苦し くなる.また,買取価格が10円/kWh前後では,高騰傾向にある燃料価格に 対応できない.
ファーストエスコが岩国ウッドパワーの他社への譲渡に踏み切ったのはそ うした事情によるものと思われる.白河ウッドパワーについては,一時期完 全な譲渡が検討されたが,東日本大震災という危機の到来により,分散型の 電力供給に対する需要が生じ,また大量の瓦礫の発生により燃料調達はむし ろ容易になっている.このため,100%譲渡の方針は変更された.日田ウッド パワーの場合,燃料調達の面での他の事業者との競合はほとんどなく,安定 した発電が継続できている.
こうしたファーストエスコの当初の三つの発電所の経営の歴史を見るとき,
木質バイオマス発電が今後の日本に広く定着するためには,燃料市場の整備,
コストに見合う買取価格の保証などの課題のあることがわかる.とはいえ FIT法の施行は間近であり,20円/kWhと想定されている買取価格の面だけ を見れば,木質バイオマス発電の今後は旧来よりは明るいといえる.ただし,
その他の条件については,まだ解決すべき課題が残っている.
最後に付記しておくべきこととして,2009年4月1日,ファーストエスコ は会社分割により同社の電力ビジネス事業を承継する電力小売事業者として 株式会社F-パワーを誕生させた.これに伴い,同社は特定規模電気事業者
(PPS)としての業務は行なわず,かわってF-パワーがそれを引き継ぐかたちで,
PPSの届出を経済産業省資源エネルギー庁へ提出,受理されている.
なお,同庁はPPSの新名称として2012年4月より「新電力」を用いると 発表した.
略年表 ファーストエスコ主年表 ―発電事業を中心に―
年 月 事 象
1997 5 株式会社ファーストエスコ設立 1999 2 ニュービジネス大賞「環境省」受賞 2000 1 建設業電気工事業の東京都知事許可取得
4 新事業創出促進法に基づく通商産業大臣認定 2002 4 関西事業所を大阪市北区に設置
2003 8 九州事業所を福岡市博多区に設置 9 岩国ウッドパワー設立
2004
2 日田ウッドパワー設立 2 白河ウッドパワー設立
3 特定規模電気事業者(PPS)として経済産業省に届出
8 株式会社フェスコパワーステーション滋賀を設立(関西地区におけ る電力小売事業の準備として調整用電源(ディーゼルエンジン発電,
10,500kW,ベース電源は岩国ウッドパワーの電力)を保有.)
2005
3 東京証券取引所マザーズ上場
10 株式会社フェスコパワーステーション群馬を設立(関東地区における 電力小売事業のための調整電源(ガスエンジン発電,9,600kW,ベース 電源は白河ウッドパワーの電力)を保有.)
10 岩国ウッドパワーがRPS法上の設備認定を受ける
2006
1 岩国ウッドパワー操業開始
1 関西地区での電力小売事業サービス開始(岩国ウッドパワーで生産さ れた電力が中国電力の送電線を借用⇒関西電力へ販売)
10 白河ウッドパワー操業開始
10 関東地区での電力小売事業サービス開始(白河ウッドパワーで生産さ れた電力を東京電力へ販売)
11 日田ウッドパワー操業開始
2007 7 株式会社新潟ニューエナジーを設立(東北地区での電力小売事業向け,
ガスエンジン発電,11,600kWを保有.)
2008 1 株式会社バイオネンサービス設立(ファーストエスコ100%子会社とし て,これまで同社が担ってきたグリーンエナジー部門を管轄)
2009 4 電力ビジネス事業(関西地域を除く)を分社.(会社分割(新設分割)
により株式会社ファーストエスコの電力ビジネス事業を承継する株式
会社F-Power設立).PPS事業についても同社が引き継ぐ.
2010 4 株式会社ファーストバイオスに社名変更(旧社名:株式会社バイオネ ンサービス)
【参考文献】
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同志社大学修士論文.
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工藤拓毅,大木祐一,斎藤晃太郎(2001)「バイオマス発電等の実態調査」日本エネル ギー経済研究所IEEJ報告書,7月,1-30頁.
久保山裕史(2006)「日本のバイオマス発電と林地残材利用」『水』8月号,第48巻第10号,
63-67頁.
久保山裕史(2009)「林地残材チップのエネルギー利用についてコスト面から見た実現 可能性を探る」『現代林業』12月号,21-27頁.
熊崎實(2000)『木質バイオマス発電への期待』全国林業改良普及協会.
熊崎實(2005)「バイオマスへの期待と現実―森林バイオマスのエネルギー利用をど 2010 7 株式会社ファーストバイオスで,岩国・白河・日田の各発電所の管理・
運営を開始.ファーストエスコの連結対象子会社となる.
2011 6
白河ウッドパワーがファーストエスコの持分法適用関連会社となる.
(ファーストエスコと日本テクノ株式会社の共同出資会社であり,両社
が50%ずつの株式の持分で,白河ウッドパワーを運営することを決定.
ファーストエスコはファーストバイオスを通じ,発電所運営全般を担 当,日本テクノは電力小売事業者として白河ウッドパワーの生産する 電気の全量買付および最終需要家への販売を担当.)