• 検索結果がありません。

雑誌名 同志社法學

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "雑誌名 同志社法學"

Copied!
132
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

倒産局面にある会社の取締役への責任追及のあり方 : デラウェア州の近時の判例の展開を参考に

著者 岩淵 重広

雑誌名 同志社法學

巻 69

号 1

ページ 29‑159

発行年 2017‑05‑31

権利 同志社法學會

URL http://doi.org/10.14988/pa.2019.0000000408

(2)

  同志社法学 六九巻一号二九二九

――デラウェア州の近時の判例の展開を参考に――

           

       

            

                 

(3)

  同志社法学 六九巻一号三〇三〇                                            

第一章  はじめに

(一) 本稿の検討課題と従来の学説の議論

  本稿は、倒産局面(支払不能状態)にある会社の取締役の義務の具体的内容と責任追及の方法について、検討するものである。

  わが国では、会社法(以下、﹁法﹂という)四二九条一項を通じた責任追及(以下、同条同項による責任追及を﹁第三者責任﹂という)が、倒産会社の取締役に対してなされてきた。そして、それとの関係で、倒産局面にある会社の取締役の義務の内容が議論されてきた。これらは、取締役への第三者責任の追及を前提に、その責任追及の要件である任

(4)

  同志社法学 六九巻一号三一三一 務懈怠の内容が何かを明らかにしようとするものであった 1

。特に、最高裁昭和四四年判決 2

や、それ以降の下級審裁判例が﹁履行(支払い)の見込みのない取引を行うこと﹂を任務懈怠の内容としてきたこととの関係で、このような表現が、どのような意味で、取締役の会社に対する任務懈怠になるのかを説明しようとする議論が多かった 3

  このような議論がなされたのは、漠然と、債権が回収不能となった会社債権者については何らかの保護が必要であるとの認識があったためであろう。これは、わが国で、資本制度(とくに資本維持の原則)が有限責任に対する債権者の保護との関係で重視され、資本制度が機能しない財務状態になったならば、それに代わる保護を債権者に与え、債権者への弁済を確実なものにすることが必要と考えられたからであるように思われる 4

。つまり、債権者への弁済原資が十分でないときには第三者責任によって代替となる保護を債権者に与えるべきであるという発想をもとに、それを正当化するためにどのような内容の義務を設定すれば良いのかという議論がなされていた 5

  このような考え方を出発点とし、ドイツ法を参考にした議論を行ったのが、吉原和志である 6

。吉原は、結論として、倒産局面にある会社の取締役が、﹁経営が悪化してきた場合、取締役は会社に対し、経営状況を確実に把握するとともに、悪化の原因の分析、今後の収益の見通しの予測、資金繰りの計画、経営改善のための対策の立案・実行など必要な措置を講ずる義務を負う﹂とした 7

。この吉原の議論は、先に見たような問題意識から出発しつつも 8

、経営危機において、債権者に負担を求めるための取締役の合理的な努力の程度とは何かという形で問題設定を行った点に特徴がある 9

。ここでの吉原の問題設定には、債権者に負担を要求することのできるリスクテイクとはどのような内容か、そして、そのようなリスクテイクを行う上でどのような前提が満たされるべきかという問いが含まれていた (₀

。吉原の議論は、従来の議論と同じ問題意識から出発しつつも、債権者に負担を求めることのできるリスクはどこまでかという形で検討を行った点で、異なるものであったといえる ((

(5)

  同志社法学 六九巻一号三二三二

  その後、それまでの議論とは異なる理由付けを採用し、議論を展開したのが黒沼悦郎である ((

。黒沼は、債務超過状態では、債権者が会社の利益最大化に関心を有することから、取締役が﹁債権者に対する信任義務﹂を負い、具体的には﹁債権の弁済を確保するために会社財産を維持すべき義務、あるいは、会社債権者のためにより慎重な経営を行う義務﹂を負うとした (₃

。黒沼の議論は、会社の債務超過局面で生じる株主と債権者の間の利害対立とそれから生じる両者のインセンティブの相違に着目するものであった (₄

。この点で、黒沼は、倒産局面にある会社の取締役の義務や責任を用いて債権者を保護すべきとする理由づけとして、資本維持の原則から導く従来の説明とは異なる説明を提示したといえる。そして、この後の議論では、有限責任制度によって生じる株主のインセンティブのゆがみに対して、取締役の義務・責任という規律を通じてどのように対処するべきなのかという形で、議論が行われるようになっていく (₅

(二) 本稿の問題意識と検討課題

  以上で見たように、取締役の債権者に対する義務や責任追及に関する議論は、その理由づけを変化させながら展開されてきた。もっとも、そのような理由づけの変化が生じているにもかかわらず、これまでの議論は債権者を保護するような方向性のもとでなされたものが多い。たとえば、吉原は、債権者の弁済額が最大化されるべきであるという意味での債権者保護を念頭に議論を行ったので、債権者との関係で正当化できるリスクテイクとはどのようなものかという問題設定になっている。また、黒沼の議論も、株主と債権者のインセンティブの相違を問題設定に取り入れながらも、債権者の弁済を確保するという意味での債権者保護の発想に至っている ((

。以上のように、現在もなお、倒産局面にある会社の取締役の責任追及といった規律については、債権者の弁済額が最大化されるべきであるという意味での﹁債権者保護﹂を前提にした議論がなされている。

(6)

  同志社法学 六九巻一号三三三三   しかしながら、先行研究において、倒産局面にある会社の取締役に特別の内容の義務を課し、それを第三者責任という方法で追及することが、上のような意味での債権者保護を達成するための手段として適切な方法であるとの理由は、十分に説明されてきたとは言い難いように思われる。責任追及を認めることによって目的が達成されるだけならば良いが、責任追及といった手段を用いる場合には何らかの副作用が存在する。そして、その副作用の影響を十分に検討することなく、解決可能だからという理由のみで、規律を正当化しようとしても説得的な議論にはならない。つまり、対処しなければならない問題に対し、その解決のための適切な方法は何かという視点や、取締役の義務や責任追及といった方法が適切に対処できる問題とはどのようなものかという視点に基づく検討は必要である (₇

  そこで、本稿は、以上のような視点に基づいて、倒産局面にある会社の取締役に対する義務の内容とはどのようなものであるべきか、および、その義務違反に基づく責任追及がどのような方法でなされるべきかを検討する。そして、本稿は、その検討を通じて、債権者が倒産局面にある会社の取締役への責任追及を行うことが、どのような考慮から正当化できるのかという点も検討する。本稿の検討課題を提示しておくと、以下の三つとなる。

(A)  現状、わが国では法四二九条一項を通じた責任追及が、倒産した会社の取締役に対してなされているが、そもそも、このような責任追及は正当化できるのか。正当化できないとして、どのような方法で責任追及がなされるべきなのか。

(B)  法四二九条一項に限らず取締役の義務違反を要件とする責任追及制度が利用できるとすれば、倒産局面にある会社の取締役の義務の内容はどのように考えられるべきなのか。

(7)

  同志社法学 六九巻一号三四三四

(C) 以上で導かれる帰結はどのような考慮によって根拠づけられるのか。

(三) 比較法の対象と検討の手順

  本稿は、以上の検討課題についての示唆を探るために、デラウェア州の判例を素材として検討を行う (₈

。同州には、クレディリオネ判決 (₉

をはじめとして、債権者に対する取締役の義務に関するいくつかの判例があるが、本稿では、二〇〇〇年代以降の判例を中心に取り上げることとする。デラウェア州法を比較法の対象とし、かつ、そのようなケースの限定を行うのは、次のような考慮からである。すなわち、同法は、ノース・アメリカン・カトリック・エデュケーショナル・プログラミング・ファウンデーション判決(以下、﹁NACEPF判決﹂という)において、取締役が債権者に対して直接の義務を負わないこと、債権者が直接訴訟を行えないこと、および債権者が派生訴訟を提起できることを認めた。デラウェア州において、このような立場が形成されるに至った理由を探ることは、先に示した本稿の検討課題に示唆を与えるものと考えられる。なぜなら、わが国でも、債権者等によって、直接訴訟に類似する第三者責任と、派生訴訟に類似する任務懈怠責任の追及(法四二三条一項・破産法一七八条一項等、および、民法四二三条一項)が可能であるところ、それぞれの責任追及がどのように利用されるべきかを考える上でデラウェア州の立場は参考になるからである。さらに、デラウェア州では依然として派生訴訟という形で責任追及が行えるため取締役の会社に対する義務の内容についても問題となっている。この議論もまた倒産局面にある会社の取締役の義務の内容を考えるうえで有益なものであると考えられる。

  以下は、本稿の検討の順序である。第二章では、デラウェア州における債権者のための取締役の義務と責任に関する判例の展開をみる。第三章は、アメリカ法の議論からわが国への示唆を探る。第四章はおわりにである。

(8)

  同志社法学 六九巻一号三五三五   最後に、翻訳と言葉の定義に関する説明を加えておく。本稿では、原則として、

in so lv en cy

を﹁支払不能状態﹂と訳し、

in th e vic in ity o f i ns olv en cy

を﹁支払不能間際の状態﹂と訳す。そして支払不能状態が貸借対照表の観点から判断される場合には、バランスシートの観点からの支払不能状態(いわゆる債務超過状態)、キャッシュフローの観点から判断される場合は、キャッシュフローの観点からの支払不能状態といったようにそれが分かるような形で記述することがある。﹁支払不能状態﹂とだけ述べる場合は、いずれかの観点からの支払不能状態である。そして、支払不能状態でない場合を、﹁支払い能力がある状態﹂または﹁平時﹂という(それゆえ、支払不能間際の状態は、支払い能力がある状態に含まれる)。最後に、第三章第二節以下では、支払不能状態という言葉を﹁倒産局面﹂と言い換える。

第二章  アメリカ法

  本章では、デラウェア州法における判例の展開を見る。以下では、プロダクション・リソーシズ・グループ判決を起点とし、クアドラント判決までの判例の展開を見ていく (₀

。ここでの検討課題は、なぜ債権者による直接訴訟が否定されたのか、債権者に派生訴訟の原告適格が認められるとして取締役の信認義務違反はどのような審査基準のもとで判断されるのか、そして以上のことからしてデラウェアの判例がどのようなポリシーを選択したといえるのか、という点である。

第一節  債

権者に対する取締役の義務と責任追及の方法に関する議論の変化のはじまり

NACEPF判決以前

  本節では、NACEPF判決以前に出された、二つの重要な判決を紹介する。ここでは、事案の解決に注目するだけ

(9)

  同志社法学 六九巻一号三六三六

でなく、支払不能状態や支払不能間際の状態での取締役の義務の内容や債権者による責任追及の方法という問題に関して傍論でどのような考察がなされているのかという点も取り上げる ((

第一款  プロダクション・リソーシズ・グループ判決 ((

︻事案の概要︼

  原告であるPRG社は、被告であるNCT社にオーディオシステムを販売し、その代金債権を有していた。NCT社はデラウェア州法人であり、主たる事業地をコネティカット州とする上場会社である。PRG社は、販売代金債権の回収を目的として、NCT社に対し訴えをコネティカット州裁判所で提起し、NCT社とその子会社に対する二〇〇万ドルの自認判決(

co fe ss ed ju dg em en t

)を得た。しかし、結果的に、その債権回収は奏功しなかった。

  本件訴訟も、このような債権回収の一環として行われたものである。PRG社は、デラウェア州一般会社法(以下、﹁DGCL﹂という)二九一条に基づく管財人の選任の請求 (₃

と、NCT社の取締役に対し信認義務違反に基づく損害賠償請求を求めて訴えを提起した。原告は、NCT社の取締役と役員らに会社の資金管理について不適切な行為があったこと(取締役の家族が経営する会社へのコンサルタント料の支払い等)、および、NCT社の取締役と役員らへの過大な報酬の支払いがあったこと等が信認義務違反を構成すると主張する。

  NCT社は、一九九八年以降、赤字状態で事業を継続し、数年間にわたって支払不能状態であった。また、二〇〇二年一二月三一日時点でバランスシートの観点からしても明らかに支払不能状態であった。NCT社は、DGCL一〇二条⒝㈦ (₄

に基づき、定款に、取締役の注意義務違反を理由とする個人責任を免除する規定を定めていた。

(10)

  同志社法学 六九巻一号三七三七 ︻判旨︼一  PRG社によってなされた主張の性質

  ・支払不能間際の状態にある会社の取締役の義務に関する判旨

。場主株や役締、取てい除合る財あが由理たっいと等とのを産済でならなばれけなけ受をい弁社なく会はの財産から じでがとこう行を動行る善信とるあでる最にめたの益き情。や実いなし重尊を格人法こ事者際、債権には、詐欺の 負実誠を務義の上律法う債てし対に者権遵の社会が役に者守とすの主株と業企、てし利認取るりで、限締役は、受 キ大最をーロフュシッャたの社会、にめるの者権余残化るすと経取のそ。るす待期を締こ会る活動を済社に行わせ イ主として、会社のエクのティ性資本所有者であが、役国は締ののほとんどの社法)会、払能力のある会社支の取 護者を保にするため債権こが段手的法のられこ。る在存れすェ々我びよお法(社会る州アのウ提ラを前ととすば、デ 者るあにめたるす護。を保権債にさま、は法の定特しそ重て要、す保を者権債は定規な護も、のろんち連邦倒産法 自約てじ通を意合の上債を契るす律規係関の者権す衛。るに社のどな法渡譲害詐、ら能さるれさ定想とるあが力と   ﹁会のそ、てし対に役締取社信会、は者権債、に的般の認、張は者権債。いなきで主義を求請くづ基に反違務一

  このような現実は、もちろん、取締役が、会社の経営方針を決定する場合に、債権者を含む利害関係者の利益をないがしろにすることを要求してはいない。むしろ、そうではなくて、この事実は、衡平法上の受認者である取締役が、エクイティ性の資本を提供し会社の事業に関連する残余リスクを負担することに同意した株主に対する配当を行うために、債権者への弁済額を上回る経済的な収益をあげることに力を入れることを意味する。奇妙なことに、会社が﹃支払不能間際の状態﹄にある場合、取締役が株主のために実施するリスクテイクの程度を調整する裁量を有する、ということを強調しようと試みた当裁判所の判断を、債権者の新たな権利を作るものとして解釈してきた

(11)

  同志社法学 六九巻一号三八三八

者がいる。クレディリオネ判決 (₅

の判示と魂は、取締役がよりリスクの高い戦略によって会社債権者を含む利害関係者に対する義務を会社が履行できなくなることを恐れたという理由で、誠実にリスクの少ない事業戦略を追求したならば、その取締役が経営判断原則によって保護されることをはっきりと強調したというものである。

  ハイリスクと不確実性がある場合の取締役の義務は、アレン判事︹訳注:クレディリオネ判決を担当したデラウェア州衡平法裁判所の判事︺の言うところでは、取締役が﹃残余権者のエージェントであることだけでなく﹄、﹃会社を持続させる地域の利益﹄についての義務を負うという意味で、﹃企業﹄それ自体への信認義務を想起させるものであり、会社の全利害関係者の正当な請求権を最大限に満足させるために会社の価値を保持し、分別よく達成できるならば会社の価値を最大化することである。そして、単純に、株主にとって最善であり好まれるであろう行動を追求することはその義務の内容ではない。言い換えれば、クレディリオネ判決は、会社があらゆる法的義務に違反しない限りで、取締役が過剰なリスクテイクを行う義務を負うと主張する株主に対する盾を取締役に与えたものである。取締役がこの盾を得ることによって、債権者は利益を得るに違いない。なぜなら、一般に、取締役は、会社の財産に対する優先順位が一番上の者から順に会社の債務を誠実に弁済していくことが想定されうるからである。

  クレディリオネ判決の著名な脚注における創造的な表現をより拡張して理解した者もいる。その者は、同判決を株主からの訴訟に対して取締役に盾を与えたものではなく、債権者による信認義務違反の請求に取締役を新たに服させるものと理解した。会社が支払不能間際の状態にある限りで、債権者に対する信認義務の違反を理由として取締役の経営判断に異議を唱える権限が債権者に与えられたという形でクレディリオネ判決を理解した者もいる。他の州のいくつかの判例は、この解釈を支持していた。

  ⋮⋮このような解釈には問題がある。議論のあるところではあるが、このような解釈は、存在しないギャップを

(12)

  同志社法学 六九巻一号三九三九 埋めるために信認の法理を用いることと関係する。債権者は、しばしば、強力なコベナンツ、財産に対してのリーエン、および契約上の合意によって保護される。誠実さと公正な取引という黙示のコベナンツも債権者を保護する。詐害譲渡法も同様である。債権者が、これらの保護によって会社と取締役に課されている特別の法的義務の違反を一つも証明できなかった場合、債権者が何らかの不衡平な行為によって損害を被ったと結論づける概念上の余地は、存在したとしても、非常に小さいものであるように思われる。会社の債権者に対して負わされている全ての法的義務に従いつつ、取締役会が会社の価値を最大化する妥当な戦略を忠実かつ慎重に選択し、そして実施することにより会社に対する信認義務を遵守する限りで、そのシナリオにおいて、通常、会社の株主のために経済的なリスクを冒すことは自由であろう ((

。﹂

  ・支払不能状態にある会社の取締役の義務に関する判旨

o r pr at a

。く分例()に基づ比弁に用いられるであろう済 、全てが間債権者の産の場財の社会、合いなが値価優の順先同ので間の者権債の位順案はたいに従っ位弁済かある る立の者担負クスリ余残てれさ有占常通っよに主株に場会債過権式株にめたるあで態状に超者債が社。るめ含を務 に代表す関る利害た係めよるすとうし成達を的目のの者す範不、は実事うい囲態状能と払及、支影響をにぼ。定義上 、そが役締取、に的然必はそのんとは容内務義、変け続い担を割実どほわ払事ういと態ら能不状支しい。なかし、 のでのす覆に全完を務義も上法平衡の役締取るす対なは社い値役る。とうよし化大最をす価、的取役は締会の経済 う負権を務義てし対に者役債の社会は締取の社会いとそわであに体自れ社会、りあ題れ命いなの論異はれこ。るる   ﹁に達ラデ、合場たいてし到ェに点時の能不払支が社ウア態釈状能不払支、てしと解州たし立確ので下の法の会

  支払不能状態において、⋮⋮残余権者である債権者は、会社が存続する場合に、実質的なリスクにさらされるこ

(13)

  同志社法学 六九巻一号四〇四〇

とになる。経営者の不当な判断は、会社の清算において、会社債務の弁済に充てられる財産を著しく少ないものにする。会社における株主の利益がないことと債権者のリスクが高まっていることは、取締役が会社債権者に対する信認義務を負うことを正当化するといわれる。したがって、多くの先例は(決して一貫して支持されないが)、債権者のための信託に類似するものとして支払不能状態の会社を説明する。この考え方は、﹃トラスト・ファンド・ドクトリン(信託基金理論)﹄と呼ばれている。トラスト・ファンド・アプローチのもとでは、取締役は、企業の財産について株式類似の利益を有するとみなされる債権者のために、資本を維持する任務が課された受認者になる。

  取締役が債権者に対する信認義務を負う場合に、いくつかの疑問が生じる。たとえば、後で言及することだが、債権者が残余リスク負担者になるという事実は、取締役の特定の債権者に対して負う信認義務を生じさせることはほとんどない。たとえば、⋮⋮アスムセン判決 (₇

は、自己取引の場合を除いて、支払不能状態にある会社の取締役が、ある債権者と同一順位の他の債権者を優遇したという事実だけで信認義務に違反することはないとした。

  現在では、債権者の残余権者への変形は、取締役の信認義務違反についての典型的な請求における損害の性質を変更しない。二つの例がこのことを明らかにするであろう。⋮⋮たとえば、すでに支払不能状態である航空会社が、事業を継続すると想定しよう。取締役が自己取引に従事していたという内容の十分に陳述された請求が、多くの会社債権者うちの一人によって提起されたとする。この請求は、会社債権者集団による請求なのか、あるいは、訴えを起こした特定の債権者による請求なのか。そしてそれによる金銭賠償は、債権者集団に帰属するのか、あるいは、特定の債権者に帰属するのか。私は、そうではないと考える。その代わりに、会社の支払不能状態を理由として、債権者は、自己取引に従事した取締役が、会社財産を不適切に減少させ、会社財産に正当な権利を有する債権者に損害を与えたことによって、信認義務に違反していたことを主張する原告適格を有するであろう。特定の債権者が

(14)

  同志社法学 六九巻一号四一四一 救済についての権利を有することはないであろう。むしろ、債権者全体は、会社の財務状態が回復することで企業価値が増加した場合には利益を得るであろう。そして、会社は、資金提供者の間の優先順位にしたがって、より多くの債権者を満足させることができる。言い換えれば、支払不能状態の会社の場合においてでさえ、会社財産の減少をもたらし、そして衡平法上の信認義務違反を構成する取締役の不当な判断は、依然として会社それ自体を害する。それゆえ、会社が支払不能状態である場合に訴えが債権者によって提起されるかどうかにかかわらず、株主あるいは債権者は会社という経済的主体が被った損害についての救済を求める訴えを提起する。これらの請求は依然として派生的なものであり、あらゆる救済は論理的に会社に帰属し、会社の財産に対して原告が有する請求の範囲に応じて間接的に原告の利益となる。この理由は、先に述べた通りである(つまり、支払不能状態という事実は、取締役の義務の主たる対象を変更することはなく、取締役は企業自体に対して義務を負う)。会社の支払不能状態によって、単純に、債権者は、受認者の義務違反によって生じる企業価値の消失から損害を被る主たる利害関係者となる。そして、理屈上、債権者はそのような損害を回復する請求を行う原告適格を得る。単純化すれば、支払不能状態にある会社の取締役が信認義務違反によって企業自体を害する場合、取締役の義務違反を追及する請求権は依然として会社に属したままである。

  同様に、受認者として不適切であったと主張された行動の後で会社が支払不能状態になったという事実によって、会社に属する請求権が、債権者が取締役に対する直接訴訟を提起できる請求権に変化することはない。二つ目の例として、債権者が、取締役の誤った経営が理由で、企業が支払不能状態になったと主張すると想定しよう。債権者は、明確に取締役の不当な経営が理由で、企業それ自体の価値がほとんどなくなったことを主張する。支払不能状態という後から生じた事実は、その請求の本質を変えない。それは、単純に、派生訴訟の原告適格を有する者の範

(15)

  同志社法学 六九巻一号四二四二

囲を債権者にまで拡大し、変更するだけである (₈

。﹂

二  債権者による派生訴訟についてのDGCL一〇二条b㈦の適用

。さわかかにかうどかるれ張ず主てっよに者権債はるらい、会請む含に象対用適社権求をのべするす属に体自れてそ ㈦二条⒝者は、債権〇求一LCGD。るす有を権つにそい純るあ主株、は言文な粋のて、がいないてめ定に特請す 締た会のそ、てっよにとこっをかなし意注に分十が役社不取価にとこたせさ少減を値的当済経の社会、し営経に関   ﹁、でで態状能不払支れあ態れ状るあの力能払支が社あ、は関社会、くなはで者係害株利たっいと者権債や主会

  DGCL一〇二条⒝㈦は、その明確な趣旨にしたがって解釈されなければならない。ここでもまた、会社に支払能力のある時点で、取締役が不当な経営を行い会社に損害を与え、それによって会社を支払不能状態にしたという例を想定しよう。さらに、不当な経営が重過失から生じたということも主張されているとしよう。会社が支払不能状態であることが理由で、その請求は債権者によって主張される(あるいは、倒産手続において債権者に割り当てられた)。たとえ、取締役が相当な注意を払って行動していたとしても、裁判所が、後知恵バイアスと取締役の事業戦略が成功しなかったという事実から、相当な注意を払って行動していなかったと認定するかもしれないという危険が現実にある。このことから、DGCL一〇二条⒝㈦によって与えられた抗弁は、そのような場合において取締役にとって最も価値がある。もし、債権者が取締役に対する支払不能状態の会社の請求権を行使する原告適格を有するという単なる事実または会社の請求権が債権者へ割り当てられていたという単なる事実によって、会社の請求権が会社に属しない請求権に変化するのであれば、DGCL一〇二条⒝㈦の抗弁は事業戦略が失敗したという理由で無力化されるかもしれず、DGCL一〇二条⒝㈦の効用の大部分は無に帰する。

(16)

  同志社法学 六九巻一号四三四三   ⋮⋮支払不能状態の会社が取締役に対して提起する請求の範囲は、支払能力のある会社それ自体が取締役に対して有する請求とせいぜい同じ広さである(かあるいは確実にそれよりも広いわけはない)と思われる。そのような請求は、会社が支払不能状態であるかあるいは、さらに悪いことに支払不能状態になっていたという理由だけで、相当な注意を払っていなかった取締役への責任追及が可能となるほどに拡大されるべきではない (₉

。﹂

三  会社が支払不能状態のとき、直接訴訟と派生訴訟の区別が意味すること

味るあでのもういとかのるす ₃₀   ﹁のうの区別が何を意つ一も訴たっかなし面直が者事訟生問能題は、会社が支払不状派態の場当に直接訴訟と合

。﹂

のう義務の内容がまさにどのよなそものかという問題である ₃(   ﹁をと権債⋮、⋮は役締、取きるにあで態状能不払支が社者対負なうといわれる。会大未し解決の問題は、務義て重

。﹂

なじ明証をとこたっかなて信なに的理合が役締取をとしいけ、れよのこ、はでえ考の私うもいならなば。少なくと っのへ者権債の定特、てるよに)とこ済すとうよし維弁持に終利うろあでたじ生に的こ最でができる用あろう価値 うなうそでともの況状るれよのど、ばすとたっあかでのな。た特業事の社会、ばえとを(行のそ、は者権債の定為 のいて認取締役の信つ定に者権債の特たっ被を害務義る違か、うそしも、てしそ、の反あが性能可るす成構を損は のと員業と者権債の他そをこたるげ妨を収回権債のでの従めのろことるれらえ考にとこはこ想行。たとっ定しよう が者全権債や体全業企、状役締取の社会るあに態能の体値価た者債の定特、にりわ代権っなわ行を為行るげ下をか そある。、の主張は張がを主るす唆示訟訴接直るりよさ一る不払支。いないがちにれ般の明説で推類のと例な的あ   ﹁論取しと者権債一が役締のの社TCN、はに状訴⋮てP議務るすと由理を反違の義R認信う負てし対に社G⋮

(17)

  同志社法学 六九巻一号四四四四

信認義務違反に基づく主張を認めることまたは認めないことによって生じるであろう無数のポリシーの考慮がある。そして、私は、当事者による主張なしに、それらの主張の妥当性を検討することについて気が進まない。アスムセン判決は、支払不能状態にある会社の取締役が、ある債権者よりもそれと同一順位の他の債権者を適切に優先できると判断した。しかし、その先例は、もし、その区別が自己利益によって動機づけられたものであるならば、信認義務違反が見つけられる可能性があることをも示す ₃(

。﹂

  これらの分析に基づいて、ストライン判事は、注意義務に関する請求にはDGCL一〇二条⒝㈦が適用されることを理由に訴えを却下し、自己取引等に基づく主張については訴え却下の申立てを退けた。また同法二九一条一項の請求についても却下されないとした。

︻分析︼

  本件訴訟は、PRG社の、NCT社に対して有する取引債権の回収を目的にしたものである。本判決で示されたストライン判事の解釈に対しては、デラウェア州において法であったものを再確認したという評価 ₃₃

や従来の判決の立場を制限的に理解したという評価 ₃₄

などがある。そして、本判決は、本稿で取り上げる判決でもたびたび引用される。このようなことからすれば、本判決は、デラウェア州における債権者に対する義務と責任の議論についての転換点であるといえるので、本判決を最初に取り上げる。

  以下では、本判決の判示のうち、会社の支払不能間際の状態と支払不能状態が取締役の義務内容にどのような影響を与えるのかという点、債権者の損害のとらえ方と債権者への原告適格の付与という点、および支払不能状態についての

(18)

  同志社法学 六九巻一号四五四五 判断枠組みという点を取り上げる。

  (取いつに容内の務義う負が役締で一態状の際間能不払支の社会) て

  ストライン判事は、支払不能間際の状態にある会社の取締役の義務に関する先例としてクレディリオネ判決 ₃₅

を理解し、その意義を同判決の事案との関係で捉えた。ストライン判事によれば、同判決の意義は、取締役が債権者の利益を考慮してリスクの高い判断をしないこともできるとされた点にある。つまり、株主利益最大化を会社に対する義務の内容であると考えれば、支払不能状態でも株主の利益になるようなリスクの高い判断を行うことが要求される可能性があるが、クレディリオネ判決はそのような判断を行わないことを取締役に許容したものとして理解された。

  また、本判決では、上記の債権者の利益を考慮しても良いということから、債権者の利益が支払不能状態で考慮されなければならないとは理解されていない。判旨でも述べられたように、クレディリオネ判決が債権者の利益が考慮されなければならないという義務内容を取締役に課したとの考え方があったようであるが、ストライン判事はこのような考え方を否定した。

  以上をまとめれば、クレディリオネ判決の示した義務の内容は、本判決によって、株主も債権者にいずれも好まないであろう戦略を遂行することを可能にする義務であると理解されたことにもなる ₃(

。このような理解からは、クレディリオネ判決が支払不能間際の状態と支払能力がある状態とを区別していないということが導かれる ₃₇

。それゆえ、会社が支払不能間際の状態にある場合、取締役には、支払い能力がある状態と同程度の裁量が認められているといえる ₃₈

  ストライン判事は、このような判断の背後に次のような考慮があることも明らかにしている。第一の考慮は、信認の法理によって新たな規律を設ける必要性はないという考慮である ₃₉

。これは、債権者が弁済の引き当てにすべきなのは、

(19)

  同志社法学 六九巻一号四六四六

会社の財産であり、そして債権者には会社の財産が流出しないための保護措置として詐害譲渡法などの諸規律が存在することを主たる理由とする。

  第二の考慮として、裁判所の審査能力も挙げられている ₄₀

。裁判所が後知恵的な判断をせずに裁判所が取締役の義務違反を審査する場合には、この問題を避けることはできない。この問題は、債権者の利益を取締役の義務についての指針とした場合でも変わることはないようである。また、債権者ごとのリスク選好の違いが理由で、債権者の利益というのを裁判所が指針として採用しづらいという問題もある。

  (締内の務義う負が役取二で態状能不払支) 容

  本判決は、会社が支払不能状態となって以降、取締役が二つの義務を負うという立場を取る。このことは、本判決がガイヤー判決を引用し ₄(

、支払不能状態にある会社の取締役が会社債権者に対して義務を負うという解釈が確立されたものであると指摘しつつも、この義務が会社に対する義務を覆えさないという判示から分かる。

  ここでの問題は、二つの義務の内容がどのように異なるのかという点である。ストライン判事は、取締役に債権者に対する義務が課されたとしても、取締役の義務内容はほとんど変わらないという ₄(

。このことから支払不能状態にある会社の取締役が負う二つの義務の内容はそれほど変わらないといえそうである。

  債権者に対する義務が課されることで取締役の義務内容が変わらないとして、それではそれは具体的にどのような内容なのであろうか。ストライン判事は、会社の経済的価値の最大化を試みることが取締役の義務内容であるという。会社の経済的価値の最大化の内容については、脚注において次のような補足がなされている。﹁支払不能状態にある会社において、会社の経済的価値の最大化は、取締役会が、ゴーイング・コンサーンとして

(20)

  同志社法学 六九巻一号四七四七 会社の事業を継続することが価値破壊的なものになるであろう状況で、会社の価値を最も維持する行動を要求するかもしれない。言い換えれば、支払不能状態にある会社についての効率的な清算は、債権者の正当な請求を満足させることから企業価値を高める手段になることもある ₄₃

。﹂

  このように、会社に対する義務においては、会社を清算するという選択肢も正当化される可能性が示されている。これは、支払不能状態での企業価値に債権者の利益が関係するためである ₄₄

。また、同一順位にいる債権者のうち一部の者のみを優先的に取り扱うこと ₄₅

は、自己取引に当たらない限り、義務違反にならないという ₄(

。このようなことからすれば、支払不能状態でも取締役は裁量を有するといえるが、清算が要求されるかもしれない可能性が指摘されている点で、具体的に要求される行動は会社に支払能力がある状態とで異なる可能性はある。

  (

 

三)

債権者が支払不能状態にある会社の取締役に対して行う責任追及の方法と本判決における債権者の損害のとらえ方

  ストライン判事は、債権者が取締役の義務違反をどのような方法で追及できるのかという問題にも言及する。ストライン判事は、債権者が会社の支払不能状態では派生訴訟を提起できるとした。この結論を導く上で、ストライン判事は、会社の支払不能状態では債権者が会社から完全な弁済を受けられなくなるので、会社の財産の増減につき利害を有することになるという事実を重視する。このことは、債権者が残余権者になるということを意味するのと同時に、債権者の損害が会社の財産の減少によって引き起こされるものであることをも意味する ₄₇

  債権者が取締役の義務違反によって被る損害が以上のように理解されているので、債権者の損害回復は派生訴訟を提起することで、会社財産の回復を通じて図られるべきであるとされた ₄₈

(21)

  同志社法学 六九巻一号四八四八

  取締役の義務違反についての債権者による責任追及の方法が派生訴訟であると理解されたため、債権者が行使する請求権は会社の請求権であることになる。このことから、DGCL一〇二条⒝㈦の適用があるとされた ₄₉

。同条の適用を認めるに際して、直接訴訟と理解し同条の適用を免れるとすることは同条の効用を失わせることが指摘されていた。このことを理由の一つとして挙げることからすれば、会社の支払不能状態でも同規定の考慮が及ぶべきであると考えられているようである。

  その考慮とは、ストライン判事が、﹁支払不能状態にある会社の取締役は、債権者らと誠実に交渉する権利と会社のために公正な契約を締結する権利を有するに違いない ₅₀

﹂と指摘したうえで ₅(

、﹁取締役の︹債権者に対する︺﹃受認者﹄的地位がそのような交渉にどのような範囲で影響を及ぼすべきなのか ₅(

﹂と述べた点と関連する。つまり、債権者による直接訴訟は一定の範囲で、取締役が会社の事業を継続するための行動を妨げる可能性があるので、そのような制約をかけるべきではないという考慮である ₅₃

  もっとも、債権者による直接訴訟の可能性が完全に排除されたわけではない ₅₄

。ストライン判事は、ある経営判断を行った結果、会社が支払不能状態になった場合などに直接訴訟が認められないことは明らかにしたが、直接訴訟の可能性を完全には否定していない ₅₅

。それは、一方で、直接的な責任追及を認めることが上のような可能性のある問題であるが、他方で、債権者間での平等でない取り扱いの問題への解決策として必要であるかもしれないからであるという ₅(

  (四) 支払不能状態の判断枠組み

  本判決は、会社が支払不能状態となれば、債権者が取締役の信認義務違反を理由とする派生訴訟を提訴できるという解釈を示した。それゆえ、支払不能状態をどのように判断するかという点はなお重要な問題である。

(22)

  同志社法学 六九巻一号四九四九   支払不能状態の基準について、本判決は、﹁会社の債務超過を前にして、事業が首尾よく(

su cc es sfu lly

)継続されうる合理的な見込みのない債務超過状態﹂にあるか、または、﹁通常の事業の過程において、弁済期が到来したときに、満期の債務を弁済する能力がないこと﹂のいずれかにあてはまることを主張しなければならないとした ₅₇

。ここでは、二つの基準が示されているが、前者がバランスシートの観点に基づくものであり、後者はキャッシュフローの観点に基づくものである。もっとも、本件での以上の判断は、DGCL二九一条に基づく管財人の選任 ₅₈

に関する主張と合わせて判断されたものであり、義務あるいは原告適格の判断だけを前提にするものではない点には注意が必要である。

  (にれる保護の範囲つえいての本判決の立ら与五や) 取締役の義務責に任を通じて債権者場

  本判決は、債権者を、﹁会社が支払不能状態のときに、⋮⋮取締役からの救済によって増加されうる会社の財産に請求権を有する利害関係者である ₅₉

﹂と捉えており、そのための手段としては、派生訴訟の原告適格を与えれば良いとしている。これは、言い換えれば、債権者であるからという理由で、事業リスクに起因する損失についての特別の保護は与えられないという立場であるように思われる (₀

第二款  トレンウィック判決 ((

︻事案の概要︼

  TG社は、保険事業(主に再保険事業)を行うニューヨーク証券取引所上場の持株会社である。同社に支配株主はおらず、同社の取締役一一名中一〇名が独立取締役であり、残りの一名はCEOを兼任している。

  TG社は、企業買収などを行うことを内容とする成長戦略を策定し実施した。本件で、主として問題になってい

(23)

  同志社法学 六九巻一号五〇五〇

るのは、その一環で行われたL社とC社に対する買収である。この二件の買収は、TG社の株主総会によっても承認されたものである。

  これらの買収を契機として、TG社は、グループ内の組織を再編し、TG社を頂点とし、その下にアメリカ、イギリス、バミューダの事業ラインごとの中間的な持株会社を設立した。TA社は、TG社の子会社であり、アメリカにおける事業を統括していた。この再編の過程で、TA社は、TG社を含むその他のグループ会社の融資のために保証契約を締結し、それに加えて債務を引き受けるなどもした。

  その後、TG社の子会社への保険金請求額が想定を上回ったため、TG社とTA社は倒産するに至った。そして、TA社の再建計画の一環として訴訟信託が創設された。この訴訟信託が本件における原告である。

  訴訟信託は、TG社の取締役らとTA社の取締役ら、TA社のアドバイザーに対する八つの請求を行った。以下では、倒産状態をより悪化させたことを理由とするディープニング・インソルベンシーという訴訟原因(

ca us e of ac tio n

)がデラウェア州法において認められるべきかどうかに関する判断を取り上げる。

︻判旨︼

る裁ができる。思慮深い連邦判こ所判決が認めるようにすと (( 社、は会役締取え、さで合場るあ会にの略行遂態実誠を戦価るす化大最を値で状を義不払支が社会。いなさ課能務   ﹁なきでがと履こるす行アを務債、は法州会ェウラいデ社社な的極究るせさ算清を会のし止停を事、に役締取業

、連邦倒産法チャプター一一は、もし支払不能状態の会社が状況が好転するという希望をもって事業を継続するならば、その会社の債権者(および社会全体)が利益を受ける可能性があるという社会認識を表明する。

参照

関連したドキュメント

[r]

例えば,立証責任分配問題については,配分的正義の概念説明,立証責任分配が原・被告 間での手続負担公正配分の問題であること,配分的正義に関する

例えば,立証責任分配問題については,配分的正義の概念説明,立証責任分配が原・被告 間での手続負担公正配分の問題であること,配分的正義に関する

operativesMovementandUleforlnationoftheNalionalHealthlnsuranceSystemTheresearch onthehistoryofthefOrmationoftheNationalHealthlnsuranceSystemhasibcusedonlyonthe

 本件は、東京地判平成27年判決と異なり、臨時株主総会での定款変更と定

Some of the other theorems, which follow from Beurling’s and L p − L q - Morgan’s (Hardy’s and Cowling-Price to be more specific) were proved inde- pendently on Heisenberg groups

We generalized Definition 5 of close-to-convex univalent functions so that the new class CC) includes p-valent functions.. close-to-convex) and hence any theorem about

We generalized Definition 5 of close-to-convex univalent functions so that the new class CC) includes p-valent functions.. close-to-convex) and hence any theorem about