対 人 信 頼 感 にお け るパ ー ソナ リテ ィの影 響 につ い て

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岩 崎:対 人 信 頼 感 に お け るパ ー ソナ リ テ ィの 影 響 につ い て

対 人 信 頼 感 にお け るパ ー ソナ リテ ィの影 響 につ い て

一 『原 子 価 論 』 に基 づ く実 証 的研 究一

美*

Theeffectofpersonalityoninterpersonaltrust:

Anempiricalstudybasedonvalencytheory

KazumiIWASAKI

本 研 究 の 目的 は、 人 と関 わ る上 で 欠 か す こ と の で き な い対 人信 頼 感 とパ ー ソナ リテ ィ との 関 わ りを 明 らか にす る こ とで あ る。 パ ー ソナ リテ ィの 違 い に よ っ て対 人信 頼 感 の抱 き方 の違 い を 知 る た め 、 パ ー ソ ナ リテ ィの概 念 で あ るBion(1961)とHafsi(1997,2006)に よる 原子 価 論 を用 いて 、 両 者 の 関 係 を明 ら か に し よ う と した。 本 研 究 の 対 象 は 、心 理 学 系 の 大 学 に通 う学 生186名 で あ り、対 人信 頼 感 不 信 感 尺 度 と VATの2つ の 質 問 紙 を使 用 し、 実 証 的研 究 を 行 っ た 。

まず 、 初 め に対 人信 頼 感 に 関す る概 念 を論 じた 後 、BionとHafsiの 原 子 価 論 の 概 念 、 そ れ に 基 づ く2つ の 仮 説 を 導 い た。 そ して 、 そ れ を実 証 す る た め に 、 質 問 紙 で 調 査 した 。 そ の デ ー タ を基 に 因 子 分 析 を 行 った と ころ 、4つ の 因 子(信 頼 に対 す る恐 怖 、 嘘 に対 す る警 戒 、 二 面 性 に対 す る不 信 、 人 間 に対 す る 理 想)が 抽 出 され た 。 そ の 結 果 を分 散 分 析 に か け た と こ ろ、2つ の 仮 説 は実 証 さ れ、 対 人信 頼 感 とパ ー ソナ リテ ィの 間 に は 深 い 関 わ りが あ る こ とが 認 め られ た 。 以 上 の 結 果 以 外 に も、 各 原 子 価 に よ っ て対 人 信 頼 感 の抱 き方 に 固 有 の 特 徴 が あ る こ とが 認 め られ た 。 そ の 結 果 、 各 原 子 価 の対 人信 頼 感 に 明 らか な違 い が あ る とい う仮 説 が 示 唆 され た 。

キ ー ワ ー ド 対 人 信 頼 感 、 原 子 価 論 、Bion、 パ ー ソ ナ リ テ ィ

1.は じ め に

『信 頼 こそ 才 知 よ り も交 際 を深 め る』

フ ラ ンスの 貴 族 で 、 モ ラ リ ス ト文 学 者 で もあ る、 ラ ・ロ シュ フ コー 公 爵 フ ラ ン ソ ワ6世 の 「箴 言 集 」 に あ る言 葉 で あ る。 他 人 と人 間 関係 を築 く と きに は 、才 能 や 知 恵 よ り も信 頼 こそ が 必 要 で あ る こ とが 示 唆 され て い る。 「信 頼 」 は人 と人 とが 関 係 を築 い て い く上 で非 常 に大 切 に さ れ て い る こ とは誰 し も感 じて い る事 実 で あ ろ う。 臨 床 心 理 の分 野 で は 、 カ ウ ンセ ラー と ク ライ エ ン トの 平 成21年9月18日 受 理*社 会 学 研 究 科 社 会 学 専 攻 修 士 課 程(臨 床 心 理 学 コー ス)

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奈 良 大 学 大 学 院 研 究 年 報 第15号(2010年)

間で 築 か れ るべ きで あ る と され て い る 「ラポ ー ル 」 とい う信 頼 関 係 が あ る。 この 関 係 を築 い て こ そ 、 ク ラ イエ ン トは 自 らの 内 容 を開 示 す る こ との で き る環 境 を カ ウ ンセ リ ングの 場 に作 り出 す こ とが で き る と され て い る。 また 、 心 理 学 にお い て の 「信 頼 感 」 は、 発 達 段 階 にお い て、 また 人 間 関係 を築 く上 で も、 最 も基 底 的 で 、 最 も重 要 で あ る と され て い る もの で あ る。

で は、 この 「信 頼 感 」 は、 どの 人 も どの よ う な人 に対 して も同 じよ う に築 か れ る もの な の だ ろ うか。 こ の よ う な疑 問 を持 っ た こ とが 本 研 究 を始 め る きっか け とな っ た もの で あ る。 個 人 のパ ー ソ ナ リテ ィの違 い に よ っ て、 対 人 関係 で の 「信 頼 感 」 は、 どの よ うな特 徴 を示 す の か、 パ ー ソ ナ リテ ィ特 性 の違 い に よ っ て、 個 人 の 抱 く 「信 頼 感 」 の特 徴 に違 い は あ る の か。 こ の疑 問 を解 決 さ せ る こ とが 本 研 究 の 目的 で あ る。

皿.問

1.対 人 信 頼 感

本 研 究 は 、対 人信 頼 感 とパ ー ソ ナ リテ ィに 関す る もの で あ る 。 『信 頼 』 と は、 大 辞 林 に よ る と、

「信 じ、頼 る こ と」 と定義 され て い る。 本 研 究 で は、 特 定 の個 人 に対 す る信 頼 感 で は な く、他 者 0般 を信 頼 す る傾 向 が どれ ほ ど強 い か とい う 『一 般 的信 頼 感 』 を 問 題 と して い る。 まず 、対 人信 頼 感 に 関 す る理 論 を 「社 会 的観 点 」、 「精 神 分 析 的観 点」、 「対 象 関係 論 的 観 点」、 「対 人信 頼 感 に 関 す る 先 行研 究」 とい う理 論 的観 点 ご とに 分 け て論 述 した い 。

信 頼 感研 究 にお け る心 理 的 ア プ ロ ーチ を代 表 す るRotter(1967,1971)は 、対 人信 頼 感 を"他 の個 人 あ る い は 、 集 団 の 言 葉 、約 束 、 口頭 や 文書 に よる 陳述 を当 て にす る こ とが で き る とい う個 人 あ る い は 集 団 が抱 く般 化 され た 期待"と 定 義 し、他 者 一 般 に 対 す る信 頼 を測 定 す るた め の 対 人 信 頼感 尺 度(ITS)を 開発 した 。 そ して 、 彼 は このITS尺 度 を用 い た一 連 の 研 究 を概 観 した展 望 論 文(Rotter,1980)の 中 で 、信 頼 感 の 高 低 と騙 され や す さ(な い し、 ナ イー ブ さ、 お ろ か さ)の 間 には 関 係 が ない とす る結 論 を下 した。 こ のRotterの 理 論 か ら、 山岸(1995)は 、 対 人 信 頼 感 を

「安 心 」 と 「信 頼 」 に 区別 した 。 そ して、 「信 頼 」 を"社 会 的不 確 実 性 が 存 在 して い る に も関 わ らず 、 相 手 の(自 分 に 対 す る感 情 を含 め た 意 味 で の)人 間性 ゆ え に、 相 手 が 自分 に対 して そ ん な こ と は し ない だ ろ う と考 え る こ と"と 定 義 した 。

次 に、 自我 心 理 学 に属 して い るErikson(1959)は 精 神 分 析 の観 点 か ら、 「信 頼 感 の 獲 得 」 を発 達段 階 の 第 一・段 階 で あ る と考 えた 。 一個 人 の 人 生 を8つ の段 階 に分 け、 健 康 なパ ー ソ ナ リ テ ィの 構 成 要 素 を各段 階 に設 け た 。 そ して 、 そ れ ぞ れ に重 要 な意 味 を持 つ 他 者 を と りあ げ、 そ の 他 者 と の 関 わ りの 中 で 達 成 され るべ き課 題 と、 獲 得 す べ き事 柄 を提 示 した 「ラ イ フ ・サ イ ク ル理 論 」 を 提 唱 した 。 この 「ラ イ フ ・サ イ ク ル理 論 」 と は、8つ の 各 発 達段 階 特 有 の 心 理 社 会 的 危 機 を通 し て 、 パ ー ソナ リテ ィ は漸 進 的 に発 達 す る こ とが前 提 で あ る。 そ の 第 一段 階 と してEriksonは 「基 本 的 信 頼 感 」 を獲 得 す べ き要 素 と した 。 この 「基 本 的 信 頼 感 」 は、 生 後 一 力年 の 間の 母 親 との 関 わ りの経 験 か ら獲 得 され る 自分 自身 と外 の 世界 に対 す る一・つの 態 度 であ る と考 えた。 そ して 、Erikson は 「基 本 的 信 頼 感 」 の 傷 つ き を 「基 本 的 不 信 感 」 と し、 ア イ デ ンテ ィ テ ィの 確 立 に は欠 か せ な い

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要 素 と し て 考 え て い た 。

さ ら に も う 一・つ の 理 論 で あ るKlein(Saga1,1985)の 理 論 か ら も 、 「信 頼 感 」 の 獲 得 に つ い て 説 明 す る こ とが で き る 。Kleinの 理 論 か ら 、 「信 頼 感 」 の 獲 得 は 妄 想 ・分 裂 的 態 勢(paranoid‑schizoid position)を 体 験 す る こ と で 獲 得 す る と説 明 で き る 。 乳 児 は 、 母 親 か ら切 り 離 さ れ た と き(出 時)か ら、 「生 の 本 能(lifeinstinct)」 と 「死 の 本 能(deathinstinct)」 と い う 両 極 的 な 葛 藤 か ら 生 じ る 不 安 に 悩 ま さ れ る 。 未 熟 な 自 我 が 体 験 せ ざ る を 得 な い 葛 藤 で あ る 。 そ の 葛 藤 か ら の 不 安 を 取 り除 く た め に 、 未 熟 な 自 我 は"自 分 が 迫 害 さ れ る の で は な い か"と い う死 の 本 能 か ら の 葛 藤 を 屈 折 し、 生 の 本 能 か ら 遠 ざ け よ う と 、 投 影 同 一・化 を 用 い て 、 生 の 本 能 と死 の 本 能 を 母 親 の 乳 房 に 投 影 す る 。 生 の 本 能 を 投 影 し た 「良 い 乳 房 」 に 対 して は 、 自 我 は 同 一 化 し よ う と し、 死 の 本 能 を 投 影 し た 「悪 い 乳 房 」 に 対 し て は 攻 撃 性 を 示 す 。 つ ま り、 こ の 体 験 を し て い る 乳 児 が 抱 い て い る の は 、 「良 い 乳 房 」 に 対 し て は 『信 頼 感 』 を 、 「悪 い 乳 房 」 に 対 して は 『不 信 感 』 を 抱 い て い る と 考 え ら れ る 。 以 上 の よ う な 、 母 親 と の 対 象 関 係 が 、 成 人 に お い て の 対 人 信 頼 感 の 基 本 と な っ て い

る と い え る だ ろ う 。

他 に 、 対 人 信 頼 感 は 個 人 の 不 安 や 内 的 制 御 傾 向 だ け で な く、 問 題 行 動 や 精 神 疾 患 と も 関 連 す る こ と がAmelang,Gold&Kulbel(1984)ら に よ っ て 指 摘 さ れ て い る 。 ま た 、 日 本 に お い て も 対 人 信 頼 感 に 関 す る 研 究 は い くつ か 報 告 さ れ い る 。

天 貝(1995‑1997)は 、Eriksonの 理 論 か ら 、 信 頼 感 を"自 分 へ の 信 頼"、"他 者 へ の 信 頼"、"不 信"の3側 面 か ら と ら え 、 信 頼 感 尺 度 を 作 成 し た 。 こ の 研 究 に よ っ て 、 青 年 期 の 発 達 段 階 に お い て 、 各 側 面 の 発 達 的 変 容 が 示 さ れ た 。 そ れ に よ る と 、 発 達 段 階 別 で 信 頼 感 の 質 的 な 違 い が 生 じ て い る こ とが 示 唆 さ れ て い る 。

以 上 の よ う に 、 対 人 信 頼 感 は 様 々 な 方 面 か ら研 究 さ れ て い る 。 し か し 、 パ ー ソ ナ リ テ ィ 特 性 と の 関 係 を 明 らか に し た 研 究 は 少 な い よ う に 思 わ れ る 。 本 研 究 で は そ れ を 明 ら か に す る こ と を 目 的

と し て い る 。 よ っ て 、 本 研 究 で は 、 パ ー ソ ナ リ テ ィ の 概 念 と し て 、Bion(1961)とHafsi(1997, 2006)の 『原 子 価 論 』 を 使 用 す る 。

2.原 子 価 論

「原 子 価 」 と は 、Bion(1961)に よ っ て 創 始 さ れ た 集 団 力 学 と精 神 分 析 に お け る 独 創 的 な 概 念 で あ り、Hafsi(1997,2006)に よ っ て 発 展 さ れ た 理 論 で あ る 。

WilfredRuprechtBion(1897〜1979)は 、 集 団 力 動 にお い て の 権 威 的 な 精 神 分 析 家 で あ る 。Bion は 集 団 理 論 に お い て 、 グ ル ー プ 活 動 に お け る2つ の 心 的 側 面 に 言 及 し て い る 。 意 識 的 ・現 実 的 側 面 で あ る 作 動 グ ル ー プ(WorkGroup)と 、 無 意 識 的 ・幻 想 的 側 面 で あ る 基 底 的 想 定 グ ル ー プ (basicassumputionGroup)の2つ の 側 面 は 、 常 に 関 係 し て お り、 影 響 を 及 ぼ し 、 及 ぼ さ れ て い る 。Bionに よ れ ば 、 基 底 的 想 定 グ ル ー プ に は 「依 存 基 底 的 想 定(basicassumptionGroupof

Dependency)」 、 「闘 争 ・逃 避 基 底 的 想 定 グ ル ー プ(basicassumptionGroupofFight/Flight)」

「つ が い 基 底 的 想 定 グ ル ー プ(basicassumptionGroupofPairing)」 の3つ の 基 底 的 想 定 が 存 在 す る 。

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そ こ で 、Bionは 、 意 識 的 な 個 人 と グ ル ー プ と の 関 係 を 明 ら か に す る た め に 科 学 の 用 語 で あ る

「原 子 価 」 を 用 い た 。 そ し て 、 原 子 価 を 「確 立 し た 行 動 パ タ ー ン を 通 じ て 、 他 者 と 瞬 間 的 に 結 合 す る 個 人 の 能 力 」 で あ り 、 「基 底 的 想 定(basicassumption)」 を 作 り 出 し た り、 行 動 化 し た りす る た め に グ ル ー プ と連 合 し て い く こ と に 関 す る 個 人 の 能 力 と 定 義 し た 。 つ ま り、Bionは 精 神 機 能 か ら 見 て 、 人 間 で あ る 限 り、 人 は 原 子 価 を持 っ て い る と 考 え た の だ 。

し か し 、Bionは 、 対 人 関 係 や 個 人 の 特 性 に 関 し て 原 子 価 を 用 い て 説 明 を 試 み た が 原 子 価 の 類 型 に つ い て 述 べ て い な い 。 だ が 、 幾 つ か の 論 述 に よ る と 原 子 価 の タ イ プ は 基 底 的 想 定 の も の と 同 様 で あ り 、 「依 存(dependency)」 、 「つ が い(pairing)」 、 「闘 争 ・逃 避(fight/flight)」 が 存 在 す る と い う 。 そ の 後 、Bionの 集 団 理 論 に 基 づ く様 々 な 研 究 を 行 っ て き たStock&Thelenが 理 由 を 述 べ ず に 「闘 争 」 と 「逃 避 」 を 分 離 さ せ 、4つ の タ イ プ に な る タ イ ポ ロ ジ ー を 提 唱 し た 。

しか し、 原 子 価 の 類 型 に 対 す る 問 題 で あ る 原 子 価 の タ イ プ に つ い て 、Bionの み な らず 、 後 の 研 究 者 も触 れ て い な い 。 そ こ で 、Hafsi(1997、2006)に よ っ て 、 原 子 価 は 、 「個 人 の 対 象(人 、 グ ル ー プ)と 結 合 す る た め の 一 定 の 無 意 識 的 、 か つ 普 遍 的 な(知 的 、 情 動 的 、 行 動 的)準 備 状 態 で あ る 」 と 再 定 義 さ れ 、 原 子 価 の4つ の タ イ プ の 特 性 に つ い て 明 確 に し、 原 子 価 は 概 念 か ら理 論 へ と の 発 展 を 遂 げ た 。 以 下 は 、Hafsiの い う4つ の 分 類 と特 徴 で あ る 。

まず 、 依 存 原 子 価(Dependency)は 、相 互 依 存 に よ る 対 人 結 合 を望 む 。 自己 評 価 が 低 く、他 者 評 価 が 高 い 傾 向 が あ る。 そ の た め、 他 者 に よ る 自分 へ の評 価 を気 に す る傾 向 が あ る 。他 者 に対 して強 い共 感 ・同情 を示 す 。 上 下 関係 を築 く傾 向が 強 く、他 者 へ 頼 りた い 欲 求 、 頼 られ た い 欲 求 が 強 い。

次 に、 闘争 原子 価(Fight)は 、 相 互競 争 に よ る対 人結 合 を望 む。 自己 評 価 が 高 く、 自分 の 意 見 を は っ き り と伝 え る傾 向が あ り、 相 手 に も意 見 を要 求 す る傾 向 が み られ る。 そ の た め 、 リー ダー シ ップ を発 揮 す る傾 向が 強 い。 また 、活 発 な コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン(批 評 、 議 論 、 討 論 等)を 好 む 傾 向 が あ る。 ラ イバ ル意 識 が 強 く、負 け ず嫌 い の傾 向 が あ る 。

次 に、 つ が い原 子 価(Pairing)は 、 相 互 親 密 に よ る対 人 結 合 を望 む 。 親密 な対 人 関係 を望 む傾 向 が 強 く、 少 人 数 の グ ル ー プ を好 む 。異 性 に対 して ア ピー ル が 強 い 。 強 い 好 奇 心 を持 ち、 対 人 関 係 に お い て 明 る く、 親 し く振 舞 う傾 向 が あ る 。 また 、 目立 ち た い 傾 向 が 強 く、 挑 発 的 な態 度 と捉 え られ が ち で あ る 。 未 来志 向 な 考 え 方 を し、 平 等 主 義 で 正 義 感 が 強 い 傾 向 が る。

最 後 に、 逃 避 原 子 価(Flight)は 、 葛 藤(衝 突)回 避 に よる 対 人 結 合 を望 む。 葛 藤 を避 け る傾 向 が 強 く、 表 面 的対 人 関係 を好 む 傾 向 が あ る。 また 、 感 情 的 な距 離 を置 く傾 向が あ り、 責 任 を負 う意 見 や助 言 を控 え る傾 向 が あ る。 対 人 関 係 にお い て 消 極 的 な性 質 を も ち、 リ ー ダ ー シ ップや 責 任 を負 う地 位 に対 す る 回避 傾 向 が あ る 。 人 に対 して、 逆 依 存 的 傾 向 が あ り、 観 察力 が 優 れ て い る 。

まずHafsiは 、 精 神 的 健 常 者 と言 わ れ る 人 は、4つ の タイ プの す べ て の 原 子 価 を発揮 す る 能力 を 有 して い る と した 。 そ の4つ の 中 で 、 最 も対 象 と結 合 す る た め に頻 繁 に示 さ れ る原 子 価 を 『活 動 的 原 子価 』 と し、 活 動 的 原 子 価 で 結 合 が 不 可 能 な場 合 に、 一・時 的 に示 さ れ、 適 応 的機 能 を果 たす 原 子価 を 『補 助 的 原 子 価 』 と した 。 つ ま り、1つ の 活 動 的 原 子 価 と3つ の補 助 的原 子 価 を もっ て

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い る とい う こ とに な る 。 補助 的 原子 価 を用 い る こ とに よ って 、 人 は状 況 に よ って 、 対 応 し適 応 す る こ とが で きる よ うに な る の で あ る。 次 に 、 原子 価 は 、 生 後 か ら3歳 頃 まで の 母 親 を は じめ とす る養 育 者 と本 人 との 関係 性 に よっ て取 得 され る と考 え た 。 そ の 関係 性 に よ って 、 活 動 的 原 子 価 と 補 助 的原 子 価 が 決 定 さ れ る と した の で あ る。

以 上 の理 論 的 背 景 か ら、 「対 人 信 頼 感 」 は 養 育 され て きた 各 々 の 環 境 や、 こ れ まで 築 い て きた 対 人 関 係 、 また 、 そ の 関 係 か らの 様 々 な経 験 に よ っ て育 ま れ る もの で あ る と考 え られ る。 また 、 個 人 の パ ー ソナ リテ ィ も同 様 に、 育 って きた 環 境 、 母 子 関 係 な どを代 表 とす る対 人 関係 に影 響 を 受 け て い る。 以 上 の よ う な同 様 の 原 因 か ら成 り立 って い る対 人 信 頼 感 とパ ー ソ ナ リテ ィは、 何 ら か の 関係 が あ る と考 え られ る 。 そ の 関係 は 、 これ まで 明 らか に され て お らず 、 本 研 究 にお い て、

そ の 関係 を 明 らか に した い と考 え て い る 。対 人信 頼 感 をパ ー ソナ リ テ ィの 一・理 論 で あ る原 子 価 論 に よっ て 明 らか に す る こ とを 本研 究 の 目的 とす る 。 以 上 の こ とか ら、 本 研 究 の 仮 説 は以 下 の とお

りで あ る。

まず 、 第一・仮 説 と して、 「依 存 原 子 価 」 を持 つ 人 は、 「対 人信 頼 感」 が 高 い で あ ろ う と考 えた 。 次 に、 第 二 仮 説 と して、 「闘 争 原 子価 」 を持 つ 人 は、 「対 人不 信 感」 が 高 い で あ ろ う と考 えた 。 以 上 の仮 説 を検 証 す る ため 、 以 下 の よ う な方 法 を用 い た。

皿.方 法

1.対 象 者

本 研 究 に お い て 対 象 に した の は 、 私 立 の 大 学 に 通 う 学 生186名(男 性101名;約55%、 女 性83名;

約45%)で あ る 。 そ の う ち 、166名 の デ ー タ を 有 効 と し、 分 析 に 使 用 し た 。

2.尺

本 研 究 で は 、 対 人 信 頼 感 とパ ー ソ ナ リ テ ィ の 関 係 を 検 証 す る た め 、 以 下 の2種 類 の 質 問 紙 を 使 用 し た 。 対 人 信 頼 感 の 性 質 を 測 る た め 、 「対 人 信 頼 感 不 信 感 尺 度 」 を 使 用 し 、 パ ー ソ ナ リ テ ィ の 一 理 論 で あ る 原 子 価 を 測 る た め、 「VAT(ValencyAssessmentTest)」 を 使 用 し た 。 以 下 に 各 質 問 紙 の 説 明 を 述 べ る 。

a)対 人 信 頼 感 不 信 感 尺 度

この 尺 度 は、 堀 井 ・槌 谷(1995)に よ って 開発 さ れ た対 人信 頼 感 尺 度 と、 天 貝(1995)に よっ て作 成 され た 信 頼 感 尺 度 を組 み 合 わ せ て 作 成 した もの で あ る。

対 人信 頼 感 尺 度 は、 人 間 一般 に対 す る基 本 的 な信 頼 感 を測 定す る ため の 尺 度 と して作 成 され た 。 堀 井 ・槌 谷 は、Rotter(1967)ら に よ って 作 成 され た対 人信 頼 感尺 度 を も と にの う ちか ら、 特 殊 な人 物 に対 す る信 頼 感 を測 る項 目 を省 い て 、 人 間 一 般 に対 す る信 頼 感 を測 る尺 度 と して作 成 さ れ た 。 信 頼性 ・妥 当性 と もに 十 分検 討 され て お り、17項 目か ら構 成 され て い る。

信 頼 感尺 度 は 、対 人信 頼 感 を多 元 的 に 測 定 す るた め の 尺 度 で あ る。 「自分 へ の信 頼 」 「他 者 へ の

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信 頼 」 「不 信 」 の3側 面 か ら測 定 で きる よ うに 作 成 され た 。 信 頼 性 も十 分 検 討 され て い る尺 度 で 、 24項 目か ら構 成 さ れ て い る。 今 回 は、 他 者 へ の信 頼 感 を検 討 す る た め 、対 人信 頼 感 尺 度 と重 複 し

て い る 、 また は他 者 に対 す る信 頼 で は な く、 自分 自身 に対 す る信 頼 を測 定 す る 「自分へ の 信 頼 」 と 「他 者 へ の 信 頼 」 の 因子 項 目は使 用 せ ず 、 「不 信 」 の 因子10項 目の み を対 人 信 頼 感尺 度 に組 み 合 わ せ て 使 用 す る。

以 上 の2種 類 の 質 問 紙 を組 み 合 わせ て 、27項 目か らな る質 問 紙 を作 成 した 。 以 上 の 項 目 を5件 法(1:そ う思 わ な い 〜5:そ う思 う)で 回 答 す る。

Table1対 人 信 頼 感 不 信 感 尺 度

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q

人 は 、 基 本 的 に は 正 直 で あ る。

人 は 、 多 少 良 くな い こ と を や っ て も 自 分 の 利 益 を得 よ う とす る。

人 は 、 頼 りに で き る 人 が わ ず か しか い な い 。

人 は 、 ほ か の 人 の 親 切 に 下 心 を 感 じ、 気 を つ け て い る。

人 は 、 普 通 清 く正 し く 人 生 を 送 る 。 人 は 、 成 功 す る た め に嘘 をつ く。

人 は 、 近 ご ろ だ れ も知 ら な い と こ ろ で 多 くの 罪 を 犯 して い る 。 人 は 、 普 通 ほ か の 人 と誠 実 に 関 わ っ て い る 。

人 は 、 誰 か に利 用 さ れ る か も し れ な い と思 い 、 気 を つ け て い る 。 人 は 、 ほ か の 人 を信 用 し な い 方 が 安 全 で あ る と思 っ て い る 。

人 は 、 ほ か の 人 に 対 して 、 信 用 し て も よ い と い う こ とが 分 か る ま で は用 心 深 く して い る。

人 は 、 口先 で は う ま い こ と 言 っ て も 、 結 局 は 自分 の 幸 せ に 一 番 関 心 が あ る 。 人 は 、 ほ か の 人 を援 助 す る こ と を 内 心 で は 嫌 が っ て い る。

人 は 、 自 分 が す る と言 っ た こ とは 実 行 す る。

人 は 、 チ ャ ンス が あ れ ば 税 金 を ご ま か す 。

人 は 、 他 人 の 権 利 を認 め る よ り も 、 自分 の 権 利 を 主 張 す る 。 人 は 、 厄 介 な め に あ わ な い た め に 、 嘘 を つ く。

今 心 か ら頼 れ る 人 に もい つ か 裏 切 られ る か も しれ な い と思 う 。 所 詮 、 周 りは 敵 ば か り だ と感 じ る 。

自 分 で 自分 を しっ か り守 っ て い な い と壊 れ て し ま い そ う に な る。

過 去 に 、 誰 か に 裏 切 ら れ た り し た りだ ま さ れ た り した の で 、 信 じ る の が 怖 くな っ て い る 。 気 をつ け て い な い と 、 人 は 私 の 弱 み に 付 け 込 も う とす る だ ろ う 。

私 は な ぜ か 人 に 対 して 疑 り深 くな っ て い る 。

今 は 何 か と話 せ て も、 他 人 な ど ま っ た く当 て に な ら な い 。 人 は 自分 の た め な ら簡 単 に相 手 を 裏 切 る こ と が で き る だ ろ う。

相 手 が 自分 を大 切 に し て くれ る の は 、 そ うす る こ と に よ っ て 相 手 に 利 益 が あ る 時 だ 。 私 の 地 位 や 立 場 が 変 わ れ ば 、 私 自身 も今 と は全 く違 う 人 間 に な る だ ろ う。

b)VAT(ValencyAssessmentTest)

Stock&Thelen(1958)に よるRGST(ReactiontoGroupSituationTest)を 基 にHafsi(1997) が 原 子 価 測 定 を 行 う た め にRGST‑Nuを 開 発 、 そ れ を 再 度Hafsi(1997)が 改 訂 し た 文 章 完 成 法 の 質 問 紙 で あ る 。

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Bionの 集 団 論 に基 づ く様 々な 実証 的研 究 を行 っ て きたStock&Thelenは 、RGSTを 開発 したが 、 こ の テ ス トに は多 くの 問 題 が あ っ た。 とい う の も、 明 らか な マ ニ ュ ア ル は な く、整 理 され た もの で は なか った た め 、取 り扱 うこ とが 難 しか った の で あ る 。 この 問 題 を解 決 す る た め に、Hafsiは 日 本 語訳 を行 い 、テス トの構 造 や 項 目の解 釈 、採 点 法 に関 す るい くつか の根 本 的 な修 正 を行 い 、RGST‑

Nuを 開発 した。 そ の上 で 、 さ ら にい くつ か の研 究 を行 い、 問題 が 見 つ か った た め 、 再 度 改正 した もの をVATと した 。

VATは 、 個 人 が4つ の タ イ プ の原 子 価 の どれ に 値 す る か を測 定 す る た め の 尺 度 で あ る。 依 存 (5項 目)、 闘争(5項 目)、 つ が い(5項 目)、 逃 避(5項 目)、 協 同 指 標(5項 目)の 全25項 目 か ら構 成 され て い る 文章 完 成 方 式 の テ ス トで あ る 。 実 施 方 法 は 様 々で あ るが 、 一 般 的 に は検 査 者 が質 問 項 目 を読 み上 げ、 一 定 の 時 間 内 に対 象 者 が 回答 を質 問 紙 に記 入 す る とい う方 法 で 行 わ れ る。

採 点 は、 刺 激 に対 して どの よ う に反 応 した の か を得 点 化 す る 。得 点 化 され た そ れ ぞ れ の 項 目の 平 均 を求 め 、 比 較 し、 最 も高 い平 均 値 を示 した原 子 価 を活 動 的 原子 価 、 そ の他 の 原子 価 を補 助 的 原 子 価 とす る 。 また 、VATは 、 反 応 の性 質(否 定 的 反応 、 肯 定 的 反応)や 、 反応 の 性 質(否 定 的 反 応 、 肯 定 的 反 応)や 、 反 応 の 表 現 方 法(行 動 的 、 感 情 的 、 知 性 的)に よっ て得 点 化 を行 うの で 、 反 応 の 質 も検 討 す る こ との で き る質 問 紙 で あ る。

3、 手 続 き

対 人信 頼 感 不 信 感 尺 度 とVATを 別 の 時 間 を使 用 して実 施 した 。 大 学 の 講 義 時 間 に 配布 し、 検 査 者 が 教 示 を行 い、 回答 して も らい、 そ の場 で 回 収 した。 そ の 際 に、 「考 え ず に素 直 に 回 答 して く だ さい 。」 と提 示 し、研 究 の 目的 や 研 究 へ の 協 力 は任 意 で あ る こ と、 また 無 記 名 で行 う こ と を十 分 に説 明 した。

N.結 果

1.VATか ら み た 対 象 の 分 布

対 人 信 頼 感 不 信 感 尺 度 とVATを 照 合 さ せ た 結 果 、 対 人 信 頼 感 不 信 感 尺 度 を 実 施 した186名 の 中 で 、 本 研 究 で は 、163名 の デ ー タ を有 効 と し 、 分 析 を 行 っ た 。 そ の う ち 、 「依 存 」 は91名(548%)、

「闘 争 」 は29名(17.5%)、 「つ が い 」 は33名(19.9%)、 「逃 避 」 は13名(7.8%)で あ っ た 。

2.対 人 信 頼 感 不 信 感 尺 度 の信 頼 性

対 人 信 頼 感 不 信 感 尺 度 の 信 頼 性 を調 べ る た め に 信 頼 性 分 析 を 行 っ た。 そ の 結 果 、Cronbach Alpha=.856で あ っ た。 そ の た め 、 本尺 度 の信 頼性 は 認 め られ た と考 え られ る。

次 に、 対 人 信 頼 感不 信 感 尺 度 の 因 子構 造 を見 る ため 、 因 子 分析(主 因子 法 、 バ リマ ックス 回転) を行 っ た。 そ の結 果 、Table.2に 示 され て い る よ う に4つ の 因子 が抽 出 され た 。

(8)

奈 良 大 学 大 学 院 研 究 年 報 第15号(2010年)

原 子{面

度100数 80

60

40

20

0

≡]

91名54.8%

33名19.9%

29名17.5%

匿 ≡≡ 鹸幽

1

'圃 一

{衣存 闘 争 っ が い

原 子 イ面 Figure2原 子 価 の 分 布

逃 避

3.対 人信 頼 感 不 信 感 尺 度 の 因 子分 析

対 人 信 頼 感不 信 感 尺 度 の 因子 分 析 を行 っ た 結 果 、Table2に 示 され て い る よ う に4つ の 因子 が 抽 出 され た。4つ の 抽 出 され た 因子 の構 成 す る項 目か ら判 断 して、 まず 、 第 一 因子 に お い て は 、

「人 を信 じる のが 怖 い」 や 「人 に対 して疑 り深 い」 な ど、 信 頼 す る こ とに対 して 、不 確 実性 、恐 怖 心 を抱 い て い る よ うな項 目が 検 出 され た の で 、 『信 頼 に 対 す る恐 怖 』 と名 付 け た。 第 二 因子 に お い て は、 「厄 介 な こ と に な ら ない た め に、 嘘 をつ く」 や 、 「口 先 で は う まい こ とを い っ て も、 自 分 の 幸 せ に興 味 が あ る」 な ど、 嘘 をつ くこ とに 対 す る認 知 を 問 う項 目が 検 出 され た の で 、 『嘘 に 対 す る警 戒 』 と名 付 け た。 第 三 因 子 にお い て は 、 「ほか の 人 を援 助 す る こ と を内 心 で は嫌 が っ て い る」 や 、 「自分 の た め な ら簡 単 に 相 手 を裏 切 る こ とが で きる だ ろ う」 な ど、 人 間 の二 面性 に 対 す る考 え を 問 う項 目が 検 出 さ れ た の で 、 『二 面 性 に 対 す る不 信 』 と名付 け た。 第 四 因子 に お い て は 、 「人 は、 普 通 清 く正 し く人生 を送 る」 や 、 「基 本 的 に は正 直 で あ る」 な ど、 人 間一・般 に対 す る 理 想 を問 う項 目が 検 出 され た の で 、 『人 間 に対 す る理 想 』 と名付 け た 。

4.一 元 配 置 分 散 分 析

各 原 子 価 に お い て の 対 人 信 頼 感 ・不 信 感 との 関 係 を 見 る た め に 、 一 元 配 置 分 散 分 析 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 各 因 子 に お い て 各 原 子 価 の 平 均 値 と標 準 偏 差 を 比 較 し た と こ ろ 、 す べ て の 因 子 に 関 し て 有 意 差 が み られ た 。 「信 頼 に 対 す る 恐 怖 」(F(3,162)=3.507,p<.05)に お い て 有 意 な 差 が み られ た 。 依 存(M=2.641,SD=.856)、 闘 争(M=3.093,SD=.588)、 つ が い(M=2.912,SD=.786)、

逃 避(M=3.139,SD=.782)で 、 逃 避 が 最 も 高 く、 依 存 が 最 も 低 い 結 果 と な っ た 。 「嘘 に 対 す る 警 戒 」(F(3,162)=3.283,p<.05)に お い て も 有 意 な 差 が み られ た 。 依 存(M=2.59,SD=.724)、 争(M=3.039,SD=.945)、 つ が い(M=2.554,SD=.581)、 逃 避(M=2.860,SDニ.780)で 、 闘 争 が 最 も高 く、 つ が い が 最 も低 い 結 果 とな っ た 。 「二 面 性 に 対 す る 不 信 」(F(3,162)=7.810,P<.001) に お い て も 有 意 な 差 が 見 ら れ た 。 依 存(M=3.697,SD=.711)、 闘 争(M=3.200,SD=.644)、 つ が い(M=3.067,SD=.683)、 逃 避(M=3.446,SD=1.003)で 、 依 存 が 最 も 高 く、 つ が い が 最 も 低 い 結 果 と な っ た 。 「人 間 に 対 す る 理 想 」(F(3,162)=4.259,P<.05)に お い て も有 意 な 差 が み ら れ た 。

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岩 崎 対 人信 頼 感 に お け る パ ー ソナ リテ ィの 影 響 につ い て

Table2対 人 信 頼 感 不 信 感 尺 度 の 因子 分 析 の結 果 第 一 因子:信頼 に対 す る恐 怖

過 去 に 、 誰 か に 裏切 られ た りだ ま され た りした の で 、 信 じ るのQ21 が怖 くな っ て い る 。

Q20自 分 で 自分 を しっ か り守 って い な い と壊 れ て し まい そ う に な る。

Q22気 をつ けて い な い と、 人 は私 の弱 み に付 け 込 も う とす るだ ろ う。

Q23私 は なぜ か 人 に対 して疑 り深 くな っ て い る。

Q9人 は、 誰 か に 利用 され る か も しれ ない と思 い、 気 をつ け て い る。

Q10人 は、 他 の 人 を信 用 し ない ほ うが 安 全 で あ る と思 っ て い る。

Q24今 は何 か と話 せ て も、 他 人 な ど ま った く当て に な ら な い。

Q4人 は 、 ほ か の 人 の 親 切 に 下 心 を感 じ、 気 をつ け て い る。

Q18今 心 か ら頼 れ る 人 に もい つ か 裏 切 られ る か も しれ ない と思 う。

Ql1雑 製 会騰 繍 値卑燈 よレ'といういことがはっきり Q27黎 碧野 蝪 が変われば 私自身も今とは全く違 う燗 にな

.782‑.021‑.029‑.009 .741.089‑.209.066 .739.089‑.209.066 .682‑.008.180‑.364 .606.319.164.149 .585.108.391‑.011 .580.090.389‑.169 .580.191.213‑.037 .575.089.154.185 .556.216.083‑.016

第二因子 嘘に対する警戒

Q17 Q2

A・

Q12 Q6 Q7 Q15

人 は厄 介 な 目 に合 わ な い ため に、 嘘 をつ く。

人 は 、 多 少 良 くない こ とを や って も 自分 の利 益 を得 よ う とす る。

人 は 、 他 人 の権 利 を認 め る よ りも、 自分 の権 利 を得 よ う とす る。

人 は 、 口 先 で は う まい こ と言 っ て も、 結 局 は 自分 の 幸 せ に一 番 関 心 が あ る 。

人 は 、 成 功 す る た め に うそ を つ く。

人 は 、 近 頃誰 も知 らな い とこ ろ で 多 くの 罪 を 犯 して い る。

人 は 、 チ ャ ンス が あ れ ば税 金 を ご ま か す 。

一.022

.167 .022

.161

.184 .266

,120

.717‑.017.121 .661‑.055‑.337 .629.166‑.013 .564.226‑.123 .526.275‑.053 .495.103‑.093 .390.119‑.324

第三因子 二面性 に対す る不信

Q13 Q25 A・

Q26 Q3

人 は、 他 の人 を援 助 す る こ と を 内心 で は嫌 が っ て い る。

人 は、 自分 の た め な ら簡 単 に相 手 を裏 切 る こ とが で き るだ ろ う。

所 詮 、 周 りは敵 ばか りだ と感 じて い る。

相 手 が 自分 を大 切 に して くれ るの は、 そ うす る こ と に よ っ て相 手 に利 益 が あ る と きだ 。

人 は 、 頼 りに で きる 人 が わ ず か しか い ない 。

一.006

.367 .540

.255

.112

.107 .311 .019 .394 .245

.777.105 .591‑.012 .579‑.070 .552‑.052 .268‑.174

第四因子 人 間に対す る理想 Q5

Ql Qg A

人 は 、 普 通清 く正 し く人 生 を 送 る 。 人 は 、 基 本 的 に正 直 で あ る 。

人 は 、 普通 他 の 人 と誠実 に 関 わ っ て い る 。 人 は、 自分 が す る と言 っ た こ とは実 行 す る 。

一.032

.084

‑.015

.027

i・ ・

.111

'//

.014

.026

.233 .006 .096

.705 .684 .644 .525 因子 抽 出法:主 成 分 分 析 回転 法:Kaiserの 正 規化 を 伴 うバ リマ ッ クス 法

a6回 の 反 復 で 回転 が 収 束 。

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奈 良 大 学 大 学 院 研 究 年 報 第15号(2010年)

Table3原 子価 の タイ プ別 に よ る各 因 子 の 得 点

因 子 原 子 価

DependencyFight Pairing Flight

有意確率

信頼 に対す る恐怖

嘘に対す る警戒

二面性 に対 する不信

人 間 に対 す る理 想

2.641 (.856)

2.586 (.725) 3.697 (.711) 3.462 (.841)

3.093 (.587)

3.039 (.945) 3.200 (.644) 3.000 (.741)

2.912 (.786) 2.554 (.581)

3.067 (.683)

3.113 (.671)

3.139 (.782)

2.89 (.7go>

3.446 (1.003)

2.904 (.813)

*

*

**

*

NOTE:数 値 は 平 均 値 、()内 は 標 準 偏 差 を 表 す 。

*は.05以 下 、**は.001以 下 を 表 す 。

依 存(M=3.462,SD=B41)、 闘 争(M=3.000,SD=.741)、 つ が い(M=3.113,SD=.671)、 逃 避 (M=2.904,SD=.813)で 、 依 存 が 最 も 高 く 、 逃 避 が 最 も 低 い 結 果 と な っ た 。

V.考 察

本 研 究 は対 人信 頼 感 とパ ー ソ ナ リテ ィの概 念 で あ る原 子 価 との 関係 を 明 らか にす る こ とが 目的 で あ る。 そ の た め、 依 存 原 子 価 を もつ 人 は対 人信 頼 感 が 高 い で あ ろ う。 闘争 原子 価 を もつ 人 は対 人不 信 感 が高 い で あ ろ う。 とい う2つ の仮 説 を た て て い た 。

まず 、対 人信 頼 感 不 信 感尺 度 の 因子 分 析 を行 っ た結 果 、4つ の 因 子 を抽 出 す る こ とが で きた 。 そ して 各 因子 を 、 「信 頼 に対 す る恐 怖 」、 「嘘 に対 す る 警 戒 」、 「二 面 性 に 対 す る恐 怖 」、 「人 間 に 対 す る理 想 」 と名付 け た 。

次 に、 原 子 価 と各 因 子 の 平 均 値 の 比 較 を行 い 、4つ の 因 子 の す べ て に有 意 な差 が 見 られ た。

まず 、 第 一 因 子 の 「信 頼 に対 す る恐 怖 」 は、 信 頼 す る こ と に対 して恐 怖 を抱 き、 信 用 で きる と 判 断 で き る まで 用 心 深 く、 気 をつ けて い る とい う信 頼 す る こ と に対 して恐 怖 を抱 い て い る か を 問 う 因子 で あ っ た。4つ の 原 子 価 の 平 均 値 を比 較 した と こ ろ、 逃 避 が 最 も高 く、 依 存 が最 も低 い結 果 とな っ た。 もっ と も平 均 値 が 高 か っ た逃 避 の特 徴 と して、 人 と付 き合 う上 で生 じる葛 藤 を避 け る傾 向が あ り、 感 情 的 な距 離 を保 っ て 人 とつ なが ろ う とす る特 徴 が挙 げ られ る 。 そ の た め 、逃 避 原 子 価 を もつ 人 は、 自分 を さ らけ 出 して対 象 を信 頼 して し ま う こ とに 葛 藤(恐 怖)を 抱 い て い る の で 、平 均 値 が最 も高 か っ た の で は な い か と考 え られ る 。0方 、 最 も低 い 平均 値 を示 した 依 存 の 特 徴 と して 、 対象 に頼 り、 頼 られ る こ とで対 象 と繋 が る特 徴 が あ げ られ る 。 そ の た め 、 依 存 原 子 価 を もつ 人 は 、信 頼 す る こ とか ら対 人 関 係 を 築 くた め 、 信 頼 す る こ とに 対 して 恐 怖 心 を抱 い て お らず 、 そ の た め 平 均 値 が 最 も低 い 結 果 とな っ た と考 え られ る。 以 上 の こ とか ら、 依 存 原 子 価 を も つ 人 が 信 頼 す る こ と に対 して 最 も恐 怖 心 を抱 い て い ない とい う こ とが 証 明 され 、 対 人 信 頼 感 が 最

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岩 崎:対 人 信 頼 感 にお け るパ ー ソナ リ テ ィの 影 響 につ い て

も高 い とい う結 果 が得 られ た た め 、 第 一仮 説 は 実 証 され た 。

次 に 、 第 二 因子 の 「嘘 に対 す る警 戒」 は 、 人 は 嘘 を つ く生 き物 で あ り、 自分 の た め な らば 、 嘘 をつ い て で も人 の こ と よ り も 自分 の こ とを 主張 す る とい う嘘 に 対 して 警 戒 して い るの か を問 う因 子 で あ っ た 。4つ の 原子 価 の平 均 値 を比 較 した と ころ 、 闘 争 が 最 も高 く、 つ が い が 最 も低 い 結 果 とな っ た。 最 も平 均 値 が 高 か っ た 闘争 の特 徴 と して 、対 象 に対 して 攻 撃 され る の で は な い か とい う不 安 を抱 い て い る た め、 自 ら も攻 撃 性 を 出 し、 そ の危 険 か ら身 を 守 ろ う とす る 特 徴 が 挙 げ られ る 。 そ の た め、 嘘 をつ か れ て い る の で は な い か とい う警 戒心 を抱 い た 上 で 対 人 関 係 を築 い て い る の で 、平 均 値 が最 も高 くな っ た の で は な い か と考 え られ る 。 以 上 の 結 果 か ら、 闘 争 原 子 価 を もつ 人 は 、嘘 をつ く人 間 に対 して警 戒 を して い る こ とが証 明 され 、対 人不 信 感 が 最 も高 い とい う結 果 が得 られ た た め、 第二 仮 説 は実 証 さ れ た。 一 方 、 最 も低 い平 均 値 を 示 した つ が い の特 徴 と して 、 正 義 感が 強 く、 平 等 主義 で あ る特 徴 が 挙 げ られ る。 そ の た め 、 チ ャ ンス が あ れ ば税 金 を ご まか し た り、多 くの罪 を犯 した り して い る とい う不 正 ・不 平 等 な項 目が 影響 した た め 、 最 も低 い 結 果 に な っ た の で は な い か と考 え られ る。

次 に、 第三 因子 の 「二 面 性 に対 す る不 信 」 は、 人 間 の表 の顔 と裏 の 顔 や 、建 前 と本 音 とい う二 面 性 に対 して どの程 度 の不 信 感 を抱 い て い る の か を 問 う因子 で あ っ た 。4つ の 原 子価 の 平均 値 を 比 較 した とこ ろ、 依 存 が 最 も高 く、 つ が いが 最 も低 い結 果 とな っ た 。 最 も高 か っ た 依 存 の特 徴 と して、 上 下 関係(上 司 一部 下 、 先 生 一生 徒 、 先 輩 一後 輩 な ど)を 好 む傾 向 が特 徴 と して 挙 げ られ る。 そ の た め、 本 音 に対 して不 信 感 を抱 い て い る依 存 は 、 本音 を 出 さず 繋 が る こ との で きる 上 下 関係 を好 む傾 向が あ る とい え る の で は な い か と考 え られ る。 一 方 、 最 も低 い 結 果 とな っ た つ が い の特 徴 と して、 対 人 関係 にお い て明 る く振 舞 う傾 向が あ り、楽 観 主義 で あ る とい う特 徴 が挙 げ ら れ る。 そ の た め、 本 音 に対 して不 信 感 を抱 い て い る と、つ が い の場 合 は対 人 関係 を形 成 す る こ と は 困難 に な っ て しま う た め、 最 も低 い結 果 とな っ た の で は な い か と考 え られ る 。

最 後 に、 第 四 因子 「人 間 に対 す る理 想 」 は、 人 間0般 を理 想 的 な 美化 され た対 象 と して 認 識 し て い るか ど うか を 問 う因 子 で あ っ た。4つ の 原 子 価 の 平均 値 を比 較 した と ころ 、 依存 が最 も高 く、

逃 避 が 最 も低 い結 果 とな っ た。 最 も平 均 値 が 高 か っ た依 存 の特 徴 と して 、 人 間 一 般 に 対 す る漠 然 と した信 頼 感 を抱 く特 徴 が 挙 げ られ る。 そ の た め、 依 存 原 子 価 を もつ 人 は 、 人 間 に対 して 理 想 的 な 印象 を抱 い てお り、 人 間0般 に対 す る信 頼 感 が 高 い と考 え られ る 。 以上 の 結 果 か ら、 依存 原 子 価 を もつ 人 は 人 間0般 に対 す る理 想 を抱 い て い る こ とが 証 明 され 、対 人信 頼 感 が 高 い とい う結 果 が得 られ た た め、 第0仮 説 は こ の 因子 にお い て も実 証 され た 。 一 方 、 最 も低 い 平均 値 を示 した 逃 避 の特 徴 と して、 人 を頼 りに しな い傾 向(逆 依 存 的傾 向)が あ り、 また 、観 察力 が 鋭 い とい う特 徴 が挙 げ られ る。 そ の た め、 逃 避 原 子 価 を もつ 人 は 人 間 は頼 りに 出 来 な い と感 じて お り、 そ れ は 基 底 的 な もの で は な く、 優 れ た観 察 力 を駆 使 し、 敏 感 に対 人 関係 を 観 察 して きた 結 果 、 この 因 子

の よ うな 人 間 を理 想 的 に認 識 で きな い よ う に な っ た の で は な い か と考 え られ る 。

以上 の考 察 か ら、 本 研 究 を通 して各 原 子 価 に よ っ て様 々 な対 人信 頼 感 の特 徴 が あ る の で は な い か とい う新 た な仮 説 を導 き出す こ とが で きた。 依 存 に 関 して は 、 頼 る こ とが で きる か ど うか で 判 断 され る の で は な い か。 闘争 に 関 して は、 自分 を 守 る た め に 、不 信 感 を抱 くこ とで 対 象 と繋 が ろ う と して い る の で な い か。 つ が い に 関 して は 、一 般 的 な信 頼 感 は あ る 程 度 は 持 っ て い る が 、 不 平

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奈 良 大 学 大 学 院 研 究 年 報 第15号(2010年)

等 な状 況 で は不 信 感 を抱 くの で は ない か 。 逃 避 に関 して は、 何 らか の 関 係 が あ る 人 に対 して も不 信 感 を抱 い て い るの で は な い か 。 以 上 の よ う な新 た な仮 説 を見 出す こ とが で きた。

本 研 究 で は、 分 析 で 有 意 な差 が み られ 、 仮 説 は実 証 され た。 しか し、 一 方 で 本 研 究 で の様 々 な 問題 点 も い くつ か 見 つ か った 。 ひ とつ は、 集 め た デー タの 数 が 少 なか っ た こ とで あ る。 パ ー ソ ナ リテ ィ との 関 係 み るた め に は、 各 原 子 価 の デ ー タに ば らつ きが あ っ た た め、 明確 な分 析 が で きな か った と考 え られ る。 そ の た め 、 各 原子 価 の デー タ数 をあ る程 度揃 え る必 要 が あ る と考 え られ る 。

ま た、 使 用 した 尺 度 の 項 目の 選 定 及 び改 良 が 必 要 で あ っ た こ とで あ る。 今 回 、使 用 した項 目にお い て は各 原 子 価 の 特性 を考 慮 しきれ ず 、 結 果 か らは ま だ明 確 に見 えづ らい各 原 子 価 の対 人信 頼 感 の特 徴 が あ る に ちが い ない 。 最 後 に、 本 研 究 の 仮 説 に と りあ げ た の は、4つ あ る原 子 価 の タイ プ の う ち、 依 存 と闘 争 の2つ だ けで あ っ た。 しか し、 本 研 究 の結 果 に お い て 、他2つ の原 子 価 の タ イ プ にお い て も独 自の 対 人 信 頼 感 の 抱 き方 が あ る こ とが 示 唆 さ れ た。 そ れ らの特 性 を考 慮 し、 新 しい項 目を採 用 、 既 存 の 項 目の 改 良 を行 い 、 以 後 の 研 究 に よ っ て原 子 価 と対 人信 頼 感 の 関係 の理 解 を深 め て い た い と考 えて い る。

参考文献

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付 記

本 論 文 を作 成 す る に あ た り、 多 大 な る 御指 導 を賜 りま した奈 良 大 学HafsiMed教 授 に心 よ り感 謝 い た します 。 また 、 本 研 究 に 御協 力 い た だ い た 皆 様 に 心 よ りお 礼 申 し上 げ ます 。

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