特集
社会ニーズに向けた軽水炉技術の開発
炉心燃料技術と原子燃料サイクルへの対応
NuclearCoreandFuelDeve10PmentTechno10gyandltsApplicationto
NuclearFuelCycle
下重孝則*
丸
彰*
内川貞夫**
持田貴顕*
ステップⅡ燃料 言∴題=二子 r乍;J 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0〔〕0 0 0 0 0 0 0 ⊂)0 0 ○ 0 0〔〕 こ)0() 0 0 0 亡)0 0 0 0 0(⊃ 0 0 nhO O 0 ロ 0 0 0 0(〕○ 低圧損上部タイプレート 00000000 0(⊃0(⊃00()0 00000000呂3呂⑳呂呂呂
00000000呂3呂宅汐呂呂呂
00000000 00000000 00000000 太径ウオータロッド田
丸セルスペーサ ◎斡 釣 ⑬ 昏 ⑳ ⑳⑳ ⑫椒 ◎ ◎ ⑳ ⑳ ◎㊤ ㊤◎包i昏 ◎◎◎ 母◎曝◎ ⑳府⑳ 磁 ◎ 轡 趣 ◎ t昏(昏 椿◎宙 ◎ 樹櫓 昏 ◎ 串⑳⑳⑳嘩舜⑳噛 ◎ ◎◎ 恕◎◎ ⑳ ⑳ 下部タイプレートステップⅡ燃料(9×9)
 ̄ヽ 】 ○ 〔) 低圧損上部タイプレート 000000000 0●○(⊃●(⊃(⊃●(〕 (⊃000000(〕(⊃呂害喜㌔喜害喜
000000000 0●(〕⊂)●(〕○●(⊃ 000000000 ⑳大径ウォータロッド ● 短尺燃料棒田
丸セルスペーサ国
高圧損下部タイプレート 7滋ゐα紹0γ才5ゐど桝ロムん由g A鬼才7甘 肋7Ⅶ 5b(ね0 亡ノcカー抜β紺β 7七ゑαβゐ∫+Wocゐ才(血 BWR(沸騰水型原子炉)用新型燃料 ステップⅡ燃札ステップⅢ燃料は,ウランの有効利用と高燃焼 度化を図るために,構成部晶に改良を施した燃料である。近年,BWR(沸騰水型原子炉)用の炉心燃料の分
野では,ウラン資源節約,廃棄物量低減,燃料サイ
ク_ル費低減などが求められてきている。日立製作所
はこれにこたえるため,燃料質量あたりの発生エネ
ルギーである燃焼度を高くした高燃焼度燃料を開発
し,その第一段階としてステップⅠ燃料として実用
化してきたが,これに続くステップⅡ燃料もこのほ
ど実用段階に入り,ステップⅢ燃料についても開発
* H立製作所 日立工場 ** 日立製作所エネルギー研究所_1二学博十 を完了した。ステップⅡ燃料やステップⅢ燃料は,燃料棒配列
や燃料棒間隔を維持するスペーサなどの構造を燃焼
度に合わせて設計し,熱的余裕を確保しながら,ウ
ラン資源節約,燃料サイクル費低減などの要請に対
応している。また,再処理によって生み出されるプ
ルトニウムを,ウランの代わりに軽水炉で燃料として
使う原子燃料サイクルにも適した設計となっている。
n
はじめに わが国の原子力開発利用は,商業用原子力発電を始め てから20年余りが過ぎた。軽水炉による発電が走者する 巾で,1990年代に入ってからは,原子力開発利用長期計 内に基づく自主的原子燃料サイクルの確立に向けての動 きが着実に具体化してきている。 H巾二製作所は瞭子力の総合メーカーの_ ̄_、†二場から,原子 燃料サイクルの各分野に参画してきた。この中で,炉心 燃料の分野では,これまでに,ウラン資源節約(省ウラン) と燃料サイクル費の低減を目標に掲げ,質量当たりの発 チl三エネルギー(燃焼度)を増大したステップⅠ燃料,ステ ップⅡ燃料,ステップⅢ燃料などの高経済性燃料の開発 を進めてきた。これらの燃料は,ウラン資腺節約と燃料 サイクル曹の低減,原子燃料サイクルでの使榔斉み燃料 発′仁最低減にも効果があるだけでなく,再処理によって 得られたプルトニウムの軽水炉での利用(プルサーマル) にも過した燃料である。 ここでは,炉心燃料開発を原了一燃料サイクルとの関連 で緋介し,また,今後の展望について述べる。凶
原子燃料サイクルと炉心燃料技術開発
炉心燃料技術は,原子燃料サイクルを構成する重要な 分野であり,特に,ウランやプルトニウムの所要量を決』
省ウラン化 再処王里プラントク
プルサーマル (MOX利用) 天然 ウラン 回収 ウラン プルト ニウム 左する役割を果たしている。 わが凶の偵子燃料サイクルの中で,炉心燃料技術に期 待される課題について図1に示す。原子力発電が定着し, 毎年ウラン需要量が増えていく中で,わが国は特に資源 面と濃縮工程を海外に高く依存しているため,ウラン需 要量および濃縮役務量を低減できる「省ウラン技術+を炉心燃料技術の分野で継続して開発することが,第一の
課題となる。 偵子炉から発生する使用済み燃料を国内で再処理する ために再処理プラントの建設が進められているが,原子 ノJ発電量の増大に伴い,使用済み燃料の貯蔵量もしだいに増加すると考えられる。この対策としては,使用済み
燃料の発生量を減らすことがたいせつであり,「使用済み 燃料発生量低減+に向けて炉心燃料を改良することが第 二の課題である。そして,「燃料サイクル費低減+は原子 力発電曹を低減する上で引き続き重要な課題である。 再処理によって得られるプルトニウムは,長期的には FBR(高速増殖炉)用燃料として使用されることになる が,当面は軽水炉で「プルサーマル燃料+として使用す ることが予定されており,これに対応した炉心燃料技術 を確立することもこれからの課題となる。また,回収ウ ランを再び濃縮して用いることは,資源リサイクルの観 点からも重要な課題である。芸響こ
再濃縮モード 使用済み 燃料 ヽ ヽ +■・-ウラン ヽ ヽ\厨
MOX燃料加工工場 使用済み燃料 発生体数低減 貯蔵 MOX 燃料 イー ---■ト、左笥
減損 ウラン 濃縮 ウラン 使用済み 燃料\
国
ウラン燃料加工工場\
膠n/
岩笹
原子力発電所(軽水炉) ウラン 燃料 燃料サイクル費 低減 注:略語説明 MOX(70ルトニウムとウランの混合酸化物) 図l原子燃料サイクルと炉心燃料技術への課題 原子燃料サイクルヘの対応では,省ウラン化使用済み燃料発生体数 の低減,およびプルサーマル(MOX使用)が炉心燃料分野での重点課題となる。炉心燃料技術と原子燃料サイクルヘの対応 735
同
省ウラン技術と高経済性炉心
省ウラン技術とは,炉心に装荷されたウランを効率的
に燃焼させることにより,低い濃縮度でより高し、燃焼度
を得るための技術である。R立製作所は,急速な負荷変動にも耐えられる高耐食
ジルコニウムライナ被覆管が新たに開発されたことを受 けて,新たに省ウラン技術と高燃焼度化技術を用いた高 経済性炉JL、の開発に着手してきた。 この第一段階であるステップⅠ燃料は,東京電力株式 会社福島第二原子力発電所2号機の第3回取替燃料とし て1987年に炉心に装荷され,他プラントでも,これ以後 の燃料はステップⅠ燃料に順次置き換えられてきた。第二段階であるステップⅡ燃料も,東京電力株式会社
柏崎刈羽塘子力発電所5号機の第2凹取替燃料として炉心に装荷され,1992年11月には照射が開始される。さら
に,第三段階のステップⅢ燃料についても開発を完了し,実用化への準備を進めている。
高経済性炉心では,図2に示した次の省ウラン技術を 採用している。 (1)出力ピーキングの活用 (2)スペクトルシフト運転 (3)水対ウラン比の最適化 これらの省ウラン技術を次章で述べる高燃焼度燃料とともに採用した高経済性炉心では,低い濃縮度で高い燃
焼度を達成でき,図3に示すように,燃料サイクル雪も これまでの燃料炉心に比べて,それぞれステップⅠ燃料 で約10%,ステップⅡ燃料で約20%,ステップⅢ燃料で 約30%低減できる。 容 説 明 ステップ 濃布 高弁 )周度 ′は外相 従来型燃料→
絹外 型周 燃高 科濃 (罰く申㊥ロ 00C旬 00(⊃(弓 ●00@ 000(司 ○⊂)0◎ ○(⊃⊂)(参 ◎◎◎0 仙 出力ピーキングの活用 ○低濃縮度燃料棒 ◎高濃縮度燃料棒 ●水口ツド 熱中性子束の高い 集合体内外周部に 高濃縮燃料棒を配 置し,反応度を高 める。○ ○ ○
上端 ラ ン ウ一フト )然ブ ツ h川、天ンケ 軸方向位置 叫ナm 下 出 力 ン ウラン利用率の小 さい上下端に,天 然ウランを配置す る。○ ○ ○
高反応度燃料 ≠何ン 装一 )適タ ′川最パ 炉心 低反応度燃料 周辺低出力部に低 反応度燃料(低濃 縮または燃焼の進 んだもの)を配置し, 反応度を高める。○ ○ ○
仰 スペクトルシフト 摘 出而 )量転 ′ほ流運 ∩) ) 10出力%炉心液量(丁識)
BOC-MOC EOC ポイド事大(スペクトルハード) プルトニウム蓄積 ▼ ポイド率小(スペクトルソフト) プルトニウム燃焼 流量変更により, ポイド率を増減さ せプルトニウムの 蓄積(BOC,MOC) 燃焼(EOC)を回り 反応度を高める。○ ○ ○
布 向分 )万力御 h川軸出制 上端 炉 ′し、 車由 方 「吉】 イ立 直 下端 巨OC ポイド率 出力 上ピーク 軸方向出力分布制 御により,ポイド 率を増減させプル トニウムの蓄積 (BOC,MOC)燃焼 (EOC)を図り反応 度を高める。○ ○ ○
外形寸法は同じ (3) 水対ウラン比の 最適化 ◎㊥◎◎◎◎◎◎ ◎◎(む虐)◎項)(を@ (さ㊤伝〉◎(9年〉@@ 句宙㊤旬●@◎@ ㊥㊥㊥●旬④㊥◎ ◎◎◎㊥◎◎㊥㊥ ㊥㊥◎@申◎◎@ 吟㊤◎@◎㊧◎◎ ◎参◎@{岨{岨(世◎ 燃料断面 改良燃料断面 8×8 9×9 従来燃料断面 改良燃料断面 8×8 8×8 水対ウラン比を 最適化L,反応度 を高める。○ ○
注:略語説明など BOC〔BeginingofCycle(運転サイ クル初期)〕 MOC〔MiddleofCycle(運転サイク ル中期)〕 EOC〔EndofCycle(運転サイクル 末期)〕○(利用技術)
図2 省ウラン技術 ステッ プⅠ燃料,ステップⅡ燃料および ステップⅢ燃料には,出力ピーキ ングの活用,スペクトルシフト,水 対ウラン比の最適化などの省ウラ ン技術が採用されている。省ウラン技術 日立改良炉心 ●上下濃縮度分布 ●少数制御セル ●出力ピーキングの活用 ●水対ウラン比の最適化 ●スペクトルシフト運転 高燃焼度燃料 ●ジルコニウムライナ被覆管 ●高耐食被覆管 ●濃縮度増加
1「一
高燃焼度化 燃料取替体数の減少 高経済性炉心 ステッフ l 1 皿l適用技術
取出+燃焼度(GWd州 33 38 45 燃* 料 サー10 イ ク ノレ 真一20 低 )成 (%)-30 出力 ピーキング 活用 一夕 ド 濃縮度 トル フト 濃精度 濃縮度増加 省ウラン技術 連続運転ペース 大々 ウオ ロツ J′ スペク シ 12か 注:* 従来燃料28GWd/tを基準 図3 高経済性炉心と燃料サイクル費低減 省ウラン技術 と高燃焼度燃料を採用した高経済性炉心は,ステッ7DI燃料で約10 %,ステップⅡ燃料で約20%,ステップⅢ燃料で約30%の燃料サイ クル費の低減効果がある。田
燃料の高燃焼度化と技術開発
4.1志燃焼度燃料の特徴とその効果 燃料を高燃焼度化することにより,サイクルごとの燃 料二取替体数を減らすことができる。その結果,新燃料加  ̄「体数を低減できるほか,使用済み燃料発生量を減らす 効果がある。しかし,燃焼度を高くするためには,ウラン濃縮度を
_Lげる必要がある。これに伴ってバンドル出力差の増加, 小性- ̄F減速不足に起岡するポイドJ丈応度係数絶対値の増 加などの炉心特性が変化するので,これに適切に対処す る必要がある。 この対策としてステップⅡ燃料は,燃料棒6本分に州 当する内部水面積を持つ太径ウォータロッドによってポ イド反応度係数絶対値を低減したほか,円筒セルをつな ぎ介わせた構造によって高い限界出力特性を持つ丸セル 型スペーサを採用して,燃料熱特性を向_卜した。また, 上部タイプレートの低1七損化によって安定性を向_r二して いる(本文1ページの凶参照)。 さらに,高耐食性ジルコニウムライナ被覆管により, 健全性がlらI上したことを紙用して,前章で述べた省ウラ ン技術を取り込んだ。ヘリウム加圧量は5気圧に上昇し, ギャップ熱伝達係数を向上させ,また,ペレット密度を卜げて熱伝導を向上している。これらの設計は,燃料温
度の上昇,高燃焼度化に伴う核分裂生成物ガスの放出率, および1燃料内圧の上昇を抑えるのに有効である。一方,収出し燃焼度45GWd/tを口標としたステップⅢ
燃料では,バンドル出力差の増大に対処するために燃料 棒配列を9×9とし,繰出力皆さ度の低減を図っている。 また,短尺燃料棒とボス径,ウェブ厚を最適化した上部 タイプレートを採用して,二村部の圧力損失を減らし, さらに単相部の圧力損失を増加するために,高圧損型下 部タイプレートを併用して安定性を向上する設計とし た。また,燃料集合体のウラン質量を減らすことなく水 対ウラン比を最適にするため,2本の太径ウォータロッ ドを採用している(本文1ページの図参月別。 4.2 燃料構造材料の開発 燃料の高燃焼度化は,材料には厳しい使用環境を要求 することになるので,高燃焼度化を進めるには炉内条件 を考慮した材料の選定や開発が必要となる。取出し燃焼度45GWd/tのステップⅢ燃料は現行材料
で対応が可能である。将来,燃焼度がさらに伸張するこ とも考慮して, (1)使用叩手間長期化による材料の腐食 (2)FP(核分裂生成物)生成量増加による燃料棒内圧上 昇やPCI(ペレットー被覆管相互作用) などに対する余裕を増した新しい材料開発が行われてい る。H ̄lt製作所では,1980年代から改良ジルコニウム合 食や改良UO2ペレットの開発に取り組んでいる。 (1)改良ジルコニウム合金の開発 0.15 0 0 (訳盲)㈱音準Z 炉外試験(410Dc・510℃ 2ステップテスト) ノジュラ 腐食発生域 Z「y-2 ○○ △ 勺 0.1 0.2 0.3 Fe添加量(wt%) 注:ZrY-2(ジルカロイー2合金) △:Zr-Sn-Fe-Ni O:Zr-Sn-Fe-Nl-C「 図4 Zryのノジュラ腐食感受性に及ぼすNi, Fe添加量の影響 図中の斜線部はノジュラ腐食発生域を,四角で囲った領域は現用 Zryの規格範囲を示す。Ni,Fe高添加量域に高耐食域が存在する。炉心燃料技術と原子燃料サイクルヘの対応 737 ジルコニウム合金(以 ̄卜,Zryと略す。)の水腐食は,表 面酸化膜中の欠陥を介した酸素イオンと電子拡散によっ て生じる。口立製作所は被覆管のノジュラ腐食が電了一拡 散律則であると判定し,電子拡散抑制効果のある低偵子
価金属,Fe,Niを添加した高Fe/Ni-Zryを開発した1)。炉
外腐食実験で得られたFe,Ni添加量とノジュラ腐食との 関係を図4に示す。Fe,Niの添加濃度増加が腐食防止に有効であることがわかる。U立製作所が開発した改良
Zryは,水素吸収や強度,製造性でも好ましい特性を持つ ことを炉外実験で確認している。現在これら改良Zryは,竜力会社との共同研究のもとに海外の実験炉や向田炉で
腐食実験に伏されている。 (2)改良ペレットの開発 FPによる内江上昇とⅠ)CIに対しては,図5でホすよう にペレットの微細組織改良で対応するアプローチをとっ てし-る。すなわち,結晶粒径を粗人化した大粒径ペレッ トは,ガス原子の粒内拡散距維を長大にしてガス放山を 抑制するものであr),また軟質化ペレットは粒界や結晶 粒を軟質化させることによってペレットの塑性を増加 し,PCI発生時の被覆管応力を軽減するものである2)。これらの改良ペレットは,日本核燃料開発株式会社(以下,
NFDと言う。)で試作,評価が行われている。また,海外
実験炉での照射試験や一部供試燃料棒の月醐寸後試験が NFDで進行中である。8
BWRにおけるプルトニウムと回収ウランの
利用
プルサーマルは,その特性の確認や燃料の加】1取扱い経験の蓄積の観点から,少数体規模および実用規模で
の実証を経て本格利用へと進めることが適当とされ,こ れにi結った計画が進められてきた。また,1991イド8月の 核燃料リサイクル専門部会報告でも,+ヰ処珊で発/lミした プルトニウムは,さ11繭は軽水炉でも使用することとし, 1990年代の半ばから段階的にその規模を増人していくと の方針が示されている。 さらに,卜小牧ウランについても,1994年から中規模で の炉心装荷を実施する計画が進められている。 5.1少数体規模実証計画とその成果 国内BWRでのプルサーマルは,少数体規模実証計画 として,2体のウランープルトニウム混介酸化物燃料 (MixedOxide:以 ̄F,MOX燃料と言う。)を,1986年度 から1989年度にかけて口本憤十力発電株式会社敦賀原一丁 ノJヲ芭電所1号炉(以下,敦賀1号炉と言う。)で月絢=ノた実 績がある3)。この燃料は,図6に示すように,燃料棒62本 中,中央部の24本の燃料棒をMOX燃料棒とした,いわゆ るアイランド型MOX燃料である。 H_!二J二製作所は,このMOX燃料の核設計,炉心設計,許 認可解析,運転中のデータ採耳え,評価およびその後の照 射後試験に携わってきた。そして,運車云中の出力分札 熱的余裕の評価を実施して,MOX燃料の核熱持件が,ウ 目 的 基本概念 候補材 FPガス放出率抑制 大粒径化 ノ/ ① \ 粒界気泡 FPガスの粒内 拡散距離増加 ① 無添加 大粒径ペレット 注:略語説明 耐PCl性向上 軟質化鍵
② ガラス相析出による粒界 軟質化,スエリング抑制 ①+② 粒界改質 大粒径ペレット(アル去完ごよよ ̄卜)
FPガス(核分裂生成物ガス),PC=ペレット被覆管相互作用) 図5 改良ペレットの概念とねらい アルミナシリケート添 加ペレットは,粒界を軟質化した大粒径ペレットであり,FPガス放 出抑制と耐PC惟向上の両効果をねらっている。(⊃(⊃00(∋0(〕①
000「西西000
00「西㊦㊦匂00
0桓シ㊦㊦①㊦句0
0ゆ㊦①㊦①㊦≡0
0(〕1㊦㊦①①㊦ぎ0
000ぎ㊦㊦㊦田0
0(う000000
注:略語説明など 如=ウォータロッド), ≦内(MOX燃料棒,ただし如)を除く。) ]02 燃 料 棒 MOX 燃 料 棒 rlJ 高濃縮度燃料棒 垣わ 高富化度燃料棒 (二妻、〕中間高濃縮度燃料棒 車台 中富化度燃料棒 (享\1 中間低濃縮度燃料棒 桓彰 低富化度燃料棒 (云1 低濃縮度燃料棒 図6 敦賀l号炉MOX燃料設計 中央部の燃料棒はMOX燃料 棒,周辺部の燃料棒はウラン(UO2)燃料棒とした燃料で,アイラン ド型MOX燃料と呼ばれている。ラン燃料とほぼ同等であることを確認している。さらに,
各サイクル終了後には,水中テレビジョンカメラによって燃料体の外観を検査し,燃料棒溶接部,膨張スプリン
グなどの部品には異常のないことを,また,燃料寸法検
査によr),MOX燃料棒の伸びが,ウラン燃料の通常の範
囲であることをそれぞれ確認している。照射後の燃料イ本は現在解体され,燃料ペレット照射挙
動に関する基礎データを得るための照射後試験を実施中 である。 5.2 本格利用に向けてのMOX燃料炉心設計 一般にMOX燃料は,熱中性子打及収が大きく,中性子の 平均エネルギーは高くなる。このため,プルトニウム240 が共鳴領域に大きなP及収断面積を持つことと相まってポ イド率変化に対する反応度変化が大きくなl),ポイド反 応度係数の絶対値は大きくなる傾向である。 ポイド反応度係数の絶対値の増加は,炉心良三力上昇を 伴う過渡事象で熱的余裕の減少を招く。そのため,ウラン燃料と互換性を持たせてMOX燃料を本格的に使用す
る際には,MOX燃料が取替燃料として使用されるので ウラン燃料と同等の核・熱特性を持つように設計するこ とが望ましい。この点で,高燃焼度用に開発されたステ ップⅡ燃料,ステップⅢ燃料は,ウォータロッドの直径を太くしたことによって中性子減速を改善している。こ
の燃料にMOXを適用した場合には,ポイド反応度係数 の絶対値を低減できる効果がある。 また,MOX燃料の富化度分布設計にあたっては,1体 当たりのプルトニウム装荷量を多くして,少数の燃料で プルトニウムを集中利用できる燃料設計とした。MOX 燃料の加工体数,輸送体数を減らすとともに,富化度種 類を少なくして,MOX加工時の加工工数を減らすこと が重要になる。 日立製作所は,このためMOX燃料をアイランド型か ら変更し,MOX燃料棒数の多い全MOX型にした上で,富化度種類の増加を抑えるために,燃料棒出力が大きく
なる部分の少数の燃料棒をウラン燃料棒としたMOX燃
1 t T t ■ll ●●00000 ●00000(⊃ 000000033呂w3呂
0000000 0000000 0 0 0 0 0 0 0 00000000 l 【TITt】 ●000000 0000000 0000000333w3呂
0000000 0000000 ●000000 ● 0 0 0 0 0 0 ● (a)D型燃料格子用 達:○(MOX燃料棒),●(ウラン燃料棒) (b)C型燃料格子用 図7 コーナ燃料棒をウラン燃料棒とした仝MOX型燃料 コーナ部燃料棒の一部をウラン燃料棒とすることにより,MOX燃 料棒数を大幅に減らすことなく,MOX燃料棒種類を減らすことがで きる。料設計を考案してきた。
図7に例示するように,燃料コーナー部の燃料棒を濃
縮ウラン棒とすることによr),D型燃料格子では冨化度 種類を6種類から4種類に,C型燃料格子では4種類か ら3種類にそれぞれ減らすことができる。 本格利用に向けてのMOX燃料炉心設計は,前述した 敦賀1号炉での実績などを踏まえて,今後,詳細設計を 実施することになるが,ステップⅡ燃料,ステップⅢ燃 料の特性を活用して,プルサーマルに適する燃料炉心設 計とする予定である。8
おわりに
【+立製作所が開発したステップⅡ燃料,ステップⅢ燃 料は,高燃焼度技術と省ウラン技術を取り入れた高経済 惟燃料であり,原子燃料サイクルで課題となる省ウラン 化,使朋済み燃料発生量低減,燃料サイクル費低減,およ び軽水炉でのプルトニウム利用などの分野で効果がある。 また,よりいっそうの高燃焼度化に向けての研究開発も進めており,今後とも原子燃料サイクルの課題に柔軟
に対応できる炉心燃料技術を提供していきたい。参考文献
1)稲垣,外:BWR用燃料∴被覆管の耐食性に及ぼすジルカロ イ合金組成の影響,日本憤子力学会誌,32巻,7号, 3) 728(1990)2)伊東,外:Advanced UO2Pellets withControled
Mi-crostructure,原了・先端技術シンポジウム(1992)
臼黒,外:敦賀発電所一号機におけるBWR-MOX燃料
月鯛寸実績(Ⅰ)・(Ⅱ),日本原子力学合,1990年秋の大会