階層的区分所有権の系譜
著者
遠藤 厚之助
雑誌名
東洋法学
巻
4
号
2
ページ
49-82
発行年
1961-03
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00007794/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja階層的区分所有権の系譜
区分所有権の対象 わが国における変遷 工 大正後期まで 関東大震災後の都市計画と区分所有権 第二次大戦後の住宅対策と区分所有権 1II ][ 諸外国における階層所有権ハ序説) 四 ド イ ツ 法 域 工 ド ツ E j a オ l ス ト リ l 五 フ ラ ン ス 法 域 工 一 フ ン ス ]J[ ][ そ イ フ の 他 タ の η 諸 ' 国 l 階層的区分所有権の系譜、
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区分所有権の対象
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とは、民法上の構成から﹁数人ニテ一棟ノ建物ヲ区分シテ各其一部を所有スル : : : ﹂ ハ 第 二 O 八条)場合、すなわち、 一棟の建物を数個の部分に区画して各自がそれぞれ区画部分を所有すすの型態と し て 、 日本式建物(棟割建物)を念頭に画いてきたことは事実である。区分された各区画部分の各々に独立の単独所 一棟の建物を数人で共同に所有する共有(冨昨a m
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何 回 目 窓 口 民 俗 ロ 仏 ) ( 2 ) とも異なった特 有権を成立せしめるところに特質を有し、 一 棟 の 殊な法技術として構成されてきたからである。 解釈論上は、それにも拘らず、民法草案当時より縦断的な棟割建物(日本式建物)と共に横断的な階層的建物(西 洋式建物)も包摂するものとして積極的な解釈がなされてきた。民法制定当初の註釈害はこれを﹁近世ニ於ケル社会 生活上ノ状態ヨリ云フトキハ家屋ノ区分-一付テ所有権ノ成立ヲ認メサルヘカラサル必要アリ:::欧米-一於ケル市中ノ 家屋ノ如キハ概シテ数層ヨリ成ル安大ナ建築ナリ、此ノ建物-一付テ只全部ノ所有権ノミヲ認ムルトセハ実際ノ不便言 フニ忍ヒサルモノアリ、之ヲ以テ概シテ一部ノ所有権ヲ認メ一階毎ニ其所有者ヲ異ニスルヲ常態トセリ、 E 口 国 ニ 於 テ将来ニ於テハ同一ノ顕象ヲ見ルニ至ルヘキハ勿論現在ニ於テ所謂長屋造ノ建築ノ如キハ長サ数十ニ至リ其性質ハ一個 ノ建物タルニ拘ハラス実際ハ其一部ヲ分割シ独立体ト見倣シ所有権ヲ認メ﹂ ( 3 ) られていると説明し、民法起草者の一 人、梅博士も﹁本条ノ規定ハ、西洋造ノ家屋ニ在リテハ一階毎ニ所有者ヲ異ニスル場合、又日本造ノ家屋ニ在リテハ 長屋ノ各戸ヲ別別-一所有スル場合ニ於テ、最モ其適用ヲ見ルコト多カルヘシ﹂ ( 4 ) と、階層別の西洋式建物が慣行とし て存在ないし生成することを予見している
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とはいえ、当時西洋式建物はそれ程普及されていず、横田博士の指摘するごとく﹁実際ニ於テハ一棟ノ建物ハ同一 ノ所有者ニ帰スルカ数人ノ共有ニ属スルヲ常トシ之ヲ分有スルハ殆稀ナリ、故ニ我国ニ於テハ同条(二 O 八条)ノ規定 ハ現行実際上ノ適用極メテ少﹂ ( 6 ﹂く、存在するとしても、 その主要な社会的実体としては棟割建物 ( 日 本 式 建 物 ) が考慮されていたといえる。このことは、区分所有権につき直接的な規定が僅か一ケ条にすぎないという民法典の構 成からもいいうるのではなかろうか。とくに共有部分につき第二五六条の規定(共有物の分割請求)を排除するのみ で ( 第 二 五 七 条 ﹀ 、 他はすべて一般の共有規定を適用するという構成からみて、西洋式建物の特殊性(共同使用部分に 関する共同関係、管理問題等)を殆ど規定上考慮していないことから、逆に客観的には西洋式建物を社会的実体とし て予定しない法的構成であると考えられないだろうか。 だが、その後の日本における資本主義の念速な発展と確立は都市の近代化を促し、西洋建築技術の導入による高層 建築の出現を招来し、新たに区分所有権の問題を提起することとなった。すなわち、この現象の法的反射として、民 法 二O
八条は棟割の建物のみならず西洋式建物の各階の区分 l 階層所有権にも適用されるのかが再び問題とせられ 階 層 的 区 分 所 有 権 の 系 譜 五東 洋 法 学 五 た。我妻教授は﹁一棟の建物を区分して所有するとは、所調棟割の場合に限るや、或は各階に区分する場合をも含む や。前者に限るとなす説もあるが、私は後者をも含むと解する。:::我閣にも近時洋風の建物頗る多く、これについ て層を異にして独立の所有権の成立を認むる慣行を生ずるに至るであろう。然る場合はこれを本条より排斥すべき理 由 は な い ﹂ ( 7 ﹂ と さ れ 、 ただ登記の可能性に疑問を残された。 末川博士は﹁これは、もともと一棟の建物を縦に垂直 線的に区分する場合を眼中において規定されているのであろうが、今日の高層建築物(ビルディング)を横に水平線 的に区分して各階層を所有する場合にも、階層所有権も
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といってよ い関係を認めて、類推的な取扱をすべきである(ただ登記については敷地の表示において多少の工夫を要すると ( 8 ) とし、学説の多くは階層的区分所有権の成立を承認してきた。 第二次大戦後、とくに都市における住宅不足の解決策として土地の立体化・住宅の立体化の掛声と共に高層建築の アパート等が強く奨励されるや、 さらにそこでの各室の分譲が行われ各階の区分(階層所有権)のみならず各室の区 分所有権の譲渡も認められるに至った。 ﹁現在では、単に各階に区分して別異の所有者に属させることだけでなく、 経済的に独立の建物と認め得るかどうかには格別関係なく、例えば、 アパートの各室を区分して所有権の譲渡をする ことも認められ、その登記も行われている。但し、その場合の登記の表示はかなり不明瞭であって、むしろ行き過ぎ の観を呈している﹂︿ 9 ) ともいえる程である。 かかる階層的区分所有権成立の範囲は、具体的には物権法上の原別である一物一権主義および取引の安全との関連 で決定さるべきであろうが、さらに敷地を含めた共用部分の法律構成、管理の方式が法律上困難な問題を内包せしめている。本稿では、 かかる階層的区分所有権に関連する右の重要な問題点のみを比較法的にその系議をたどりつつ検 討してみようと思う。 註 1 建物の共有では、各共有権者の持分権は、その建物の一部 H 各医両部分を対象とするものでなく、その性質上つねに建物 全体に及んでいる(二四九条)。もし共有者全員の協議により建物の使用区画を割当てて事実上各共一有者の専用区画を定め ているとしても(二五二灸本文)、それは共有者聞の対内関係における建物使用方法の合意の枠内を出でず、ここで問題と している区分所有とはその客体に対する関係のあり方において異ったものである。 2 合有では、各共同所有者は建物について管理権能と収益権能すなわち持分権を留保する。しかしこの持分権は、主体者間 の共同目的達成のために拘束をうけ、共同目的の存続する限り各共同者は持分権を処分する自由もなく、分割請求権もな い。持分権は共同目的の存続する限り、いわば潜在的なものとなり、共同目的が終了したときにはじめて現実的なものとな る。この意味で単独所有権たる区分所有権とは全く別異なものであること明白である。 3 岡松参太郎﹁註釈民法理由﹂中巻(明治三 O ) 一 五 一 頁 。 4 梅謙次郎﹁民法要義﹂巻之二物権編(明治四四)九二頁。 5 このことは、その後の註釈書の説明からもいえることである。例えば、牧野菊之助﹁民法要綱﹂(大正一五)一二三頁参照。 6 横田秀雄﹁物権法﹂(大正九)二八六頁。 7 我妻栄﹁物権法﹂(昭和七)一五二頁。 8 末川博﹁物権法﹂(新法律学全集・昭和二一)三二四頁。 9 我妻栄﹁物権法﹂(昭和二七)一八六頁。これにつき、﹁横の区分即ち所謂階層的区分有
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O T L J L Y V 大正後期まで 元 来 、 ﹁欧米諸都市においては、高層なる建物に就ては、各層その所有者を異にするを見﹂たのであるけれども、 わが国の建築事情では、伝統的な住宅建築様式が木造であったため、木造家屋を階層別に区分所有しうるような高層 建物は、建築材料との関係でも不適当であり、 したがって階層的区分所有は大正後期までは﹁我が国に於ては未だこ れ を 見 な い ﹂ ︿ 1 v という皆無に近い状態であったといえる。もっとも、 ﹁近時市中ニ建築セラルル数層ヨリ成ル安大 ナル建築物ノ如キ:::各層ニ付キテ各別ナル所有権ノ成立ヲ見ルコトナシトセス﹂︿ 2 v との記述もみられるが、当時において階層別の区分所有が成立しうる高層建築物は存在したとしても、区分所有まで醸成されてい,たとみるのは無 理である。それに関する裁判例が皆無であることは無論である。 ただ大正八年に都市生活の安寧を維持し、その健全なる発達を図るため市街地建築物法ならびに関係法規が制定公 布され、都市の建築物に対し保安上、衛生上ならびに美観上より一定の制限が付せられ、防火地区を設定し、その地 区内の建築物の防火構造につき火災予防上必要なる制限が設けられた。すなわち、市街地建築物法施行規則により甲 種防火地区に指定された地区では、建築物は外壁、屋根、床、柱、階段等すべて耐火構造の必要が義務付けられ、木 造建築は許されず耐火構造をもった高層建物が強く奨励、推進された ( 3 ) O したがって、多くの西洋式高層建物の出 現が予測されたが、市街地建築物法により防火地区に指定されたのは東京と横浜のみであり、実際に建築せられた高 層建物の数は少く、しかもその中で区分所有された事例は殆ど皆無に近かったといわれる ( 4 ) O したがって、大正後期まで階層的区分所有権に関しては、第二
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八条は社会的慣行の裏付けなきいわば眠れる制度 であった、ということができる。それ故に、区分所有は縦断的な棟割長屋以外には否定的に解すべきであるとの主張 も、また存在し得たのである ( 5 ) O その理由の要旨は、実際上階層別の区分所有につき社会的慣行が生じていない故 に未だ社会的必要性がないということ、さらに第二O
八条の規定は、共用部分につき棟割長屋の場合には大して不明 確な困難な問題は生じてこないが、階層別の区分所有が認められる高層建築物では共用部分は著しく不明確となり、 これに適用すると多くの解釈論上不備があり立法的配慮に欠けている現行法規のみでは不充分であること、登記の点 でも物権の表示に技術的困難が不可避であること、等である ( 6 ) O 階層的区分所有権の系譜 五 五東 洋 法 持L 寸ー 五 六 3 小倉庫次﹁共同建築の法律的考察﹂ 牧野菊之助・前掲書二二ニ頁。 小倉庫次﹁防火地区と共同建築﹂(都市問題三巻五号︿大正十五﹀)二七頁以下参照。 小倉庫次・前掲論文(都市問題一巻二号﹀一二三頁。 中島玉吉﹁民法釈義﹂巻二(大正十四)ゴ二四頁、早川弥三郎﹁物権法要論﹂(昭和三)一 O 六 頁 。 6 西洋式建物に階層別の区分所有の成立を否認するものとして、小倉庫次・前掲論文(都市問題一巻二号)三四頁は次のご とく述べている。﹁然らば共用部分とは何であるか。例えば催合壁、共用玄関又は共用の物置、共用の井戸の如きは、明瞭 に共用部分である。棟割長屋の場合には大して不明確な困難な問題は生じて来ない。併し近年しきりに建てられる高層洋風 建築物に就き、上下に区分せられて区分所有権が生ずるに至れば、共用部分は著しく不明瞭となるであろう。かかる区分所 有権の関係を精確に規律するには、僅かの現行法規のみを以て L ては不充分である。新しい法規か又は将来のよい判例に侠 たねばならぬ。現在実際上かかる上下の区分所有権が生じていないのを以て観れば、未だわが社会生活はこれを必要として いないのである。それならば何も進んで又は奨励して複雑なる権利関係を生ぜしめる必要はない。 以上述べて来たのは、共同建築の場合に、成るべく区分所有権を認めぬ方がよいということを言う積りである。﹂ ハ都市問題一巻二号︿大正十四﹀)三三頁。 註 -4 5 関東大震災後の都市計画と区分所有権 西洋式建物に階層別区分所有が否認される傾向が強かった大正後期に、それにも拘らず、階層的区分所有権が都市 政策、住宅対策推進の有力な法的手段として認識されるようになった直接的動機は、大正十二年の関東大震災がもた らした災害であった。大震災により東京および近郊都市の大部分が焼土と化した結果、益々防火施設の必要を痛感し 復興計画の早期確立が要望せられ、都市計画、都市の不燃化対策が強い現実感をもって主張せられるにいたったから で あ る 。
そこで同年、直ちに特別都市計画法(大正十二・法五三号﹀が制定され、この法に基く区画整理施行の結果、新路線、 殊に大道路に面接した道幅に比較し過小画地が多数造成されその解消策が問題となった。その対策として第一次的に ﹁相隣土地所有者が過小画地を買収併合する﹂方法が考慮されたが、なお過小岡地を生ずるため第二次的解決策 は として﹁法律に依って街路の規模に応じ、画地の最小面積又は建物の間口、奥行の最小限度を定むる﹂方法、更には ﹁市街地建築物法施行令第十一条に依り、行政官庁の命令を以て道路を指定し、これに面する建築物の高さの最低限 を定め、これにより間口及び奥行を牽制せんとすることも考え﹂られた。しかし結局、 ﹁単独には建築敷地たるに適 せぬ相隣画地が、共同して相互補完乃至補助作用により適当なる建築を為﹂すのが最も妥当とする、共同建築の方法 が、実行にあたり種々複雑な問題を生ずるとしても、第二次的解決策としては頗る合理的なものであるとして支持さ れた ( 1 ) O ただ西洋式建物を予定した共同建築には、階層別の区分所有は認めぬ主張が支配的であったことは既述したが、こ の新事態に対処して東京市当局及び関係者の多くは、これに横断的な階層別区分所有を肯定した解釈を与え、大正十 四 年 、 一応東京市長より司法省に﹁建物区分有所権ノ取扱-一関スル件伺﹂ ( 2 ﹀ を提出した。これは問合せ形式により 区分所有権一般についてとなっているが、縦断的な棟割建物はすでに社会的慣行として存在していたのであるから、 内容的には主たる問合せの目的は階層別の区分所有権にあったことは明瞭である D こ れ に 対 し て 、 ﹁ 御 問 A 口一一係ル建物区分所有権ノ取扱-一関スル件ハ貴見ノ通思考致候此段及回答候也﹂との司法次 官回答が出されたことは、従来階層別の区分所有権が否定的に解されてきた点に関し肯定的見解が表示されたことに 階 層 的 区 分 所 有 権 の 系 譜 五 七
東 洋 法 学 五 八 な り 、 一応の有権解釈であるとしても、市当局及び関係者の見解を統一させ強化せしめるのに役立ったことは確かで ある。その実際的効果は、共同建築による過小画地解消策の具体的展開となって現われた。すなわち、東京市政調査 会は、かねて建築学会その他関係方面の協力により、復興事業の根幹である土地区画整理の積極的推進を図ってきた が ( 3 ) 、新たに過小画地解消策として共同建築の実施に備え、そこから生ずる困難な法律問題、経済組織、資金調達 の方法等に関する特殊な考慮につき建築学会と共同で審議調査の上 ( 4 ) 、両会共同の﹁決議事項﹂と﹁共同建築設計 範例四種﹂及び﹁共同建築に於ける建築費分担比率並持分決定方法に関する案﹂とを準備作成し、その実現化を図る ための﹁共同耐火建築組合法案要項﹂と共に復興局に提出した ( 5 ) O その﹁決議事項﹂では、 ﹁一棟ノ建物-一付キ縦断的-一区分セラレタル場合ト横断的ニ区分セラレタル場合トヲ問ハ ス当事者ノ意思ニ依リ区分シタル部分ハ当然之カ所有権ヲ認メラレ登記其ノ他ノ手続ニ於テ単独所有権トシテ取扱ハ ルルコト此ノ度明瞭トナリタレトモ共同建築盛-一行ハレ之カ完成ノ暁所有権ノ分割等ニ依リ将来益々複雑ナル区分所 有権生スヘキニ付キ現行法ニ於ケル規定ノミニテハ不充分ナルヲ以テ之-一処スル為政府ハ新ニ適当ノ法規ヲ制定スル コ ト ﹂ ( 傍 点 筆 者 ﹀ 、 を提議しているが、 これは共同建築の敷街を予想した場合、民法二
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八条のみでは区分所有権、 とくに階層別の区分所有権に伴う建物の共用部分の共有関係や、建物の共同運営・管理関係の処理が困難である点を 考慮した上での要望であろうと思われる。共同建築における共用部分及び敷地の所有・利用関係の複雑性を解決する ため、この要項では共同建築組合を共同建築により構成された法人とし、各組合員は区分所有権を組合から付与され た場合でも、組合員の資格が存続する限りその持分権で共用部分及び敷地使用ができることとしている( 6
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この要項による共同建築物での共同者各自の権利関係は、第一次的には、共同者に共同建築組合員としての持分権 に基く建物(及びその一部)使用権を認め、区分所有権の付与はむしろ副次的なものとして処理されていることは注 目すべきである。したがって、敷地または共用部分の所有なし利用関係の調整は、共同建築組合に法人格を付与する ことにより、換言すれば、団体的所有による画一的処理により全て解決しうると考えていたのである。ただ、このよ うな住宅所有形式を受け入れる社会的素地が当時の状態では整っていなかったことは事実で、 ﹁共同決議事項書﹂が ﹁共同建築ノ単独建築-一比シ、有利ナルコトヲ汎ク市民-一理解セシムル為、適当ノ方法ヲ講スルコト﹂を関係当局に 要請していることからも容易に観取できる。 とはいえ、過小岡地の不便不利を脱する一手段として提議された共同建築論は、区画整理事業の進捗につれて復興 事業当局者たる東京市はもちろん、民間の学会ならびに研究団体により強く主張され市民の聞にも次第に共同建築要 望の気運が醸成された ( 7 ) 。これらの状勢に対応してその必要性を痛感した政府は、防火地区内の共同建築に関し特 別法を制定し同地区内の共同建築を規律し助成するため、大正十四年秋その成案を得て要旨を公表した。これが﹁共 同建築法案骨子﹂である ( 8 ) O これによれば、階層的区分所有も予定しており、しかも敷地利用の関係につき組合員が建物の区分所有権を取得し た場合には、その建物の敷地たる土地の借地権は組合より土地所有者の承諾を得ずに組合員に移転し得る旨の規定の 存するをみれば、さきの﹁共同建築組合法案要項﹂より余程進んだものとなっていることは事実である。しかし、階 層的区分所有権の場合にのみ敷地利用権(賃借権)につき民法六二一条の規定を排除し自由譲渡性を認めることは、 階 層 的 区 分 所 有 権 の 系 譜 五 九
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民法の趣旨からも無理な構成であり、かつ共同建築組合に対して強制加入を認めることは、 一般私益に基いて所有権 を制限することであり、社会正義の観念にももとる恐れなしとしない。結局、これら諸点の法的配慮が充分とはいい 難く、精確さを欠く嫌いが存する。それ故にか、同法案はすでに公表せられ、当時の新聞紙上にも広く報道せられた にも拘らず、議会に提出せられず、遂にその実現化がみられずに終末をつげた。それにしても、これ程の進化と苦心 の成果であった同法案が何故に議会に未提出となったのであろうか。それは当時、内務省の法令審査会において同法 ず ( 刊 ) 、 案に反対意見があったからだといわれている ( 9 ) 口とはいえ、その後も同法案の成立化を強調する者があったに拘ら ついに立法化が成功しなかったのは、結局、階層的区分所有権の憤行を生みだす社会的背景が当時において 未成熟であり、生活意識と結びつかない机上の議論であったともいえる百三 なお、当時において階層的区分所有権とは直接に関連しなかったが過小宅地を解消し、宅地の立体化・住宅の立体 的構造化を図るために関東大震災の翌十三年、京浜地方の都市復興事業の一翼の担い手として設立された、財団法人 間潤会の果した役割を見逃すことはできない。蓋し、同会の建設戸数は必ずしも多くはないが、﹁大都市における住 宅政策として:::不良住宅地区の改善を行い、また耐震耐火の恒久的な而かも文化的な近代的都市生活の実状に叶っ たアパートメントハウス式高層建築に手を染めて現代に於ける都市住宅の帰趨の一を示し﹂たことは、わが国の住宅 史上、画期的な意義を有するからである(辺)。同会は昭和二年以降、わが国で初めての鉄筋コンクリート建共同集合 住宅を建設したが、供給形式が分譲住宅としてではなく賃貸用であったため管理には同潤会が当ってきた。その後昭 和十七年同会は住宅営団に発展的解消をとげ吏に住宅営団が閉鎖機関となった後は東京都に移管されたが、都はこれらの共同集合住宅の維持が負担となり、その後各戸(区画部分)を各居住者に買取らせたので、現在は全部区分所有 されているとの事である
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したがって、階層的区分所有の課題がここにも提起されている。 註 1 小倉庫次﹁共同建築の法律的考察﹂(都市問題一巻二号)一二九頁以下。 2 ﹁建物区分所有権ノ取扱-一関スル件伺﹂﹁特別都市計画法-一依ル本市内土地区画整理ノ完成ニ伴ヒ、建築敷地ノ経済的効 用ヲ全フセンカ為ニハ、此ノ際、積極的ニ一区画ノ建築敷地内土地使用権者ヲ合同セシメ、之ユ必要ナル一棟ノ建物ヲ建築 スヘキコトヲ奨励シ、以テ建築物ノ利用増進ヲ図リ、一面帝都ノ美観ヲ添加致度存候処、此ノ種建築物ハ、民法第二百八条 ノ規定-一依リ、一棟中各自ニ区分セラレタル部分ハ夫々単独所有権ヲ取得スル義-一御座侯得共、其ノ範囲ハ縦断的-一区分セ ラレタル場合ト横断的ニ区分母ラレタル場合トヲ問ハス、当事者ノ意思ニ依リ、区分シタル部分ハ、当然、之カ所有権ヲ認 メ、登記其ノ他ノ手続ニ於テ単独所有権トシテ御取扱可相成儀ハ御座侯哉、為念一応御意見承知致度候条、至急何分ノ御回 示相願度侯也﹂ハ法曹会雑誌三巻七号一 O 二 頁 ﹀ 。 3 佐野利器﹁不燃焼都市の建築と復興建築会社﹂(都市問題一巻六号・大正十四)一二頁以下。および都市問題一巻七号ハ大 正十四γ
最近都市事情﹁復興建築会社設立経過﹂参照。 4 両会での審議の結果到達した結論は、﹁復興事業ノ基幹タル土地区画整理ノ実施ニ伴ヒ生スル建築敷地、特ニ防火地区内 ニ於テ単独ニ耐火構造ノ建物ヲ建築スルニ適セサル過小敷地ノ公私経済上ノ利用ヲ全カラシムル為メ此ノ際一団ノ土地ノ使 用権者ハナルヘク共同シテ建物ノ建築ヲ為スコトヲ必要ト認ム﹂との共同建築促進論であり、当時の趨勢を反影したもので あ っ た 。 5 最近都市事情﹁共同耐火建築奨励運動﹂(都市問題二巻二号ハ大正十五))一一五頁以下。 前掲・最近都市事情(都市問題二巻二号﹀二七頁i
一 二 O 頁 。 小倉庫次・前掲論文(都市問題三巻五号)三人l
九 頁 参 照 。 小倉庫次・前掲四三l
四 四 頁 。 す な わ ち 、 6 7 8 9 階層的区分所有権の系譜 _..L. ノ ¥東 ~f 法 旦主. 寸 ーよ】. /" 13 12 11 10 一、地主、借地入、借家人等の権利義務関係が極めて錯雑しているので、これらの関係に対しあらゆる場合を考慮しその権 利義務の関係を明確に法文上に表すことは殆んど不可能である。 二、共同建築の目的を充分ならしむる為には、或程度に於て所有権に制限を加うる必要がある。然るに所有権の制限に関し ては従来に於てもその例は少くないが、何れも公益上の目的に出発するもので、私益の為に個人の所有権に制限を加うる 如き立法例は未だないので、共同建築法を立案するにあたっては弦に所有権の観念に対し新例を開かなければならぬ。 (小倉庫次・前掲三九頁) 小倉庫次・前掲四 O 頁以下。平野真一ニ﹁株式会社に依る共同建築﹂ 玉田弘毅﹁区分所有権理論とその背景﹂(明紀一)七 O 頁 。 財団法人同潤会編﹁同潤会十八年史﹂、同﹁同潤会十年史﹂参照。 玉田弘毅・前掲七九頁。 (都市問題三巻五号﹀一六九頁以下。 四 皿 第二次大戦後の住宅対策と区分所有権 都市における住宅問題は、第二次大戦(一九三九!四五)を境にその様相を一変した。空襲により一二
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万戸、疎開 取壊により五五万戸が消滅し、海外引揚げ同胞の必要とする住居が六七万戸、加えて戦時中の供給不足一一八万戸、 これらを合算すると、戦後の住宅不足は実に四五 O 万戸に達し、戦災死による需要減三 O 万戸を差引いても、 なお四 二 O 万戸の港大な住宅不足が生じ全人口の約四分の一にあたる二千万余の人々が住む家を喪失し荒廃した焦土に放出 された ( 1 ) 。この極度に悪化した住宅問題の解消ないし緩和を図るためには従前のような消極的政策では対処しえな いこと多言を要しない。 ﹁住宅といかずとも、住むところが欲しい﹂という大衆の切実な要求に対応するための早急 な住宅政策としては、 ひたすら簡易住宅の建設に始まる量的な住宅難の解決が必要であった。そこで政府は昭和二十年 十 一 月 、 ﹁住宅緊急措置令﹂(勅六四一﹀を制定し、戦災者、引揚者の住居に供するため、既存建物の転用化を行お うとする場合には地方長官が使用権を設定しうる旨を認め、さらに余裕住宅開放の措置を講じて既存建物の住宅化の 促 進 を 図 っ た 。 ついで﹁罷災都市借地借家臨時処理法﹂ハ昭和一二・法二ニ﹀を制定し、 したために建物保護法による対抗力を失った借地権につきとくに五ヶ年間の対抗力を認め、自力建設能力のある者の 一方で戦災により建物が滅失 借地紛争を解決し、借地権を安定させることにより住宅復興を促し、同時に他方で、 一歩を進め住宅復興の能力ある 借家人に借地権を取得する途を開くという手段を採った。かくして権利の安定を図ったとはいえ、なお都市計画、都 市の不燃化促進という都市政策に密接させた、より大きな国家補助あるいは融資という形での住宅供給対策の実行が より強力に要望された
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その法的裏付けとなす特別法も幾多制定され、積極的な施策も遂行されたが、昭和三十年 に至ってなお住宅不足は、 ﹁国土建設の現況﹂によれば、非住宅居住、同居世帯、過密居住、老朽住宅を合せ二八四 万二千戸と推計され、住宅復興の困難性が痛感せられる。都市住宅不足の解決策としては、都市住宅の根本問題とし て共同集合住宅がよいか、分散小住宅がよいかの議論の余地はあるとしても ( 3 ) 、宅地の立体化、住宅の立体的構造 化を相当大幅に計るべき必要性は、すでに疑う余地のない段階に達した。そこで再び大正末期に議論倒れに終り、成 案を得ながら議会に未提出に終った共同建築(したがって階層別区分所有)の課題が、今日において脚光をあび現実 化される契機が生ずるに至った。国庫補助や民間融資等で、 日本住宅公団、東京都住宅協会、各府県住宅協会、 部 の民間会社ハ例えば第一生命、東急不動産等)が鉄筋コンクリート構造を導入した中高層の共同集合住宅の各区画部分の 分譲(区分所有)は、現在の段階では余り多くなく、また実際の分譲価格も高く多額の頭金を必要とする関係上、個 階層的区分所有権の系譜 -'-ノ ¥東 洋 法 学 ノ、 四 人より会社が社宅用とし譲受けるのが相当多いようである。しかし、現在賃貸用ときれている中高層共同集合住宅の 各戸(区阿部分)も、将来各賃借居住者に分譲されることが予定されているので(豆、今後それらが分譲されると、 相当広範囲に区分所有の型態が存在し得ることが予想される口 なお、土地区画整理法(昭和二九・法一一九)により、 過小宅地の所有者や借地人に、建築物の一部及びその建築物 の存する土地の共有持分を所有させる型態が創設されたが、これは大正末期に主張された過小宅地解消策としての共 同建築論が、区分所有の形で結実したものとして注意されてよい。これらの住宅傾向が逆に非住宅である事務所用、 庖舗用の中高層ビルにおける所有関係にも反映し、ピルの各室を同一所有者がその一部を賃貸するため、便宜上登記 面だけで区分するという従来の形式以外に、それぞれを何人かで区分所有するという事例も近時みられるとの事であ る ( 6 ) O 註ー ヮ “ 有泉享﹁住宅復興﹂(戦後法制の変遷!回顧と展望﹂(ジュリスト一 OO 号)二ニ八頁参照。 戦後における都市問題、住宅問題に関する積概的施策の法的裏付けをなしている特別法の概観は﹁戦後法制の変遺
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回顧 と展望﹂(ジュリスト一 OO 号)一四 O 頁以下に詳細である。 3 弓家七郎﹁都市問題と住宅政策﹂(社会政策大系六巻)一頁以下。 4玉田弘毅・前掲七二頁。 5公営住宅法二四条、同施行令七条、日本住宅公団法一一一一一条、同施行規則一五条、東京都住宅協会﹁長期分譲住宅売買契約 書﹂七条、兵庫県住宅協会﹁長期分譲住宅売買契約書﹂六条参照。 6玉田弘毅・前掲七一頁。諸外国はゐける階層所所有権(序説) 古代ロ l マ法では、区分所有権が縦断的とともに横断的(階層別)の型態でも存在したかに関し学説上争いがある も、むしろ否定的に解されている。蓋し、 当時では敷地と建物全体とは合一体であるとの観念が強く、 ω ロ 唱 。 同 片 山 内 日 目 。 ω ω。宮内出向宮(地上物は土地に属す)の原則が支配的に存していたことからも理解される。パィ、ネル(虫ロ巳
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の型態で存在していたとするが、 フ リ1
ト リ ヲ ヒ ( 司 片 山 色 同 -W V ) はこれに強く反対して いる( 1
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それにしても、階層所有権が古くパピロニヤ、 シ リ ヤ 、 エヂプト、パレスタイン、小アジヤなどの古い慣 習の中にその原形を見出し得る程の長い歴史をもつことは注目されてよい。しかし、それが現代法的意味での真正の 階層所有権( ω
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の型態で、建物の一部に独立 の単独所有権の成立を認容するようになったのは、そう古いことではない。以下では各法域により、その沿革と現代 的型態につき概観してみたい。 註 1 船田享二﹁羅馬法二巻四八二頁、原田慶吉﹁日本民法の史的素描﹂一 O 四頁参照。なお司巳包止の F ・ F 2 H 凶 m a g m H O の ︼ 向 調 。 ユ 同 州 諮 問 m o E d g m 宮 内 凶 O 吋 ∞ の 何 回 d 司 包 N W g m p ω ・ NU ・ 2 玉田弘毅・前掲五七頁参照。司包・5
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仏芹(地上物は土地に属す)の原則は存在せず、建物その他 の施設またはその一部に独立の所有権の成立が認められ、 しかも建物の独立した一部のみならず、建物内の個々の部 屋や地下の穴蔵(同色- 2
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にもその成立が認められていた ( 1 ) 0 すでに十二世紀には、階層所有権として各階には各 人の単独所有が、床、階段、屋根等には各階層所有者の合有(のg
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共有の変種ーならば爾後にもその成立を 認 容 し て き た ( 第 一 一 一 一 一 条 ﹀ ( 2 ) 。実際に、パ l デ ン H ヴュルテンプルグのラント法はこの制度を認めている。 それが第二次大戦を契機に、再び階層所有権制度の復活の提唱をみるにいたったのは、戦争により破壊された都市 の住宅難の救済策と関連を有している。戦後の資金不足の結果は、住宅を欲するものが単独で独立住宅を建築するこ とも、貸家業者が貸家を自己の資金ないし借入金によって単独に建築することも困難であり、そこで建築主(多くは 公共団体﹀が住の渇望にあえぐ者から資金の前払を受けて貸家(宮山oSωg)│中高層建築のアパート形式によるもの ーを建築し、これに出資者を居住せしめるとの方式が多く採られた。かかる場合に、居住者は建築資金を分担してい るゆえに単なる賃借人として賃借入保護法(冨ぽzgnFENmm
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N)の保護を受けるのみでは不満足であり、とくに自 己の地位?を第三者に譲渡し出資金を回収しうる可能性と、自己の居住計画を自己の晴好に合致するよう整備するため の広範な自由とが与えられることを要求する。このような要請に対応する方策としては居住権を物権化することで足 りるが(後述の継続的居住権己何回C
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君 。 甘 口H
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宮 はこれを満すもの)、それのみでは不充分であり、さらに各居住者 にその居住計画の完全な自由!所有権が許容されねばならない。この小ブルジョア的意識を注入する機能と、都市計 画による土地・住宅の立体的構造化の要請とが相侠って、 一九五一年三月一五日、 ﹁住居所有権および継続的居住権 に関する法律﹂(住居所有権法)(の22N52円凶器君。Egmm 包 m B E E S色
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与 件 ) ( 者 σ F E ロ m l ω 色 m g E B ω m m w ω m w R ) が 制 定 さ れ 、 こ の 法 制 化 に よ り 新 た に い わ ゆ る 住 居 所 有 権 ( 君 。 ﹃ ロ ロ ロ 明 色 m g E S ) な る 法 律 構 成が創設された D (ロ) 住居所有権の概念│住居所有権は、敷地および共用部分(mOBag各
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についての共有 階層的区分所有権の系譜 ノ、 七東 洋 法 学 /'¥ ]¥ 持分と、その上に建てられた、または将来建築される建物の一部についての単独所有権(∞。白血
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との包 摂概念である(君明町第一条)。元来、共有ではその持分は同的物全体の上に観念的な割合で権利を有するのであるが、 ここでは、建物内の一定区画につきその各々を特定の共有者の単独の支配に服せしめ、その残部は共有持分として全 共有者の共有に残している。この点からすれば、住居所有権は、当該建物全体についての各共有持分を住居所有権法 なる特別法により特殊な型態に変形された、共有関係の特殊型態といえる。 単独所有権は、居住の目的に供される部屋とその構成部分を対象とする。各住居所有権者は、自己の単独所有権が 成立する部屋を、法律または第三者の権利に反しない限り自由に処分することができる。すなわち、彼自身で使用す るはもちろん、用益賃貸(認吾川お宮g )
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も 可 能 で あ る ( 宅 開 の 第 十 三 条 一 項 ﹀ 。 この権能に関 ずる限り独立の所有権に類似する( a
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が、ただ単独所有権のみの処分または負担の設定は許さ れず、それと不可分的に結合している敷地および共有部分に関する共有持分と共にでなければこれをなし得ない(宅問 。 第 六 条 一 項 ) 。 共有持分権は、敷地、建物の諸部分および諸施設で単独所有権または第三者の所有権に属しない部分がその対象で あり(司明白第一条四項)、尾根、廊下、階段、建物の外樫等の共用部分がこれにあたる。建物の一部であっても、建物 全体の維持、保全に必要なもの、敷地および共同使用に供される設備等は、 たとえ単独所有権の存す石部屋の中にあ る場合でも単独所有権の対象とならず住居所有権者全員の共有とされる(宅開の第五条二項)。また、建物の構成部分で 本来単独所有権の対象となるべきものでも、住居所有権者の協議によりこれを共有となすことも可能である(喝聞の第五 条 一 一 一 項 ) 。 住居所有権者の共同関係│共同関係(のめ
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各 州 島 ) は 、 意による範囲が非常に多く、者開のに別段の規定なきときは切の回第四七一条以下が補充的に適用される(司明白第十 ヤ匂 住居所有権者相互の関係であるから、当事者の合 条一項)。合意は単独所有権の内容として登記されると、各住居所有権者の特定承継人にも対抗しうる(宅開の第十条二 項)。切の切の共同関係は、当事者は何時でも廃止請求権の行使ができるが(第七四九条一項)、 ここでの共同関係は、 全住居所有権者の合意による以外、重大な理由が存するとき w または差押債権者、破産管財人と離もその廃止請求権 は な い ( 宅 関 の 第 十 一 条 ﹀ 。 しかし、共同関係より生ずる経済的その他の諸義務を著しく幌怠する者があるのになお共同関係を継続しなければ ならないとするのは不適当である。そこで、建物利用の諸義務にたいし繰返し重大な違反を犯し、また負担すべき費 用額の支払を一定額かっ一定期間以上怠るごとき重大な義務違背をし、共同関係の存続を期待し得ないときは、他の 住居所有権者は彼に対して当該住居所有権の譲渡を請求することができるハ司開の第十八条一項、二項﹀。 ﹂ の 請 求 は 、 住居所有権者の多数決の決議による(宅開の第十八条三項 ) D しかもこの請求権は、予め合意によって制限または排除し ておくことのできない(巧明。第十八条四項)不可侵の権利である。 ﹂の請求に対し、当該住居所有権者が任意にそれ を譲渡しないときは、他の住居所有権者はその争訟につき区裁判所(﹀g
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に訴の提起ができ、勝訴判決を 得た後、その任意競売を申立てることができる。競売実施の管轄は公証人である(宅問の第五三条以下)。判決後でも、 競落代金の配当があるまでは、当該住居所有権者は、債務額その他一定の金額を支払ってその剥奪を免れることがで 階 層 的 区 分 所 有 権 の 系 譜 ノ ¥ 九f
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Q~( rrg:~~ Q~ 翼~(線中国園緑-.tJ m 同点)~糊*:lii 11 摺匝拘兵Kd O .;2 ;U" WEG 11$1 民 Q 耳~~1:!題化説 E翼手 )1 ♀l-(d兵心, ^J 兵,jJ酎(~l-(d ~rr 輔さ~ t--',m., 必J
二。 証皿間饗富士 f 起血 i蓋枠蝶榊田町 4ヰム-t b~Q 鍬 ~rr .;2 Kd起田空窓枠蝶榊瑚~~日 (Wohnungseigentumerversamlung) ・担割-<
(Verwalter) ・ 1血問題~~}1 (Verwaltungsbeirat) t--'~,C\"争 E嗣量産富士 ~i~11 蜘 Qt そt--'~Kd (WEG 掠11
十ボ) (叫 0 組~ O. Gierke , Deutsches Privatrecht Bd. II , 1905 , S. 39 ff.; Wolf , Sachenrecht 1957 , S. 355 ff. C'I EGBGB 昧 11111 点以吋.k~'時 lト入 ι0* 担赴笠宮現 ~:!;:0 叶主主 Q 我慢榊 01-<11 蝦雲 ~0 1 結 Q 昨00!!;~~m::製剤 J庁ば'唱く健 ll\Æ時三 e 盟主~1lll\ÆヤtQIll:!土自 e 厚長w<射器 i鑑...)'割く健榊 1-く i」 f単組込剖 υ~ 耳障.q_ rr tJ..,@握制怠〈は唱く~ll\Æ時三 e 盟ß -2:1偲偶製品!隠舟~ム U ,.)J:çミtJ身 tl tQ'血 t\!;(~\-' ム向。∞
Vg 1. Barmarn , Die Eigenwohung (D Not Z , 1950 , Heft 7/8); Diester , Wohnungseigentum und Dauerwo-hnrecht , 1951 くDer Recht und Steuerdienst , Helft 17); Dulckeit , Der Verdinglichung obligatorischen Rechte くRecht und Staat) Heft 158/159 , 1951 , S. 71 ff.; Eichler , Institutionen des Sachenrechts , 1954 S. 162ff.; Hedemann , Grundproblen des Wohnungsrechts 1950; Paulick , zur Dogmatik der Wohnungseigentums くAcP 152 Bd. Heft 5 1953); Wolf , Sachenrecht , 1957 S. 355 f.; Palandt , BGB 12 Auf 1. 1954 S. 2094 f. 梨県出土自国 器製斑廓乞武田斑喧轍制lIl êY ヨ田端 I~ι ヤト1l~士tQ準君-<~ヰム ~Ö 事総 -<0~ 長総 J (斑母宮器 11 千~('Ù川 rr\f' Y4
尽磁!畔!葉「準 君哩脈斑 0$ 駅 |-tι ヤト剥(議特騒 ~)J 。 可. ~己随 1主持鍵事制 0 -K偽記ç' ~ ¥-,:1;!' Vg 1. Barmann , Wohnungseigentumsgesetz 19 日; Pritsch , Das WEG 1956; Wesenberg , Der In halt des Wohnungseigentums くD Ri Z , Helft 6 1956); Weitnauer-Wirths , WEG 2 Aufl. 1955.E
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オ l ストリーにおいても、階層所有権は古く社会生活の慣行として広く行われていた。それが一八一一年の kp 切 の 回制定以来次第に消滅せしめられ、遂にティロ l ル 地 方 ( 吋 可 。 日 ) やフォラルベルヒ地方(︿。E M
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同 町 ) で は 一 九 世 紀末にいたり地方法により禁止されるに至った ( 1 ) 0 それは古ドイツ法におけると同様、利用の法秩序として具体的 利用者に所有権を認めんとした階層所有権制度が、都市制度の発達に伴う不動産取引関係の拡大化とロ l マ 法 継 受 に よる法的構成の変化により漸次弱少化したことに由来するものと思われる。 第二次大戦後の住宅不足は、右の事情にもかかわらず再び階層所有権の蘇生をもたらし、 さきの西ドイツにおける 住居所有権法に先立ち、 一 九 四 八 年 七 月 八 日 、 ﹁ 住 居 所 有 権 法 ﹂ ( 君 。v
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山 口 σ ω H C ロ 拘 ) に よ り 規 律 さ れ ( 第 八 二 八 条 ﹀ 、 それは各共有者聞には単に債権的効力を有すにすぎず第三者に対しては物権的効力を有するかどうか学説上争いが存 していた ( 3 ) 。住居所有権法も基本的には共有関係の型態をとり、 ただ建物全体についての各共有持分が特殊な型態 に変形して存在しているにすぎない。一五い換えれば、建物全体に観念的な割合をもっ通常の共有関係と異なり、建物 内の一定の部屋または営業所(のg
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に つ き 、 それぞれ特定の共有権者に排他的な利用権および処分権 を認め、登記がなされている場合には、第三者にも対抗しうるとしているハ宅開。第一条﹀。したがって、住居所有権は 単なる用益権(制限物権)ではなくして、共有権と特別使用権(∞。ロ己0
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N ロロ怒号各ごとの競合した法律関係の呼 階層的区分所有権の系譜 七東 洋 法 学 七 称である ( 4 ) O 住居所有権の成立しうるのは、建物における各部分の独立性が明瞭であることが必要である。建物の各区画部分の あいだの仕切が輩固であり、便所、台所、独立の通路を有し、各部分が経済的に独立の家屋として取扱われうること が、独立の所有権の成立を認容するに必要な前提要件だからである ( 5 ) 。特別使用権(住居所有権は)各共有者の利 益のために成立するのであるが、各共有者がその持分 H 専用部分につき登記をなすことは、他面他の共有者の所有権 (持分権)制限と解せられるから、不動産登記簿には物的負担 ( F 8 3 と し て 登 記 さ れ る ( 宅 開 の 第 五 条 ﹀ 。 そ こ で 、 棟の建物に数人の住居所有権者が存在し、その全てが登記をなす場合には、各住居所有権者につき別々の所有権登記 簿台紙および物的負担の登記簿台紙が開設される ( 6 ) 0 共用部分の管理に関しては、共有物の管理の問題として、共有物の管理に関する一般規定 ( k 自 の 回 第 八 三 三 条 以 下 ) が適用される。しかし、住居所有権者間の共同関係は﹀切の切の予想する共同関係と異なり、長期間にわたり存続し その相互の接触は極めて密接である。したがって、その管理には組織された管理機関が存し恒常的に管理に当る必要 がある。オ l ストリ l の宅開のではこの点の配慮、が全くないので、将来の立法と社会的慣行にまつほかはない。 註 -n L 3 開 H H H 1 0 一 回 N d ﹃ 巴 m w m M 可 ω 芯 B a o ω α ω H O M 1 8 一 官 。 H H O M M H ロ m m W 5 0 山 口 o p M M 広 司 丘 町 o o V 件 。 ω 国 内 凶 ・ F N W ω ・ N ω -F H H S R M w o r o p 問 。 。 v Z 昨 agaagon ︼ 門 司 O吋 ︼ 白 色 " 8 2 B P 同 R E 2 B V O 出 回 山 口 芯 吋 H U 烏 ω ・ ∞ 由 民 ・ 回 0 8 笹 川 グ ロ g 唱 。 ︼ 同 一 ロ ロ 回 m m o 日 間 同 g Z B ω m g o Z H U怠 ω ・ 由 ・ 君 。 m g g p り g 宏 伸 O R o z o v o 司 開 A U W P H H d ﹃ 巴 N O
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ス フランスでは、建物の各階層または一組づっの数室につき独立の所有権を認めることは、その民法の下でも可能と される。同法第六六四条が明認するからである。ここでの階層所有権 ( F m w U H O M E A山 広 仏g
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同 ︾ω H 1 h 山 仲 m m m w ω ) は、各階層または各部屋の所有者が各々その部分につき専有権を有し、各所有者聞には不可分関係(宮内出乱位。ロ)t
ま 存在しない。最上階の所有者は更に階層を加えて建物を高くすることができるかにつき争いが存する所以もここにあ り、判例は積極、消極に分岐し、学説の支配的傾向は後説によっている?)。各階層および各部屋の単独所有権のほ かに、建物の共用部分(土台・大踏壁・屋蓋・梯子段・玄関・井戸・排水路・便所等)については、各所有者聞に不 可分関係が存する D し た が っ て 、 フランスの階層所有権制度の特質は、同一目的物について排他的所有権と不可分関 係とが併存する(吉見88
在 。 ロ ) 点 に 見 出 さ れ る 。 この制度が大都市において念速に敷一約するにいたった所以は、今世紀の初めより徐々に進行していた住宅難が、第 二次大戦による広範囲の家屋破壊にもとずく現存家屋数の激減と、建築資材の相次ぐ価格騰貴にもとずく新築家屋数 の急減とを原因として、 いわゆる住宅危機(
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仲 ) を醸成する程度に達した結果に関係してい 階 層 的 区 分 所 有 権 の 系 譜 七東 洋 法 且r. 寸ー 七 四 る ( 2 ) D かかる需要の拡大化とそれに対応する便宜の供与が住宅政策の上からも重要視され、それに関する特別法の 制定が不可欠であるとの趨勢を生み、 一九三八年六月二八日﹁階層毎に区分された不動産の共有に関する法律﹂(戸旦 件 。 ロ 向 日
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官。阿玉砕臥)作成の義務付けも特色 と い え る 。 註 ー っ 山 仏蘭西民法 E ( 現代外国法典叢書伺)一三九頁参照。E
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可 ・同 l ω ・ 3 こ の 特 別 法 は 、 一 九 三 九 年 十 一 月 二 九 日 お よ び 一 九 四 一 一 一 年 二 月 四 日 に 補 充 が な さ れ 、 一 九 五 九 年 一 月 四 日 の U o w g H に よ り 物 権 公 示 の 規 定 が 根 本 的 に 修 正 さ れ て い る 。 4 フ ラ ン ス の 階 層 所 有 権 で は 、 ︿ ・ 盟 主 ZYFm 育 o 胃 向 。 芯 匂 常 常 m w m g H 甲 山 由 日 明 一 円 四 包 ユ o F ・ p -m W ・ O ・ -∞
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イ タ リ -(1) 一 八 六 五 年 の の 。 告 の O 巳iF
一 第 五 六 三 条 で は 、 フランス民法第六六四条と同旨の規定がなされ、最上階者の上階建 増権も第五六四条で認めていることは注目すべきである。 二次にわたる大戦の結果、都市の住宅難は階層所有権制度を念速に増大せしめ、民法の規定の不充分さは社会的平 和を確保する所以でなく、これにたいする積極的な関与が住宅政策の上から要請された。 一九三四年一月十五日の特 リ 川 4 ﹄ ︼ ヘ 、 口 刀 、 d c 一 九 四O
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司 g H V E A 山 長 の 補 充 、 一九四二年の新民法第一一一七条ー一一三九条の規定等 はこの需要に応えたものである。 階層所有権は、各階層または部屋に排他的に且つ完全に成立する単独所有権であり、相互の関係は、相隣関係から 来る特別の諸義務を生ぜしめるにすぎない。その特質は、当該建物全体につき各共有持分を前提としない点に存す る。建物の各階層毎に異なる単独所有権を認め、建物の共用部分では各階層所有者の共有関係を認める点(第一一一七 条)では他の諸国の構成と同一であるが、単独所有権と共用部分との不可分性(ドイツ・オ!ストリ l ) や、共用部分の 階 層 的 区 分 所 有 権 の 系 譜 七 五東 洋 法 詳ι 寸ー 七 六 従属性(フランス)から絶縁し、単独所有権と共有権との併存の構成を採る点で特色がみられる。 共用部分の管理は、 イタリー法の一般原則からすれば、共有者間の共同関係として律せられる(第二 O 五 条 ﹀ 。 そ の対象は、各階層または区画(部屋)を除外した、主として共同使用に供されている部分および共同施設に限られ る。管理機関は、管理人および共有者集会
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・ 。 ・ 前 皿 その他の諸国 ( 1 ) 階層所有権がフランス民法第六六四条で明認されて以来広範な領域に影響を及ぼし、 ポルトガル、ギリシャ、南ア メリカ諸国では、 フランス母法の規定の不充分性を認めながら、その本質的な型態をそのまま承継し、補充、整備を なすに止めている。 しかし、第一次大戦後の住宅難を契機に特別立法の波動は喚起された。ベルギーが一九二四年の補充法(一九二四・ 七 ・ 四 ) に よ り 、 建物の共有権を前提とする法律構成を考案し、従来の規定の欠陥を治癒し、各階層および階層の一 部に独立の所有権を、共用部分には共有者の共同関係を創設した。オランダでは、従来アパート所有権の型態は全く 存しなかったが、荒廃せる都市の再建と住宅復興に関連して、 一九四六年に民法典の当該規定の修正案を作成し、 九五一年法(一九五一・十二・二十)で注目すべき階層所有権の法規制を創出した。 ス ペ イ ン で は 、 フランス民法の継 承として民法第三九六条が存したが、現在では一九四六年の賃貸借法(一九四六・士一・一-干一)第六三条│六九条にこの型態が発展的に存続されている。 アルゼンチンは、従来階層所有権を禁止していたが、近代建築の需要を充足 し、住宅復興の重要課題に則応するため、 一九四八年法(一九四人・九・三十) により従来の法律構成を修正しその不 備を補完している。ブラジルでも、 一九二八年法(一九二入・六・二五)が階層所有権制度の創設を許容し、 ウルガイ ( 一 九 四 六 ・ 六 ・ 一 一 五 ) 、 チ リ ( 一 九 三 七 ・ 入 ・ 十 一 ﹀ 、 その他南アメリカ諸国でも特別の法規制のもとでアパート所有権 が盛行している。 註 1 ︿ 何 回 ・ 司 片 山 σ 骨 問 。
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イギリス・アメリカ 階層所有権の制度は大陸法の所産であるこというまでもないが、英米桧域でも、建物の階層またはその一部に類似 の権能をもっ法的構成をその歴史的型態の中から創設してきた。 イギリスでは、産業革命が必然的にもたらした都市への人口の集中化・流入が流入が都市と住宅の問題を生み出し た。莫大な労働階級を吸収した都市が近代的産業都市となりうるためには、旧い都市型態をもってしては不充分であ り本格的な都市計画が必要とされ、 一方甚しい住宅不足は過密居住・不良住宅を醸成した。 階 層 的 区 分 所 有 権 の 系 譜 七 七~ミ 洋 法 出主主. :子 七 人 イギリスの住宅政策は二つに大別できる。第一は、司法的ないし私法的な住宅立法(借家法)!同