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不正競争法序説-1- 利用統計を見る

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不正競争法序説-1-著者

山崎 晴一

雑誌名

東洋法学

2

2

ページ

27-46

発行年

1958-11

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00007769/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

目 次 第 一 章 総 説 第 一 節 総 説 営業自由と不正競争 フラシス・ドイツ及び我が国の概要 イ ギ P ス及びアメ W J カの概要 第 二 節 不正競争法の組成 不法行為主義と特別立法主義 不法行為主義 特別立法主義 不 正 競 争 法 序 説

コ 七

(3)

東 洋 法 且4 寸咽 - 一 八 第一章

第一節 総

営業自由と不正競争 近代的不正競争の法理は、営業における自由競争を前提とする。営業自由が確立されたのは、各国それぞれの経済 的政治的状勢により時を同じくしないが、いずれの国においても不正競争の問題が法的規制の対象として拾頭したの は、そこに資本制経済の基調である営業自由の体制が確立されてからのことである。 一般的営業競争が現われ始めたのは、新興市民階級の勃興によって資本制経済体制が整えられてからであり、欧州 では中世の末期に遡る。それより以前においても、フラ Y ス -F イツを始めとして、不正な営業競争に対する何等か の制限が行われた。たとえば、下イ w ノ で は 、 -四

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年代からツ Y フト官官民仲)の規約中に、営業誹誘・顧客誘惑・ 秘密漏演など若干の禁止規定がみられたという︿ 1 v o 当時営業行為は組合権の行使として行われ、ツ Y フ ト は 、 一 方 では同業者の入会を強制し、各組合員の営業・労働の範囲を定め、他方では各組合員の活動の範囲を限定し、組合員 に対する総ての競業を防止した。このように営業をなす権利は組合員たる権利に基くものであり、組合員相互がこの 組合権を侵害する如きは許されなかった A 2 v o フ ラ Y スにおいても、同様に}六

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年代に不正競争を禁止する措置 が講ぜられたことがあるという︿ 3 v o

(4)

し か し 、 ここにみられる営業競争は組合内部でのみ行われたものであり、 近代的な一般営業自由の確立されたの は、さらに後に至ってからのことである。 イギリスでも大体同じことがいい得る。ギルド(位置) の管轄内においてはその認可なしに競業することはできず、 ギルドの加入者はその公正競争の規約の範囲において競業をなし得たのみであり、王権専制の時代においては、多く の営業について王の認可を必要としたため営業の自由は存在しなかった。 この時代における不当な競争行為に対する法的規制は、都市あるいは-般民衆をも保護しようとするものであった とはいえ︿ 4 ﹀、その主眼とするところは、領主、国王などに対する悪の取締に、あるいは同業組合の保護、階級的利 益の保護という見地からする組合自治の侵害に対する禁圧にあったのである。ゆえに、この当時散見される不当な競 争行為を取締る法は、たとえそれが対象とする行為の態様に類似性がよみとられようとも、今日問題とされる不正競 争法の法史的母体た

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得ない。近代的不正競争の法理の展開は、何れの国においても、契約自由の原則と共に、近代 市民社会の基調をなしてきた営業における自由が確立され、自由な活綾な営業競争が始まったときにその起源を発す る。かようにして不正競争禁圧の法理は一般的な営業競争を前提とする ( 5 ﹀ O 各国の社会経済的諸条件の相違や法制の懸隔は、不正競争の形成発展過程に多大の影響を与えるのであるが、自由 な営業競争から生ずる弊害除去をその規範的要素とする不正競争の法理が、社会的経済的体制の発展にともない、必 然的に拡張する性質を有することは当然で、法制を異にする各国間で、独自に形成された不正競争の態様に類似性が みられるのは、営業競争の基盤はひろく国際社会に根を下すものであることに帰国する。 不 正 競 争 法 序 説 二 九

(5)

東 洋 法 夫主4 寸4

本論はアメリカのコモ y ロ 1 ︿ 6 ﹀ における不正競争を中心として考察を試みんとするものであるが、 そのため に、右に述べた観点から、以下に営業自由と不正競争との関連及び、この法理の組成につき、 フ ラ Y ス・ドイツ及び わが国と比較しその概略を述べることが便であろう。 註 喜多了蹴﹁不正競争禁圧の法史と法理﹂国際不正競争の研究 有馬忠三郎﹁不正競業論﹂一八四頁。 喜 多 前 掲 一 O 一 頁 。 田中和夫﹁米国州際通商上の不正競争﹂国際不正競争の研究 有馬前掲一一頁。 5 ﹁中世の法則にこの基盤(営業自由によって創造された社会的経済的基盤

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引用者﹀の欠けていることを忘れては、 法史的逆転に陥らざるを得ない﹂喜多前掲一 O 二 頁 。 記内角一﹁内外に於ける不正競争取締の実情﹂法律時報六巻七号ご六頁ハ昭和九年) こ こ に コ モ γ ・ローとは制定法に対する意味であり、衡平法に対するそれよりは広い。 3 1 一 O 一 頁 。 2 4 一 四 二 頁 。 の 6 一 一 、 フ ラ Y ス・下イツ及びわが国の概要 フ ラ Y スは一七入九年の大革命によって、はやくも一般的な営業の自由を法制的に確立せしめた。すなわち、革命 直後の一七九一年三月法は、その第七条に、何人も正当と認むべき

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一切の商業或は職業を遂 行する自由を有する旨規定した。 これによって国民は、 営業に関する王権の支配を脱し、 各種営業の自由を獲得し

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た。これより以前、 フ ラ Y スの中世間業組合制度は、絶対王権の確立につれ、その支配による産業の育成強化の場と なった。そこには企業の自由は存在せず、独占的な、特権的な開業組合制度を通じて、王権の干渉による強力な統制 がなされていた。わずかに、それらの同業組合制度の組織の困難な農村が都市におけるよりも、自由企業の発展に適 する地盤として提供されたのである︿

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農村に展開の場を見出した工業生産を中心として粛芽を発生した自由な企 業は、新経済思想が拾頭し普及するとともに、都市における同業組合的規制を強く批判し、 フイジオクラトであった テ品ルゴは王令をもって、商業及び手工業の原則的自由を宣言したが、それもフラ Y スに自由な営業をもたらすには 至らなかった。こうしてこの国が各国にさきがけて、営業の自由を確立したのは、 ア Y シャ y ・レジムを崩壊し、近 代市民法出現の契機となった大革命によったのであった。 革命によって国民が得た営業の自由は、企業規模の拡大による生産性の発展、営業者の増加などにともない、徐々 に近代的資本主義の形成を促した。それとともに企業勢力が分化し、営業繁栄の基礎となる顧客の獲得及び資本の蓄 積に向って激しい競争が展開されるに至った。この過程において、不正競争に対する法的規制もその理論を形成して いったわけである。 註 7 高 橋 幸 八 郎 ﹁ 市 民 革 命 の 構 造 ﹂ 一 二 九 頁 以 下 。 ドイツが営業の自由の法制を整備したのは、 フ ラ Y スよりは造に遅れ、十九世紀の後半に至る。農業を基盤とする 不 正 競 争 法 序 説

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東 洋 法 学 封建制社会にあっては、専ら領主が一切の産業を支配し、民衆は単に労力をを提供する奴隷に過ぎなかった。彼等は 農業生産用具及び労働力は保有していたが、農業生産の基本となる土地は領主の所有するところであった。領主領の 内部にも簡単な手工業があったが、それも当時の経済の体制である自給自足による実物経済の-環として存在したに 過ぎなかった。しかし工業と農業が分離するにつれて余剰生産物が集積され、その交換の媒介をする商人階級が誕生 し た 。 彼らは貨幣経済が出現するに及び、交通の発達と相まってその勢力を拡張し、 都市の商人は商業ギルド

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を 結 成 し た 。 これより少しおくれて手工業者もまたツ Y フトをつくった。これら同業者組合を中心と する都市経済は、中世後期の海外貿易によって大いに発展したが、この積極性は市民団体としての意識に根ざされた ものであり、かえって﹁その自立性は内に向つては、同時に自給自足の理念にささえられた封鎖的志向となって凝結 ず る ﹂ へ 8 ﹀のであり、この封鎖的都市経済はギル下を類型化し厳格な規則を設け︺般的な自由営業を閉塞する。 製 口 の検査や公正価格の遵守の規定は、競争の助長のためでなく、既得された階級的特権や身分を擁護するために設けら れたものであった。 ドイツに営業の自由が確立されるのがおくれたのは、下イツの都市は他国に比較し強い独立性を示し、それがギル 刊 F や ツ Y フトに反映し、特権を長く維持し得たことによる ( 9 ﹀ O 一旦は一七九七年以来フラシスの営業法にならい営 業の自由を認めたが、 一八一五年から再び旧ドイツの工匠組合法に帰り、 一 入 七

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年代に至り漸く広汎な営業の自由 を認める法制が整備されるに至った市﹀ 0 この頃から念速に弥漫しはじめた不正競争に対処するに、当初は資本主義

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経済の立遅れを挽回せんがため、競争に対する制限は最少限におさえられたが、不正競争の拡大とともに特別立法を もってその禁圧に臨んだ。 註 8 増田四郎﹁西洋経済史概論﹂一二三頁。 同前一一九頁。 有 馬 前 掲 九 二 頁 。 10 9 わが国において不正競争の禁圧がはじめて問題とされたのは、 一 九

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九年(明治四十二年)下イツの改正不正競争 取締法(旧法は一八九六年)の刺戟をうけたことによるが、日露戦争後、漸く資本主義的経済の方向ヘ進みはじめた 当時、必ずしもわが国の経済界が不正競争の防遁を求めていたためではなかった。もとよりその頃も不正競争がなか ったわけではないが、特別の立法を要する程に激しいものではなく、民法第七

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九条の規定によって律し得る程度の ものであった。ところが競争における不正は競争と共に激化する。わが国でも漸く資本主義的経済の発展にともなっ て、営業競争も一段と盛になり、明治の末期から大正の初期にかけて不正競争の弊害も増大し、その排除を民法の規 定のみに任ねることを許さない程度になってきた。しかし当時我が国経済界の趨勢は、国際経済舞台への進出という 観点から必ずしも此の問題に関する立法措置を好まず、 念速に実現する運びとはならなかったのであるが、 主とし てイギリスの貿易業者から国際的不正競争の問題をとり上げて強硬な抗議があり、大正十三年頃にはわが国の商標法 (大正十年法九九)の欠陥を指摘して、商標及び原産地の詐称を公然と非難してきた。 一方、国内的にも漸く不正競 不 正 競 争 法 序 説

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東 洋 法 学 四 争行為を取締る立法措置を望む声が高まり、あたかも、工業所有権保護同盟条約に関するへ 1 グの改正条約(一九三 四年﹀に加入する準備として、右改正条約に定められる限度の不正競争防止法を制定する必要に迫られ、遂に昭和九 年法律第十四号をもって不正競争防止法が制定され︿

5

、その第一条に不正競争行為の類形が定められた。本法は、 経済理論的にも法律理論的にも、また両者の交錯という点からしても重要な意義を有するものであるが、全文はわず かに六カ条に過ぎず、常に発展する営業における不正競争行為を充分取締るためには不備であり、その後三度の改正 を重ねて︿昭和二二年・二五年・二八年﹀今日に至っている。 第二次世界大戦終了後、アメりカの日本経済民主化政策の基本方針に即応するために、昭和二十二年に﹁私的独占 の禁止及び公正取引の確保に関する法律﹂が制定された。その内容は、アメリカの反トラスト法の精神を汲みこれを より厳格なものとしたのであり、その目的とするところは、 ﹁私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁 止し、事業支配力の過度の集中を防止して、結合、協定等の方法によって生産、販売、価格、技術等の不当な制限そ の他一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより、公正且つ自由な競争を促進し、事業の創意を発揮させ、事 業活動を盛んにし、雇傭及び国民笑所得の水準を高め、以て、 一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民 主的で健全な発達を促進する﹂ (第一条)ことである。その第二条第七項には﹁不公正な競争方法﹂の定義が定めら れ、第一九条では不公正な競争方法を用いることを禁じ℃いる。続いて昭和二十入年の改正において﹁不公正な競争 方法﹂から﹁不公正な取引方法﹂にまで適用範囲を拡張した。 このようにわが国では、 戦後、特別法の制定によっ て、取引制限及び独占を含む広汎な領域に亘って不正競争が禁圧されるに至った。

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註 11 本法の立法の沿革につき、奥野健一﹁不正競争防止法について﹂法曹会雑誌ご一巻六号 二 頁 以 下 ハ 昭 和 九 年 ) 。 三、イギリス及びアメリカの概要 イギリス及びアメリカにおいて、営業自由が確立された過程は後述するが、中世ギル下が特権的に経済を支配して いたことは、イギりスも変るところではなかった︿

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このギル下の有した特権を国王の手に収めんとしたのはエリ ザベス一世であった。 女王は多くの営業に独占的な権力を及ぼし、 国の収入の増大を計った。 その結果は市場の困 乱、民衆の困却を招き、十六世紀から十七世紀にかけては、営業の独占に反対する気運が高まり︿日 v 、国会でも盛に 論議されるに至った︿ M V 。やがてジエ 1 ムス一世の時、一六二四年には﹁特権賦与法﹂(吾

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カにおける初期の移民は、権威に抗して逃れてきたものが多く、こ﹀では封建的諸規則は根を下すには至ら なかった。自由と平等をモヲトーとした革命が勝利に帰し、独立が達成されるや(一七七六年)、 アメリカの商業資 本は植民地的弱束を脱し発展を開始した。 -般的営業競争が盛となり、従って不正競争が本格的に問題とされるのも これ以後である。かようにして、アメリカも、 コ モ y ・ ロ 1 上はほぼイギリスと同種類の不正競争行為を認めてきた が、資本制経済の念速な発展とともにもたらされる新しい事態、すなわち取引制限や独占の問題に直面し、新な規範 不 正 競 争 法 序 説 五

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An Introduction to the Ec ono m.i c History of England

c. v i. ~ Cunningham

Growth of English lndustry and Commerce

(1 910) p. 288. ~ Frank D. Jones

Historical Development of the Law of Business Competltion

35 Yale L.J. 930 ,... 933. 匹 ~ll~JQ~ 無事 1韮包 111 IYλ ・弘ーさ三 -<~A 口出包括組事棋は起幅トヤ~梯初戦~ヤ~鑓 \-l Q 言語屯必 1霊長時ヤ ~J .>J~凶 111m...) .{d (l psioich Taylors Case (1 614)

11 Coke 53a)

出 Standard Oil Co. v. United States

221 U.S. 1

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31 Sup. Ct. 502

515 (1911) ; Northern Se curities Co. v. United States

193 U.8. 197

24 Sup. Ct. 436 (1904) ; American Tobacco Co. v. United 8tates

221 U.8. 106. ~ {司 Q 1 i明 Q 事{1b!現存ミt\-'~tJ~~。 Sherman Act

1890; Clayton Act

1914; Federal Trade Commission Act

1914; Wheeler-Lea Act

1938; National lndustrial Recovery Act of 1933;

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の 仲 ﹀ ・ 第二節 不正競争法の組成 一、不法行為主義と特別立法主義 近代的営業自由の法制が整備されると、何れの国においても必然的に不正競争行為が問題とされ、これに対する法 的規制が必要とされるに至った。そして社会的経済的基盤が複雑化し、企業規模が拡大し、競争が織烈になるにとも なって、不正競争の態様も次々に新しい型を生じ、これを禁圧する法も発展したのである。この形成過程における社 会経済的背影と規範意識の生成展開は、綬念先後の差こそあれ、各国とも大同小異であった。しかし、国それぞれの 法制の相違は、不正競争行為に対する観念型態の相違を生ぜしめた。中世の領主経済或は都市経済時代に表れた不正 競争行為に対する禁圧は、領主に対する侵害への制裁であったり、同業者の階級的利益の擁護を主眼とするものであ ったことは既述したが、このため、不正競争に対しては厳罰をもって望むことを主体としたのである。 こ こ で は 、 一般的な営業自由の体制が生ずる以前の不正競争に関する法現象はさておき、営業における自由競争を 基盤とする近代的不正競争禁還の法意識は、不正競争に対する論理的規制のうちに形成される。すなわち、経済的事 実としての営業競争が活発となるにともなって激化する不正競争は、専ら非倫理的な行為として禁圧の対象とされる 不 正 競 争 法 序 説 七

(13)

東 洋 法 学 八 のである

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﹀ 0 類型的にいえば、当初倫理的衣裳をまとって表れたこの法理は、やがて侵害される利益を想定するこ とにより、被害者の損害賠償或は差止命令の請求を-認める道程をたどったのであり、この形成過程は各国とも共通し たものであるとい﹀得る。 しかし、前述の通り各国において、不法行為の法律的構成が相違していることに対応して、特殊の不法行為として の不正競争を禁圧する法的組成は一律ではない。特許権・商標権などの保護についてはいずれの国も一様に特別法を 設けているが︿ 2 ﹀ 、 その他については二つの傾向に分れている。 すなわち不法行為主義と特別立法主義がそれであ る 。 不法行為主義とは、営業上の不正競争の性質を不法行為なりとして、この禁過のために特別の立法措置を採らず、 不法行為に関する一般的法理をもって臨まんとする主義である。不法行為が成立するために権利侵害を要せずとする 説においてはもちろん、権利侵害を要するとの説によるものも、不正競争によって侵害される権利をたとえば暖簾と 称するこ樫の無体財産権と観念し、不正競争を不法行為なりとしてその原則を適用するのである。これに対し特別立 法主義では、不正競争においては、特許権・商標権などによって認められる無体財産を侵害する場合を除いては権利 の侵害を認めることはできず、権利侵害を要件とする不法行為として不正競争を律することはできないとして、不正 競争に対処するに特別立法をもってするのである︿

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問題は、不法行為の要件として権利侵害を必要とするか否か、また、不正競争行為によって他人の権利侵害がある かどうかに存する。 不法行為が成立するにつき、 権利侵害をその構成要件としない場合は、 たとえ不正競争におい

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て、侵害さるべき権利の観念構成が困難であっても、不正競争を民法上の不法行為として把握することに問題は生じ ない筈である︿ 4 ﹀ O ところが権利侵害を必要とする説においては、不正競争には権利侵害なきものとして、これが禁 庄のためには特別立法を要するというのである︿ 5 ) O しかし、不法行為に権利侵害を要件として規定しないフラ Y ス民法においても、その解釈にあたり権利侵害を必要 とすることが通説であり、学者も不正競争によって侵害された権利の法構成に努力する。また、特別立法によって不 正競争に対する保護を定めても、あらゆる行為を網羅的に規制することは出来ないので、何等かの概括規定を必要と するか、あるいは特別法による対象から洩れた行為には民法上の不法行為の法理を以て臨まなければならない︿ 6 ) O さらに、近時不法行為における権利侵害の権利の意義を広く解し、 ﹁厳密ナル意味エ於テハ未グ目スル一一権利ヲ以ツ テスベカラザル号、 而モ法律上保護セラルル一ノ利益﹂あるいは、 ﹁吾人ノ法律観念上其ノ侵害に対シ不法行為一一 基ク救済ヲ与フルコトヲ必要トスト思惟スル一ノ利益﹂ ︿ 7 ﹀とする傾向が生じ、さらに権利侵害を違法性と読みかえ て論ずる理論が有力となった︿

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こ れ に よ れ ば 、 権利侵害なる観念は違法性を示す一の標準であるというのであ る。したがって、不正競争によって侵害される利益の法的構成のいかんによって、あるいは権利とされまたは権利で ないとされるにしろ、不正競争は、法律感情︿ 9 ﹀からしても不法行為の概念中に含まれるものと考えるのが至当であ ろう。かように不正競争は、民法上の不法行為として把握されるものであるが(日、それのみでは常に新しく展開す る不正競争に対する保護は全うされないであろう。そのために不正競争に対する公法的規制の拡充がはかられるとと もに、不正競争の相手方の救済をもって主眼とする不法行為訟を超えて、不正競争行為の差止を命じ、これが防止的 不 正 競 争 法 序 説 九

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東 洋 法 学 四 0 使命を果すためにも特別立法を必要とする領域が益々拡大するのではあるまいか。 註 Z 目 B m w 戸 川

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喜 多 前 掲 二 一 七 頁 。 2 F イ y ﹁特許法﹂(一九一一一六年。一八九一年の特許法を改正﹀。﹁商標法﹂(一九三六年。同法以前は、一八九四年の﹁商 標法﹂及び一八七四年の﹁商標保護法﹂﹀。 フランス、﹁商標法(一八五七年。一八九 O 年 改 正 ) 。 ﹁ 発 明 特 許 法 ( 一 八 四 四 年 ) 。 イギリス、﹁改正特許意匠条例﹂ハ一九 O 七 年 ﹀ 。 アメリカ、﹁商品標取締条例﹂ハ一八八七年。一九二六年)。﹁商標法﹂ハ一八八一年)﹁商標条例﹂ハ一九 O 五 年 ) 。 フ イ リ y ピン、﹁商標法﹂(一九四七年﹀。 イタリヤ、商標其の他の標章に関する法律﹂(一八六八年)。 3 有 馬 前 掲 三 頁 。 4 勝本正尭﹁不正競争防止法の理論及び適用﹂法律時報六巻七号九頁(昭和九年)。 5 有 馬 前 掲 一 八 六 頁 。 6 勝 本 前 掲 一 一 頁 。 7 大判大正一回、一一、二八(民集四巻六七 OY 8 加藤一郎﹁不法行為﹂法律学全集ごご巻三七頁。

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日﹁右の見解(不法行為の要件として行為の違法性をもって足るとする説│引用者)を取れば、不正競争は明白に不法行為 の場合に包含せられ、其結果、不正競争防止法は、不法行為理論の一例示的適用として認識せられ、或は又、不正手段を列 挙する点よりみて、見方によっては一般の不法行為論の一制限としてさえ観得せらるる可能性があるのである。﹂(勝本前 掲一四│但し勝本博士はわが民法七 O 九条の解釈として権利侵害を要するとし、権利の観念をひろく解し、﹁平穏且つ公 然に或一定の利益を享受し来り、且つ何人も之を争はざりし状態は、之を維持するにつき、一種の権利として保護せらるべ きものである﹂とされ、この観念をもってしても権利と認められるものの侵害のないときは、加害行為が公序良俗、信義衡 平に反する場合だけ例外的に準不法行為として七 O 九 条 を 準 用 す る と さ れ る ) 。 二、不法行為主義 一七八九年のフラ Y ス革命は、国民に多くの自由を与えた︿日﹀。営業の自由もその一であった。フラ Y スでは、革 命によって獲得した個人の営業自由の権利は、公権的営業自由権を基底として各個人に認められた私権であり、営業 の自由はその私権の行使であるとされた。 フ ラ Y ス民法一三八二条及びー一三八三条は故意及び過失にもとずく不法行為に関し、よって生じた損害と行為の間 に因果関係のある場合、不法行為者はその損害の賠償をなすべき一般規定であって、 いずれも権利侵害を要件として 定めてはいない。このため学説は二派に分れ、 一は不法行為の成立には権利侵害を要せずとし、他は解釈上、権利侵 害を不法行為の要件とする。後者が通説となっている

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不法行為が成立するためには権利侵害を要せずとする説によれば、不正競争において権利侵害をともなうや否やを 不 正 競 争 法 序 説 四

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東 洋 法 学 四 考慮することなく、被害者は民法の規定によって保護され得るのである。しかし、権利侵害を要件とする通説的立場 に立つ学者は、まず不正競争をもって﹁暖簾﹂ ( 句 " の 宮 町 ロ 仏 随 一 O ) の観念に表示される顧客関係上の権利を侵害する不 法行為であるとした。すなわち、営業者が自己の労力と資本をもって築き上げた顧客関係を、 フラ Y スが従来認めて きた工業所有権的権利として把握し、不正競争はこの権利を侵害する不法行為なりとするのである。工業所有権 ( ぽ 同 ︾

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広 宮 内 回 ロ ω 仲 立 色 。 ) ( 臼 v とは、営業者の発明特許・実用新案・工業的意匠・商標・商号などに関し、占有と処分 の機能による独占排他的利益を享受する権利であり、有体物上の所有権から類推された無体所有権の一種である。 フ ラ Y スにおいては、つとにこの権利を認め、 一八五七年の商標権の第一条には明瞭に﹁商標所有権﹂ (円山口弘円。山骨 p,. (t 円 ︾ 円 。 匂 片 山 岳

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恒 見 ω ) なる言辞を用いている。しかし、不正競争の不法行為性を被侵害権利の面から把握し、そ の権利を工業所有権的無体財産権なりとするときは、この権利侵害のない場合、たとえば虚偽の広告を用いて自分の 商品の販路を拡張するような場合にいかなる法を適用するかに窮することになり、また無体所有権をもって、通常の 所有権類似のものとする点にも難があり、さらにはそのように把握することは、ともすれば暖簾の観念を不当に拡張 せしめ、ひいては、自由な営業競争の原則に反するのではないかとの倶も生じる

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ここにおいて権利濫用説が登場する。すなわち営業競争は自由に営業競争をなす権利の実行でありとし、それによ って競争の相手に損害を与えても原則として不法行為となるものではないが、競争行為が権利の濫用となるときは不 法行為となるというのである。この説は不法行為の要件として権利侵害を要するという立場から離れ、行為の違法性 に着服したものであり、文理的にも民法二二八二条の規定に合するものといい得る。しかし、権利濫用という場合の

(18)

権利、すなわち自由競業権なるものは濫用者側のみならず、被害者にも同様に認められるもので、被害者のこの権利 をこそ加害者の濫用によって侵害するのであり、そこには被侵害利益が想定されている。また果して自由営業権なる 内容の規定された権利が確立されたものであるかも疑問なしとしない︿

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そこで焦点は再び被侵害利益に集り、得意先を本質的内容とする営業財産色。ロ含門

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-わ ゆ ) に 対 す る 侵 害 を もって不正競争法の構成をなさんとする試みが近時有力となった。営業財産という観念は必ずしも明確ではないが、 特別法上具体化されてきた各種の工業所有権の包括的概念として認識され、実際上も、十九世期の中葉以降営業に関 する財産を一括して取引する傾向が増大するとともに工業所有権的な保護の対象として把握され、したがって不正競 争法も、営業者の無体動産を構成する営業財産を包括的な財産権として保護する方向に発展せしめられるのである。 かくて学説は再転して、不正競争における権利侵害を問題にするに至ったのである。このように、不法行為の構成要 件として権利侵害を要するか否か、また不正競争における被侵害権利の法的性質に関し学説は区えであるが、いずれ にしろフラ Y スの判例学説共に、 一貫して一般不正競争に適用すべき法として、民法二二八二条及び一三八三条に拠 ってきた。判例は経済社会的基盤の発展とともに不測的に拡大する不正競争行為に即し、流動的な態度を示し、その 確認した不正競争の態度には次のものがある。め営業の混同、例商品の混同、内営業上の誹詩、判詐欺広告、約被用 者の買収、付秘密の漏洩、

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商品に関する詐欺、例割引販売、

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営業再開の禁止、的資格の詐称、紛競業者の虐待、 同川被傭者の買収、問旧被用者の不誠実、側罷業中にある競争相手被傭者の金銭的援助︿担。これらは実質的に、 般 的不正競争に関し特別法を有する国において防過の対象とされた不正競争の態様とほぼ類似のものである。 不 正 競 争 法 序 説 四

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東 洋 法 学 四 四 イグリヤ・ベルギー・スイスもフラ Y スと同様不法行為主義による︿げ﹀ O イギリス・アメリカにおいても不法行為主義によるが、 イギリスは大陸の諸国と異り、直接フラ Y スの影響をうけ ることなく独自の法制を発展せしめた。フラ Y スでは不法行為に関する民法の規定を根拠として判例法が弾力的発展 イギリスではかかる一般的規定からの演緯としてではなく、数種の不法行為(吉見 ω ) から発展して を遂げてきたが、 きたものである。したがってそこには、総称的役割をもった﹁不正競争﹂(ロロ貯可。。 E H X w 氏 。 ロ ) な る 語 は 存 在 す る が 、 それは不法行為の態様として創造された各種の不正な競争行為の観念を一元的に示すものではなかった。 註 11 フラγス革命の法文化史的意義については、野田良之﹁フラγス法概論﹂五ご三頁以下、及び文献につき 註 1

2 0 有 馬 前 掲 九 七 頁 。 末川博﹁権利侵害論﹂法学叢書一四一一一頁註一 O 。 工業所有権と不正競争に関し、黒田竜久﹁工業所有権に関する不正競争防止の問題﹂国際不正競争の研究 喜 多 前 掲 一 O 四 頁 。 同 前 一 O 五 頁 。 なお特別法上の不正競争の種類については、有馬 黒目前掲三四二頁。 三 一 豆 貰 以 下 。 同 五 二 七 頁 12 17 16 15 14 13 前 掲 一 一 八 頁 以 下 。

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、特別立法主義 ずイツは、不正競争法について右に述べた不法行為主義と対脈的な法制を有し、不正競争に対する保護を民法の 一般規定に委ねることなく、特別立法をもって律した。 一入九六年の﹁不正競業禁圧法﹂がそれである。 下イツでは、不法行為の構成要件として権利侵害が必要とされたがフラ Y スにおけるように、不正競争における被 侵害権利を工業所有権的無体所有権として把握することはできないとされた。これは、前述のようにブラシスでは営 業競争を私権の実行であると概念したのに対し、下イツでは営業競争は一般的な行為の自由守口県出昏話回知ロ一色ロロ m ω i 片 岡

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芹 ﹀ にもとずいた事実としての一経済現象なりとし、営業自由権という私権を承認しなかったことによる。 し たがって不正競争行為による被害利益が権利であるとすることにも極めて消極的であった。すなわち工業所有権なる ものはみとめることができず、また顧客関係というも実体的存在を有するものでないから、これに対し所有権を認め ることはできないとするのである。したがって権利侵害を要件とする不法行為として、不正競争の法理を説明するこ とはできないというのである。こうして、特許法・商標法など特別法の適用をうけない一般的な不正競争を、民法の 不法行為の規定で律することはできないものとされ、 一八九六年に﹁不正競業禁圧法﹂が制定された。本法はフラ y スの判例法の成果を参照にして不正競争の態様を列挙的に規定した。 一 九

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年に現行民法が効力を生じ、その第八二六条には権利侵害を要件としない不法行為に関する概括的規定が 設山りられたが、拡張した不正競争に対処するにこの規定をもってすることなく、 一 九

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九年に﹁改正不正競業法﹂を 制定し、従来より厳密な禁止規定を設け、またその第一条には、概括的条項を設けたのである詰﹀ O 不 正 競 争 法 序 説 四 五

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東 洋 法 学 四 六 ヂ Y マ 1 ク・ギリシャ・スベイ y ・ポルトガル・アルゼ y チ

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・ ベ ル 1 ・バラグァイ・ウルガイ︿ぎなど同じく特 別法をもって一般的不正競争行為に臨んでいる。 わが国もまた特別立法主義による、権利侵害を不法行為の要件とすることはわが国でも同じであった︿却 ) O したが って不正競争を網羅的に民法の規定(第七

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九 条 ﹀ で禁圧することはできず、不完全ながら、昭和九年三月二十七日 ﹁不正競争防止法﹂が成立し、その後幾度か改正が重ねられ今日に至っている。しかし、特別法の予想を超え、新な 装をまとって発生する不正な競争行為に対しては、権利侵害を違法性と読みかえられた民法の規定を適用することに よって、被害者の保護が与えられなければならないであろう。 註 印 有 馬 前 掲 豆 頁 一 八 六 頁 。 喜 多 目 黒 田 前 掲 一 ニ 四 四 頁 。 初 ポ ア リ ノ ナ

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による民法はフランス民法と同様に、権利侵害をとくに規定しなかったが、民法修正案理由書には﹁不法行 為 -一 関 ス ル 規 定 ハ 、 之 -一 依 リ テ 、 既 ニ 存 在 セ ル 他 人 ノ 権 利 ヲ 保 護 ス ル そ ノ ナ V バ、或事業上他人ト競争 γ テ此者ユ損失ヲ被 ラ γ メタル場合ノ如キ、未ダ権利ヲ侵害 γ タ ル ユ 非 ザ V バ、賠償ノ責任ヲ生ズルコトナ γ ﹂ と 述 べ て い る 。 前 掲 一 一 O 頁 。 ( お ・ 7 ・

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未了)

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