Title
Studies on the Clarification of Stress Factors Affecting the
Growth and Yield of High Sugar Content Tomatoes in Soilless
Culture( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
Shahnaz Sarkar
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(農学) 甲第487号
Issue Date
2008-03-13
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/23494
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏 名(本(国)籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 SbabnazSarkar (バングラデシュ人民共和国) 博士(農学) 農博甲第487号 平成20年3月13日 学位規則第3条第1項該当 連合農学研究科 生物生産科学専攻 静岡大学
Studies on the Clarification of Stress Factors
A飴cting the Growth and Yield of High Sugar ContentTbmatoesinSoillessCulture (養液栽培における高糖度トマトの生育と収量に及ぼす ストレス要因の解明に関する研究) 主査 静岡大学 教 授 糠 副査 静岡大学 准教授 切 副査 岐阜大学 教 授 福 副査 信州大学 教 授 伴 祥 博 谷 岩 井 野 和一 潔 論 文 の 内 容 の 要 旨 トマトは世界的にも価値の高い重要な野菜であり,収量と品質を向上させるために多くの 栽培管理技術が検討されてきた.現在では,塩類および水ストレスを利用した栽培方法が, トマトの品質を改良するために用いられている.しかしながら,これらのストレスがトマト の品質にどのように影響しているかについては不明な点が多い.そこで本研究は,1)トマ トの生育,収量,品質に強く影響を及ぼすストレスは何か(第1,第2章),2)トマトの品質 の向上に寄与する果汁中有機成分は何か(第3,第4章)を明らかにすることを目的として行 った. 第1章:2種類の給液システム(点滴給液と底面給液)とEC4dS・m-1の2種類の培養液(修 正園試処方と静大高糖度トマト処方)を組み合わせた4処理区を設け,トマト`ハウス桃太 郎'を養液栽培した.その結果,点滴給液区に比べ底面給液区において,生育,絵収島果 実サイズは培養液組成に関わらず減少したが,可溶性固形物含有率は高く,静大高糖度トマ ト処方で若干高かった.点滴給液区に比べ底面給液区で,吸水量は少なかったが,マトリッ クポテンシャルは高く推移する可能性が示唆された.培地溶液のECは,点滴給液区より底面給液 区で高く,また修正園試処方より静大高糖度トマト処方で高かった.環境ストレス程度の指 標である葉部プロリン含量は,培養液組成に関わらず点滴給液区より底面給液区で高く,培 地溶液のECと関係性がみられた.以上の結果より,底面給液区での生育,収量の低下は,水 ストレスによるものではなく,塩ストレスが主要な要因であることが明らかとなった.
-101-第2章:第1章の結果より,水ストレスのみの影響について明らかにし,塩と水のストレ ス強度の比較するため,水分センサーによる自動給液制御システムにおいて,2段階の給液 開始マトリックポテンシャル設定値(-2,-6kPa)と2段階の給液量(40,70mi.・time,l・plant 1) を組み合わせた4処理にて,トマトを養液栽培した.その結果,美都プロリン含量は低マト リックポテンシャル区で蓄積する候向を示したが,給液量には影響されず,培地溶液のECに 大きく影響された.結論として,水ストレスは塩ストレスよりも呆実に及ぼす影響が小さい ことが明らかとなった. 第3章:45種類の市販トマト果実を用いてパネルテストで得られた食味値と肝LC等で分析 した糖,有機酸,アミノ酸含量,SSCとの相関関係を調査した.全てのトマトは高SSCと低 SSCという2つのカテゴリーに分類された.高SSCトマトでは,アスパラギン酸,グルタミ ン酸,アスパラギン,セリン,グルタミンの増加によって食味値は低下した・アラニンとプ ロリンの増加によってトマトの食味値は増加する関係が認められた.一方,グルタミン酸は `うま味,に係わる主要なアミノ酸であるが,食味値と負の相関が認められた.以上のこと から,食味値はSSC,グルコース,フルクトース,プロリンと高い相関が認められた・ 第4章:第3章で得られたトマトと第1章のストレス条件下で栽培されたトマトについて, それらの有機成分の比較を行った.その結果,トマトの養液栽培において,栽培管理方法の 違いによって,様々なストレスが誘導された.有機成分と同様たトマトの品質は,塩類や水 ストレスに大きく影響され,菓部プロリンの分析結果から,水ストレスよりも埠ストレスが 主要な要因と考えられた. 審 査 結 果 の 要 旨 トマトは世界的にも価値の高い重要な野菜であり,収量と品質を向上させるために 多くの栽培管理技彿が検討されてきた.現在では,塩類および水ストレスを利用した 栽培方法が,トマトの品質を改良するために用いられている・しかしながら,これら のストレスがトマトの品質にどのように影督しているかについては不明な点が多い・ そこで本研究は,1)トマトの生育,収量,品質に強く影響を及ぼすストレスは何か
(東1,第2章),2)トマトの品質の向上に寄与する果汁中有機成分は何か贋3,第
4章)を明らかにすることを目的として行った. 第1章:果実品質の向上は栽培方法に俵存し,栽培方法により食味は容易に変化 することから,2種類の給液システム(点滴給液と底面給液)とEC4dS・打1の2種 類の培養液(修正園試処方と静大高糖度トマト処方)を組み合わせた4処理区を設け, トマト`ハウス桃太郎,を養液栽培した.その結果,点滴給液区に比べ底面給液区に おいて,生育,総収量,果実サイズは培養液組成に関わらず減少したが,SSC(可溶性 固形物含有率)は高く,静大高糖度トマト処方で若干高かった・点滴給液区に比べ底 面給液区で,吸水生は少なかったが,マトリックポテンシャルlま高く推移した・ 培地溶液のECは,点滴給液区より底面給液区で高く,また修正園試処方より静大高 糖度トマト処方で高かった.環境ストレス程度の指標である美都プロリン含量は,培 養液組成に関わらず点滴給液区より底面給液区で高く,培地溶液のECと関係性がみ られた.以上の結果より,底面給液区での生育,収量の低下は,水ストレスによるも のではなく,塩ストレスが主要な要因であることが明らかとなった.-102-第2章:第1章の結果より,水ストレスのみの影響について明らかにし,塩と水の ストレス強度を比較するため,水分センサーによる自動給液制御システムにおいて, 2段階の給液開始マトリックポテンシャル設定値(-2,-6kPa)と2段階の給液量(40, 70nL・ti皿e-1・plant-1)を組み合わせた4処理にて,トマトを養液栽培した・その結 果,菓部プロリン含量は低マトリックポテンシャル区で蓄積する傾向を示したが,給 液量には影響されず,培地溶液のECに大きく影響された.結論として,水ストレス は塩ストレスよりも生育に及ぼす影響が小さいことが明らかとなった・ 第3章:市販のトマトを用いて果実の食味に関連する有機成分の評価を行った・ 2006年7月に静岡市卸売市場より入手した45種類のトマトについて,パネルテスト で得られた食味億とHPLC等で分析した糖,有機酸,アミノ酸含量,SSCとの相関関