平成28年度
特許出願技術動向調査報告書(概要)
移動体用カメラ
平成29年3月
特
許
庁
問い合わせ先 特許庁総務部企画調査課 知財動向班 電話:03-3581-1101(内線:215 5)
本編
要約
第1部
第2部
第3部
第4部
第5部
資料編
第6部
第1章 調査概要 第1節 移動体用カメラの概要 移動体用カメラとは、自転車、バイク、自動車や鉄道、飛行機、船舶等のほか、携帯電 話・スマートフォンに組み込まれ、写真や動画を撮影するための小型のカメラモジュー ルである。 カメラモジュールには、レンズ、IR カットフィルター、イメージセンサのようなカメ ラとして機能するための最低限の部品から構成される部品が集積され、使用目的や用途 に合わせて性能や形態を決めることができる。そのために、最近では、ウェアラブルカ メラやドローンの撮影用カメラとして使われるケースが増えている。また、自動車関連 分野では、カメラモジュールを組み込んだドライブレコーダが普及している。さらに、 自動ブレーキシステムの一部では、画像センサとしてカメラモジュールが組み込まれて おり、レンズを通して得られたリアルタイムの画像情報を使って衝突回避や被害を軽減 するためのブレーキ操作をアシストすることで、安全上重要な役割を果たしている。 本調査は、カメラの一つのカテゴリーとして大きな割合を占めつつある移動体用カメ ラを取り上げ、その用途や使用目的、技術課題とその解決手段等について特許、実用新 案を解析し、現在の技術革新の状況、技術競争力の状況と今後の展望について明らかに することを目的として実施する。 図 1-1 は、今回の調査対象となる移動体用カメラの特許・実用新案の範囲をイメージ 化して示したものである。国際特許分類(IPC)の G02B 及び G03B の一部に対応する特許 から成る集合を母集団として、その中で移動体用カメラに関わるものを解析の対象とす る。 図 1-1 移動体用カメラに関わる特許・実用新案の調査対象範囲のイメージ本編
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(2)目的・課題 ・ 小型化 ・ 多機能化 被写体認識 その他 ・ 低コスト化 製造方法 その他 ・機能向上 高画質化 高感度化 広角化 高速化 その他 ・ 信頼性向上 防水性 防塵性 耐振性 耐熱性 長時間駆動性 堅牢性 その他 市場 環境 政策 動向 科 学 技 術 ・イ ノ ベ ー シ ョ ン (研 究 開 発 )振 興 規 制 ・模 造 品 対 策 高 度 情 報 化 社 会 に お け る 画 像 情 報 利 用 の 多 様 化 → ス マ ー ト フ ォ ン 、 先 進 運 転 支 援 シ ス テ ム (A D A S )、 I o T 等 の 需 要 拡 大 → 移 動 体 用 カ メ ラ の 需 要 拡 大 (1)カメラの種類・用途 ・ その他 ・ デジタルスチルカメラ 一眼レフカメラ、コンパクトカメラ ・ デジタルビデオカメラ ハンディカメラ、テレビジョンカメラ ・ カメラモジュール(移動体用カメラ) 携帯電話用カメラ、タブレット・PC用カメラ 車載用カメラ、飛行体用カメラ ウェアラブルカメラ等 自 国 経 済 発 展 計 画 (3)課題解決手段 ・高機能化機構・制御 被写体検知 被写体追尾 デュアルカメラ その他 ・駆動機構・制御 AF MF ズーム・望遠・マクロ ブレ補正 ・ 撮像素子 ・ 省電力化 ・ その他 ・ 撮影原理 可視光、赤外光 三次元撮影 その他 ・ 光学系 レンズ フィルター その他 ・筐体 筐体本体 バネ その他 ・露出機構・制御 絞り・シャッター 測光 その他 ・ 防水・防塵記述 ・ 付属品 ・ 製造方法改良 光学系組立 その他 ・ その他 第2節 対象とする移動体用カメラの技術俯瞰 移動体用カメラ(カメラモジュール)は、それ自体が独立した単体のデジタルカメラ やカムコーダーとして使用されることは少なく、携帯電話・スマートフォンや自動車、 ドローン等の構成部品であるカメラモジュールとして移動体の内部に組み込まれて使用 されるものである。本調査では、このカメラモジュールについて特許技術動向の解析を 実施する。調査に当たっては、特許の検索、読み込みによる解析だけでなく、移動体用 カメラに関係した市場環境の調査、国内外の政策動向の調査も併せて実施する。図 1-2 に移動体用カメラの技術俯瞰図を示す。 初めに、「(1)カメラの種類・用途」による分類では、携帯電話・スマートフォン、タ ブレット・PC、車載用カメラ、飛行体用カメラ等のカメラモジュール(移動体用カメラ) のほか、一般的な一眼レフカメラ、ミラーレスカメラ、コンパクトカメラ等のデジタル スチルカメラ、カムコーダー、テレビジョンカメラ等のデジタルビデオカメラ、その他 のカメラ(衛星カメラ、監視カメラ、内視鏡等)に分類する。なお、監視カメラの中でカ メラモジュールが使用されているものについては、カメラモジュール(移動体用カメラ) の特許や実用新案として取り扱い、「その他のカメラ」の分類には入れない。 次に、「(2)目的・課題」の項目は、機能向上や信頼性向上、低コスト化等の普遍的な ものから、小型化・低背化(薄型化)、省電力化等の携帯電話・スマートフォンやドロー ン等それぞれの応用形態に特有のものまで幅広く取り上げる。 そして、「(3)課題解決手段」では、撮影原理、光学系、筐体、駆動機構・制御、露出 機構・制御、製造方法の改良等を取り上げる。今回の調査は光学関連技術に特化してい ることから、ソフトウエアによる画像処理技術に関しては、調査対象から除外する。 図 1-2 移動体用カメラの技術俯瞰図本編
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2,718.7 3,394.5 3,901.7 4,032.6 4,196.7 4,392.8 96.6 119.1 150.8 162.8 179.3 196.5 0 40 80 120 160 200 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 2011 2012 2013 2014 2015 2016E 販 売 金 額 販 売 数 量 生産数量 販売金額 (百万個) (億米ドル) (年) 第2章 市場環境調査 第1節 移動体用カメラに関係する市場の動向 移動体用カメラ市場は、これまでは「カメラ付携帯電話」を中心に成長してきた。そし て、携帯電話においても背面カメラのみを装着するものから、前面カメラも装着するも のへと変化している。さらに、携帯電話より多機能で、前面と背面へのカメラ装着が標 準であるスマートフォンが市場に投入されたことにより、カメラモジュールの市場は拡 大を続けてきた。 カメラモジュールの生産数量と今後の成長予測を図 2-1 に示す。2011 年から 2015 年 までは実績で、2016 年は予測値である。数量成長率、金額成長率共に年率 2~3%の成長 と予測されている。しかしながら、今後、スマートフォンは、大型化、高精細化が進むこ とが予想されることから、それが平均単価の上昇につながり、僅かではあるが数量成長 率よりも金額成長率の方が大きくなると予想される。 図 2-1 世界のカメラモジュールの生産数量と販売金額の推移 出典:2015 年グローバルカメラモジュール産業 QYResearch 次に、2015 年の世界のカメラモジュール市場における用途別生産数量シェアを図 2-2 に示す。この中で、移動体用カメラとしての用途は、スマートフォンを含む携帯電話が 65%を占め、次いで PC 用途が 7%、自動車関連分野が 1%となっている。移動体用カメ ラという意味では市場のほとんどが携帯電話用カメラになってしまう。今後は自動車や ドローン、ウェアラブル機器への応用拡大が期待され、携帯電話とともに移動体用カメ ラ市場を牽引していくものと予想される。本編
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中国 60% 韓国 8% 日本 9% 台湾 3% EU 1% 米国 1% その他の 地域 18% 2015年 世界の地域別 生産数量 合計4,196.7百万個 携帯電話 65% その他 コンシューマ 電子 23% PC 7% 自動車 1% 安全監視 2% 工業用、 その他 2% 2015年 世界生産数量 合計4,196.7百万個 図 2-2 世界のカメラモジュール市場の用途別生産数量のシェア(2015 年) 出典:2015 年グローバルカメラモジュール産業 QYResearch 世界のカメラモジュール市場の地域別生産数量と販売数量のシェアを図 2-3、図 2-4 に 示す。2015 年、中国は生産数量で世界の約 60%を占めるが、販売数量では世界の約 70% を占める。また、日本、中国、韓国、台湾の四か国(地域)で生産数量、販売数量とも世 界の約 80%を占める。このことから、日本、韓国、台湾で生産されたカメラモジュール の一部が中国に輸出されて最終製品に組み込まれていることが推察できる。中国は携帯 電話の生産量や自動車、監視カメラなどの生産量で世界をリードしていることから、今 後は中国が移動体用カメラ市場を牽引していくものと予想される。 図 2-3 世界のカメラモジュール市場の地域別生産数量のシェア(2015 年) 出典:2015 年グローバルカメラモジュール産業 QYResearch本編
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中国 68% 韓国 5% 日本 4% 台湾 2% EU 1% 米国 1% その他の 地域 19% 2015年 世界の地域別 販売数量 合計4,196.7百万個 カメラモジュールサプライヤー ユーザー 世界トップレベル 日本、韓国メーカー 例:サムスン電機、LG、シャープ ハイエンドユーザー 例:アップル、サムスン、ノキア 中堅レベル 中国、香港、台湾有名メーカー 例:サニー、トゥルーリー 、 プリマックス、キューテック ミドルユーザー 例:中興、ファーウェイ、 レノボ、クールパッド ローエンド 中国ローカル「山寨」メーカー ローエンドユーザー 「山寨」携帯電話など 図 2-4 世界のカメラモジュール市場の地域別販売数量のシェア(2015 年) 出典:2015 年グローバルカメラモジュール産業 QYResearch 第2節 参入メーカーの動向 カメラモジュールにとっての最大の用途である携帯電話分野への応用状況を見ると、 カメラモジュールメーカーを三つの陣営に分類することができる。 第一の陣営は、携帯電話のトップレベルのメーカーに納入しているカメラモジュール メーカーである。次に、第二の陣営は、中国国内の有名携帯電話や他の国際ブランド携 帯電話に製品を提供している中国、香港、台湾のカメラモジュールメーカーである。そ して、第三の陣営は、小型でいわゆる「山寨」市場で戦っているカメラモジュールメー カーである。これら三陣営の相関関係を図 2-5 に示す。 図 2-5 携帯電話・スマートフォン分野における業界の相関図 出典:各社の Web 情報等を基に作成本編
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シャープ 6.8% LGイノテック 6.3% サムスン電機 5.5% サニー 5.4% コーウェル 4.7% オーフィルム 4.4% パートロン 3.8% ライトン 3.6% キューテック 3.1% プリマックス 2.8% トゥルーリー 2.7% 鴻海精密工業 2.5% カムシス 2.0% チコニー 2.0% サンウィン 1.7% エムシーネックス 1.5% ソニー 1.4% パワーロジックス 0.8% STマイクロ 0.7% 東芝 0.7% セコニクス 0.2% その他 37.4% 2015年 世界生産数量 合計4,196.7百万個 サムスン電機 (韓国) 9.0% サニー 8.9% コーウェル(韓国) 7.7% オーフィルム 7.3% パートロン(韓国) 6.2% ライトン(台湾) 6.0% キューテック 5.0% プリマックス(台湾) 4.5% トゥルーリー 4.4% 鴻海精密工業 (台湾) 4.2% カムシス(韓国) 3.2% チコニー(台湾) 3.2% サンウィン 2.9% エムシーネックス (韓国) 2.5% セコニクス(韓国) 0.3% その他 24.7% 2015年中国 国内生産数量 2,557.48百万個 2015 年の企業別のカメラモジュール生産実績(数量)に基づく各社のシェアを図 2-6 に示す。トップのシャープでも市場シェアは 6.8%で、市場全体をリードするような企業 は存在しない。 図 2-6 カメラモジュールの企業別シェア(2015 年) 出典:2015 年グローバルカメラモジュール産業 QYResearch 図 2-7 に中国におけるカメラモジュールの企業別生産量のシェアを示す。中国企業、 韓国企業、台湾企業がシェア争いをする構図になっている。 図 2-7 中国におけるカメラモジュールの企業別生産量シェア(2015 年) 出典:2015 年グローバルカメラモジュール産業 QYResearch本編
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0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 2011 2012 2013 2014 2015 台 数 世界携帯電話出荷数量 中国携帯電話生産数量 中国携帯電話国内出荷数量 台湾携帯電話出荷数量 世界スマートフォン出荷数量 中国スマートフォン国内出荷数量 (億台) (年) 第3節 移動体用カメラの関連製品動向 1.携帯電話・スマートフォン 携帯電話は、これまで最も大きなカメラモジュールの市場であり、スマートフォンの 普及に伴い、背面カメラ(リアカメラ)だけではなく、前面カメラ(フロントカメラ)の 装着率も大幅に上昇してきた。通信回線の速度アップに合わせて、より高機能な携帯電 話・スマートフォンへの更新需要が発生し、そのサイクルも比較的短いことから、それ らに装備されるカメラモジュールの市場も順調に拡大してきた。 先進諸国では、携帯電話はほぼ市場が飽和し、スマートフォンへの切替えが徐々に発 生しているが、全体として市場の伸びは非常に緩やかである。その一方で、新興国では インフラ整備が進み、携帯電話・スマートフォンの市場が急速に拡大している。このよ うな状況から、当面は携帯電話・スマートフォンが移動体用カメラの主要な用途である 状況は変わらないと思われる。 そうした中で、図 2-8 に示したように、中国では、2015 年には世界の携帯電話の 9 割 強を生産した。台湾においては、携帯電話市場の伸び率が鈍化傾向にあるが、その背景 には、台湾の携帯電話・スマートフォンメーカーの重点地域が既に東南アジアやほかの 新興国へ移ったことがある。今後、台湾企業はバーチャルリアリティ、ウェアラブル機 器等付加価値が高い新製品に注力する方針である。また、韓国では、有機 EL 等最先端の 技術を投入したスマートフォンの開発が活発に行われており、携帯電話・スマートフォ ンでは先進的な市場になっている。しかし、国内市場の大きさが限られていることから、 積極的な輸出策や海外生産で市場シェアを確保している。 図 2-8 世界の携帯電話出荷数量と中国の生産数量、国内出荷数量の推移 出典:Web 情報を基に作成本編
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0 5 10 15 20 25 2011 2012 2013 2014 2015 台 数 世界自動車生産台数 中国自動車生産台数 韓国自動車生産台数 台湾自動車生産台数 (百万台) (年) 95 90 85 80 75 2.自動車 自動車に使用されている車載用カメラモジュールは、カメラモジュール市場全体から 見ればごく一部にすぎないが、ドライブレコーダやバックモニタ(リアビューカメラ) としての用途を中心に、装着率が増加している。今後、欧米自動車市場においてバック モニタの装備が法律で義務付けられる可能性が高まっていることから、自動車市場はカ メラモジュールの有望な市場と見られる。 ドライブレコーダやバックモニタとしての既存用途以外に、現在、自動車業界では、 先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistant System)などの運転サポー ト機能や、完全自動運転、無人運転の研究開発が進んでいる。これらが実現する方向に 向かえば、運行中の自動車の周辺情報を収集する機器として、カメラモジュールの採用 が更に増加すると考えられる。 ここで、世界の自動車生産台数の推移を図 2-9 に示す。中国、韓国、台湾の自動車生 産台数の推移も併せて示す。ここ数年、世界の生産台数は徐々に増加しており、中国で の自動車生産台数も同様に増加しているが、韓国や台湾では、このような増加傾向は見 られず、国内市場が飽和しているものと思われる。我が国の自動車市場も若者の自動車 離れや、人口減少が始まったことから縮小傾向にあるが、海外市場をターゲットにした 現地生産が進んでいることから、国内自動車メーカーの活力は衰えていない。 図 2-9 世界の自動車生産台数の推移、及び中韓台の自動車生産台数の推移 出典:中国自動車工業協会 2016 年 6 月 1 日 車載用カメラについては、先進運転支援システムの発達とともに自動車に搭載される センシングカメラの数量は徐々に増加すると予想され、さらに、従来からあるビューイ ングの用途においても、車載用カメラの出荷数量は増大すると予測されている。ビュー イングの主な用途はバックモニタの後方安全確認であるが、サラウンドビューモニタで 駐車時や狭い道路でのすれ違い時の車両周辺の安全確認を行うという需要も増えている。 車載用カメラにおけるビューイング、センシング、及びビューイングとセンシングの兼 用タイプの出荷実績と今後の予測(数量ベース)を図 2-10 に示す。本編
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0 50 100 150 200 250 2011 2012 2013 2014 2015 出 荷 数 量 世界タブレットPC出荷数量 中国タブレットPC出荷数量 (百万台) (年) 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 2013 (実績) 2014 (実績) 2015 (実績) 2016 (見込み) 2017 (予測) 2018 (予測) 2019 (予測) 出 荷 数 量 (年) ビューイング センシング 兼用タイプ (千個) 図 2-10 車載用カメラの出荷実績と今後の予測(数量ベース) 出典:Automotive Camera 2017 テクノ・システム・リサーチ 3.タブレット PC ノートパソコンやデスクトップパソコンではモニター画面の上部中央に前面カメラを 装備することが一般的であるが、タブレット PC の場合には、スマートフォンと同様に、 前面カメラ(フロントカメラ)と背面カメラ(リアカメラ)が内蔵されている。図 2-11 に世界のタブレット PC の出荷数量の推移を示す。2015 年に大幅減少した原因について は、市場の飽和傾向やライフサイクルが長いことが考えられるほかに、代替商品が増え ていることも重要な原因と考えられる。2015 年には、取り外してタブレットになる着脱 式ノート PC や 5 インチ以上のスマートフォンが市場に大量に投入され、それらがタブレ ット PC の需要を奪ったと考えられる。 図 2-11 世界のタブレット PC 出荷数量の推移 出典:Web 情報を基に作成本編
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0 1 2 3 4 5 6 7 8 2013 (実績) 2014 (実績) 2015 (実績) 2016 (見込み) 2017 (予測) 2018 (予測) 2019 (予測) 台 数 (年) (百万台) 4.ウェアラブル機器 ウェアラブル機器は種類が多く、スマートウオッチのほかに、アクティビティートラ ッカー(活動量計)やアクションカメラ等がある。ウェアラブル機器の市場形態は、こ れまでの DVD プレーヤー、液晶テレビ、スマートフォン及びその他コンシューマデジタ ル製品に似ており、欧米市場で話題になった製品があると、サムスンや LG 等の大規模メ ーカーがコスト競争力による優位性により価格を低下させて一般消費者層への普及が始 まり、さらに中国の多数の製造業者が参入することで急速に市場が発展すると見込まれ る。現在のところ、ウェアラブル製品の市場拡大に寄与するようなヒット商品は登場し ていない。 5.ドローン ドローンは、これまで軍事関係の用語として使われていたが、最近では、マルチロー ターの小型無人ヘリコプターを指すことが一般的になっている。我が国では、首相官邸 へのドローン落下事件等、どちらかというと負の話題で取り上げられる機会が多いが、 移動体用カメラの応用という面では、有望な市場に成長する可能性を秘めている。図 2-12 にドローンの市場規模推移を示す。今後の市場は順調に拡大すると予測されている。 図 2-12 ドローンの市場規模推移 出典:2016 イメージング&センシング関連市場総調査 富士キメラ総研 第4節 移動体用カメラの部品市場動向 1.カメラ用レンズユニット カメラ用レンズユニットの用途は、現在、カメラモジュール市場の大部分を占める携 帯電話やスマートフォン、タブレット PC 等のモバイル機器のほかにも、デジタルカメラ や監視カメラ、そして今後市場が伸びると予想されている車載用カメラなど、多岐にわ たる。ここでは、カメラ用レンズユニットについて、用途別のシェアを図 2-13、図 2-14 に示す。シェア上位の中には日本企業が複数入っており、カメラ用レンズユニットの市 場において強い競争力を発揮している。本編
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A 25.0% B 6.7% C 6.1% D 6.1% E 5.6% F 4.2% G 0.8% H 0.2% I 0.1% J 45.3% 出荷数量(2015年) 3,601,500千個 K 20.0% L 12.9% M 8.6% N 5.4% O 4.6% P 2.9% Q 2.1% R 1.7% S 41.9% 出荷数量(2015年) 70,000千個 図 2-13 モバイル用レンズユニットの出荷数量ベースでの市場シェア(2015 年) 出典:2016 イメージング&センシング関連市場総調査 富士キメラ総研 図 2-14 車載用カメラ向けレンズユニットの出荷数量ベースでの市場シェア(2015 年) 出典:2016 イメージング&センシング関連市場総調査 富士キメラ総研 2.ボイスコイルモータ カメラモジュールにおいて撮影対象物に素早く焦点を合わせるためには、レンズユニ ットを焦点の位置に動かすための駆動機構が必要になる。携帯電話にカメラモジュール が搭載された当初はステッピングモータが多く使われていたが、正方形平面形状のもの が市場から求められたことから、ボイスコイルモータでレンズユニットを駆動する方法 が主流になった。なお、その他の駆動方法としては、ピエゾ素子を活用したピエゾモー タが存在する。図 2-15 に 2015 年のボイスコイルモータの生産数量ベースで見た各社の シェアを示す。シェア上位の中には日本企業が複数入っており、ボイスコイルモータの 市場において強い競争力を発揮している。本編
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アルプス電気 22.1% ミツミ電機 11.1% TDK 13.4% 磁化電子 6.8% サムスン電機 10.3% 新シコー科技 6.0% Billu 3.5% ハイソニック 5.3% LGイノテック 2.9% Guixin 3.2% Xinhongzhou 2.1% JCT 1.7% JSS 1.4% その他 10.2% 生産数量(2015年) 13.57億個 T 29.5% U 22.8% V 21.3% W 13.5% X 5.4% Y 5.1% Z 2.3% 出荷数量(2015年) 3,514,800千個 図 2-15 ボイスコイルモータの生産数量ベースでの市場シェア(2015 年) 出典:2016 年グローバルボイスコイルモータ産業 QYResearch 3.エリアイメージセンサ カメラとしての機能を実現するためには、画像情報を収集するデバイスであるエリア イメージセンサが必要である。イメージセンサは画素数や感度、画質等の要素が重要で あるが、その中でも主要な市場である携帯電話やスマートフォン、タブレット PC 等では 画素数を増やして高精細化する動きが活発である。また、最近では、単なる撮影向けの ビューイングから、画像データを用いて自動車の安全性を高めるためのセンシングへの 用途拡大が進み始めており、今後の市場拡大が予想される。用途別の出荷数量ベースで の各社の市場シェアを、図 2-16、図 2-17 に示す。シェア上位の中に日本企業が入ってお り、エリアイメージセンサの市場において強い競争力を発揮している。 図 2-16 モバイル用イメージセンサの出荷数量ベースでの市場シェア(2015 年) 出典:2016 イメージング&センシング関連市場総調査 富士キメラ総研本編
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AA 36.1% BB 17.3% CC 13.0% DD 5.8% EE 27.8% 出荷数量(2015年) 13,350千個 FF 11.9% GG 11.8% HH 9.1% II 8.9% JJ 5.1% KK 0.1% LL 53.1% 出荷数量(2015年) 3,725,600千個 図 2-17 車載用カメラ向けイメージセンサの出荷数量ベースでの市場シェア(2015 年) 出典:2016 イメージング&センシング関連市場総調査 富士キメラ総研 4.光学フィルター イメージセンサが感知する赤外光の一部をカットするための IR カットフィルターや、 実際には存在しない模様(モアレ)や色(偽色)をイメージセンサに到達する前にぼか すためのローパスフィルターの市場は、モバイル機器の市場拡大に合わせて成長してき たが、最近では、イメージセンサの画素数が増えたことにより、画質の低下を招くロー パスフィルターの方は搭載しない傾向にある。用途別に出荷数量ベースで見た各社のシ ェアを図 2-18 及び図 2-19 に示す。シェア上位の中には日本企業が複数入っており、光 学フィルターの市場において強い競争力を発揮している。 図 2-18 IR カットフィルターの出荷数量ベースでの市場シェア(2015 年) 出典:2016 イメージング&センシング関連市場総調査 富士キメラ総研本編
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MM 50.7% NN 13.4% OO 6.1% PP 4.1% QQ 2.0% RR 23.7% 出荷数量(2015年) 41,000千個 図 2-19 ローパスフィルターの出荷数量ベースでの市場シェア(2015 年) 出典:2016 イメージング&センシング関連市場総調査 富士キメラ総研本編
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第3章 政策動向調査 第1節 日米欧の科学技術政策、産業政策の動向 我が国では、2016 年 1 月に閣議決定された第 5 期科学技術基本計画(平成 28~平成 32 年度)を始めとして、科学技術イノベーション総合戦略 2016、最先端研究開発支援プロ グラム、革新的研究開発推進プログラム、戦略的イノベーション創造プログラム等の政 策が実施されている。 これら各取組の中で、最も移動体用カメラに関係が深いのはロボット技術、支援ロボ ットの研究開発や自動走行システムの開発であると考えられる。以下にロボット技術と 自動走行システム技術に関する日本における最近の諸政策について示す。 1.ロボット技術に関する政策 ロボット技術は多岐にわたるが、近年のロボット技術に関する政策としてはおおむね 以下にまとめられる。 (1)次世代ロボット中核技術開発(経済産業省) 必要だが未達なロボットの要素技術について、中核的な技術を開発する。また、リ スク・安全評価手法、セキュリティ技術など、各種の手法・技術等の共通基盤も研究開 発する。 (2)ロボット活用型市場化適用技術開発プロジェクト(経済産業省) ものづくり、サービス分野を対象に、ロボット活用に係るユーザーニーズ、市場化 出口を明確にした上で、特化すべき機能の選択と集中に向けた技術開発を実施。また、 現場ニーズに応じたロボットシステムを開発できる人材を育成する。 (3)ロボット導入実証事業(経済産業省) ものづくり、サービス分野等のロボット未活用分野における導入実証を実施し、生 産性向上を図る。同時にロボット導入に関する実現可能性調査(FS 調査)を実施し、 費用対効果を示すことでロボット導入を促進する。また、これら導入実証や実現可能 性調査においては、ロボット活用やシステム構築を支援できるサービス事業者(シス テムインテグレータ)を担い手として活用しその育成を図る。 (4)「ロボット革命イニシアティブ協議会」の設置 多様な分野のニーズに効率的に応えるロボットを創出できるようにするため、「ニー ズ・シーズ等のマッチングの推進、解決策の創出」等の機能を有する産官学から成る 場を 2015 年に設置した。 (5)80W 規制の見直し これまで、国際規格では認められていた人とロボット(定格出力 80W 超)の協調作 業について、2013 年 12 月に「産業用ロボットに係る労働安全衛生規則第 150 条の 4 の 施行通達の一部改正」が通知されたことにより、国内でもロボットとの協調作業が可本編
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能となる安全基準が明確になった。 これまでは、ロボットの周囲に柵又は囲いを設ける等の安全対策が必要であったが、 人とロボットが接触する危険性を回避する手段を講ずることにより、協調作業が可能 になった。この危険を回避する手段の一つとして、センシングカメラを用いて人を検 知する方法があり、カメラモジュールを組み込んだシステムの可能性が検討されてい る。 (6)ロボット革命実現会議 今後のロボット技術に関しては、「日本再興戦略」改訂 2014 で掲げられた「ロボッ トによる新たな産業革命」の実現に向けて、ロボット革命実現会議が開催された。2014 年 9 月から 6 回にわたり行われた会議での議論の結果、ロボット革命実現に向けた戦 略及び分野ごとのアクションプランが「ロボット新戦略」としてまとめられた(2015 年 1 月)。この「ロボット新戦略」では、今後ロボット革命を実現していくため、 ①日本を世界のロボットイノベーション拠点とする「ロボット創出力の抜本強化」、 ②世界一のロボット利活用社会を目指し、日本の津々浦々においてロボットがある 日常を実現する「ロボットの活用・普及(ロボットショーケース化)」、 ③ロボットが相互に接続しデータを自律的に蓄積・活用することを前提としたビジ ネスを推進するためのルールや国際標準の獲得等に加え、更に広範な分野への発 展を目指す「世界を見据えたロボット革命の展開・発展」、 以上の三つを柱として推進していくことが掲げられ、各分野でのロードマップも示さ れている。また、今後、経済産業省において、ロボット革命実現に向けた具体的施策の 検討を進めることとしている。 2.自動走行システム技術に関する政策 2016 年 5 月に閣議決定された科学技術イノベーション総合戦略 2016 では、従前から 行われている、自動走行システムの実現による高度道路交通システムの更なる発展、高 度化への取組に加え、自動で走行させるのみならず、スマート生産システムへ応用し発 展させるという新たな取組が加えられた。具体的には、衛星測位システムの位置情報等 を利用した農業機械の自動走行や高精度制御を用いた農作業の無人化並びに作物生育状 況、気象障害予測等のデータに基づく栽培管理を可能とする大規模生産システムの構築 を図る。 こうした、栽培・生産・経営支援システムの構築を図るため、大規模生産のための農業 機械の夜間走行、複数走行、自動走行などのための高精度 GNSS1による自動走行システム 等導入への取組が、内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省と横断的に行 われている。 また、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)では、「科学技術イノベーション創 造推進費に関する基本方針」(2014 年 5 月 23 日総合科学技術・イノベーション会議決定)本編
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に基づき、戦略的なプログラムを実施しており、2016 年 3 月に決定した最新の実施方針 においては、全 11 プログラムのうちの一つに「自動走行システム」が選ばれている。 図 3-1 に自動走行システムの実現期待時期を示す。この中で、自動走行システムはレ ベル 1 からレベル 4 までの 4 段階に分けられているが、これは米国の NHTSA1が 2013 年 5 月 30 日に発表した政策におけるレベル 0 からレベル 4 までの 5 段階の区分のうち、レベ ル 1 からレベル 4 に相当するものである。 図 3-1 自動走行システムの実現期待時期 出典:戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動走行システム研究開発計画(2016 年 10 月 20 日 内閣府)P4 現在、自動走行システムはレベル 2 の実現に向けて国内外で開発が進行中であるが、 障害物の検知等に用いられるセンシング技術には、複数のセンサの組合せが主流になっ ており、カメラモジュールをセンシング用カメラとして活用する研究開発が進められて いる。レベル 2 やレベル 3 の段階では、センシング用カメラとミリ波レーダーとを組み 合わせて搭載するシステムが主流になると考えられる。レベル 4 を目指した研究開発を 進める企業の中には、機能性の面からレーザースキャナを採用しているところもあるが、 搭載スペースやコスト面での課題を克服することが 2020 年以降での普及の鍵となって いる。 米国では、国家先進製造戦略計画、米国製造イノベーションネットワーク(NNMI)等の 政策が実施されているが、こちらも直接的に移動体用カメラの研究開発を促進するよう1 National Highway Traffic Safety Administration(国家道路交通安全局)の略称で、米国運輸省に属
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な研究開発プログラムはなく、日本と同様に、ロボット開発や自動運転に関係するプロ グラムでの応用が期待されるところである。欧州も日米と同様な傾向にあり、リスボン戦略(Lisbon Strategy)、欧州 2020(Europe 2020)、Horizon 2020 等に盛り込まれた科学技術政策の中では、移動体用カメラそのもの を研究対象とした開発プランは存在しない。ロボット、自動運転という先進諸国共通の テーマの中で、イノベーションを支える一つの要素としての移動体用カメラ関係の技術 開発が実施されていくものと考えられる。 第2節 中国、韓国、台湾における科学技術政策、産業政策等の動向 中国、韓国、台湾における科学技術政策、産業政策等の動向について述べる。各国の産 業政策において、ロボットや IoT などに関わる産業政策等が見られるが、移動体用カメ ラ、カメラモジュールに対する個別の政策までは見られなかった。 1.中国における科学技術政策、産業政策 中国では、現在は、2016 年から 2020 年までの第 13 次 5 か年計画が始まったところで ある。今世紀に入ってからの中国における科学技術政策、産業政策等の各種政策につい て、連続性、関連性を図 3-2 に示す。 図 3-2 中国における科学技術政策と産業政策 出典:http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kihon5/2kai/siryo2-4.pdf などを基に三菱化学テクノリサ ーチが作成 中国では、国務院が 2006 年に、科学技術・イノベーション政策の長期的な基本方針で ある「国家中長期科学技術発展規画綱要(2006~2020 年)」を発表している。「国家中長 期科学技術発展規画綱要(2006~2020 年)」では、2020 年までに中国を世界トップレベ ルの科学技術力を持つイノベーション国家へ転換することを国家目標に定め、研究開発 投資の拡充や重点分野の強化を通じて、目標の実現を目指している。 2.韓国における科学技術政策、産業政策 韓国における科学技術関連政策を図 3-3 に示す。現在は 2013 年に国家科学技術審議会 (NSTC)で承認された「第 3 次科学技術基本計画(2013~17)」を中心に科学技術政策が 進められている。韓国において移動体カメラ(カメラモジュール)と関連の深い産業政 策分野としては、サービスロボット技術が挙げられる。また、IT 融合新産業の創出分野 は IoT 関連技術であり、モノのセンシングに関わる移動体カメラが含まれているものと 見られる。 2005年 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 国家中長期科学技術発展規画綱要 第13次 中国製造2025 国家創新駆動発展戦略綱要 5か年計画 2050年 第11次 第12次 第10次
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図 3-3 韓国における科学技術政策と産業政策 出典:韓国政府関係機関のホームページを基に三菱化学テクノリサーチが作成 3.台湾における科学技術政策、産業政策 台湾の科学技術政策は、行政院の重大政策及び計画、行政院科技会報会議決議、科技 部の 4 年ごとに開催される「全国科学技術会議」及び各部の法律に基づいて行われる企 画等の 4 大機構によって定められる。台湾における科学技術政策を図 3-4 に示す。 図 3-4 台湾における科学技術政策 出典:台湾政府関係機関のホームページを基に三菱化学テクノリサーチが作成 2013 年から 2016 年までの国家科学技術発展計画では、経済的・社会的課題を解決し、 人々の幸福を高めることが重要問題とされ、①研究システムの強化、②知的財産保護の 強化、③持続可能な発展の促進、④産学連携の強化、⑤トップダウンプログラム実施体 制の強化、⑥科学技術産業イノベーションの強化、⑦台湾の人材危機の解決を推進する 方針が掲げられている。 2025年 2020年 2015年 無人移動体技術開発及び成長戦略 大韓民国中長期経済発展戦略 2030年 第3次科学技術基本計画(2013~17) 第1次政府R&D中長期投資戦略(2016~18) 未来成長動力総合実践計画 2020年 2015年 2010年 2025年 国家科学技術発展計画(2013~16) 科学技術白皮書(2015~18) 10次全国科技会議本編
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第4章 特許出願動向調査(検索による解析) 第1節 調査範囲と調査方法 1.調査対象とした出願先国(地域) 今回調査した特許の出願先国(地域)は、日本、米国、欧州、中国、韓国及び台湾(以 下、日米欧中韓台と略すことがある)である。欧州特許庁への出願に関し、欧州特許庁 への出願(EPC 出願)だけでなく、EPC 加盟国のうちで使用した特許検索データベースに 収録された出願先国1への出願も対象とした。 2.特許文献の検索方法日本特許文献及び外国特許文献について、データベースに Derwent World Patents Index(トムソン ロイター グローバル リゾーシズの登録商標、以下 DWPI とする。) 2を用いた検索により収集した。検索式は、所定の IPC(国際特許分類)及びキーワード により構成した。 3.調査対象期間 調査対象期間は、1998 年~2014 年(優先権主張年)に出願されたものとした。登録特 許についても同様に、出願年(優先権主張年)を基準に 1998 年~2014 年に出願されたも のを対象にした。 4.解析方法 日米欧中韓台への出願については、個々の特許公報を読んで解析するのではなく、検 索による解析に基づく調査を行った。すなわち、最初に IPC(国際特許分類)によってカ メラの光学関連技術で対象特許を絞り込んだ後に、優先権主張年、出願先国(地域)で 絞り込み、日米欧中韓台への出願の母集合とした。さらに、その母集合についてカメラ の種類・用途に合わせたキーワードを用いた検索によってカメラの種類・用途別の特許 を収集した小集合を作成し、それらの小集合を足し合わせてカメラモジュールに関連す る特許出願による母集合を形成した。これと、出願先国(地域)、出願人国籍(地域)(最 先の優先権主張国で代用)、出願年(最先の優先権主張年)、出願人名称などの条件との 積集合を作ることにより、それぞれの条件に該当する特許出願件数を調査した。しかし ながら、検索によって形成した母集団には、カメラモジュールに無関係の特許出願が含 まれている可能性があることから精緻な解析ができないことを留意する必要がある。 また、技術区分は、詳細解析で使用する技術区分の中から 19 項目を選択して解析を行 った。選択した項目は、カメラの種類・用途から[携帯用カメラ]、[車載用カメラ]、[飛 行体用カメラ]、[ウェアラブルカメラ]、目的・課題から[小型化]、[低コスト化]、課題 解決手段から、[赤外光]、[三次元撮影(立体撮影)]、[レンズユニット]、[IR カットフ 1 使用したデータベース(DWPI)に収録された EPC 加盟国は、オーストリア、ベルギー、スイス、チェ コ、ドイツ、デンマーク、スペイン、フィンランド、フランス、イギリス、ハンガリー、アイルラン ド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、スウェーデン、ス ロバキアの 20 か国である。
2 Clarivate Analytics(旧 Thomson Reuters IP&Science)社提供の世界 50 特許機関発行の特許出願を採