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障害者施設実習に対する不安 : 不安の因子構造および不安と経験との関係

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Academic year: 2021

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一 不安 の 因子構 造 お よび不 安 と経験 との 関係一

倉 本 義 則

(児童学科 准教授) 1  は じめ に   保 育 士 資格 の 取 得 に際 して は 保 育 実 習 が 義 務 づ け られ て お り,保 育 実 習 は 保 育 所 で の 実 習 (以 下,「 保 育 所 実 習 」 とい う。)と,保 育 所 以 外 の 児 童 福 祉 施 設 また は知 的 障 害 者 施 設 等 で の 実 習(以 下,「 施 設 実 習 」 と い う。)が 必 要 と さ れ て い る 。 一 方 で,資 格 取 得 を希 望 し,初 め て 実 習 を経 験 す る学 生 は,実 習 に対 して さ ま ざ ま な 不 安 や ス トレス を感 じて い る こ とが しば しば 指 摘 さ れ て お り,中 に は,精 神 的,身 体 的 不 調 に至 り,実 習 を 中 断 す る者 もい る とい う。 こ う した 現 状 を背 景 に,実 習 に対 す る不 安 につ い て 研 究 が 行 わ れ て きた 。 特 に,保 育 所 実 習 に対 す る学 生 の不 安 に つ い て は,因 子 分 析 に よ り,そ の構 造 を 分析 した研 究 が い くつ か み られ る 。 た と え ば,長 谷 部(2007)は 実 習 前 の不 安 感 に つ い て,指 導 案 の作 成,部 分 ・全 日実 習 の 計 画 ・ 遂 行 な ど に関 す る不 安 で あ る 「指 導 」 の 因子, 保 育 現 場 や 子 ど もの 発 達 ・基 本 的指 導 につ い て の 事 前 学 習 の 不 足 に 関 す る 不 安 で あ る 「事 前 理 解 」 の 因 子,子 ど もや 実 習 園 の 指 導 者 との 人 間 関 係 に 関 す る不 安 で あ る 「人 間 関係 」 の 因子, 保 育 技 術 を含 む 実 際 の 具 体 的 な実 習 活 動 に 関 す る不 安 で あ る 「活 動 内容 」 の4因 子 を指 摘 して い る 。 ま た,高 橋 ら(2007)は 「子 ど も との コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ンに 関 す る不 安 」,「保 育 士 と して の役 割 に 関 す る不 安 」,「実 習 環 境 や 内容 に 関 す る不 安 」 の3因 子 構 造 を なす と指 摘 した 。 さ らに,原(2006)は,子 ど も,親,実 習 園 の 保 育 士 との 関 わ り方,接 し方 に つ い て の不 安 で あ る 「対 人 関 係 」,部 分 実 習 や 責 任 実 習 を行 う こ とや そ の準 備 に 関 す る不 安 で あ る 「部 分 ・責 任 実 習 」,実 習 日誌 を書 く こ と,紙 芝 居,絵 本 の 読 み 聞 か せ な ど に 関 す る不 安 を含 む 「日誌 お よび 実 習 内容 」,ピ ア ノの演 奏 に 関す る不 安 で あ る 「ピ ア ノ」 の4因 子 構 造 を指 摘 して い る。 ま た,保 育,教 育,福 祉,看 護,医 療 に お け る さ ま ざ ま な実 習 に関 す る不 安 の 特 徴 を整 理 し,実 習 に 関す る不 安 は一 般 的 な意 味 で の不 安(つ ま り,漠 然 と して 対 象 の は っ き り しな い不 快 や 恐 れ の 感 情)と は異 な り,実 習 で 行 わ れ る内 容 に 限 定 され る 固 有 の 不 安 が含 まれ て い る こ とや, 実 習 で 関 わ る 人 た ち を め ぐ る対 人 関係 に関 す る 不 安 が,分 野 を問 わず 存 在 す る,と 指 摘 して い る 。   この よ うに,保 育 所 実 習 に対 す る不 安 は,対 象 と な る 児 童 あ る い は保 育 所 で働 く保 育 士 等 の 職 員 と の 人 間 関 係,実 習 生 に課 せ られ る役 割 や 持 つ べ き技 能(部 分 実 習 等 を任 せ られ る こ と, 日誌 を書 く こ と,紙 芝 居 な ど の実 習 活 動 そ の も の な ど),あ る い は そ の 準 備 や 知 識(子 ど も の 発 達 や 保 育 現 場 に 関す る理 解 ・知 識 な ど)に 関 す る不 安 が 中 心 で あ る と され て い る 。   ま た,教 育 実 習 の うち,幼 稚 園 で 行 わ れ る 実 習 に 関 して も,実 習 不 安 の構 造 の分 析 が 行 わ れ て い る。 た と え ば,杉 山(2002)は 実 習 記 録 簿 をつ け る こ とや 言 葉 遣 い,保 護 者 へ の 対 応 な ど の 「接 遇 ・マ ナ ー な ど の 社 会 的 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン に 関 す る 因 子 」,「対 園 児 コ ミュ ニ ケ ー シ ョン に関 す る不 安 」,「体 調 維 持 に 関す る不 安 」 の 因子 を 指 摘 して い る 。 ま た,碓 氷(2006)は 子 ど もの 状 況 に応 じた 保 育 を行 う な どの 「子 ど も た ちへ の 支 援 の仕 方 に関 す る不 安 」,「担 任 と の 関係 及 び 体 調 管 理 に 関 す る不 安 」,「記 録 を 書 一21一

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くこ と に 関 す る不 安 」,「準 備 の 内 容 に 関 す る不 安 」,「子 ど も た ち との 関 わ りに 関 す る 不 安 」 の 各 因 子 を 指 摘 して い る。 こ の よ う に,保 育 所 実 習 の 場 合 と類 似 した 不 安 が 指 摘 され て い る。   一 方,施 設 実 習 に つ い て は,田 中 ら(1994) に よ る保 育 所 以 外 の 児 童 福 祉 施 設 を 中 心 と した 施 設 実 習 に お け る 実 習 前 の不 安 につ い て の 研 究 が あ る 。 そ れ に よ る と,子 ど も と の 人 間 関係, 宿 泊 実 習 そ の ものへ の 不 安,施 設 を知 ら な い こ とか ら く る不 安 が 多 く,次 い で 施 設 児 へ の 嫌 悪 感 や 恐 怖 感,体 力 的 な不 安,保 育 士 業 務 へ の不 安,職 員 との 人 間 関 係 の 不 安 な ど を挙 げ る学 生 が 多 か っ た こ とが 報 告 さ れ て い る。 しか し,施 設 実 習 の 実 習 前 の不 安 に 関 す る研 究 は 乏 し く, 不 安 の構 造 に言 及 し た もの は み あ た ら な い。 さ ら に,施 設 実 習 先 の 一 つ に位 置 づ け られ て い る 障 害 者 施 設 で 実 習 を行 う場 合 の 不 安 につ い て は, 取 り上 げ られ る こ とが ほ とん ど ない 。 障 害 者 施 設 で の 施 設 実 習(以 下,「 障 害 者 施 設 実 習 」 と い う 。)は,実 習 に お い て 関 わ り を もつ 対 象 が 障 害 の あ る成 人 で あ る こ と,一 般 に,宿 泊 実 習 とい う形 態 を とる こ と な ど,保 育 所 実 習 と は異 な る面 が あ り,実 習 に対 す る 不 安 も違 っ た もの と な る可 能 性 が あ る 。   以 上 の こ と を 踏 ま え,本 研 究 で は 主 に次 の 点 を明 らか にす る こ と を 目的 と した 。 1.保 育 士 養 成 に係 る障 害 者 施 設 実 習 の 不 安 の   構 造 を 明 らか にす る こ と,お よ び保 育 所 実 習   に お け る不 安 の構 造 との異 同 を 明 らか にす る   こ と。 2.障 害 者 施 設 実 習 は障 害 者 施 設 に お い て 障 害   者 と関 わ る実 習 で あ る こ と を踏 ま え,障 害 者   と 関 わ っ た 過 去 の 経 験 等 と実 習 に お け る不 安   と の 関 係 を分 析 す る こ と。   な お,保 育 所 以外 の 児 童 福 祉 施 設 等 で 働 く保 育 士(「 施 設 保 育 士 」)へ の 関 心 の 強 さ と不 安 と の 関 連 に つ い て も,あ わせ て 検 討 を 行 う。 皿  方 法 1.調 査 対 象   保 育 士 資 格 取 得 を希 望 す る本 学 児 童 学 科 学 生 で,全 て 女 性 で あ る 。 調 査 年 度 及 び 学 年 は, 2006年 が2年 生91名,3年 生2名 の 計95名, 2007年 度 が2年 生92名,3年 生9名 の101名 で あ り,計196名 を 対 象 と した 。 な お,両 年 度 と も調 査 同 年8∼9月 に,学 生 と っ て は 初 め て の 実 習 で あ る保 育 所 実 習 を体 験 して い る 。 2.調 査 時 期   2006年11月,2007年10月 。施 設 実 習 の2∼3ヶ 月 前 の 時 期 で あ る 。 施 設 実 習 オ リエ ンテ ー シ ョ ン の時 間 に,施 設 実 習 の 概 要 を説 明 した 上 で 実 施 した 。 なお,調 査 時 点 で は 学 生 に 実 習 先 の 施 設 は通 知 さ れ て お らず,知 的 障 害 者 施 設 等 で 実 習 を受 け る こ とを前 提 と して 回 答 を 求 め た 。 3.調 査 項 目 (1)「障 害 者 施 設 実 習 に対 す る不 安 」 に 関 す る質   問項 目   調 査 年 次 以 前 に行 わ れ た 障 害 者 施 設 実 習 の 事 前 事 後 指 導 に お い て 学 生 か らあ げ られ た 不 安 を 参 考 に,23項 目を 設 定 した 。 回 答 は7件 法 で 求 め,回 答 結 果 は 「1.全 く心 配 は な い」 ∼ 「7. 非 常 に心 配 で あ る」 に1∼7点 を配 点 し,分 析 に用 い る。   ま た,23項 目以 外 で 不 安 に 思 う こ とに つ い て は,自 由 記 述 欄 に 記 述 す る よ う求 め た 。 (2)「障 害 児 ・者 との 関 わ り等 の 経 験 」 に関 す る   質 問 項 目   障 害 者 観3?,4}に関す る研 究 を参 考 に,日 常 生 活 の 場 面 で の 経 験,学 校 生 活 な どで の 交 流 の 経 験, ボ ラ ンテ ィ ア の 経 験,TV等 の 視 聴 に よる 間接 的 な 関 わ りの経 験 の ほか,ネ ガ テ ィ ブ 場 面 の 体 験,ポ ジ テ ィ ブ な 場 面 の体 験 の 有 無 や 程 度 を 問 う8項 目 を設 定 した 。 回答 は5件 法 で 求 め,回 答 結 果 は 「1.全 く な い 」∼ 「7.よ くあ る」 を1∼5点 に得 点 化 し,分 析 に用 い る 。 (3)「施 設 保 育 士 の 希 望 」 に 関 す る質 問 項 目   障 害 児 施 設 等 で働 く 「施 設 保 育 士 」 を どの 程 度 希 望 す る か に つ い て 尋 ね る項 目で あ る。 回答 は5件 法 で求 め,回 答 結 果 は 「1.全 く関心 が な い」 ∼ 「5.関 心 が あ る 」 を1∼5点 に得 点 化 し,分 析 に用 い る。 一22一

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Table 1「 施 設 実 習 に対 す る不 安 」 の 質 問 項 目の 平 均 と標 準 偏 差 (N=172) 質  問 項   目 M.S.D Ql_1 Q1_2 Q1_3 A Q1_5 A  ・ Q1_7 A  ・ A  ・ Q1_10 Q1_11 Q1_12 Q1_13 Q1_14 Q1_15 Q1_16 Q1_17 A Q1_19 Q1_20 Q1_21 Q1_22 Q1_23 利 用 者 の や りた い こ と,や りた くな い こ と な どの 意 思 を把 握 す る こ と 利 用 者 に対 す る 食 事 や 更 衣 な どの生 活 上 の世 話 をす る こ と 利 用 者 と一 緒 に 余 暇 時 間 を過 ごす こ と 利 用 者 に対 して,し て ほ しい こ と を指 示 す る こ と 利 用 者 に対 して,し て は い け な い こ と を注 意 す る こ と 利 用 者 と仲 良 く な る こ と 施 設 で 宿 泊 す る こ と 大 人 で あ る利 用 者 に対 して 支 援 す る こ と 実 習 中,自 分 の 体 調 を 管 理 す る こ と 実 習 中,早 出 遅 番 等 の ス ケ ジ ュ ー ル に 自分 の 生 活 の リズ ム を あ わ せ る こ と 実 習 中,施 設 の 食 事 を摂 る こ と 実 習 日誌 を書 く こ と 実 習 中,1人 に な る時 間 ・空 間 が な い こ と 「障 害 の 原 因 や 症 状 」 に 関 す る 自分 の 知 識 の 程 度 「施 設 」 に 関 す る 自分 の 知 識 の程 度 「施 設 で 働 く福 祉 専 門 職 」 に 関 す る 自分 の 知 識 の 程 度 実 習 の 出 来 に つ い て施 設 側 に 評価 を受 け る こ と 施 設 の 職 員 と会 話 を した り,休 憩 時 間 を 一 緒 に過 ごす こ と 10日 間 連 続 して 実 習 に 取 り組 む こ と 指 導 員 の考 え が 納 得 で き な い と き に,自 分 の 思 っ て い る こ と を伝 え る こ と 重 複 障 害 の な い 知 的 障 害 児 ・者 に対 応 す る こ と 自閉 症 を伴 う知 的 障 害 者 児 ・者 に対 応 す る こ と 男 性 の 障 害 者 に支 援 を 行 う こ と 5.512 5.628 4.558 5.250 5.564 4.552 4.651 5.599 4.314 4.291 3.308 5.105 4.343 5.907 5.919 5.977 5.337 4.279 4.779 4.919 5.203 5.314 5.314 1:・: 0.974 1.191   ×11 1.027 1.181 1.469 0.941 1.309 1.409 1.464 1.233 1.403 0.832 0.783 0.772 1.061 1.281 1.288 1.100 1.020 1.006 1.152 Table 2「 経 験 」 の 質 問 項 目 の 平 均 と標 準 偏 差 (N=172) 質 問 項   目 M   S.D Q3_1 Q3_2 Q3_3 A Q3_5 A    ・ Q3_7 A 学 校 や 日常 場 面 で 障 害 児 ・者 に手 助 け等 を した こ とが あ る 今 まで,障 害 児 ・者 と交 流 した こ とが あ る 他 者 が 障 害 児 ・者 を か らか っ た り,い じめ て い る場 面 をみ た こ とが あ る ボ ラ ンテ ィア と して 障 害 児 ・者 に継 続 して 支 援 を行 った こ とが あ る 障 害 児 ・者 の 行 動 等 に 接 して,感 動 した こ とが あ る 障 害 児 者 をテ ー マ と した 本,テ レ ビ番 組 映 画 等 を読 ん だ りみ た こ とが あ る 他 者 の 障 害 児 ・者 へ の 対 応 を見 て,感 動 し た こ とが あ る 今 まで,障 害 児 ・者 施 設 を 訪 問 した こ とが あ る 3.227 3.866 2.785 1.913 3.192 4.163 3.512 2.326 1.135 0.764 1.212 1.213 1.151 0.673 1.034 1.434 皿  結 果   回 収 率 は96.9%で,分 析 は,回 答 に 不 備 の あ っ た もの を 除 く172名 を対 象 と した 。 1.「 障 害 者 施 設 実 習 に対 す る 不 安 」 に 関 す る  質 問 の 結 果(Table  1)   全 項 目 の平 均 点 は5.027で あ り,今 回取 り上 げ た 質 問 項 目に 関 し て は全 般 的 に不 安 を感 じ る 傾 向 に あ る。 各 質 問 項 目を み る と,よ り不 安 が 強 い 項 目 は 「Q1_16.『 施 設 で 働 く福 祉 専 門職 』 に 関 す る 自分 の 知 識 の程 度 」(5.977),「QLI5.

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『施 設 』 に 関 す る 自 分 の 知 識 の 程 度 」(5.919), 「Q1_14.『 障 害 の 原 因 や 症 状 』 に 関 す る 自 分 の 知 識 の 程 度 」(5.907)な ど,障 害 や 施 設 な ど の 「知 識 」 に 関 す る も の で あ る 。 一 方,も っ と も 不 安 が 弱 い 項 目 は 「Q1_11.実 習 中,施 設 の 食 事 を 摂 る こ と」(3。308)で あ り,「Q1_18. 施 設 の 職 員 と会 話 を し た り,休 憩 時 間 を 一 緒 に 過 ご す こ と 」(4.279),「Ql_10.実 習 中,早 出 遅 番 等 の ス ケ ジ ュ ー ル に 自 分 の 生 活 の リ ズ ム を あ わ せ る こ と」(4.291),「Q1_9.実 習 中,自 分 の 体 調 を 管 理 す る こ と」(4.314),「Ql_13. 実 習 中,1人 に な る 時 間 ・空 間 が な い こ と 」 (4.343)な ど,実 習 中 の 生 活 面 に 関 係 す る 項 目, 体 調 管 理 に 関 す る も の が 続 く。 ま た,標 準 偏 差 が 大 き い も の は 「Q1 _7.施 設 で 宿 泊 す る こ と」 (1.496)や 「Q1_11.実 習 中,施 設 の 食 事 を 摂 る こ と 」(1.464)な ど で あ り,他 の 項 目 に 比 べ こ れ ら は 不 安 の 程 度 が ば ら つ き や す い こ と が わ か る 。 逆 に,標 準 偏 差 が 小 さ い も の は 「Q1_16. 『施 設 で 働 く福 祉 専 門 職 』 に 関 す る 自分 の 知 識 の 程 度 」(0.772),「Ql」5.『 施 設 』 に 関 す る 自 分 の 知 識 の 程 度 」(0.783)な ど 「施 設 」 に 関 連 す る 項 目 で あ る 。 知 識 に 関 し て は,得 点 お よ び 標 準 偏 差 か ら,学 生 全 般 が 不 安 に 感 じ て い る 項 目 で あ る こ と が わ か る 。   な お,自 由 記 述 欄 に は2名 が 記 入 し た が,内 容 は 設 定 し た 項 目 と 重 複 す る も の で あ っ た 。 2.「 障 害 児 ・者 と の 関 わ り 等 の 経 験 」 に 関 す   る 質 問 の 結 果(Table  1,2)   全 項 目 の 平 均 点 は3.123で あ り得 点 中 央 値 に 近 い 結 果 と な っ た 。 し か し,各 質 問 項 目 を み る と 得 点 に偏 り の あ る 項 目が 多 い こ と が わ か る 。 経 験 頻 度 が も っ と も 高 い 項 目 は 「Q3_6.障 害 児 ・者 を テ ー マ と し た 本,テ レ ビ 番 組,映 画 等 を 読 ん だ り,み た こ とが あ る 」(4.163)で あ り,次 い で 「Q3_2.今 ま でJ障 害 児 ・者 と 交 流 し た こ と が あ る 」(3.866)と な る 。 こ の2 項 目 に つ い て は,経 験 が 「全 く な い 」,「 あ ま り な い 」 と 回 答 し た 者 は そ れ ぞ れ1割 程 度 で あ り, ほ と ん ど の 学 生 は 何 ら か の 経 験 が あ る と い え る 。 逆 に,も っ と も 得 点 が 低 い も の は 「Q3_4.ボ ラ ン テ ィ ア と し て 障 害 児 ・者 に 継 続 し て 支 援 を 行 っ た こ とが あ る」(1.963),「A    .今 まで, 障 害 児 ・者 施 設 を訪 問 した こ とが あ る」(2.326) で あ る。 こ の2項 目で は,経 験 が 「全 くない 」 学 生 が そ れ ぞ れ 約 半 数 を 占め て い る 。 3.「 施 設 保 育 士 の希 望 」 に関 す る質 問 の結 果   施 設 保 育 士 に 強 い 関心 を示 す 学 生 は 少 ない も の の,関 心 を持 って い る 学 生(「 関 心 が あ る」, 「少 し 関 心 が あ る 」 と 回 答 し た 者,そ れ ぞ れ N=13,Nニ52)と 関 心 が な い 学 生(「 あ ま り関 心 が な い」,「全 く関心 が な い」 と回 答 した 者, そ れ ぞ れN=50,Nニ22)の 割 合 は,ほ ぼ 同程 度 で あ っ た。 4.「 障 害 者 施 設 実 習 に対 す る 不 安 」 の 因 子 分   析(Table  3)   「障 害 者 施 設 実 習 に対 す る不 安 」 に関 す る質 問 項 目の得 点 を用 い て,主 因子 法,プ ロマ ック ス 回転 に よる 因 子 分 析 を行 っ た 。 固 有 値1以 上 を基 準 と して 因 子 数 を決 定 し,5因 子 を抽 出 し た 。 抽 出 し た 因 子 に つ い て,因 子 負 荷 量0.400 以 上 の 項 目 に よ り解 釈 を行 っ た 。 第1因 子 は 「Q1_22.自 閉 症 を 伴 う知 的 障 害 者 児 ・者 に 対 応 す る こ と」,「Q1 _23.男 性 の 障 害 者 に支 援 を 行 う こ と」,「Q1_21.重 複 障 害 の な い 知 的 障 害 児 ・者 に対 応 す る こ と」 な ど5項 目が 所 属 し て い る 。 内 容 を み る と,実 習 に お い て対 応 ・支 援 す る対 象 で あ る利 用 者 の属 性(自 閉症,知 的 障 害,男 性,大 人)に つ い て の 不 安 で あ る と考 え られ た 。 した が って,第1因 子 を 「対 象 者 に 関す る 不 安 」 と した 。 こ の 第1因 子 の寄 与 率 は 32%を 越 え て い る 。 第2因 子 は 「Q1_15.『 施 設 』 に 関 す る 自 分 の 知 識 の 程 度 」,「Ql_16. 『施 設 で 働 く福 祉 専 門 職 』 に 関 す る 自分 の知 識 の 程 度J,「Q1_14.『 障 害 の原 因 や 症 状 』 に関 す る 自分 の知 識 の 程 度 」 の3項 目で構 成 され て い る 。 い ず れ も障 害 や 施 設 に 関連 す る 知 識 につ い て の 不 安 で あ る こ とか ら,第2因 子 を障 害 等 の 「知 識 に 関 す る不 安 」 と命 名 した 。 第3因 子 は 「Q1_12.実 習 日誌 を書 く こ と」,「Q1_17. 実 習 の 出 来 に つ い て 施 設 側 に評 価 を 受 け る こ と」,「Q1 _18.施 設 の 職 員 と会 話 を した り, 休 憩 時 間 を一 緒 に過 ごす こ と」,「Ql_19.10日 間 連 続 し て 実 習 に 取 り組 む こ と」,「Q1_20. 一24一

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Table 3「 施 設 実 習 に対 す る 不 安 」 の 因 子 分 析 因 子 質 問 項 目 1 2 3 4 5 共通性 Q1_22 Q1_23 Q1_21 Q1_6 A 自閉 症 を 伴 う知 的 障害 者 児 ・者 に対 応す る こ と 男 性 の 障 害者 に支 援 を行 う こ と 重 複 障 害 の な い知 的 障害 児 ・者 に 対 応す る こ と 利 用 者 と仲 良 くなる こと 大 人 で あ る 利 用者 に対 して支 援 す る こと 0.93 0.72 0.70 0.45 0.43 Q1_15 Q1_16 Q1_14 「施 設 」 に 関す る 自分 の知 識 の程 度 「施 設 で働 く福祉 専 門 職」 に関 す る 自分 の 知識 の 程 度 「障 害 の 原 因 や症 状 」 に 関す る 自分 の知 識 の 程 度 0.03 0.02 0.03   11・ -0 .04 0.13 -0 .15 0.15 一 〇 .11 0.02 0.00 0.11 0.08 一 〇 .04 0.05 11. 0.17 0.19 一 〇 .06 -0 .09   11. 0.16 -0 .07 0.70 0.513 0.600 0.484 0.441 0.96 0.90 !.・ Q1_12 Q1_17 Q1_18 Ql_19 Q1_20 Q1_13 実 習 日誌 を書 くこ と 実 習 の出 来 に つ いて 施 設側 に評 価 を受 け る こ と 施設 の職員 と会話 を した り、休憩 時 間を一緒 に過 ごす こと 10日 間連 続 して実 習 に取 り組 む こ と 指導員の考えが納得できないときに、自分の思っていることを伝えること 実 習 中、1人 に な る時 間 ・空 間が ない こ と 一 〇 .23   11.   0.25   0.10 -0 .04   0.07   11・ o.lo -0 .10 0.03 -0 .05 0.04 o.ol O.01 0.01 一 〇 .05 -0 .02   0.06 0.04 0.07 -0 .05 1・ 0.847 0.790 Q1_5 A Q1_1 利 用 者 に 対 し て 、 し て は い け な い こ と を 注 意 す る こ と 利 用 者 に 対 し て 、 して ほ し い こ と を 指 示 す る こ と 利用者のや りたい こと、や りた くない ことなどの意思 を把握す ること o.02 0.13 11' 一 〇 .03 -0 .04   0.15 0.82 0.73 0.63 0.63 0.49 0.41 o.00 0.02 -0 .05   0.16   0.06 -0 .19 -0 .14   0.12 -0 .14 0.80 0.75 0.48 一 〇 .09 -0 .12   11・ 0.13 0.02 0.31 一 〇.03   11・ o.ii 0.569 0.475 0.437 0.531 0.279 0.421 Q1_9 Q1_10 Q1_7 実 習 中 、 自 分 の 体 調 を 管 理 す る こ と 実習中、早出遅番等のスケジュールに自分の生活のリズムをあわせること 施 設 で 宿 泊 す る こ と 一 〇 .03 -0 .20   0.02 一 〇 .02   0.14 ‐o .lo 一 〇.11   111   0.36 一 〇 .06 0.13 0.07 0.624 0.669 0.408 0.91 0.75 0.42 0.668 0.560 0.535 Q1_2 Q1_3 Q1_ll 利用者 に対す る食事 や更衣 などの生活上 の世話 をす るこ と 利 用 者 と一 緒 に余暇 時 間 を過 ごす こ と 実 習 中 、施 設 の 食事 を摂 る こ と 0.26 0.36 0.31 ‐o .ol   11・   0.03 一 〇 .03   0.07   0.07   0.29   0.26 -0 .11 0.03 0.21 0.35 0.236 0.486 0.321 寄 与 率(%) α係 数 32.235   0.83 9.409 0.94 6.877 0.so 3.031 0.77 2.879 0.76 54.432 (累 積) 指 導 員 の 考 え が 納 得 で き な い と き に,自 分 の 思 っ て い る こ と を 伝 え る こ と 」,「Ql _ユ3.実 習 中,1人 に な る 時 間 ・空 間 が な い こ と 」 な ど6 項 目 で 構 成 さ れ て い る 。 内 容 を み る と,実 習 日 誌 作 成 や 評 価 を 受 け る こ と な ど の 実 習 生 で あ る こ と か ら 生 じ る 義 務,実 習 生 活 に 関 す る こ と, 職 員 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン な ど,い く つ か の 領 域 の 不 安 が 複 合 し て 構 成 さ れ て い る よ う に 思 わ れ る 。 こ こ で は,因 子 負 荷 量 が 高 い 項 目 (Qユ_12,Q1_17)か ら,「 実 習 生 と し て の 義 務 に 関 す る 不 安 」 と した 。 第4因 子 は,「Q1_5. 利 用 者 に 対 し て,し て は い け な い こ と を 注 意 す る こ と 」,「Ql _4.利 用 者 に 対 し て,し て ほ し い こ と を 指 示 す る こ と」,「QLl.利 用 者 の や り た い こ と,や り た く な い こ と な ど の 意 思 を 把 握 す る こ と」 の3項 目 が 所 属 し て い る 。 い ず れ も 利 用 者 へ 働 き か け る こ と に つ い て の 不 安 に 関 連 し て い る と 判 断 し,第4因 子 を 「働 き か け に 関 す る 不 安 」 と し た 。 第5因 子 は 「Ql_9. 実 習 中,自 分 の 体 調 を 管 理 す る こ と 」 な ど3項 目 で 構 成 さ れ て お り,「 体 調 管 理 に 関 す る 不 安 」 と し た 。 な お,Q1 _2,3,  llに つ い て は い ず れ の 因 子 に 対 し て も 負 荷 量 は 低 い 。5因 子 そ れ ぞ れ の α係 数 は0.94(第2因 子)∼0.76(第5 因 子)を 示 し て お り,い ず れ も 内 的 整 合 性 は 保 た れ て い る と 考 え ら れ た 。 一25一

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Table  4  経 験 間 の 相 関 Q3_1   Q3_2   Q3_3   Q3_4   Q3_5   Q3_6   Q3_7   Q3 _8 Q3_1 Q3_2 Q3_3 A Q3_5 A  ・ Q3_7 0.514*** 0.342*** 0.247聯   o.los   O.095 -0 .041 0.307***    0.166*     0.229** 0.189*     0.304***    0.124 0.135      0.079      0.149 0.351***    0.103      0.264***       0.201**     0.369***       0.392*** 0.102 0.173* 0.027 0.258** 0.050 0.108 0.041 *P<0.05   **P<0.01  ***P<0 。001 Table 5  経 験 ・施 設 保 育 士 へ の関 心 の 程 度 と不 安 との 相 関 不安 因子 経験 の質問項 目 Q3_1  Q3_2  Q3_3  Q3_4  Q3_5  Q3_6  Q3_7  Q3_8 第1因 子 一 〇.280***-0.224**-0.190* 第2因 子 一 〇.125  -0.050  -0.182* 第3因 子 一 〇.175*-0.214**-0.058 第4因 子 一 〇.251**-0.227**-0.156* 第5因 子 一 〇.041  -0.118  0.022 一 〇 .262**  -0.295***-0.174* -0 .095    -0.131    -0.042 -0 .031    -0.185*  -0.194* -0 .216**  -0.193*  -0.114 -0 .035    -0.036   -0.184' 一 〇 .248ホ ホ ー0.059 -0 .138    -0.088 -0 .214**  -0.001 -0 .251**  -0.076 -0 .186`    0.011 施設保育士 への関心 Q4 一 〇 .049   0.013 ‐o .077 -0 .020 -0 .101 *P<0.05   **P<o.of  ***P〈0.001 5.「 障 害 者 施 設 実 習 に 対 す る不 安 」 と 経 験 等   と の 関 係 の分 析 (1)経 験 間 の 相 関(Table  4)   経 験 に 関す る8項 目間 の 相 関 関係(Table  4) を み る と多 くの 項 目間 に有 意 な相 関 が 認 め られ る。 障 害 者 と関 わ る機 会 につ い て 注 目す る と, 「Q3_1.日 常 場 面 等 で の 手 助 け 等 の 経 馬剣, 「Q3_2.障 害 児 ・者 との 交流 経験 」 と 「Q3_6. TV等 の 視 聴 経 験 」 に は,そ れ ぞ れ 有 意 な正 の 相 関 が あ る。 し たが っ て,障 害 の あ る人 と関 わ る機 会 の 多 い 人 は,直 接 的 ・間接 的 か を 関 わ ら ず,さ ま ざ ま な形 で 障 害 者 との接 触 機 会 を もつ 傾 向 が あ り,逆 に,関 わ る経 験 が 少 ない 人 は そ れ とは 反 対 の 傾 向 を示 す と い え る 。 ま た,そ う した 機 会 と障 害 者 の 行 動 や 障 害 者 に 対 す る他 者 の 行 動 に感 動 す る よ う な体 験(Q3 _5,7), "か らか い"な どの 目撃 経 験(Q3 _3)に も有 意 な 正 の 相 関 が 認 め られ る。 一 方,ボ ラ ンテ ィ ア経 験(A    )は,障 害 者 と関 わ る機 会 に 関 係 す るQ3_1,2,6と の 関係 や,"か らか い" な ど の 目撃 経 験(Q3_3)と の 関 係 は 認 め ら れ な い 。 し た が っ て,ボ ラ ン テ ィ ア 経 験 は,Q3_1, 2,6な ど と は や や 異 な っ た も の で あ る と と ら え ら れ る 。 ま た,施 設 を 訪 問 し た 経 験(Q3 _8) は 他 の 項 目 と の 関 連 は 弱 く,ボ ラ ン テ ィ ア 経 験 (Q3_4)と 交 流 経 験(Q  3_2)の2つ に 関 し て の み 有 意 な 正 の 相 関 関 係 が 認 め ら れ た 。 (2)不 安 と 経 験 の 相 関(Table  5)   経 験 の 頻 度 と 不 安 の 強 さ は 全 般 に 負 の 相 関 を 示 し て お り,経 験 が 多 い 場 合 に は 不 安 が 低 減 す る 傾 向 が あ る 。 不 安 因 子 別 に 経 験 と の 関 係 を み る と,第1因 子(対 象 者 に 関 す る 不 安),第4 因 子(働 き か け に 関 す る 不 安)は,い ず れ も経 験 の 多 く の 項 目 と負 の 相 関 関 係 が あ る が,そ の う ち6項 目(Q3 _1,Q3_2,  Q3_3,  Q3_4, Q3_5,  Q 3_7)は 両 群 に 共 通 し て お り,類 似 し た 傾 向 を 示 し て い る 。 第3因 子(実 習 生 と し て の 義 務 に 関 す る 不 安)も 経 験 の5項 目 と負 の 相 関 関 係 が 認 め ら れ,第1,4因 子 に 類 似 し た 傾 向 が 示 さ れ て い る 。 第3因 子 で は,特 に,   26

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Table 6  不 安 を 従 属 変 数 とす る重 回 帰 分 析(Stepwise法) Fl  対 象 者F2  知 識   F3:義 務F4:働 きか けF5:体 調管 理 Q3_1 Q3_2 Q3_3 A Q3_5 A Q3_7 A 日常 場 面 で の 手 助 け 交 流 "か らか い"目 撃 ボ ラ ンテ ィ ア 障 害 者 感 動 TV等 視 聴 他 者 感 動 施 設 訪 問 0.209** 0.181* 0.167* 0.182** 0.191* 0.190* 0.197** 0.151* 0.166* 0.186*          R2 自 由 度 調 整 済 みR2 0.155*** 0.140 0.033* 11 0.081** o.070 0.124*** 0.108 0.035' 0.029 *P<0.05   **P<0.01  ***P<0 .001 交 流 の 経 験(Q3_2),他 者 の 障 害 者 に対 す る 行 動 に対 して 感 動 した経 験(Q3_7)と の 関係 が 強 い 。 一 方,第2因 子(知 識 に 関 す る 不 安), 第5因 子(体 調 管 理 に 関 す る不 安)に つ い て は, 経 験 との 関係 は,他 の 因 子 に比 べ 弱 い傾 向 に あ る 。 経 験 の項 目別 に み る と,"か ら か い"目 撃 経 験(Q3_3),  TVの 視 聴 等 に よ る 間 接 的 な 関 わ りの 経 験(A  ・)は 他 の項 目 に比 べ 不 安 との 関係 は弱 く,ま た,施 設 訪 問経 験(Q3 _8) は,不 安 の どの 因 子 と も関 係 が 認 め られ な か っ た 。 (3)経 験 が 不 安 に及 ぼ す 影 響(重 回帰 分 析)   障 害 の あ る 人 と関 わ っ た経 験 の うち,ど の よ うな 経 験 が 実 習 不 安 に どの 程 度 の 影 響 を及 ぼ し て い る の か を分 析 す るた め,不 安 の各 因 子 を従 属 変 数,Q3_1∼A    の 経 験 を 独 立 変 数 と す る重 回帰 分 析(ス テ ッ プ ワ イ ズ 法)を 行 っ た 。 不 安 は因 子 得 点 を,経 験 は項 目得 点 を分 析 に用 い たが,経 験 に 関 して は,結 果 の 解 釈 に混 乱 が 生 じ な い よ う項 目得 点 を逆 転(5点=1点 ∼1点= 5点)し た 上 で利 用 した 。分 析 の 結 果(Table  6), 第1因 子(対 象 者 に 関 す る不 安)に 関 し て は, 有 意 な標 準 偏 回帰 係 数 を示 す も の は 「Q3_1. 日常 場 面 等 で の 手 助 け等 の 経 験 」,「A    .ボ ラ ン テ ィア 経 験 」 で あ り,障 害 者 に 支 援 を 行 っ た 経 験 が この 不 安 と 関係 す る と推 測 され る 。 ま た,障 害 者 自 身 の 行 動 に 対 し て 感 動 し た 経 験 (Q3_5)と の 関 連 も示 さ れ て い る。 第4因 子 (働 きか け に 関す る 不 安)も 同様 に,Q3_1, Q3_4の 障 害 者 に支 援 を行 っ た経 験 が 不 安 の 増 減 に 関係 す る と考 え られ る が,第1因 子 の 不 安 と異 な り,「Q3 _7.他 者 の 障 害 者 の 行 動 に 感 動 した経 験 」 との 関 係 が 強 い こ とが わ か る 。 第 3因 子(実 習 生 と して の義 務 に 関 す る不 安)で は,「Q3_2.交 流 の 経 験 」,「Q 3_7.他 者 の 障 害 者 の 行 動 に感 動 し た経 験 」 と有 意 な 関係 が 認 め られ,実 際 に 支 援 を行 っ た 経 験 よ り交 流 や 他 者 の行 動 に 関す る こ とが 影 響 を与 え る と考 え ら れ る 。 なお,第2因 子(知 識 に 関す る不 安), 第5因 子(体 調 管 理 に 関す る 不 安)に つ い て は, 第2因 子 が 「Q3_3."か らか い"目 撃 経 験 」, 第5因 子 が 「Q3 _7.他 者 の 障 害 者 の 行 動 に 感 動 した 経 験 」 と,有 意 な 関 係 が 認 め られ た の は そ れ ぞ れ1項 目の み で あ っ た 。 項 目別 にみ る と,「Q3 _7.他 者 の 障 害 者 の 行 動 に感 動 した 経 験 」 が も っ と も多 くの 因 子 と 関係 して お り, 次 にQ3 _1,  A    の 障 害 者 に 支 援 を 行 っ た 経 験 が 続 く。 逆 に,「Q3_6.  TV等 の視 聴 経 験 」, 「Q3_8.施 設 訪 問 の 経 験 」 は 因 子 と有 意 な 関 係 は 認 め られ な か っ た。 (4)「障 害 者 施 設 実 習 に対 す る不 安 」 と施 設 保 育   士 に 対 す る 関 心 の 程 度 との 関 係   施 設 保 育 士 に 対 す る 関 心 の 程 度 を 問 う設 問 (Q3_8)の 得 点 と不 安 因 子 の 因 子 得 点 との 相 関 を み た が,有 意 な 相 関 は 認 め られ な か っ た (Table 5)。 ま た,施 設 保 育 士 の 関 心 につ い て,

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「1.全 く関心 が な い」,「2.あ ま り関心 が な い」 と答 え た 者 を低 関心 群(N=72),「4.少 し関 心 が あ る」,「5.関 心 が あ る」 と し た者 を高 関 心 群(N=65)と し,2群 問 で の不 安 因 子1∼5 の 因子 得 点 の 差 に つ い て,分 散 分 析 に よ り検 討 した 。 この 結 果,い ず れ の 因 子 に 関 して も両 群 問 の有 意 な差 は 認 め られ なか っ た 。 N  考 察 1.「 障 害 者 施 設 実 習 に対 す る不 安 」 の 構 造 と   保 育 所 実 習 に お け る不 安 との 異 同 に つ い て   保 育 士 資 格 の 取 得 を希 望 す る学 生 の 障 害 者 施 設 実 習 に対 す る不 安 は5因 子 構 造 で あ っ た 。 因 子 は,実 習 に お い て支 援 の 対 象 と な る者 の 属 性 (障 害,成 人,男 性 な ど)に 関 して 持 つ 不 安, つ ま り,「 対 象 者 に 関 す る不 安 」(第1因 子), 障 害 や 施 設 に つ い て の 「知 識 に 関 す る不 安 」 (第2因 子),実 習 生 と して 施 設 で 生 活 し,日 誌 を書 く,評 価 を受 け る と い っ た 「実 習 生 の 義 務 に 関 す る不 安 」(第3因 子),対 象 者(障 害 者) の 意 思 を把 握 し,支 援 を行 う とい っ た 「働 き か け に 関 す る不 安 」(第4因 子),宿 泊 実 習 を継 続 し,早 出 ・遅 出 な どに 対 応 して い く上 で の 「体 調 管 理 に 関 す る不 安 」(第5因 子)で あ っ た。 保 育 所 実 習 に 伴 っ て 生 じる不 安 と比 較 す る と, もっ と も特 徴 的 な相 違 は,支 援 対 象 者 に 関 して の不 安(第1因 子),障 害 に 関す る知 識 に つ い て の不 安(第2因 子)が 存 在 す る と い う点 で あ る 。 保 育 所 実 習 の 不 安 に 関 す る先 行 研 究 で は,実 習 生 が 支 援 対 象 者(こ の 場 合 は 「子 ど も」)に 関 して 持 つ 不 安 は,子 ど も との コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンや 子 ど もへ の働 きか けが 適 切 に で き る か とい う もの が 中 心 で あ り,知 識 に 関 係 す る不 安 も, 保 育 技 能 や 部 分 ・全 日実 習 の 遂 行 の た め の準 備, 子 ど もの発 達 過 程 に 関 す る 知 識 な ど につ い て の 不 安 で あ る 。 障 害 者 施 設 実 習 に み られ る 第1, 2因 子 の不 安 は,支 援 対 象 者 の 属 性 に 関係 す る 不 安 で あ り,保 育 所 実 習 の場 合 とは 明 らか に性 質 が 異 な る。 した が っ て,こ れ らは,保 育 士 養 成 を 目的 と し た 障 害 者 施 設 で の 実 習 に際 して 生 じ る特 有 の 不 安 で あ る と指 摘 で きる 。 こ う した 因 子 が 抽 出 さ れ る の は,障 害 者 施 設 実 習 は 保 育 士 が 一.に 対 象 とす る 児 童 とは 異 な る属 性 を持 つ 人 た ち と関 わ る実 習 で あ る こ と に起 因す る と い え よ う。 な お,児 童 養 護 施 設 等 の児 童 福 祉 施 設 で 行 わ れ る 施 設 実 習 につ い て の 先 行 研 究7)で は,不 安 の 因 子 構 造 に つ い て の検 討 は行 わ れ て い な い もの の,対 象 児 や 施 設 に関 係 した不 安 が 生 じる こ とが 指 摘 さ れ て い る 。 詳 細 な分 析 は 今 後 の 課 題 とな るが,学 生 が 児 童 養 護 施 設 等 で 関 わ る児 童 を保 育 所 の 児 童 とは 異 な る属 性 を もつ 児 で あ る と認 識 す る 場 合 に は,障 害 者 施 設 実 習 で み られ た 「対 象 者 の 属 性 」 に関 す る不 安 や, 対 象 に係 る 「知 識 」 に つ い て の 不 安 な どが存 在 す る とい った,類 似 し た 因子 構 造 とな る 可 能 性 が あ る と思 わ れ る 。   そ の ほ か の 第3,第4,第5因 子 は,保 育所 実 習 に対 す る不 安 の 先 行 研 究 にお い て も同 様 の 因 子 が 認 め ら れ る 。 し たが っ て,第1,2因 子 以 外 の不 安 は,実 習 先 の 種 類 ・性 格 に 関 わ らず 保 育 士 養 成 を 目的 と した実 習 にお い て 共 通 に生 じる不 安 で あ る と と ら え る こ とが で きる 。 なお, 先 行 研 究7)で 指 摘 さ れ た宿 泊 を伴 う実 習 で あ る こ とに つ い て の不 安 は,体 調 管 理 や 生 活 リズ ム の不 安 と類 似 した不 安 と して 第5因 子 に 所 属 し て い る 。 ま た,項 目得 点 平 均 と標 準 偏 差 か らみ て不 安 と して は 強 い と は い えず,個 人 差 が 生 じ や す い もの で あ る と思 わ れ る。 2.「 障 害 者 施 設 実 習 に対 す る 不 安 」 と経 験 と   の 関係 につ い て   経 験 と不 安 の 相 関 関係 全 体 の傾 向 と して,経 験 が 多 い ほ ど不 安 が 少 な い と い う負 の 相 関 が 認 め られ,い くつ か の 経 験 が不 安 の増 減 に有 意 に 寄 与 して い る こ とが わ か った 。   不 安 の 内容 と経 験 との 関 係 に注 目す る と,第 1因 子 と第4因 子 は経 験 との 相 関 の 様 相 が 類 似 す る 傾 向 に あ る 。 つ ま り,対 象 者 に関 して(第 1因 子),働 きか け る(第4因 子)と い う そ れ ぞ れ の 不 安 は,類 似 した 経 験 の 影 響 に よ っ て増 減 す る と考 え られ る。 重 回 帰 分 析 の 結 果,共 通 して 影 響 を与 え る経 験 は,実 際 に 障 害 の あ る人 に 支 援 した体 験(Q3 _1,  A    )で あ った 。 この 結 果 自体 は き わ め て 自然 な こ とで あ る と考 え られ るが,Q3_1と 相 関が 認 め られ る交 流 の 一28一

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経 験 やTVの 視 聴 等 に よ っ て 間接 的 に 障 害 者 と 関 わ っ た経 験 は,不 安 に は有 意 な影 響 を 与 え て い な い。 障 害 者 施 設 実 習 の事 前 指 導 な どで も, これ らの経 験 が で き る よ うな 機 会 を設 け る こ と が あ る と思 わ れ る。 しか し,今 回 の結 果 は,そ う した交 流 等 の 経 験 は,第1,4因 子 の 不 安 の 軽 減 に は 直 接 寄 与 す る もの で は な い こ と を示 し て い る。 次 に,第1因 子 と第4因 子 の相 違 は, 第1因 子 が 障 害 者 自 身 に 対 し て 感 動 した 経 験 (Q3_5)と の 関連 が 認 め られ るの に対 し て, 第4因 子 は 「Q3_7.他 者 の 障 害 者 に対 す る行 動 に感 動 した 経 験 」 と有 意 な 関 係 が あ る と い う 点 で あ っ た 。 障 害 者 の 行 動 に 感 動 し た 経 験 に よ っ て 障 害 者 に対 す る肯 定 的 な意 識 や 態 度 が 形 成 さ れ る で あ ろ う し,他 者 の 障 害 者 に 対 す る行 動 に感 動 した経 験 に よ っ て 障 害 者 に働 きか け る 方 法 を 理 解 し,働 き か け よ う とす る 意 欲 が 向上 す る と考 え る こ とが で きる 。 そ の た め,こ れ ら の経 験 が 多 い こ とが 不 安 の 低 減 に 関 係 す る とい え る 。 そ う した と ら え 方 か らみ れ ば,こ の結 果 も ご く当 然 の こ とで あ る と思 わ れ る 。 た だ,他 者 の 障 害 者 に対 す る行 動 に感 動 した 経 験 に つ い て は,単 に適 切 な働 きか け の 方 法 を 観 察 し,学 ぶ と い う経 験 で は な く,「感 動 」 した 体 験 で あ る。 こ の こ と を考 え る と,障 害 者 の行 動 に感 動 した 経 験 と同 様 に,障 害 者 に 対 す る 意 識 や 態 度 そ の もの に 肯 定 的 な 変 化 が 生 じて い る 可 能 性 もあ る。 そ の 意 識 ・態 度 の 肯 定 的 な 変 化 が 障 害 者 に働 き か け る こ とに つ い て の 不 安 を低 減 させ る とい う 推 測 で あ る 。 感 動 した 経 験 と は,障 害 者 と関 わ っ た 経 験 に つ い て,そ の 経 験 の 「質 」 を表 現 した もの と と ら え る こ とが で き よ う。 障 害 者 観 に 関 す る研 究 で は,こ う し た 「体 験 の 質 」 は, 障害 者 に対 す る意 識 ・態 度 の形 成 に意 味 を持 つ こ と,ま た,よ い 「体 験 の質 」 は障 害 者 観 を肯 定 的 に 変 え る こ とが 示 唆 さ れ て い る3)・4)。今 回 の 分 析 で は,他 者 の 障 害 者 に対 す る行 動 に 感 動 し た 経 験 は5因 子 中3因 子 の不 安 の 低 減 に 寄 与 し て い る。 この こ とは,そ う した 経 験 は働 きか け 方 の 習 得 を した とい う経 験 以 上 の 体 験 で あ っ た こ と を示 唆 して い る 。 さ らに,障 害 者 や 他 者 の 行 動 に感 動 し た体 験 を得 られ る よ うな機 会 を 意 図的 に設 け る こ とに よ って,第1,4因 子 の不 安 を軽減 す る可能 性 も窺 え る。 た とえ ば,「Q3_5. 障 害 者 自身 に対 して感 動 した 経験 」 は 「Q3_2. 交 流 の 経 験 」 と,「Q3 _7.他 者 の 障 害 者 の行 動 に 感 動 した 経 験 」 は 「Q3_6.  TV等 の 視 聴 経 験 」 や 「A   .施 設 訪 問 」 と,そ れ ぞ れ 有 意 な 相 関 が あ る 。 つ ま り,そ れ らの経 験 に伴 っ て 感 動 を体 験 して い る と考 え られ る 。 し た が っ て,事 前 指 導 な どでTV等 の視 聴 や 施 設 訪 問 の 機 会 を設 け る 際 に,感 動 す る体 験 が 得 ら れ る よ うな 工 夫 が で きれ ば,不 安 の 低 減 に つ なが る 可 能 性 が あ る 。 交 流 の 経 験 やTV等 の 視 聴 経 験, 施 設 訪 問 な ど は,そ の経 験 自体 は 第1,4因 子 の 不 安 軽 減 に 寄 与 す る もの で は な い が,そ の 経 験 の 質 を 高 め る こ と に よっ て 不 安 軽 減 の 効 果 を 期 待 で きる と思 わ れ る 。   第3因 子 で は,「Q3_2.交 流 の 経 験 」, 「Q$_7.他 者 の 障 害 者 の 行 動 に 感 動 した 経験 」 と有 意 な 関係 が 認 め られ た 。 第3因 子 は,施 設 で の 実 習 生 活 や 実 習 中 に 日誌 を書 くこ と,実 習 生 と して 評価 を受 け る こ と な どの不 安 を表 して お り,第1,第4因 子 の よ うな 障 害 者 と関 わ る こ と に つ い て の 不 安 とは 異 な る もの で あ る 。 こ の た め,実 際 に支 援 を 行 っ た経 験 と の 関係 は 弱 い と考 え られ る。 した が っ て,Q3 _2,  Q3_7 と い っ た 経 験 が この 不 安 の程 度 に影 響 を 及 ぼす 理 由 は 明確 で は な い 。 第3因 子 は,6項 目が 所 属 して お り,い くつ か の 不 安 の 要 素 が 複 合 した 因 子 で あ る と と らえ られ るが,そ れ が 影 響 因 と の 関係 を解 釈 しに く く して い る と も考 え られ る。 寄 与 が 認 め られ る経 験 の 一 つ に他 者 の 障 害 者 の 行 動 に 感 動 した経 験 が あ る こ とか ら,第4因 子 の 場 合 と 同様 に 障 害 者 に対 す る 意 識 ・態 度 の 肯 定 的変 容 が み られ,そ の こ とが不 安 の低 減 に 関 係 して い る とい う可 能 性 は あ ろ う。 た と え ば, 施 設 や 施 設 で過 ごす こ とに対 す る不 安 が低 減 さ れ る とい う こ とで あ る。 第5因 子(体 調 管 理 の 不 安)も 他 者 の 障 害 者 の行 動 に感 動 した 経 験 が 寄 与 し て い る が,こ の 場 合 も同 様 に,施 設 や 施 設 で 過 ごす こ とに 対 す る不 安 の 低 減 が あ り,そ れ が体 調 管 理 の不 安 の 軽 減 に 関 係 して い るか も しれ な い。 しか し なが ら,第3因 子 を は じめ,

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第2因 子(知 識),第5因 子 と 経 験 と の 関 係 は, さ らに検 証 して い く必 要 が あ る。 特 に,第2, 5因 子 に関 して は,重 回帰 分 析 の 決 定 係 数 が き わ め て小 さ い こ とか ら,経 験 の 項 目の 精 査 ・再 構 成 が 必 要 と な ろ う。   な お,障 害 に 関係 す る知 識 につ い て は,先 行 研 究 で は 障 害 者 に対 す る意 識 ・態 度 の 重 要 な形 成 要 因 と と らえ られ て い る。 た と え ば,知 識 の 獲 得 は態 度 の 変 化 に 関 与 す る こ と,さ ら に知 識 は 経 験 と結 合 す る こ と に よ っ て 態 度 変 容 に大 き な 影 響 を与 え る こ と3)が指 摘 され て い る 。 今 回, 調 査 対 象 と な っ た 学 生 は,項 目得 点 を み る と Q3_1,Q3_2,  Q3_6な ど の 経 験 は多 く 持 っ て い る。 しか し,同 時 に知 識 に 関 す る不 安 が 強 い。 この よ うな場 合 に は,知 識 を投 与 す る こ と に よっ て 障 害 者 に 対 す る 意 識 ・態 度 が さ ら に 肯 定 的 に 変 容 す る 可 能 性 が 窺 わ れ る 。 さ らに そ の 結 果 と し て,実 習 に対 す る不 安 の軽 減 が 期 待 で きる と思 わ れ る。 謝   辞   調 査 に協 力 し て頂 い た 学 生 の皆 さ ん に 記 して 感 謝 致 し ます 。 文   献   1)原 信 夫(2006)「 保 育 実 習 の 不 安 に つ い て 」     清 和 大 学 短 期 大 学 部 紀 要{35),79-89   2)長 谷 部 比 呂 美(2007)「 保 育 実 習 に 関 す る学     生 の 意 識 に つ い て一 実 習 不 安 を 中 心 と し て一 」     淑 徳 短 期 大 学 研 究 紀 要 第46号,81-96   3)川 間 健 之 介(1996)「 障 害 を持 つ 人 に 対 す る     態 度 一 研 究 の 現 状 と課 題 一 」 特 殊 教 育 学 研 究,     34(2),59-68.   4)倉 本 義 則(2007)「 統 合 保 育 に 対 す る 意 識 ・     態 度 の 類 似 度 に よ る 分 類 と影 響 因 の 検 討 ∼ 保     育 系 女 子 大 生 を 対 象 に ∼ 」 京 都 女 子 大 学 発 達     教 育 学 研 究,第3号,11-21   5)杉 山 喜 美 恵(2002)「 教 育 実 習 事 前 指 導 の あ       り方 に つ い て2.教 育 実 習 に 対 す る 学 生 の 不     安 要 因」 東 海 女 子 短 期 大 学 紀 要28,167-177   6)高 橋 秀 典 ・島崎 保 ・井 上 光 一 ・森 脇 裕 美 子 ・     中 磯 子,田 中 麻 貴(2007)「 保 育 実 習 前 の 実     習 生 の 不 安 要 因 」 日本 教 育 心 理 学 会 第49回 総     会 発 表 論 文 集,183   7)田 中 チ カ子 ・菅 田 栄 子(1994)「 施 設 実 習 に     対 す る 学 生 の 意 識(第3報)一 事 前 の 不 安 へ     の 対 策 一 」 松 山 東 雲 短 期 大 学 紀 要,vol.25,     113-125   8)碓 氷 ゆ か り(2006)「 幼 稚 園 教 育 実 習 に お け     る 学 生 の 不 安 に 関 す る研 究(1)幼稚 園 教 育 実 習     不 安 尺 度 作 成 の 試 み 」 聖 和 大 学 論 集,A・B,     教 育 学 系 ・人 文 学 系,No.34,15-23 一30一

Table  4  経 験 間 の 相 関 Q3̲1   Q3̲2   Q3̲3   Q3̲4   Q3̲5   Q3̲6   Q3̲7   Q3 ̲8 Q3̲1 Q3̲2 Q3̲3 A Q3̲5 A  ・ Q3̲7 0.514*** 0.342***0.247聯   o.los  O.095‑0 .041 0.307***    0.166*     0.229**0.189*    0.304***   0.1240.135     0.079     0.1490.351***   0.103    
Table 6  不 安 を 従 属 変 数 とす る重 回 帰 分 析(Stepwise法) Fl  対 象 者F2  知 識   F3:義 務F4:働 きか けF5:体 調管 理 Q3̲1 Q3̲2 Q3̲3 A Q3̲5 A Q3̲7 A 日常 場 面 で の 手 助 け交 流&#34;か らか い&#34;目 撃ボ ラ ンテ ィ ア障 害 者 感 動TV等 視 聴他 者 感 動 施 設 訪 問 0.209**0.181*0.167* 0.182** 0.191*0.190* 0.197**0.151

参照

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