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DSpace at My University: 英語教育リレー随想 103号(2018.10) グループ学習と協同学習は同じではない

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大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター http://www.wilmina.ac.jp/ojc/edu/ttc/ 〈英語教育リレー随想〉第 101 号 1 教育をファッションと同じに論じるとお叱りを受けるかもしれないが、教育方法にも時代 ごとに流行がある。ここ数年のキーワードはアクティブラーニングという考え方である。 アクティブラーニングとは簡単に言えば、学習者が主体となって能動的に学習活動を行う 学習方法であるが、これはもともと1980年代から1990年代にアメリカの高等教育 改革の中で普及していった教育法の総称であり、その目的は「学習者の主体的な学びの姿 勢を引き出す」こととされる。この「学習者の主体的な学び」を促す具体的な教育方法と して、グループでのディスカッションやプレゼンテーションなどの協同学習が行われてい る。ここで注意しなければならないことは、グループで活動が行われているから協同学習 ではないということである。例えば、生徒または学生に「平和について話しなさい」と漠 然と指示してもうまくいかない場合が多いのではないだろうか。またはグループで作業し ていても中には全て、一人がやってしまい、他の学生は積極的に参加しない場合もあるだ ろう。それでは学習者一人一人の「主体的な学びの姿勢」が引き出されているとは言えな いのではないだろうか。 では、グループ学習と協同学習はどのように違うのだろうか。協同学習の世界的権威で あるジョンソン兄弟は協同学習の基本要素として1)肯定的相互依存、2)促進的相互交 流、3)個人の2つの責任の明確さ、4)社会的スキルや小グループ運営スキル、5)集 団の改善手続きの5つの項目を挙げているが、ここでは、グループ活動を最初に計画する 上で重要な最初の3つについて簡潔に紹介する。1つ目の肯定的相互依存とは互いに自律 した仲間同士が、グループの学習目的を達成するためにそれぞれが持つ力を出し合って、 協力することを意味する。肯定的な相互依存関係がある時には個人の成功がグループの成 功となり、グループの成功が個人の成功となる、所謂 win-win の関係が成り立つ。2つ目 の促進的相互交流とは 1)の関係の具現化であると言える。つまり、メンバー同士が積極的 に交流し、学び合い、教え合う活動のことを表す。3つ目の個人の2つの責任とは①自分 の学びに対する責任と②グループメンバー一人一人の学びに対する責任である。①は当然 であろうが、協同学習の場合はグループの他のメンバーの学びやグループ全体の学びにも 責任があると考える。この2つの責任にはメンバー全員が自律した学習者として成長する ために互いに学び合い、教え合い、高め合うという目的がある。 グループ活動を協同学習とするためには最低限上記の3つの要素が存在するように教師 大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター

〈英語教育リレー随想〉

2018 年 10 月

グループ学習と協同学習は同じではない

松尾 徹 第 103 号

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大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター http://www.wilmina.ac.jp/ojc/edu/ttc/ 〈英語教育リレー随想〉第 101 号 2 が様々なしかけ(協力しないと達成できない目標設定、グループ目標の達成に必要な役割 分担、教材・教具や学習情報の共有など)を計画し、実行して行くと同時に協同で学ぶ際 の価値、意義、ルールを普段の授業の中で学習者に絶えず伝えていく必要がある。ペアー 活動、グループ活動が今一つうまくいかないと感じる場合、協同学習の要素から点検して みるのも一つの方法かもしれない。 (松尾徹 専任講師/教員養成センター)

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