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綾川下流流域における浅層地下水(2)-香川大学学術情報リポジトリ

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香川大学農学部学術報告 綾川下流流域における浅層地下水 (2)

越 智

正,福 田

清,青 木 利 夫

42 Ⅰ 緒 口 長期間にわたる水資源の有効な利用をはかるにほノ,現在の水質そのものを知るとともに近い将来における水質をも 予想することが要求される..そのために基礎的資料として,先ずその水系または水域における平均水質を把握しなけ れほならない. 降雨,その他の自然現象および潅漑などの農業用水の使用は,一年を周期として繰り返され,特に綾川下流流域に おける践層地下水は後者の影響を受けることがかなり大であると考えられる.従って綾川下流流域における地下水の 性格をつかむにほ少くとも一年間を通じた測定が必要となる1 河川水の季節変化,経年変化に関する研究は従来かなり行われているが,一・方地下水に関してほ,特定時期のみで 継続的紅研究を行っている例ほあまり見られない、 筆者等は香川県坂出市の綾川下流流域の浅層地下水の特性,季節変化に関する研究を行ない,これまでに二三の知 見を得たので,その概略を報望する、. Ⅱ 調査地域および綾川水系の概要 調査地域は香川県坂出市に含まれる綾川下流の沖積平野(第四系)で姪漑面積約7、.4Km2の水田地帯である. 綾川ほ源を香川県綾歌郡綾上町の山岳地帯(標高400∼800叫)に発し,綾南町をへて.,坂出市において瀬戸内海龍 注ぐ延長55…5Ⅸm,流域面積170Ⅰ(m9を有する河川である‖綾川橋附近での平水盈は0.9∼1り4m8/SeCで,比較的少いが 河水の滴渇(渇水巌0..09∼0.50皿8/SeC)ははとんどない(1)′′ また綾川河口より約9Km上流の坂出市府中町に府中ダ ム(有効貯水監800万トン,目盛10万トン給水)の建設が予定され,19朗年11月よりエ事が開始されている. 綾川の水源地帯の地質は,おもに黒雲母花崗岩、花樹閃緑岩よりなり,下流の沖積平野を阻む山々(150∼450m) ほ花崗岩丘陵の上に讃岐岩層安山岩,讃岐岩などの各種熔岩が重なったものである〃綾川沿岸の地質医王を第て図(2)に 示す. Ⅱ 調査方法および水質分析法 浅層地下水の調査には民家の浅井戸を利用し,観測井戸41点を設置した($)。地域の上流部紅ある綾川橋と河口近く の川尻橋の間紅,ほゞ等間隔に綾川を横断する占測線を設けた.すなわち上流からA,B,C,D,EおよびF測線と し,瀬戸内海匿向って右岸をR,左岸をLとし,なお綾川に近い測点より1,2,5…と番号を附した‖ これら の浅井戸ほいずれも第一濁水層に位置するものと思われるり 今回の調査は19占4年8月12日∼15日,同年11月2占日∼50日,19占5年2月11日∼て5日の5回にわたり行なった.なお 綾川表流水についても19占4年11月および19る5年2月の2回に同様な調査を行った.. 試水ほ原則として水面下0い5mの水を採取し,外観,水注,pIi,RpH,および電気伝導度ほ現地において採水直後 の水について測定した..他の成分,すなわち全未発残留物,ナートリクムイオン,カリウムイカ■ン,カルシウムイオ ン,マグネシウムイオン,塩素イカーン,硫酸イオン,Mトアルカリ皮(pH4、.8)および金鉄は実験室に.持帰り分析した・ 水質分析は主として「工業用水試験方法」(4)「水質網査法」(5)に.よったが,硫酸イオンについては「塩試験方法」 (6)を参考にした.

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45 第17巻第1号(19る5) 控野蛮母片岩,縞状片麻岩

酎閃緑岩類

皿砂,礫および粘土 [=コ軌礫および粘土 [=コ軌礫および粘土 ∈∃黒雲母花崗岩お1び花尚閃緑岩 団讃岐岩質安山岩 ⅢⅢⅢ雫警豊霊宝詣窒讐鵠謂警警護雪畠誓その凝灰角齢 匿至ヨ讃岐岩 巨≡ヨ 含角閃石斜方輝石安山岩および南郷石安山岩 第1図 綾 川 沿 岸 の 地 質 図 第1表 水 質 分 析 値 Ⅳ 分析結果および考察 浅層地下水の分析平均値と綾川大橋上流100 mの地点の衷流水の分析値を寛1表に示す‖綾 川表流水の分析値と地下水分析平均値とを比較 すると成分により異るが,綾川表流水に含まれ る溶存成分は地下水の25∼う4%程度である. 以下地下水の主要成分について二述べる. 全蒸発残留物 水の性質の概略を知る上で測 定した結果,綾川右沿岸100∼500m以内におい てほ100∼500mg/1と比較的小さい値を得たい綾 川と山すそ・の中間の平野部では250−700mg/1と 多くなり,さらに標高10m附近の台地になれ ば,そ・の鼠は少くなる.第2表紅−・例としてC 測線(CR−1∼CR−5および,Cレ1∼CL−4) の測定値を示すい 左岸側ほ500∼800mg/1で−・般に高い値を示 し,右岸側にみられるような傾向はない.. 季節による変化は8月の確漑期には少く,11 月,2月の非瘡慨期になると多くなる傾向にあ 地下水分析健一莱!綾川分析値 分 析 項 目 19占4可19占4り11l悔5・・2い9る4い11い9る5・2 水 温 T−Re** Na+ K+ Ca王!+ Mg2+ Cl ̄ C

Og′

m m m m m m m m 皿 m m m m

+ β271557β08湖92﹂54描ぷ”ぷ朝75一 42 m2m .4

lO19〇

一 1 8 5 7 2 J0 4 2 4 Jb’〇 7 8 8 ZJ7 ‖ ZJ 1 5 い 0 ⋮nU 小 5 ‖ 5 ‖ 4 78 ・2 い nU り 4 ・nU .nU = 2 1 nU nU 2 1 nU 2 nU 2 nU l 5 9 7 nU 9 0 7つ 7 5 5 ワ〇 4 7つ 7 5′0 ぅ ′b lh 1 1 042 1051 51 1 ︰弘∵ 7 9 2 ZJ 7つ 4 2・1 9 4 1 nU 1 2 ∩︶5 ⋮8 4 8 12 = 4 = 1 = 7 り 5 99 l∩7 =8 り ZrJ =0 い 5 = ・1 5 ZJ 1 nU 4 2 1 1 ′0 1 7 1 5 8 4 nU ZJ nU 1 8 8 2 9 7 nU l 1 51 ⋮7 4 7 2 い 2 ‖ nU ‖ ′〇 2 5nU 1 7つ 19 ‖ 5 =ZJ ・′∧︶ い 2 ⋮ ・2 1 nU 4 2 1 1 5 1 5 1 4 O 2 ̄ S M−AIKme/1 ***mg/1 * 41測点の平均借を示す。 ** 全蒸発残留物 虫* *mg/1as CaCo8

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香川大学農学部学術報告 る.第2区粧その模様を示す.なお最 小値は89皿g/l(FR−1,11月),最高 値ほ805mg/1(Eレ4,11月)を記録 した アルカリ金属 Na十は最小15mg/1 (DR−2,8月)および最大110mg/1 44

欝2表 C測線の全蒸発残留物

(FR−5,8月)の値を得,臨海地域 で海水の混入のある測点において55∼110mg/lを 示した,. X十は地域による溶存魔の差異が大きく1・・8mg/1 (CR−5,8月)∼55mg/1(ER−・2,8月)にお よんでいるu AR測線(観測井戸4点),CR測線(観測井戸 5点)およびER測線(観測井戸4点)について 8月,11月,2月のNa十およびⅩ+の分析平均値 を求めると第5表のとおりである.本表より明ら かなようにNa+の変化に比し,R+の変化が非備 に大きく,かつ下流に向って順次増加の傾向が著 しい.上流地域にK+の少ない理由としてほ,綾 川の比較的溶存成分の少い水が確漑用水および幹 線用水路より地下水を滴養している事による影響 が大と考えられる。.また岩石の風化の際に溶出し たK+は再び安定な二次鉱物を形成する(7)(8)事も 考慮しなければならない一方下流地域にK十が 多いのは背この地域が海であったことの名残りと 考察されるり ・アルカリ土類 硬度成分は比較的多く平的5い58 me/1(169mg/1asCaCO8)である“その内訳は Ca2+2い52me/1(46.5mg/1as Ca),Mg2+1..Od me/l(12.9mg/1asMg)でCa+紅対するMg2+ の当鼠百分率は45小7%となる1 今仮りに本地域の土壌が讃岐岩質安山岩および 讃岐岩の風化生成物であると考えるとい これらの 岩石のMg/Caほ前者は45い5%,後者ほ占2.5%と なる..地下水組成ほ讃岐岩質安山岩と同程度で潜 一 H G rr E D C B A H G F E D C B A H G F E D C B A * EL−4を除く 第2図 全未発残留物の頻度分布 岐岩よりMgが少いことになる.しかし普通地表におい てはMgOほCaOに比較して安定であるから,岩石が風 化し溶出してくるものゝMg/Caほ岩石のそれよりも小 さくなる‖従ってこの地域の造岩・鉱物の組成がある程度 水の溶存成分に反映しているものと考えられるが,人為 的汚染も考慮しなければならないので結論に達しない‖ またMg′′Caは上流より下流へ,健漑期より非漕漑に 向ってわずかではあるがその値が大きくなる傾向にあ 第5表 Na+およぴK+含鼠の地域差

\、、、「\\」Na+mg/1

Ⅹ+mg/1jK+/Na+×100 nU 5 ′0 2 5 5 ′0 2 2 1 4 0 9 2 AR測線 BR 測線 ER測線

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欝17巻第1号(19占5) る.その理由ほ土壌膠質粒子からの置換浸出力がCaかに比しMg+9の方が大きいためではないかと考えられる 45 塩素イオンおよび硫酸イオン Cl■−は元来海洋性のもので岩石の風化に.よって供給される塵が極めて少い..従って 海水の混入および人為的汚染に大きく左右されるものと考えられる叫 そのためか最小19..5mg/1(BR−占,11月),臨海 部で海水の混入の認められる測点(FR−5,11月)で最高151皿g/1を示している..平均値は約59mg/lで季節的な変動 ほJ持に認められなかったり なお本地域の臨海部には塩田があり風送塩による影響をかなり受けるものと思われるが,その点はまだ確認してい ないL. SO㌔ ̄もCl ̄と同様に場所によりかなり傾が異る.臨海部で海水の混入の考えられる測点において128mg/1(Eレ4, 11月)を示した好もか」わらず,測点DR・−5において:8月,11月,2月にそれぞれ155mg/l,155mg/1,117mg/1を示 した..その原因として造岩鉱物によるもの,施肥のごとき人為的汚染等が考えられるが,8月から11月,2月と順次 溶存鼠が少くなって−いることから人為的汚染の影響が大きいと考えられるい M−アルカリ度(p鋸.8)測定平均値は8月は1.,95皿e/1(9占l5mg/1asCaCO8)を示したが,11月,2月は約2倍に増 加し,それぞれ5巾90皿e/1,4い55me/1を示した..なお地域的な差異が比較的明らかに認められた即綾川右沿岸1∞∼500 皿以内およびER測線より下流において小さい値を示したい 左沿岸では.・500∼500m以内で比較的大きい値を示した 地下水中のM−アルカリ度の起源ほ・一部雨水中に溶けているCO2であるが,大部分は土壌中での生物の呼吸作用お よび腐植質の分解作用により発生するCO2に起因するものである.8月の潅漑期には漆漑水によって.地下水申のCO9 が希釈され,一方非准漑期にほ地下水鼠が減少すると同時に,水溢の低下によりCO2の逸散も抑制されCO2濃度が 高まったものと考え.られる。従って上記の未反応のCO9は炭酸塩に作用して屈炭酸塩を生成し,また珪酸塩の骨組を 分解してCa,Mg,Na,KおよびSiの溶出を促進する.前述のごとく8月に比し11月,2月に地下水申の溶存成分が 増加しているのはいわゆるM−アリカリ皮の増加に起 因するものと考えられる 全 鉄 木鐸査地域の特色の一つは溶存鉄盈が多い こととその分布域が広いこ.とであるu観測井戸の約半 数が黄色∼黄褐色を呈している∴第5図より明らかな ように上水道水質基準の仝鉄含有盈0.5mg/1を超える 井戸は8月には観測井戸の59%,11月には4占%,2月 にほ実に占0%に達し,最高17mg/1(EL−1,8月)を 娩出した.なおこの地方でほ冬期に俗称「クロカナ ケ」が増加するといわれているが,これはおそらく Mn8+によるものと考えられる 第4区=こ全鉄0。.9mg/1以上を含む地域を示したい本 圃より明らかなように,鉄分の多い地域ほ綾川右沿岸 でほほゞ平野中央部に位置し,左岸側でほ綾川沿岸 1km以内である.また左岸側紅おいては鉄の分布と 湿田∼半湿田地帯がはゞ一・致しているい これらの地域 の井戸水はそのまゝでは飲料水,洗濯用水等には全く 使用不能で,はとんどの家庭で砂および木炭による紆 過を実施している現状である たゞこれらの井戸の底にはかなりの水酸化第二鉄の 沈澱が埋潰しており水中にも懸濁しているのがみられ るので.これらの水酸化第二鉄は新たに湧出してくる f E D C B A 5 10 15 則 イI敷

階 級【A I B C I D I E‡F

0 0い91∼F2小8∼ 2・7ヒ 8・0 0‖1もlolO鵠 8.1以上 *EL−4を除く 第5図 全鉄の頻度分布

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香川大学農学部学術報告 4る

\、

\へこここJ

1964年8月 1964年11月 1965年2月 第4図 鉄含巌(0け9皿g/1以上)の地域的季節変化 水中のFe2+に触媒として一助きFe8+に酸化,沈殿させるように作用することが考えられる.従って今回の調査における 定盈催が必ずしも兵の浅層地下水中の鉄の値を示しているとほ言い難い 鉄の溶存状態は極めて複雑であるが,本地域においてもおゝまかに二つに分別することができるい即噴気により比 較的速かに水酸化第二鉄としで沈澱するものと,はとんど沈降しないで,いっまでも懸濁状態を保つものにわけられ るが,その詳細な形態ほ明らかでない. これらの地域に鉄の溶存盈が多い事は本水系の周囲の山々の岩石が鉄を多く含む造岩鉱物より形成されていること と,鉄の検出される地域の地下水が還元状態にあることによるものと推察される.−・方潅漑期より非液漑期に鉄の分 布域が拡がる理由として次のことが考えられる..即確漑期には比較的溶存酸素の多い水が大畠に地下に浸透し,停滞 水を形成しないが,非藩漑期には新鮮な地下水の供給が少くなり,従って地下水の混合,拡散現象が綬慢となるため に地下水が成層をなすものと考えられる EeydiagTamによる水質の分類 今陽イオンとしてNa+,K+,Ca2+,Mg2十,陰イオンとしてCr,SO雲 ̄,HCO8., CO㌔ ̄を用いて,これらのイオンが化学平衡を保っているという仮定に立つと,次の四つのグループにわけてⅩey diagIamに図示することができる..(算5図)

節1グループ:Carbonate hardness type(Ca(HCO8)2型の水) 第2グ)VJ70:Carbonate alkalitype(NaHCO8型の水)

第5グループ:Noncar・bonate hardnesstype(CaSO4・またはCaC12塑の水) 第4グル−プ:NoncaIbonate alkalitype(Na2SO4−またはNaCl型の水)

扱水の最も−・般的な性質ほCaIbonate hardnesstypeであるが,地,F水にはこの型のものとCarbonate alkalitype のものがあるNoncaIbonate haIdnessの性質を示すものは鉱山,火山性の水に認められるが,瀬戸内海沿岸の第四 系の地下水にも認められる.なおNoncarbonate alkaliの性質を示す水は海水による汚染を示すものである(9〉

第5区iのプロット位置は8月,11月および2月の平均値を示すものである.8月ほ(5)のNoncarbonatehardness・ の性質を示すが11月には(1)のCaIbonate haIdnessにプロyト位置が移動し,さらに2月にはその度合が強まる

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第17巷第1号(19る5) 47

このプロット位置の「ズレ.」はM−アルカリ度の増加に起因するものである 個々の井戸について分類すれば次の五.つのブロックにわけることができる.

1) 8月,11月,2月ともにCarbonate hardnessの性質を示す地域 2) 8月,11月,2月ともにNoncarbonate hardnessの性質を示す地域.

5) 8月はNoncarbonate hardnessで11月,2月紅はCarbonate hardnessの性質を示す地域 4) Noncarbonate alkali即,海水による汚染の認められる地域 5) そ・の 他 第占図紅上記の分類に従って各ブロックを図示し,同時に各測点のプロット位置の番号を8月,11月,2月の順匿 連記した 興味あることほ上記のブロック(1)および (5)に含まれる地域と鉄の検出される地域が は.ゞ一・致することである..換言すればHCO ̄8 の多い還元状態の地域紅鉄が検出される事にな る. 綾川下流の海水遡上に関する研究(10)にもあ るように大潮満潮時には雲井橋附近まで海水が 遡上すると考えられる.筆者等が19占4年12月25 日に行った調査では15時5分に河口より 約19 km上流の測点ER−1附近まで海水の遡上する のが確認された.しかし井水への海水の浸透が 考えられるのはFR−1,FR−5,FR−5の5測 点のみで,しかも塩分濃度は低く金茶発残留物 150′∼805mg/1にすぎなかった‖ ただCL−1に おいても8月,11月にNoncarbonate alkaliの 性質を示したがこれが化石塩水によるものか, 40 20 -Ca 20 40 60 Cl+二 80 第5図 Key diagIam ・、ゝ

第引到 Ⅹey diag工amによによる地下水の分類

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香川大学農学部学術報告 48 人為的汚染紅よるものかは不明である Simpson(11)ほ〔Cl/CO3+HCO8〕の当鼠比をもって海水による汚染の程度を占段階にわけている.(第4表)こ れにより上記5測点の汚染の程度を求めると0…75∼4.85の範囲にある.ところがⅩeydiagIamによる分輝匿従えば海 水の混入ほまずないと考えられる測点ER−・4で1.・58(8 月)の値を得ており,これは夏期の水温の上昇とともに CO2が逸敬し〔Cl/COa+HCO〕が増加したこと,昔こ の地域が梅であったことに起因するものと考えられる. 第4表 海水による汚染の程度 Cl/CO8・HC叫 汚 染 の 程 度 ふつうの汚染されない地下水 少し汚染されて.−る地下水 中ぐらいの汚染をうけた地下水 相当汚染された地下水 もっともひどく汚染された地下水 海 水 0“5 1..5 21.8 占1.る 15…5 200± 以上の結果よりCR測線を例にとり第一層水屑の型を 考察すると次のようである CR・−1,CR−2附近では地下水ほ綾川に向って流れ, CR−5,CR−・4,CR−5の地区でほはゞ綾川と平行に瀬 戸内海濫向って流下している.いま自由水面の高さ,および水質により綾川,CR−1,CR−2∼CR−5の5グル−プにわ けて.みると,水位は綾川よりCR−5に向って高くなっており,水質においてこはCR−1ほ綾川に較べると溶存成分が やゝ多いが,CR一−・2∼CR−5は前二名に比較して鉄およびそ・の他の溶存成分が急激匿増加している..これらの結果か らこの地域の帯水層は第7図に示すような塑をしているものと考えられる‖すなわち第一一箱水屑ほ比較的新鮮で溶存 舞 7 図 第 一・帯 水 層 の 模 式 図 成分の少ない層(帯水層A)と,一層の停滞水と考えられFe2+をほじめ各樺溶存成分が多く還元状態にある層(帯水 層B)からなる.帯水層AとBほ,はっきりとした成層を形成しないまでも混合ほあまり活発に行なわれずCR一々∼CR h5の井戸叱おいてこほ帯水層Bの水を取水し,CR−1においては届水屑Aの水を取水しているのであろう・・なおこの ような考え方は前報の地下水流動の測定結果(前報Fig2,Fig5,Fig4)によっても袋付けられるものと思われる・ Ⅴ 要 綾川下流流域の浅層地下水の特性および季節変化等紅ついて調査,研究を行い次の結果を得た′ 1)瀬戸内海瀾岸の沖積平野(第四系)特有のNoncaIbonatehardness(主としてCaC12型)の性質を示す地下 水の存在を認めたり 2)地下水がCarbonatehardness(主としてCa(HCO8)2型)の性質を示す地域と鉄含有鼠の多い地域がはゞ−’ 致する. 5)臨海地域において若干の感潮地域を認めたが,汚染の程度は低い・ 4)浅層地下水中の溶存成分ほ濯漑期に比し非潅漑期に多くなる傾向にある・・ 5)鉄の分布域は准漑期より非嘩漑期に拡がり,また地下水の停滞気味の地域に多く検出される傾向にあるい 最後に本研究を実施するにあたり貴重なる勧教示,御指示をしていたゞいた香川大学農学部前川忠夫教授,斉藤実 教授,岡市友利助教授,および採水ならびに分析に協力された林普一一・,柳川信行,高木征二氏に厚く謝意を表しま すいまた本研究の一部ほ昭年40年度農業土木学会大会(昭和40年4月7日,東京大学農学部)で講演発表したもので ある.

(8)

第17巻第1号(19る5) 49 引 用 文 献 闇 吉良八郎,中西 弘,安部邦夫:ダム下流部紅おけ る砂礫の粒皮特性と河床変動について(1),香川大農学 報1る(1)17(19占4) (2)斉藤実,坂東祐司,馬場季秋:香川県地質図(1/10 万),内場工業株式会社(19る1) (3)KIYOSHIFuKUDA,TADASHIOcHI,Tadao MAE− ⅩAWA,et.al:Bull,Fac,Agr,Kagawa Uni17 (1)29(19占5) (4)日本工業標準調査会,.1IS K OlOl,エ業用水試験 方法,日本規格協会(19る0) (5)半谷高久:水質調査法,丸善(19劇) (6)日本一啓売公社:塩試験方法(19占1) J7)小出博:応用地質一・岩石の風化と森林立地−−・,古今 書院,5口(1952) (8)川村−・水,船引真吾:農林土壌学,養賢堂5ロ0−501 (19占0) (9)村下敏夫:地下水学要論,昭晃堂(19る5) (10)酒井信一・‥綾川下流の感潮区域に.関する研究,香川 大学農学報1占(2)1占5・−179(19占5) (川 Sinpson(1964)不明,村下敏夫:地下水学要論よ り引用

Shallow ground waterinthe downstream basin of the Ayariver

(2)

TadashiOcHr,KiyoshiHuKUDA and Toshio AoⅨI

Sllmm8ry The presentinvestigations were11nderItaken to study the chemical characters and their

SeaSOnalvarietionsoftheshallowground water(free gzound water)in the downstream basin of the Aya river.,The followingIeSults weIe Obtained

(1)The nost of the ground wateIObtained from draw wells we工eincl11dedin the type of the Noncar− bonate hardness which was characteristic of the graund water heldin the AlluvialFloodDepositdeveloped along the coast ofthe SetoInland Sea

(2)The distribution of the ground water which contained considerable amounts ofiron wellcoincided, with that of the water of Carbonate hardness type

(3)While sea water went up the Aya River as far asl”9km frozn the coast,the penetrations of the Sea Waterinto the ground water were restricted to aboutlkm from the coast

【4)It was observed that the dissoIved materials developed a tendency toincrease throughtheirrigation SeaSOninto the non・・irrlgation season

(5)Ironin the ground water expanded the distributionin the non・irzigation season,and was detected in the wateI which seemed to be stagnent

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