参考資料③
ローン残高 期間 控除率 ① 増改築工事全体 ~1,000 万円 5年 1.0% ② うち三世代同居改修工事 ~250 万円 5年 2.0% 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 ① 7.5 万円 7.5 万円 7.5 万円 7.5 万円 7.5 万円 ② 5万円 5万円 5万円 5万円 5万円
既存住宅に係る三世代同居改修工事をした場合の特例(案)
1 ローン控除の特例 最高控除額 62.5 万円 平 28.4.1 居住分 平 31.6.30 居住分 【概要】 自己の有する家屋に三世代同居改修工事を行った場合において、平成 28 年4月1日から平成 31 年6月 30 日ま での間に、その者の居住の用に供したときは、次の1又は2の特例を適用することができる。 1 三世代同居改修工事を含む増改築工事に係る住宅借入金等(償還期間5年以上)の年末残高 1,000 万円以下の 部分について、一定割合を乗じた金額を5年間の各年において所得税額から控除 2 三世代同居改修工事の標準的な費用の額の 10%相当額をその年分の所得税額から控除 【対象工事】1:キッチン 2:浴室 3:トイレ 4:玄関 【対象工事要件】①上記1から4までのいずれかを増設すること。 ②改修後、上記1から4までのうち、いずれか2つ以上が複数となること。 ③対象工事の費用が 50 万円超であること。 標 準 的 な 費 用=
単位当たりの 標準的な費用×
控 除 額×
10% 2 税額控除の特例 改 修 箇所数 ローン残高=
控 除 額×
控除率 (限度額:25 万円) ○ 改修部位ごとに単位当たりの標準的な費用を告示で規定 〈告示の例〉 ◎ 三世代同居改修工事 ○ キッチン ●円/箇所 ○ 浴室 ●円/箇所 ○ トイレ ●円/箇所 ○ 玄関 ●円/箇所 ~個人寄附に係る寄附金税制の見直し(平成27年度改正・平成28年度改正案)
○ 平成27年度改正における学校法人等への個人寄附に係る税額控除制度の拡充とあわせ、寄附金税制の包括 的な見直しを実現。 ※ 我が国の寄附金税制は、主要諸外国にはみられない所得控除と税額控除の選択制を採用。 【平成27年度改正】 ○ 少子化の進展に伴い園児等の数が減少してい く中で、教育・子育ての環境の充実を図る観点 から、幼稚園等を運営する学校法人、保育所等 を運営する社会福祉法人への個人寄附に係る税 額控除について、必要となる寄附者数の要件を 定員数に応じて緩和 ○ 経済的な理由で修学が困難な学生に対して支 援を行うことにより、意欲と能力のある者が希 望する教育を受けられるようにする観点から、 国立大学法人等の行う学生の修学支援事業のた めに充てられる個人寄附について税額控除制度 を導入 ○ 一定の公益性が担保され、個人寄附に係る税 額控除が認められている公益社団・財団法人、 学校法人、社会福祉法人、更生保護法人につい て、小規模な法人の事務負担能力に配慮し、公 益活動を促進する観点から、税額控除の対象と なるために必要な寄附者数の要件を事業規模に 応じて緩和 ○ 寄附金の受領者の事務負担やコストの軽減を 図る観点から、寄附金控除の適用を受ける際に 必要な領収書について、書面での交付に代えて、 電子メール等による電子データの送付も可能と する。 小規模 法人へ の配慮 教育・子育て への配慮 【平成28年度改正(案)】国立大学法人等への個人寄附に係る税額控除制度の導入(案)
【改正案】
○ 以下の寄附金について、所得控除との選択で税額控除 の適用が可能 ⑴ 認定NPO法人に対する寄附金 ⑵ 次の特定公益増進法人に対する寄附金 ・公益社団・財団法人 ・学校法人・準学校法人 ・社会福祉法人 ・更生保護法人 以下の要件を満たすもの ① PSTと同様の要件(注) ② 情報公開要件 ⇒住民税10%と合わせ50%の税額控除が可能。 (都道府県(4%)と市町村(6%)がともに控除の対象としている場合) ※対象となる寄附金額の上限:総所得金額の40% ※控除税額の上限:所得税額の25% (寄附金額-2,000円)×40% 〔税額控除額〕【現行】
寄附金額-2,000円 〔参考:所得控除額〕 ※対象となる寄附金額の上限:総所得金額の40% (注)「3,000円以上の寄附者が年100人以上いること」又は「寄附金が法人収入の5分の1以上であること」を満たす必要。 なお、前者については、学校法人及び準学校法人並びに保育所等を設置する社会福祉法人については、一定の緩和措置あり(改正案:国立 大学法人、公立大学法人も同様とする。)。 ○ 以下の寄附金について、所得控除との選択で税額控除の適用を 可能とする。 ⑴ 次の法人に対する寄附金のうち、⑵の要件を満たすもの ・国立大学法人 ・公立大学法人 ・(独)国立高等専門学校機構 ・(独)日本学生支援機構 ⑵ その寄附金が学生等に対する修学の支援のための事業に充て られることが確実なものとして次の要件を満たすことを所管庁 が確認したもの ・ 各法人がその寄附金を修学支援事業のための独立した基金 を設けて管理し、他の財源と区分して経理していること ・ 基金からの使途が各法人の授業料減免事業、奨学金事業等 (経済的理由により修学が困難な学生等に対して行われるも のに限る。)に限定されていること ・ 各法人は事業年度終了後3月以内に基金への受入額、基金 からの支出額等の明細書を監査を経た上で所管庁に提出する こと ⑶ 各法人等の所管庁は、上記⑴の法人の適格要件及び⑵の事業 要件について確認し、証明書を各法人に交付する。 (注)平成28年分以後の所得税について適用。 以下の要件を満たすもの ① PSTと同様の要件(注) ② 情報公開要件 ○ 意欲と能力のある者が希望する教育を受けられるようにする観点から、国立大学法人等の行う学生の 修学支援事業のために充てられる個人寄附について税額控除制度を導入。公益社団法人及び公益財団法人、学校法人及び準学校法人、社会福祉法人並びに更生保護法人について、上 記①の絶対値要件を次のとおり見直し → 公益目的事業費用等 1億円を基準としてこれを下回る公益目的事業費用等の公益法人等については、寄附者 数の要件を次のように緩和。
公益法人等への個人寄附に係る税額控除制度の拡充(案)
事務負担能力が低いと考えられる小規模な公益法人等に配慮し、こうした法人の公益活動を草の根の寄附 により後押しする観点から、公益法人等への個人寄附に係る税額控除のPST要件を緩和する。 絶対値要件の寄附者数 (最低10人) 100人 × 公益目的事業費用等 1億=
必要と な る寄 附者数 (人) 公益目的事業費用等(万円) 20 50 80 100 20,000 10,000 8,000 5,000 2,000 1,000 10 税額控除対象法人となるための要件の1つであり、「寄附集めの努力」を図る基準。 ① 3,000円以上の寄附者が年100人以上いること(絶対値要件) 又は ② 寄附金が法人収入の5分の1以上であること(相対値要件) PST(パブリック・サポート・テスト)要件 ○ 寄附者から年間30万円以上の寄附 を受け入れていることが必要。 * 学校法人及び準学校法人にあっては 私立学校等の経営に関する事業の費用、 社会福祉法人にあっては社会福祉事業 費用、更生保護法人にあっては更生保 護事業費用。 (注)平成28年分以後の所得税について適用。 ※ 学校法人及び準学校法人並びに保育所等を設置する社会福祉法人については定員数を基準とした要件緩和措置との選択適用。 *セルフメディケーション(自主服薬)推進のための
スイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)の創設(案)
適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進める観点から、健康の維持増進及び疾病の予
防への取組として一定の取組を行う個人が、平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に、
いわゆるスイッチOTC薬の購入費用を年間1.2万円を超えて支払った場合には、その購入費用(年間
10万円を限度)のうち1.2万円を超える額を所得控除する。
1.本特例の適用要件とされる健康の維持増進及び疾病の予防への取組 ○ 次の検診等又は予防接種(医師の関与があるものに限る。)を受けていることを要件とする。 (1) 特定健康診査(いわゆるメタボ健診) (2) 予防接種 (3) 定期健康診断(事業主健診) (4) 健康診査(いわゆる人間ドック等で、医療保険者が行うもの) (5) がん検診 2.控除対象医薬品 ○ スイッチOTC薬 ⇒ 要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品(類似の医療用医薬品が医療保険給付の 対象外のものを除く。) 3.医療費控除との関係 ○ 本特例の適用を受ける場合には医療費控除の適用を受けることができず、医療費控除の適用を受ける場合には本 特例の適用を受けることができない。地方創生応援税制(「企業版ふるさと納税」)の創設(案)
地方公共団体が行う、地方創生を推進する上で効果の高い一定の事業に対して法人が行った寄附について、
法人事業税・法人住民税及び法人税の税額控除を創設する。
寄附の対象(地域再生法に規定(調整中))
対象団体 : 地方版総合戦略を策定する都道府県・市町村 * 三大都市圏にある交付税不交付団体は対象外 * 主たる事務所の立地団体に対する寄附は対象外 対象事業 : 地方創生を推進する上で効果の高い事業 (地方版総合戦略に位置づけ) * 対象事業について地域再生計画を作成し、 国が認定 現行の損金算入措置(約3割の負担軽減)に加えて、 ① 法人事業税: 寄附金額×10%の税額控除 * 税額の20%(29年度~:15%)上限 ② 法人住民税: 寄附金額×20%の税額控除 * 税額の20%上限 ③ 法人税: ②で控除しきれなかった額 or 寄附金額×10%の税額控除 * 税額の5%上限改正案
住民税 事業税 住民税 (20%税額控除) (法人の自己負担) 事業税 (10%) 法人税 住民税 事業税 住民税 (上限) (法人の自己負担) 事業税 (10%) 法人税 法人税 寄附金額 損金算入による負担軽減 新たな税額控除 所得が 大きい 法人 所得が 小さい 法人 * 31年度末期限(28改正案)※上記② 免税手続きカウンターを利用できる 免税店の範囲を拡大
外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充(案)
・家電
・バッグ
・衣料品
等の一般物品
・食料品 ・飲料品
・医薬品 ・化粧品
等の消耗品
26改正前 26改正後○
好調に拡大する外国人旅行者による旅行消費の経済効果を地方に波及させる観点から、一般物品に係る購入
下限額を引き下げるなど、外国人旅行者向け消費税免税制度を拡充する(平成28年5月1日施行)。
①
免税販売の対象となる最低購入金額の引下げ
②
手続委託型輸出物品販売場の対象範囲の見直し
③
輸出物品販売場から海外へ直送する場合における免税手続の簡素化
④
購入者誓約書の電磁的記録による提出・保存
免税手続カウンター ・免税手続 ・消費税相当額返金 購入下限額の合算 が可能免税店A
免税店B
免税店D
税込価格で販売
免税店C
免税手続の委託
○平成26年度税制改正
(対象品目拡大)
○平成27年度税制改正
(免税手続カウンター)
○免税店数の推移
(28改正案)※上記① 一般物品・消耗品の「購入下限額」を「5千円以上」に統一 購入下限額 5 千 円 超 購入下限額 1 万 円 超空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例(案)
【概要】 相続時から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人 が、当該家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む。)又は除却後の土地を譲渡し た場合には、当該家屋又は除却後の土地の譲渡益から3,000万円を控除することができる。 〔適用期限:平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間の譲渡〕 【主な適用要件】 ① 相続した家屋は、昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建築物(マンション等)を除く。)であって 相続発生時に、被相続人以外に居住者がいなかったこと。 ② 譲渡をした家屋又は土地は、相続時から譲渡時点まで、居住、貸付け、事業の用に供されていたことがないこと。 ③ 譲渡価額が1億円を超えないこと。1
居住用家屋の譲渡所得の3,000万円特別控除の特例(現行制度)の対象
2
空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例(案)
⑴ 居住用家屋及びその敷地の譲渡 ⑵ 災害により滅失した居住用家屋の敷地又は居住の用に供していた家屋及びその敷地を居住の用に供されなくなった日から 3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡 被相続人の居住の用に供していた 家屋及びその敷地相
続
空き家 耐震リフォーム3,000万円特別控除の適用
除 却 譲 渡 譲 渡 更 地○ 消費税率の引上げ及び地方法人特別税・譲与税制度の廃止に伴い、地域間の税源の偏在性を是正し、財政力 格差の縮小を図るため、法人住民税法人税割の一部を交付税原資化。 ○ 税制抜本改革法による消費税率(国・地方)の10%への引上げに伴い、暫定措置である地方法人特別税・譲与 税制度を廃止。地方法人特別税を法人事業税に復元。 1.法人住民税法人税割の税率の改正 [ ]:制限税率 (都道府県分) 3.2% [4.2%] → 1.0%(△2.2%)[2.0%] (市町村分) 9.7% [12.1%] → 6.0%(△3.7%)[8.4%] 2.地方法人税の税率の改正 4.4% → 10.3%(+5.9%) ◇ 地方法人税収の全額を交付税特会に直接繰入れ、地方交付税原資化 ○ 偏在是正により生じる財源(不交付団体の減収分)を活用して地方財政計画に歳出を計上。 平成26年度与党税制改正大綱 消費税率10%段階においては、法人住民税法人税割の地方交付税原資化をさらに進める。また、地方法人特別税・譲与税を廃止すると ともに現行制度の意義や効果を踏まえて他の偏在是正措置を講ずるなど、関係する制度について幅広く検討を行う。 ○ 地方法人特別税・譲与税制度の廃止に伴う市町村分の法人住民税法人税割の減収分を補てんするとともに、 市町村の税源の偏在是正と財政運営の安定化を図るため、法人事業税交付金を創設。 【法人事業税交付金の概要】 ◇ 都道府県の法人事業税額の100分の5.4を市町村に交付。 ◇ 各市町村には、従業者数を基準に交付。
消費税率(国・地方)10%段階の地方法人課税の偏在是正(案)
(平成29年度~)
28改正における地方法人課税の偏在是正(案)のイメージ
暫定措置である 地方法人特別税 を廃止し、法人事 業税に復元。 地方法人税(交付税原資化) 地方法人税(交付税原資化) ・消費税率10%への引上げ ・地方法人特別税の廃止 に伴い、法人住民税の地方 法人税化をさらに進める。 一部を県内市町村へ交付 4.4% 5.9% 4.4% 法人住民税 (都道府県) (市町村) 9.7% 3.2% 均等割 法人税割 均等割 法人税割 地方法人特別税 法人事業税(都道府県) 法人住民税 △2.2% △3.7% △5.9%合計 6.0% 1.0% 法人事業税(都道府県) 法人事業税(都道府県) 10.3% ※20年改正で法人事業税の一部を地方法人特別税化。 「人口」及び「従業員数」により按分し、都道府県に譲与。 26年改正で規模を1/3縮減。 ※26年改正で法人住民税の一部を 地方法人税化(交付税原資化)。 (都道府県) (市町村) 資本割 付加価値割 所得割 △1.8% △2.6% 地方法人特別税の廃止に 伴う市町村分の法人住民税 の減収分を補てんするため、 都道府県から市町村に法人 事業税の一部を交付。 ※都道府県の法人事業税額の100分の5.4を 「従業員数」により按分。A. グローバル企業は払うべき(価値が創造され る)ところで税金を支払うべきとの観点から、 国際課税原則を再構築 〔実質性〕 (企業が調達・生産・販売・管理等の拠点をグローバ ルに展開し、グループ間取引を通じた租税回避の リスクが高まる中、経済活動の実態に即した課税を 重視するルールを策定)
BEPSプロジェクトについて
C. 企業の不確実性の排除 〔予見可能性〕 (租税に係る紛争について、より効果的な紛争解決 手続きを構築すると共に、今回のBEPSプロジェク トの迅速な実施を確保) B. 各国政府・グローバル企業の活動に関する 透明性向上 〔透明性〕 (例えば、グローバル企業の活動・納税実態の把握 のための各国間の情報共有等の協調枠組みの構 築等)「BEPSプロジェクト」の三本柱
○ BEPS(Base Erosion and Profit Shifting、税源浸食と利益移転)プロジェクトの背景・経緯
・ 各国がリーマンショック後に財政状況を悪化させ、より多くの国民負担を求める中、多国籍企業が各国の税制や国際課税 ルールのずれを利用することで課税所得を人為的に操作し、課税逃れを行うことに対して批判が高まっていた。 ・ 2012年6月、OECD租税委員会(議長:浅川財務省財務官)は、このような課税逃れを防ぎ、公平な競争条件(Level Playing Field)を整えるために国際課税ルール全体を見直すプロジェクト(BEPSプロジェクト)を立ち上げ。 ・ G20(財務大臣)からの要請も受け、2013年7月には、15の行動計画から構成される「BEPS行動計画」を公表。行動計画の実 施にあたり、OECD非加盟のG20メンバー8か国(中国、インド、南アフリカ、ブラジル、ロシア、アルゼンチン、サウジアラビア、イ ンドネシア)も議論に参加。 ・ 2014年9月に「第一弾報告書」、2015年10月には「最終報告書」を公表し、G20財務大臣に報告。11月にG20サミットにも報告。 ⇒今後は、最終報告書に基づき、各国において国内法の整備を実施することが求められている。
BEPSプロジェクト最終報告書の概要
多国籍企業による租税回避を防止するため、国際的な協調のもと、税務当 局が多国籍企業の活動やタックス・プランニングの実態を把握できるようにす る制度の構築を図った。 行動5 ルーリング(企業と当局間の事前合意)に係る自発的情報交換 行動11 BEPS関連のデータ収集・分析方法の確立 行動12 タックス・プランニングの義務的開示 → 今後検討 行動13 多国籍企業情報の報告制度 (移転価格税制に係る文書化) → 28年度税制改正で対応予定 (4) 透明性の向上 BEPS対抗措置によって予期せぬ二重課税が生じる等の不確実性を排除し、 予見可能性を確保するため、租税条約に関連する紛争を解決するための相互 協議手続きをより実効的なものとすることを図った。 行動14 より効果的な紛争解決メカニズムの構築 → 対応済み (5) 法的安定性の向上 BEPS行動計画を通じて策定される各種勧告の実施のためには、各国の二国 間租税条約の改正が必要なものがあるが、世界で無数にある二国間租税条 約の改定には膨大な時間を要することから、BEPS対抗措置を効率的に実現す るための多数国間協定を2016年末までに策定する。 行動15 多国間協定の開発 → 参加予定 (6) BEPSへの迅速な対応 B. 各国政府・グローバル企業の活動に関する 透明性向上 〔透明性〕 C. 企業の不確実性の排除 〔予見可能性〕 A. グローバル企業は払うべき(価値が創造される)ところで 税金を支払うべきとの観点から、国際課税原則を再構築 〔実質性〕 電子経済に伴う問題への対応について、海外からのB2C取引に対する消費課税のあり 方等に関するガイドラインを策定した。 ※ 電子経済を利用したBEPSについては、他の勧告を実施することで対応可能。更に、消費課 税やBEPS対抗措置で対応できない問題について、物理的概念の存在を根拠として課税する 現行の税制とは異なる課税方法の可能性等について、検討を継続。 行動1 電子経済の課税上の課題への対応 → 27年度税制改正で対応済み (1) 電子経済の発展への対応 各国間の税制の隙間を利用した多国籍企業による租税回避を防止するため、各国が 協調して国内税制の国際的調和を図った。 行動2 ハイブリッド・ミスマッチ取極めの効果の無効化 → 27年度税制改正で対応済み 行動3 外国子会社合算税制の強化 → 今後、法改正の要否を含め検討 行動4 利子控除制限 → 今後、法改正の要否を含め検討 行動5 有害税制への対抗 → 既存の枠組みで対応 (2) 各国制度の国際的一貫性の確立 伝統的な国際基準(モデル租税条約・移転価格ガイドライン)が近年の多国籍企業のビ ジネスモデルに対応できていないことから、「価値創造の場」において適切に課税がなさ れるよう、国際基準の見直しを図った。 行動6 条約濫用の防止 → 租税条約の拡充(含行動⑮)の中で対応 行動7 人為的なPE認定回避 → 租税条約の拡充(含行動⑮)の中で対応 行動8-10 移転価格税制と価値創造の一致 → 今後、法改正の要否を含め検討 (3) 国際基準の効果の回復「BEPSプロジェクト」を踏まえた多国籍企業情報の報告等に係る制度の整備(案)
マスターファイル <親会社が作成> グループの組織図 事業概要 保有する無形資産の情報 グループ内金融活動に 関する情報 グループ全体の財務状況と 納税状況 国別報告書 <親会社が作成> 親会社・子会社所在国ごとの多国 籍企業グループの下記情報 総収入・所得・税額・ 資本金等の財務情報 従業員数 有形資産額 主要事業 等 組織図 経営戦略 主要な競合他社 主要な関連者間取引と 取引背景 移転価格算定根拠 財務諸表 等 【課題】 多国籍企業グループによるグループ内取引を通じた所得の海外移転に対して、適正な課税(移転価格課税(注))を実現するため には自国企業の国外関連者との取引(関連者間取引)に関する情報を求めるのはもちろんのこと、多国籍企業グループがグローバ ルに行う取引の全体像を把握する必要。 (注)移転価格課税とは、国外関連者との取引価格(移転価格)を操作することによる所得の海外移転に対し、その取引が 本来の取引価格(独立企業間価格)で行われたものとみなして所得を計算し直し、課税する制度。 【BEPSプロジェクトにおける対応】 経済界のコンプライアンス・コストに配慮しつつ、税務当局のために透明性を高めることを目的として共通様式に基づいた多国籍 企業情報の報告等(移転価格に係る文書化)に関するルールを整備。具体的には、多国籍企業グループに対して、①ローカルファ イル、②マスターファイル、③国別報告書(CbCレポート)の三種類の文書を共通様式に従って税務当局に提供(または作成・保存) することを義務付けるよう勧告(CbCレポートについては、原則、2016年度から適用開始)。 ○ ローカルファイル:関連者間取引における独立企業間価格を算定するための詳細な情報。独立企業原則の遵守状況を確認し、移 転価格課税を行うために使用(現行、措規22の10①②に相当)。 ○ マスターファイル:多国籍企業グループの組織・財務・事業の概要等、多国籍企業グループの活動の全体像に関する情報。多国 籍企業グループ内の重大な移転価格リスクの存在の有無を評価するために使用。 ○ 国別報告書:多国籍企業グループの各国別の所得、納税額の配分等、多国籍企業グループの各国別の活動状況に関する情報。 多国籍企業グループ内の移転価格リスクの存在の有無を評価するために使用。 ※原則、親会社が親会社所在地国の税務当局に提出し、当該税務当局が子会社所在地国の税務当局に自動的情報交換で共有する。 【日本の対応】 28年度税制改正において、BEPSプロジェクトの勧告を踏まえた多国籍企業情報の報告等に係る制度を整備する。 ローカルファイル <親・子会社が各々作成>○ 日本にとって台湾は、租税条約のない国・地域の中で最大の直接投資相手。日台経済関係は緊密で、日本及び台湾の経 済界からは、「租税条約締結」に強い期待。他方、台湾との関係に関する日本の基本的立場は、非政府間の実務関係として維 持するというものであることから、台湾との間で、国家間の国際約束である租税条約を締結することができない。 ○ そこで、台湾との間で租税条約に相当する枠組みを構築するために、公益財団法人交流協会(日本側)と亜東関係協会(台湾 側)との間で「日台民間租税取決め」(日本では国際約束として効力なし)を取り結び、その内容を日本国内で実施するための国内 法を整備する。 (注)「日台民間租税取決め」については、2013年12月から両協会間で協議を重ね、本年11月26日に署名された。 実施 「租税条約に相当する枠組み」の概念図 公益財団法人 交流協会 「日台民間 租税取決め」 日本政府 台湾当局 実施 ※租税取決めの 内容を実施 「日台民間租税取決め」の内 容を実施するための国内法 亜東関係協会 「日台民間租税取決め」の概要
「日台民間租税取決め」に係る国内法の整備(案)
◆日台間で支払われる配当などについて、所得が生じる地域(源泉地)にお ける課税の税率を引下げ。 1.投資所得に対する課税の軽減 ◆企業が進出先の税務当局から受けた課税について問題が生じた場合に、 これを解決する枠組みを創設。 【相互協議】 2.日台間の課税問題を解決するための枠組み ◆日台それぞれにおけるより効果的な税務行政の執行のため、租税に関す る情報を日台間で交換する枠組みを規定。 【情報交換】 3.日台間での租税に関する情報交換のための枠組み ◆日台間の健全な投資・経済交流の促進。 ◆1984年締結の日中租税協定及び本年8月署名の両岸(中台)間の二重課 税防止等に関する合意と併せて、日台中間のビジネス環境整備が促進され る。中国進出を企図する日本企業にもメリットとなる可能性。 4.期待される効果 配当 利子 使用料 「日台民間 租税取決め」 10% 免税(政府、中央銀行 等受取り) 10%(その他) 10% 現行 台湾 20% 15%(金融商品)、 20%(その他) 20% 日本 15%(上場)、 20%(非上場) 15%(金融商品)、 20%(その他) 20%復興特区税制(法人税関係)
現行制度
① 機械等の特別償却等(「産業集積事業」「建築物整備事業」) ② 被災雇用者等を雇用した場合の税額控除 ・ 指定から5年間、特区内事業所の被災雇用者等への支 給給与の10%税額控除 ③ 研究開発資産の特別償却等 ・ 研究開発用資産の即時償却 ・ 償却費は、研究開発税制の特例(20%税額控除)の対象 ④ 再投資準備金・再投資段階の即時償却 ・ 指定後5年間、所得額までを準備金として損金算入可 (新設法人であって「指定年度の投資額3億円(中小企業 者等3,000万円)以上」等が要件) ・ 再投資の段階で、当該準備金の取り崩しとともに、当該機 械等の即時償却(準備金の残高は、指定10年目以降10年 間で強制取り崩し)改正案
① 機械等の特別償却等 ・ 5年延長 ・ 償却率の見直し(即時償却 → 50%特別償却) ・ 「建築物整備事業」の対象資産の要件緩和 ② 被災雇用者等を雇用した場合の税額控除 ・ 5年延長 ③ 研究開発資産の特別償却等 ・ 5年延長 ・ 償却率の見直し(即時償却 → 50%特別償却) ④ 再投資準備金・再投資段階の即時償却 ・ 5年延長 ・ 要件の見直し - 計画認定を受けている場合は、「延べ面積750㎡以上」 「非耐火建築物」の建物等も対象とする ※ 福島県については、①・③の即時償却を維持 ※ 平成31年度以降は、①~③の償却率・控除率を縮減 (福島県以外) - 中小企業者等の投資額要件を「指定年度3,000万円以 上又は指定後3年以内の投資額5,000万円以上」に緩和 - 指定10年目以降の準備金の取崩期間を5年間とする一定の見直しを行いつつ、適用期限を5年延長。その際、被災地の実情等を踏まえ、要件の一部を緩和する。
・ 即時償却 or 15%税額控除 (建物等は25%特別償却 or 8%税額控除) ・ 「建築物整備事業」の対象資産は、「延べ面積1,500㎡以 上」「耐火建築物」等の要件を満たす建物等に限定被災関連市町村から交換により土地を取得した場合の
所有権の移転登記の免税措置の創設(案)
防災集団移転促進事業(高台移転事業)により買い取った移転元地(公有地)を一体的に利活用
するため、平成28年4月1日から平成33年3月31日までの間に、利活用する区域内(復興整備事業
の実施区域内)の民有地との交換により地権者が区域外の公有地を取得した場合の土地の所有権
の移転登記に対する登録免許税を免税(本則:20/1,000)とする。
公有地 高台移転事業 災害危険 区域 公有地と民有地を交換 ⇒所有権移転登記に対する 登録免許税を免税 公有地 公有地 復興整備事業 の実施区域 移転元地 (公有地) 民有地 民有地 民有地 移転元地 (公有地) 移転元地 (公有地)海
○ 納付書で納付できる国税を対象とし、税目、納税額については、基本的に制限なし。 (注)クレジットカード会社の取扱い上、1,000万円未満に限定。 ○ クレジットカード利用手数料は、現行の地方税における取扱いと同様、利用者(納税者)が負担。 (注)国は、国税事務取扱手数料として、契約形態により1円~10円(税抜き)の範囲で手数料を負担。 ○ 納税者がクレジットカード会社(納付受託者)に納付手続を委託し、クレジットカード会社(納付受託者)がその納付手続を受託 (与信審査了)した日に国税の納付があったものとみなして、利子税・延滞税等を適用。 ○ 適正なクレジットカード納付を実現するための所要の措置を講ずる。 (納付受託者の指定・取消し、納付受託者の納付義務・帳簿保存義務・報告義務 等)