自転車駐車場附置義務条例(案)について
自転車駐車場附置義務条例は、自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推 進に関する法律(昭和55年 法律第87号。以下「法」という。)第5条第4項の規定に基 づき、自転車等の大量の駐車需要を生じさせる施設における自転車駐車場の設置及び管理につ いて定めるものである。 また、法の施行に伴い、標準条例(昭和56年11月28日付 建設省都再発第101号 建 設省都市局長通達)が示されており、政令市の多く(18政令市のうち15都市)がこれに倣 い、既に附置義務条例を制定している。 標準条例が示されてから30年近くが経過していることや多くの他都市事例があることから、 本市における附置義務条例は以下のことを基本的な考え方として検討する。 ・標準条例を基本ベースとする ・実態調査の結果を基に本市独自の項目の追加や規定を検討する ・他都市事例を参考に項目の追加や規定を検討する 大阪市附置義務条例 標準条例 実態調査結果 他都市事例○目的 第1条 この条例は、自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律(昭和55 年法律第87号。以下「法」という。)に基づき、自転車等の大量の駐車需要を生じさせる施設 における自転車駐車場の設置及び管理について定めることにより、市民の生活環境の保全と都市 機能の維持を図り、もって良好な都市環境の形成に資することを目的とする。 ○定義 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところ による。 (1)自転車 道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第11号の2に規定する 自転車をいう。 (2)原動機付自転車 道路交通法第2条第1項第10号に規定する原動機付自転車をいう。 (3)自転車等 自転車及び原動機付自転車をいう。 (4)自転車駐車場 一定の区画を限って設置される自転車等の駐車のための施設をいう。 本条例に規定する自転車駐車場は、法に規定する自転車および原動機付自転車を対象とした 駐車場とする。 なお、自動二輪車については「大阪市建築物における駐車施設の附置等に関する条例」にお いて駐車場の附置が既に義務付けられている。
○指定区域 第3条 法第5条第4項に規定する条例で定める区域(以下「指定区域」という。)は、大阪市 の全域とする。 標準条例によると、指定区域は商業地域および近隣商業地域内とある。 しかしながら、大阪市は大阪平野のほぼ中央に位置し、上町台地を除いてほぼ平坦であるた め自転車の利用しやすい地形であるとともに、本市は古くから発達してきたこともあり、市域 のほぼ全域が人口集中地区(DID)となっており、自転車の駐車需要を生じさせる施設が市 内一円に点在している。 また、他都市事例によると、本市と同様にDIDの割合が高い川崎市、名古屋市では市域全 域を指定区域としていることから、本市における指定区域も市域全域とする。 指 定 区 域 の 他 都 市 事 例 ( 表 1 ) 指 定 区 域 都 市 名 市 域 全 域 千葉市、名古屋市、川崎市(ただし、市 街 化 調 整 区 域 お よ び 工 業 専 用 地 域 を 除 く ) 全 域 市街化区域 京都市 商 業 地 域 、 近 隣 商 業 地 域 仙 台 市 、 静 岡 市 、 堺 市 、 神 戸 市 、 岡 山 市 、 広島市、北九州市、福岡市 商 業 地 域 、 近 隣 商 業 地 域 、 自 転 車 等 放 置 禁 止 区 域 さいたま市、新 潟 市 区域限定 商 業 地 域 、 近 隣 商 業 地 域 、 駐 車 場 整 備 地 区 札幌市 政 令 市 の D I D 地 区 比 較 ( 表 2 ) 都市名 DID 比率※ 都市名 DID 比率※ 札幌市 20.3% 名古屋市 83.8% 仙台市 16.6% 京都市 16.9%
○集客施設を新築する場合の自転車駐車場の設置 第4条 指定区域内において、別表第1(ア)欄に掲げる用途に供する施設で同表(イ)欄に掲 げる規模のものを新築しようとする者は、同表(ウ)欄に掲げる割合により算定した台数(その 台数に 1 台未満の端数があるときは、これを切り上げた台数)以上の自転車等を駐車することが できる規模の自転車駐車場を当該施設若しくはその敷地内又は当該施設の敷地に到達するため に歩行する距離がおおむね50メートル以内である場所に設置しなければならない。 2 別表第1に規定する施設の用途の定義及び施設面積の算定方法は、規則で定める。 3 第1項の規定により設置しなければならない自転車駐車場に収容すべき自転車等の必要台 数(以下この項において「必要台数」という。)のうち原動機付自転車の台数は、必要台数に1 0分の1を乗じて得た台数(その台数に 1 台未満の端数があるときは、これを切り上げた台数) 以上とする。 別表第1(第4条関係) (ア) (イ) (ウ) 施設の用途 施設の規模 自転車駐車場の規模 遊技場、飲食店、コンビニ エンスストア 施設面積が300平方メート ルを超えるもの 施設面積15平方メートルま でごとに1台 小売店舗、カラオケボック ス、スポーツ施設、レンタ ルビデオ店、官公署等 施設面積が400平方メート ルを超えるもの 施設面積20平方メートルま でごとに1台 銀行、郵便局 施設面積が500平方メート ルを超えるもの 施設面積25平方メートルま でごとに1台 学習施設、映画館・劇場、 病院 施設面積が600平方メート ルを超えるもの 施設面積30平方メートルま でごとに1台
●施設の用途 標準条例によると、施設の用途は百貨店・スーパーマーケット、銀行、遊技場と規定されて いるが、標準条例は昭和56年に定められているため、これらの施設以外にも大量の駐車需要 を生じさせる施設が出てきている。 他都市事例によると、標準条例に規定されている小売店舗(百貨店・スーパーマーケット)、 銀行、遊技場の3施設に加え、学習施設、飲食店、映画館、カラオケボックス、スポーツ施設、 病院、レンタルビデオ店、郵便局、官公署等、コンビニエンスストアの10施設(延べ)が対 象となっている。 そこで、小売店舗、銀行、遊技場(ぱちんこ屋)、学習施設、飲食店、映画館・劇場、カラオ ケボックス、スポーツ施設、病院、レンタルビデオ店、郵便局、コンビニエンスストアについ て実態調査を行い、その結果および他都市事例を踏まえ、施設の用途およびその定義を表3の とおりとする。 なお、前回の委員会で提案のあった、スーパー銭湯などの公衆浴場について実態を調査した ところ、駐車需要が小さい(20台未満/施設)ことから、附置義務の対象としないものとす る。
( 表 3 ) 施設の用途 用途の定義 小売店舗 小売業を営む店舗の用に供するもの(ガソリンスタンド、コンビニエンス ストアを除く) ※産業分類 大分類I 卸売業・小売業 中分類 56∼60 銀行 銀行業(銀行法第2条第2項に規定する営業及び信用金庫法に規定する事 業をいう)を営む店舗の用に供するものその他これらに類する施設であっ て、一般の利用者のための店舗部分を有するもの ※産業分類 大分類J 金融業・保険業 中分類 62∼67 遊技場 風俗業(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項 第7号及び第8号に規定する営業をいう)を営む店舗の用に供するものそ の他これらに類するもの ※産業分類 大分類N 生活関連サービス業・娯楽業 中分類 806 遊戯場 学習施設 学校教育法第124条に規定する専修学校、同法第134条に規定する各 種学校、学習塾、語学教室、料理教室、自動車教習所その他これらに類す る施設であって、教室、講堂、実習室等を常設しているもの 飲食店 主として注文により直ちにその場所で料理、その他食料品又は飲食させる 店舗の用に供するもの(料亭を除く) ※産業分類 大分類M 宿泊業・飲食サービス業 中分類 76 映画館・劇場 映画館、劇場その他これらに類する施設 ※産業分類 大分類N 生活関連サービス業・娯楽業 中分類 801 映画館 中分類 802 興行場、興行団 カラオケボックス 個室においてカラオケボックス業を営む店舗の用に供するもの ※産業分類 大分類N 生活関連サービス業・娯楽業 中分類 8095 カラオケボックス 業 スポーツ施設 体育館、スイミングスクール、フィットネスクラブ、ボウリング場、ゴル フ練習場その他これらに類する施設 ※産業分類 大分類N 生活関連サービス業・娯楽業 中分類 804 スポーツ施設提供業 大分類O 教育、学習支援業 中分類 8246 スポーツ・健康教授業 病院 医師又は歯科医師等が患者に対して医業又は医業類似行為を行う施設 ※産業分類 大分類P 医療、福祉 中分類 83 レンタルビデオ店 音楽、映像等の記録物の賃貸業を営む店舗の用に供するもの ※産業分類 大分類K 不動産業・物品賃貸業 中分類 7092 音楽・映像記録物賃貸業 郵便局 郵便事業、郵便貯金事業、郵便為替事業、郵便振替事業、簡易生命保険事 業等を複合的に営む店舗の用に供するもの ※産業分類 大分類Q 複合サービス業 中分類 86 官公署等 区役所、図書館、公民館、美術館、博物館、集会場その他これらに類する 施設 コンビニエンスス トア 主として飲食料品を中心とした各種最寄り品をセルフサービス方式で小 売する店舗規模が小さく、終日又は長時間営業を行う店舗の用に供するも の ※産業分類 大分類I 卸売業・小売業 中分類 5891 コンビニエンスストア
●施設の規模および自転車駐車場の規模 標準条例によると、施設の規模および自転車駐車場の規模は次のように規定されている。 施設の用途 施設の規模 自転車駐車場の規模 百貨店、スーパーマーケッ ト 店舗面積が400平方メート ルを超えるもの 新築に係る店舗面積20平方 メートルごとに1台 銀行 店舗面積が500平方メート ルを超えるもの 新築に係る店舗面積25平方 メートルごとに1台 遊技場 店舗面積が300平方メート ルを超えるもの 新築に係る店舗面積15平方 メートルごとに1台 また、他都市の事例については参考資料4のとおりである。 施設の規模については、標準条例および他都市の多くが「設置基準(自転車1台あたりの駐 車需要が生じる施設面積)×20台」に相当する面積、すなわち、駐車需要が20台以上と算 定される場合に義務付けることを規定していることから、本市においてもこれに準じるものと する。
設置しなければならない自転車駐車場の規模については、表4の実態調査の結果を踏まえ、 条例第4条のとおりとする。 施 設 の 用 途 別 の 駐 車 需 要 ( 実 態 調 査 よ り ) ( 表 4 ) 施設(用途) 駐車需要 (前回算出値) 小売店舗 22m2/台 (12m2/台) 銀行・郵便局 27m2/台 (17m2/台) 遊技場(ぱちんこ屋) 13m2/台 ( 9m2/台) 学習施設 36m2/台 ( 9m2/台) 飲食店 16m2/台 (12m2/台) 映画館・劇場 29m2/台 (12m2/台) カラオケボックス 20m2/台 (23m2/台) スポーツ施設 21m2/台 (18m2/台) 病院 32m2/台 (17m2/台) レンタルビデオ店 22m2/台 (22m2/台) コンビニエンスストア 16m2/台 (11m2/台) なお、前回の委員会で提示した結果は、施設面積が1,000m2以下の施設の平均値として いたが、大規模施設の基準緩和対象を1,000m2超から5,000m2超に改めることに伴い、 5,000m2以下の施設の平均値として見直した。(13ページ参照) これにより、一定規模以下の施設については設置台数が少なくなるが、それを超える規模の 施設は前回の委員会で提示した案よりも設置台数が多くなる。 小 売 店 舗 に お け る 施 設 面 積 と 設 置 台 数 の 比 較 ( 図 1 ) 前回と今回の設置台数比較 (例:小売店舗) 0 50 100 150 200 250 300 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 施設面積(m2) 設置 台 数 ( 台 ) 前回設置基準による (15m2/台) 今回設置基準による (20m2/台)
また、前回の委員会で提案のあった、カラオケボックスなどの駐車需要の実態を時間帯別に 調査したところ、平日の昼間を1とした場合の比率は表5のとおりであったため、スポーツ施 設については駐車需要の補正を行なっている。 時 間 帯 別 の 駐 車 需 要 ( 平 日 昼 間 を 1 と し た 場 合 ) ( 表 5 ) 平日 休日 施設名 昼間 夜間 昼間 夜間 カラオケボックス 1.00 0.71 0.72 0.90 スポーツ施設 1.00 1.14 1.35 1.30 レンタルビデオ店 1.00 0.94 0.96 0.74 参考として、他都市における施設の用途別の設置基準を表6に示す。 他 都 市 に お け る 施 設 の 用 途 別 の 設 置 基 準 ( 表 6 ) 施設(用途) 設置基準 (最頻値) 小売店舗 10∼70m2/台 (20m2/台) 銀行・郵便局 10∼25m2/台 (25m2/台) 遊技場(ぱちんこ屋) 5∼15m2/台 (15m2/台) 学習施設 15∼30m2/台 (30m2/台) 飲食店 10∼40m2/台 (20m2/台) 映画館・劇場 15∼80m2/台 (20m2/台) カラオケボックス 20∼30m2/台 (20m2/台) スポーツ施設 15∼25m2/台 (25m2/台) 病院 20∼25m2/台 (20m2/台) レンタルビデオ店 15∼20m2/台 (20m2/台) 官公署等 15∼25m2/台 (20m2/台) コンビニエンスストア 20∼20m2/台 (20m2/台)
●施設面積の算定方法 施設面積の算定方法は、専ら利用者の利用に供する部分の床面積を基本とし、他都市事例を 参考に、表7の施設の用途の区分に応じ、それぞれ算定の範囲に掲げる部分の床面積を合計す るものとする。 ( 表 7 ) 施設の用途 算定の範囲 小売店舗 売場、売場間の通路、ショーウィンド、ショールーム、承り所、物品加工 修理場その他これらに類するもの 銀行 営業室、待合室、ロビー、応接室、ショーウィンド、現金自動支払機設置 室その他これらに類するもの 遊技場 遊技室、景品交換所その他これらに類するもの 学習施設 教室、講堂、実習室、図書室、資料室その他これらに類するもの 飲食店 客席、待合室、調理室、ショーウィンドその他これらに類するもの 映画館・劇場 客席、ロビーその他これらに類するもの カラオケボックス 個室、待合室、売店その他これらに類するもの スポーツ施設 競技場、運動場、練習場、更衣室、浴室、シャワー室、休憩室、観覧席そ の他これらに類するもの 病院 待合室、診療施設、病室、検査施設、会計場所その他これらに類するもの レンタルビデオ店 売場、売場間の通路、ショーウィンド、承り所その他これらに類するもの 郵便局 営業室、待合室、ロビー、応接室、ショーウィンド、現金自動支払機設置 室その他これらに類するもの 官公署等 待合室、応接室、会議室、集会室、実習室、図書室、資料室、展示室その 他これらに類するもの コンビニエンスス トア 売場、売場間の通路、ショーウィンド、承り所その他これらに類するもの
●自転車駐車場の設置場所 自転車駐車場の設置場所については、標準条例および他都市の多くが「当該施設若しくはそ の敷地内又は当該施設の敷地に到達するために歩行する距離がおおむね50メートル以内であ る場所」と規定している。 敷地内に設置することが望ましいものの、用地制約などにより敷地内に設置することが困難 な場合もあることから、本市においてもこれに準じるものとする。 ●自転車駐車場に収容すべき自転車等のうち原動機付自転車の台数 標準条例や他都市の多くは、設置しなければならない自転車駐車場に収容すべき自転車等の うち原動機付自転車の台数についての規定がないが、実態調査によると、駐車台数のうち原動 機付自転車の占める割合は約2∼7%であることから、10%以上は原動機付自転車の台数と する。
○混合用途施設に係る自転車駐車場の規模 第5条 別表第1(ア)欄に掲げる用途のうち2以上の用途に供する施設(以下「混合用途施設」 という。)の新築については、前条第1項の規定にかかわらず、当該用途ごとに同表(ウ)欄に 掲げる割合により算定した台数を合計した台数(その台数に 1 台未満の端数があるときは、これ を切り上げた台数)が20台以上である場合に、その合計した台数の自転車等を駐車することが できる規模の自転車駐車場を同項の規定により算定した規模の自転車駐車場とみなして、同条の 規定を適用する。 混合用途施設については、標準条例に倣い、施設の規模に関わらず、設置基準により算定し た台数の合計が20台以上の場合に適用するものとする。 【計算例】 250m2の飲食店、200m2のレンタルビデオ店を1の施設として 新築する場合 m2 m2 15 m2/台 20 m2/台 ※算定した台数の合計が20台以上のため附置義務を適用 17 + 250 + 200 = 10 = 27 台
○大規模施設に係る自転車駐車場の規模 第6条 施設面積が5,000平方メートルを超える施設(混合用途施設を除く。)の新築につ いては、第4条第1項の規定にかかわらず、施設面積のうち5,000平方メートルまでの部分 について別表第1(ウ)欄に掲げる割合により算定した台数に、施設面積のうち5,000平方 メートルを超え10,000平方メートルまでの部分について同欄に掲げる割合により算定した 台数に2分の1を、施設面積のうち10,000平方メートルを超える部分について同欄に掲げ る割合により算定した台数に4分の1をそれぞれ乗じて得た台数を加えた台数(その台数に 1 台未満の端数があるときは、これを切り上げた台数)の自転車等を駐車することができる規模の 自転車駐車場を同項の規定により算定した規模の自転車駐車場とみなして、同条の規定を適用す る。 2 混合用途施設で各用途の施設面積の合計(以下この項において「合計面積」という。)が5, 000平方メートルを超えるものの新築については、前条の規定にかかわらず、施設面積のうち 5,000平方メートルまでの部分、5,000平方メートルを超え10,000平方メートル までの部分又は10,000平方メートルを超える部分(以下この項において「施設面積区分」 という。)それぞれについて、合計面積に対する各用途の施設面積が占める割合で当該各用途の 施設が存するものとみなして、施設面積区分及び当該用途ごとに前項の算定方法を用いて算定し た規模の自転車駐車場を同条の規定により算定した規模の自転車駐車場とする。 標準条例に関する国からの通達に「大規模施設については、国で行った調査の結果によって も駐車需要が逓減する傾向があることから、駐車場の設置の義務を軽減する特例を設けること が適当である」との留意点が示されており、標準条例および他都市のほとんどが、施設面積が 5,000m2を超える施設に対し設置基準を緩和する特例措置を表8のように規定しているこ とから、本市においてもこれに準じるものとする。 標準条例に規定している基準を適用すると実態に即さないケースもあることから、本市にお ける緩和基準については、他都市事例や実態調査の結果を踏まえ、表9のとおりとする。
大 規 模 建 築 物 の 緩 和 基 準 の 他 都 市 事 例 ( 表 8 ) 施設面積 ∼5,000m2 5,000m 2∼ 10,000m2 10,000m 2∼ 都市名 − 2 分の 1 標準条例および 仙台市ほか − 2 分の 1 4 分の 1 川崎市、名古屋市 − 2 分の 1 3 分の 1 京都市 緩和基準 − 3 分の 2 岡山市 大 規 模 建 築 物 の 本 市 の 緩 和 基 準 ( 表 9 ) 施設面積 ∼5,000m2 5,000m 2∼ 10,000m2 10,000m 2∼ 緩和基準 − 2 分の 1 4 分の 1
大 規 模 建 築 物 に お け る 集 中 台 数 ( 実 態 調 査 よ り ) ( 表 1 0 ) 算定値(台) 施設名 施設面積 (m2) 標準条例 京都市 大阪市 川崎市 名古屋市 集中台数 (台) 小売店舗1 12,241 432 413 404 403 小売店舗2 12,303 433 414 404 134 小売店舗3 12,932 449 424 412 301 小売店舗4 14,203 481 446 428 216 小売店舗5 16,495 538 484 457 306 小売店舗6 16,747 544 488 460 147 小売店舗7 17,814 571 506 473 266 小売店舗8 22,214 681 579 528 277 病院1 10,374 257 255 254 150 病院2 12,532 293 279 272 178 病院3 14,130 319 296 285 118 病院4 14,252 321 298 286 69 病院5 14,391 324 299 287 126 病院6 15,324 339 310 295 165 病院7 15,731 346 314 298 123 病院8 17,749 380 337 315 156 病院9 19,616 411 357 331 206 病院10 45,239 838 642 544 335 病院11 47,691 879 669 565 151
小 売 店 舗 に お け る 施 設 面 積 と 駐 車 需 要 ( 図 2 ) 施設面積と駐車需要 0 100 200 300 400 500 600 700 800 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 施設面積(m2) 駐車需 要 ( 台 ) 集中台数(実態調査) 標準条例 京都市 大阪市(川崎市、名古屋市と同じ) 病 院 に お け る 施 設 面 積 と 駐 車 需 要 ( 図 3 ) 施設面積と駐車需要 0 100 200 300 400 500 600 700 800 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 施設面積(m2) 駐車需 要 ( 台 ) 集中台数(実態調査) 標準条例 京都市 大阪市(川崎市、名古屋市と同じ)
【計算例】
12,000m
2の小売店舗を新築する場合
m
2m
21
m
21
20 m
2/台
20 m
2/台
2
20 m
2/台
4
台
(5,000m2まで) (5,000m2超え10,000m2まで) (10,000m2超え)+
2,000
×
=
5,000
+
5,000
×
400
【計算例】
4,000m
2の小売店舗、2,000m
2の病院を1の施設として
新築する場合
m
2+
m
2=
m
2(小売店舗)
m
2m
2m
2m
21
20 m
2/台
m
220 m
2/台
m
22
(病院)
m
2m
2m
2m
21
30 m
2/台
m
230 m
2/台
m
22
合計 = ① + ② = 184 +
62 = 246 台
(5,000m2まで) (5,000m2超え10,000m2まで)=
62 台
②
1,000
×
2,000
×
6,000
5,000
×
2,000
+
6,000
(5,000m2まで) (5,000m2超え10,000m2まで)= 184 台
①
×
4,000
×
6,000
6,000
4,000
2,000
6,000
5,000
×
4,000
+
1,000
○施設を増築又は改築する場合の自転車駐車場の設置 第7条 次の各号に掲げる増築又は改築(以下「増築等」という。)をしようとする者は、当該 増築等をした後の施設(平成22年10月1日前に建てられた部分及び施設の新築又は増築等の 工事が着手された部分を除く。)をすべて新築するものとみなして第4条から前条までの規定に より算定した自転車駐車場の規模から、現にこの条例により設置されている自転車駐車場の規模 を控除した規模の自転車駐車場を設置しなければならない。 (1)別表第1(ア)欄に掲げる用途に供する施設で同表(イ)欄に掲げる規模となる増築等又 は当該施設で当該規模のものについての増築等 (2)混合用途施設となる増築等又は混合用途施設についての増築等で、当該増築等をした後の 施設をすべて新築するものとみなして当該用途ごとに同表(ウ)欄に掲げる割合により算定 した台数を合計した台数(その台数に 1 台未満の端数があるときは、これを切り上げた台数) が20台以上である場合に係るもの 施設を増築等する場合については、標準条例に倣い、増築等をした後の施設全体の駐車需要 が20台以上の場合に適用するものとし、施設すべてを新築するものとみなして算定するもの とする。 ただし、不遡及の原則に従い、条例施行後6ヶ月(経過措置)より前に新築または増築等の 工事が着手された部分については適用されないものとする。
【計算例】
条例適用前に建てられた300m
2の飲食店を500m
2に増築する場合
500m
2>300m
2なので附置義務はあるが適用前に建てられた部分は除くため
500 m
2− 300 m
2m
2/台
= 14 台
15
【計算例】 条例適用後に建てられた500m2の小売店舗を900m2に増築する場合 (新築時) (増築時) m2 m2 20 m2/台 20 m2/台 新築時設置分を控除するため 45 − 25 = 20 台 →増設 500 = 25 台 900 = 45 台○住宅施設及び事務所における自転車駐車場の設置 第8条 指定区域内において、別表第2(ア)欄に掲げる施設を新築しようとする者は、同表(イ) 欄に掲げる割合により算定した台数(その台数に 1 台未満の端数があるときは、これを切り上げ た台数)以上の自転車等を駐車することができる規模の自転車駐車場を当該施設若しくはその敷 地内に設置しなければならない。 2 別表第2に規定する施設の定義は、規則で定める。 3 第1項の規定により設置しなければならない自転車駐車場に収容すべき自転車等の必要台 数(以下この項において「必要台数」という。)のうち原動機付自転車の台数は、必要台数に1 0分の1を乗じて得た台数(その台数に 1 台未満の端数があるときは、これを切り上げた台数) 以上とする。 4 別表第2(ア)欄に掲げる施設となる増築等又は当該施設についての増築等をしようとする 者は、当該増築等をした後の施設(平成22年4月1日前に建てられた部分及び平成22年10 月1日前に施設の新築又は増築等の工事が着手された部分を除く。)をすべて新築するものとみ なして前3項の規定により算定した自転車駐車場の規模から、現にこの条例により設置されてい る自転車駐車場の規模を控除した規模の自転車駐車場を設置しなければならない。 別表第2(第8条関係) (ア) (イ) 施設の種類 自転車駐車場の規模 共同住宅 ワンルーム形式住戸数1住戸までごとに0.7台 ファミリー形式住戸数1住戸までごとに1台 事務所 専用面積が35平方メートル以下の区画数1区画までごとに 0.7台 専用面積が35平方メートルを超える区画数1区画までごと に1台
●施設の種類 標準条例や他都市の多くは、共同住宅や事務所についての規定がない。 しかしながら、近年、自転車利用の増加に伴って、十分な駐輪スペースを確保していない共 同住宅などの周辺における放置自転車が社会問題化している。 これまで、大阪市では「大阪市ワンルーム形式集合建築物に関する指導要綱」、「大阪市共同 住宅の駐輪施設に関する指導要綱」および「大規模建築物の建設計画の事前協議に関する取扱 要領」に基づき一定の指導を行なってきたところであるが、自転車駐車場の附置をより実効性 の高いものとするため、共同住宅などについても附置義務条例の対象とする。 施設の種類およびその定義については、表11のとおりとする。 ( 表 1 1 ) 施設の種類 施設の定義 共同住宅 一区画ごとに浴室(シャワー室を含む。)、便所及び台所(湯沸場を含む。)を設 けた形式の住宅を複数有する建築物 ・専用面積が35平方メートル以下の住宅を「ワンルーム形式住戸」という ・専用面積が35平方メートルを超える住宅を「ファミリー形式住戸」という 事務所 一区画ごとに便所若しくは台所(湯沸場を含む。)を設けた形式の事務所を複数 有する建築物
●施設の規模および自転車駐車場の規模 共同住宅などにおける自転車の駐車は、長時間に及び一時的な放置に留まらないことから、 すべての施設を対象とする。 また、自転車駐車場の規模については、共同住宅などに係る指導要綱を今年4月に改正又は 制定したところであり、これら指導要綱の基準を準拠するものとする。 ●自転車駐車場の設置場所 自転車駐車場の設置場所については、現行の指導要綱の基準を準拠し、当該施設もしくはそ の敷地内とする。 ●自転車駐車場に収容すべき自転車等のうち原動機付自転車の台数 自転車駐車場に収容すべき自転車等のうち原動機付自転車の台数については、現行の指導要 綱の基準を準拠し、10%以上は原動機付自転車の台数とする。 ●施設を増築又は改築する場合の自転車駐車場の設置 施設を増築等する場合については、条例第7条と同じく、不遡及の原則に従い、条例施行後 6ヶ月(経過措置)より前に新築または増築等の工事が着手された部分については適用されな いものとする。
○既存施設の設置者の努力義務 第9条 別表第1(ア)欄又は別表第2(ア)欄に掲げる用途に供する施設で平成22年10月 1日前に建てられた部分及び施設の新築又は増築等の工事が着手された部分を設置している者 は、当該施設の利用者等による自転車の駐車需要に応じるため、当該施設をすべて新築するとみ なして第4条から第6条又は第8条の規定(第8条第4項を除く。)により算定した規模の自転 車駐車場を設置するよう努めなければならない。 既存施設については不遡及の原則により附置義務の対象とはならないが、これら施設につい ても本質的には附置義務の対象になる自覚を促すために努力義務を規定するものである。 ○景観への配慮 第10条 第4条から第8条までの規定により設置される自転車駐車場は、周辺環境との調和を 図り、都市景観に配慮するよう努めなければならない。 自転車駐車場の配置にあたっては、都市景観を損なうことのないよう、機能面だけでなく景 観面にも十分配慮するものとする。 ○自転車駐車場の構造及び設備 第11条 第4条から第8条までの規定により設置される自転車駐車場の構造及び設備は、利用 者の安全が確保され、かつ、自転車等が有効に駐車できるものでなければならない。 2 前項に定めるもののほか、自転車駐車場の構造及び設備について必要な技術的基準は、規則 で定める。 構造や設備については、自転車用スペースは1台につき幅0.5m、奥行き2.0m程度、 原動機付自転車用スペースは1台につき幅0.8m、奥行き2.0m程度を標準とすることな ど、規則でこれら標準的な考え方を規定する。
○自転車駐車場の位置及び利用方法の表示 第12条 第4条から第8条までの規定により自転車駐車場を設置する者は、利用者が当該自転 車駐車場を容易に利用できるようその位置及び利用方法を表示しなければならない。 2 前項に定めるもののほか、自転車駐車場の位置及び利用方法の表示について必要な技術的基 準は、規則で定める。 自転車駐車場を附置するだけで、その位置等を利用者が十分認知しなければ、結果として放 置自転車の解消にはつながらないため、表示についても義務付けるものとする。 また、わかりやすい表示にするため、規則で統一的な表示方法について規定する。 ○自転車駐車場の設置の届出 第13条 第4条から第8条までの規定により自転車駐車場を設置しようとする者は、あらかじ め、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を市長に届け出なければならない。届け出た事 項を変更しようとする場合も同様とする。 (1)氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地) (2)施設の用途及び施設面積等 (3)自転車駐車場の位置及び規模 (4)自転車駐車場の構造及び設備 (5)その他規則で定める事項 2 前項の届出に際しては、自転車駐車場の位置図その他規則で定める図書を提出しなければな らない。 ○自転車駐車場の管理 第14条 第4条から第8条までの規定により設置された自転車駐車場の所有者又は管理者は、 当該自転車駐車場をその目的に適合するように管理しなければならない。
○立入検査等 第15条 市長は、この条例の規定を施行するため必要な限度において、施設若しくは自転車駐 車場の所有者若しくは管理者から報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員をして施設若し くは自転車駐車場に立ち入り、若しくは検査をさせることができる。 2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求が あったときは、これを提示しなければならない。 3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはなら ない。 附置義務条例の施行のため、報告もしくは資料の提出を求め、または立入検査ができる旨に ついて規定するものである。 ただし、立ち入りにおける令状主義に従い、条例を施行するため必要な限度においてのみ令 状がなくとも立ち入ることができる旨について規定する。このため、令状のない立ち入りは、 犯罪捜査のために認められたものではない。 ○措置命令 第16条 市長は、第4条から第8条、第11条、第12条又は第14条の規定に違反した者に 対して、相当の期限を定めて、自転車駐車場の設置、原状回復その他当該違反を是正するために 必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 2 前項の規定による措置の命令は、その命じようとする措置及び理由を記載した措置命令書に より行うものとする。 附置義務条例の公正かつ厳正な施行のため、違反者に対しては違反是正の措置命令を行うこ とができる旨について規定するものである。
○公表 第17条 市長は、次の各号のいずれかに該当するときは、その旨を公表することができる。 (1)第13条第1項の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をしたとき (2)第15条第1項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しく は資料の提出をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき (3)前条第1項の規定による市長の命令に従わなかったとき 公表される者に対する制裁効果に加え、違反行為の抑止効果を期待できることから、市長の 判断により違反行為について公表できる旨を規定するものである。 ○罰則 第18条 第16条第1項の規定による市長の命令に従わなかった者は、500,000円以下 の罰金に処する。 2 第15条第1項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは 資料の提出をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、200,0 00円以下の罰金に処する。 3 第13条第1項の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をした者は、100,000 円以下の罰金に処する。 第19条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は 人の業務又は財産に関し、前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又 は人に対しても前条の罰金刑を科する。 地方自治法第14条第3項によると「普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを 除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、二年以下の懲役若しくは禁錮、百万円以 下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は五万円以下の過料を科する旨の規定を設けること ができる。」とあり、附置義務条例は、市民や事業者に対して一定の制限を課すものであること
罰金の限度額について、地方自治法によれば100万円以下の罰金を規定できるとされてお り、条例に実効性を持たせるためには限度額をできるだけ高く規定することも必要であるが、 周辺都市(京都市、神戸市)の事例や本市における自動車および自動二輪車駐車場の附置義務 条例(大阪市建築物における駐車施設の附置等に関する条例)の規定を踏まえ、条例第17条 のとおりとする。 なお、第18条は、従業者等が業務に関して違反行為を行なった場合に、その従業者等だけ でなく事業主(法人または個人)をも処罰する旨を規定するものである。 罰 則 規 定 の 他 都 市 事 例 ( 表 1 2 ) 措置命令違反 立入検査違反 届出違反 標準条例、岡山市、北 九州市、福岡市 10万円以下の罰金 3万円以下の罰金 3万円以下の罰金 札幌市、新潟市、名古 屋市 50万円以下の罰金 20万円以下の罰金 20万円以下の罰金 仙台市、川崎市、静岡 市、京都市、神戸市、 広島市 50万円以下の罰金 20万円以下の罰金 10万円以下の罰金 大 阪 市 建 築 物 に お け る 駐 車 施 設 の 附 置 等 に関する条例 50万円以下の罰金 20万円以下の罰金 −
○委任 第20条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。 ○附則 1 この条例は、平成22年4月1日から施行する。 2 平成22年10月1日前に施設の新築又は増築等の工事が着手された施設については、第4 条から第8条までの規定は、適用しない。 附置義務条例は平成22年4月1日から施行するものであるが、6ヶ月間は経過措置とする ものである。