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II (1) log(1 + r/100) n = log 2 n log(1 + r/100) = log 2 n = log 2 log(1 + r/100) (2) y = f(x) = log(1 + x) x = 0 1 f (x) = 1/(1 + x) f (0) = 1

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Academic year: 2021

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(1)

1

微積分

I

の復習

1.1

72

の法則

年利rパーセントで銀行にお金を預けたときに,元金が2倍になる年数の 近似値を簡単に求める方法があると,ある銀行員から教えられた.それは72 を年利で割ればよいのだそうだ.例えば,年利8パーセントならば72/8 = 9 と計算して,約9年経つと元利合計が2倍になると分るという.この根拠を 以下のように考えてみた. 元金をa0円とすると,1年後の元利合計a1はa1= a0(1 + r/100)と計算さ れる.そして,2年後の元利合計a2はa2= a1(1 + r/100) = a0(1 + r/100)2 と計算される.従って,n年後の元利合計はan = a0(1 + r/100)n となる. このana0の2倍となるnを求めればよいので,a0(1 + r/100)n= 2a0, すなわち, (1 + r/100)n= 2 (1) を満たすnが答えである.このnを求めるための指数関数と対数関数を使う 2通りの方法を紹介する. 最初は指数関数を使う方法.y = f (x) = exx = 0における1次のテー ラー近似,すなわち,接線の方程式を求めると,f′(0) = 1,f (0) = 1より y = x + 1であることは容易に分る.これはx≈ 0のときは,ex≈ x + 1が 成立していることを示している.従って,1 + r/100≈ er/100となるので,式 (1)より 2≈ (er/100)n = enr/100 をえる.両辺の自然対数をとると, nr 100 ≈ log 2 より, n≈ 100 log 2 r をえる.

(2)

次に対数関数を使う方法.式(1) の両辺の自然対数をとると,log(1 + r/100)n= log 2よりn log(1 + r/100) = log 2をえて,最終的に

n = log 2 log(1 + r/100) (2) をえるので,この式の右辺を求めればよい.関数y = f (x) = log(1 + x)を考 え,x = 0における1次のテーラー近似を求めてみると,f′(x) = 1/(1 + x) よりf′(0) = 1で,f (0) = log 1 = 0より,y = g(x) = xである.これは x≈ 0のときは,log(1 + x)≈ xが成立していることを示している.従って, 式(2)のlog(1 + r/100)r/100で置き換えても誤差は微小である.即ち, n≈ 100 log 2 r をえる. このように指数関数を使おうが,対数関数を使おうがnを表す同じ近似式 に到達した.ここで,高校の教科書の巻末にある常用対数表を参照すれば,

log 2 = log102/ log10e≈ 0.69を求まるので,

n≈ 69 r をえる.この69を72としたものが「72の法則」である.なぜ69を72にし たのだろうか.

1.2

需要の弾力性と対数関数

需要の弾力性は価格の変化率に対する需要量の変化率の比率をいう.率と 率の率という具合に複雑な概念だが,対数関数を使うことによりこれを簡潔 に表現し理解することができる.弾力性は英語でelasticityというので,それ をεで表すことにする.そして弾力性という概念は,価格ごとに決まるもも

(3)

ので価格を独立変数とする関数である.数式で表現すると ε(p) =需要量の変化率 価格の変化率 (3) =∆q q /∆p p (4) =∆q ∆p p q (5) となる.しかし,これは正確な表現ではなく,ここで独立変数pの変化分を 限りなく小さくしたときの極限値をε(p)と定義する.従って, ε(p) = lim ∆p→0 ∆q ∆p p q = f (p)p q (6) と定義する. ここで上記の価格の変化率や需要量の変化率に現れる「変化率」という概念 を詳しく見ていく.価格を例にとり,ある品物の価格が今10000円であったす る.この価格が10010円に変化したとする.このとき∆p = 10010−10000 = 10と計算されるので,その変化率は∆p/p = 10/10000 = 1/1000となる.一 方,価格が100円であるとき110円に変化したとすると,やはり価格の変化 分は∆p = 110− 100 = 10と計算され,初めのものと変化分は等しいが,そ の変化率は∆p/p = 10/100 = 1/10となり初めのものとは大きく違う.元々 10000円のものが10円値上がりしたとしても100円のものが10円値上がり することに比べてその影響度はかなり小さいと思われる.このように変化量 そのものの情報だけではなく,その時の価格の情報まで考えに入れてその変 化の影響の大きさを表す尺度として「変化率」の概念が用いられる. 今P = logepという関係で新たな変数P を価格を表す変数pから作った とする.このとき, ∆P 1 p∆p (7) が成立している.即ち価格の変化率は対数関数を経由して定義した変数P の 変化量におおよそ等しいということになる.同様にして需要量の変化率は, Q = logeqとして新たな変数Qを導入すると, ∆Q≈1 q∆q (8)

(4)

が成立する.よって,∆P∆pは限りなく小さくなるときにはどちらも同 時にそうなるので,需要関数の弾力性は ε(p) = lim ∆P→0 ∆Q ∆P (9) が成立することが予想される.これは分数の形をした導関数の表記では ε(p) = dQ dP = d(logef (p)) d(logep) (10) と表記されることが期待される.しかし,式(10)のd(logep)のlogepのと ころには微分すべき関数の独立変数となっていなくてはならない.本来は 変数P である.そして従属変数であるQf を使うとlogef (p)と表わさ れる.式(10)を正確に理解するためには,従属変数Qがどのようにして独 立変数P から決まるかはっきり理解する必要がある.変数Ppの関係は P = logepであることより,この逆関数を考えることにより,p = eP とな る.Q = logef (p)だから,p = eP Q = log ef (p)の合成関数を考えるこ とにより, Q = logef (eP) (11) となり,PQの関係を直接的に関数の形で捉えることができる.合成関数 の微分公式を2回適用することにより, ε(p) = dQ dP = 1 f (eP)f (eP)eP = p f (p)f (p) = p qf (p) (12) を得る.これは本節の最初に与えた弾力性の定義(6)と一致している. ここで弾力性の理解を定着させるために,具体的な関数を需要関数と見立 てて,その弾力性を計算してみる.R++ = (0,∞)を定義域とし単調減少な 関数として思い浮かぶ関数のひとつは q = f (p) = 1 p (13) である.この関数の弾力性は ε(p) = p 1/p(−1)p −2 =−1 (14)

(5)

と計算される.この結果をみると,この関数f の弾力性は定数関数の−1で あることが分かる.即ち,いかなる価格においても弾力性は−1と一定であ ることになる.

2

2

変数関数

微積分IIでは微積分Iの後を受けて2変数関数の微積分を扱う.2変数関 数は一般にz = f (x, y)と表される関数であり,ふたつの独立変数xyを もち,ひとつの従属変数をzをもつ.微積分Iで1変数関数の場合に注意し たように2変数関数でも独立変数や従属変数を表わす文字はxyzに限ら ずいかなる文字を使ってもかまわない.例えば,w = f (u, v)z = f (x, y) は同じ2変数関数を表している.2変数関数のグラフはx-y-z空間に浮かぶ 曲面となる.1変数と同様に独立変数のある値に注目し,そこから独立変数 を少し変化させたときに従属変数がどのくらい変化するかに興味がある.独 立変数はxyふたつあるためにそれぞれを微小に変化させることになる. 従って,従属変数zの変化分はxの変化分とyの変化分に依存することにな る.即ち,従属変数z の変化分∆zxの変化分∆xyの変化分∆yのな んらかの合成として表されると考える.1変数の微分係数の類推から,2変数 の場合は∆z∆xの何倍かと∆yの何倍かが足し合わされて作られるとす る.式で書くと ∆z ≈ α∆x + β∆y ということである.ここでαβをどのようにして求めるかということが問 題になる.この問題を考察するために細かく記述していく.まず,今ひとつ の独立変数xaという値を取っており,もうひとつの独立変数ybとい う値を取っているとする.xを微小に∆xだけ変化させx = a + ∆xとし,同 様にybからb + ∆yまで変化させる.このとき,従属変数zf (a, b)か らf (a + ∆x, b + ∆y)まで変化するので, ∆z = f (a + ∆x, b + ∆y)− f(a, b) となる.ここで,この講義に表われるすべての2変数関数については, ∆z ≈ α∆x + β∆y

(6)

となるαβをみつけられることが知られている.このαは関数z = f (x, y)xに関するx = ay = bにおける偏微分係数と一致しており,同様にβ は関数z = f (x, y)yに関するx = ay = bにおける偏微分係数に一致し ていることがわかっている.ここで偏微分係数という言葉は初めて出てきた が,それぞれxyに偏って考えた微分係数という意味合いがある.詳しい 解説は以下の節で述べる. 1変数のときは,微分係数を求めるときには導関数を求め,その独立変数に 注目している独立変数の値を代入することにより簡単に求めることができた. 2変数の場合も同様にxに関する偏導関数とyに関する偏導関数という2 つ の導関数を考える.そして,これらの偏導関数の独立変数に注目している独 立変数の値を代入することによりやはり偏微分係数を簡単に求めることがで きる.

3

偏微分

2変数関数の例をいくつかあげてみると, z = 3x + 4y− 5, z = x2+ y2, z = ex+2y2 など無数に考えることができる. 1変数関数のグラフは平面内の曲線となった が, 2変数関数のグラフは空間内の曲面になることは納得できるだろうか. こ の文章の中には図はほとんど表れないが, 文章を読みながら,自分なりの図形 的なイメージを膨らませることが肝要である. 一般の2変数関数は z = f (x, y) と表記できることはいいだろう. xyがこの関数の独立変数であり, zが従 属変数である. この関数の微分を考察するということは, 2つの独立変数を変 化させたときに, この関数によりその値が必然的に決定される従属変数zの 変化の様子を調べるということである.このような2変数を同時に動かした ときのzの変化をとらえるための考察は後に扱うが,その準備として偏微分 の概念をここでは学ぶ.

(7)

2変数関数z = f (x, y)(x, y) = (a, b)におけるxに関する偏微分係数と は,独立変数ybに保ったまま独立変数xのみをaから変化させたときの 微分係数のことをいう.即ち,x = aからx = a + ∆xまでxを変化させると そのときの従属変数zz = f (a, b)からz = f (a + ∆x, b)に変化するから, ∆z = f (a + ∆x, b)− f(a, b) である.よって,(x, y) = (a, b)におけるxに関する偏微分係数は極限 lim ∆x→0 ∆z ∆x (15) となる.これは,xの1変数関数z = f (x, b)を考え,そのx = aにおける微 分係数を考えたものに他ならない.これを記号では ∂z

∂x(a, b)またはfx(a, b)またはzx(a, b)

とかく. 同様にy に関する偏微分係数も定義される. このようにして各点 (a, b)で2種類の偏微分係数が定義されるので,点(a, b)にその点の偏微分係 数を対応させる関数が新たに2つ考えられ,xに関する偏導関数とyに関す る偏導関数を定義することができる. これらはそれぞれ zx= fx(x, y), zy= fy(x, y)または ∂z ∂x, ∂z ∂y と表記される. また, x(またはy)に関する偏導関数をもとめることをx(また はy)に関して偏微分するという. 実際に偏微分することは簡単であり,いままでの1変数の微分法の知識を すべて援用することができる.xに関する偏微分をするには独立変数yを定 数とみなしxのみを変数として微分すればよいことになる. 具体的に関数z = xy2を使いxに関する偏導関数を求めてみる.yを定数 とみるので,z = (y2)xとみなしy235といった定数と思い,xに関し て微分するとy2をうる.これがxに関するzの偏導関数である.すなわち, zx= y2あるいは ∂z ∂x = y 2

(8)

である.yに関する偏導関数については,xを3や5といった定数とみなし, yについてzを微分すると2xyとなる.よって, zy= 2xyあるいは ∂z ∂y = 2xy である.さらに,(x, y) = (3, 2)における各偏微分係数は ∂z ∂x(3, 2) = 2 2= 4, ∂z ∂y(3, 2) = 2× 3 × 2 = 12 である.

演習

1

次の2変数関数の偏導関数を求めなさい. 1. z = ax + b cy + d zx=cy+da , zy= c(ax+b) (cy+d)2 2. z = x2− xy + y2 zx= 2x− y, zy=−x + 2y 3. z = y 1 + x2 zx=(1+x2xy2)2, zy =1+x12 4. z = xex+y

zx= (1 + x)ex+y, zy= xex+y

5.

z = xey− yex

(9)

6. z = y log(x2+ y2+ 1) zx=x2+y2xy2+1, zy= log(x2+ y2+ 1) + 2y 2 x2+y2+1

4

2

変数

1

次関数の微分

2変数1次関数はz = f (x, y) = mx + ny + lというかたちの関数である. そして,この関数のグラフは空間に浮かぶ平面となる.これは1変数1次関数 関数y = f (x) = mx + nの2変数版である.y = f (x) = mx + nのグラフは 平面内の直線であった.簡単に計算できるようにfx(x, y) = mfy(x, y) = n が成立している.このように1次関数z = f (x, y) = mx + ny + lxに関 する偏微分係数はいたるところでmであり,yに関する偏微分係数はいたる ところでnである. 1次関数について独立変数の値x = 3, y = 2に注目して微分の議論を進め る.独立変数xを3から少し変化させ3 + ∆xまで動かし,もうひとつの独立 変数yも2から2 + ∆yまで変化させたとする. このとき,従属変数zの変化 分を計算すると ∆z = (m(3 + ∆x) + n(2 + ∆y) + l)− (3m + 2n + l) (16) = m∆x + n∆y (17) となる.ベクトルと内積を使ってかくと, ∆z = (m, n)· (∆x, ∆y) (18) である.一般に関数z = f (x, y)(a, b)における偏微分係数を並べたベク トル (fx(a, b), fy(a, b))z = f (x, y)(a, b)における微分係数といい

(10)

で表わす.また,変化分を並べたベクトル(∆x, ∆y)∆X と表し,ベクト ル(a, b)Aと表わすことにすると,式(18)は ∆z = f′(A)· ∆X (19) と表現できるが,これは1変数の1次関数で成立する式と同じ形をしている. 式(17),(18),(19)はすべて同じ内容を表しているが,これらの式は1次関 数z = f (x, y) = mx + ny + l(x, y) = (a, b)における,あるいはベクトル でかくと,X = Aにおける微分式と呼ばれる.

5

一般の

2

変数関数の微分

具体的に関数z = xy2を使い,独立変数の値x = 3, y = 2に注目して議論 を進める. 1変数の微分の議論を思い出しながら考えてほしい. 独立変数xを 3から少し変化させ3 + ∆xまで動かし, もうひとつの独立変数y も2から 2 + ∆yまで変化させたとする. このとき,従属変数zの変化分を計算すると ∆z = (3 + ∆x)(2 + ∆y)2− 3 × 22 (20) = 4∆x + 12∆y +{3(∆y)2+ 4∆x∆y + ∆x(∆y)2} (21)

となる. 最後の式の第3,4,5項はxまたはyの変化分を2こから3こかけあ わせているので第1,2項に比べるとかなり小さいと考えられる. 1変数関数の 微分式を思い出すと,第1,2項はこの式の主要部とみなすことができる. そし て,第3項以下まとめて誤差とみなすことができるだろう. このことより,2 変数関数z = xy2の微分式は ∆z≈ 4∆x + 12∆y (22) となる. この式は従属変数zの変化分∆zはおおよそ4∆x + 12∆yに等しい ということを表している. 以上のことをふまえて一般の2変数関数の微分式の定義をしよう. 関数 z = f (x, y)x = a, y = bにおける(あるいは, ベクトル記法をつかい (x, y) = (a, b)における)微分式とは, ∆z ≈ α∆x + β∆y (23)

(11)

なる形の式のことをいう. 伝統的にこの2変数関数の微分式は全微分という 名でよばれている. ∆z∆xα倍し, ∆yβ倍し足し合わせることによりおおよそ計算 できるのである. 数αβ は1変数関数の微分係数に当るわけだが, この 2つが一緒になって2変数関数の微分係数の役割をしているので, やはりベ クトル記法でまとめるほうが理解しやすい. そこで, ベクトル(α, β)を関数 z = f (x, y)(x, y) = (a, b)における微分係数とよび記号f′(a, b)で表す. このように2変数関数の微分係数は単なる数ではなく, ベクトルであること に注意しよう. この(α, β)は伝統的には(a, b)におけるz = f (x, y)の勾配あ るいは傾きとよばれており,伝統的な記号では∇f(a, b)と表記される. 独立変数のベクトル(x, y)X,注目するxyの値を表すベクトル(a, b)A, 独立変数の変化分を表すベクトル(∆x, ∆y)∆Xと表記することに すれば,微分式(23)は ∆z ≈ f′(A)· ∆X (24) と表記されることになり, 1変数関数の微分式と形式上は全く同じとなる. こ のようにベクトルを使うことにより本質的な部分が浮き彫りになるのである. 関数z = xy2のように簡単な多項式関数ならば, 独立変数の変化分∆z その定義どおりに計算することにより微分式を求める,すなわち微分係数を求 めることができたが,複雑な関数ではそうはいかない. そこで微分係数を求め る技術を開発しなくてはならないが,それはすでに勉強済みであり偏微分で ある. 2変数関数z = f (x, y)(x, y) = (a, b)におけるxに関する偏微分係数と は,極限 lim ∆x→0 f (a + ∆x, b)− f(a, b) ∆x (25) のことであった. 記号では∂z/∂x(a, b)またはfx(a, b)とかいた. この定義か ら明かだと思うが,これはxの1変数関数f (x, b)を考えそのx = aにおける 微分係数に他ならない. 同様にyに関する偏微分係数も定義される. このよう にして各点(a, b)で2種類の偏微分係数が定義されるので点(a, b)にその点 の偏微分係数を対応させる関数を新たに考えることができ, 1変数関数の導関 数と同様にxに関する偏導関数と, yに関する偏導関数を定義することができ

(12)

た. これらはそれぞれ zx= fx(x, y), zy= fy(x, y)または∂z/∂x, ∂z/∂y と表記された. また, x(またはy)に関する偏導関数をもとめることをx(また はy)に関して偏微分するというのであった. ここで, z = f (x, y)(x, y) = (a, b)における微分式をもういちどながめ てみよう. ∆z ≈ α∆x + β∆y. (26) 独立変数x,yをそれぞれa,bから変化させる仕方はいろいろ考えられるが, y は変化させずにbのままにし, xだけaからa + ∆xまで変化させることにし てみよう. すなわち, ∆y = 0とするのである. このとき, 微分式は ∆z ≈ α∆x (27) となり, yの値をbに固定してxのみを独立変数とする1変数関数f (x, b)x = aにおける微分係数はαということになる. 即ち, αz = f (x, y)(x, y) = (a, b)におけるxに関する偏微分係数に他ならない. 同様の考察よ り, βz = f (x, y)(x, y) = (a, b)におけるyに関する偏微分係数に他な らない. 具体的には, z = xy2のxに関する偏導関数は∂z/∂x = y2, yに関する偏 導関数は∂z/∂y = 2xyである. よって, (x, y) = (3, 2)におけるそれぞれの偏 微分係数はこれを上の2式に代入することにより, 4と12と計算できるが,こ れは式(22)から得られる微分係数(4, 12)と一致していることに注意しよう. このように2変数関数の微分係数を求めるには,注目する点でのxに関す る偏微分係数とyに関する偏微分係数を求め並べてベクトルをつくればよい ことになる. 従って, (x, y) = (a, b)における微分係数,すなわち勾配は

f′(a, b) =∇f(a, b) = (fx(a, b), fy(a, b))

となる.

(13)

(a, b)における微分式は

∆z≈ f′(a, b)· ∆X (28)

= (fx(a, b), fy(a, b))· (∆x, ∆y) (29)

とかけることになる. さらに, この微分式は次の形に書くこともあるが, その

意味は1変数関数の微分式の相当するものから容易に判断することができる

だろう.

dz = f′(a, b)· dX (30) = (fx(a, b), fy(a, b))· (dx, dy) (31) = fx(a, b)dx + fy(a, b)dy (32)

参照

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