高齢者を対象とした地域保健活動におけるTimed Up & Go Testの有用性

理 学 療 法 学 　第

33

巻 第

3

号 　

105

〜

］］1頁 （2006年）

研 究 報 告

高齢 者

を

対 象

と した 地 域

保 健

活動

に

お け

る

　　　

Timed

　

Up

_＆

Go

　

Test

の

有

_用

性

＊

島

田

裕

之

1

’

2）＃

杉 浦

美 穂

1｝

吉

出

祐 子

P

占 名

丈 人

3）

吉 田 英 世

1）

西

澤

　

哲

1）

大 渕

修

・

D

金

　

憲

　

経

1）

鈴

木

隆

雄

D

要 旨

　

本 研 究

で は

，

地 域

在

fi

：の

高齢 者

を

対 象

と し て

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

を実 施

し

，

性 差

と

加 齢 変化 を 調

べ た

。

ま た

，

転 倒

，

活 動 性

，

健 康

感 との 関 係 を 調べ

，

高 齢 者

の地

城 保 健 活 動

に お

け

る

Tilned

　

Up

＆

Go

Test

の

有

川

性

を

検 討

し た

、

対

象

は 地 域 在 住 高 齢 者

959

名であ り

，

平 均

年

齢

74

，

8

歳

（

6595

歳

）

，

男 性

396

名

，

女 性

563

名

であっ た

。

検

査 お よ び

調

査 項

H

は

，

身

体 機

能 検 査

と し て

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

，

歩 行 速

度

，

握 力

，

膝

fllr

展 筋 力

，

　

Functional

　

Reach

　

Test

を 実

施

した

。

質

問

紙 調 査

は

過 去

1

年 問

の

転 倒 状 況

，

外 出

頻 度

，

運

動 習 慣

，

趣

味

，

社 会 活 動

，

主 観 的 な 健 康 感 を聴 取 し た

。Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

を

5

歳

の

年齢 階

級 別

に

男 女差

を

調

べ た

結 果

，

す

べ て の

年 代

に おい て男 性 が 有 意 に 速い

値

を 示 し た

。

加 齢 変 化 を

み る と

男 女

と

も

70

歳 未 満

と以 上の

各

年代

に

有

意 差 を 認 め た

。

男

性

におい ては

他

の

年 齢 階級 間

に

有 意 差

は

認

め ら

れ な

か っ た

、

．一

方

，

女

性

で は

70

−

74

歳 と

80

−

84

歳

，

85

歳 以 上

，

お よ び

75

−

79

歳 と

80−84

歳

の 閲

，

8

 

一

84

歳

と

85

歳

以 上の

年 代 問

におい て

有 意

差 を

認

め た

。

転 倒

，

活動

性

，

健

康

感 との関

係

で は，

転 倒 状 況

，

外 出頻 度

，

運

動

習

慣

と

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

の

有

意 な 関 係 が 認 め ら れ た

。

以 上の 結 果 か ら

，

高 齢 者

に お

け

る

Timed

Up

＆

Go

　

Test

は

性

差 と

加

歯

1

｝に よる低 下 が 明 ら か と なっ た

。

ま た

，

転 倒

，

外 出 頻 度

，

運

動

習

慣

と

密 接

な

関

係 が 示 され

，

地 域 保 健 活 動

の

評 価 指 標

と して の

有

川

性

が

確

認 さ れ た

。

キ

ー

ワ

ー

ド

　Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

，

_{高 齢 者}

，

歩 行 機 能

，

地 域 保 健

，

転

倒 緒 言

　 高齢 者

に お

け

る

介護

を 要 する状 態になっ た 原 因 を み る と

，

約

4

割 が 高 齢

による

衰弱

，

骨 折

・

転 倒

，

認 知

症 とい っ た

高齢 期

に

出現 す

る

特 有

な 症

状

であ る

老 年

症

候

群 に よ っ て

要 介 護 状 態

に

陥

っ てい る 1 ）

_。

こ の傾 向 は

75

歳 以

L

の

後 期 高齢 者

において

，

よ

り顕 著

と な る

傾 向

を

示

す た め

，

＝

　Timed 　Up ＆Go　Test　is　a　Usc…ful　Xssessment　Toc｝L　tor　Comm しmLty

　 Health　in　Elderly　Pe〔〕ple

1） 東 京 都 老人総 合 研究所

　 （〒 173

−

0015 東 亰 都板 橋 区栄町352 ）

　 Hiroyuki　Shlniada

、

　PhD

，

　RPT

、

　Shuichi　Oblldli

，

　PhD

．

　RPT

，

　Miho

　 Sugiura

、

　MS

，

　Hldeyご〕Yoshida

，

　MD

，

　Kiln　Ho［1gyon

，

　PLID

．

　Yuko

　 Yoshida

，

　PhD

．

　Satr，shi 　Nishizawそし

．

　Pl1D

，

　Trtkrt〔，　Suzuki

，

　MD ：Toks

，

o

　 Pt

’

reしropoL 〔tan 　Tnst［tu匸c　〔〕f　（｝e「ontolog ｝

「

2｝日本 学 術 振 興 会 特 別 研究員

　 Hirり 、uki 　Shim匸髦da

，

　PhD

，

　RPT

．

　Resear〔

・

h　Fdbw 　of しhe　

Japan

　 SocleLv　for　thc　Prご，motio1 ／〔〕f　S〔

・

ienI：e

3）札 幌

1

矢科 大学 保 健 医 療 学 部理学 療 法 学 科

　 TukeLo 　Furuna

，

　MS

．

　RPT： Dcpartmcmr　of　Physic｝11　Therapy

．

　 Seh〔，oh ）f　Health　Sciences

．

　SapPQro　MedicaLτ

『

niversity

＃_E

．

_mail ：s丘limada ＠tmig

．

or

．

jp

　 （受付

1

［ 2005 年 8 月 15冂　 受理 口　2006年a月11目 〕

後

期

高 齢

期 に は 老

年

症 候 群の 予

防

に

焦 点

を

あ

て た

保 健

，

福 祉

，

医 療 活 動 が

重

大 な 課 題で

あ

る と

考 え

ら れる。

　

老 年 症 候 群の予 防の ため には

高 齢 者

の

活 発

な

活 動

の

保

持

が 重 要 で あ り， 社

会

との 関わ りの

中

で

高 次 な活 動

を

維

持 す ること が 必 要 と さ れ る21

。

こ の よ

う な活 動

の

基 礎 能

力 と して歩 行 機 能 は 重 要であるが

，

高齢 期

に は

早期

か ら 歩

行

能 力 低 下 が 顕

在 化

する こ と が

知

ら れ てい る／1）4）

。

こ の歩 行

能 力

の

低

1・

．

は

高 齢 者

の

活 動 範 囲 を 制

i

垠

し

，

ADL

や

QOL

低 ド［t ア）

，

施 設 入 所 や 死 亡とも 関

係 す

る た め9：／9）

，

高 齢

者の健

康

増

進

や

介 護

予 防

事 業

を

展

開

す

る と きに は

，

歩 行 能

力

の

向

ヒに

焦 点 を あ

て

，

対

．

象 者

の

歩 行 機 能 を適 切

に評 価 す ること が 重 要 で あ ると考 え ら れる

。

　

現

在

行 わ れてい る歩 行

検 査

に は_，

実 験

室で

行

わ れ る

動

作 解 析

や

床

反

力

測

定

，

筋

電 図の

分析

といっ た

歩 行

の

運 動

学 的 評 価 方 法 と

，

歩 行の 出 来 高

（

能

力

あるいは

帰 結

） を

測 定 す

る た め に

，

ス トッ プウォ ッ チ を 川い て

実 施 す

る

歩

行

速 度の測

定

や

，

歩 容の

観 察

か ら

定性 的

に

評 定 す

るバ ッ テ リ

ー

検 査 が 提 唱 さ れてい るIo〕m

、

地 域

保

健

活 動

にお

106 理 学療 法 学 　 第

33

巻 第

3

号 い て は

後

者 が 測 定 さ れ ること が 多 く

，

代 表 的 な 検 査 方

法

と し て は

短

距 離の歩

行

速 度の測

定

12 」

，

起

居 動 作

や

方 向

転 換 を 含

ん だ

歩 行

を

観 察

す る

Tjmed

　

Up

＆

Go

　

Test13

〕

，

歩

行

時の 安 定 性 を 観 察 す る タン デム 歩 行

検

査10

，

長

距

離

歩 行 倹 査

（

6

分 間

，

12

分 間

歩

行 検

企 ）15）IG〕な ど が

挙

げ ら れ る

。

これ らの 中で簡

便

に実 施で き

，

対 象 者

の

負 担

が 少 な く

，

検 査ス ペ

ー

ス も 取 ら ない こと か ら

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

_{が 近}

_年

_多

_{く川い ら れ る よ}

_う

_{になっ て}

_き

_{て い} る

。

　

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

は 検 者 内 信 頼 性

，

_{検 者 間 信}

頼 性 が 高 く

，

ド肢

筋 力

，

バ ランス

，

歩 彳

．

f

能 力

，

日常

生

活 機

能

との 関 連 も 高 く

，

検

査の

信 頼 性

，

妥 当 性

が

報 告

さ れ て い る13）1ア）IS）

。

ま た

，

転 倒 予 測の

検

査 と して も用い る こ と が 可 能 で あ

り

19

’

）

，

高 齢 者

の地 域

保 健 活 動

の

身 体 機 能

評

価

と して

有

益である と

考

え ら れる

。

しか し

，

大

規 模 研

究 に よっ て高 齢 者の

Tlmed

　

Up

＆

Go

　

Test

の基

準 値

を 示 し た

資料

は

国

内

外

を

含

めて乏 し

く

，

加 齢 変 化

を

十 分

に 理

解

し た 上で

検

査

値

の

持

つ 意

_味

を

_{解 釈}

する こ とが

難

し い

。

ま た

，

Timed

　

Up

_＆

Go

　

Test

で

測 定

され る

身 体 機

能 が

，

他

の

身体 機 能検

．

査 と 比

較

して

，

転 倒

や

活 動 状 況

と 密 接 な 関 係にあるか を 大 規

模 集 団

に よっ て

検 証

し た

報 告

は 見 当 た ら ない

、

　 本 研 究

で は

，

地 域

在 住

の

高 齢 者 を対 象

と

し

て

Timed

Up

＆

Go

　

Test

を

_{実 施}

し

，

性

差

，

年 代

別

基 準 値

や

加 齢 変

化の

_確

認 を

H

的 と し た

。

ま た

，

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

と

転 倒

．

活 動 性

，

健 康 感

との

関係 を調

べ

，

_{高 齢 者}

の

地 域

保 健 活 動

にお

け

る

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

の

有

用

性

を

検

討 する こと と し た

。

研 究

方

法 ユ

．

対 象

　 対 象

は

地 域 在 住 高 齢 者

959

名

で

あ り

，’

ド均 年 齢

74．

8

歳

（

65

−

95

歳

）

，

男 性

396

名

，

女 性

563

名

であっ た

。

対 象の

組

み入 れ 基

準

は

，

東 京 祁 老人 総 合研 究 所

が

実 施

した健

康

診

aS

　LC｝：〕2u

_を

2003

_年

_に

_{受 診}

_し

q715

_{名 ）}

，

　

Timed

　

Up

_＆

Go

　

Test

が

測 定

可

能

で

あ

っ た

者

と した

。

除

外 基

準 は

，

65

歳 以下 の

者

．

安 静 時

の

収 縮 期

血圧が ユ

80

　mmHg 以

F

．

_，

拡 張 期

lflL

圧 が

100

　mlnllg

以 ヒ

，

過 去

6

か

月

以

内

に 脳

lfl

［

管 疾 患

，

心 筋 梗 塞

，

狭 心 症

発

作

を

起

こし た 者

，

高 度 な整

形 外 科 的 疾 患

を

有 す

る

者

，

歩行 機 能 障害

が 強 く

検 査

遂

行

が 困 難

と

判 断

さ れ

た 者

と し た。 その

結

果

，

959

名

の

検 査

が可

能

であ り

，

これ ら を 対

象

とし て 分 析 を行っ た

。

2

．

検 査 項

目

1

）

身体 機 能 検 査

　

身体 機 能 検 企

は地 域

保 健 活

動 に おいて 頻

繁

に 川い ら れ る

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test，

歩 行 速

度

，

握 力

，

膝 伸 展

筋

力

，

Functional

　

Reach

　

Test2L

’〕_{を 実 施 し た}

。

　 Timed

　

Up

＆

G

〔》

Test

は

椅 子

座

位

か ら

3rn

前 方

の ポ

ー

_ルを

_回

っ て

着 座 す

る

ま

で の

時 問 を

ス トッ プウ ォッ_{チ に} て

計 測

した

。

椅 子

の

高

さは

40cm

で

肘 掛

けの ない パ イプ

椅 子

を

用

い た

。

対 象 者

は

椅 子

に深

く

腰

掛

けて_，

検 者

の

「

よ

一

い

，

ス タ

ー

ト」

の

合 図

で

歩 行 を

開

始

し た

。

対象 者

へ の

教 示

は

，

「

で

き

る限 り 早

く歩

い て

，3m

先の ポ

ー

ル を 回っ て きて

く

ださい。 回る

方向

は どちら で

も

か まい ま せん。

戻

っ て

き

た ら

す ぐ

に

椅 予

に

腰 掛

け て

く

だ さい

。

」

とし

，

対 象 者

の

体

が

動

い た とき か ら 殿 部 が 椅 了 に接 地 す るまで の

時 間

を

計測

し たu 原

法

で は

「

楽

な

速

さ

」

で

歩 行

す

る

が

13〕

，

本 研 究

では

最 大 努 力 を 課 す

こ

と

で

，

測

定 時

の

心

理

状 態

や

教

示の

解 釈

の

違

い による 結 果の変 動 を排 除 する よ

う

に

測 定 方 法

を

変 更

した

。

な お， 計 測は

1

回とし た、日

常

生

活

に おい て

歩 行 補 助

具

を 使

川 し てい る

者

に は

，

測 定 時

の

歩 行 補 助

具の

使

用 を 許 可 し た

。

　

その

他

の

身 体 機 能

として

実 施

した歩

行 速

度の測

定

は

，

5m

問

の

歩 行 路 を楽

な

速

さ

と

，

で き る だ け 早 く

歩

い た と

き

の

歩 行 時

間 をス トッ _{プ ウ ォ}ッ _{チ で 測 定 し}て歩 行 速 度 を

求

め た

。

楽

な

速

さは測

定

を1回， 最 大 歩 行 は

2

回 行い最

速値 を

用 いた

．

t

歩 行 路

の両

端

に は

3m

の予 備 路 を 設 け て

計

測 を

実 施

した

。

握 力

測 定 はス メ ドレ

ー

式 握 力 計 を川い て

，

利 き手

の

最 大 握 力

を立

位

にて 1回

計

測 し た

、

膝

伸 展

筋 力

は

利 き足

の

等

尺

性 最大 筋 力

を

2

回 計 測 し

．

最 大値 を 用い た

。

測 定 はマ スキュ レ

ー

タ

ー

（マ イ クロ

FET

，

日

木

メディッ クス

社

） を 下 腿 遠 位 端 に

固定

し

，

股

関 節

，

膝

関

節

9

 

度

の

座 位

に て

行

っ た

。

Functional

　

Reach

　

Test

_は

，

肩 幅 程 度の 開 脚 立 位 にて片 手のIllを

90

　

：

　

m．

曲 し

．

そこか ら最 大 限

前

方 にヒ肢 を伸 ば し た と きの

_{到 達 距 離}

をメジャ

ー

_{に て 測}

_定

_{し た}

_。

_{な お}

_，

_{前 方}

_{移 動の時 に は 手 を}

_肩

_の

_{位 置}

か ら ドげ ず に 移 動 す る よ う に 指 示 し た

、

測 定 は

3

回 行い 平 均

値

を 用いた

。

2

）

質

問 紙 調

査

　

質 問 紙 調 査 は 転 倒 状 況

，

外

i

［

_1tu

度

，

運 動

習 慣

，

趣 味や 社

会

活 動の実 施 状 況

，

卞

観 的

な

健 康 感

を

本

人 との

_{而 接 調}

査

に よっ て 聴 取 した

。

　

過 去 ユ年 閲の転 倒 状 況 は

，

調 査 日以 前の

1

年 間

の

転

倒 状 況 を 対

象

者 が 想 起 して

「

はい

_」

か

「

1

い い え

」

の二

_{件 式}

で 回

答

し た

，

外 出 頻 度 は

，

1

週

閲

の

平 均 的

な

外

出

頻 度

を 聴 取 し

，

「毎 日 外 出 」 と

「

毎

囗以

外 」

に分 類 し た

。

運

動

習慣

，

趣

味

，

社

会 活 動

の

_{実 施状 況 も現 在}

の

_{状 況}

か ら

「あ

り

　

（してい る

）

．

」

と 「な し （してい ない

_）」

に

_分類

し た_tt ド観 的 な 健 康 感の

_{聴 取}

は

_，

「

あ な た は

今

の

自分

を

健 康

だ と思い ま

す

か ？

」

の

_問

いに

対

して

，

対 象 者

が

白己

の

状 態

を

考

え て

，

健康

だ と 思

う

，

ま あ

健 康

だ と

思 う

．

あ ま り健

康では ない

，

健

康

では ないの

4

つ の選

択 肢

か ら

1

つ を

_選

んで

回答

し

，

前 者

2

回 答

を

「

健 康

と

考 え

る

」

，

後 者

2

つ を

「

不 健 康

と

考

え る

」

に

分 類

し た。

高 齢 者 を 対 象 と し た 地 域保健活 動に お け る

Tiined

　

Up

＆ Go　Testの有 用 性 107

3，

分

析 方法

　

分

析

は

．

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

の

f

直

を

5

歳

ご との

年

齢

階 級で男

女 差

を

検

討

す

る た め にt

検 定

を

用

い て比

較

し た

。

ま た，

各 年 齢

階

敵

間 で

年 代 差 を検 討 す

るため に

，

多

重

比

較 検 定 （

Tukey

検 定 ） を男 女 別

に

行

っ た

。

　

Tirned

　

Up

＆

Go

　

Test

，

およ びその

他

の

身体 機 能検

査 と転 倒，

活 動 性

，

健 康 感 と

の

関係 を検 討 す

るため

，

前

者

を

独

立

変 数

，

後 者 を従 属 変 数

と し た

多重

ロ ジス テ ィッ ク 回

帰

分

析

（

ス テ ッ _プワイズ

法 ）

を

性

と

年齢

を

調 整

し て 実 施 し た

。

　Timed

　

Up

＆

Go

　

TeSt

と関連

の

認

め られ た

項

H

につ い ては

，

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

の

値

を 四 分

位

に

分割

し

，

質 問

紙 調 査 項 目の 差 を

多 重

比

較 検 定 （

Tukey

検 定 ）

に て比 較 した

。

な お

，

各 質

問

紙 調 査 項 目

は

0

と1にダ ミ

ー

変 数 化

して

解 析

を

行

っ た

。

ま た_，

各

質

問

紙

調

査 項

凵で

調

査 し た

対 象 者

数 が 異 な り， 分

析

は

269284

名

の

対象

で

彳

f

っ た

。

　

統 計 学 的有

意

水 準

は

，

両 側

検

定で

危 険 率

5

％

未 満

と し た

。

な お

，

統

計 解

析 は

統

計

解 析

川 ソ フ ト ウェ ア

SPSS12

．

0

を 用い て行っ た

。

研

究 結

果

　

対

象

者の属 性 お よ び 身 体 機 能 測 定の結 果 を

表

ユに 示 し た

。

約

90

％の

_{対 象 者}

は 歩 行 補 助 具 を 用い

ず

，

公 共交

通

機 関 等

を

利

川 して

　

・

人 で

外

出 で き る

者

で あっ た

。

1

．

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

の 基 本 統 計 量と男

女差

　

年 齢 階 級 別

の

Timed

　

Up

_＆

Go

　

Test

の測

定

f

直を男 女

別

に

表

2

に

示

し た

。

各 年

代 別に

Tilned

　

Up

＆

Go

　

Test

の

_{男女 差}

を

調

べ た

結 果

，

す

べ ての

_{年 代}

に おい て男

性

が

有

意

に

速

い

値

を

示

し た

、

2

．

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

の

_{加 齢}

変

化

　

各 年代

の

Timed

　

Up

_＆

Go

　

Test

の

_値

を

Tukey

検 定

に

て比

較

した

結 果

，

男

女 と も

70

歳 未 満 と 以 ヒの

各

年 代 問 に

有 意 差 を認

め た。

男性

におい ては

他

の

年 代 間

に 有 意

差

は

認

め ら れ

な

かっ た

。一

方

女

性

で は

，

70

−

74

歳 と

80−84

歳

，

85

歳

以

L ，

お よ び

75

−

79

歳 と

80

−

84

歳の 問

，

80

−

84

歳

と

85

歳

以 上の

年 代 間

において

有 意

に

若 年 層

が 速い 値

を示 し

た

（

図

ユ）。 表1 対 象 者の属 性 奈 例 男性 女性 年 齢 （歳

）

身 長 （じrn ）

体

車 〔

kg

） 通常歩行 速度

（

m〆sec）＊_{欠損 値}

35

最 大 歩 行 速 度

Ctn

．

，

’_{sec ）} ＊欠 損仙

55

握

力

〔

kg

）

＊_{欠損 値} 15 膝 伸 展 丿J

（

Nm

）

＊欠損 値

636

Fullctional

　

Reach

　C

．

cm ）＊ _{欠損 値}

623

過去⊥

年

間の転 倒 経 験

　

あ り＊_{欠 損 値}

18

外川頻 度

毎

H

外

出す る＊_{欠損 値}2 運 動 習 慣　あ り＊欠 損値

53

趣味 　あ り＊_{欠損 値}53 仕 会的活 動

　

あ り＊_{欠 損 値}

53

主 観 的 な 健 康 感　健康と感じ る＊_{欠損 値}

2

］

1

常

の移 動 能 力 （人 数 ）＊_{欠 損値}53

　

1

．

自転 車

・

車

・

バ ス

・

電 卓 を 使

っ

て

，

ひとりで外 出で きる 　

2

．

家 庭内お よ び 隣 近所で は

，

ほぼ不 白山 な く動 き活 動で きる 　3

，

少し は動け る

　

4

．

起き て はい る が

，

あ まり動けない 杖 や 歩 行 器の使 用 （人 数）＊欠損 値

677

　L 使っ てい る 　

2

．

使っ てい ない 外 出 時の介 助の 必 要 （人数 ）＊_{欠 損}

f

_直

675

　1

．

はい 　

2

．

い い え 74

．

8± 5

，

3 151

．

0± 8

．

753

．

0± 9

．

6 1241　± 0268 1

．

826 ± 0

、

439 23

．

4± 7

．

656

．

6± L1

．

3 30

．

9± 5

．

8 128　（13

．

6） 712　〔74

、

2〕 540　〔56

．

3） 515　〔53

．

7） 551　（57

，

5） 702　（732） 839　〔92

．

6） 60 〔6

．

6） 　6 （0

．

7） 　1 （0ユ） 24　（　8

．

5） 258　（91

，

5）

31

　（10

．

9） 253　〔89

．

D

74

．

9± 5

．

4 158

，

5± 5

．

957

．

7±

9

．

1 1

．

286 ± 0

．

255 1

．

985 ± 0

．

429 29

．

6± 6

．

672

．

9± 20

．

7 33

．

2± 5

．

257

　

（14

．

4

） 309　（78

．

0） 227

　

（573） 236　〔δ9

．

6） 243　〔6⊥

．

4） 306

　

〔77

．

3

）

376　〔97

．

7） 　6 （1

．

6）

　

3 （

O

．

9

，

）

　0 （0

．

0） 　8 〔7

．

0） 106　（93

．

0〕 　9 （7

、

8｝ 106　（92

．

2） 74

．

8

± 5

．

3

145

．

7±6249

．

7

±

8

．

5

1207 ±

0272

1

．

708 ±0

．

408 19

．

0

±

4

．

74ZO

＋ 14

．

8

29

．

6± 5

．

8

71

　（

12

．

6

）

403

　（71

，

6

） 313　（55

．

6）

279

　（

49

．

6

） 308　（54

．

7） 396　〔70

．

3

）

・

163　〔

88

，

9

） 54　（10

．

4

） 　

3

〔

0

．

6

） 　

1

（

0

，

2

）

16

　（

　

9

．

5

） 152　（

90

．

5）

22

　（

13

．

0

）

147　（87

、

〔｝｝ 平 均値±_{標 準 偏 差}を表 示

，

　 　＊人 数 （％ 〕で表 示

．

］

08

理 学 療 法学 　 第33巻第3号 表2 年 齢階級 毎の Timed 　Up ＆ Go　Testの基 本 統 計 量と男 女差 男 性 女性 　 　 　 度 数 　 平 均

f

直　 標 準 偏差 　 最 小 値 年 齢 （歳） 　 　 　 （人数 ）　 　

Cs

）　 　 　 （s）　 　 　

Cs

） 最大 値 　 　 度 数 　（s）　 　 （人 数 ） 平 均

値 　

標 準 偏差

　

最 小 値

　

最 大 値 　 　 　 　_（s P仙 ）　 　 （s）　 　 （s）　 〔s） 65

−

6970

−

7175

−

₇₉₈₀

−

₈₄₈₅

＜ 合計

721341145026396

484

∩ フ 09

567

冖

イ 7

ρ

0 −

冖

’

ρ

0385

12

ワ

』

212

尸

04

α

∠ 8

冖

’ 4 33434

り

D ll

．

323

．

124

．

1 工8

．

511

．

124

．

1 95194 ⊥648327563

5

．

97

．

68

．

39

．

613

．

28

．

1

08

層

qO74

122383

344

523305

尸

D53

8

．

3

　　　

0

．

003

28

_．

₀

　　　

0

．

013

21

．

3

　　　

0

、

003

21

．

2

　　　

0

，

001

41

_．

4　　

0

．

00

⊥

41

．

4

　　　

0

．

000

男 性

女 性

120

＃

100 80 　 　 O 　 　 a

〔

3 σ ⊃ ← 4

．

0 20 0

．

0 ＊露 65

−

69　　　70

−

74　　　75

−

79　　　80

−

84　　　　85＜ 　 　 　 年 齢 （歳 ）

」

3

）

σ ⊃ ト 25

’

°

［

20

．

0 150 1G

．

0 50 0065

−

69　　　70

−

74　　　75

−

79　　　80

−

84　　　　85＜ 　 　 　 年 齢（歳） 図lTilncd 　Up ＆

Gc

〕Testの年代 差

　　

＊

』

p 〈0

．

05

，

＊ ＊：p＜

O

．

Ol

．

　 　 他の項 目につ い て は有 意 差 なし

．

3．

身 体 機 能 検 査

と

転 倒

，

活

動 性

，

健

康

感 との関 係

　

多重

ロジスティッ ク回 帰 分 析の結 果

，

転 倒 状 況 は

年

齢 と

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

が

有

意 な 変 数 と して

抽

出 さ れ

，

外 出 頻度 と

運

動

習

慣

で は

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

のみ が

有 意

な 変 数 となっ た

tt

趣 味 で は 最 大 歩 行 速 度 が 抽 出 さ れ

，

社 会 活 動

へ _の

_参

_加と主

観

的 な

健 康 感

は 通

常

歩

行

速

度

が

有

意

な

変 数

と し て 選 択 さ れ た

（

表

3

）

・

，

　

Tinled

　

Up

＆

Go

　

Test

と 関 係の 認 め ら れ た

転

倒

，

外

出

， 運 動 習

慣

につ いて

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

測 定値

の 四 分

位

問 で 比 較 す る と

，

転

倒

，

外

出 に おい て

85

秒

以

E

の 群 と

7

秒 未 満の

2

群 問で有 意 差 が 認 め ら れ た

。

転 倒率

は

7

秒 未 満の群で

約

10

％であ るのに

対

．

して

，

8

，

5

秒

以 上 の

群

で は

約

20

％ で あっ た

。

外

出

頻 度

は

，

7

秒 未 満

の

祥

で は 約

20

％の者 が 毎 日外 出 を せ

ず

，

8

．

5

秒

以 トの群に お い て は

約

35

％の

_者

が

毎

日

外 出

を してい

_な

かっ た。

運 動

習 慣 につ い ては 四 分 位

間

で

有

意 な 傾

向

は

認

め ら れ

な

かっ た （図

2

）

”

考

察

］

．

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

の

某 本 統 計 量

と

男女 差

　

高 齢 者

にお

け

る

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

の

値

は

，

男 性

で は

平 均 約

5

，

4

〜

79

秒

，

女 性

は

約

5

．

9

〜

13

．

2

秒

で あ り，

加齢

に

伴

い

_{低 ドし}

た。

　

ま た

，

す

べ て の

年 齢 階 級

に

お

いて

男性

が

女 性

よ

り良好

な

結 果

を

示

し た。

運 動 機 能 全 般

において この 傾

向

は 共 通 してお

り

23）

，

Thned

　

Up

＆

Go

　

Test

_{に お}い て

も先 行

研

究

を

支 持 す

る

結 果

と

な

っ た

。

性 差

の

程 度

は

80

歳

以 上の

年代

に おいて

特

に

大 き く

，

今

回 対

象

とし た

後

期 高

齢

期の

男 性

にお

け

る

歩 行 機 能

の

良 好

さ が

伺 え

た

。

2

，

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

の

加 齢 変

化

　

年 齢 階 級 別

に

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

を

見

る と，

70

歳

未 満

の

高 齢 者

と

70

歳

以

F

一

の

高 齢 者 と

は

男 女

と も に 明 ら かな

差 異

が

認

め られた

。

歩 行 機 能

の縦 断 的 調 杳 に よ る と

高 齢 者 を 対象と し た 地 域 保 健 活 動 に お け る

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

の有用性 109 表3 生活状 態 と関連の認め られ た身体機 能 有 意な変 数 オッ ズ比 　 95％信 頼 区 間 　 p値 過去

1

年問の転 倒 　 　あ り〆なし　＊

269

外 出頻 度

　 　毎

囗／毎；日以 タト

　　

＊284 運動 習 慣 　 　あ り〆_なし　＊ 269 趣 味 　 　あ り〆な し　＊269 社 会 活 動へ の参加 　 　 して いる ／してい _ない ＊ 269 主 観的 な健 康 感 　 健 康〆_不健 康 　＊

284

年齢 （年 ）

Timed

　

Up

＆

Go

　Test 〔s） Timcd 　Up ＆

Go

　Test

（

s

）

1

．

1231

，

107 ⊥

．

029　　　　1226　　　0

．

OIO 1

．

006　　　　1217　　　0

．

037 0

．

925　　　　0

．

860　　　

0

．

996

　　　

0

．

038

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

〔s ）　 　

0892

　　

0

．

817

　 　

0

、

973

　

0

．

OlO

最大歩

行

速度 （m

、

〆_s

_）

通常 歩 行 速 度 （rn！s） 通常 歩 行 速 度 （ln ／s） 3

．

2261

．

649　　　6

．

311

　　　

0

．

001

7836　　　　

2

．

536

　　　

24

．

2

⊥

5

　　

0

、

ODO

20

．

907

　　　　

6

．

〔｝49　　　

72

．

258　　0

．

000

投 人変 数：_{年 齢}

，

_{性 別}

，

Tirned

　

Up

＆

Go

　

Test

，

_{握 力}

．

_膝

_仲

展力

，

　

Functionat

　

Reach

　Test

，

通常 歩 行 速

　 　 　 　

度

，

最大歩

行

速度

．

＊分 析に使 用した対

．

象

昌数

．

歯 　k 　 25 転 倒 　 20 経 験 者 15

翆

　 10 5 0 　 　 　 ＊ 　 　 　 40 　 　　　　50 　 　 　 毎 35　 　 　 　 45 　 　 　 運

　　　　　　

鼻

・・

　

響

1

：

　 　

出 25





慣₃₀ 　 　 しの

　 　

な 20

　

　　

な25 　 　 し、₁₅し

、

20 　 　 者　 　 　 　 　者 15

　　

翆

1°

　

逃

1・ 　 　 　 　5　 　　　　　5 　 　 　 0　 　 　 0 ＜5

．

6 　　　　5

、

7

−

6

．

9　　　7

．

0

−

8

．

4 　　　　＞8

．

5 　　　　　　　＜5

．

65J

−

697

・

〇

−

S

．

4＞8

．

5＜5

・

₆5

．

7

−

6

．

97

．

0

−

8

．

4＞85

　 　 　 　 　Timed　Up＆G。TestC秒 〕 Timed　Up ＆ G。Test （秒 ）　　　 　　　　　 　　 Timed　Up ＆ G。Test（秒 ）

　 　 　 図2　

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

と転 倒

，

外

H

瀕 度

，

運 動 習 慣 との関 係

　 　 　 　

＊

：p ＜0

．

05

、

＊

＊

；p＜

0

，

01

．

　 　 　 　

他の _項目 につ い て は

有

意差 な し

．

70

歳 台

前

半 か ら

歩行 機 能 低

ド

率

が 増

大 す

る とい わ れて お

り

L’

O

，

70

歳

未 満

の高

齢

者と明 ら か な 差 を 認め た もの と

考

え ら れ たe 男

性

に おいて は

他

の

年代

に おい て

有 意 差

が 認 め ら れ

ず

，

後期 高 齢期

に

あ

た る

年齢 階 級

に おいて

も

明 ら か な 歩

行 機

能の

低

下 を示 さ な かっ た

。

これは

，

平均

寿

命

を超 え て も

自力

に て

会場

ま で

来

て

健 診 を受 診

可

能

で あっ た 優

良

な

身体 機 能 を有 す

る

者

が

対 象 者

の

中

に

多 く含

ま れてい た

結 果

で あ る と 推

察

さ れ た

、

、一

方

，

女 性

で は

，

ほ ぼ すべ _ての

_年

_{代 問 に}

_{有 意 差}

_{が 認 め ら れ た が} ， これ は 上 記 し た サ ンプ リン グバ イアス の

影 響

が

少

な かっ たこ と や

，

症 例 数 が

男性

と 比

較

し て

多

かっ たこ とが 影 響 してい る 可 能 性 が あ る と 考 え ら れ た

。

　

ま た

．

機 能 低

．

．

ドの

個

人

差

は

，

と く

に

85

歳

以

上

の

高 齢

者

に お け る

標 準 偏

差 が 大 きいこ とか ら， 加 齢 に

伴 う機

能

低

ドの個 人 差 が 増 大 す る 傾

向

に あ るこ とが 示

唆

さ れ た

．

，

3，

身体 機 能 検 査

と

転 倒

，

活 動 性

，

健 康 感

との

関係

　

転 倒

，

活 動 性

，

健 康 感

と

身 体機 能

との

関 係

を

調

べた

結

果

，

す

べ _ての

項 目

に おいて

Tilned

　

Up

＆

G

〔，　

Test

_や

_歩

行速 度

の

測 定

とい っ た

歩 行検 企

と

有 意 な 関 係

が

認

め ら れ た

、

、

歩 行 能 力

は

筋 力

やバ ラ ン ス

機 能

の

複 合

した

能 力

で あ

り

，

運 動 課 題

と して は

応 用 的

で

あ

るとい

_え

る。

ま

た

，

転

倒

，

活 動 性

，

健 康 感

は

環 境 要 因

，

社 会 的 要 因

，

心

理

状 態

とい っ た

．

多彩

な

要

因が

複 雑

に

影 響

し

あ

っ た

結 果

と して の

事 象

，

行 動

，

思 念

で

あ

る。 こ

れ

らに

共 通 し

た

基 礎 能 力

，

あ

るいは

多大 な心 象 を及

ぼ

す 要 素

と して

歩 行 能 力

が

関連

した

も

の と

考 え

られた。

　 と く

に

転 倒

，

外 出 頻 度

，

運 動 習 慣

におい て は

Timed

Up

＆

Go

　

Test

と

有 意 な関 係 を認

め た た め

，

これ らの

状

況 を

把 握 す

る た め に

Tilned

　

Up

＆

Go

　

Test

が

有

益 な

指

標 と

な

り得

るこ

と

が

示

1

_唆

_{さ れ}

_た

_，

_{転 倒 事 故}

の ほとん ど は

歩 行 中

に

生

じ

，

転 倒

に

関 す

るスク リ

ー

ニ ン グ

検

査 と して

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

が 川い ら れ

，

13

，

5

秒

が

転 倒

の

危

110

理学療 法 学 　 第33巻第3iJ

一

険

性

を

判 断 す

るため の カッ ト オフ

値

で

あ

るとい わ れ てい る 19）。

本 研 究

の

対 象 者

に

お

い て

も

Timed

　

Up

＆

Go

Test

が

7

秒 未 満

の

群

で は

，

転 倒 率

が

約

10

％で あるの に

対

して

，

8

．

5

秒

以 トの

群

で は

約

20

％ と な

り

，

歩 行 機 能 低

ド

に

伴 う転 倒 頻 度

の

L

昇

が

明

ら か と

な

っ た。

　 ま

た

，

外 出

といっ た

社 会

的

活 動

を

行 う

上 で も 歩

行

能 力 が

低

下し ていれば

活 動

を 円

滑

に

遂 行 す

る ことに

支障

を き た

す

。

公 共交 通 機 関 を 利用

し

た 遠 方 ま

での

外 出 を行 う高

齢 者

は

，

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

（最 大

努力

で

_5m

間 を

往 復 ）

が

18

秒

以

内

C5

分

の

3

で

約

11

秒

）の

者

が

多

い と

報 告 さ れ

てい る25）。

今

回 は

外 出 頻 度 と

の 関

係 を調

べ た が

，

7

秒 未 満

の

群

で は

，

約

20

％の者 が

毎

日 外 出 を し て い な かっ た の に

対

し

，

8

．

5

秒

以 上 の

群

で は

約

35

％の 者 が

毎

日

外 出

せ

ず

，

Timed

　

Up

＆

Go

　

Test

の

測 定 値

の

低

ド と

外 出 頻 度低

下との 関 係 が 明 ら かとなっ た

。

　

さ ら に

心

理

的

な 側 面 から は_，

歩

ける こ と は

自

立 し た 生

活 者

と して の

象 徴 的

な

意 味 を持 ち

，

主 観 的

な

健 康 感

に 及 ぼ

す 影 響

は

大

きい もの と想 像 さ れ

，

Timed

　

Up

＆

Go

Test

が 関

連

した

も

の と

考 え

ら れ た

。

　

これ らの

結 果

か ら

，

Timed

　

Up

_＆

Go

　

Test

_{は 高}

齢 期

に

出

現 する牛

活

トの 不 具 合 につ な が る 要 因 と 関 連 してお

り

，

測 定 意 義

は

高 く

，

高

齢

者

に 対

．

す る

保

健， 福 祉

，

医

療

サ

ー

ビス の

事 業 評価

や

効

果 的 な サ

ー

ビス

策 定

のた め に 有 用であ る と 考 え ら れ た

。

　

本

研

究

の 限 界 は， 性，

年

齢

階 級 別 に

対 象 者

を

分 割 す

る

と

，

標 準 値

と

す

る に は

各 枠

に

該

当 す る 対

象

者

数

が 少 な く

，

今 後 対 象 者 数 を 増 す 必 要 が あ る

。

ま た

，

横 断 的 な 調 査 結 果であるた め に

，

Timed

　

Up

_＆

Go

　

Test

_と

_{転 倒}

，

_{活 動}

性

，

健 康 感

との関 係の分

析

か ら は

，

事象

を

予

測 す る こ と は 困 難であ り

，

縦 断 的 調 査 を 実 施 して

Tlmed

　

Up

_＆

Go

Test

の

_予

測

妥 当性

を

検 証

す る 必

要

が あ る

。

引

用

文 献

1

） 厚 生 労 働 大臣

官

房 統 計

情

報 部 〔編

）

：_平成

13

年

国 民生活基

　

礎調 査

．

厚生 統 計 協 会

，

東 京

，

2003

．

2

）石 崎 達

郎

，

渡 辺

修

一

郎

・

他：

_在

宅要

介

護 高 齢 者に おける高 　 次 牛 活 機 能の白立 状 況

，

口 老 医 誌 37：548

−

553

．

2000

．

3

） 芳賀

博

，

柴

H

「専

・

他：地 域老人の 日常生活 動 作 能 力に

　

関する追 跡 的研究

，

民族衛 生 54：217

−

233

，

1988

、

4

） 大 原 啓 志

，

堀 川 俊

一・

他 ：農 村 地 域 に お け る 老年 者の生活

　

構 造と健 康状態

（

第

1

報

）

年

齢階級 別状況につ い て

．

剛

IT

　 医 学 会 雑 誌

98

：219

−

231

，

⊥986

．

5

）

Furuna

　

T

，

　

Nagasaki

　

II

，

　et 　al

，

：

Lol1

_塵tudina1〔：

hange

　

ill

　the

　 physicat　performance 　of　older　adults　

in

　thc　cQlnnlunity

．

　

JJpn

　

Phy

　

Ther

　

Assoe

］I　l

−

5

，

1998

．

6）新 開省二

，

_{藤 本 弘}

一

_郎

・

_他：地 域在 住 老人の歩行 移 動 力の

　 現 状 とその関連要 因

．

日本 公衛 誌 46：35

−

46

，

1999

．

7）

Guralnik

　

JM，

　

Ferrucci

　

L

．

　et α

1

．

：

Lower

．

extremity 　

func

−

　 　tioll　

in

　persons　over 　thc　age 　Qf　70　_years　us　a　_predietor

　 　of　subsequent 　

disability

．

　

N



Engl

　

J

Med 332：556

−

561

，

　 　

1995

、

8）

Guralnik

」

M

，

　

Simonsick

　EM 　

，

et　al

．

：Ashort 　physical　per

−

　 　

forrnance

　

battery

　assessing 　

lower

　 extremity 　

functioll

：

　 　association 　wiLh 　sclf

−

rcportcd 　disability　and 　prediction 　of

　 　Ir1〔｝rtality　and 　nursing 　

home

　admission

．

　

J

　

Gerontol

　49：

　 　

85

−

94

，

1994

．

9）

Gibbs

　

J，

　

Hughes

　

S

，

　et α1

．

：PredicLors　o［change 　in　walk

・

　 　

ing

　vdocity 　

ill

　older　adults

．

　

J

　

Am

　

Geriatr

　

Soc

　44：126

−

132

，

　 　1996

．

10

）

Tinetti

　

ME

：

Performance

−

oriented 　 assessmenr 　of 　mobili

．

　 　ty　problems　

in

　elderly　paticnts　

，

J

　Arn　Geriatr　Soc　34； 　 　ll9

−

126

，

　1986

．

ll）

Shunlway

・

C〔｝Qk　A

，

　Baldwin　M

，

　et 　al

．

：Predic匸illg　the　prob

−

　　

abitity　of　

fatls

　

in

　community 　

dwelling

　oldcr　adul 吐s

．

　Phys

　 　

Th

（：r　77：812

−

819

．

1997

．

12）余良 　勲 〔編 ）：理 学 療 法の と ら え か た ：Clinical

　 　

Reasoning

　

PART2

。

文 光堂

，

2003

，

　_pp　l25

−

133

．

13）POdSiadlo　D

，

　RiChardson　S：The　timed

”

Up ＆ GO

”

：areSt

　　

of



basic



functional



Inobility



for



fran



eldcrly



_persons

．

　

J

　 　AIn　Geriatr　SQc　39：142

−

t48

，

　i99　L

，

14）

Graybiel

　

A

．

　

Fregly

　

AR

：

Anew

　quanUlative　ataxia 　test

　 　battery

，

　Acta　Otolaryngologica　61：292

−

312

，

1966

．

15）

Cooper

　KH ：Ameans 　of　assessing 　muximul 　oxygen

　　

intake

，

　

Correlation

　

between

　

field

　and 　treadmill 　testing

．

　 　

Ji

丶｝L

，

li丶　203：201　204

，

　19

．

　6S

．

16）

Lipkin

　

DP

，

　

Scriven

　

AJ

，

　et α1

．

：

Six

　minulc 　walking 　lest

　 　for　asscssing 　exercise 　capacity 　in　chronic 　heart　failure

．

　 　Br　Med　

J

　292：

653

−

655

，

／

986

．

ユ7）Bischoff　HA

，

　Conzelmann 　M

，

　et 　al

．

：Self

−

reported 　cxcr

−

　 　cisc beforeage 

’

t〔｝；　influerlce　on _quant

．

itativeskeletal

　 　ultrasound 　and 　falt　risk 　inthe　elderly

．

　ArchPhys　Med

　 　Rehabi182 ；801

−

806

，

2001

．

18）

Samson

　MM

，

　Meeuwscn 　IB

，

　et　al

．

：Relutionships　

between

　 　physical 　perform としnce measures

，

　age

，

　hcightand　

body

　 　weight 　in　healthy　adults

．

　Age　

Ageing

　

29

：

235

−

242

，

2000

．

⊥9）Shumway

−

Cook　A

，

　Brauer　S

．

　et α1

．

：Prcdicting　thc　_I）rob

−

　 　ability　for　

falts

　

in

　community

．

dwetling

　older　adults　using

　 　the　Timed 　

Up

＆

GQ

　Tcs_しPhys　Ther　

80

：

896

−

903

，

2000

．

20） 鈴 木 隆雄

，

岩 佐　

・

・

他 ：地 域 高齢 者を対 象と し た要 介 護 　 　予防の た め の包括 的 健 診 〔「お達 者 健 診」）につ い ての研究

　　

受 診 者と非 受 診者の特 性につ い て

．

H

本 公 衛 誌

50

：

39

−

48

，

　 　2003

，

21） 東 京 都老 人総 合研 究所 ：中 年か らの 老化予防に 関する 医学 　 　 的研 究：サク セ ス フ ル

・

エ _{イ ジ}ン グをめざし て

．

東 京 ：_東 　 　 京 都 老 人総 合研 究 所 長 期プ ロ ジェ ク ト研究 報 告 書 「巾年か 　 　 らの老 化 予 防総 合 的 長 期 追跡 研 究」

，

2000

．

22）Duncan 　PW

，

　Weiller　DK

．

　et　al

．

；

Functional

　reach ：anew

　 　clinical 　measure 　of　balance

．

　

J

　Gcron回 45：Ml92

−

Ml97

，

　 　1990

，

23） 東 京 都立人 学 体 力 標 準 値 研 究 会 （編 ）：新

・

口本入の体 力 　 　 標 準 値

2000

，

不 昧 堂 出 版

，

2000

．

24） 杉 浦 美 穂

，

長崎 　浩

・

他 ：地域 高 齢 者の歩 行 能 力：

4

年間

　　

の縦 断 変 化

．

体 力 科 学

47

：

443452

，

1998

．

25）島田裕 之

，

内山　 靖

・

他：高 齢 者の 日 常生 活 内容 と身 体機

　　

能に関 する研 究 日老 医 誌

39

；

197

−

203

，

2002

．

ikith"/)X'eNXtLrtilpdifitretikemeitslt4Thned Up

&

Go

TestOEI"'1th

111

<Abstract>

[Dimed

Up

&

Go

Test

is

a

Useful

Assessment

Tool

for

Community

Health

in

Elderly

People

IIiroyuki

SIIIMADA,

PhD,

RPT

71r)hyo

Metropolitan

Institute

of

GerontolcLgy

Research

17lellotv

of the tJdpan

Society

for

the

Promotion

of

Science

Shuiehi

OBUCIII,

PhD,

RPT,

Miho

S(JGIURA,

MS,

IIideyo

YOSIIIDA,

MD,

Kim

HONGYON,

Phl),

Yuko

YOSIIIDA,

PhD,

Satoshi

rsilSHIZi'",VA,

PhD,

Takao

SUZUKI,

MD

Tok),o

Mbtropotitan

lnstitute

of

Gerontotogy

Taketo

FURIJNA,

MS,

RPT

Department

ofPhysical

7Vieropy,

School

ofHbalth

Sciences,

Sopporo

Mkdical

University

The

objeetives of thisstudy were

to

evaluate

the

sex and age-related

differences

in

Timed

Up

and

Go

Test

scores

in

community-dwelling eLderly people, and to ascertain the usefutness of

the

Timed

I/Jp

and

Go

Test

as a measure of community

health

activities

by

investigating

its

reLationship

to

falls,

activity, and setf-perceix,ed

health.

The

subjecLs of this study were

959

community-dwelling elderly peopte

(396

inen and

563

women} aged

65

to

95

_years

_(mean,

74.8

_years).

We

evaluated their

_physica[

functions

via

the

Timed

Up

and

Go

Test,

gait

speed,

_grip

strength,

knee

extension sLrength, and

the

results c}f

the

Functional

Reach

Test.

14ie

a]so condueted a questionnaire survey,

focusing

on

history

of

falls

in

the previous

year,

frequeney

of outdeor iictivity,

habitual

exercise,

hobbies,

soeial activities. and se]f-perceived

health.

IL'he

']'imed

Up

and

Go

Test

scores were significantly

different

between

those aged<

70

years

and those

in

each of the

higher

age

_groups

among men and woinen.

In

rnen.

there

were no

significant

differences

between

other a.cr.e

_groups.

In

women

by

conrrasz,

there

were significant

differences

for

scores

between

Lhe

fo]lowing

age groups:

70-74

years vs.

80

84

years and )

85

years;

75-79

years

vs..

80--84

_years;

and

80-84

_years

vs. )

85

_years.

Anatysis

ot'

the

sex-related

ditTerences

in

each age

_group

showed that men achieved significantly shorter

times

in

aLl age groups.

Our

investigation

of the relationships

between

the measured physical

function

test scores and

falls,

acrivity, and self-perceived

health

demonstrated

significant corretations

between

the

Timed

Up

and

Go

Test

score and

history

of

fal[s,

frequenc},

of outdoor activity, and

habitual

exercise.

Scores

obtained

by

the

Timed

Up

and

Go

Tcst

in

elderly people

differed

according to sex and

age.

The

scores on the

Timed

Up

and

Go

Test

were closely associated with

important

factors

related to community

health

in

the etderly;

falts,

frequency

of outdoor activily. and

habitual

exercise,