理学療法 学
第15巻 第4号
337
〜
342頁 (1988年 )幸
展告
能 動 的 教 授
一
学 習 法
の
検
討
*山
本
双
一
* *酒
井
寿
美
**森
三
佐
子
**中
屋
久
長
* * 要旨運 動 療 法 授 業の
一
科 目を能 動 的教授一
学習 法と し てい るの で, こ の授 業 方 略を学 習 者の ア ソケー
ト結 果か ら考察し た。
手 引 ぎがあるこ とで 自己学習が 動機づけら れ た,
セ ミヂー
形式とするこ とで学習者間.
a)相互作用を生ん だ, 学 内実 習 と臨 床 講 義に よ り技 能 や 態 度 も習 得できた,
な どの教 育 効 果 向 上 がみら れ,
学習者に よ るこ の授 業 方 略に対す
る 評価は お お む ね好評であっ た。
た だ,
受勁 的立 場に慣れ てい て 討 論になら ない,
予 習が ない と授 業に参加でぎない,
効率の悪 さが不安感 を 生 む,
な どの欠 点 も ある。
これ らの欠点を改 善 するに は,
授 業 目標が知識のみの習 得で ない こ と をあら か じ め充分にオ リエ ンテー
シ ョ ンし て お く必 要 が ある。
』
キー
ワー
ド 授業 方略, 能 動 的 教 授一
学 習 法,
セ ミナー
形 式 は じ め に 学 校で一
般に行わ れてい る教 授一
学 習 法は講 義と学 内 実 習である。
し か し,
教 授…
学 習 法に は多くの 方法があ る。
教 授一
学 習 法 を 分 類i)する.
d},
受勁 的 教 授一
学 習 法 と して 「講 義」 が,
能 動的教 授一
学習 法と して 「グルー
プ討 論」「実習」「自習」 がある。
講義とは教 官が行 う講 演 形 式の教 授一
学 習方法つ ま り狭義の講義形 式授業 法であ る。
グルー
プ討 論に は,
セ ミナー ・
臨 床実習で の カ ンフ ァ レ ンス.
・
ケー
ス スタディー ・
ワー
ク シe ッ プ な どが あ り,
比較的 小 人数でのグルー
プ学 習法である。
実 習には,
実験・
演習・
シュ
ミレー
シ ョ ン実 習・
臨 床 実 習・
学生 が 患 者 と理 学療法 士の役を演じ て み ながら討論する模擬方 式の ロー
ルプレ イなどがある。
自習は,
宿題や個人研究 な どを 含め た自己 学 習である。
講 義は,
毎 年ほぼ 同じ内 容で, 広く万遍な く触れ て,
知識を理解し易い ように説 明し,
多人数な 学習 者である学 生に同 時に 伝達 す ること がで き,
学 習 者の情 報 探 索の手 間 を節 約できる,
な どの 利 点がある。
しか し反 面,
知 識の認 知 と理 解 以 外の態 度 や技 能の習得は不 可 能であ り,
学習者は受 動 的立 場 で し*Astudy on active teaching method
** 高 知リハ ビ リテ
ー
シ ョ ン学 院Soichi Yamamoto
,
RPT,
Sumi Sakai,
RPT,
MisakoMori
,
RPT,
Hisanaga Nakaya,
RPT :Kochi Rehabili・
tation Institute Cellege of Physical Therapy
(受 付日 1987年10月14日) か ないた め
,
特に臨 床 実 習に求め られる積 極 性・
探 究 心・
問題 解 決 能 力 を 得ることは困難である。
ま た,
講義の延 長とし て学内実習室に て学習者相互で行 う知 識の確 認と 手 技の理 解の た め の学 内 実 習は機 賊 的 実 習と な りが ちで,
さ らに学 習 する ことへ の刺激 も少 な く知 識の 応 用や実際 的能力の適 応の 機会も なく,
態度の学 習もでき ない。
専 門教育科昌のなかの理 学療法で は,
特に臨 康 実 習 をひ か え,
学生の関心 を高め,
動 機づけ, 自己学習を促 進させ る こ とで学 習 密 度 を高め る必要がある。
これ らの こ とを考慮し,
理 学療法のなか の運 動 療 法 授 業の’ 科目 を能 動 的 教 授一
学 習 法のな かのセ ミ ナー
形 式 と実 習を取 り入 れた授業
方 略と し てい る。 そとで,
学習 者に行っ た授業日程終了後 あア ンケー
ト結 果か ら,
低 学 年学生の生活 状 況アンケー
ト結 果を交え, この授 業 方 略 を評 価し た。
方 法 授 業 科 目は整 形 外 科 疾 患の運 動 療 法30時間で ある。 授 業の進め方は,
まず 開講 2 カ月 前に 「学 習の手引き」 を 学習者で ある受 講 生に手渡し て お く。
手 引 きは,
表1に その一
部分を示 す が1 学習 内容の項 目を 時 間 単 位で疾 患 別に箇 条 書 きに し てあり,
図 書 館 蔵 書と教 科 書の 中か ら 選 ん だ参 考 図書 名 や 雑 誌 掲 載の論 文 名も文献 と して載せ てある。
授 業は手引 きの項目に従い,
その場で指 名さ れ た 学習者 があ らかじ め 自己学 習して きた内 容を発 表し,
338 理 学 療 法 学 第15巻 第4号 表
1
「学 習の手 引 き」の一
部 表 2 ア ンケー
ト用 紙 腰痛症 1 疾 患の分 類工) 腰痛を起こす 種々の疾 患名を挙 げる。
2) 腰痛体操の適 応 と なる疾 患と禁忌 と なる疾 患 を 区別 する
。
<文献> 1 井 上 駿一
:標 準 整形 外科 学,
415−
432 ,医学 書 院,
1979.
2
綾仁 冨 弥 :小整 形 外 科 書 ,178
−196t
金芳堂,
1981.
2 腰 痛 発 生のメカ= ズム1)
脊 柱の生理 的彎曲を 人間の発 育の面か ら理解 する
。
2) 腰 椎 椎 間そ れ ぞ れ がもつ 可 動 性の大き さ を 知 る。
3)
1椎 問に おける椎 骨相互の動きを 理 解する
。
4)
疼痛 感 受組 織 と神 経 圧 迫につ いて知る
。
5) 神経圧迫に よ る症状の発生につい て理 解する。6
) 椎 間 板ヘ ル; ア発生メ カニ ズムを理解する。
7
) 変形 性脊 椎 症での退行 変 性 発 生メカニ ズム を 理解 する。
8) 腰 痛の治療 と予防に腹 圧 が 重要である ことを 理 解 する。 〈文 献 >
1
荻島秀 男 :腰痛 症 , 1
−
77,106−
110,
125−
181, 医歯薬出版,
1983.
3 症 状 1) 疼痛につ い て知る。
2) 神 経 症 状のそれ ぞれにつ い て 理解す る。
3) ス パ ズム を起こす 筋 を挙 げる。
〈文 献 >1
荻 島秀男 :腰 痛 症
,
20−
65,
139−
166 , 医 歯 薬出版,
1983.
相互 学習 する。
そして,
黒 板を用い た発 表の み でな く,
必要に 応 じての実 技の デモ ン ス トレー
ショ ン と学 習 者 相 互の 学内実習をは さ む。
疾 患別の学 内学習が終了した後,
臨 床 講義と して実 際の患 者 を用いての,
10余名を1グルー
プ とす る症 例 提 示,
5〜
6名を1 グルー
プ とする学習 者に よ る患 者評 価,
お よびそれ ぞ れに おい て各 入で の レ ボー
ト作 成 提 出と その発 表 を行っ て い る。
学 習 者へ の ア ンケ
ー
トは,
表2の項目につき自由に書 かせ る回答方式とし,
昭 和61年 度に受 講 し た3
年 次 生22 名中21名と昭 和62年度に受講し た3
年 次生23名 全 員の合 計44名を対 象とした。
な お,
比 較に用い た生活 状況アン ケー
トは昭和61年 度に 1年次生27名と2年次 生22名を 対 象に行っ た もの である。 結 果 表 3は ア ンケー
ト結 果で回答の多か っ たもの であ り,
運動 療 法H (整 形 外 科 )の授 業につ い て,
以 下の質 問にお答え く だ さい。
今後の授 業の 参 考にし たい と 思い ます。 OL 授 業が開 始される にあた り,
資料収集や予習な どの準備はいつ ごろ から始め ま し たか。
準備に要 した期 間 を書い て ください。
02.
資 料はどの ような方 法で集め ま し た か。
図書 館 で探し た とか先 輩から譲 り受 けた と かの収 集 方 法 を書い て くだ さい。
03.
1回 の授 業につ き,
資 料 収 集に費 や した 平 均 時 間 を 書い てください。
04・
自分で資料を収 集し ない といけない こ とにつ い ての感想 や意見 を 書い て くだ さい。
05・
1回の授 業につ い て の,
平均予習 時間を書いて くだ さい。
06・
1回の授業に つ い て の,
平 均復習 時 間を書いて ください。
07,01 ・
03・
05・
06の項 目につ い て, 他の講演形式 の 講義で はど うであるかを書いて くだ さい。
OS.
自己学 習のた めの 「手 引き1
があることにつ い て の感 想や意 見 を 書い て くだ さい。
09.
「手引き」の 内容につ いて,
感 想 や 意 見 を 書い て く だ さい。 10.
セ ミ ナv一
形式の授 業で,
自分が講 演や発 表した ことにつ い て の感想や意 見を書い て ください。
工1.
セ ミ ナー
形 式の授業で,
同級生 が講演や発表 す るのを聞 くこ とに つ い ての感 想や意 見を書い て く だ さい。
12.
講演形式の授 業に比 較して,
セ ミナー
形 式の授 業につ い て の感 想や意見を書い て くだ さい。
13.
10・
11・12
の項目に つ い て,
実技の デモ ン ス ト レー
シ ョ ン におい ては ど う であっ たかを書いてく だ さい 。 14.
整 形 外 科病 院での実 習があっ た こ とについ ての 感 想 や意 見を書い て くだ さい。
15.
整 形外 科 病院で の実 習内容に つ いて,
感 想 や意 見を書い てくだ さい。
16.
レポー
トが課せ られる ことにつ い て の感 想 や 意 見を書い てくださ い。
17.
レ ポー
ト発 表の時 間がある こ と につ いて の感 想 や意 見を書いてくだ さい。 18.
臨床 実 習を考えた とき,
講演形式の授 業であっ た と想定し た場 合に比較し て,
この授 業のや り方 につい て の感 想や 意 見を書い て ください。
19.
その他,
授 業を とお し て の感 想や意 見を書い て くだ さい。
数 字は44名中の人数を 示 す。
授 業が 開始される にあた っ てあ らか じ め資 料収集や予 習な ど準備を行っ ていた者は約7割であり, 多 くは 1〜
2週 間前よりであっ た。
資 料 収 集方法は主に図書 館 を利 用し ている が,
ク ラス で分 担し て探索し,一
部の資料は 先 輩か ら譲り受 けてい る。 な お, 臠 書館を全 く利 用しな能動的教授
一
学習法の検討339
表 3 アン ケー
ト結 果 01.
準 備 開 始 時 期; 1〜
2週間前 :24 2〜
3 日前 :6 授業開始後 :8 02,
資 料収集方法: 主に学 院 図 書 館 :3e 先 輩や友 達か ら:4 03,
資 牙斗期又集 時 間;20
〜30
分:71時 間 112
2
〜3
時 間; 19 04.
資 料 収 集の意 義; 多 くの 資 料 を 知 れる :27 収集の意義なし ;6 学 習者の負担 大 :6 05.
予 習 時 間; 0−
10分 :3 2〜3
時 間 : 06,
復 習 時 間; 0 分 :13 20N30 分 :10 2 時 間 :2 20”
30分 :8 1時 間 :11
14
4〜
5時 間 : 8 1時 間 :17 07.
他の授 業で の資 料 収 集・
予習・
復習時 間; 持たない :12 比 較し て少ない :18 本授 業と 同程 度 ;208.
「手引き」 が あるこ と; 良い :30 09.
「手 引 き」の 内容 ; 簡単で抽 象 的:16 満足できる :16
項 目が 多す ぎる :2 10.
自己学 習を発 表 する; 経 験になる :16 内 容の不充分さ を反 省 :1311.
自己学 習 発 表を聞 く; 参 考にな る :23 聞 く意 義なし :4 12、
セ ミ ナー
形 式 授 業につ い て ; 緊 張 感 あ り:7 自己学習向 上 :12
内容 不 充 分になる :4 学 力差大 ぎ くな る ;3 方 向づ け・
誘 導・
補助が 必 要 ;4
13.
実技につ い て ; よく理解できる ;9 指 導 必 要:10 自己学 習 不 足 :4 難しさが わか っ た 二5 時 間数 不足 ;10 14.
臨床講義が ある こ と; 良い :31 時 間 数 増 加を望む :6 15.1
臨床 講 義につ い て ;学習の指標となる :9
清 報
・
指導を求む :5 時 間不足 :13 自己知 識 不足 :10 16、
ンポー
ト提出; 知 識 整 理がで ぎる :22 作成時 間 不 足 ;7 負 担にな る :3 評点へ の不 満 :7 17.
L/ポー
ト発表 ; 参 考になる:29 無駄 :3 18.
臨床 実 習の た め に は ; 良い :30 良 くない :8 良Lし悪し:2 19,
その他; 学 習 量が多 く進行が速い 自己 学 習が追い付か ない か っ た者もい たe 図書館利 用度は一
入の平均 が 1年 次 生 で週あた り10分,
2 年次生で週あた り35分であっ たの に 対し,
1回100分 (2時間 )の授 業につ き資料収 集に要し た時間は1
時 聞から3時 間 と多い。
資料収 集を しない と いけない こ とについ ては多くの者は意 義があっ た と して い る が,
意 義を認めない と し た者もいた。
自己 学習時 間 につ い て は 1年 次 生2年 次 生共予習復習時 間 を 合わ せ て の平 均が 1時間10分であっ た の に対し,
1回100
分の授 業における予 習時間は1
時 間か ら3
時 間の者が多く, 復 習 時間は 1 時間以内であっ た。
復習 時 間は少な いが,
予 習復習 時 間 を 合 わせ ると3年 次受講の他の科 目よ りは多 か っ た。
手 引 きがある ことは,
主に授業目標が明確にな る,
動機づけ が得られる などの理由で,
多くの者が良い と答えてい た。
手引 きの 内容につ い て は,
満 足で きる と し た者がい る半面,
よ り詳しい 内容 を望ん でい る。 セ ミ ナー
形 式が良か っtcとする者は,
講 義 形 式 が 良い とする 者に対し多かっ た が, その理由は授業 中に緊 張 感 が あり 自己 学 習の向上につ ながる と し ている、
これに対しセ ミ ナー
形式が望ま しくない とした者は, 授業の進 行に時間 がか か り,
学 生相互の学 習であるの で知 識が不 足 するこ と を 1つ の理 由と してい る。
実 技につ い て は,
よ く理解 で きた とする者よ り も,
その必要 性を認めk
うえで,
よ り多くの時 間と指 導を求め る意 見が多かっ た。
臨床講義 がある こと は,
ほ と ん どの者が良い と答え て お り,
さ ら に時 間増加 を 望 む 意 見 も 多い 。 臨床講義があるこ とで学 習のポ イン トが 解 り良か っ た とい うのが 理由で あるが,
臨 床 講 義 内容につ い て は時 間の制隈に対する不 満と自H
知 識の不足 を反 省 する意 見 が多かっ た。
臨床 講 義におい て レポー
トが 課せ ら れ ることにつ いて は知 識の整 理 がで きて よ い とし た者も多く,
レポー
ト発 表の機会 が あるこ とにつ い て は他の人の考え や意見が聞 けて良い と答え た 者が多い。
臨 床 実 習を考えた とき,
こ の 授 業方略が望ま しい と し た者は多か っ た。
考 察 * 数字は44
名中の人数を示 す。講 義で は
,
学 習 者はあ らか じ めの 準 備が必要な く予 習 がな くて も教 科 書 的で体系的 な知 識 を得るこ とができる。 し か し,
能 動 的教 授一
学 習 法で,
特に セ ミナV−一
形 式や小 グルー
プ討 論では自己 学 習に よ る予習がな くて は授 業に 参加で きない。
し た がっ て授業が 開始される にあたっ て.
前もっ て の 授 業 目標や 学習 内容 を 知 らせ て おくため に 「手 引 き」が必 要である。
アン ケー
ト結 果では, 多くの者 は授 業が開始 される前よ り資料収集に よる準 備を始め,
予習も行っ て いた。 こ の こ とか ら, 手引きが配 布さ れ る ことで学 習に対 する動 機づけ と自篇学習が促進され たζ340 理 学療法 学
第15巻第 4 号 とが わ か る
。
学 習 者は,
特に手引 ぎに文 献が載っ てい る こ とで勁 機づ け ら れ た と答え てい る。
なお資料である文 献の収集に よ り, 図 書 館へ 行 く時 聞カミ増え図書 館利用 度 が増 すと ともに 文 献 探 索方法がわ か っ た,
な どの 効果も あっ た。
しか し, 文献 探 索は授 業 時聞の合い間の休み時 間に限 られる が時 閥がか かる ため,
ク ラスや仲間で分担 し て探 索すること が多 ぐ,
各 入 が 全て の文 献に載っ てい る図書を 目に し て いる訳で は ない。 つ ま り, 資料収集に つ い て はこ の物 理 的 制限 が大 きく, また文 献 名を 載せ て い る意義が全 員に充 分には 理解されて い ない。 そ し て, 文 献の多くは毎 年周じ物を 使 用 する た め図書 館利用 や文 献 探 索の 意 図が 全く理 解さ れ ない学習 者rこお い て は先輩 や 同燎の 所 持し て い る文献コ ピー
を さ らにコ ピー
するこ とにな る。
な鮒,
文 献はコ ピー
を取るこ とになる た め学 習 者の経 済的 負 担が大き く なる欠 点が ある。 また , 学 習 者へ の前もっ てのオ リエ ン テー
シ ョ ンで図 書館から文献 掲 載 図書は借 り出 さない様に とし て い るが,
学習者以 外 の 者が借 り出し てい る こ ともあり利 用で きない との不満 意 見 も・
あっ た。
教 授 者は手 引 きを作 成 するの に労 力を必 要とするが,
そ の内容 も 考 慮し なけ ればな ら ない。
授 業 目標はあ ま りに も専 門的な枝葉末 節でな くア ウ トライ ン や ポ イン トが明確であるもので, 学 習 者の 自己学 習が丸 暗記 的 あるい は丸 写し と な らな い様な もの で,
理解しな が らの学習が 進め易い もの とすべ きである。
これ らの こ とに注意して作 成し た手 引きで あるが,
横割 り の知 識が 必要で敵漫な知 識を ま と め る能 力を必 要と す る ため,
学 習 者か らは授 業 目標の意 味がとれ ない と か,
より詳 し く 具 体 的 な授 業 目標を書い て ほ しい との意 見 も多か っ た。 ただ,
学 生 は書い てあるな りに し か勉強しない とい う意 見 もあっ た。 講義で は学 習 者は受 動 的であるの に対し,
セ ミナー
形 式では学 習 者ひ と りひ と りが同 僚と相互に 作 用し合い能 動的な学習を行うこ と がで きる。
アソケー
ト 結果で は,
特にその揚で指名 され 発 表するこど がよ り緊 張 感を生む 理 由と して い るが,
同僚の話には関 心が高い のが常であり,
同僚の発 表で あるの で興 味が増 加 する と ともに同僚の学 習 内容 を 知る こと で 学習 意 欲が刺 激さ れ る こ とも 緊張 感を 生 む理略である。
緊 張 感は,
授 業内容 を印 象深くし知 識を自分の もの と し易くす るの で,
よ り 考え る興 味がで て面白 くなり,
自己学 習につ な が る。
も ち ろん 自分以外の人の 考え方 や 自己 学 習 方 法 がわ か り参 考になる と.
と もに,
自己の知 識の誤りに も気づ くこと が できる。
セ ミナー
形 式の欠 点である予習に も 発 表 討義に も時 間がか か る割に は得 られる知 識の量 が 少ない とい う 効率の悪 さ が,
特に臨床の場に でたと き知 識 が不 足し て い る ことに な るの ではない か とい う不安感 を 生 じ させ る ことにな る。 そ して, 学習者がこ の ような授 業 形 式に慣 れ てい ないため の と ま どい があ ること が アン ケー
ト結果 に み ら れる。
また,
系 統 的に ノー
トが 取 れ ない ため予 習 が ない と知 識 を理 解し に くい こ と, 発表に慣
れて いない ため 自己 学 習ノー
トの捧読み と な り聴 講者側の意欲が そ が れる な ど の批判もみ ら れた。
他の授 業で特に講義で は 予習よ り も復習に 自己学 習 時 間 をかけて いる が,
セ ミ ナー
形 式で は予 習に追わ れ るこ と と授 業 時 間 中に理解が得 られるこ とで復 習時間は あま り取っ ていなか っ た。
な お,
手引ぎがあるこ とで試験時に は知 識の整 理 と再 確 認が し 易い との意見も書かれてい た。
学 内 実 習は臨 床へ の導 入の第 1段階である。
学 内実習 は,
理 学 的 診 断 法 と治 療 体 操 を主とする実技のデモ V ス トレー
シ ョ ン と学習 者同士に よ る模 凝 練 習を行 うが,
本 の上 での知 識の み では理 解で き ない手技を学 習 する うえ で必要であ り,
’
アン ケー
ト結 果か ら もさ らに時間増加 を 望む意 見が多い。
た だ,
デモ ン ス トV一
シ ョ ン を行っ て い る ときに学習 者は興 味 と積 極 的姿勢 を あ ま り示 さず, 学 習 者 同 士で の模凝練 習になっ て か ら指 導を求め る傾 向 に ある。
臨 床に おける技 能や態度とマ ナー
の学 習は本来 臨 床 実 習に て習 得 されるべ き もの であろう。
し か し,
臨 床で は単に知 識のみでな くこれ らの こと も重 要であるこ とを体験に て感 じ と らせ るこ と と,
系統 講義的知識で は 臨 床との間に は間隙 が あることを知らせ,
学 内授 業で の 知 識を ま とめた うえで, それを臨 床につなげるた めに さ らに学 習 意 欲を刺 激 すること を 目的として,
臨床講義を 取 り入 れて い る。
臨床講義がある ことは全 員 が良い とし た うえで,
さ らに時 間 増 加 を 望んで い る。
その理 由 を,
学 習 者 自身が自己の知 識 程 度 を 知る こと がで きた と とも に知 識以外に色々 な勉 強がで きた こ と である と し て い る。 臨 床 講義の効 果を高め るに は レ ポー
ト の提 出が有 効で,
自己 知 識を整 理し,
他の 入の意 見 を 知るこ とがで きる が,
レポー
ト の書 き方の練習に も なっ てい る。
能 動 的教授
一
学習法の劾
果は,
その うちの い くつ かの 方 法を組み合わ せ るこ とで,
よ り高め る こ とがで きる。
この授業方 略で は, 学習者に とっ て, 多 くの資 料 を 日に する機 会 が 与え ら れ,
学習者へ の動機づけが早い時 期よ り得られ,
他の人の考え方や学 習 内 容が わか る こ とか ら も動 機づ け を促 進でき,
自己 学 習 が 得ら れ,
学習 者の授 業へ の積 極 的参 加に よ り興 味や 関 心 が高ま り,
緊張 感が で て授 業は印象 的と なっ た。
そ し て知 識 以 外に技 能 や 態 度 も学 習できる な ど講義で は得られに くい効 果をあ げ え た。
し か し欠 点 も明 らか となっ た。
教授者の意 図する知 識の内容や情報が全て伝えられ ない。
学 生 が 受動的 立 場 に慣れて い て討 論の経 験 も少 ない ため討論に の っ て こな能 動 的 教 授
一
学 習 法の検討 34i い こと と,
自己学 習 段 階で の学 習 者 間の コ ミュ ニ ケー
シ ョ ンが良 す ぎる た め討 論にな ら ない。
予 習で は資 料収集 や 情 報の整 理 な どやっ かい で, 多くの時間を必要とする ため学 習 者が大 変であ り,
学 習 者 が自己学習を不 足 させ が ちに な るe し か し,
自己学 習が ない と 授業に参 加でき な いので,
学習者問の知 識の差が大 き くな る。 授 業の進 行に は時 間がか か る割には中 味 が乏 しく知 識が散 漫にな りがちであ る。
したがっ て, 学 習 者は時間の制 約の中で 効 率の惡さか ら習 得 知 識の量と質が不足 す るの で はない か との不 安 感を必 要 以上につの らせ る,
な どで あ る。
これ らの欠 点 を 改 善 する た めには, 授業目標が知識の みの習得でなく学習方法 や 考 え方 を 学 習 するこ と にある のを確 認し, 学 習 者に対し一
人一
人 が思 考学習し,
発言 を躊 躇しない姿 勢 を もつ ことに よ る,
学習者 間の相 互 作 用 が 重 要である との心得を,
あ らか じめ充分にオ リエ ン テー
シ ョ ン し て おく必 要がある。
そし て教授 者とし て は,
学習者か らの批判にある,
学 習の量が多 く授 業 進行のス ピー
ドが速すぎる こと を反 省し 時間と内 容を調 整 する と と も に,
り一
ダー
とし て誘 導や助言の技 能を み がくこ と が課 題である。
お わ り に試み と して
,
運 動 療 法の 1科目に能動的教 授一
学 習 法 のな かの い くつかを組み合わ せ た授 業 方 略を取っ てい る。
学 習 者の アン ケー
ト結果か ら,
この授 業 方 略は お おむ ね 好評で あ り,
教 育 効 果 も確 認できた。 しか し,
受動 的 教 授一
学 習 法に慣 らされてい る 学習者も教 授 者 もこ の よう な授業方略に と ま どいがあり,
欠点は解 消できて いない。 あら か じ めのオ リエ ンテー
シ ョ ン充実に ての学習者の意 識 改革と,
教 授 者の さ らに 意 識 改革や 誘導技能の研 鑚 に よ る欠 点の改 善で, よ り大 きな教 育効果が期待で きよ うe本 稿は第
22
回 日本理 学療法 士 学 会 発表論 文に資料 を追 加し加 筆し た。
御推 薦頂い た同学 会 教 育・
管理H
部門 座 長 富士本隆文先 生 と臨 床 講 義の場を提 供 頂い てい る高 知 整 形 外 科 病 院に深 謝い た し ます。
引 用 文 献 1)日本 医学教 育 会:医学 教育 マ ニ ュ ア ル 1 :医 学 教 育の原理 と進め方,
篠 原 出版,
東 京,
pp.
45−
59,
1983.
考 考 文 献 1)岩淵 勉:グルー
プ学 習,
医 学 教育 15:413−
417,
1984.
2) 久 保田信 之;‘
教 授一
学 習’
論の意味,
医 学 教 育 15 ;395−
398,
1984,
3)日本 医 学 教 育 会;医学 教 育マニ
ュ ァル 3・
教授一
学 習 万法,
篠 原 出 版,
東 京,
pp.
1−
110,
1982.
4)日本 医 学 教 育ft
:医 学 教 育 マ ニ ュ ア ル 5・
シュ
ミ レー
シ ョ ンの応用,
篠 原 出版,
東京,
pp.
1−
28,
1984.
5)沼 野一
男:教 育 学シ リー
ズIV・
教 育 方 法(3),
理・
作。
療 法 12;412−
424,
1978.
6)真 島 英 信:講義 法,
医 学 教 育 15;403−
405,
1984.
342
g\twzaeeeg15kng
4g
<Abstract>
A
Studyon
ActiveTeaching MethodSoichiYAMAMOTO, RPT, Hisanaga NAKAYA, RPT Kochi Rehabilitationlnstitute
Sumi
SAKAI,RPT,
CollegeqfJ'h{ysica
Misako MORI, RPT,
lThermpy
Our
rnstiture
has
a subject of thgrapeutic exercise as active teachingmethod to our students. The'
results obtained
from
the students' questionnaireshave
madeit
clear that thereare weak pointsas well as strong pointsin thisteaching rnethod.The students were greatlymotivated towards self-learning by
being
handed
a handbook prior te the elass, Inthe seminar elass,interaction
among thelear4ers
stimulated therm to study one another,which
ied
educational effect tobe
improved. By receiving both practicaltraining given at theinsti-tute andelinical
lectures
at the assignedhospital,
their motlvation toIearning
was promoted and they couldqcquire
skill and attitude as well, Preparingancl presenting a report to the class are usefulfor getting
hi$
ownknewledge
intoshape, and at the sarne timefor
the rest of the class itwas a chancefor
them to understand theideas
of their elassmates.Having
been
accustomed to attend at classes in pa,ssiveattitude, the students are weak inhaving
adiseussion,
Without preparation forthe class, the
learners
are unable tojoin
the class. Those who can't geta clear understanding inthe
dlass
wouldhave
afeeling
that they areleft
behinddue
to the gradual enlargement of thegap, in terms of the amount of knowledge, between those with preparationand without
it.
Though
aIarge
amount of time was consumed in the process oflearning,
the amount ofknowledge
acquir-edis
much smaller thari they expected to, And thisevil effciency makes thelearners
uneasy,According to the