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北海道鹿の子ダム,福島県裏磐梯,千葉県利根川水系におけるウチダザリガニの生息状況

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(1)

Carcinological Socie砂0 /Japan

北海道鹿の子ダム

福島県裏磐梯千葉県利根川水系

におけるウチダザリガニの生息状況

Present distributional situation o f the signal crayfish Pacifastacus leniusculus in K a n o k o D a m ( H o k k a i d o Prefecture)

lakes a n d rivers in U r a b a n d a i R e g i o n ( F u k u s h i m a Prefecture)

a n d T o n e

Ri

v e r ( C h i b a Prefecture)

山田浩行

l

・大塚英治

2

. 川井唯史

3

Hiro戸lki Y a m a d a

Eiji O h t s u k a

a n d Tadashi K a w a i

. は じ め に

ウ チ ダ ザ リ ガ ニ Pacifastacus leniusculus (Dana, 1852) は 全 長 が 17 cm 程に成長し( 三宅. 1982; Hobbs, 1989). 北米の太平洋側に流入する河川が原 産で,欧州、│ と日本に輸入され,特に欧州、│では在来の ザリガニ類を始めとした生態系への悪影響が指摘さ れている (Lee & Wickins, 1992; Henettonn & Huner, 1999; N y s凶m,1999). 本種の囲内での放流に関する 記録は昭和初期に, 北海道東部に位置する摩周湖や 当 時 の 東 京 府 や 福 井 県 (川井 ら. 2002) と滋賀県 ( 農林省水産局. 1927). 分 布 に 関 しては北海道 (U sio ら. 2007). 福 島 県 ( 川 井 ・三田村. 2003 : 中谷・横山. 2003). 千葉県 (Nakataet al. , 2010). 滋賀県( 中川. 2005) がある . なお,滋賀県に生息 する個体群は,タンカイザリガニの名称で呼ばれて いる( 蛭田. 1986). 北海道では摩周湖だけにしか I (株) パシ フイツクコンサルタンツ 北海道支社 〒060-0807 北海道札幌市北区北 7条西1-2-6 Pacific Consultants C o., Ltd., N 7, W I, Kita, Sapporo, Hokkaido 060-0807, Japan

2 ( 株) 沿海調査エンジニアリング

干060-0009 北海道札幌市中央区北 9条西 18-35-89

Coast Reserch Engineering Co., Ltd., N 9, W 1 8, C huo, Sapporo, Hokkaido 060-0009, Japan

3 稚内水産試験場

干069-000 1 北海道稚内市末広 4-5- 15

Wakkanai Fisheries Research Institute, 4-5-15 Suehiro, Wakkanai, Hokkaido 069-0001, Japan

E-mai1: kawai-tadashi@ hro.or.jp

生息していなかったウチダザリガニは 1980 年代か ら北海道東部を中心に急速に分布を拡大し (蛭田, 1986) . 近年でもその傾向は収束しておらず (Usio ら. 2007). 現在ではダム湖も含めて北海道の湖沼 の多くにウチダザリガニが生息している (Smith &

K a m iya, 200 1; Kawai et al,. 2002; Nakata et al., 2004; Ohtaka 針 。1.,2005) 本種は環境省によって特定外来生物に指定され, その対策は急務となっている . 北海道内には,在来 穫であり各行政機関から希少種としての指定を受け ているニホンザリガニ Cambaroides japonicus (D e Haan, 184 1) も分布しており,その生息域は主に河 川の源流部や山上の湖沼である そのため本種の生 息場所のうち,特に湖沼はウチダザリガニと重複す るので,何らかの悪影響を受けていることが懸念さ れる. これま でウチダザリガニによる在来の生態に 対する影響について各種の情報が得られているが (例 えば Usio et al., 2001; Nakata et al., 2002, 2004; Nakata & Goshima, 2003, 2006; Matsuzaki et al., 2009). 有効な対策を構築するために必要な生態学的な知見 は必ずしも十分とは言えない. 本報告では北海道東 部に位置するダム湖 ( 人工的な湖沼) である鹿の子 ダム( 別名: 置戸湖) において,ウチダザ リガニの ダム湖における生息の有無に影響する環境要因に関 する情報を得た これは将来的には本種の分布拡大 を抑制する技術に発展する可能性が期待できるので 報告する. なお,鹿の子ダムは北海道東部における ダム湖としては中程度の規模であり,水位調整等の 人的な管理が一般的であるため,ここで得た知見は 他 のダム湖や湖沼への応用が期待できる 成果とな 日本甲般類学会吊

tPOtt

I

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(2)

山田浩行・大塚英治・川井唯史 る. 福島県裏磐梯地区の桧原湖と小野川湖にはウチダ ザリガニが分布し( 阿部ら, 2005),この由来は 北 海道から二次的に放流されたものである (Kawaiet al., 2004). 本 生 息 域 で の 産 卵 時 期 等 の 基 礎 的 生 態 ( 阿部ら, 2004b),コクチパスMicropterus dolomieu との関係( 阿部ら, 2004a) は報告されているが, 近 年 の 分 布 拡 大 の 現 状 に つ い て は 把 握 さ れ て い な い 外来種対策を行う上で,当該地区における基礎 的な生態と共に分布拡大の過程や分布現状は,今後 の対策を講じる上で重要な情報である 千葉県の利根川水系では2006 年くらいから正体 不明なザリガニ類の目撃情報が寄せられており, Nakata et al. (2010) は,その種名( ウチダ ザ リ ガ ニ) や生息地の水温環境,そして形態と寄生虫の種 組成を根拠に北海道から二次的に持ち込まれたとの 由来を明らかにした し か し 生 息 地 に お け る 概 況 については未報告である そこで近年の概況を把握 するために踏査したところ,従来の報告とは異なる 傾向が見られたので報告する . 調 査 方 法 と 場 所 北海道の鹿の子ダム 調査場所 鹿の子ダムは北海道東部にある網走管 内 の 置 戸 町 に 位 置 す る 流 域 面 積210 ha, 1983 年 竣 工のダム湖であり,年間を通じて水位が変動し, 11 月から5 月にかけて表面が結氷する 本湖は水位の 調整が放水により行われ,水位が最も激しく低下す るのは7 - 9 月であり, 5 月と 11 月は水位が最も上 昇する. 最低水位と最高水位の差 は5 m 程である. 鹿 の 子 ダ ム で 放 水 口 近 く を 地 点NO. 1 (北 緯 43' 36'43.3ぺ 東 経 143' 23'16.5"),最も大きな 流入河川 が 見 ら れ る 場 所 付 近 を NO.3 (北 緯 43' 37'0.5",東 経 143' 21'15.8つ , 両 者 の 中 間 を 地 点 N O . 2 (北 緯 43' 37'0.6ぺ 東 経 143'21'47.2つ と し た 地 点 N O . 2 と地点N O . 3 付近には最大でも川幅 1 m 程の小さな 沢が数本流入している( 図1) 調査方法 2010 年 8 月 21 日, 9 月 25 - 26 日, 11 月2 2 - 2 3 日に,鹿の子ダムで,潜水によりウチダ ザリガニを採集した 潜水調査では各月の調査場所 を一定にするため,最初の8 月の調査で,湖岸の汀 2 2

I

C a n偲r2 0 (2011) 44. N 42・N O 140E 地点NO.2 o 500m

L J

図1 . 鹿の子ダムの地図と調査地点 線 付 近 に 小 さ な 目 印 を 置 い て 写 真 を 撮 影 し こ れ に 基づき l 回 目と同じ場所に 2 回目と 3 回目の調査定 点を空間的に悶定して設定し,ここから沖合の方向 に向かつて垂直に調査用の検縄を設置し,等間隔で 水深を記録して湖岸の勾配を求めた また各水深別 に水温,底質を記録し,各水深 (0,1,2,3 m ) には, 1/4 (0.25) m2の方形枠を任意に 4 箇 所 設置 し て 計 1 m' とし, これを 4 水深帯で行い,合計 4 m2のウ チダザリガニを採集した. 水温はダイパーが棒状の 水温計を持参して各水深で測定した. 底質は,その 長 径 に よ り 区 別 し 長 径 が0 . 2 m m 未満は泥, 0.2 m m 以 上 2 m m 未満は砂, 2 m m 以 上 2 c m 未 満 は 磯 ,2 c m 以上 2 0 c m 以 上 は 転石 と し , 主 な 底 質 を 記録した. 得 られたウチダザリガニは頭胸甲長(眼 禽後縁から頭胸甲の正 中線上後縁まで) を 測定し, 生殖器の形状により性を判別して記録した 予備的な調査では,鐘による採集で最もウチダザ リガニが採集できるのは9 月であ った そこで9 月 26 日に 3 地 点 ( 地 点 No.1 ,地 点 N o . 2,地点 No. 3) に各 3 個 の 績 を 設 置 し た 策 の 大 き さ は,縦 48 c m X 横 2 4 c m X 高さ 2 4 c m,日合いは 5 m m で,通 称 「 か に 鐘 」 と 呼 ば れ , 釣 具 庖 等 で 販 売 さ れ て い る. 績 は 水 深2 . 0 - 3 . 0 m の範聞に設置して, 冷 凍 した魚類の肉や魚肉ソーセージ約 100gを餌として 夕方 (15 - 17 時 ) に 設 置 し 翌 朝 ( 8 - 1 0 時) に引 き上げ,入策した個体を計数し頭胸甲長の測定と 性の判別を行った.

(3)

2010年 8 月 21 日には,地点 N O.3 において,定 点に最も近い,湖岸に直接流入する l 箇所の河川で ザリガニ類を探した. なお,

8

月は河川 においてザ リガニ類が最も得られやすい時期であることが予備 的な調査で確かめられている 調査方法は,最初に 流入河川の全域を踏査し環境が平均的な場所を見 つけ,そこで流程 1 5 m の範囲を l 名の調査者がザ ルを用いて転石や流木を徒手でめくりながら探し た 採 集 時 間 は 各 調 査 地 点 で 15 分 と し た 調 査 場 所で河川や周囲の様相が最も一般的な場所で¥ 水 温,水深, 川幅,流速,底質,周回の植生,ザリガ ニ類を採集していてザルに混入した生物を記録し た. またザリガニ類が見つか った場合は,種類を査 定して,得られた個体の頭胸甲長を 測定し,性の判 別を行 った. なお底質の区分方法と頭胸甲長の測定 方法と性の判別は前述の方法と同じにした 福島県の裏磐梯地区 当地区は面積が1 ha 以上となる比較的大きな湖 である桧原湖,小野川湖,秋元

i

胡,曽原

i

胡,そして 面積がI ha 未満の小 さな湖 が点在している 秋元 湖はダム湖であり ,放水して長瀬川 に水を供給し, この水は猪苗代湖に流れ込んでいる 分布調査 調査場所の選定は ,五 十 嵐 悟 氏 が 平 成 18 年度 (2006 年) に行った調査の未公表報告書 「裏磐梯・猪苗代周辺におけるウチダザ リガニ生息 分布調査」を参考にした この報告書 によると桧原 湖,小野川湖,秋元湖でウチダザリガニが見つかっ ており,長瀬川や猪苗代湖では調査したものの未発 見であ った (図 4). 本調査では曽原

i

胡と,秋元湖 から長瀬川へ放水している箇所,長瀬川の中流域で 調査行 った 区の湖沼と河JII 8 地点を踏査し,各地区では l 箇 所, 3 名 が 30 分程度をかけて , タモ網を利用して 徒手で,隠れ場所となる転石等をめくりながらウチ ダザリガニの採集を試みた なお,福島県の調査で も北海道の鹿の子ダムと同様な方法で,頭胸 甲長の 測定と性の判別 を行ったー調査地点は以下の通りと した (図的。 a 曽原湖. b 曽原湖から 5 0 0 m 程離れ た名称の無い湖沼, c 秋元湖からの放水口, d小野 川湖の流出河川でビジターセンタ一前, e 長瀬川中 ウチダザリガニの生息状況 流域, f 長瀬川 中流域で e 地点よりも 2 k m 程下流, g長瀬川で猪苗代湖近 く 間取り調査 調査を行 った 日に は, 間取り調査も 行い ,対象者は福島県裏磐梯 地 区に 20 年以上,在 住している方とした. 千葉県利根川水系 2010年 7 月 24 日, 2011 年 3 月 5 日利根川水系の 長豊橋付近,長門川付近で外観を踏査し,地域の方 に間取り調査を行った. 圃 結 果 北海道の鹿の子ダム 8 月 2 1 日の調 査 で , 各 地 点 に お け る 水 面 付 近 (水 深 1 m ) におけるダムの湖底を示した (図 2). 地点 N O.1 の湖底 A と地点 N O.3 の湖底

c

と D で は,主な底質が砂磯となり径が 5 c m 以上の転石が 点在した. そして D では礁の 下 にウチダザリガニ が隠れていた 地点 N O.2 のB では底質が砂とな っ ていた 3 において全て底質が砂となった . 湖 の水深は岸か ら沖側に向かつて徐々に深くなる傾向があり ,水温 は水深が深くなるに従い低下する傾向が地点 N o. . ただし調査 地 点 間 で は,水 温 に 関 し て 変 異 が 見 ら れ,水 深 また湖 図 2. 鹿の子ダムの調査地点の湖底. A は地点 N O. l の湖底 (水深 1 m),B は地点 N O.2 の湖底 (水 深 1 m ), C は地点 N O.3 の湖底 (水深 1 m),D は地点 NO.3 の湖底で水深は 1 m 程

C 8r

r20 (2011)

I

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山田浩行・大塚英治・J l I 井唯史 鹿の子ダムにおける底質とウチダザリガニ出現の関係 地点別,水深別に示した. 2010年8月21日調査 表1 . 水温 (t) 23.5 21.9 15 .5 個体数 n U 今 , h n U A U ハU ハU ' l n v A U 底質 転石,磯,砂 転石,燦,砂 転石,磯,砂 転石,砂 砂 砂 砂 砂 砂 距岸距離 (m ) 0.0 2.5 3.0 5.5 10.0 15 .0 20.0 25.0 30.0 水深 (m )

1.0 1.5 1.9 1.9 1.9 2.0 2.5 2.8 地点 NO. 1 19.8 N O.2 24.5 22.3 19.7 ハ Hv nH V A HV A U A HV A U 、 y ト Y 小 y k y h y μ y p ' v F ' γ f r f お 前 瓦 相 0.0 40.0 50.0 60.0 80.0 100.0 0.0 1.

0

1.5 2.0 2.5 2.9 16.8 24.1 22.3 16.8 16.6 Z J A U AU AU 師 砂 砂 砂 0.0 7.0 18.0 30.0 ハU A U n U A U A U -内 4 4 3 N O.3

N O.3

NO.2 図N o.l

15 マT : 10 思 制 櫛 5 未調査 11月 鹿の子ダムでの潜水調査により,各地点で得ら れたウチダザリガニの個体数 であり,地点N O . 2は6個体が採集され頭胸甲長は 41.8

:t

4.5 (35.9- 48 .7) m m,地点N O.3は50個 体 が得られ頭胸甲長は39

.4:t

9.1 (20.2- 85 .6) m mで あった. 流入 河川 の調査の結果, 地点N O. 1付近に流入す る河川ではウチダザリガニがオス l個 体 だ け 出現 し 頭 胸 甲 長 は22. 0 m mで あ っ た . そ の 環 境 と し ては水温 13.0t ,川 幅は 1 0 0 c m未満,水深は5 c m 未満,流速は 13 cm /s,底質は砂磯,植生は広葉樹 林 , 混 獲 さ れ た 生物はカゲロ ウ類であった 地 点 N O.2付 近 に 流 入 す る 河川 では ニ ホン ザ リガニが2 個 体 出現 し た 水 温 は 13 .0t ,川 幅は30 c m未満, 水深は2 c m未満,流速は20 cm /s,底質は砂磯,植 生は広葉樹林,混獲された生物はカゲロウ類であっ 底の勾配に関しでも地点聞の差があり,地点NO.l と地点N O . 3 は距岸 距 離30 m で 水 深 が2 .8- 3.0 m であったが, 地 点N O . 2は傾斜がなだらかであり, 距岸距離1 0 0 mで水深が2 . 9 mとなった 潜水調査の結果を表 ! と図3 に 示 し た こ こ で 各 月における潜水調査の結果において,傾向が同様で あったため,表 l では 8 月の結果を代表した 8 月 は,地点N O. 1では3個体( 平均頭胸甲長 19.1士 1.1 S .D . ( 最小18. 1- 最 大20.3 ) m m),地点N O . 2では 0 個 体 , 地 点 N O . 3 で は 5 個 体 (20.4土3.9 (15 .7 - 25 .8) m m) が 採集 され た. 9月は 地 点N O . 1 で 11個 体 (24.1士 11.0 (13.1 - 42.1) m m),地点N O . 2 で0個体, N O . 3で3個 体 (15.1

:t

0.9 (14.2 - 15.1 ) m m) が得られ, 11 月は 地 点N O. 1で3個 体 (22.2

:t

3.8 (18. 1- 25 .6) m m),地 点 N O.2 と地 点N O.3 で0 個体であった. またウチダザリガニは, 8 月の 調査における l個体( 地点N O. 1の 水深2.0 m,距 岸 距 離20 m ) を除き,すべて転石のある地点にお いて ,その下から得 られた. また9 月の潜水調査で は箆の調査と同時並行で行ったが,績の周辺の半径 10 m程度ではウチダザリガニが見当たらなかった. 能での採集の結果,地点N O. 1では53個 体 が 得 られ,その頭胸甲長は39.9

:t

5.2 (20.9 - 50.3) m m 10月 9月 8月

図3.

C an

鵠r 2 0 ( 20 11) 2 4

(5)

た ニホンザリガニの頭胸甲長はオスが9 . 5 m m, メスが11.6 m m であ った . 地点 NO.3 付近の流入河 川 で は ザ リ ガ ニ 類 が 得 ら れ ず , そ の 環 境 は 水 温 13.0t ,川 幅は 30 c m 未満,水深は 2 c m 未満,流 速は 22 cmls,底質は砂泥,植生は広 葉樹,混獲さ れた生物はカゲロウ類であった 福島県の裏磐梯地区 分布調査 a 曽原湖近くの面積が 1 ha 未満で名称 が無い小さな湖 (図 4,5) では, 20 個体が採集さ れ 頭 胸 甲 長 は 3 1. 0

:t

5.9 (22.0-46.3) m m であっ た. b 曽原湖では3 個体が得られ,頭胸甲長 33.8

:t

5.7 (28.0-39.3) m m であった c 秋元湖放水口 近 く の 河 川 で は 8 個 体 が 採 集 さ れ , 頭 胸 甲 長 は 40.1土3.8 (35.2- 45.4) m m であった d 小野川湖 から流出する河川では 36 個体が採集され,頭胸甲 長は4 1.7:t (31.7- 49.0) m m であ った . これに対 して長瀬川│ の中流部の 2 箇所 (e,。と猪苗代湖へ

o

5 k m

f o

7

l

l

図4. 福島県裏磐梯地区のウチダザリガニ分布状況 白丸は過去の調査で分布が記録されている場 所,黒丸は本調査で分布が確認された場所で, 黒三角は本調査でウチダザ リガニが得られな かった場所 の流入する付近 (g) ではウチダザ リガニが採集さ れなか った 間取り調査 間取り調査の結果,複数の方から同 じ内容の情報が得られた場合,この情報には客観性 があると判断して以下に示した. 情報 l 裏磐梯地区は昔,米作を行っていたが, その後はジュンサイ用の沼となり,現在 図S. 福島県裏磐梯地区曽原湖近くの小湖( 写真 上) ,秋元湖の流出部( 写真中) ,中瀬川の中流 部付近( 写真下)

25

(6)

ではウチダザリガニの釣堀がある. 情報 2 最初は小野川

i

胡で見つかり,そこから急 激に分布域を拡大した特に過去 5 年程 度で、生息場所が広がったように思えるー 情報 3 ブラックパスはかなり以前から見られた が,ウチダザリガニは平成

7

(1995

年) 頃から見つかり始めた なおアメリ カザリガニは,その以前から五色沼等の 比較的水温が暖かい場所で採集できた 情報 4. 以前は観光目的で他の地区へウチダザリ ガニを出荷していたこともあるが,特定 外来生物法が定ま って 以来は行っていな し、 千葉県利根川水系 踏査時,長豊橋付近と長門川は共に, 川幅が 50 m 以上と幅広く,また 長門 川 の川岸は砂泥となっ 図6. 千葉県利根川水系のウチダザリガニ生息地の外 観. 上は長豊橋付近,下は長門川のウチダザリ ガニ生息場所

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ており,いくつかの固定式の漁具の設置や遊漁船が 見られた( 図 6) . また,周辺には水温を低めに推 移させる湧水等は見られなかった . 間取り調査によ ると,ウチダザリガニは数年前から見られ始め,漁 具 に 入 る こ と が あ っ た た だ し 本 夏 は 水 温 が 30' t 以上で推移する時期が比較的長く続き,以降ウ チダザリガニは見られなくなり,漁具に入ることも 無くなった との情報が得られた. . 考 察 鹿の子ダムにおける潜水調査で,地点 NO. 1 と地 点 N O.3 ではウチダザ リガニが比較的多く採集さ れ,地点 NO.2 では得られなかった. この傾向は龍 調査も同様で、あった. ウチダザリガニが得られな かった地点 2 と,多くの個体が採集された地点 No. l と地点 NO.3 の環境には何等かの違いが存在し これにより個体数の密度に差異が生じたと考えられ る そこで水温,底質,勾配に関して,各地点間で 比較したところ,水温と勾配に関しては明瞭な差が 見られなかった( 表

1)

そしてウチダザリガニが 潜水で採集されたのは,地点 N O.1 の l 個体を例外 として,他の7個体は全て転石のある地点で( 表 1) . その下から得られている そのため,転石は本 種の隠れ場所として利用されており,これはウチダ ザリガニの分布や行動を制御する環境の l っと考え られる. 本ダムの管理者からの情報によると. 地点 NO.2 の砂は人工的に導入したものであり ,結果としてウ チダザリガニの分布を抑制していると考えられる . なお底質が砂地である地点 NO.2 に設置した龍でも 捕獲できたことか ら,砂を入れて環境収容力を低下 させても,餌の存在等の他の要因があればウチダザ リガニの行動は完全に抑制できないが,底質の改変 によりザリガニ類の行動を,一定程度抑制できる可 能性は示唆された今後は,本知見を参考にしてウ チダザリガニの行動に影響を与える環境をさらに調 べ数値化し,本種の行動を土木的に制御できる技術 の開発が期待される. 北海道内の湖沼では屈斜路湖や然、別湖など,湖岸 には高密度でウチダザリガニが生息し,その流入河 川にはニホンザリガニが見られる湖沼がいく つか見

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られる (K aw aiet al., 2002) これらの水系では近接 する空間で両種が見ら れるので,ある種の「住み分 け」が起こっている . 本来, ウチダザ リガニは分布 域を 拡大する 能力が強いが, これ らの水系では何等 かの理由で湖岸の本種が流入する河川 を遡上でき ず,その分布範囲を 拡大 できないものと思われる た だ し 北海道の河川ではウチダザリガニの分布拡 大が流入河川 にも及び,ニホンザリガニの住み場所

櫨薗瞳薗園薗聞醐

リガニの繁殖により,これらが影響を受けることが 懸念されていた ただし,現状ではウチダザ リガニ の分布拡大に関する情報 は得ら れておらず, 2010 年の夏期以降は,高水温が原因した大幅な個体数密 度の低下により,生き残った個体が人目につき難い 河川の流芯部にかくれている, あるいは絶滅が発生 した可能性がある. を完全に占有している例もある (川井,未発表資 . 謝 辞 料) 鹿の子ダムの流入河川では,ある場所ではニ ホンザ リガニが見られ,他の流入河川ではウチダザ リガ ニ が 見 ら れ た 両河川

l

の生息環境を 比較すると 大差は見られない 本調査では,ウチダザ リガニが 見られなか った流入河川 において分布拡大を 抑制 し ている要因は明らかにできなか ったが,今後は数多 くの湖沼での流入河川 を調査してニホンザ リガニが いる場所, ウチダザリガニの侵入を許した場所を 比 較検討することで, ウチダザ リガニの行動だけを制 御できる要因を発見できるかもしれない. 福島県裏磐梯地区に おけ る分布調査により. これ までに正式な報告がなかっ た曽原湖や,その近くの 小 さな湖沼,秋元湖か らの流出河川への放出口付近 で分布が記録された これまでの分布記録は,比較 的大きな湖である秋元湖, 小野川湖,桧原

i

胡が中心 であ ったが,本調査の結果,面積が 1 ha未満の小 さなj胡にもウチダザリガニの分布域が拡大している ことが確認されたこれらのことから福島県裏磐梯 地区においてウチダザ リガニの分布域が拡大してい ることは確実である. さらに地域住民を対象と した 聞き取り調査でも ,分布の拡大と整合性のある証言 が得られている . 秋元湖から長瀬川へ繋がる河川への放水口付近で はウチダザリガニが見つかり ,今後は長瀬川本流の 中流域や,将来的には本河川が流入する猪苗代湖へ の分布拡大の懸念もある 本調査では長瀬川中流で の調査地点でウチダザリガニは得られなか った. し かしウチダザ リガニが当地区で分布域を拡大してい る傾向は確実なので, 今後は, その推移を慎重に監 視するのが望 まれる. 千葉県における,ウチダザ リガニの分布範囲は利 根川水系や特に長門川 に限られていると思われる が,ここでは漁業や遊魚が行われており,ウチダザ 本調査のうち鹿の子ダムでの作業は平成22年度 W E C研究助成を受けて行った ウチダザ リガニを 龍で採集する許可の手続きを頂いたオホーツク振興 局 と北海道水産林務部,福島県のウチダザリガニに 関する貴重な文献を恵与いただいた中谷勇博士, 本調査への理解を頂いた鹿の子ダム管理事務所,調 査への協力を頂いた ,多1 / 路工業高校の 一保信明先 生, N P O法 人 わ か ぱ 自 然 楽 校 の 五 十 嵐 悟氏 と野 沢沙樹氏,日本甲殻類学会の小林弥吉氏,土木研究 所の中田和義博士,建設環境研究所 の野 中俊文博 士, 北開水工の折戸 聖氏, 千葉県立中央博物館の 尾崎真澄氏, 日本甲殻類学会の砂川光朗氏,ダー ビ一大学のD avid R ogers教授, 北海道大学の田中一 典氏に感謝します. 圃 文 献 阿部友典・柴田幸子・渡辺愛望- 新井雅也- 鈴木邦 章 ・中 谷 勇 ・横山宣雄, 2004a.裏磐梯小野川湖 のコクチパス M icropterus d% mieu の食性 山形大 学理学部裏磐梯湖沼実験所報, 12: 18- 19. 阿部友典・柴田幸子 ・渡辺愛望 ・新井雅也・ 鈴木邦 章 ・中 谷 勇 ・横山宣雄, 2004b 小野川湖 ・桧原 湖に生息する外来種ウチダザリガニ. 山形大学理 学部裏磐梯湖沼実験所報,12: 20-23 阿部友典・杉本嘉寛・栂井龍一 ・中谷勇. 2005 .小 野川

i

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