水素エネルギーシステム
Vo
1.3
7
,No
.4(
2
0
1
2
)
特 集水素貯蔵材料開発の将来展望
西 宮 伸 幸
日本大学理工学部物質応用化学科 干1
0
1
圃8308
東京都千代田区神田駿河台1
・8
・14
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Nobuyuki Nishimiya
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Chiyoda-Ku,
Tokyo 1
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Composites and nanoconfined m
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Metal h
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Nanoconfinement
1
.
はじめに 水素エネルギー協会は2
0
1
3
年に設立4
0
周年を迎える。 そして、我が国の水素吸蔵合金の開発にはそれとほぼ同 じ長さの研究開発の歴史がある。高比表面積材料、有機 ハイドライド、錯体水素化物などが加わって水素貯蔵材 料の研究は今や百花練乱の観を呈しているが、ニッケル 水素智也の負極財料としてA&型合金が実用化されてい る以外は、目立った活用事例が無い。この4
0
年という期 間の他の分野の進展、例えばコンビューター技術や人工 心臓技術などと比べると、水素貯蔵材料およびこれを用 いたシステムの開発は停滞していると言わざるを得ない。 ここ1
0
年ほどは、移動体用の燃料電池に水素を供給す る目的を最上位に置いて水素貯蔵材料が開発されてきた、 と言えよう。しかし、燃料電池自動車(陀v)の一般ユー ザーへの普及が始まる2
0
1
5
年[
1
]に FCVに搭載される
のは、70MPa
の高圧水素タンクである。安全性で上回る はずの水素貯蔵材料は、おもに軽量化が達成できなかっ たため、 FCV実用化のタイミングに間に合わなかったO 水素貯蔵材料を FCVに搭載するには、 「システム 1均 あ たり水素O
.
0
6
k
g
Jとしづ水素貯蔵密度を、圧力
O.l-lMPa
および温度2
ωー
3
9
3K
(P-T
ウインドウ)で達成する必要 があり、米国エネルギー省ωO
E)はこれを明確な数値目 標としてきた[
2
]
0
材料としてではなくシステムとして6m
鎚s%という
2
0
1
0
年目標値は、世界的に未達である。P-T
ウインドウ条件に合うものは水素貯蔵密度が足りな いため重く、水素貯蔵密度が高くて軽い材料は水素放出 に高温を必要とするという二律背反が克服で、きなかった。 この間、例えばMgfu
を持ち出し、この水素化物は7
.
7
m部s%
の水素貯蔵量を有するから、水素放出温度(平衡圧 が0
.
1MPa
に到達する温度と定義しておく)さえ低下さ せられれば FCVに搭載できる、と主張する向きもあっ たが、状態図に載っているあらゆるMg基金属間化合物 の水素化後の水素放出温度が520K
を下回らないことは1
9
7
0
年代中ごろには既に公知となっていた。非平衡材料 やクラスターなどで新規なMg基金属間化合物を提案す るのでなければブレークスノい-~こつながりそうにない。 そんな中、数値目標を掲げた以上は何が何でもそれに 向けて研究する、としづ迫力が見えるのがOOE
のBES
侶羽cEn
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明rS
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である。毎年行われているAnnu
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Re
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での発表内容がWEB
で公開されている闘 が、まだまだ「マル秘Jでもよさそうな内容が含まれて いて、迫力がある。科高では、場合によるとOOE
目標の 達成につながるのではないかと考えられる研究事例をBES
やその関連分野から広く拾い集め、それをもとにし て今後の材料開発の方向を展望したい。水素貯蔵材料そのものではなく、各々の水素貯蔵材料 を使用したときの水素貯蔵システムとしての水素密度が、
3
.
錯体水素化物に関する最近のトピックス アルゴ、ンヌ国立研究所によってまとめられている[
4
]
。取 り扱う水素量や容器の材質、安全係数の取り方などによ って結果は大きく変わるが、図1.は5.61屯の水素を貯蔵 できるシステムについての言刊面結果を示す。図中、 可7伊 3 および胃rpe4と示されているのは、それぞれ、アルミ容 器を炭素系跡佐で、強イ七した軽量容器および、フ。ラスチック容 器を炭素繊佐で強化した容器を意味する。また、MOF
は Metal- 臼ganic Fr祖国~workの略称、で、あり、「有機金属骨格体」とし、うほどの意味である。図に示された
MOF
システ ムの密度は、 司7戸3容器の使用および77K
以下のクライ オ条件での操作が前提とされている。このクライオ条件 を圧縮水素に適用すると、液化水素を用いるシステムを 水素エネルギーシステムVo1.37,No.4(2012)2
.
水素貯蔵材料の分類の観点から 超える貯蔵密度が得られ、FCV
への搭載が前提のOOE
の2
0
1
0
年目標に接近していることが図から読み取れる。 なお、図中の目標値は文献記載の値[
2
]
に準拠している。 また、図中の「有機夜体Jは主として有機ハイドライド を表す。 図1.には、典型的な水素吸蔵合金が含まれていない。 アラン必 胞 のアルミニウムをアルミニウム合金で置き 換える場合や、N
aA旧4、N
aBlLなどの錯体水素化物に Mg胞をブレンドしたりする場合に水素吸蔵合金が登場 することはあり得るが、アルゴ、ンヌのグループ。は合金単 独のシステムをまとめの図に加えなかった。本稿でもこ れにならい、水素貯蔵材料の分類の中の錯体水素化物お よび高比表面積材料を主として取り扱うが、OOE
の目標 701ー 601- アンモニアボラン 50・一 0 1 2 3 4 5 質 量 密 度 /mass% 特 集 値を視野に入れた水素吸蔵合金で、あれば、積極的に取り 上げるものとする。 プロトタイフ。の水素貯蔵システムに大量の水素貯蔵材 料が用いられているとし、う点では、N仏 旧4が先頭を走っ ている。材料としての水素の理論貯蔵容量が 5.5ma鎚% であるため、図1.に示したOOE
の2
0
1
0
年目標値に及ば ないことは初めから承知の上で、速度論的なデータや熱 交換の最適化に関するデータが取得された。触媒として2 mol%のTiα
を加えた貯蹴オ料19k9を米国のグループ は用いており[
5
]
、8kgの N仏 旧4
にTiα
3
・
A
l
α
3
を角的某と して加えたものを欧州、│のグルーフ。は使用している[
6
]
。 図1.にはホウ水素化物を代表してNaBlLが載せられ ているが、NaBH
4
自体の水素貯蔵容量が7.9ma出%、 85.5 kgm"""3であるのに対して、LiBH
4
で、は13.9mass%、93均
m、コ h匂(BH,
J
2で、は14.9m出s%、113kgm"""3というように NaBlLの水素貯蔵容量を超えるため、近年はNa以外の 多くのホウ水素化物が研究されている。また、ホウ水素 化物の分解過程や再水素化過程においてアモルファス相 が現れるため、ラマン分光やNMRなどの研究が盛んに なってきている。下記式(1) LiBH
4
日 ν12Li2BIili12+
516 LiH+
13'12lli 付LiH+ B+3'2llid u
8 は、ラマンスペクトル、第一原理計算などを用いた研究同 によって提唱された反応経路を表すもので、あり、その後、 ラマンの ins
i:加測定によって式中のLiillIili12の桐生が LiBlLの分解過程で、実証された 刷。このような知見がき っかけとなり、通常の [BH
J
-
含有錯体のみならず、 [BIilid
z-を含有する錯体などへ水素貯蔵材料としての関 心が拡がっている。 ホウ水素化物ベース水素貯j樹オ料のもう一つの大きな 流れは複合化に向かっており、カチオンの複合化、アニ オンの複合化および両方の複合化など枚挙にいとまがな く、全貌を見渡すのが困難なほどである。Ii(BH,
J-
y(BH.J3、Mg(BH.Jz-N仏皿、Mg侶~H.Jz-LiH、 NaBHrN以lli 、 LiBHrNaAll也、LiBH生一日、 NaY(BH
,
J
幻
2などを例とし て挙げることができる。この中で、 NaY(BH.Jρ
2
におい 図1.水素を5.6kg貯蔵するシステムの貯蔵密度の比較 ては、その分解温度がY侶HぬとNaBlLの中間であると c昆 :圧縮水素、α
昆 :クライオ圧縮水素、 ilI2:液化水 報告されている[
9
]
。素、
MOF:
有機金属骨格体、。:
OOE
の目標値 図1
.
でOOE
の目標値に最も近し可立置にあるアンモニ水素エネルギーシステムVo1.37,No.4(2012) アボラン
NI
もB
Hsは、水素放出後の再水素化が困難だ、と されていたが、水素2モルを放出しただけの試料であれ ば、液体アンモニア中でヒドラジンと反応させることに よって再生可能で、あることが見いだされた [10]。アンモニ アボランの分解の程度や速度はイオン液体の中で扱うこ とによって増大することが知られており [11]、その後の研 究で1
-
ブチル'
-
3
ーメチルイミダゾリウムクロリドを 加% 加えた系では 393Kで 11.2ma部%の水素を放出し、これ がアンモニアボ、ラン単独の索杉消引寺の9.9m錨s%を上回 ることがわかったため[12]再生可能となったこととあい まってアンモニアボランはにわかに脚光を浴びている。 さらに、アミンボラン RNH.zBHsとすることによって 再水素化を容易にしたり [13]、LiBHt-NHsB誌 のような 反応十生水素化物複合体として水素放出温度を下げたりす る研究も活発に行われており、例えば3
LiH-3
NHsB昆/ LiBH
4
0 N昆系は373K以下で10ma邸%の高絢支水素(> 99.9mo跳)を放出すると報告されている[14]。ただし、再 水素化に関する記述は無い。ここで、 LiBfu
・NHS
は室温 で両成分を付加させたものを意味し、LiH-NI
もB
ぬ との ブレンドはアルゴ、ン中で、の粉活科昆合によって行われる。 アンモニアボランの類縁系であるヒドラジンボランNiliA
Hsやヒド、ラジンの水素を金属で、置換した形のリチ ウムヒドラジドLiNHNlliなどにも関心が持たれている。 分解反応の際にアンモニアなどの異種ガスが放出される のが問題であるが、リチウムヒドラジドの場合、これに アルカリ金属水素化物を添内目すると異種ガス放出が抑制 されることが示されており [15]、水素放出温度が370Kよ り低いとし、う特長が今後活用される可能性がある。 アランは、材料としての水素貯蔵容量が10.1ma田%、 148kgm"""3と高いが、合成に手聞がかかることと再水素化 が困難であることから、水素貯蔵材料と見なされること は少なかった。歴史的には有機溶剤中で合成し、脱溶剤 によって単品を得ていたが、最近、アラネートとハロゲ ン化アルミニウムをクライオミリングすることによって 合成できることがわかった[
1
6
]
。この方法では、ジエチル エーテル中で、の反応として常用されてきた下記式(2)3
L
i
A
1
T
h
+
A
l
α
3
→4A
l
H
s
+
3
I
i
l α ω
の反応よりは、 NaAlH4やAlBnを用いたほうが収率が高 い。高JI生成物で、あるハロゲン化アルカリの分離が今後の 課題となろう。アランを脱水素した後の再水素化につい ては、G
r
a
e
t
z
らの良い総説がある [17]。典型的な再水素 化は図2
.
のようにジエチルアミンの介在下で行われ、ジ:
:
i
+
喝をふ+側
A
I
A
I
ト
ち
噛
C
4H
11N
よ
A
I
同
瞬
間ら
H
s
)
a
よ
汚
染
k
A
I
H
3H
2 特 集 エチルアミンをいちどトリエチルアミンで置換してから 脱溶剤することによって単品のアランを得る。強力な配 位のもとで、再水素化反応を進行させた後、脱離困難な配 位溶剤を脱離可能な配位溶剤で置き換え、満を持して単 品を得るという、アミンの配位力の使い分けが巧みであ る。アランは、チタンで活性化された金属アルミニウム およびキヌクリジンの百E
スラリーに7
l
¥
1
P
a以下の圧 力で水素を吹き込むことによっても合成で、きる[
1
8
]
ため、 アランをスラリーのままでフk
素貯蔵材料として利用する 研究も活発に進められている。4
.
高比表面積材料に関する最近のトピックス 図1.に含まれている高比表面積材料はMOFおよびカ ーボンである。MOFおよびその類似体のCOF(伽r
a
l
e
n
t
臼ganicF r 祖 国work、共有結合有機骨格体)については本 誌の特集記事に譲り、ここではカーボンについて述べる。 図1.のカーボンは高比表面積の活性炭に対応するもので あるが、以下ではフラーレンo
n
および、グラフェンを話題 にする。 フラーレンが面心立方格子を形成しているフラーライ トを 720K、13l
¥
1
P
a付近でフk
素化すると、格子内で0nI弘0nH
18および0nI訟が順々に生成して水素吸蔵量4.8水素吸蔵合金というよりは金属水素化物というべきも のではあるが、Mg
I
もは錯体水素化物と定比で複合化され、 水素放出温度の低下や再水素化条件の緩和に使用されて いる[
2
4
]
。モル比1
:
2
でMg胞をLiBH
4
とミリングした場 合、水素放出反応は下記式(3) Mg匝+2
LiBH
4
→Mg+2
LiBH
4
+
匝 →Mgs+2
LiH+4
匝 (3) のように進行する。2
段目の分解関芯の際、 MgI
訟の生成 反応が予告書おであるため、水素放出反応の吸繋砂土の一部が そこから補給され、水素放出が促進されると考えられて いる。最終生成物からの再水素化は523-573K、5l
¥
1
P
a程 度の穏和な条件で起ると報告されているが、反応式(3)が そのまま逆に進むわけではないこと チタンイソプロポ キシドやv
α
などの添却剤を必要とすることなど、研究 開発要素が多く残っている。また、反応(3)自身はMgf
u
の分解からスタートするため、先に述べたP
-
T
ウインド ウにいきなりとびこむものではない。しかし、こうした 反応↑生水素化物複合体には、まだまだブレークスルーの 余地がありそうである。たとえば、 乱匂2Fe
肱をLiBI
L
と ブレンドすると、718K
、3
l
¥
1
P
a
で、再水素化可能、五位2Fe
誌 を LiNIもとブレンドすると水素放出温度が上記系より1
∞
K
下がって水素放出が5
4
3
K
からスタートする、とい う報告がある凶 。ただし、 Mg2Fe
肱は[
F
e
I
昨 を含む錯 体水素化物で、あり、h
毎
週
、
e
~v' う水素吸蔵合金が柄主す 図4. ベンゼン-1,
4ージホウ酸(a)の柱で構成されたグラ るわけではないため、ここの言己主は本来は第議行に含める 水素エネルギーシステムVo
1.3
7
,No
.4(
2
0
1
2
)
mass% に達するものの、これ以上の水素を吸わせるとフ ラーレン分子間の結合が切れてフラーライト構造が破壊 され、再水素化で、きないとされていた[
1
9
]
が、ナトリウ ムをインターカレーションすると3.5ma
路%の水素が少 なくとも 6回は可逆的に吸蔵・放出されるようになった[
2
0
]
。アジ化ナトリウムとフラーレンから合成されたNa
lO(ゐを例にとって水素化・脱水素化の様子を図3
.
に示 す (NaH中の水素アニオンがナトリウムカチオンよりも 小さく描かれている)。水素化条件は4
7
3
K
、2
0l
¥
1
P
a
であ る。水素圧O.ll
¥
1
P
aの条件で、の脱水素化は523Kから始 まり、 573Kで完了する。主な水素吸蔵はC-H
結合の生 成によって起るが、一部の水素はN
aHの形でイオン結合 している。脱水素化するとNaH'ま消失する。図で、 y=Oと したときの水素含有量は3
.
7
masso/c。、 y=4としたときの それは4
.
1
m
出妙。であり、実験で求められた3
.5ma
鎚%と は一致しない。未解明のことが多く残されているが、フ ラーライトへの金属インターカレーションが水素貯蔵材 料として多くの可能性を秘めていることについては論を 待たない。 グラフェンオキサイドおよびグラフェンによる水素貯 d知 ・ ゐ ・ も ・ ぷ 吉 弘 梯 除 。 rb h @ 一知 φ 和 織 も ‘ ぉ ‘ ーも e u 鮎 圃 園 田 園 圃 圃 砂 ‘ 園 圃 圃 圃 圃 ・ 脱水素化 ;-;', N a10C
60 N a(10引C60H36+ Y NaH 図3
. N
a
修飾フラーライトの反応スキーム[
2
0
]
(
a
)
特 集 蔵も急激に研究開発が進んでいる。図4
.
は前述のBES
で も紹介されたもので、グラフェンとグラフェンの聞に柱 を建てて水素吸着できる空間を保証したGOF
(
G
r
a
p
h
e
n
e
O
x
i
d
e
Fram
e
w
o
r
k
、グラフェンオキサイド骨格体)の模式 図である包札 実験は予備的な段階であるが、予測とよく 合う水素吸着結果が得られた。その後、Nfu(Cfu)nNfu(
n
=2,6,1ωで表されるジアミノアルカン類を柱にして層間E
間住を変えた実験包温から、層間E
鴎白土6
.
3
A
が最適と 結論付けられている。ただし、その水素吸着量は、77K
、 O.ll
¥
1
P
aでO.lma路%程度で、ある。このほか、グラフェン 表面のエポキシ基とMOF
の酸化E
掛残基を結合させて、 酸化グラフェンとMOF
の構劇曹とが交互に積層した複 合層状物質も作成されている包泊。5
.
水素吸蔵合金の使われ方 フェンオキサイド骨格体(b)包1] べきかもしれない。 351 (50)水素エネルギーシステムVo1.37,No.4(2012) 金属水素化物をナノ空間に閉じ込めるとバルクのとき 以上の水素吸蔵を示す可能性があり白
d
、近年はナノコン ブアインメント nancmnfinementとし、う呼び名で多くの 研究が進められている。同じように閉じ込めても、以前 はinclusionと表現することのほうが多かった。多孔体と 水素化物の主客間系が、水素化物を主とするように変わ ってきたためで、あろう。例えば、 SBA-15シリカの中でジ ブチルマグネシウムから合成されたMg胞の水素放出温 度は540Kで、バルクで合成されたMgl
l
i
の水素放出温 度より 65K低いという包710 しかし、 SBA-15シリカから レプリカ法で合成されたカーボンテンプレートのメソ細 孔に粒径3nm
のニッケル超微粒子およひも粒径8nm
の均
f
u
超微粒子を閉じ込め、温度および圧力を制御して粒 径4nm
のh
毎 創 出4を合成した例では、水素の吸蔵・放出 の際にバルクとは異なる相挙動が認められ、これを繰り 返しても粒成長しないことがわかったが、ナノコンブア インメントによって熱力学的性質が変わることはなかっ た[
2
8
]
。しかし、相挙動の変化が中間生成物だけではなく 最終生成物に及べば水素の平衡圧が変わることは確実と 考えられるため、今後有望な物性変更手段であることは 間違いないだろう。 実は、ナノコンブアインメントは、 SBA-15シリカとア ンモニアボランの組み合せ[
2
9
]
以来活況を呈しており、 近年は水素貯蔵量の質量%を低下させない観点からメソ ポーラスカーボンが多用されるようになっているO 水素 放出温度が 373K 以下に下がった例が報告されている [30]が、アンモニアボランの不安定化が進みすぎて室温で の安定性が逆に不足しているというのが若干の問題であ る。錯体水素化物に対してはメソポーラスカーボンを中 心にさらに数多くの試みが行われている。例えば、N
aB
H4
をα
区:-3メソポーラスカーボンに閉じ込めると水素放 出温度が3
∞
K
低下し、b
匂(BH
<I)2では1
∞
K
低下する[
3
1
]
0
L
i
B
H4
をメソポーラス酸化チタンに閉じ込めた場合 にも水素放出開始温度が 653Kから 493K へ低下するb
泊。 ナノコンブァインメントに頼らずに水素吸蔵合金の粒 子 サ イ ズ をnm
単位にした例もあるが、ZrAhやh
仏1o.5UXl5
h
ではナノサイズ化による水素貯蔵容量の向 上は認められていない[33]。室温、 6MPaで、の水素化物組 成で比較すると、バルクが盈仙5伽fi)iliHX)で、あるのに対 して、ミリングで25nmとしたものは E仏ι
,ux).fi)オIo
Bで、 ある。合金の勇断強度が大きいときは水素化が進行しに 特 集 くい、第断強度が大きい合金は微粒子にすると水素化す るだろう、という通念とは一致していない。6
.
おわりに 2015年、燃料電池自動車に搭載されるのは 70MPaの 高圧水素タンクであり、水素貯蔵材料で、はない。しかし、 水素貯蔵材料の中に有力側南が無し1わけではない。錯体 水素化物を中心に、組み合せやナノコンブアインメント などでブレークスルーで、きるかもしれないし、イオン液 体やスラリーの出番もあるかもしれない。しかし、ここ で忘れてはならないのが、水素貯蔵材料は安全性で、高圧 水素を上回るのか、という問し1かけである。今、多くの 水素貯蔵材料はグローブボ、ックスなしにはとうてい扱え ない。 また、多くの高比表面積材料は、水素吸着温度が77K (液体窒素温度)である。本当に燃料電池に搭載できるの か?OOE
のP-T
ウインドウの「温度298ー393KJ を、使 用温度ととらえず鮒原の温度ととらえれば、 77Kで、の水 素吸着でも問題ないということになる。競争相手はむし ろクライオ圧縮水素となるだろう。MOF
のような多社性 材料の場合、細孔容積が大きすぎると高圧で、の水素貯蔵 量が減るという問題が既に起きている。飽和吸着層を形 成したときの圧力より高い圧力のクライオ水素が高密度 になるためである。 材料評価にいろいろな側面が求められるが、その全て に合格し、水素貯蔵材料が実用化される日が来ることを 希求する。 参考文献 1.燃料電池実用化推進協議会;htto刈凶.i%df/22 cs.iodf. 2. S.sa柄拘~ J.Petrov Ci,c .R伺d,G.官旧masand G.臼也z;Ca凶ysisToday, 1ID依岡246--256 3.00EAnnualMeritReview; hUo://www.hv'むogen.energy.gov/annualreview12 oroce edine:s.html 4.R K Ahluwalia,T. Q. Hua,J.K B凶g,D.P:叩adiasand R Kumar; "$卵白mLevelAr凶同Sof同油噂宝18加IragB
o
p
岨orui', 2D11AnnualMeritR四iewPr<x制illgs(2011)5.D.AMcせ1er,S.Aranaul,tX Tang and D.L An的n;J. Alloysand ComJXmnds,~予447 仮泊7)707ヴ12
水素エネルギーシステム Vo1.37,No.4 (2012)
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