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<論説>建設管理計画の衡量統制に関する一考察--衡量過程の統制を中心に

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(1)建 設 管 理 計 画 の 衡 量 統 制 に関 す る一 考 察. 建設 管理計 画 の衡 旦里統 制 に 関 す る 一・考 察 衡量過程の統制を中心 に. 区 良. 湊 は じめ に 1衡. 量 の 理 疵 に関 す る理 論. 2連. 邦 建 設 法155b条2項2文. と そ の合 憲 性. 3建. 設 法 典 と衡 量 統 制(2004年. 改 正 前). 4建. 設 法 典 と衡 量 統 制(2004年. 改 正 後). おわ りに. は じめ に. 都 市 計 画 決 定 が,裁 量 権 行 使 の 適 法 性 と い う観 点 か ら,裁 判 所 に よ る審 査 を 受 け る こ とが あ る。 最 判 平 成18年11月2日. 民 集60巻9号3249頁(小. 田. 急 事 件)は,「 裁 判 所 が 都 市 施 設 に関 す る都 市 計 画 の 決 定 又 は変 更 の 内容 の 適 否 を 審 査 す る に 当 た って は,当 該 決 定 又 は変 更 が 裁 量 権 の 行 使 と して さ れ た こ とを 前 提 と して,そ の 基 礎 と され た重 要 な 事 実 に誤 認 が あ る こ と等 に よ り重 要 な 事 実 の 基 礎 を 欠 くこ と とな る場 合,又. は,事 実 に対 す る評 価. が 明 らか に合 理 性 を 欠 くこ と,判 断 の 過 程 に お いて 考 慮 す べ き事 情 を 考 慮 しな い こ と等 に よ りその 内容 が 社 会 通 念 に照 ら し著 し く妥 当 性 を 欠 くもの と認 め られ る場 合 に限 り,裁 量 権 の 範 囲 を 逸 脱 し又 は これ を 濫 用 した もの と して 違 法 とな る とす べ き もの と解 す るの が 相 当で あ る」 と判 示 し,鉄 道 連 続 立 体 交 差 化 を 内容 とす る都 市 計 画 決 定 につ き,考 慮 す べ き事 情 を 考 慮 93.

(2) 近畿大学法学. し た か,そ. 第57巻 第1号. の 判 断 内 容 が 合 理 性 を 欠 くか 等 を 審 理 して い る(1)。. ドイ ツ に お い て は,建. 設 管 理 計 画(Bauleitplan)が,そ. 考 慮 す べ き 利 益 を 考 慮 して い る か,な い る か と い う 観 点 か ら,行 設 法 典 に よ る と,建. 設 管 理 計 画 と は,準. 備 的 な 計 画 で あ る土 地 利 用 計 画. 束 的 な 計 画 で あ る 地 区 詳 細 計 画(Be-. 両 者 を 意 味 す る(1条2項)。. 市 町 村 の 全 域 に つ い て,意 の 種 類 が,そ. い し は 適 正 な 利 益 衡 量 を 基 礎 に して. 政 裁 判 所 に よ る統 制 を受 け る こ とが あ る。 建. (Flachennutzungsplan)と,拘 bauungsplan)の. の策定 にあた り. 土 地 利 用 計 画 に お い て は,. 図 さ れ た 都 市 建 設 上 の 発 展 か ら生 ず る 土 地 利 用. の 基 本 的 特 徴 に お い て 表 示 さ れ る(5条1項1文)。. 地区詳細. 計 画 は,都. 市 建 設 上 の 整 序 の た め の 法 的 拘 束 力 の あ る 指 定 を 含 む(8条1. 項1文)も. の で あ り,原. れ る(8条2項1文)。. 則 と して 土 地 利 用 計 画 か ら展 開(entwickeln)さ 市 町 村 は,地. 区 詳 細 計 画 を 条 例 と し て 議 決 す る(10. 条1項)。 建 設 管 理 計 画 は,建 問 題 と し て,そ. の 適 法 性 な い し 有 効 性 が 審 査 さ れ う る(付. zidentkontrolle))(2)。 以 降,連. さ ら に 地 区 詳 細 計 画 は,1976年. 邦 全 域 に お い て,上. trolle)の. (1)都. 築 許 可 の取 消 訴 訟 や 義 務 付 け訴 訟 等 に お け る前 提 随 統 制(ln-. の行政裁判所法 改正. 級 行 政 裁 判 所 に よ る 規 範 統 制(Normenkon-. 対 象 に な る も の と さ れ て い る(3)。そ れ に 対 し て 土 地 利 用 計 画 は,. 市 計 画 決 定 に つ き 裁 量 権 の 逸 脱 濫 用 の 有 無 が 争 わ れ た も う1つ. て,最. 判 平 成18年9月4日. に つ い て は,橋. 本博之. 判 時1948号26頁(林. 試 の 森 事 件)。. の事案 と し. こ れ ら2つ. 『行 政 判 例 と仕 組 み 解 釈 」(弘 文 堂,2009)166頁. の判決 以下 も. 参照。 (2)FrankStollmann,6ffentlichesBaurecht,5.Auf.,2008,§9Rn.4, 6. (3)現. 行 の 行 政 裁 判 所 法47条1項. に よ る と,上. 級 行 政 裁 判 所 は,そ. の裁判権の範. 囲 内 に お い て,申. 立 て に 基 づ き,「 建 設 法 典 の 規 定 に よ り 発 布 さ れ た 条 例 及 び 建. 設 法 典246条2項. に 基 づ く法 規 命 令 」(1号)と,「. い て,州. 法 律 よ り 下 位 の そ の 他 の 法 規 定 」(2号)の. 94. 州 法 が これ を 定 め る限 り にお 有 効 性 につ い て 判 断 す る。.

(3) 建 設 管 理 計 画 の 衡 量 統 制 に関 す る一 考 察. 従 来 の 判 例 に お いて は,規 範 統 制 の対 象 に は な らな い もの とさ れ て い た(4)。 しか しな が ら連 邦 行 政 裁 判 所2007年4月26日. 判 決 は,風 力 発 電 施 設 の 集 中. 設 置 用 地 を 表 示 す る土 地 利 用 計 画 が 規 範 統 制 の 対 象 とな る こ とを 認 めて い る(5)。 1960年 制 定 時 の連 邦 建 設 法1条4項. は,そ の 第2文 に お い て,建 設 管 理. 計 画 に あ って は 「公 的 及 び私 的 利 益 が,異 種 の 利 益 相 互 間 及 び 同種 の 利 益 相 互 間 で(gegeneinanderunduntereinander),適. 正 に衡 量 され な けれ ば. な らな い」と規 定 して い た 。1976年 改 正 後 の 連 邦 建 設 法1条7項. は,「建 設. 管 理 計 画 の 策 定 に あ た って は,公 的 及 び私 的 利 益 が,異 種 の 利 益 相 互 間 及 び 同種 の 利 益 相 互 間 で,適 正 に衡 量 され な けれ ばな らな い」 と規 定 した 。 こ れ と全 く同 一 の 規 定 が,1986年 正 後 の 建 設 法 典1条7項. 制 定 時 の建 設 法 典1条6項,2004年. 改. に 置 か れ て い る。 この よ うな 計 画 策 定 に あ た っ. て の 諸 利 益 の 適 正 な 衡 量 の 要 請 は,学 説 お よ び判 例 に お い て 「衡 量 要 請 (Abwagungsgebot)」. と呼 ば れ て い る。. 建 設 管 理 計 画 につ き衡 量 要 請 が 遵 守 され て い るか ど うか が 争 わ れ た 事 案 は多 いが,こ れ に関 して 看 過 す る こ とが で きな いの は,裁 判 所 に よ る衡 量 統 制 を制 限 す る法 規 定 の存 在 で あ る。1979年 改 正 後 の連 邦 建 設 法155b条 2項2文. は,「衡 量 過 程 に お け る暇 疵 は,そ れ らが 明 白で あ りか つ 衡 量 結 果. に影 響 を 及 ぼ した場 合 に限 り,有 意(erheblich)で 1986年 制 定 時 の 建 設 法 典214条3項2文. あ る」 と規 定 して い た。. も,こ れ と 同一 の規 定 で あ った 。. 2004年 改 正 後 の 建 設 法 典 に お いて は,「建 設 管 理 計 画 の策 定 に あ た って は, 衡 量 に と って 意 味 の あ る利 益(衡 量 素 材)が,調. 査 及 び評 価 され な けれ ば. (4)Vgl.BVerwG,BeschluBvom20.7.1990,NVwZ1991,262(262). (5)BVerwG,Urteilvom26.4.2007,BVerwGE128,382(384).こ し て は,拙. 稿. れ に関. 「地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に 関 す る 一 考 察. 立 適 格 を 中 心 に 」 近 法56巻3号(2008)150頁. 95. 以 下 も参 照 。. 自 然 人 ・法 人 の 申.

(4) 近畿大学法学. 第57巻 第1号. な らな い」 との 規 定(2条3項)が. 追 加 され る と と も に,衡 量 素 材 の 調 査. お よ び評 価 に関 す る暇 疵 は,「 当該 報 疵 が 明 白 で あ りか つ 手 続 の結 果 に影 響 を及 ぼ した場 合 」に限 り,「土 地 利 用 計 画 及 び この 法 典 に よ る条 例 の 法 的 有 効 性 に と って 顧 慮 さ れ る(beachtlich)」 1文1号)。. もの と され て い る(214条1項. さ らに 「そ の他 の点 で は(imUbrigen),衡. 量 過 程 に お け る王 段. 疵 は,そ れ らが 明 白で あ りか つ 衡 量 結 果 に影 響 を 及 ぼ した場 合 に限 り,有 意 で あ る」 との 規 定 が 置 か れ て い る(214条3項2文 本 稿 は,ド イ ツの 行 政 裁 判 所,特. 後 段)。. に連 邦 行 政 裁 判 所 が,建 設 管 理 計 画 の. 衡 量 統 制 につ き,基 本 的 に どの よ うな 立 場 に立 って い るの か,お. よ び具 体. 的 に どの よ うな 審 理 を 行 って い る の か を 明 らか に し よ う と い う もの で あ る。 その 際,裁 判 所 に よ る衡 量 統 制 を 制 限 す る上 記 の 諸 規 定 との 関 係 に特 に留 意 す る もの とす る(6)。 以 下 で は ま ず,衡 量 統 制 に関 す る連 邦 行 政 裁 判 所 お よ び学 説 の 基 本 的 な 考 え 方 を 概 観 す る(本 稿1)。 155b条2項2文. そ の後,連 邦 建 設 法. の合 憲 性 を め ぐる議 論 を紹 介 した上 で(本 稿2),建. 典 制 定 以 降 の 衡 量 統 制 の 状 況 につ いて 検 討 を 加 え る(本 稿3お. 1衡. 設法. よ び4)。. 量 の 蝦 疵 に 関 す る理 論. (1)連 邦 行 政 裁 判 所1969年12月12日. 判決. 衡 量 統 制 に関 す る古 典 的 判 例 と して,連 邦 行 政 裁 判 所1969年12月12日. 判. (6)本 稿 に関 連 す る先 行 研 究 と して は,高 橋 滋 『現 代 型 訴 訟 と行 政 裁 量 」(弘文 堂, 1990)105頁. 以 下,村 上 博 「ドイ ツ に お け る都 市 計 画 暇 疵 論 」 室 井 力 先 生 還 暦. 記 念 「現 代 行 政 法 の理 論 』(法 律 文 化 社,1991)72頁 設 置 手 続 の 法 構 造 」(信 山社,1995)305頁 意 義 と機 能(1)(2・ 横 国14巻2号1頁. 完)ド 以 下,3号31頁. 以 下,山 田洋 『大 規 模 施 設. 以 下,高 橋 寿 一 「 『計 画 保 全 規 定 」 の. イ ツ建 設 法 典 の 都 市 計 画 策 定 手 続 と司 法 審 査 」 以 下(2005∼2006)等. 96. が あ る。.

(5) 建 設 管 理 計 画 の 衡 量 統 制 に関 す る一 考 察. 決 が 重 要 で あ る。 本 判 決 は まず,「建 設 管 理 計 画 は,そ れ が 必 要 で あ る限 り 直 ち に,市 町 村 に よ り自 らの 責 任 に お いて 策 定 され な けれ ばな らな い」 と 規 定 す る 当 時 の 連 邦 建 設 法2条1項 画 高 権(Planungshoheit)の. に 注 目 して,「 この 規 定 は市 町村 の 計. 承 認 を 含 む もの で あ り,そ の 際 に計 画 高 権 と. は特 に計 画 裁 量(Planungsermessen)の. 付 与 を意 味 す る」 と述 べ,「 計 画. 策 定 の 権 能 は… … 形 成 の 自 由(Gestaltungsfreiheit)に. 関 す る多 か れ 少 な. か れ 広 範 な 余 地 を 内包 して お り,内 包 しな けれ ばな らな い。 な ぜ な ら,形 成 の 自 由の な い計 画 策 定 は それ 自体 に お いて 矛 盾 で あ ろ うか ら」 と判 示 す る。 それ と と も に,「行 政 裁 判 所 に よ る計 画 策 定 の統 制 に 関 して は,計 画 策 定 と形 成 の 自 由の 結 びつ きか ら不 可 避 的 に,個 別 事 例 に お いて 形 成 の 自 由 の 法 律 上 の 限 界 が 越 え られ たか 否 か,ま. た は形 成 の 自 由が その 授 権 に適 合. しな い仕 方 で 行 使 され た か 否 か(行 政 裁 判 所 法114条 参 照)に 制 限 され る こ と にな る」 と述 べ て い る(7)。 衡 量 要 請 に関 して 本 判 決 は,「衡 量 要 請 は,… … そ もそ も法 治 国 的 な 計 画 策 定 の 本 質 に 内在 す る原 則 で あ り,そ れ ゆえ に,も. しも連 邦 建 設 法1条 が. それ を 明 記 して いな い と して も,建 設 管 理 計 画 はそ れ を 顧 慮 しな けれ ばな らな いで あ ろ う」 と述 べ る一 方 で(8),「各 々の 計 画 策 定 が 適 正 な 利 益 衡 量 を 基 礎 と して い るか ど うか と い う問 題 は,監 督 庁 お よ び行 政 裁 判 所 に よ る統 制 を 無 制 限 に受 け るわ けで はな い」とす る(9)。そ こ で,い か な る場 合 に裁 判 所 が 衡 量 要 請 違 反 を 認 定 しう るの か が 問 題 とな るが,本 判 決 は次 の よ う に. (7)BVerwG,Urteilvom12.12.1969,BVerwGE34,301(304).こ 照 さ れ て い る 行 政 裁 判 所 法114条. は,行. こで 参. 政 行 為 に 関 す る裁 量 の 審 査 につ い て の. 規 定 で あ る 。 計 画 裁 量 の 理 論 的 分 析 と し て,芝. 池 義 一 「計 画 裁 量 概 念 の 一・ 考察」. 杉 村 敏 正 先 生 還 暦 記 念 「現 代 行 政 と 法 の 支 配 」(有 斐 閣,1978)187頁 (8)BVerwG,Urteilvom12.12.1969,BVerwGE34,301(307). (9)BVerwG,Urteilvom12.12.1969,BVerwGE34,301(308).. 97. 以下参照。.

(6) 近畿大学法学. 第57巻 第1号. 判 示 して い る 。 「適 正 な 衡 量 の 要 請 の 違 反 が あ る の は,(適. 正 な)衡. も そ も 行 わ れ て い な い 場 合 で あ る。 そ の 違 反 が あ る の は,事 (nachLagederDinge)衡. 情 に応 じて. 量 に 投 入 さ れ な け れ ば な ら な い 利 益 が,衡. 投 入 さ れ な い 場 合 で あ る 。 さ ら に そ の 違 反 が あ る の は,影 利 益 の 価 値(Bedeutung)が 的 利 益 の 間 の 調 整 が,個. 量が そ. 量 に. 響 を 受 け る私 的. 誤 認 され る場 合 ま た は計 画 策 定 に関 係 す る公 々 の 利 益 の 客 観 的 な 重 み(Gewichtigkeit)と. 合 い が と れ な い 仕 方 で 行 わ れ る 場 合 で あ る 。 しか しな が ら,そ て 設 定 さ れ た 範 囲 内 に お い て は,計. 画 策 定 に 携 わ る 市 町 村 が,異. 間 の 衝 突 に 際 して,一 一 方 の も の を 優 先 さ せ,そ も の を 劣 後 さ せ る 決 定 を して も,衡. 釣 り. の ように し な る利 益. れ と 同時 に必 然 的 に他 方 の. 量 要 請 の 違 反 は な い(1① 」(以 下,こ. の部. 分 を 「69年 判 示 」 と 呼 ぶ)。. (2)連 邦 行 政 裁 判 所1974年7月5日. 判決. 上 記 の69年 判 示 を 基 礎 に して,こ れ を さ らに発 展 させ た判 決 と して,連 邦 行 政 裁 判 所1974年7月5日. 判 決 も重 要 で あ る。 本 判 決 は まず,「 計 画 の. 判 断 に あ た って は… … 過 程 と して の 計 画 と,こ の 過 程 の 産 物 と して の 計 画 が 区 別 され な けれ ばな らな い」と述 べ ⑪,計 画 策 定 の 過 程 と結 果 を 区 別 す る 視 点 を提 示 した。 衡 量 統 制 に関 して は,69年 判 示 を その ま ま引 用 した後, 次 の よ う に続 けて い る(② 。 「当裁 判 部 は この 解 釈 を 固 持 す る。 そ の 際 本 件 は,以 下 の 点 を 明 確 に して 付 け加 え る機 会 を 与 え る。 それ 〔=69年 判 示 〕 に よ って 略 述(umreiBen)さ. れ た諸 要 求 は原 則 と して 衡 量 過 程 に も衡 量 結. 果 に も 向 け られ る と い う こ とで あ る。 例 外 は,〔69年 判 示 の〕第1文 で 言 及. ⑩BVerwG,Urteilvom12.12.1969,BVerwGE34,301(309). qDBVerwG,Urteilvom5.7.1974,BVerwGE45,309(312-313). ⑰BVerwG,Urteilvom5.7.1974,BVerwGE45,309(314-315).. 98.

(7) 建 設 管 理 計 画 の 衡 量 統 制 に関 す る一 考 察. さ れ た 衡 量 そ の も の の 必 要 性 に つ い て の み 妥 当 し,そ. れ は… … 衡 量 過 程 の. 観 点 に お い て の み 実 用 的 と な り う る 。 しか し そ れ 以 外 の 点 で は,衡 は,重. み の あ る(gewichtig)利. 判 示 の 〕 第2文)そ wichtung)が,こ. 量要請. 益 が 簡 単 に は 見 過 ご さ れ な い こ と(〔69年. して 異 な る 利 益 の 相 互 の 関 係 に お け る 重 み づ け(Geれ らの 利 益 の う ち の1つ. れ る 仕 方 で は 行 わ れ な い こ と(〔69年. の 客 観 的 な 重 み が 完 全 に見 誤 ら. 判 示 の 〕 第3文)を,衡. 衡 量 結 果 に も 要 求 す る 」。 「連 邦 建 設 法1条4項2文 衡 量 の 過 程 に 関 わ る 。 そ こ か ら は,確. の 表 現 は… … 明 らか に. か に 論 理 必 然 的 で は な い け れ ど も,. しか し事 柄 の 関 連(Sachzusammenhang)に. 鑑 み る と不 可 避 的 に,そ. け で な く生 み 出 さ れ た 計 画 の 内 容 も 衡 量 の れ て い る こ との. 量過程 にも. れだ. す な わ ち一 定 の 衡 量 が な さ. 要 請 に服 す る べ きで あ る こ とが 導 か れ る。 と い うの. も,連. 邦 建 設 法1条4項. き,そ. れ らが 計 画 を 策 定 す る 市 町 村 に よ っ て 考 慮 さ れ る こ と の み が 重 要 で. あ る べ き で あ り,そ い と す れ ば,そ. (3)衡. お よ び5項. れ に 対 して 結 果 に お い て 現 れ 出 た も の は 全 く重 要 で な. れ は 明 らか に 事 柄 に 反 す る(sachwidrig)で. 量 の 暇 疵 の4類. ホ ッペ(Hoppe)は,1970年 12月12日. に 掲 げ ら れ た 諸 利 益(③ の す べ て に つ. あ ろ う 」。. 型 に 発 表 さ れ た,前. 掲 連 邦 行 政 裁 判 所1969年. 判 決 を 分 析 した 論 稿 に お い て,「 連 邦 行 政 裁 判 所 は4つ. 要 請 〕 違 反 の 構 成 要 件(Verletzungstatbestand)を. (13)1960年 制 定 時 の 連 邦 建 設 法1条4項1文 及 び文 化 的 要 求,そ 同 条5項1文. の. 〔 衡量. 定 立 し て い る」 と 主. は,「建 設 管 理 計 画 は,住 民 の 社 会 的. の安 全 及 び健 康 に 向 け られ な け れ ば な らな い 」 と規 定 し,. は,「建 設 管 理 計 画 は,教 会 及 び公 法 の 宗 教 団 体 に よ り定 あ られ た. 礼 拝 及 び教 導 の た あ の必 要 条 件 を考 慮 し,経 済,農. 業,青 少 年 支 援,交 通 及 び. 国 防 の 要 求 を顧 慮 し並 び に 自然 及 び景 観 保 護 の 利益 並 び に地 域 及 び 景 観 像 の 形 成 に奉 仕 しな けれ ば な らな い」 と規 定 して いた 。. 99.

(8) 近畿大学法学. 第57巻 第1号. 張 し,以. 下 の よ う に 説 明 し て い る⑭。 「a)衡. fall):適. 正 な 衡 量 が そ も そ も 行 わ れ な か っ た 。b)衡. gungsdefizit):衡. 量 の 欠 落(Abwagungsaus-. 量 は 行 わ れ た が,『 事 情 に 応 じ て 衡 量 に 投 入 さ れ 』 な け. れ ば な らな い 利 益 が 衡 量 に 投 入 さ れ な か っ た 。c)衡 gungsfehleinschatzung):影. 響 を 受 け る(公. が 誤 認 さ れ て い る 場 合 。d)衡 nalitat):計. 量 の 不 足(Abwa-. 量 の 誤 評 価(Abwa-. 的 ま た は 私 的)利. 益 の 『価 値 』. 量 の 不 均 衡(Abwagungsdisproportio-. 画 策 定 に 関 係 す る(公. 的 ま た は 私 的)利. 益 間 の 調 整 が,個. 々. の 利 益 の 客 観 的 な 重 み と 釣 り合 い が と れ な い 仕 方 で 行 わ れ る 場 合 」。 前 掲 連 邦 行 政 裁 判 所1974年7月5日. 判 決 は,ホ. ッペ の い う 「衡 量 の 誤 評. 価 」 と 「衡 量 の 不 均 衡 」 を 厳 密 に は 区 別 して い な い よ う に も み え る と こ ろ で あ り⑮,学 記 の4類. 説 の 中 に は 両 者 を 区 別 し な い も の も あ る(16)。 しか しな が ら上. 型 は,こ. れ ま で 多 く の 学 説 に お い て 支 持 さ れ て き た ⑰。 以 下,各. 類 型 につ き若 干 補 足 す る。. (14)WenerHoppe,DieSchrankenderplanerischenGestaltungsfreiheit (§1Abs.4und5BBauG)DasUrteildesBundesverwaltungsgerichts vom12.Dezember1969zumAbwagungsgebot(§1Abs.4Satz2 BBauG)undseinerRechtskontrolle,BauR1970,15(17).下. 線 部 分 は 原. 文 ゴ シ ッ ク 体 。 aS)Vgl.auchHans-JoachimKoch,AbwagungsvorgangundAbwtigungsergebnisalsGegenstandegerichtlicherPlankontrolle,DVBl. 1989,399(399). a6)Vgl.HilmarFerner,in:HilmarFerner/HolgerKr6ninger/ManfredAschke(Hrsg.),BaugesetzbuchmitBaunutzungsverordnung Handkommentar,2.AufL,2008,§1Rn.54. ⑰Stollmann(Fn.2),§7Rn.36;FranzDirnberger,in:HenningJtide/ FranzDirnberger/JosefWeiB,BaugesetzbuchBaunutzungsverordnung Kommentar,5.Aufl.,2007,§1Rn.77;WolfgangRieger,in:Hans Schr6dter,BaugesetzbuchKommentar,7.Aufl.,2006,§1Rn.187.. 100.

(9) 建 設 管 理 計 画 の 衡 量 統 制 に関 す る一 考 察. (a)衡 量 の 欠 落 衡 量 の 欠 落,す な わ ち計 画 策 定 の 際 に そ も そ も衡 量 が 行 わ れ な い場 合 の 例 と して は,市 町 村 が 事 業 者 等 との 間 で 一一 定 内容 の 地 区 詳 細 計 画 を 策 定 す る こ とを 約 束 し,合 意 され た通 りの 計 画 を 策 定 す る と い うケ ー スが 想 定 さ れ て い るq8)。た だ し,前 掲 連 邦 行 政 裁 判 所1974年7月5日. 判 決 の次 の よ う. な 判 示 に は 留 意 す べ き で あ る。 「自己 拘 束 的 な,特 定 の 計 画 策 定 に特 定 方 向 の 影 響 を 明 白 に及 ぼす 決 定 に起 因 す る衡 量 の 不 備 は,3つ 要 件 の 下 で は連 邦 建 設 法1条4項2文 りが 先 取 りと して みて も. の(累 積 的 な). と両 立 しう る:第1に,決. 定の先取. それ に よ って 提 案 手 続 ⑲ が 不 利 益 を 受 け る こ と に鑑. 実 質 的 に(sachlich)正. 当化 され て い な け れ ば な らな い 。 第2. に先 取 りの 際 に は計 画 法 上 の 権 限 規 定 が 守 られ て いな けれ ばな らず,す な わ ち,計 画 策 定 が 市 町 村 議 会 の 責 務 で あ る限 り,事 前 決 定 の 責 任 を 議 会 に (も)負 わせ る こ と を許 容 す る仕 方 で,議 会 が 事 前 決 定 に関 与 す る こ とが 確 保 され な けれ ばな らな い。 最 後 に,第3に,先. 取 りされ た決 定 は. も特 に ま さ に その 計 画 上 の 作 用 を 顧 慮 して. 内容 的 に非 難 され るべ き も. の で あ って は な ら な い。 特 に そ れ は,も Bend)衡. これ. し も そ れ が 最 終 的 な(abschlie-. 量 過 程 の 構 成 要 素 と して な され る とす れ ば,そ れ が 充 足 しな けれ. ばな らな い よ うな 要 求 を 充 足 しな けれ ばな らな い⑳」。. (18)Stollmann(Fn.2),§7Rn.37;Rieger,in:Schrddter(Fn.17),§1Rn. 191;HansjochenDUrr,DieKlausurimBaurecht,JuS2007,521(524). (19)1960年. 制 定 時 の 連 邦 建 設 法2条6項2文. 場 所 及 び 期 間 は,縦 摘 と と も に,少. は,「. 〔 建設管理 計画の案の〕縦覧の. 覧 期 間 内 に異 議 及 び提 案 を 申 し出 る こ とが で き る こ との 指. な く と も1週. 間前 に地 域 的 に通 常 の方 法 で 公 告 され な けれ ば な. らな い 」 と規 定 して い た 。 ⑳BVerwG,Urteilvom5.7.1974,BVerwGE45,309(321).こ つ い て は,宮. 田三 郎. 『行 政 計 画 法 」(ぎ. 101. の問題 に ょ う せ い,1984)121頁. 以 下 も参 照 。.

(10) 近畿大学法学. (b)衡. 第57巻 第1号. 量の不足. 衡 量 に 投 入 さ れ な け れ ば な ら な い 利 益 が,こ. れ に投 入 さ れ な か った 場. 合,「 衡 量 の 不 足 」 が あ る と い う こ と に な る 。 問 題 と な る の は,い 利 益 が 衡 量 に 投 入 さ れ る べ き か,と. い う 点 で あ る 。 こ れ に 関 して,1976年. 改 正 後 の 連 邦 建 設 法1条6項,1986年 改 正 後 の 建 設 法 典1条6項. かな る. 制 定 時 の 建 設 法 典1条5項,2004年. は,建. 設 管 理 計 画 の 策 定 に あ た り特 に 考 慮 さ れ. る べ き 利 益 を 列 挙 して い る ⑳。 た だ し こ れ ら は 例 示 で あ り,列. 挙 され た 利. 益 だ け が 考 慮 さ れ れ ば 良 い と い う も の で は な い 。 そ こ で 参 考 に な る の が, 連 邦 行 政 裁 判 所1979年11月9日. 決 定 で あ る 。 本 決 定 は,衡. け れ ば な らな い 利 益 な い し は 「衡 量 素 材 」 に つ い て,以 行 っ て い る ⑳。 「建 設 管 理 計 画 に あ っ て は,必. 量 に投 入 され な. 下 の よ うな 判 示 を. 要 な 衡 量 素 材 は,『 事 情 に 応. じて 』 衡 量 に 『投 入 さ れ 』 な け れ ば な らな い … … す べ て の(私 含 む 」。 た だ し,計. 的)利. 益を. 画 者 は あ らゆ る もの を 顧 慮 しな け れ ば な らな い わ けで. は な く,「 計 画 上 の 衡 量 の 際 に 顧 慮 さ れ な い ま ま に す る こ と が で き る の は, すべての て も. 客観的 に そ も そ も,あ. (影 響 を 受 け る)利. 低 価 値(geringwertig)で る い は所 与 の 事 実 関 係 に お いて. 益 で あ る 」。 「さ ら に,衡. う な 影 響(Betroffenheit)に え,第2に るが. あ る か,そ. うで な く. 保 護 に 値 しな い. 量 上 顧 慮 さ れ る の は,次. 限 られ る 。 第1に. 僅 少(geringfUgig)を. そ の 発 生 が 少 な く と も 蓋 然 的 で あ り,第3に. の よ こ. 特 に これ で あ. 計 画 策 定 部 局 に と って 計 画 につ いて の 決 定 の 際 に衡 量 上 顧 慮 され. る も の と して 認 識 可 能 な も の で あ る ㈱」。. (21)ち. な み に 現 行 の 建 設 法 典1条6項. は,考. 慮 す べ き 利 益 と し て,建. 化 財 保 護 ・文 化 財 育 成 の 利 益(5号),環 職 場 の 維 持 ・保 全 ・創 出,郵 (8号)等. 境 保 護 の 利 益(7号),経. 便 ・電 気 通 信 制 度,供. 給,地. 築 文 化 ・文 済,農. 林 業,. 下 資源 の 保 全 の 利 益. を 列 挙 して い る。. ⑳BVerwG,BeschluBvom9.IL1979,BVerwGE59,87(101-103). ⑳. い か な る も の が 衡 量 上 有 意 な(abwagungserheblich)利. 102. 益 の 侵 害 に 該 当 す/.

(11) 建 設 管 理 計 画 の 衡 量 統 制 に関 す る一 考 察. 反 対 に,衡. 量 に 投 入 さ れ て は な らな い 利 益 が,こ. れ に投 入 され る よ うな. ケ ー ス も 考 え られ る 。 学 説 の 中 に は,こ. れ を 「衡 量 の 過 剰(Abwagungs-. Uberschuss)」. 型 と し て 位 置 づ け る もの も あ る⑳。. と 呼 び,衡 量 の 暇 疵 の1類. (c)衡 量 の 誤 評 価 個 々の 利 益 の 適 切 な 重 み づ け も衡 量 の 一都 で あ り,各 利 益 につ いて は法 的 状 況 お よ び事 実 上 の 状 況 に応 じて それ らが 有 す る(客 観 的 な)重 み が 認 め られ な けれ ばな らな い。 これ が 誤 認 され る場 合,「衡 量 の誤 評 価 」が 存 在 す る⑳。 利 益 の 重 み づ け に あ た って は,特 定 の 利 益 を 可 能 な 限 り顧 慮 す る こ とを 要 求 す る法 規 定 の 存 在 に も留 意 す べ きで あ る。 例 え ば連 邦 イ ミシオ ン 防止 法50条 は,地 域 的 に重 要 な(raumbedeutsam)計. 画 に あ って は,. 特 定 の 利 用 を 予 定 す る用 地 は,居 住 に奉 仕 す る 地 区 お よ び保 護 を必 要 と す る そ の他 の地 区 へ の 有 害 な 環 境 作 用 が 「可 能 な 限 り(soweitwiem6glich)」 回避 され るよ うに,相 互 に配 置 され な け れ ば な らな い と規 定 す る。 連 邦 行 政 裁 判 所1985年3月22日. 判 決 は,同 条 を 「特 定 の 利 益 の 可 能 な 限 り. 十 分 な 顧 慮 を 要 求 す る最 適 化 要 請(Optimierungsgebot)」. と呼 び,「 そ の. よ うな 規 定 の 意 義 は,そ れ らに含 まれ る 目標 設 定 に特 別 な 重 み を 付 与 し, そ の 限 りで計 画 上 の 形 成 の 自 由 を 制 限 す る こ と に あ る。 そ の よ う な利 益 が,そ れ らの 客 観 的 な 重 み と は全 く相 いれ な い仕 方 で,誤. った 重 み づ けを. され て い るか 否 か と い う問 題 の 審 理 に あ た って は,こ の 法 律 上 の 定 めが 顧 慮 され な けれ ばな らな い」 と述 べ て い る⑳。. \ る か に つ い て は,拙. 稿. ・ 前 掲 注(5)165頁. ⑳Stollmann(Fn.2),§7Rn.38. (2DStollmann(Fn.2),§7Rn.39. ⑳BVerwG,Urteilvom22.3.1985,BVerwGE71,163(165).. 103. 以 下 参 照 。.

(12) 近畿大学法学. 第57巻 第1号. (d)衡 量 の 不 均 衡 衡 量 の 最 終 段 階 に お い て は,対 立 す る利 益 間 の 調 整 が 必 要 と な るが, 個 々の 利 益 の 客 観 的 な 重 み と釣 り合 いの とれ な い調 整 が 行 わ れ た場 合,そ れ は 「衡 量 の不 均 衡 」 とな る⑳。 こ れ に 関 して 注 意 す べ き で あ るの は,公 益 利 益 が それ と対 立 す る私 的 利 益 に 当然 に優 先 す る と は いえ な い こ とで あ る。 連 邦 行 政 裁 判 所1974年11月1日. 判 決 は,「 当 該 計 画 を 公 的 利 益 が 支 持. して お り,そ れ に反 対 す る もの と して は私 的 利 益(の み)が 挙 げ られ る と い う状 況 だ けか ら既 に,計 画 上 の 指 定 を 支 持 す る結 論 が 導 き 出 され る とす れ ば,そ れ は衡 量 要 請 を 誤 解 す る もの で あ り,そ れ ゆえ に最 初 か ら不 釣 り 合 いな 誤 っ た重 み づ けを も た らす こ と にな るで あ ろ う」 と述 べ て い る㈱。. (4)衡 量 過 程 と衡 量 結 果 の 区 別 前 掲 連 邦 行 政 裁 判 所1974年7月5日. 判 決 は,「過 程 と して の 計 画 」 と 「こ. の 過 程 の 産 物 と して の 計 画 」,お よ び 「衡 量 過 程 」 と 「衡 量 結 果 」 を 区 別 した上 で,衡 量 過 程 と衡 量 結 果 の 双 方 が 衡 量 要 請 に服 す る 旨 判 示 して い る。 こ の部 分 は,学 説 に お いて も広 く受 け入 れ られ て き た㈲。 そ れ に対 し て 同判 決 が,ホ. ッペ の 分 類 で い う 「衡 量 の 欠 落 」 は衡 量 過 程 にの み 関 わ る. も の で あ り,そ れ 以 外 もの(「 衡 量 の 不 足 」,「衡 量 の 誤 評 価 」 な い し 「衡 量 の 不 均 衡 」)は衡 量 過 程 と衡 量 結 果 の 両 者 につ いて 問 題 にな る 旨判 示 した 部 分 につ いて は議 論 が あ る⑳。 この 判 示 に従 う と,衡 量 統 制 に あ た って は,. ⑳Stollmann(Fn.2),§7Rn.40. ⑳BVerwG,Urteilvom1.11.1974,BVerwGE47,144(148). ⑳Vgl.MichaelKrautzberger,in:UlrichBattis/MichaelKrautzberger/Rolf-PeterL6hr,BaugesetzbuchKommentar,10.Aufl.,2007,§1 Rn.92;Stollmann(Fn.2),§7Rn.36;Rieger,in:Schr6dter(Fn. 17),§1Rn.188. (3①. ち な み に 同 判 決 は,ガ. ラ ス 工 場 の 建 設 を 可 能 に す る た あ に 工 業 地 区 を 指 定/. 104.

(13) 建 設 管 理 計 画 の 衡 量 統 制 に関 す る一 考 察. 例 え ば 「衡 量 の 不 足 」 の 有 無 を 衡 量 過 程 と衡 量 結 果 の 両 面 にわ た って 審 理 す べ き こ と とな るが,こ の よ うな 「同一基 準 に基 づ く二 重 審 理 」 に対 して は批 判 もみ られ る⑳。 この 論 点 につ いて は本 稿3以 降 で 再 度 取 り上 げ る。 衡 量 過 程 の統 制 と衡 量 結 果 の 統 制 の 区別 に関 して は,連 邦 行 政 裁 判 所 1978年9月29日. 判 決 も注 目され る。 本 件 は,1972年 な い し1973年 に議 決 さ. れ た 「地 区詳 細 計 画 第32.2号 」 が1975年11月 にな って 発 効 した とい う特 殊 な ケ ー スで あ る。 本 判 決 は,「万 一 地 区詳 細 計 画 第32.2号 が,そ れ が 衡 量 結 果 と して 指 定 す る もの の 中 に,そ の 発 効 の 時 点 に お いて 11月 に お いて. つ ま り1975年. 重 大 な 報 疵 を 示 した とす れ ば,よ り以 前 の 時 点 で は い ま. だ その よ うな 王 段疵 が な か っ たか らと い って,当 該 暇 疵 を 無 視 す る こ と はで き な い で あ ろ う」 と述 べ,「 衡 量 過 程 の 審 理 は(最 終 的 な)議 決 に,そ れ に対 して 衡 量 結 果 の 審 理 は最 終 的 な 公 布 に,結 びつ け られ な けれ ばな らな い」 と判 示 して い る勧。. 2連. 邦 建 設 法155b条2項2文. 連 邦 建 設 法 は,1976年. とそ の合憲性. の 改 正 で,同 法 に よ る条 例 の 成 立 に あた って の 手. 続 ・形 式 規 定 の 違 反 に関 す る規 定 を 設 けた(155a条)。. そ れ に よ る と,「 こ. の 法 律 に よ る条 例 の 成 立 に あ た って の 手 続 又 は形 式 規 定 の 違 反 は,そ れ が. \ す る 「地 区 詳 細 計 画 第148号 に お け る 理 疵 を 認 定 し,指. 」 に つ き,決. 定 の 先 取 りが な さ れ た 点 で衡 量 過 程. 定 に 対 立 す る 利 益 の重 み づ け を 誤 っ た 点 で 衡 量 結. 果 に お け る 報 疵 を 認 定 し て い る。Vgl.BVerwG,Urteilvom5.7.1974, BVerwGE45,309(314,325). ⑳VgLMartinWickel/KarinBieback,DasAbw註gungsgebot-materiell-rechtlichesPrinzipoderVerfahrensgrundsatz?,DV2006,571(571 -572);MichaelHapp ,NeueszurAbwagung(§1VrBauGB)?,NVwZ 2007,304(305). 働BVerwG,Urteilvom29.9.1978,BVerwGE56,283(288).. 105.

(14) 近畿大学法学. 第57巻 第1号. 当 該 条 例 の 発 効 か ら1年 か っ た 場 合 に は,顧 こ の 規 定 は,衡. 以 内 に書 面 で 当該 違 反 の 表 示 と と も に主 張 され な. 慮 さ れ な い(unbeachtlich)」(同. 条1文)㈱. 。 もっとも. 量 要 請 違 反 な い し衡 量 の 環 疵 に つ い て は 妥 当 しな い 。 衡 量. の 報 疵 に 関 す る 規 定 が 連 邦 建 設 法 に 設 け られ る の は,1979年. の改正 によっ. て で あ る。. (1)連 邦 建 設 法155b条. の追 加. 連 邦 建 設 法 は,1979年 に,「都 市 建 設 法 に お け る手 続 の 迅 速 化 及 び投 資 事 業 案 の 容 易 化 に関 す る法 律 」 に よ って 改 正 され た。 この 改 正 で,従 前 の 連 邦 建 設 法155a条. は,土 地 利 用 計 画 お よ び条 例 の 策 定 に あ た って の 手 続 ・. 形 式 規 定 の 違 反 に関 す る規 定 と して 再 構 成 され た。 それ と と も に,建 設 管 理 計 画 につ い て の そ の 他 の 規 定 の違 反 に 関 す る規 定 が 設 け られ た(同 法 155b条)。. そ の第2項. は,「衡 量 につ いて は,建 設 管 理 計 画 につ いて の 議 決. の 時 点 に お け る事 実 及 び法 状 況 が 基 準 とな る。 衡 量 過 程 に お け る環 疵 は, それ らが 明 白で あ りか つ 衡 量 結 果 に影 響 を 及 ぼ した場 合 に限 り,有 意 で あ る」 と規 定 した。 政 府 草 案 に お い て は,連 邦 建 設 法155b条2項. に 相 当 す る規 定 は 存 在 し. な か っ た。 同項 が 設 け られ たの は,立 法 過 程 に お け る国 土 整 備 ・建 築 ・都 市 建 設 委 員 会 の 議 決 に よ る もの で あ る。 衡 量 要 請 違 反 の 判 断 の 基 準 時 を 議 決 時 と定 め る連 邦 建 設 法155b条2項1文. ㈱. に つ き,同 委 員 会 の報 告 書 は,. こ の改 正 に つ き連 邦 政 府 は 次 の よ う に説 明 して い る。 「これ は,法 的安 定 性 の た め に必 要 で あ る。 と い う の も地 区詳 細 計 画 は数 多 くの執 行 行 為 の 根 拠 で あ るか らで あ る。 あ る地 区詳 細 計 画 が状 況 に よ って は 当該 地 区 の 建 設 が な され た 後 や,多 数 の土 地 所 有 者 が そ の 存 続 力(Bestandskraft)を 措 置(例. 信 頼 して きた 執 行. と して は区 画 整 理 が挙 げ られ る)が 完 了 した後 に何 年 も経 った 時 には. じめ て 主 張 され た形 式 ・手 続 の報 疵 に基 づ い て無 効 と宣 言 され る とい うの は, 市 民 の 利 益 に もな らな い 」。Vgl.BT-Drucks.7/2496,S.62.. 106.

(15) 建 設 管 理 計 画 の 衡 量 統 制 に関 す る一 考 察. 「そ れ に よ って,建 設 管 理 計 画 の審 理 に あ た り,市 町 村 が 当 該 建 設 管 理 計 画 につ いて の 議 決 の 際 に は まだ 考 慮 す る必 要 の な か った,都 市 建 設 上 の 状 況 ま た は法 規 定 の 事 後 的 な 変 更 が 基 礎 に置 か れ る こ とが 回 避 され る」 とす る が,「 稀 有 な 例 外 的事 例 にお い て建 設 管 理 計 画 の発 効 の 時 点 に注 目す る判 例 は,こ れ に よ って 影 響 を 受 けな い ま まで あ るべ きで あ る」 と も述 べ て い る剛。 よ り重 要 で あ るの は,衡 量 過 程 に お け る王 段疵 を,そ れ が 「明 白」 で あ り か つ 「衡 量 結 果 に影 響 を 及 ぼ した」 場 合 に限 り,有 意 な もの とす る連 邦 建 設 法155b条2項2文. で あ る。 国 土 整 備 ・建 築 ・都 市 建 設 委 員 会 の報 告 書. は,次 の よ う に述 べ て い る。 「当委 員 会 は,こ の規 定 〔=連 邦 建 設 法155b 条2項 〕 に よ って,市 町 村 議 会 に お け る政 治 的 な 意 見 形 成 お よ び議 決 の 全 詳 細 お よ び全 状 況 が,裁 判 所 に よ る建 設 計 画 の 審 理 に含 め られ,そ れ に伴 い裁 判 所 が 結 果 に お いて 市 町 村 の 計 画 高 権 に介 入 す る こ とを 排 除 す る こ と を 意 図 す る。 地 方 自治 体 の 頂 上 団 体(Spitzenverband)は,当. 委員会の見. 解 で は正 当 に,以 下 の 点 を 指 摘 した。 裁 判 所 が 全 体 と して 建 設 管 理 計 画 お よ び 計 画 手 続 につ い て 設 定 す る過 大 な 要 求 の 結 果,多. くの市 町 村 に お い. て,整 序 され た都 市 建 設 上 の 計 画 策 定 お よ び発 展 の た めの 基 礎 が 消 滅 しか か って い る と い う こ とで あ る絢」。 同報 告 書 は,さ. ら に次 の よ う に述 べ て い る㈱。 「〔 連 邦 建 設 法155b条2. (3・DBT-Drucks.8/2885,S.46. (3DBT-Drucks.8/2885,S.36.同. 報 告 書 は 別 の 箇 所 で も,「 計 画 手 続 な ら び に. 説 明 報 告 書(Erlauterungsbericht)お に,建. 設 管 理 計 画 お よ び 条 例 を,そ. で な い 場 合 で さ え,破. よ び理 由書 につ い て の過 大 な 要 求 の 故 れ らが そ の結 果 に お い て は 非 難 され るべ き. 棄 す る」 行 政 裁 判 所 の裁 判 実 務 が 増加 して い る と指 摘 し. て い る 。Vgl.BT-Drucks.8/2885,S.35.従 は,高. 前 の規 範統 制 の実 態 につ いて. 橋 ・前 掲 注(6)「 計 画 保 全(1)」11頁. ([36)BT-Drucks.8/2885,S.46.. 107. 以下参照。.

(16) 近畿大学法学. 項 〕 第2文. 第57巻 第1号. は,衡 量 につ いて の 諸 要 求 が 果 た され て い るか 否 か と い う問 題. の 審 理 が,衡 量 過 程 と衡 量 結 果 の 双 方 の 遵 守 に関 わ る こ とを 考 慮 して,衡 量 過 程 の 審 理 可 能 性 を 制 限 す る もの で あ る」。 衡 量 過 程 に お け る環 疵 が 「明 白」で あ る の は,例 え ば 「建 設 管 理 計 画 を議 決 した市 町村 議 会 の過 半 数 が, 明 言 して(erklartermaBen)な. い しは明 らか に,建 設 管 理 計 画 の 適 正 な 判. 断 とは もは や 何 の 関 係 もな い考 量 に導 か れ た場 合 」 で あ り,逆 に例 え ば 「衡 量 過 程 に お け る 市 町 村 議 会 の個 々の 構 成 員 の 考 量 が 審 理 され た り,こ れ に 関 して 場 合 に よ って は証 拠 が 採 取 され る と い う こ と は排 除 さ れ て い る」。 さ ら に衡 量 過 程 に お け る明 白 な環 疵 は衡 量 結 果 に 影 響 を及 ぼ した の で な けれ ばな らず,「 そ れ に よ って,衡 量 過 程 に お け る王 段疵 が それ だ けで 既 に建 設 管 理 計 画 の 法 的 有 効 性 に と って 有 意 とな りう る こ とが 阻 止 され るの で あ り,決 定 的 で あ るの は,衡 量 過 程 に お け る環 疵 が 計 画 内容 に も作 用 し たか 否 か で あ る」。 な お1979年 の 改 正 で 新 た に設 け られ た連 邦 建 設 法155c条 計 画 又 は条 例 の 許 可 権 限 を 有 す る行 政 庁 の,第155a条. は,「 土 地 利 用. 及 び第155b条. によ. りその 違 反 が 土 地 利 用 計 画 又 は条 例 の 法 的 有 効 性 に作 用 しな い規 定 の 遵 守 を審 査 す る義 務 は,免 除 され な い」 と規 定 した 。 これ に よ って,同 法155a 条 お よ び155b条. が裁 判 所 に よ る統 制 の み を 制 限 す る もの で あ る こ とが 明. 確 に され た。. (2)学 説 に よ る批 判 裁 判 所 に よ る 衡 量 過 程 の 統 制 を 制 限 す る連 邦 建 設 法155b条2項2文 は,当 時 に お いて,少 な か らぬ学 説 か ら批 判 を受 け た。 グ ラ ヴ ェ(Grave) は,1980年. に,連 邦 建 設 法155b条. は 失 敗 かつ 違 憲 と題 す る論 文 を発 表 し. た。 グ ラ ヴ ェ は,「 〔 衡 量 に お いて 〕 無 視 され た観 点 が 考 慮 され たな らば実 際 に異 な っ た決 定 が も た らされ たで あ ろ う と い う証 拠 は,ほ とん ど提 出 さ 108.

(17) 建 設 管 理 計 画 の 衡 量 統 制 に関 す る一 考 察. れ え な い の で は な い か 」 と の 認 識 に 基 づ き,「 衡 量 結 果 へ の 実 際 の 影 響 の 証 明 が 要 求 さ れ る と す れ ば,こ. れ は 衡 量 過 程 が 実 際 上 も は や 審 理 しえ な い と. い う 結 果 を も た らす 」と主 張 す る ⑳。 さ ら に,前 掲 委 員 会 報 告 書 に お い て 明 白 で な い 環 疵 の 例 と して 挙 げ られ た 「市 町 村 議 会 の 個 々 の 構 成 員 の 考 量 に お け る 暇 疵 は,こ. れ ま で も裁 判 所 に よ る 審 理 の 対 象 で は な か っ た 」 の で. あ っ て,「 衡 量 過 程 の 質(Qualitat)は,む. しろ書 面 に記 録 され た 理 由な い. し は 説 明 報 告 書 お よ び 場 合 に よ っ て は(書. 面 の)議. 会 議 事 録 に基 づ いて 審. 理 さ れ た 」 こ と を 指 摘 す る ㈱。 最 後 に 結 論 と し て,「155b条. は,地. 区詳 細. 計 画 が 裁 判 所 に よ り審 理 さ れ う る 範 囲 を 縮 減 さ せ る こ と に よ っ て,基 19条4項. 本法. の 出 訴 の 途 の 保 障 を 侵 害 す る 」 と 述 べ て い るB9)。. ま た キ ル ヒ ホ フ(Kirchhof)は,「155b条2項2文 量 過 程 に お け る王 段疵 を,そ し た 場 合 に,は. に よ り裁 判 所 は,衡. れ らが 衡 量 結 果 に 影 響 した こ と を 積 極 的 に 認 定. じ め て 審 理 す る こ と が 許 さ れ る の で あ る か ら,そ. 明 確 に は 表 出 せ ず,推 疵 の 全 領 域 が,欠. 測 さ れ う る に す ぎ な い,あ. 鉄 な き 統 制 の 保 障 か ら,そ. 条 に よ り要 求 さ れ る に も か か わ らず,転 べqo),「連 邦 建 設 法155b条2項2文. の こ とが. る い は排 除 され え な い暇. れ が 基 本 法19条4項. が り落 ち る(herausfallen)」. お よ び14. だ け は,基. 本 法19条4項. と述. お よ び14条 の. ⑳HelmutGrave,§155bBBauG-miBglucktundverfassungswidrig!, BauR1980,199(202). ㈱Grave(Fn.37),S.203. 働Grave(Fn.37),S.208.な. お 基 本 法19条4項1文. 力 に よ っ て 自 己 の 権 利 を 侵 害 さ れ る と き は,彼. は,「 い か な る 者 も 公 権. に 出訴 の途 が 開 か れ て い る」 と. 規 定 す る。 ωFerdinandKirchhof,DieBaurechtsnovelle1979alsRechtswegsperre?ZurVereinbarkeitder§. §155aundbBBauGmitArt.19. 1VGG,NJW1981,2382(2386).下 14条1項1文. 線 部 分 は原 文 イ タ リッ ク体 。 な お 基 本 法. は,「 所 有 権 及 び 相 続 権 は 保 障 さ れ る 」 と 規 定 す る 。. 109.

(18) 近畿大学法学. 前 で は,長. 第57巻 第1号. く は 続 か な い 」 と 主 張 し た ω。. 一 方 で バ ッ テ ィ ス(Battis)は. ,連. 邦 建 設 法155b条2項2文. 合 的 に 解 釈 す る こ と を 主 張 し た 。 「基 本 法19条4項. を憲 法 適. の 光 の 中 で,〔 衡 量 過 程. に お け る 環 疵 の 〕 明 白 性 は,衡. 量 過 程 に お け る環 疵 が 行 政 訴 訟 に お いて 疑. う 余 地 な く(unzweifelhaft)証. 明 され て い る と い う意 味 に解 され な けれ ば. な ら な い 。 そ の よ う に 解 す る と,155b条2項2文. の 第1肢. は 自明であ る. こ と を 述 べ て い る に す ぎ な い 」。 ま た,衡 量 過 程 に お け る 暇 疵 が 「衡 量 結 果 に 影 響 を 及 ぼ し た 」 か 否 か の 判 断 に つ い て は,「 法 律 の 文 面 は,法 果 関 係 の 証 明 を 要 求 して お り,そ. 律 が因. れ ゆえ に王 段疵 が 実 際 に 影 響 を 及 ぼ し た こ. と が そ の つ ど 認 定 さ れ な け れ ば な らな い と 解 す る こ と を 決 して 強 制 す る も の で は な い 」 と の 立 場 か ら,「 計 画 策 定 結 果 へ の 影 響 は,異 可 能 で あ る よ う に 思 わ れ る 場 合 に は,既. な った決 定 が. に肯 定 され るべ きで あ る」 と述 べ. て い る 働。 ヴ ァ イ ロ イ タ ー(Weyreuther)は,連. 邦 建 設 法155b条2項2文. 本 的 に 嘆 か わ し い(beklagenswert)も. の で あ って. は 「基. と りわ け 憲 法 上 の. 背景故 に. 狭 く解 釈 さ れ な け れ ば な らな い 」 と主 張 し,「 当 該 決 定 を 行 っ. た部 局 が. 『法 違 反 が な け れ ば 』 異 な っ た 『結 果 に 到 達 しえ た で あ ろ う と い. う 可 能 性 が 少 な く と も 存 在 す る 場 合 』」 に,「155b条2項2文. が 『影 響 を 及. ぼ した』 と い う語 で 述 べ て い る因 果 関 係 」 を 肯 定 す る解 釈 を 示 唆 す る。 た だ し,「 因 果 関 係 上 の 関 連 性 の 能 性 』 だ け で は 十 分 で は な く,つ. 常 に存 在 す る. 『単 な る(nackt)可. ま り事 実 状 況 も 常 に 考 慮 に 入 れ られ な け. (41)Kirchhof(Fn.40),S.2387. 幽UlrichBattis,GrenzenderEinschr註nkunggerichtlicherPlanungskontrolle-ZurAuslegungder§. §155aundbBBauG,DOV. 1981,433(436).. 110.

(19) 建 設 管 理 計 画 の 衡 量 統 制 に関 す る一 考 察. れ ば な ら な い と い う よ う に155b条2項2文. を 解 釈 す る こ と は,困. 難 で は. な い の で は な か ろ う か 」 と も 述 べ て い る ⑬。. (3)連 邦 行 政 裁 判 所 に よ る憲 法 適 合 的 解 釈 連 邦 行 政 裁 判 所1981年8月21日. 判 決 は,連 邦 建 設 法155b条2項2文. は. 憲 法 適 合 的 解 釈 をす れ ば違 憲 で は な い 旨判 示 した。 本 判 決 は,「 この 規 定 は解 釈 上 の 困 難 性 を も た ら して き たの で あ って,そ の 憲 法 適 合 性 は度 々疑 わ れ て い る」 こ とを 認 め た 上 で,「 しか しそれ は,そ れ が 憲 法 上 の要 求 に 堪 え る よ う に解 釈 され う る」 と述 べ る鱒。 本 判 決 に よ る と,「 あ ら ゆ る計 画 策 定 に結 びつ け られ て お り,逆 に,許 可 を 受 け公 布 され た 建 設 管 理 計 画 が 付 随 的 に ま た は規 範 統 制 を 通 じて 直 接 的 に無 効 と宣 言 され る こ と に よ って も惹 起 され う る,憲 法 上 保 障 され た所 有 権(基 本 法14条1項)へ 益 的 ま た は制 限 的 な 基 本 法19条4項. 作 用,さ. の. 利. ら に衡 量 要 請 の 法 治 国 的 な 保 障,最 後 に. の 権 利 保 護 保 障 は,連 邦 建 設 法155b条2項2文. を,建 設. 管 理 計 画 の 有 効 性 に と って 衡 量 の 環 疵 が 有 意 で な い こ とを この 規 定 が 命 ず る限 りに お いて,狭. く解 釈 す る よ う要 求 す る㈲」。. 本 判 決 は,衡 量 過 程 に お け る環 疵 の 「明 白」 性 に関 して は,次 の よ う に 述 べ る㈹。 国土 整 備 ・建 築 ・都 市 建 設 委 員 会 の 報 告 書 で 指 摘 され た 「建 設 管 理 計 画 につ いて の 議 決 の 際 の 議 会 構 成 員 … … の 考 え は審 理 され るべ きで な い と い う点 は,法 治 国 的 に問 題 な い」。 「依 然 と して 顧 慮 され る ま まで あ. ⑬FelixWeyreuther,DasBundesbaurechtindenJahren1978und 1979-DieEntwicklungimSpiegelinsbesonderederRechtsprechung desBundesverwaltungsgerichts,DOV1980,389(392).当 と し て,山. 田 ・ 前 掲 注(6)310頁. 時 の 学 説 の 検 討. 以 下 も 参 照 。. 幽BVerwG,Urteilvom21.8.1981,BVerwGE64,33(35). ㈹BVerwG,Urteilvom21.8.1981,BVerwGE64,33(36). ㈹BVerwG,Urteilvom21.8.1981,BVerwGE64,33(37-38).. 111.

(20) 近畿大学法学. 第57巻 第1号. るの は,そ れ が 客 観 的 に把 握 可 能 な 事 実 状 況 に起 因 す る と い う意 味 で,衡 量 過 程 の 『外 』 面 に 属 す る す べ て の もの で あ る。 例 え ば 衡 量 素 材 の整 理 (Zusammenstellung)お. よ び選 別(Aufbereitung),す. 益 の 認 識 お よ び衡 量 へ の 投 入,ま 例 え ば文 書,議 事 録,案. べての本質的な利. た は 当該 利 益 の 重 み づ け に関 係 し,か つ. も し くは計 画 の 理 由書,ま. た は その 他 の 書 類 か ら. 判 明 す る王 段疵 お よ び 誤 りは 『明 白』 で あ 」 る。 「そ れ に 対 して,衡 量 過 程 の 『内』 面 に属 す る もの,つ 動 機,例. ま り投 票 に参 加 した計 画 策 定 主 体 の 構 成 員 の. え ば不 足 した ま た は誤 った 考 え は,連 邦 建 設 法155b条2項2文. の 意 味 に お いて は明 白で な い環 疵 で あ る」。 衡 量 過 程 に お け る明 白な 環 疵 が 「衡 量 結 果 に影 響 を 及 ぼ した」 と い う点 に関 して は,次 の よ うな判 示 が な さ れ た働。 「ま さ に あ る王 段疵 の 故 に他 な ら ぬ その よ うな 計 画 が 策 定 され た と い う こ との 積 極 的 な 証 明 が 要 求 され る と す れ ば,明 白な 衡 量 の 環 疵 が 『衡 量 結 果 に影 響 を 及 ぼ した』 事 例 は ほ とん ど確 認 され え な いで あ ろ う。 そ うな る と結 果 に お いて 衡 量 過 程 に お け る王 段 疵 は ほ とん ど全 く有 意 で な い こ とに な る で あ ろ う。 しか しな が ら立 法 者 は,衡 量 過 程 に お け る環 疵 に あ らゆ る有 意 性 を 一般 的 に否 定 す る こ とを 意 図 した わ け で は な い」。 「それ ゆ え に連 邦 建 設 法155b条2項2文. の,規 定. の 目的 に向 け られ た解 釈 は,次 の よ うな 結 論 を も た らす 。 衡 量 過 程 に お け る報 疵 は,当 該 王 段疵 が な けれ ば異 な っ た計 画 が 策 定 され たで あ ろ う と い う 可 能 性 が 存 在 す る場 合 に,既 に衡 量 結 果 に 『影 響 を 及 ぼ した』 と い う こ と で あ る。 も ち ろん,適 切 な 衡 量 が な され た場 合 に は異 な っ た計 画 が 策 定 さ れ たで あ ろ う と い う抽 象 的 な 可 能 性 は,決. して 排 除 され え な い。 この 抽 象. 的 な 可 能 性 が 目標 と され るな らば,そ の よ うな 解 釈 は規 定 の 目的 方 向 か ら 大 幅 に逸 脱 す る こ と にな るで あ ろ う。 つ ま り当該 規 定 の 趣 旨 お よ び 目的 に. ⑳BVerwG,Urteilvom21.8.1981,BVerwGE64,33(39).. 112.

(21) 建 設 管 理 計 画 の 衡 量 統 制 に関 す る一 考 察. 適 合 す るの は,… … それ ぞ れ の 事 例 の 状 況 に応 じて,計 画 策 定 の 過 程 にお け る王 段疵 が な けれ ば異 な る結 果 にな っ たで あ ろ う と い う具 体 的 な 可 能 性 が 存 在 す る場 合 に,『影 響 を及 ぼ した』と い う構 成 要 素 の 存 在 を 肯 定 す る こ と で あ る」。 以 上 の 判 示 事 項 を 整 理 す る と,①. 「明 白」 な 王 段疵 と は,計 画 の 理 由書 そ. の 他 の 書 類 か ら判 明 す る等,客 観 的 に把 握 可 能 な 暇 疵 を 指 し,② 衡 量 過 程 に お け る環 疵 が 「衡 量 結 果 に影 響 を 及 ぼ した」 場 合 と は,当 該 暇 疵 が な け れ ば異 な っ た計 画 が 策 定 され た と い う(抽 象 的 で はな く)具 体 的 な 可 能 性 が あ る場 合 を意 味 す る姻。 こ の結 論 は,多. くの 学 説 に受 け入 れ られ た よ う. で あ り㈹,こ れ以 後,連 邦 建 設 法155b条2項2文. の 合 憲 性 を め ぐる議 論 は. 沈 静 化 して い く。. 3建. 設 法 典 と衡 量 統 制(2004年. (1)1986年. 改 正 前). 建 設 法 典214条 ∼216条. 1986年 に,連 邦 建 設 法 と都 市 建 設 促 進 法 を 統 合 して 制 定 され た 建 設 法 典 ⑱. ち な み に 本 件 で は,原. 告 の 所 有 地 に 適 用 さ れ る 西 側 建 築 境 界 線(Baugrenze). の 指 定 が 問 題 と な っ て い た 。 控 訴 審 裁 判 所 は,当. 該 西側 建築 境 界 線 は 風 景 保 護. 地 区 の 東 側 境 界 線 に 沿 う こ と を 前 提 に 指 定 さ れ た こ と,し. か し風 景 保 護 地 区 の. 境 界 線 は 計 画 策 定 団 体 の 想 定 よ り もず っ と 西 側 を 走 っ て い る こ と を 認 定 し た 。 そ の 上 で 同 裁 判 所 は,当 明 白 な 暇 疵 が あ り,こ. 該 西 側 建 築 境 界 線 の 指定 に 関 して は 衡 量 過 程 にお け る の暇 疵 は地 区 詳 細 計 画 の 一 部 無 効 を も た らす 旨判 示 し. た 。 本 判 決 は こ の 判 断 を 支 持 し て い る 。Vgl.BVerwG,Urteilvom21.8. 1981,BVerwGE64,33(34,41). (49)Vgl.Hans-JoachimKoch,DasAbwagungsgebotimPlanungsrecht-EinigeBemerkungenzurIntensit註tverwaltungsgerichtlicher Kontrolle,verlangtdurchBVerwG,Urteilvom21.8.1981,DVBI. 1983,1125(1125);GuntherSchwerdtfeger,RechtsfolgenvonAbw註 gungsdefiziteninderBauleitplanung-BVerwGE64,33,JuS1983, 270(273).. 113. 一.

(22) 近畿大学法学. 第57巻 第1号. は,そ の 第3章. 第2部. 第4節. zungen)」(214条. ∼216条)に,従. 「有 効 性 要 件(Wirksamkeitsvorausset前 の連 邦 建 設 法155b条,155a条,155c. 条 に対 応 す る規 定 を置 い た。 建 設 法 典214条 は,土 地 利 用 計 画 お よ び 条 例 の 策 定 につ いて の 規 定 の 違 反 が 顧 慮 され るか 否 か に関 す る もの で あ る。 同 条1項. は,手 続 ・形 式 規 定 の 違 反 の う ち,土 地 利 用 計 画 お よ び条 例 の 法 的. 有 効 性 に と って 顧 慮 され る もの を 列 挙 し,同 条2項. は,土 地 利 用 計 画 と地. 区 詳 細 計 画 の 関 係 につ いて の 規 定 の 違 反 の う ち,建 設 管 理 計 画 の 法 的 有 効 性 に と って 顧 慮 され な い もの を 列 挙 す る。 1986年 建 設 法 典214条3項. は,「 衡 量 に つ い て は,建 設 管 理 計 画 につ いて. の 議 決 の 時 点 に お け る事 実 及 び法 状 況 が 基 準 とな る。 衡 量 過 程 に お け る環 疵 は,そ れ らが 明 白で あ りか つ 衡 量 結 果 に影 響 を 及 ぼ した場 合 に限 り,有 意 で あ る」と規 定 した。 こ の文 面 は,従 前 の 連 邦 建 設 法155b条2項. と完 全. に 同 一一 で あ る。 これ に 関 して 建 設 法 典 の政 府 草 案 理 由書 は,「 〔 建設法 典 214条 〕第3項. は,従 前 の 連 邦 建 設 法155b条2項. に適 合 して い る」 と述 べ. る に と ど ま って い る60)。 従 前 の 連 邦 建 設 法155b条2項2文 ぐる議 論 や,前 掲 連 邦 行 政 裁 判 所1981年8月21日. の合憲性 を め. 判決の憲法適合的解釈 に. つ いて は,特 に言 及 され て いな い。 1986年 建 設 法 典215条1項. は,手 続 ・形 式 規 定 の 違 反 お よ び衡 量 の 暇 疵. の 主 張 につ いて の 期 間 を 定 め た。 同項 に よ る と,「衡 量 の 暇 疵 」(2号)は, それ らが 土 地 利 用 計 画 ま た は条 例 の 公 布 か ら7年 以 内 に市 町 村 に対 して 書 面 で 主 張 され な か っ た と き は,顧 慮 され な い(手 続 ・形 式 規 定 の 違 反(1 号)に つ い て は,公 布 か ら1年 以 内)。 政 府 草 案 に お い て は,衡 量 の暇 疵 につ い て この よ うな 期 間 を設 け る こ とは 予 定 され て い な か った61)。これ に. ⑳BT-Drucks.10/4630,S.156.下. 線 部 分 は原 文 イ タ リ ック体 。. 61)Vgl.BT-Drucks.10/4630,S.41.立. 法 過 程 に お い て 連 邦 参 議 院 は,. 114. 「衡 量/.

(23) 建 設 管 理 計 画 の 衡 量 統 制 に関 す る一 考 察. 関 して 国 土 整 備 ・建 築 ・都 市 建 設 委 員 会 の 報 告 書 は,次 の よ う に述 べ て い る。 「当 委 員 会 は,裁 判 手 続 に お い て衡 量 の 暇 疵 お よ び そ れ に伴 い地 区 詳 細 計 画 の 無 効 が ます ます 認 め られ る こ とか ら生 ず る是 認 しえ な い結 果 を 回 避 す る た め に,衡 量 の 王 段疵 の 主 張 に期 限 を つ け る こ とが 必 要 で あ る と考 え る。 当委 員 会 は,衡 量 の報 疵 を 第215条 第1項. の 『期 限 規 律 』 に含 め る に. あ た り,建 設 管 理 計 画 の 存 続 を 信 頼 す る者 の 保 護 は,実 施 され る措 置 につ いて それ が 根 拠 とな る期 間 が 長 けれ ば長 い ほ ど,一 層 高 い と い う点 に導 び か れ る。 それ は,建 設 管 理 計 画 は その 発 効 後7年 以 内 に大 半 にお いて 大 幅 に執 行 の 段 階 に到 達 したか,そ. うで な くて も その 作 用 が 感 知 可 能 にな った. と い う,実 務 の 経 験 に適 合 して い る。 それ ゆえ に衡 量 の 暇 疵 も,特 にそ れ らが 重 大 か つ 明 白な 場 合 は,7年. 以 内 に利 害 関 係 者 に よ って 主 張 され る こ. とが 期 待 され る殉 。 衡 量 の環 疵 を 主 張 し う る期 間 を定 め る1986年 建 設 法 典215条1項2号. に. 対 して は,批 判 な い し懸 念 を 表 明 す る学 説 もあ った 。 レー ア(L6hr)は,原 則 的 に は 同号 に賛 成 の 立 場 で あ るが,地 区 詳 細 計 画 が そ の 策 定 後7年 以 内 に執 行 され な い場 合 等,「基 礎 に あ る事 実 関係 が,立 法 者 が 規 律 しよ う と し た もの と は著 し く異 な る場 合 に は,当 該 規 定 は場 合 に よ って は… … 憲 法 適 合 的 に 限定 して 解 釈 され な け れ ば な らな いで あ ろ う」 と述 べ る㈹。 パ イ ネ \ の 報 疵 お よ びそ の他 の実 体 法 違 反 の主 張 に つ い て も期 限 を つ け る こ とが 必 要 で あ る 」 と主 張 し た が(vgl.BT-Drucks.10/5027,S.22),連 よ う な 規 律 は,憲. 邦 政 府 は,「 そ の. 法 上 の 理 由 か ら少 な く と も疑 わ し く(bedenklich),法. に 望 ま し く な い 」 旨 述 べ,こ. 政策的. れ に 反 対 し て い た(vgl.BT-Drucks.10/5111,. S.16)。 62)Vgl.BT-Drucks.10/6166,S.134.た 効 に あ た っ て は,衡. 量 の 報 疵(お. だ し,土. 地 利 用 計 画 お よび 条 例 の 発. よ び 手 続 ・形 式 規 定 の 違 反)の. の 要 件 お よ び 法 効 果 が 示 さ れ な け れ ば な ら ず(建. く場 合 に は 期 間 は 走 ら な い 。Vgl.BT-Drucks.10/6166,S.166. (53)Rolf-PeterL6hr,DasneueBaugesetzbuch-Bauleitplanung, NVwZ1987,361(369).. 115. 主 張 につ い て. 設 法 典215条2項),こ. れを欠.

(24) 近畿大学法学. 第57巻 第1号. (Peine)は,「 憲 法 に対 す る違 反 を顧 慮 され な い もの と言 明す る規 範 は,憲 法 適 合 的 で は あ りえ な い」 との 立 場 か ら,「建 設 法 典215条1項2号 本 法,特. は,基. に基 本 法14条 ま た は比 例 原 則 に対 す る違 反 に は,最 初 か ら適 用 さ. れ な い」 と主 張 す る6〈D。 ドル デ(Dolde)は,「. 当該 規 律 は,7年 の 期 間 が 経. 過 した後 に は,行 政 行 為 に あ って は その 無 効 を も た らす 重 大 か つ 明 白な 環 疵 を も顧 慮 され な い ま ま にす る点 で,違 憲 で あ る」 と主 張 して い る㈲。 な お1986年 建 設 法 典216条 は,従 前 の連 邦 建 設 法155c条. に対 応 す る規 定. で あ り,「許 可 及 び届 出手 続 に携 わ る行 政 庁 の,第214条 及 び 第215条 に よ り その 違 反 が 土 地 利 用 計 画 ま た は条 例 の 法 的 有 効 性 に作 用 しな い規 定 の 遵 守 を審 査 す る義 務 は,免 除 され な い」 と規 定 した。. (2)1997年. の建設法典改正. 1997年 の 建 設 法 典 改 正 で は,第3章. 第2部. 題 が 「計 画 維 持(Planerhaltung)」 建 設 法 典215a条. 第4節(214条. に 変 更 さ れ,補. が 新 た に 追 加 さ れ た ㈱。 同 条1項. 第214条 及 び 第215条. 表. 完 手 続 につ いて 定 め る は,「 条 例 の 王 段疵 の う ち,. に よ り顧 慮 さ れ な い も の で は な く,か. り是 正 さ れ う る も の は,無. ∼216条)の. つ補完手続 によ. 効 を も た らさな い。 当該 王 段疵 が 是 正 さ れ る ま で. 励Franz-JosephPeine,ZurverfassungskonformenInterpretationdes §2151Nr.2BauGB,NVwZ1989,637(639). 岡Klaus-PeterDolde,Die,,Heilungsvorschriften"desBauGBfur Bauleitplane,BauR1990,1(10-11).当 学 説 に つ い て は,村 ㈹. 上. 時 の 建 設 法 典215条1項2号. ・ 前 掲 注(6)86頁. こ れ に 関 し て 連 邦 政 府 は,「 新 た な 第215a条 原 則 が 具 体 化 さ れ る こ と に な る 」 S.73.計. を め. ぐ る. も 参 照 。 の 追 加 に よ っ て,計. と 述 べ て い る 。Vgl.BT-Drucks.13/6392,. 画 維 持 の 原 則 に つ い て は,vgl.WernerHoppe/PeterHenke,Der. GrundsatzderPlanerhaltungimneuenSt註dtebaurecht,DVBI.1997, 1407(1408-1409).. 116. 画 維 持 の 法.

(25) 建 設 管 理 計 画 の 衡 量 統 制 に関 す る一 考 察. は,当 該 条 例 は法 的 効 力 を 発 揮 しな い」 と規 定 し,同 条2項. は,「 第214条. 第1項 で 掲 げ られ た規 定 の 違 反 又 は州 法 に よ る その 他 の 手 続 若 し くは形 式 の 環 疵 の 場 合,土 地 利 用 計 画 又 は条 例 は,遡 及 効 を も って 改 めて 発 効 させ る こ と もで き る」 と規 定 す る。 従 って,地 区 詳 細 計 画 に有 意 な 実 体 法 上 の 王 段疵 が あ る場 合 は,こ れ を 補 完 手 続 に よ って 是 正 す る こ とが 可 能 な と きで あ って も,そ れ に よ って 当該 地 区 詳 細 計 画 を 将 来 に向 か って 発 効 させ る こ と が で き る に と どま る。 な お1997年 の改 正 で は,建 設 法 典214条3項 く変 更 され て い な い。 建 設 法 典215条1項. は全. につ い て も,僅 か な 語 句 の 修 正. は あ る もの の,実 質 的 な 変 更 は加 え られ て いな い。. (3)建 設 法 典214条3項2文(2004年 従 前 の 連 邦 建 設 法155b条2項2文 文(2004年. 改 正 前 の もの)は,「. 改 正 前 の も の)の 解 釈 ・適 用 と全 く同様 に,建 設 法 典214条3項2. 衡 量 過 程 に お け る暇 疵 は,そ れ らが 明 白. で あ りか つ 衡 量 結 果 に影 響 を 及 ぼ した場 合 に限 り,有 意 で あ る」 と規 定 し て い た。 この 規 定 の 解 釈 ・適 用 に関 して は,連 邦 行 政 裁 判 所 の 判 決 が 複 数 存 在 す る。 ま た学 説 に お いて も,注 目 に値 す る議 論 が み られ る。. (a)衡 量 過 程 に お け る環 疵 建 設 法 典214条3項2文(2004年. 改 正 前 の もの)は,衡. 量 過程 にお ける. 王 段疵 を 対 象 とす る もの で あ り,衡 量 結 果 に お け る暇 疵 に は適 用 され な い。 そ こで,衡 量 過 程 に お け る環 疵 と衡 量 結 果 に お け る暇 疵 を 明 確 に区 別 す る こ とが 必 要 とな る。 この 点 に関 して 前 掲 連 邦 行 政 裁 判 所1974年7月5日 決 は,ホ. 判. ッペ の 分 類 で い う 「衡 量 の 欠 落 」 を 衡 量 過 程 にお け る暇 疵 と して. 位 置 づ け た。 しか しな が ら 「衡 量 の 不 足 」,「衡 量 の 誤 評 価 」 な い し 「衡 量 の 不 均 衡 」 につ いて は,衡 量 過 程 と衡 量 結 果 の 双 方 で 問 題 にな る 旨の 判 示 が な され て い た。 これ に従 う と,例 え ば 「衡 量 の 不 足 」 が,衡 量 過 程 にお 117.

(26) 近畿大学法学. 第57巻 第1号. け る 報 疵 と して 認 定 さ れ る 場 合 も あ れ ば,衡. 量 結 果 に お け る王 段疵 と さ れ る. 場 合 も あ りう る こ と にな る。 エ ル プ グ ー ト(Erbguth)は,1986年. に 発 表 さ れ た 論 文 に お い て,「 衡 量. の 欠 落 」,「衡 量 の 誤 評 価 」 お よ び 「衡 量 の 誤 評 価 」 は 衡 量 過 程 の み に 関 わ る 報 疵 で あ り,「衡 量 の 不 均 衡 」 は 衡 量 結 果 の み に 関 わ る 環 疵 で あ る 旨 主 張 し たCsD。エ ル プ グ ー トは 次 の よ う に 述 べ て い る68)。「衡 量 過 程 の 適 法 性 の た め に は,類. 型 上 そ の 過 程 的 な 性 格 を 共 有 す る,な. 疵 原 因 の み が 重 要 で あ りう る。 この. い しは これ に適 合 す る王 段. 動 的 な(dynamisch)過. 向 け られ た 性 質 が 特 に 明 らか に な る の は,事. 程 に. 情 に 応 じて 有 意 な 利 益 が 衡 量. に 投 入 さ れ な け れ ば な らな い と い う 要 求 に つ い て で あ り,そ 量 の 過 程 を始 動 させ る もの で あ る。 同様 の こ と は. 今や. れ は いわ ば衡 投 入 され た. 利 益 の 適 切 な 重 み づ けの 要 請 につ いて 妥 当す る。 な ぜ な らこれ は思 考 技 術 的 に(denktechnisch)過. 程 と し て の 衡 量 の 第2段. る 」。 「秩 序 正 し い(ordnungsgemaB)利 な(statisch)要. 素 と し て,専. 階 を 形 成 す る か らで あ. 益 調 整 に つ い て の 要 求 は,静. 的. ら結 果 に 関 わ る 。 当 該 要 請 が 衡 量 過 程 に 向. け られ る こ と は あ りえ な い 。 な ぜ な ら. 最終的な. 決 定 に は動 的 な い. し は 過 程 的 な 内 容 が 認 め られ な い か ら」。 そ れ に 対 して イ ブ ラ ー(lbler)は,衡. 量 過 程 の 統 制 と衡 量 結 果 の 統 制 を. 区 別 す る も の は,「 統 制 対 象(Kontrollgegenstande)」. で あ る と主 張 し た69)。. イ ブ ラ ー は 次 の よ う に 述 べ る ㈹。 「結 果 の 統 制 の 統 制 対 象 は,『 産 物 と して. ⑳WilfriedErbguth,NeueAspektezurplanerischenAbw翫gungsfehlerlehre?,DVBl.1986,1230(1233-1234). (58>Erbguth(Fn.57),S.1233. 69)MartinIbler,DieDifferenzierungzwischenVorgangs-undErgebniskontrollebeiplanerischenAbw註gungsentscheidungen,DVBl. 1988,469(472).下. 線 部 分 は 原 文 イ タ リ ッ ク 体 。. (6①Ibler(Fn.59),S.472-473.. 118.

(27) 建 設 管 理 計 画 の 衡 量 統 制 に関 す る一 考 察. の 計 画 』,『結 果 と して の 計 画 』 で あ り,よ り正 確 に は,図 面 お よ び文 字 に よ る定 めか らも た らされ る,地 区 詳 細 計 画 … … にお いて な され た 指 定 で あ る」。 「過 程 の 統 制 に あ って は,追 加 の 統 制 対 象 に立 ち戻 って,単 な る 「産 物 と して の 計 画 』 か らは認 識 で きな か っ た衡 量 の 暇 疵 が 探 され な けれ ばな らな い。 この 追 加 の 統 制 対 象 と は,『計 画 の理 由書 』,「計 画 文 書 』,特 に 「議 事 録 』,… … 『案 の理 由書 』,… … 『その 他 の 書 類 』 で あ る」。 衡 量 要 請 を 「動 的 」要 素 と 「静 的」要 素 に分 解 した上 で,「 衡 量 の 欠 落 」, 「衡 量 の不 足 」 お よ び 「衡 量 の誤 評 価 」 を衡 量 過 程 に お け る暇 疵 と し,「 衡 量 の 不 均 衡 」 を 衡 量 結 果 に お け る環 疵 と位 置 づ け るエ ル プ グー トの 説 は, 一一 定 の支 持 を 受 けて い る(6D 。 しか し この 説 は,前 掲 連 邦 行 政 裁 判 所1974年 7月5日. 判 決 の 判 示 事 項 と は両 立 しな いの が 難 点 で あ る。 従 前 の 判 例 との. 整 合 性 と い う点 で は,計 画 の 指 定 自体 か ら判 明 す る暇 疵 を 衡 量 結 果 にお け る環 疵 と し,計 画 の 理 由書 その 他 の 書 類 か ら判 明 す る暇 疵 を 衡 量 過 程 にお け る環 疵 とみ る イ ブ ラ ーの 説 の ほ うが 優 れ て い る よ う に思 わ れ る㈱。 建 設 法 典214条3項(2004年. 改 正 前 の もの)が 妥 当 す る時 期 に お い て,. 連 邦 行 政 裁 判 所 が 衡 量 過 程 と衡 量 結 果 の 区 別 に言 及 した例 は少 な い が ㈹, その1つ. と して 連 邦 行 政 裁 判 所1997年2月25日. は,「1978年9月28日. 決 定 が 挙 げ られ る。 本 決 定. 判 決 … … に お い て 当裁 判 部 が詳 し く説 明 した よ うに,. (61)Vgl.HildegardBlumenberg,NeuereEntwicklungenzuStruktur undInhaltdesAbw註gungsgebotsimBauplanungsrecht,DVBI.1989, 86(90);Rieger,in:Schrddter(Fn.17),§1Rn.188. ㈲. 衡 量 過 程 と 衡 量 結 果 の 区 別 に 関 す る 当 時 の 学 説 の 状 況 に つ い て は,高 掲 注(6)行 政 裁 量112頁. ㈹. 「建 設 法 典214条3項2文. 橋 ・前. 以 下 も参 照 。 を 適 用 し て,衡. 影 響 を 否 定 す る 規 範 統 制 裁 判 所 は,規. 量 過 程 に お け る報 疵 の 衡 量 結 果 へ の. 範 統 制 の 申立 て を も って 攻 撃 され た 衡 量. 結 果 を そ の 適 法 性 に 関 し て 審 理 す る 任 務 か ら解 放 さ れ て い る の で は な い 」 と い う 点 が 確 認 さ れ た 例 と し て,vgl.BVerwG,BeschluBvom9.10.2003, BauR2004,1130(1130).. 119.

(28) 近畿大学法学. 第57巻 第1号. 衡 量 結 果 の 場 合 は,衡 量 過 程 の 場 合 と異 な り,議 決 の み が 時 間 的 な 関 係 点 (Bezugspunkt)と. な り う るわ け で は な い。 あ る計 画 が 衡 量 結 果 の 点 で 衡. 量 要 請 の 諸 要 求 に適 合 す るか 否 か が 審 査 され な けれ ばな らな い場 合,む. し. ろ発 効 の 時 点 も1つ の 役 割 を 果 たす 。 衡 量 結 果 の 環 疵 は規 範 の 内容 に直 接 的 に反 映 す る(durchschlagen)。 能 も し くは無 意 味 な 内容,ま. そ の よ うな 王 段疵 の あ る計 画 は,執 行 不 可. た は都 市 建 設 上 の 発 展 と秩 序 に関 係 の な い 目. 的 を も っ た計 画 と 同様 に,発 効 しえ な い。 計 画 策 定 に関 わ る利 益 の 間 の 適 切 な 調 整 を も た らす と い う,衡 量 要 請 に よ って 追 求 され る 目的 の あ らゆ る 不 達 成 が,衡 量 結 果 を 疑 わ しい もの にす るわ けで はな い。 む しろ,市 町 村 が 個 々の 利 益 の 客 観 的 な 重 み と釣 り合 いが とれ な い調 整 を 行 う場 合 に は じ めて,計 画 上 の 形 成 の 自 由 に定 め られ て い る限 界 が 越 え られ て い る」 と述 べ て い る㈹。 この 判 示 は,衡 量 結 果 にお け る暇 疵 を 「規 範 の 内容 に直 接 的 に 反 映 す る」 もの とみ て い る点 で は,イ ブ ラ ーの 説 に適 合 的 で あ る。 ただ し その 後 半 部 分 は,い わ ゆ る 「衡 量 の 不 均 衡 」 の 場 合 に限 り,衡 量 結 果 に お け る報 疵 が 認 め られ る と述 べ て い る よ う に もみ え る。. (b)環 疵 の 明 白性 お よ び衡 量 結 果 へ の 影 響 衡 量 過 程 に お け る環 疵 が,建 設 管 理 計 画 の 法 的 有 効 性 に と って 有 意 で あ るの は,そ れ が 「明 白」 で あ りか つ 「衡 量 結 果 に影 響 を 及 ぼ した」 場 合 に 限 られ る。 前 掲 連 邦 行 政 裁 判 所1981年8月21日. 判 決 に よれ ば,明 白な 環 疵. と は,計 画 の 理 由書 その 他 の 書 類 か ら判 明 す る等,客 観 的 に把 握 可 能 な 環 疵 を指 し,環 疵 が 衡 量 結 果 に影 響 を 及 ぼ した場 合 と は,当 該 環 疵 が な けれ ば異 な っ た計 画 が 策 定 され た と い う具 体 的 な 可 能 性 が あ る場 合 を意 味 す. (60BVerwG,BeschluBvom25.2.1997,NVwZ1997,893(895).本 建 設 法 典214条3項1文(2004年. 改 正 前 の も の)の. 120. 決 定 は, 解 釈 と して も重 要 で あ る。.

参照

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