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電極表面上での微小液滴の自発ベクトル運動

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Academic year: 2021

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電極表面上での微小液滴の自発ベクトル運動

阪大院・基礎工、JST・さきがけ ○中西周次、長井智幸、伊原大介、中戸義禮

固体表面上に置かれた微小液滴の自発ベクトル運動は、ランダムな揺らぎから方向性を持っ た巨視的運動が自発的に現れる点で大変興味深い。我々は、最近、電析反応が起こっている電極 表面上に置かれた微小油滴が電析電位に応じてスライド運動や脈動運動を示すことを発見したの で報告する。 実験は 3 電極系で行い、油滴の運動を 1 次元に制限するためにリボン状の Au 電極を作用極 として用いた。対極にはPt 板、参照極には Ag|AgCl (sat. KCl)電極を用いた。溶液には 10 mM SnSO4 + 0.5 MH2SO4 水溶液を用い、平滑剤として 0.5 mM Amiet-320 (花王)を加えた。油滴に はニトロベンゼンを用い、金属の電析反応中に電極表面に着滴(Fig. 1(a))した後、CCD カメラ を用いて油滴の挙動を横から観察した。 Sn の電析中に電極表面においた油滴の運動を横から撮影したときの連続写真を Fig. 1(b)に示 す。油滴は電極上を自発的に運動し、往復運動を繰り返した。また、電位を負にするほど油滴速 度が増加し、スライド運動や脈動運動など異なる運動モードを示した。油滴の運動メカニズムを 明らかにするため、様々な種類の金属の電析中に着滴した油滴の挙動を観察した。その結果、低 融点金属(Sn,Pb, Zn など)の析出中に油滴接触角が大きく変化し、油滴が自発的に運動するこ とがわかった。一方、高融点金属(Pt, Au, Cu, Ag など)の析出中には接触角変化がほとんどな く、油滴の運動も観察されなかった。この金属種依存性と油滴速度の電位依存性から金属析出中 の大きな界面張力はアドアトムに起因することが明らかになった。液滴の運動は一般に液滴前後 の表面張力差によって駆動される。金属電析中は油滴前方では反応が活発であるため、アドアト ム濃度つまり界面張力が大きい。一方、油滴後方では油滴成分の吸着により反応が抑制されるた め界面張力が小さい。電析中に電極表面においた油滴は、この油滴前後の界面張力差を駆動力と して自発ベクトル運動することが分かった。 Fig. 1. (a) 実験セットアップ、(b) Sn の電析中に起こる自発 的な油滴(ニトロベンゼン)のベクトル運動(2 s/frame).

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