みらい創り活動-長崎県壱岐市での持続的な地域共創活動-
Mirai-Zukuri Project – Co-creation for Sustainable Regional Society in Iki –
千葉 祥子
1, 涌井 美帆子
1, 湯澤 秀人
1, and 河野 克典
1Chiba Shoko
1, Wakui Mihoko
1, Yuzawa Hideto
1, and Kawano Katsunori
11
富士ゼロックス株式会社
1Fuji Xerox Co., Ltd.
Abstract: The purpose of study is to verify the business model through observing a new cyclic
communication process, which we call “Mirai-Zukuri”, for the local revitalization with local residents included local governments, universities and local companies. The process has been demonstrated in Tono City, Matsuzaki Town and Kyushu region. I report on “Mirai-Zukuri” and the activity in Iki.
はじめに
近年日本では 47 都道府県の内半数以上の道府県 の人口減少が加速している [1].これは大都市への 人口集中にともない、都市部から離れた地域での人 口流出と少子高齢化が進行しているためである. この問題に対して国や地方自治体による地域活性 化のための取り組みが各地で行われており、また、 多くの企業もそれぞれの特徴を活かしたアプローチ によって、さまざまな地域活性活動に参加している. その中で我々は、地方自治体と共に住民主導の持続 的な地域共創を目指した「みらい創り活動」を実施 している.これは、対話と実践を組み合わせたコミ ュニケーションプロセス[2]を用いた地域活性化活 動であり、日本各所でその効果の検証を行っている. 本論文では、みらい創り活動の概要とコミュニケ ーションプロセスについて説明し、活動事例として 長崎県壱岐市での取り組みについて紹介する.みらい創り活動
みらい創り活動とは
みらい創り活動では、活動拠点となる地域におい て住民・自治体・企業・大学等が連携し、住民のア イデアを源に「地域のみらい像」を創造・共有して、 その実現を目指している.この活動では、住民同士 あるいは住民と地域外の人々の交流を通して、住民 が自らの「地域への想い」を再認識することが出発 点であり、そのためのコミュニケーションプロセス が重要になる.コミュニケーションプロセス
みらい創り活動では、次の 4 つのコミュニケーシ ョンプロセスが用いられる (図 1). ① 人脈形成:対話参加者に共通するテーマを議論 することで「地域への想い」から人脈形成する ② テーマ特定:地域の課題や地域での挑戦など、 参加者全員で議論するテーマを発見・特定する ③ テーマ具体化:②で特定されたテーマに対する 具体的活動を検討し、プロトタイピングを行う ④ 普及・定着:テーマに対するアプローチを報告 し、地域内外に広く普及・定着させる 図 1 みらい創り活動のコミュニケーションプロセス 各プロセスは、一人ひとりがもつ「地域への想い」 から生まれた「地域のみらい像」に近づくための「対 話」と「実践」で構成される.対話では様々な「問 い」を投げかけあい、その問いから浮かんだ気持ち を他者と共有し共感することで、一人ひとりが「気 づき」を得る.一方で「気づき」をヒントに活動を おこす「実践」も重要となる.この実践を通して住 民は「地域への想い」を起源に「地域のみらい像」 の具現化のための一歩を踏み出し、さらなる「気づ き」を捕まえて対話に臨む.みらい創り活動は対話 と実践を交互に繰り返しながらプロセスを辿る.長崎県壱岐市でのみらい創り活動
長崎県壱岐市でのみらい創り活動では、我々と自 治体が中心となり地域の幅広い年齢層の住民を対象に対話会を実施した.全 8 回の対話会には延べ 749 名参加した.その内約 200 名が地域の高校生であり、 次世代を担う高校生の積極的な参加が注目される. 誰もが対等に対話会に参加した(図 2). 図 2 長崎県壱岐市でのコミュニケーションプロセスの様子