• 検索結果がありません。

<論文>鎌倉市由比ガ浜の砂浜におけるフジノハナガイ(軟体動物門二枚貝綱フジノハナガイ科)の個体群動態

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "<論文>鎌倉市由比ガ浜の砂浜におけるフジノハナガイ(軟体動物門二枚貝綱フジノハナガイ科)の個体群動態"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)鎌倉市由比ガ浜の砂浜におけるフジノハナガイ(軟体動物門二枚貝綱フジノハナガイ科)の個体群動態. 鎌倉市由比ガ浜の砂浜におけるフジノハナガイ (軟体動物門二枚貝綱フジノハナガイ科)の個体群動態 教育デザインコース 理科領域. 平野 幸希 伊東眞由子 教育学部学校教育課程 理科専攻. 森田 遥 西 栄二郎 要旨. はじめに. フジノハナガイ Chion semigranosa Dunker, 1877 (軟. フジノハナガイ Chion semigranosa Dunker, 1877. 体動物門二枚貝綱フジノハナガイ科) は,波打ち際の砂. (軟体動物門二枚貝綱フジノハナガイ科) は,日本国内. 浜に潜行し,波乗り行動をすることが知られている。相. では房総半島以南,国外では台湾,中国大陸南岸,タイ. 模湾沿岸の砂浜においては優占種であり,1000 個体/㎡. 湾等の砂浜に生息している (柏原,2005) 。フジノハナ. を超す密度で生息している。鎌倉市由比ガ浜におけるフ. ガイ科の分類や形態については,Yokogawa & Kondo. ジノハナガイの生態,特に個体群構造についての調査を. (2006) に詳しい。砂浜に生息する底生生物は多数知られ. 行った。. ているが,その中でもフジノハナガイの特徴的な生活様. 2015 年 4 月から 2017 年 12 月にかけて毎月 2 回,鎌. 式として波乗り行動が挙げられる (森,1938) 。ナミノ. 倉市由比ガ浜の潮間帯においてフジノハナガイを採集し, コガイやスナホリガニなどと同様,波の動きに合わせて 殻長を計測した。また,2016 年と 2017 年に採集したフ. 潮間帯を移動する様は多くの研究者の興味を引いてきた. ジノハナガイについては生殖巣を取り出し,卵と精子の. (例えば,森,1972) 。近藤他 (2001) は砂浜に生息する. 有無から雌雄の判別を行った。. フジノハナガイ科4種を含む 2 枚貝類の分布を調べ,フ. 2015 年と 2016 年,2017 年において,4 月から 8 月. ジノハナガイは中粒砂〜細粒砂の砂浜潮間帯に分布し,. にかけては単一の年級群が観察され,8 月中旬以降と 10. 近縁のナミノコガイ等よりも外洋に面していて砕破帯の. 月以降に新たに2つの加入群が出現し,12 月以降は 2 つ. 広い,典型的な逸散型海浜に生息していること,また海. の加入群の区別は困難であった。各年の 8 月に加入した. 浜堆積物に潜る速さも速いことを報告している。本研究. 群は 8 月に殻長約 4.0 ㎜,12 月には殻長約 9.0〜10.0 ㎜. の調査地である由比ガ浜海岸は,外洋に面した砕破帯の. まで成長し,翌年の4月まで,ほとんど殻長の変化は見. 広い砂浜であり,同所ではスナホリガニなどの波乗りを. られなかった。これらの群は 4 月に殻長 9.0〜10.0 ㎜,. する種も分布する (加藤・鈴木,1992) 。. 9 月には殻長 12.0〜13.0 ㎜まで成長した。. フジノハナガイについて,相模湾においては楠元. 2016 年 7 月から 2016 年 8 月,2017 年 5 月から 2017. (1990) による研究例がある。楠元 (1990) によると,藤. 年 8 月に成熟個体の雌雄比は,およそ 1:2 であった。. 沢市西浜海岸において,低潮線から沖合に向かって 20m. 繁殖期は 6 月から 9 月の期間であると考えられる。精子. までの距離で採集された 90%のフジノハナガイが,砂の. と卵の成熟が確認できた個体の殻長が 10.88 ㎜以上だっ. 表層から 0cm~2cm の深さで採集されている。. たため,その年に新たに加入した群は,繁殖期と推定さ. フジノハナガイの日本海側からの報告が幾つかある。. れる 9 月において,最大殻長が 9 ㎜程度であり,その年. 金安 (1984) による調査では,新潟県四ツ郷屋から越前. の繁殖には関わっていないと考えられる。. 浜のフジノハナガイの生息環境の特徴について,次の要. 相模湾の砂浜における優占種であるフジノハナガイの. 因を挙げている。. 殻長を計測し,個体群構造を調べることや,繁殖につい. 1. 人為的影響の少ない広い砂浜には多数生息する。. て調べることを,学校教育の現場や環境教育において教. 2. テトラポットで覆われている地域は,全く生息しない。. 材化することの可能性について論じた。. 3. 波による浸食や砂の堆積のはげしい海岸には生息し 教育デザイン研究 第 10 号(2019 年 3 月). 93.

(2) 鎌倉市由比ガ浜の砂浜におけるフジノハナガイ(軟体動物門二枚貝綱フジノハナガイ科)の個体群動態. ない。 4. 小石の含まれている海岸には生息できない。 5. 河口には生息しない。 また,長谷川・矢島 (2000) の石川県における調査で は,フジノハナガイは 11 月には沖合の約 60m付近の方 が汀線付近よりも密度が高く,沖合で観察された個体は すべて殻長 7 ㎜以下だった。そのため,日本海側のフジ ノハナガイは越冬の際に沖合まで移動すると考えられる。 相模湾沿岸の砂浜において,フジノハナガイは優占種 であり,1000 個体/㎡を超す密度で生息している。しか し、フジノハナガイの生態に関する研究例は少なく,今 回,生態に関する調査,特に個体群構造について調べた ので以下に報告する。 最後に,砂浜における海洋生物を用いた環境教育を行 う際に,フジノハナガイをはじめとした海洋生物を教材 として有効活用する方策について論じた。これまで,海 洋生物を用いた教材化については,様々な生物を対象と したものや,波乗りをする生物を教材化した例 (加藤, 1992) などがある。本研究では,フジノハナガイという. 図1.鎌倉市由比ガ浜の調査地とフジノハナガイ. A:潮間帯の概要,由比ガ浜の中央部から材木座方面を見る, B:フジノハナガイ( 殻長 12mm ), C:殻長 3~15mm の個体を大きさ順に並べた, D:由比ガ浜周辺の地図と調査地点 ( ● ← ).. 特異な生態をもつ種の個体群構造を調べ,その研究履歴. 実体顕微鏡下で生殖巣を取り出し,生物顕微鏡で卵,精. から,児童・生徒に対する探究活動や課題研究,観察,. 子の有無を確認し,雌雄の判別を行った。性比について. 実験,環境教育など様々な学習に対して,鎌倉市由比ガ. は♀を 1 とした際の♂の割合で表す。. 浜という環境と鎌倉市由比ガ浜におけるフジノハナガイ の教材化の可能性を考察した。. 結果 フジノハナガイの殻長-殻高,殻長-殻幅,殻高-. 調査方法. 殻幅において,それぞれの相関係数が 0.94 を超える正. 鎌倉市由比ガ浜 (図1A) においてフジノハナガイ. の相関を示した。殻長・殻高・殻幅それぞれにおいて同. (図1B, C)を 2015 年 4 月から 2017 年 12 月まで 2. じような成長が見られ,殻長・殻高・殻幅のどれにおい. 週間に 1 回,1 ㎜の目合の篩を用いて砂浜の潮間帯で採. ても同じ結果を示した。そのため,今回は最も変化の幅. 集した。2017 年の 7 月 25 日から 8 月 9 日の期間は新. の大きかった殻長を成長の指標として,個体群の動態や. 規加入個体を採集するために 3 日に 1 回の採集を行っ. 年変化を推定した。. た。また,由比ガ浜という環境がフジノハナガイを採集. 2015 年 4 月から 12 月のフジノハナガイの殻長の頻. し,教材として利用する際に安全かどうかについても調. 度分布を図 2A に示す。2015 年 4 月 17 日から 2015 年. べた。. 8 月 1 日にかけて単一の年級群 (以下,2014αと示す). フジノハナガイの体長推移 (図1C 参照) を知るため に,採集した 100~200 個体について Mitutoya 社のデ ジタルノギス (Digimatic Caliper) を用いて殻長,殻 高,殻幅を計測し,月ごとの個体群の変遷を調べた。 フジノハナガイの性比と繁殖期を推定するために, 雌雄判別を行った。2016 年 7 月 19 日から 2016 年 9 月. を観察した (図 3) 。2014αは 4 月 17 日では平均殻長 8.3 ㎜,8 月 1 日には平均殻長は 14.9 ㎜まで成長してい た。2015 年 8 月 1 日から 1 か月後の 9 月 19 日まで 2014αは観察できたが,8 月 1 日の平均殻長が 14.9 ㎜,9 月 19 日の平均殻長が 15.1 ㎜であり,殻長の変化 はほとんど見られなかった。. 17 日,2017 年 4 月 20 日から 2017 年 9 月 8 日の期間. 2015 年 8 月 18 日に新たに加入した年級群 (以下,. で採集したサンプルから,50 個体ずつ無作為に選び,. 2015A と示す) を観察した (図 3,図 4A) 。2015A は 教育デザイン研究 第 10 号(2019 年 3 月). 94.

(3) 図 2.フジノハナガイの殻長推移.縦軸は殻長(㎜),横軸は個体数を示す.A:2015 年,B:2016 年,C:2017 年.. 鎌倉市由比ガ浜の砂浜におけるフジノハナガイ(軟体動物門二枚貝綱フジノハナガイ科)の個体群動態. 教育デザイン研究 第 10 号(2019 年 3 月). 95.

(4) 鎌倉市由比ガ浜の砂浜におけるフジノハナガイ(軟体動物門二枚貝綱フジノハナガイ科)の個体群動態. 表 1. フジノハナガイの採集日別,最小殻長と最大殻長(㎜). 2015 年. 2016 年. 2017 年. 採集日. 最小. 最大. 採集日. 最小. 最大. 採集日. 最小. 最大. Apr.17. 5.62. 11.89. Jan.15. 5.89. 11.55. Jan.13. 7.92. 11.41. May17. 7.19. 12.56. Feb.1. 6.32. 12.04. Jan.28. 7.59. 13.45. Jun.13. 7.71. 15.30. Feb.20. 5.79. 11.27. Feb.10. 7.26. 13.87. Jun.29. 8.61. 14.69. Mar.3. 5.56. 11.00. Feb.26. 4.72. 13.18. Jul.14. 10.18. 15.68. Mar.15. 3.10. 11.32. Mar.10. 5.53. 13.87. Aug.1. 13.01. 16.94. Apr.2. 6.72. 11.75. Mar.23. 7.44. 14.55. Aug.18. 2.58. 16.84. Apr.15. 5.14. 12.07. Apr.6. 5.29. 12.92. Sep.1. 4.29. 16.58. May1. 6.63. 13.00. Apr.20. 5.16. 14.05. Sep.19. 7.33. 17.18. May15. 6.49. 13.33. May4. 5.29. 14.64. Oct.3. 5.07. 12.73. Jun.3. 7.85. 13.63. May21. 7.53. 12.43. Oct.18. 4.64. 10.54. Jun.17. 8.46. 15.68. May31. 6.8. 13.62. Nov.1. 4.09. 15.62. Jul.2. 9.06. 15.24. Jun.12. 9.33. 13.31. Nov.16. 4.55. 17.17. Jul.19. 10.72. 14.37. Jun.29. 9.91. 14.01. Dec.1. 4.72. 12.25. Aug.16. 2.61. 15.87. Jul.12. 10.97. 14.58. Dec.17. 5.80. 12.03. Aug.31. 3.87. 15.31. Jul.25. 11.15. 15.08. Dec.30. 4.40. 11.63. Sep.17. 4.48. 14.36. Jul.28. 11.43. 16.66. Sep.30. 6.14. 14.15. Jul.31. 11.53. 15.25. Oct.16. 3.71. 14.09. Aug.3. 11.57. 15.6. Nov.4. 4.92. 12.77. Aug.6. 3.27. 15.67. Nov.18. 4.71. 14.00. Aug.9. 1.83. 15.78. Dec.1. 4.69. 14.20. Aug.23. 3.03. 14.58. Dec.15. 5.92. 14.83. Sep.8. 3.75. 15.27. Sep.23. 3.76. 13.61. Oct.9. 4.65. 9.6. Oct.24. 4.77. 12.35. Nov.3. 3.01. 11.39. Nov.24. 5.39. 10.67. Dec.8. 5.17. 10.48. Dec.25. 6.78. 10.38. 8 月 18 日では平均殻長 4.3 ㎜であったが,2 か月後の. 2015B と示す) を観察した (図 3,図 4B) 。2015B は. 10 月 3 日には 10.0 ㎜まで成長していた。図 3 より,8. 10 月 3 日に平均殻長 6.8 ㎜,10 月 18 日に平均殻長. 月 18 日から 9 月 1 日にかけて 2015A の平均殻長が. 6.28 ㎜,11 月 1 日に平均殻長 5.83 ㎜であり,平均殻. 1.66 ㎜大きくなり,9 月 1 日から 9 月 19 日にかけて平. 長はほとんど変化しなかった。しかし,12 月 17 日に. 均殻長が 1.90 ㎜大きくなった。. は,2015A と同程度の大きさになり,2015A と 2015B. 2015 年 10 月 3 日にも新たに加入した年級群 (以下,. の区別をすることができなくなった (図 3) 。そのため 教育デザイン研究 第 10 号(2019 年 3 月). 96.

(5) 鎌倉市由比ガ浜の砂浜におけるフジノハナガイ(軟体動物門二枚貝綱フジノハナガイ科)の個体群動態 18 16. 2014α. 14. 2015α 2016α. 12 殻長(㎜). 10 8 6. 2015A. 4. 2016B. 2015B 2016A. 2 0. 2014年12月. 2015年7月. 2016年1月. 2016年8月. 2017A. 2017年3月. 2017年9月. 2017B. 2018年4月. 採集日 図3.フジノハナガイの 2015 年から 2017 年における成長.A:8 月の加入群,B: 10 月から 11 月の加入群,α:その年に加入した年 級群(A,B の加入群の区別は困難であった).. きさはほとんど変化しなかった。しかし,越冬後 4 月か ら夏期の 8 月 16 日には 13.3 ㎜まで成長していた (図 2B,図 3) 。2015 年同様,2016 年 8 月 16 日に新たに 加入した年級群 (以下,2016A と示す) を観察した (図 3,図 5A) 。2016A は 8 月 16 日に平均殻長 5.0 ㎜,1.5 ヵ月後の9月30日には8.9㎜まで成長していた (図3) 。 図 3 より,8 月 16 日から 8 月 31 日にかけて 2016A の. 図 4. 2015 年 7 月から 10 月 (A) , 10 月から 12 月 (B) における 殻長の頻度分布.. 2015 年 12 月 17 日以降の年級群は 1 つの年級群とする (以下,2015αと示す。図 2A,図 3) 。その後 2016 年 4 月 2 日まで,殻長の変化はほとんど見られなかった (図 2B,図 3)。 2016 年 1 月から 12 月の殻長の頻度分布を図 2B に示 す。2015αの平均殻長は 2016 年 1 月 15 日が 9.2 ㎜,2 か月後の 3 月 15 日が 8.1 ㎜と,冬期において殻長の大. 図 5. 2016 年 7 月から 9 月 (A) , 9 月から 12 月 (B) における 殻長の頻度分布. 教育デザイン研究 第 10 号(2019 年 3 月). 97.

(6) 鎌倉市由比ガ浜の砂浜におけるフジノハナガイ(軟体動物門二枚貝綱フジノハナガイ科)の個体群動態. 平均殻長が 2.2 ㎜大きくなり,8 月 31 日から 9 月 17 日. と示す) として殻長を計測した (図 2C,図 3) 。. にかけて平均殻長が 0.63 ㎜大きくなった。10 月 16 日 には,前年に加入した 2015αと当年加入の 2016A の判. フジノハナガイの性比と繁殖期. 別を行うことができなくなった。また 2016 年 10 月 16. ♀を 1 とした際の♂の割合を性比とし,2017 年の結. 日に新たに加入した年級群 (以下,2016B と示す) を観. 果を図 7 に示した。図 7 で表す未成熟とは,雌雄の判別. 察した (図 3, 図 5B) 。 2016 年 11 月 4 日以降に採集し,. が困難,または不可能だった個体を表し,殻長が 10.88. 観察したフジノハナガイの個体群は 2015α,2016A,. ㎜を超えているが雌雄判別を行えなかった個体を灰色,. 2016B の判別を行うことができなかった。そのため,単. 殻長が 10.88 ㎜に達しておらず,雌雄判別を行えなかっ. 一の年級群 (以下,2016αと示す) として殻長を計測し. た個体を斜線で示している。. た (図 2B,図 3) 。. 2017 年 5 月 21 日に採集した個体は雌雄の判別が行う ことのできなかった未成熟個体が 38 個体存在した (図 7A) 。2017 年 6 月 12 日に採集した個体は,雌雄の判別 が行うことのできなかった個体が 7 個体存在した (図 7B) 。雌雄を判別できた個体は♀15 個体,♂28 個体で あり,性比は 1.9 であった。2017 年 7 月 12 日に採集し た個体は♀17 個体,♂33 個体であり,性比は 1.9 であ った (図 7C) 。2017 年 8 月 3 日に採集した個体は♀16 個体,♂34 個体であり,性比は 2.1 であった (図 7D) 。 2017 年 8 月 23 日に採集した個体で,2016 年に加入し た年級群は,個体数は少ないが雌雄の判別を行うことが できた。8 月に新規加入した個体に関しては,雌雄の判 別を行うことができなかった (図 7E) 。2017 年 9 月 8 日に採集した個体はほとんどが新規加入した個体であり,. 図 6. 2017 年 7 月から 8 月 (A) , 9 月から 12 月 (B) における 殻長の頻度分布.. 2017 年 1 月から 12 月の殻長の頻度分布を図 2C に示 す。2016αの平均殻長は 2017 年 1 月 13 日が 9.7 ㎜,3 か月後の 4 月 20 日が 9.2 ㎜と,2016 年と同様に,冬期 において殻長の大きさはほとんど変化しなかった。越冬 後 5 月から夏期の 8 月 23 日には 13.6 ㎜まで成長してい た (図 2C,図 3) 。 2017 年は 7 月 25 日から 8 月 9 日まで 3 日毎にフジ ノハナガイの採集を行った (図 6A) 。その結果,2015 年・2016 年と同様に 2017 年 8 月 6 日に新たに加入し た年級群 (以下,2017A と示す) を観察した。 2017 年 11 月 3 日に新たに加入した年級群 (以下, 2017B と示す) を観察した (図 3,図 6B) 。 2017 年 11 月 24 日以降に採集し,観察したフジノハ ナガイの個体群は 2017A,2017B の判別を行う事がで きなかった。そのため,単一の年級群 (以下,2018α. 殻長が 10.88 ㎜以下である。これらの個体では生殖巣が 成熟しておらず,雌雄の判別ができなかった (図 7F) 。 2016 年 7 月から 9 月においても 2017 年と同様の傾向 が観察された。 雌雄を判別できた個体の最小殻長は♂10.98 ㎜,♀ 10.88 ㎜であった。 考察 フジノハナガイの成熟と繁殖 フジノハナガイの成熟に関して,5 月下旬から 9 月が 繁殖期であること,着底個体の多い時期が 2 回あること から繁殖のピークが2回あることが推定された。フジノ ハナガイと同科に属するナミノコガイ Latona cuneate Linnaeus, 1758 の繁殖は,毎年夏期に行われ,多くの個 体は殻長 26 ㎜程度まで成長して,4~5 年の寿命の間に 3~4 回の繁殖期を過ごすと考えられている (小林, 2012) 。ナミノコガイの成熟サイズは,インドの個体群 では 12~13 ㎜ (Nayar,1955) であり,沖縄では最小 教育デザイン研究 第 10 号(2019 年 3 月). 98.

(7) 鎌倉市由比ガ浜の砂浜におけるフジノハナガイ(軟体動物門二枚貝綱フジノハナガイ科)の個体群動態. 超えるフジノハナガイの生殖巣を観察したが,生殖巣が 未発達であり, 雌雄の判別ができなかった (図 7A, B) 。 このことより,フジノハナガイは 5 月下旬以降,殻長が 11 ㎜前後で成熟し始めると考えられる。 フジノハナガイの殻長が 11 ㎜を超えると繁殖が可能 と仮定すると,2015 年,2016 年,2017 年のそれぞれに おいて,殻長平均が 11 ㎜を超えた日は 2015 年 6 月 13 日,2016 年 6 月 17 日,2017 年 6 月 12 日であり,6 月 上旬から中旬に半数以上の個体が繁殖可能になると考え られる。本研究では 5 月下旬から 9 月上旬においてフジ 図 7.2017 年 5 月 21 日 (A) ,6 月 12 日 (B ) ,7 月 12 日. ノハナガイの成熟個体を観察した。このことより,相模. (C) ,8 月 3 日 (D) ,8 月 23 日 (E) ,9 月 8 日 (F) にお. 湾のフジノハナガイの繁殖期は 5 月下旬から 9 月上旬に. ける性比 (黒:♂,白:♀,灰色:未成熟,斜線:殻長 10.88 ㎜以下の個体で未成熟) .. かけてであると考えられる。 ナミノコガイの生殖腺の発達について,鹿谷 (2000). 10 ㎜程度から生殖巣の発達が認められている (鹿谷,. は Hooker and Creese (1995) の方法を参考に以下の 4. 2000) 。. 段階に分類している。. 8 月に新規加入した 2015A や 2016A は,2 週間で平. Empty (-) :内臓塊の上に生殖腺のはり出しが全く認め. 均殻長が約 1~2 ㎜大きくなっているが,2015B は新規. られず,雌雄判別が不可能。. 加入した 10 月から 11 月まで,平均殻長があまり変化し. Developing (±) :内臓塊の上に生殖腺のはり出しがわ. ていない (図3) 。これは,2015 年から 2017 年におい. ずかに認められるが発達途上で,雌雄判別が困難。. て,10 月から 11 月に新規加入が継続して行われている. Ripe (+) :内臓塊の上に生殖腺のはり出しがはっきり見. が,2015B は 11 月まで継続して,明らかに新規加入と. え,卵または精子の判別が可能。. 思われる個体が多く採集され (図 2A 参照) ,そのため,. Full (++) :生殖腺が大きく発達し,内臓塊を覆うよう. 2015B は初期に加入した個体が成長したにも関わらず,. にはり出し,卵または精子の判別が可能。. 平均値がほとんど変わらなかったと考えられる。. 今回の研究では,「判別が可能」と「判別が不可能」. 表 1 に各月のフジノハナガイの最大殻長と最小殻長を. という,上記の「Ripe・Full」と「Empty・Developing」. 示した。各月の最大殻長と最小殻長の差が大きければ大. の 2 段階でしか分類を行わなかった。今後の研究では鹿. きいほど,図 2 の月のグラフの縦幅が大きくなる。図 2. 谷 (2000) のナミノコガイの研究例を参考に,より詳し. において,最大殻長と最小殻長の差が 9 ㎜を超えるよう. い分類を行う必要があると考えられる。. な縦幅が大きい月 (表 1 参照) は,新規加入したフジノ ハナガイと成熟した 2 世代のフジノハナガイを観察する ことができる。しかし,2015 年 11 月 16 日のように 10. フジノハナガイの個体群構造 相模湾におけるフジノハナガイについて,着底個体の. 月には観察されなかった殻長の大きな個体が観察された。 多い期間や殻の成長から個体群構造が明らかになった。 また,2016 年 3 月 15 日のように,新規加入がない時期. 2015 年,2016 年,2017 年において全ての年に新規個体. に殻長の小さな個体が観察された。これらの月に観察さ. の加入を 2 回,年によって 2 週間程度のずれはあるが,. れた個体に関しては今後の研究でどの世代のフジノハナ. 8 月上旬と 10 月下旬に加入が観察された。. ガイが観察されているのか明らかにする必要がある。. フジノハナガイが属するトンガリナミノコ属 Donax. 相模湾のフジノハナガイの雌雄を判別できた個体の最. は一般に 3~4 週間の浮遊期間をもつと報告されている. 小殻長は♂10.98 ㎜,♀10.88 ㎜であった。このことから. (Ansell,1983) 。ナミノコガイについては,殻長 2 ㎜以. 本研究におけるフジノハナガイの成熟サイズは最小で. 下の稚貝の殻を顕微鏡下で観察した結果,殻頂部に 0.2. 10.88 ㎜である。しかし,2017 年 4 月 20 日,2017 年 5. ㎜の原殻が観察された (鹿谷,2000) 。このことからナ. 月 21 日,2017 年 6 月 12 日の個体で,殻長 10.88 ㎜を. ミノコガイは,浮遊幼生の着底は約 0.2 ㎜で生じ,沖合 教育デザイン研究 第 10 号(2019 年 3 月). 99.

(8) 鎌倉市由比ガ浜の砂浜におけるフジノハナガイ(軟体動物門二枚貝綱フジノハナガイ科)の個体群動態. で殻長 2 ㎜前後まで成長し,砂浜潮間帯の個体群に加入. や手洗い場があり,国道が近くを通っているため比較的. する (鹿谷,2000) と推定されている。. 安全な環境であるといえる。. フジノハナガイでは,2015 年,2016 年,2017 年の各. 学校現場での利用や環境教育の場での利用を見込み,. 年において, 殻長が最小だった個体は 2015 年 8 月 18 日. 将来的には砂浜の生物を教材化することを目標に,今回. の 2.58 ㎜,2016 年 8 月 16 日の 2.61 ㎜,2017 年 8 月. はフジノハナガイの教材としての可能性を論じた。. 9 日の 1.85 ㎜だったことから (表 1) ,フジノハナガイ. 児童・生徒に向けた教材例として,海の生物の観察会. も同属のナミノコガイ同様,2 ㎜前後で砂浜潮間帯の個. 等で,フジノハナガイの潜行跡を用いた見つけ方を提示. 体群に加入すると考えられる。. したり,波乗り行動の観察などが最も容易であろう。そ. 今後の展望として,フジノハナガイの日輪を計測し,. の際に,潮間帯ではキンセンガニなどのカニ類やトゲト. 1 日の成長量を計測することで 8 月や 10 月に新規加入. ゲツノヤドカリ類,キサゴ類 (巻貝類) など様々な生物. として観察されたフジノハナガイが何月の繁殖によって. を観察することもできる。このような活動によって生物. 生まれたのかを特定することができるであろう。. に関する興味・関心を高められるであろう。 高校生を対象とするにあたっては,探求活動や課題研. 相模湾のフジノハナガイと日本海側のフジノハナガイ 今回,調査を行った相模湾の個体群と,調査が行われ. 究の課題としてフジノハナガイは適していると考えられ る。 大潮時にしか観察できない潮間帯下の生物と異なり,. てきた日本海側のフジノハナガイとの違いを考察した。. 潮の干満に関係なく探索が可能であること,密度が高い. 金安 (1981) によると,日本海側である新潟県下越地方. ために発見が容易であること,採集が容易で,かつ大量. のフジノハナガイは 10 月に殻長 3 ㎜程度で新規に加入. に採集できること,などの理由により研究が容易であろ. し,12 月上旬には殻長 5 ㎜となり越冬する。12 月から. う。採集に際しても由比ガ浜は,駅が近くにあり,安全. 4月下旬の越冬期間には貝殻の成長は停止する。由比ガ. 面でも問題がなく, 調査地として適していると思われる。. 浜においては,8 月中旬にもフジノハナガイの加入を観. 鈴木 (2012) は高校生向けの探求活動のための研究ノ. 察することができたが,10 月の加入,12 月から 4 月の. ートを提示しており,その中に「自分の研究分野を探そ. 越冬期間の貝殻の成長については日本海側と同じような. う」という項目がある。そこでは思いつく言葉をたくさ. 結果が観察された。しかし,由比ガ浜のフジノハナガイ. ん挙げる,という活動が紹介されている。生徒自身の興. の 12 月から 4 月の平均殻長は約 9 ㎜であり,日本海側. 味関心のある言葉から研究対象を探っていくという例で. のフジノハナガイよりも大きい。理由として,日本海側. ある。理科や環境分野では,ある生物種や環境が対象と. の水温は 12 月を過ぎると 10℃を下回り,多くのフジノ. なるはずであるが,生徒自身が知っている,思いつく言. ハナガイが砂の中に潜ることができず,打ち上げられて. 葉から出発した研究とは異なり,野外に出て,目に付い. 死んでしまう (金安,1984) 。また,石川県では潮間帯. た生物や環境を対象に研究を始めることもあるだろう。. に生息する個体は繁殖後に死亡し,新たに定着した個体. 高校生の探求活動の一環として由比ヶ浜海岸を例にした. は沖合の潮下帯に移動して越冬する (長谷川・矢島,. 場合には,自ずと優占種であるフジノハナガイが研究対. 2000) 。それによって,12 月を過ぎても水温が 15℃を. 象となるであろう。フジノハナガイ以外では,キンセン. 下回らない由比ガ浜では,12 月から 4 月に殻長 10 ㎜を. ガニなどのカニ類や打ち上がった海藻類などが研究対象. 超えるような個体が多数観察されるが,日本海側では潮. としては想定される。波乗りをするという生態に関して. 間帯において越冬ができず,潮下帯において小型個体が. は,ナミノリソコエビというヨコエビ類も研究対象とな. 越冬するため, 殻長平均の値が小さくなると考えられる。. りうるであろう。ナミノリソコエビは外洋に面した砂浜 海岸に広く分布し,サーフゾーンで生活史を完結させる. 由比ガ浜におけるフジノハナガイの教材化の可能性. (梶原,2016) 。. 相模湾由比ガ浜は観光地として知られた地であり,そ. フジノハナガイの成長に関して,貝殻の計測を行い,. の砂浜に生息するフジノハナガイの教材化を考えること. それをグラフにすることで,成長の推移や時期を知るこ. は有意義であると思われる。. とが可能であった (例えば図 2,図 3) 。また,新たな加. 由比ガ浜は,鎌倉駅や由比ガ浜駅が近く,公衆トイレ. 入個体の存在も,貝殻の計測によって明らかにすること 教育デザイン研究 第 10 号(2019 年 3 月). 100.

(9) 鎌倉市由比ガ浜の砂浜におけるフジノハナガイ(軟体動物門二枚貝綱フジノハナガイ科)の個体群動態. ができた (図 4, 図 5, 図 6) 。ノギスを用いた貝殻の計. 「動物の仲間」という単元では,無脊椎動物の観察を. 測は容易であり,作業としても難しくないことから,高. 行い,脊椎動物とは異なる体のつくりを学ぶことによっ. 校生にも十分に実践可能である。研究例が多いアサリに. て動物全体を観察する力を養うともに,動物に関する興. おいては,環境によって貝殻の形態が変わることが知ら. 味・関心を高めさせることが主なねらいであるとしてい. れ,殻幅と殻長の比 (丸型指数) を指標として,アサリの. る。フジノハナガイは比較的容易で安全に採集すること. 生育場所の状況を探る研究などが行われている (柿野,. ができ,生徒の人数分,用意することも簡単である。砂. 1996) 。由比ヶ浜海岸におけるフジノハナガイにおいて. と海水を少し容易すれば,トレーの上でもフジノハナガ. は,殻幅—殻長の関係は一定しており,由比ガ浜海岸内で. イが砂に潜行する様子も観察することができる。. あれば,成長や環境にともなう形態の差がほとんど無い. 小学校理科では,「食う,食われる」の関係を知るこ. と考えられ,貝殻のサイズを計測することで当地の個体. とが重要とされている。フジノハナガイの貝殻は砂浜に. 群の動態を類推することができるであろう。. 多く打ち上げられており,容易に観察可能である。打ち. 中学校理科,第 2 分野の目標に「生物の生活と種類,. 上げられた貝殻の蝶番の近くには小さな穴が空いている. 生命の連続性などについて理解させ,これらの事物・現. ことが多い。これはツメタガイによりあけられた穴であ. 象に対する科学的な見方や考え方を養う。」とあり,観. り,ツメタガイに捕食されたことを示している。身近な. 察,実験などを行うに当たっては,表やグラフの作成,. 場所で見られる「食う,食われる」の好例として児童生. モデルの活用,コンピュータなどの活用,レポートの作. 徒に提示できると思われる。. 成や発表などを通して,思考力や表現力などを養うこと. 文部科学省 (1998) の答申によると,「時代を超えて. が重要であるとしている。フジノハナガイは寿命が 1 年. 変わらない価値のあるものを身につける」という項目の. 程度であり,8 月には新たに生まれた生命を観察するこ. 中に,「自然を愛する心」が挙げられている。また,環. とができる。継続して観察をすると,生殖腺が発達し,. 境問題への対応として,「地域の実情を踏まえた環境に. 次の世代を残すために活動をしていることも観察するこ. 関する学習を充実する・・・」,「例えば身近な自然環. とができる。1 年間の殻長推移グラフからも同様のこと. 境から地球規模の環境までを対象に環境を調べる学習な. を読み取ることもできる。. ど・・・,体験的な学習を一層重視する必要がある・・・」. また,「生物とそれを取り巻く自然の事物・現象を調. とされている。神奈川県の中でも夏場に人が集まりやす. べる活動を行い,これらの活動を通して生命を尊重し,. い由比ヶ浜海岸は大変身近な環境であると思われる。そ. 自然環境の保全に寄与する態度を育て,自然を総合的に. のような環境に特徴的な生態をもった貝類が生息してい. 見ることができるようにする。」とある。フジノハナガ. ることはほとんど知られていないであろう。身近な自然. イは人為的影響の少ない広い砂浜で生息し,テトラポッ. の中に波乗りをする貝などが生息し,それを調べること. トで覆われている地域は, 全く生息しない (金安,1984) 。. で環境への興味が喚起され,また生物分野の生態や多様. また,埋め立て,海岸工事などが行われると生息できな. 性分野への興味・関心も高まることが期待される。. くなってしまう。人間の活動が,生物に影響を与えてい ることを認識し,生命尊重や自然環境の保全に対する態 度を養うための教材として最適であると考えられる。 友利 (2017) は,自然環境の影響を受ける砂浜海岸に おいて,埋在性二枚貝の分布と季節変化を調べ,台風の. 謝辞 野外調査に協力していただいた横浜国立大学教育学部 学校教育課程理科専攻の三羽達也氏,川村美南氏,渋谷 優太氏,岡田直也氏に深く感謝する。. 影響や自然海岸,半自然海岸,人工海岸における防波堤 による影響の緩和,外部から投入された砂による影響な. 引用文献. どを報告している。 本調査地の由比ヶ浜海岸においても,. Ansell,A.D., 1983. The biology of the genus Donax.. 夏休み期間の海開きの時期には護岸沿いに海の家が立ち. In: Sandy beaches as ecosystems: based on the. 並び,砂が固められる。台風の影響で砂が動くことも多. proceedings of the first international symposium on. く,フジノハナガイ等の生物への影響も少なからずある. sandy beaches, held in Port Elizabeth, South Africa,. と思われる。. 17,edited by A. McLachlan and T. Erasmus,Dr. 教育デザイン研究 第 10 号(2019 年 3 月). 101.

(10) 鎌倉市由比ガ浜の砂浜におけるフジノハナガイ(軟体動物門二枚貝綱フジノハナガイ科)の個体群動態. W. Junk Publishers,607-635. 長谷川夏樹・矢島孝昭,2000. 同所的に分布するナミノ リソコエビ sp.とフジノハナガイの生活史.のと海洋 ふれあいセンター研究報告,6:19-26. Hooker,S.H. and R.G.Creese, 1995. The reproductive biology of Pipi, Paphies australis (Gmelin, 1970) (Bivalvia:Mesodesmatidae) .Ⅱ. Spatial patterns of the reproductive cycle. J. Shellfish Res., 14 (1):1724. 梶原直人,2016.砂浜海岸のマクロファウナ.85-101. In,砂浜海岸の自然と保全,須田有輔編著.生物研究 社,東京.. 森 主一,1972. 動物の生活リズム.246 頁,岩波書店, 東京. Nayar, K. N. , 1955. Studies on the growth of the wedge clam, Donax cuneatus Linnaeus. J. Mar. Biol. Ass. India,9 (1):141-146. 鹿谷麻夕,2000. 沖縄島東海岸の砂浜潮間帯におけるナ ミノコガイ Donax cuneatus の加入と繁殖パターン. 沖縄生物学会誌,38:33–40. 鈴木俊裕,2012. 高校生のための研究ノート-総合的な 学習・課題研究で育む新たな学力-.80 頁 ,学事出 版,東京. 友利義明,2017. 自然環境の自然環境の影響を受ける砂. 柿野 純,1996. 丸型指数を指標とした籠試験によるア. 浜海岸とそこに生息する埋在性二枚貝の季節変動につ. サリの成長と生残の特性.日本水産学会誌,62 (3) :. いて―イソハマグリとリュウキュウナミノコガイの分. 376-383.. 布調査を通して―.下中記念財団第二回表彰事業,優. 金安健一,1981. フジノハナガイの研究 (第 2 報) ,し ぶきつぼ,8:19-25. 金安健一,1984. フジノハナガイの変異と生活史につ いて,しぶきつぼ,10・11:77-86. 柏原順太,2005. 小学館の図鑑 NEO 水の生物,小学. 秀賞,25-37. Yokogawa, K. and Kondo, Y., 2006. Isozyme polymorphism and inferred phylogeny in four Japanese species of Donacidae (Bivalvia) . Aquaculture Science, 54 (2):139-146.. 館,東京. 加藤 隆,1997.砂浜の貝から知る自然 –フジノハナガ イの不思議な行動から-.理科の教育,46(5):303-305. 加藤 隆・鈴木 博,1992. 相模湾のスナホリガ二類の 生 態 と ハ マ ス ナ ホ リ ガ ニ Hippa truncatifrons (Miers) (スナホリガニ科・十脚目・甲殻綱) の後期発生 について.横浜国立大学教育学部理科教育実習施設研 究報告,8:77-97. 小林 哲,2012. 玄界灘の砂浜海岸におけるナミノコガ イの成長と分布様式. 日本ベントス学会誌,66:93-101. 近藤康生・横川浩治・白土 史孝,2001. 西南日本の砂浜 潮間帯に生息するフジノハナガイ科およびチドリマス オ科二枚貝の底質分布と潜る能力.Venus, 60 (1) : 5769. 楠元 守,1990. フジノハナガイの生態と行動の観察, 生物教育学雑誌,1:13-17. 文部科学省,1998. 幼稚園,小学校,中学校,高等学校, 盲学校,聾学校及び養護学校の教育課程の基準の改善 について(答申). 森 主一,1938. フヂノハナガイ Donax semigranosus Dunker の潮汐週律移動と漲潮時に於ける行動解析. 動物学雑誌,50 (1) :1-12. 教育デザイン研究 第 10 号(2019 年 3 月). 102.

(11)

参照

関連したドキュメント

 はるかいにしえの人類は,他の生物同様,その誕生以

 この論文の構成は次のようになっている。第2章では銅酸化物超伝導体に対する今までの研

この調査は、健全な証券投資の促進と証券市場のさらなる発展のため、わが国における個人の証券

この条約において領有権が不明確 になってしまったのは、北海道の北

石川県カテゴリー 地域個体群 環境省カテゴリー なし.

一方で、平成 24 年(2014)年 11

また上流でヴァルサーライン川と合流しているのがパイ ラー川(Peilerbach)であり,合流付近には木橋が,その 上流には Peilerbachbrücke

 図−4には(a)壁裏 1.5m と(b)壁裏約 10m における振動レベル の低減量を整理した。 (a)壁裏 1.5m の場合には、6Hz〜10Hz 付 近の低い周波数では 10dB