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有機塩素化合物の環境拡散に関する調査研究

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Academic year: 2021

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(1)21. 報  文 田1旧腱1剛田1翻翻11藍. 有機塩素化合物の環境拡散に関する調査研究 横浜国立大学環境科学研究センター環境基礎工学研究室. 加藤 龍夫・仲山 伸次 Research of EnvironmeHtal I)iffusion of Chlorinated Organlc Compounds Tatsuo Katou, Shillji Nakayama.  As new elements in polluta鷺ts, the chlorinated organic co㎜pounds have gradua1;y dlffused 1n en, vironment which consists of alr, water, soll and livlng things. High molecule comPounds, such as pesticide, PCB, have already brought us a lot of problems. But recently,10wer molecule chlorinated. compounds have been widely detected. These compounds include industrial solvent, raw and med童um products. In order to clari£y the environl鳳ental diffusion, dhe to enlargement of production and. consumpt玉on of chlorinated compoullds, fundamentahechniques were investigated and field researches were carτied olL The folbwing researches were pract童caly treated.   the relative sensitivity of FID, Beilstein Detector, the calibratlon curve, GC−MS spectrum pattern,  the field research of vinyl chloride monomer by S工M method at Takaoka C., the detection of l,1,.  1−trichloroethane from the bad smelling well water at Fukuok段丁., the detection of chloroprene at  Itoigawa Waters, the total analys王s of the air in the urban and the irldustrial areas,. 1.環境汚染の新しい課題  有機塩索化合物の氷質,大気環境への拡がりが確実. 白露まで被害があったのは全てこの部類に入ってい る。.  しかしながら,最近,アメリカ,ソ連において,塩. に進行している。これに対処するための環境汚染分析. ビモノマー,四塩化炭素,クロロプレンが発ガン性で. 方法を検討し,これを確立した。その背後の事情はつ. あると報告されて,脂肪族塩素化合物も,毒性および. ぎのように要約される。. 汚染が問題となってきた。実際,昭和50年6月わが国.  ㌶二次大戦時における戦時研=究の中から,20世紀後. の基幹塩化ビニル工場でガン死亡例が報告されたこと. 半の世界を大きく変化させる要素が生まれて来た。そ. は社会に大きな衝撃を与えた。しかし,ほとんど総て. の一つに有機塩素系の殺虫剤があげられる。DDT,. の有機塩素化合物は,多少の差はあるが,有毒で,相. クロールデン,ディルドリン,エンドリン,BHCな. 当強い局部刺激があり,興奮震痺などの中枢神経異. どである。これらの有機塩索化合物が多:壁に環境中に. 常,筋肉三三,麻酔,反射機能滅退,ついには,呼吸. 撒かれる結果,これまでの窪然の均衝がくずされて行. 停止作用を有する。.また,皮溝障害,中枢神経中灘以. く危険に対しては,R.カーソン女史が「沈黙の春」. 外に原形質障害,心臓障害などを誘起し,肝,腎,ヒ. でつとに警告したことであるが,現に土壌河川に拡. 臓にも悪影響を及ぼし,一時的麻酔の)【犬態でも数日後. 散し,食物連鎖を通じて,有毒物質が生体内に蓄積さ. に致死することがあるなど,この毒性の極めて大きい. れる事実が認められて来ている。1966年には魚類,鳥. ものが多い。. 類にPCBが含まれることが明らかにされた。ついで.  これらは.環境で実際の被讐はまだ繊ていないとはい. わが羅においてカネクロ・一ルによる悲惨な中襟事件が. え,現に危険姓の多い有機塩素化合物が今日多量に生. 起ったことは,記憶に新たなところである。. 薩され,また広く利用されているのは事実である。例.  これらDDTもPCBも芳香族塩素化会物であり,. えば,昭和47年において,前認の塩ビモノマーは!89.

(2) 22. 万t,トリクレンは17万3千t,パ∼クレンは8万t LL1一トリクロロエタンは4万8千tが,わが国にお いて生産されている。これらの脂肪族有機塩1素化合物.   10ビ.   と. 謡安. 藷蕪. は溶剤としての用途の他,身近においても,四塩化炭 素は,エアゾールふん射剤や冷媒となるフロンの製造,. ドライクリーニングのシミ該き剤として用いられ,塩 化エチルは閥エチル鉛の製造に,1,Ll一トリクロロエ. 。/. 率) 岱. /. /.   10. /. タンは機械部品の液体洗浄剤,金属切削油の添加剤と. / /. して,またトリクレンは金属の脱脂洗浄剤,乾燥剤及. びパークレンと共にドライクリーニング用にと,それ ぞれ広く使用されている。そして結局隙境中に放出さ. れている。これらの有機塩素化合物は,PCBなどに おとらず安定強固な物質であり,塩ビ樹脂などでは微 生物分解の報告は,今までにされていない。  これに鮒し当研究室が全園各地で調査にゴ蓬施してき. ×. 1. 工            10            102.               試料壷;:〔mg三  図一2  Chloroethylene杉こ量糸泉. た方法は,水質,大気の濃縮採取,GCおよびGC}. 1ene, L 2−Dlchior・ethane, Trich1・rQmethaneについ. MSによる定量確認である。本門ではこれら操作法と. て試験した結果を図一1,2に示す。また感度について. 環境分析例を示すことにする。. 2. 有機塩素化合物に対するガスクQマト  ゲラフ分析の検討. みると,α3以上の化合物は高感度であるがCl三は非 常に悪い。たとえばC1正の化合物, Chloroethy夏ene等. に対する感度は図一2に示す通りである。とくに炭素 数の少ない溶剤類の環境汚染が注置されるようになっ.  24. KCDについて. てきた状勢においては,これらのことは,ECDによ.  従来,ガスクロマトグラフ法による有機慌素化合物. る分析のみでは,濃度が不定な,また,有機塊素化合. の分析には,DDT, PCB, B}{Cといった高沸点. 物の全成分分析としては,不十分であることを示して. の農薬,油類に対し,しばしばECDを用いた方. いる。また,現在の大気のように,すでにフレオン類,. 法Pが用いられてきた。たしかにECDは,上記多塩. ニトロ化倉物等,多くの種類のεCD応答成分が常に. 素化合物に対して比類ない高感度を示し,試料の扱い. 存在する状態では,ECDの選択性は必ずしも万金で. も容易である。しかし,大気や水質といった一般環境. はなく,定性は十分気をつける必要がある。. 試料に対しては必ずしも操作は容易でないこともあっ.  2.2 FIDについて. て,これらに関して方法の比彗交選定を行う必要があ.  つぎに,FIDは,有機化合物一般に対する汎用性. る。. があるので,塩素化会物に対する選択分析とはならな.  まず8CDの問題点をあげると,直線領域がせま. いのは勿論である。しかし,i司時に他成分と同様に,. く,2オーダーが限度である。これを,Chloroethy一. 環境分析として十分な有効性を示す。このことについ. て,従来塩素を含んだ化含物にはFIDの応答は低い と雷われていたが,実際には決して塊素によって相対. 感度は低くならないことがわかった。塩素化禽物16種. 100. についての実験結果を表一1に示す。ここでは相当す         〆切1、2−Dic卜loroethane. る炭化水素を基準に相対感度を表わした。実験は以下 の乎順で行った。. 署1。. 〈実験〉. 奮.  液体の化合物は,!♂真空ビンに,10μマイクロシ. ゐ. リンジで試薬を注入し,ヒーターで真空ビンのまわり. を温める。この真空ビンのシジコンゴム栓から1m♂. 1. /. をガスタイトシリンジ(Ha㎜ilton製)で採取し,ガス. 102.  103       101  l,2−Dic翫ioroεthaロe. 10−i.  l       IO且  Tric掃oromethane. クPマトグラフに導入する。またガス体成分について.  試料髄師9〕. はボンベより1配を分取し,隅様の真空ビンに入. 図日 ECD応答. れ,瞬じ方法でガスクロマトグラフに導入した。ガス.

(3) 23. 表遍 有機塩素化合物の相対感度. 蕨窓 _.       (Methane=100とする).  銅. 油. 分. ../. 1相対感度. Methane. R0mesh. ノ.. 100. 雀)ichloronlethane. 89. TrichlorQmethane. 88. 光 電. 鷺thane. 202. 倍. ル. 222. 管. タ. U−1)ichbroethane !ほ,1−Trichloroethane. 226. L2−Dichloroethane 圭,L2Jrichloroethane. 220. ユ.,1,!,2−Tetrachloroetha1玉e. 192. 191. :2thylene. 203. Ch}oroethylene. 201. £rans−1,2−Dichlor・ethylene. /95. Tr三chloroethylene. 223. Tetrachloroethvlene. 223. cis畦,2−Dichloroethylene. 194. PmPane. 302. 2−Chl・r・pr・Pane. 364. Chloropr・pane. 248. 1,2−D量chloτoprpoalle. 267.   H2. [. 9!. 子 増. ブ. TetraCh互OrOmethane. 陪   Air. 渉1 イ.    ↑. 1. キヤリヤーガ’ス. 図一3 Beilstein検出器.  104.  踏. 1. 書.   /. 活. 「rrichlOromethこLne. X. 七匡. s 黛 ま,10・. 102. クPマトグラフィーの条件は以下の通りである。 弄.  装置:島津4BM−PF  検出器:FID  カラム:TCP 25%,撞体chromosorb W AW   60/80mesh,3m,3mmφ,ステンレスカラム  キャリヤーガス=窒素2k9/cm2  温度:カラム 20。C→120。 C 6。 C/min昇温. 10 10W幅且       1        10.             試料量(μ9). 帰一4 Trichloromethaneの検量線. FPDによるハロゲン化物の分析方法を報告してい.   ディテクター200。C. る2,。これを市販のFPDに適月liした結果を示す。装.   インジェクション150。C. 概は,島津4BM−PFを用い,このFPD検出部のノ.   なお,面積の算出には,Digital Integrator. ズルの先に301neshの銅の金網を嚴いた。この概要は,.   王TG−4A(島津)を用いた。. 図一3に示す。この装置でTrichloromethaneについ. <試薬>. ての検量線を描’いた結果を隠ト4に示す。これで見ら.  1,2−Dichloroethane q謁東化学製). れるように,この検出器は使用可能なレンジ蠣がせま.  Trichloroethylene, Tetracllloroethylelユe,. く,1オーダー半程度である。このことより,濃度が.  Trichlorolnethane傍1]光純薬製). 不’定な環境分析に対して十分な成果が得がたいものと. Methane, Ethane, Ethylene, Pr・pane(ガスク・. 考えるが,なお追加研究が必要である。なお,この装.  工業製). 遣の条件は,以下の通りである。.  Chloroethylene G海干雅慧香壇斗製).  カラムlTCP 25%,握体chrolnosob W AW 60/.  以上の他は,東京化成製を用いた。.   80mesh,3m,3mmφ,ガラスカラム. 〈結果〉.  淵L度:カラム120QC.  モル当りの各成分のピーク面積を,Methane=工00.  キャリヤーガス:窒素42m!/min. としたときの絹対値である。.  水素:30mZ/min.  2.3。 8eilstein検出器.  空気:75mZ/min.  M.C. Bowmanらは, Beilstein効果を利用した.  2.4.GC・MSによる塩素化含物の分析.

(4) 24 ハ100 〕 繧 婁 皿. →←.     「一・ユ00.   C剤orOm婚ξh瀦rr..     §. 50 5念  15 49   弓7  5i ‘8. 35. 1004032呂.Oll.98、{‘.8‘.3. 2.9. Didlk,r匡pmdh轟降e.     ㌧rJ.     揮      馳課. 4g s4 δ5 51. 47 肥. loo 73、549.131.3. 17.4ロ,2.      蕊. @0. 60.   20  40.      箪         0. 80. 60. 40. 100. 80. 〔100 §ミ. ’罫rkhioromじ【ha鯛。. 、一. 瞥 籍 算 裁 →や. 鴎 85 4「 s7 }QO 65.δ 24.9 12.5. @0. 120. 40    6G    80    ユOG. 〔100   ’re【rachi‘脚竃‘りrneIh‘奮01ヒ}. 〕 翼. 口7119δ2{7 呂135釣t2t. 讃. iひ098.523.6臥1}5、呂H.07.45.7. 皿 〔》. 輪. 40. 60. 80    100   ユ20   ユ40. 〔100. 〔100.   1,}9ich1〔}rQピξhane. 〕 靱. 1α03ε.鱒呂.715.21σ.36.97.27.2. 憩. や 蓬. 輪 0. 40.      1. 60. (:h…uガσeヒh“nc. 〕 雪 山 竣 馨    0.  63  27  65   93   さ5  98  26  6…. 6{23 29 27. 66 49 26 51. 1匹。呂1.7舗.δ4撃,7. 37、2 22、9 ま9.1 呂_3. 40. 20.   80  100. 80. 60. 〔100     i,2Dici伽k,rwlh“星1藍・. ) 潔. 62  37  4ヨ  64  63  98  26  51  61. 繍. 100 き2.3 藷、} 36.4 2邑.9 23.3 19、嗣 ES.5 16.6. 賦 蘇. 輪 0. 〔100 §.    1    1.   40    6G    80    100   且,1,1・Trieh1ロrΩeIhI伽錦e. }㎡.. 97  §9  5ヒ  且詮7  119  53  1頓…  26  2ア. 鄭. ユGO 54.且 44_0 20_2 20、2 17.4 12.6 E2.置 S.7. 西. 川 罧    0. (B100 無.             1.   40  60  80. 100  120.   Chlor〔,ethylene.       〔ミ100       蕊、. 1.I Die溢lorひ・. 62  27  δ4  26  6t 25. 常 題 # 葺    O f一’100 6ミ. w潔.     吐」【hylonヒ.       翼       讃       裟       牽. 榊∼4.33ら、U5.も了、95.も. 25 10025. 6196 弼 δ3 50 100ア6.{52、236.519.5. 17.5擁.97、7. 0. 20. 60. 40. c}s・圭、2Dichlりro. 25 100 62. Ioo s8.563.9‘o.3圭9.呂. t考、7且L5蓬0.2. 凛. 一100. 3. ρ山yle脚. 5196 9呂 53 50. 60. 40. mピe. 仁ザan54. 、2. 80 Dlehl匡脚. 51. 96. 98. 53. 60. io⑪. 792. 51.4. 36」. 且8.7. なメ. 100. 邑・tトvlθnセ. 26[Dじ. δ2. ユ5.99.5 9.2. 暑. 藪. 岐. 些    0. 〔100. 司←.    40  60  80. 100. @0. 1. 40. 60. 80.    F[9ric卜loroe竃hvi¢Re. 扁. 130  132  95   97   E3ξ  60   §9  62  49. 揮. }昏097、0昼ε.257.53Lδ24、412.59.26、1. 駅 峡 4←. @0.   40    60    80    100. 120. ユ40. 罵ユ00 』.    Te且rach}ur【}FL卜ylenp. 榔 166  且64  工29  131  165  撃当  95  [了0  4ア. 凛. 1007霞、‘5§.師了、i 52、33{、71δ、914、913,9. 燕 “←. @0 60. 80. ユ00 ユ2⑪ 140. 160. 図一5 有機塩素化合物のマスス ベクトルおよびパタン係数. 100.

(5) 25.  の 塩素化舎物のマススペクトル.  £CDとFIDの他にGC−MSによって塩素化合物 の環境分析が行なわれる。通常の大気中に存在するこ. との多い堀素化合物について求めたマススペクトル を,図一5に示す。装置は島津LKB−9000型による。.  2)SIM法による塩化ビニルの分析  GC−MS法の一つの手法としてSIM法(SeIective 亙。臓Monitoring Methodあるいは, Single Ion Monitoring Method)がある4)。この方法はイヒ合物に. 締の質量魏こついて趨のイオン強度を連纐算図 録することによって,TICでなくMSをガスクロマ トグラフ検出器として使用するものである。この方法. では,選択性がすぐれ,しかもP9オーダーの超高感 変検出ができる特性がある。.  特に近年発ガン性が心配されている塩化ビニルにつ. いて見ると,すでに述べたようにECDの感度が非常 1こ悪く,またFIDでは門衛大気中常在のC5炭化水素 と重なって妨害を受けやすいという難点がある。従っ. てSIM法が低濃度環境分析に有用になる。この場 合,親ピークであるm/e漏62が高いイオン強度を示す のでこれを用いた。分析条件の検討結果を示す。  (i}検量線の作成 試料は市販の塩ビモノマーボンベ(高二丁イヒ学製). 二一6SIMチャート例. を趨いた。ボンベ中のガスを1Z真空ビン中に溝し,. そのlmZを採り,別の真空にしたμ真空ビン中に 入れる。この中へ窒素ガスを加えて常圧にし,これ を美000PPmの標準ガスとした。1司様の方法で,他の 真空ビン中へ1000ppmの標準ガ7・10 m♂を注入し,. 毛 …σ. 謎 ヤ. 1乱.聖. 撃潤I紫. このガスを10ppmの標準ガスとした。この2塞の標 準ガス入り真空ビンから,100〆および1mZのガス. loコ・. タイトシリンジ(Hamilton製)で1,0.8,0.6, 0。4,0.21n/,!00,80,60,40,20μZを採取し,そ. }G. のGC−MS応答によって検量線を求めた。 GC−MS の応答を【碧ト6に,ピーク高による検量線を図一7に. 1G二. 1. ユ。. 且σ. 線性を示すことがわかる。なお,本法において,0.!. 10.      1σ.   1.式持輩1〔n幻. 示す。ここで実験した範囲では両対数で非常1こよい直. 図一7Chloroethyleneの検量線. ngでのS/N比が3であり,0.!ngが検出限界と考. GC−MSの条件は以下の通りとした。. えられる。. 装置:島津LKB−9000.  (ii)定二墨:方法.  定量は,通常のガスクロマトグラフ分析と同じよう. カラム:TCP 25% 担体chromosorb W AW 60/80瓢esh 2.8m,. に,面積の計測によることを正確なものとした。嵩さ.  3mmφ÷Silicone SE−5225%. および半値幅の1貝llり方は図一8に示した。この図では. 担体chromosorb W AW 60/80 mesh,0.2m. 同…最(2.6ng)の試料に対して,キャ蓼ヤー流速を.  3mmφガラスカラム. 変えて,溶出状態が違う場合を示しているが,両者嗣. キャジヤーガス:ヘジウム30mZ/mi11. 伽..・一. 鱒マを与えることから,上記計測が正しいと判断し. 温度:カラム 室混22。C. た。なお半値幅が等しい条件では高さで定量できる。.    インジェクション 160。C.  ㈹ GC−MS条件.    セパレーター   1800C.

(6) 26. 析に供する。分椀こは,ガスクロマトグラフ (FID)および定性用として, GC−MSを用 いた。分析条件は以下に示す。.   ガスクロマトグラフ.    装置:島津4B−PF π. 一由ゴー」.   カラム:TCP 25%担体chromosorb W.    AW 60/80 mesh,3m,3mmφステ    ンレスカラム. げrゴ「. 一…醒r「「一「r.「r「「「「「「「「「rr「.   キャリヤーガス :N22kg/cm2.      「…r u「r「「「「「.「「.r圃. ……「「一醒w曜. r…一耐ゴ「ゴ曜rrr @  ゴ曜ゴ.ゴ.    温度:カラム20。C一>120。C.    6G C/min昇温    ディテクター 2000C ゴ…. 講.    インジェクション150。C.   GC−MS    装置=島津LKB−9000. 鱒嗣P■噸隅印鞠6.    カラム:TCP 25%    担体chromosorb W AW 60/80 mesh    2.8m,3m孤φ十silicone SE−5225% .一一. 担体chromosorb W AW60/80 mesh. O.2m,3mmφガラスカラム. Mρ門一「曹『 ρ. 轍一一. ・一一{. 高 さ. 1.5cm     高 さ. 3.6cm. 半値帳. 0.48cm   半値爾. O.2cm. 0.72cln2        豆嚢  聡疑. O.72cm. 面 積. キャリヤーガス:ヘリウム30m〃min 温度:カラム 室温 220C   インジェクション 160。C   一セパレーター   180QC.   試料螢   2.6ng. 図男 ピーク藤積の測り方.   イオン源      270。C        :!0mm/sec.   UVレコーダースピード.    イオン源 270。C.   加速電圧:3.5kV. UVレコーダースピードl!OmnVmin.   イオン化電圧:20eV,70 eV. 力目速7琶1ヨ三:3.5kV.   トラップ電流:60μA. イオン化電圧:20eV.  試料水の採取は,1974年!0月6日,おjlび12月27臼. トラップ電流160μA. の2團行なった。10月6日の水の分析結果は表2の通 りである。.  3.1. 福岡町における井戸水汚染.  富山県福岡町では,井戸水の異臭が2年ほど前から. 表一2 井戸水分析結果. 問題になっていたが,従来の水質分析では,原因がわ からなかった。そこで,この水中の有機成分を分析し. GC−MS確認物質. たところ,有機塩素化合物による汚染が半【1明した。.  2−Butene, Chloroethylene,ユ,3−Butadie1}e,1,2−.  分析法は真空曝気法により,その操作は以下の通り.  Buta〔liene, Chloroethane,1,1−Dichloroethylene,. である。1/真空ビンを真空にし (0.!∼0.3mmHg).  1,1−Dichloroethane,1,1,1−Trichloroethalle,. この中へ200m♂用油身寸器で注射針を通して,.試料水を.  T「ichloroethylene. 200m∼注入する。この真空ビンと,もう一つの真空にし. 濃度 Chloroethylene.  75ppb. Chloroethane. 21.5ppb. た真空ビンをシリコンチューブでつなぎ,コックを闘. け図一4のように,70。Cの恒温漕中に沈める。3時 間後,オく中でコックを閉じ,取り繊す。2つの真空ビン. Ll−Dichloroethylene. 403ppb. のうち,水の入っていない方を取り外し,この中へ,液. L1−Dichloroethane. 6!1ppb. 1,1,1−Trichloroethane. 922ppb 342ppb. 体酸素で不純物をトラップした窒素を入れ,常圧にす. る。この真空ビン中の1ZをGC試料管に濃縮し,分. Trichloroethylene.

(7) 27.  本試料のクロマトグラムを図一9に示す。この調査 r−. 洲 ∵. 6. 噌一. 9 ξ 註. 出物質を使用,また井戸水に流していたことが判明し. μ 1. 套. た。. ゴ. 尊 写. の結果,同町内にあるマルニ染工という会社が上記検. 野. 7 6.  つぎに以上の予備調査に基づき,12月27日,臭いの. 蓉. 9. する井戸を中心として,飼町内30ケ所の井戸水を採取. §. 子. 竃. 碧. した。なお,この時点では,異臭水のでた井戸の多く. ①. 壽. 謹. は埋められて採水できなかったことで,この点汚染源. を厳密にっきとめる機会が失われたことは惜しまれ. 妻. る。分析結果を表一3に,採取地点を図一10に,1,L ユーTrichloroethaneの汚染分布図を図一11に万≒す。ま. 妻. た詞時にCODの値をあわせて示す。 CODの分析 は!00。Cにおける酸挫過マンガン酸カリウム法によ. 蓉. るものである3。主汚染成分である1,!,1−Trich. 10roethane と 1,1−Dichloroethane, 1,1−Dichlor・. \. oethylene, Trichloroethylene, Tetrachloroethyleneと. の相関係数を求めたらそれぞれ,0.83,0。98,0.95,. 0.86であった。このことより,これらは嗣一発生源に よるものであると判窺できる。. 図一9 悪臭井戸水のクロマトグラム. 表一3井戸水分析表 …L’『Di F臨。 L’脚Dicl繍,1・!,1’嘉跳箕ich1論、。n,!・2−D’c謡e C・・ 0。1. /. 2 3 4 5. 6 7 8. 9 10 !/. 三2 圭3. 14 15 /6 圭7 !8 /9. 20 21 22 23 24 25. 26 27 28 29. 2.3. L4. !0.6. 8.9 3.6. 5.3 4.9 5.9 4。6. 0.3. 0.6. 0.3 0。1 0.1. o.!. 5.9. 1.4 0.4 0。1. 4。6 9.0 !.8. G.6 3.5 6.0 9.0 4.8. 6.6 6.7.  14.8  27.2  42.9 1690 8670. 7.9 7.8 28.9 27.0 93.5. 0.!.  0.3  0.7 90.3  0.3. 201. 467 62.9. 284. 17.2  !.9 !7.3. 2.0. 34.0 0.1. 2.9 0,3 4.1. 22.9. 52.3 25.6 70.6. 122 19.5 28.2  3.6 17.6. 17000 !520. 12700  337. L6. 0,5. 3.94. 1ほ5 3.6!. 2.46. 15.5. 339  35ほ 1230  5.4  7.8. 7.5 0.5 3.0.  93.7  17.2. 131.  2.2. 3。28 3.28 3.28. 25.!. 88,6. 3.6!. 2U. /67. 31.7 83.1  5.3. 33.3 32.0  2.2. 3。61 2.62 2.79 0。98 3.28. 5.O. 4.0. 2.46.  2L9. 2.8 0。2 28.3 1.9 0.1. 2.95 2.46 2.30 2.13 3.28. LO. 0.4. 4.43 2.95 2.62. 25.5 2。3. 0.2 1.4. 2.2. 2.73 2.46 2.79.

(8) 28.   1肖L)二(ppb). _一_0?  婁._隻_0父1_婁_._θ文三__10。OM 否. 一・一. 00 0 w−X−X一. 蓉 ♂4首 。そs. 誉.           1.0 X._X一∼X一一一X一・一X−10G匹1 0    0   0    0. 4蔓8 1棄2隻  G文2 。文3 隻. x. X. 10M 2蔓81隻6。3亀51蔓01曼87呉71文6.. X. x x. 茎讐o. う  .   ロ. 劉/.  一 7』「し_・. 一.海. 図一10採取地点.       『1             50GM. 1M.       掴:掴   靴罧_ト                へ              糸魚川 図一13Chloropreneの濃度分布.  なお,このような塩素系溶剤類による汚染に関して. 麺闘. は,従来のBOD, COD, pH等の水質試験法では. \弘キ翻ノ〃    /. 測定不可能であって,GCによる個々の物質について.  父気、二〃傷. の追及が必要である。現在のように溶剤類が多量に放  ’・鈍. 出されている状態に対しては,それに対応する試験法    メ   フヨ. が採罵されるべぎである。.  ホ’9告γ  ●.  ・  4>.. 0131 曳.     ’8 ,1・ 。. 8670.    ●       0.   33.9   22 01270D. 》.     輩  遍訓ず暫.  3.2. 糸魚川海域におけるクロロプレン汚染.  新潟県著海町の電気化学田海工場の排水による汚染 の状態,海水への拡散の様子を調べるために調査を行 った。調査は,昭和49年10月!2践行なわれ,対照とし. た海域は,工場の排出口である奴奈川を中心に,東は.  藍岡駅      .繊縄.,一  呈蓬一霧誓鉾一.一ゴゴ           /一、_. 電気化学アパート,西は雄叫川の聞で,沖合lkmま でとし,採取地点は36ケ所であった。  分新法は,3.玉章と同様の方法である。以下にGC−. MS分析結果,および排出口濃度を示す。. 図…11 !,!,1−Tr量chloroethaneの濃度分布.   GC−MS確認物質 託. 膨.  Chloroethylene,1・Butene−3・yne, Acetone,. §.  Chloroprene,1,1,1−Trichloroethane,. 』. 巷. 鳶.  Methyl ethyl l(etone, Benzene,1,4−Dlchloro−. § ×悼uo.  butyne−2, Toluene.  . 畢.    o. 巽. 堂 §. ;ン P     薯しユ           φ. ーζ  い享. xゴζ. 黛ぎ・5. 。泰. 籍 り  ゆ. ぎ 。.   排出口濃度  Chloroetllylene. 82.7ppb.  1−Butene−3−yne.  159ppb 34200ppb 1990ppb. =.  Acetone. 占.  Chlor・prene. 爵.  Methyi ethyl ketone. 4620ppb. §. ξ 謹. 心.  Benzene  1,4−Dichlorobutyne−2.  328ppb 22.7ppb. 1230ppb  Toluene  なお,     仲陽口試料のクロマトグラムを図一12に示      Chloropreneについての分布図を図一13 す。また,. 図一12 排水口のクロマトグラム. に示す。この図に示されているように,排出口からの.

(9) 29. 汚染水が,沿岸にそって帯状に広がっていることが. D至chloroethylene, Dichloromethane,. 確認された。本海域の汚染成分であるChloroprene. Tetrachloromethane, cis−1,2−Dichloroethy−. は,ソ連における産業労働者の調査より,皮フガン及. Iene, Trichlorome出ane, Trichloroethylene,. び,肺ガソの発生件数の増加に大いに関聯があると報. TQIuene, Tetrachloroethylene. 告されている成分であり,万全な対策が必要である。.       濃   度.  3.3.工場排出源による有機塩繁化合物の汚染  近年の石油化学工業において,有機塩素化合物は,. 製品の中間体,また溶剤として,年々生産最が増加し ている。工場に対する汚染調査結果では,この有機塩 素化合物の占める割合が高い。以下に工場における有 機瓶素化合物汚染を示す。.  分析法の詳細については,既に報告ずみ3’であるの. で省略する。試料採取は大気濃縮装置を用い,採取量. は100Zとし,12∼13分で採取することとした。同一. 地点でGC−MS用,続いてGC用と2本採取し,そ れぞれGC試料管に濃縮した。このGC試料管をGC. 成. 濃度(ppb). 分. Dichlorodifluoromethane. 21.4. Chloromethane. 158. n−Pentane.  2.4. Trichlorofhloromethane.  6.5. 2Methylpentane.  1.2. 3−Methylpentane.  0.4. n噂王蓬exane.  0.8. L1・Dichloroethylene Methylcyclopenta且e.  0.7. 14.6. 2−Methylhexane.  0.4. およびGC−MSに接続し,導入した,ガスクロマト. 3−Methylhexane.  G.3. グラフィー,およびGC−MSの分析条件は3章と同. t「ans−1,2−Dichloroetlユylene. じである。.  塩素化合物を含む大気分析結果3例を以下に示す。. 25.6. Dichloromethane Tetrachloromethane. 837 366. cis−1,2−Dichloroethvlene. ω 旭ペンケミカル(千葉県市原市)   調査三;日召禾050年2月20穀. 34.8. Trichlorornethane. 341. Trichloroethylene.   GC−MS確認物質. 465. Toluene.    Dichlorodi臼uoromethane, Isopentane,.  9.1. Tetrachloroethvlene. 164.    Chloromethane, n−Pentane, Trichlorofluoro−. Ethylbenzene.  4。6.    metha頁e,. 鶏,P・Xy豆ene.  5.0.    2−Methylpentane,3−Methylpentane,n−Hexane,. o−Xylene.  1.2.    1,レDichloroethylene,2−Methylhexane,    3−Methylhexane, n−Heptane, trans−1,2一. なお,図一14にクロマトグラフを示す。. 三. ト 甲 嗣. ぎ. 塗 §. ぎ §. ま. 謡. ≦. ξ. さ. 嵩 謡. ζ. 身. 弩. 霧. お 塁. 乙. ぎ. 8.  建. }熱. と. 多曹 ξ藷 警ξLξ. 乙. 8. 鴛1二. §藷 雪丸 御 ゆ o. ハ. ε. 図一14 旭ペンケミヵルクロマトグラム. 糞 ll.

(10) 30. ㈹チッソ石油化学(千葉県市原市). n−Hexane,2−Methylhexane,3−Methylhexane,.    調査 :日召不翼49年10月301ヨ. Methyl acetate, Acetone, Dimethyl−2−pentene,.    GC−MS確認物質. Ethylacetate,1,1,1−Trichloroethane, Methyl.      n−Butane, Isopentane, Ch夏oroethylene, n−. ethyl ketone, Benzene, Trichloroethylerle.      Pentane, Trichlorofluoromethane 2−Methyl−. ’][、Qluene.      2−butene,2−Methylpentane,3・Methylpentane,. 濃 濃度(PPb). 分. 成. 度. 成. 分. 濃度(ppb). Ethane十Ethvlene. 80.5. Methyl acetare. 9.2. Propane+PrOPアユene. 50,6. n−Heptane. 2.6. Isohutane. Acetone.  7.9. n.Butane. Isopentane Chloroethylene. Ethyl acetate. 11.1. Methyl ethyl ketone. 1.3. Benzene. 4.9. 210. n.Pehtane. 13.0. 16.0. 6。2. TrichlQroethylene. 10.0. 2.0. 2−Methylpenしane.  3.1. Toluene. 3・Methylpenむane.  1、6. Ethvlbenzene. n.Hexane.  7.9. m,P−Xylene. 5.2. 2−Methylhetane.  !.8. o−Xvlene. 2,0. 3・Methylhexane.  2.2. 16.7 2,1.    げ. なお,図一15にクロマトグラムを示す。. ×. 這 き 。 記. 9 8. 些. 三. → 乱. 窪 ㊦. 器. 琴. 駆り. 1. 1. 竃ω 忠 !. 雪. 3 琴. 蔓’竃. 苛2 魯ご 欝ξ. E. 工 窪. 琴雪. 雪.   冨. ①.   9.    乙 い⊃ω舞躊. llξi. 叢奪. 毫聾§ コF :丁①  ①. 雲雲 磐雪 ㊦  ゆ. 〉 $. 8 莞. 子. 孟 霧. 巴 謀 ①. 竃. 9. ξ δ. 子. ≦. 05 雪 田. 器蜜   §. ぎ ε.   姦. 器.   蕃   器. 図一15 チッソ石油化学クロマトグラム 鮒 第一製薬(東京都江戸川区).   ζの種の一般的工場発生源において,GC−MSと.    調査=昭和50年2月5口. GCとを併用してみた範囲では,塩素化合物の決定に.    GC−MS確認物質      Methyl alcohol, AcetQne, Benzene,. はFIDで満足であることがわかる。このことにより ECDの感度の不安定さ,汚れやすさ等の欠点を避け.      Tr三chloromethane, Trユchloroethylene,. ることができる。.      !,2−Dichloroethane, Toluene.  3.4.塩化ビニルの大気汚染.  なお,隠トユ6にクPマi・グラムを示す。.  富山県高凪;市における,Ei本ゼオンによる塩イヒビニ.

(11) 31. 濃    成. 間. 一= G一=一封1;5B荘野. 成. 分. 濃度(ppb). Isopentane.   11.8.   1,1,1,Trichloroethane. 16.9. :}.Pentane.   5.0.   Benzene十Trichloromethane. 52.9. 2.Methylpentane.   5.2.   Trichloroethylene. 3−Methylpentane.   3.2.   !,2−Dichloroethane. n.Hexane.   6。6. 2−Methylhetane.   3.8. 3−Methylhetane.   3.9. 9.   5.4. 25.0. …牌膿alcohol. 233. }膿h;器e.  3。9.   o−Xylene.   2.0. 17.0. 5600. 瓢ethyl alcohol. Acetone. 10.0. 103. 1.  蜜  暮. ど  ≧.  8.  7  盆. 『 む. ぎ.  ω   「  ヨ. 鍬. 三.  皿. 巳.  ゴ  凱 悼ぼ. 『1ア1. → 乱. ε. ザ 動. 1メ. 琴 器. 竃塁. 亀ゆ 屯. ×. ジ. 量口琴 3 ℃   累 曙 冨. 黛. 1毒. 髪. 睾. 蓄 §. ×. x. 話. 窓. QQ. 図一16 第一製薬クロマトグラム. 7. 1. 8 ω. ま 繋. 鶏.   ゆ.   σ1 QQ.        =.     06. お. 譲N. コ. N)膳「心. 累. 8. 器器 こノ1. 一. N一. 蕊ち. ω賦嵩    δ. 8. 認 トつ   N σ)  q⊃.  .トの. 窓8. 湊.   GQ. N“. 銀. 図一17. B本ゼオンのTICクロマトグラム. 鳶.

(12) 32. ま 轟 圃一. 甲 望. 9 酵. 9 量 器. ぎ ぎ 器. 望 轟 窪 ①. 皿一18 FIDクロマトグラム. 表一4濃 番号    成 6. ISQpentane Chloroethylene. 7 9. 5. 分. 度. 表. 灘(ppbバ駕  成. 分. n・Heptane. 11.4. 濃度(ppb) 0.5. 2!. Acetone. 26.6. n.Pentane. 24. Ethyl alcohol. 13.2. 1−Butene−3−yne. 30. Benzene Trichloroethylene. 27!. 2.8. 10. 2−Methylpentane. 1.圭.. 34. 12. 3・Methylpentane. 0.8. 35, 36, 37    1,2−Dichloroethane. !3. n.Hexane. 0。6. 39,40. Toluene. 4.0. 17. 2・Methylhexane. 0.3. Ethylbenzene. 0.9. 18. 3−Methylhexane. 0.3. 刀’,♪・Xylene. 2.1. 19. N工ethyl alcoho1. o・Xylene. 0.6. 1.2. 37.4. ル汚染の調査結果以下に示す。. 染状況を形成している。.  高囲市の北,小矢部川の岸:に位置する日本ゼォンは.  調査は1974年6月!4貝と9月18日,および!975奪5. GPA法による, EDC,塩ビモノマー,および塩ビ. 月28日の3圏行なった。6月14日と9月!8臼は大気. 樹脂を生産しており,生産高は塩ビモノマー7.3万ト. 濃縮装置によって採取し,FID及びGC−MS分析. ン,塩ビ樹脂7.3万トンである(昭和49年),当エ場で. を行なった。この調査では,工場周辺および工場から. の工程は以下の通りである。ナフサを熱分解してアセ. 風下に向ってGC用として5点試料を採取,またGC. チレンとエチレンを作る。エチレンは未精製のまま塩. −MS用として1点採取した。TICクロマトグラム. 素と反応させて,EDCを含成,精製する。また,ア. およびF{Dクロマトグラムの1例を図一17,18に示. セチレγは分離後EDCの分解で副生する塩酸と反応. す。また,GC−MSによる確認物質および9月18日. させて塩ビモノマーを舎成する。この過程で,塩ビモ. 調査における第2地点(図一19×地点)の濃度を表一. ノマーおよびEDCが漏洩して,この地域における汚. 4に示す。また,図一!9に6月14日採取の5地点にお.

(13) 33. ㌔纏凝\レ好∫ /雌細い・.  蝉  \ ・     呈15 ぜ. ミ肱も_蔭 .  酌/.        鮒一9酎01 ヘ  メ    ノ   リ『\/ノ・・ 弩〆1ド  づ. を ノ. !一. /ぐく穰《襲鴫聴く       uガ・’勉ぐ与轟’メ          }交儲鋤磁、.    . 細,響\・.    お    ズ   避難藷む’  い    ノ ノ鋼          .          当 ノ㌧,げ’!レ,霊. 難爆.毒簿緊鐙1’)/ げ. ∴1騨. き. ㌃.      oρ璽劒θ9∵謎    〆誤爆、多   権輿 葦/\忙        き ヘ   ノ.   !磯ご轡蔭言N\・  ジメ迅.  ノ疑骸㌧     ぜ鶴、・㌔ ㌦》 な§へ・へ芦・ 〆燭  ペへほ   も . ノ.   ノ   ヒ 轟. 爵飽々鰹軽;・題ノダ聖        / ソ弥女、じ泣ご嵐痴.     ノ. /い      ∵疫r g㊤翫警酬醐e    ズ    へ 響輩1之乙ご ・・、一. 、羅ド餌   へ\〆 駈/. 4・//.   い    きへ 耕    ¥   磁漕/シ癌一   ㊧肇,2翻鵬eセ㈱灘,・《r.   》管一一阿ぐ「f趣くでぐ      ノ 総論1∵㌶  ノ ゐサ へゆ        . 瀦ヂ鰍で・き へ.  しい     みし ドなミむ モセ いり.  ち  タ  ぴ. 鑛1≧∫無冠    ヘ     ミ 斥.」_ ご /・.        ヂ ∼ 轄 \   ヲ. ㌧塁蘭     らな. 【瑳ツ励4.  みジ t.    P  . ま.           /》ごだ / へ ( 毒1 ’. 筍㌦教へ. 図一19 11腿li」における塩ヒ及ひEDCの汚染(ppb). 評鞠1翼 ぶく∼倉 藝 棒、. 、蕊i興   i /デ.

(14) 34. を凧・た照った滋強ピンをヒーターで・乾かしなから 真.    圧射針. 空. 真空にし,テフロンハルフを閉にし,採取の時点てハ ルフを開けて採取し,実験室に持ら帰った。濃縮は・. qーター. ノ. ブ. 図一20に示すように,液休酸素て冷却したGC試r{管 に致空ポンプて弓iきなから(20伽n〃mln以下)行な. った。濃縮したGC試料管は,すてに述へた方法て GC−M Sに接続,導入した。なおChloroe↑hylene は貞空ビン中空1気バランスで2週悶経っても変化はな かった。調査時点ては35ケ所採取するのに,午後2時.      図一20 濃縮系統図. 3分から55分間を要した,当日の風向は北東てあり・. けるCh1Qroethyleneと1,2Dlchloroethaneの濃度 を地図上にプPノトした。南側風下は6kmまで市街. 風速は平均21m/secであった。. 地て検出,東側数地点は不検出てあった。第1地点は.  分析詰果とそれに基づいて描いた分布図を図一2!に. 示す.この結果ては,工場よりMkmセこ最高濃度 31.5ppbか検出され,この髄熱地地点として汚染. 大回のEDCに対し塩化ヒニルは不険出てあるがこれ は塩化ビニル製造工場の風上に当るからである。. が彫成されていることかわかる。すなわち高濃度地帯.  つきに以上の調査を参考にして,5月28日はSIM. が付近の住宅地域を含むことが認められる・これらか. 法による調査を行なった.採取には!壊空ビン35木.                 塾     b      i      ・ 、  /       ,が声 ダ. 套 野.                   一角. 離㍗.            で                    を. 簿露摯 /紙. 瓢一シ…一 @   属灘。、    . ㌻.      鋤.議.   夷_ 野一.        タ . ノ       セ.     μ,.つ、. ジだ.             メノ                どざ      灘 @\ ㍉     ∼〆訟霞拶             //. 過ボほ旨一曝シ1ご簾7日∼軍. ノ            き.     ∬           評  F. 難.             ノうン爽   ∼請軒/             ♂〆∼拘〆薄     脚∼. 訴》 撃     び             み.      ’   脚Pゼ}. 1ど.          プ  評   ド ,,’冒ρ竃輌㍗、、 撫      一. 錦. 鞍. !..      ら 漸三下》 軍’    払wへ・)鰯.     之る     鐸販。ガ. 事. 諺謙辮 〃潟. 繕霧.       ズ ノ.      触・ ビ。二1/.  }多㍍/ 疫/    。 4c_嵩。罪曜轟. 輸一二/噛み詩一嵐零丁蟻.     \・‘  . ♂  1      蜘註蕊檎・        ノ           を. ’蕪熱潔 引ノ摯煮鷺繊7  灘藤 膨翻ξ論 偽翅諸撰§. ミ                  い                      ピ.       ♂   濠.      ノ㌫、. 、。 結チ響繋 講絵 ・ 鍵響寒駅 ・隠㌦㌧〆。. 緊 ノ 5.  ヂ蒋砺  ノ・ち ノ・ξ 鱒 1. 認鯉毒藩1務∠退. 細網翼餓鰍。1        雛     、試}郷. 亀7. 一十謎勤該 獲.        蝿晦    が電.                 図一21 塩化ビニル環境分布図(ppb). ≦. 警∵葉/1レ.

(15) 35. δ 脚. oo. 唱 =r. ① 一. =5 0     一. 野. 斤 弓     響. Q O     H. §. ほ ゆ     ロ. ①9謬 一 ヤ      . 器. ぎ評義. 一 ぎ. 毒. 葺. 籠・. 隻. “’. =. ゼ.   器. むぽ 蔓量.  ま  一お. §巴.  ⑦.    1㊤. 量 ぎ 善. 。. §. 壼 舞 §. 藷. 諺 夢飢. 量. 夢. 旨. 9. ① 琴. 謬. 邑 §. 一. 品 垂. 寧. 旨 お. 8. 諺. 器. 田 δ. 図一22. 羅. 器. ・『鐙8.  ω1①掌. 服・. ヨ. 霧・. 謬.   ゆ自   琴. ぎ. 器 恕. TIC クロマトグラム. 121. 119. 119. 117. 86. 117. 99. 84. 85. 97 63. 51. 84 83. 49. 一35. 61. L一__47. 〇. 0               5. 一一一「.  〇              5.  SCAN NUMBER〔×10).  SCAN NUMBER〔×10〕.    SCAN NUMBER〔×10〕.     Dichlorome出ane.   Tetrachloromethane. i,1,1−Trichloroethane.  図一23 マスクロマトグラム ら,発生源が排気箇のようなやや高所から発生してい. ある。. ることが推察される。.  3.5. 環境大気における有機塩素化合物汚染.  ここで,1つの考察として,本地域における拡散にサ.  都市環境大気中において,多くの有機塩素化合物が. ットンの式が適用されると仮定して,発生源の排出量. 検出Pされる。本章では,前述した大気濃縮装羅を胴. の試算を行った。条件として,最:大着地濃度31。5ppb. いて,GC−MSによる都市大気中有機塩素化合物の. 着地距離1.4km,風速2.1m/sec,気温25。C,拡散. 分析結果を述べる。. パラメーターとして,Cy濡0,!, Cz=0.2, n=0.25を.  GC−M Sにより確認された成分は, Chloroe出y−. 用いた。その結果:,排出量は7.6g/sつまり,240t/. 1ene, Dichloromethane, Tetrachloromethane,1,1,!−. yr・であった。この値は生産量の0.3%におよぶ値で. Trichloroethane, Trichloromethane, Trich1・roe由y一.

(16) 36. 1ene, Tetrachloroethyleneであった。図一22にTIC. 一22にマスクロマトグラム例を示す。この方法で明確. クロマトグラムを示す。しかしながら,本法によるマス. になったことは,図一23(b),(c)より,1,1,1−Trichlo−. スペクトルは,他の成分のフラグメントピークを含む. roethane,とTetrachloromethaneカミ全くretention. ため,その判断が容易ではない。そのために,成分が判. timeが等しく,かつ両成分とも存在するということ. 弱している場合の確認手段として,マスクロマトグラ. である。. ム法が用いられる。そこで,データ処理装置島津GC.  次に3.4章で用いたSIM法により都市環境大気. −MSPAC300を用いて,大気分析を行った。図. 中のChloroethyleneの分析結果を示す。試料採取に は,前述の100Z大気濃縮装置を用いて横浜国大常盤 台キャンバス内で採取した。昭和50年3月から7月に. 1975年. 7月15日. かけての分析の結果,最低2・2ppt,最高100 pptであ. った。なお,Chloroethyleneの確認のため,多重イ. オン検出器(MID)を胴いて行った% 隊ト24に示 す。これにみられるように,m/e 62:64漏3:1であ 28ppt. り,明らかにChbroethyleneである。. M/e. 文 62. 献. 1) 太田,森沼,溝口:大気汚染研究9,213(1974) 2)M.C. Bowman, Morton, Beroza:J. of.  Chromatograph玉。 Science,7,484(1969). 3)加藤,仲慮:環境科学研究センター紀要:1,. 64一.  27 (1974) 4)C.C. Sweeley, W, H. Elliott, ian Fries,.  R,Ryhage:AnaL Chem.38,1549(1966) 5) 神奈川県公害対策事務局編:公害関係の分析法. 二一24Mのチャート.  と解説P.80.

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参照

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