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神聖とされている領域における地形把握手法の提案

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Academic year: 2021

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(1)

ータによる現地計測が行われていなかったため、室内土槽実験や2004年以降の降雨量に基づく現地の浸透挙 動の把握を行った。その結果、時間雨量4.0mm以上,連続雨量7.0mm以上の時に、M-100のテンシオメータ が正の値に達するという統計的な挙動4)が得られたため、1972年、1999年のデータについてはこれを利用し た。M-100のテンシオメータが正の値を示すことは、基盤層(190cm深さ)から90cm高さの地下水面が存在 していることを意味する。1972年および1999年時は、M-100のテンシオメータが地下水面を観測してから降 雨強度約20mm/hが継続して降ったことで崩壊が発生した。1972年と1999年の崩壊発生までの時間差につい ては、事前降雨が1972年では68.5mm、1999年では11mmと大きく異なったことが時間に影響したと考えられ る。これらに比べ2013年台風18号の降雨では、事前降雨が58.4mmと1972年の降雨量に近く、さらにM-100の テンシオメータが地下水面を観測した継続時間が8時間以上に及んでいることから、過去の降雨量および地 盤内の水分量と比較した場合、崩壊履歴の中でも本対象斜面は斜面崩壊が発生する危険性が高かったことが 分かった。 4.おわりに  本論文ではまず、2013年9月に発生した台風18号に伴う京都市東山に位置する清水寺境内の斜面崩壊の被 害状況について述べる。次に、これまでモニタリングを実施している奥之院後背斜面において、台風18号の 降雨に伴う地盤内水分変動を明らかにするとともに、過去の斜面崩壊時の降雨量および地盤内水分量と比較 検討した。以下に、今回得られた知見について述べる。 1) 台風18号による降雨に伴い、清水寺境内で大小合わせて5ヶ所で斜面崩壊が発生した。図2に示すNo.1~ No.4の崩壊については、16日8時頃に職員が見回りで気付くまで確認されていなかったことから、正確 な崩壊発生時刻については不明である。また、No.5の延命院付近の斜面崩壊については、降雨終了後数 時間が経過した後に発生したことがヒアリングで分かった。 2) 1降雨イベントを6時間無降雨で終了と定義した場合、台風18号に伴う降雨は、過去の崩壊時(1972年、 1999年)および非崩壊時と比べて、降雨強度は高くないが連続雨量が最も多い降雨イベントであった。 特に、降雨強度約20mm/hの降雨が8時間以上に亘って降り続いたことは、1972年以降最も計測時間が長 い特徴的な降雨であった。 3) 9月15日13時00分以降の降雨において、特にB-M-C測線では基盤層から100cm以上の地下水面が現れた 地点が多く、斜面上部から下部に向けて順次地下水面が高くなったことから、連続した水みちまたは地 下水帯が発生していたと判断できた。 4) 2004年以降のモニタリング結果を用いて統計的に過去2回の崩壊時の地盤内水分変化を算出した結果、 今回の台風時におけるM-100での地下水面または飽和帯の形成は、過去2回の崩壊時に比べ長期間発生 したことが想定されたことから、奥之院後背斜面における斜面崩壊の発生する危険性は過去2回の崩壊 時の降雨に比べて高かったことが分かった。  今回、新たな崩壊時の雨量および地盤内の水分変化の計測データを得たことから、今後リアルタイムでの 危険度評価を行うための閾値の決定に向けた検討が必要である。 謝辞:本論文の清水寺境内で発生した斜面崩壊の調査では、歴史都市防災研究所専門研究員の石田優子氏の 支援を頂いた。また、調査時の資料および写真を提供して頂いた。ここに記して謝意を表する。 参考文献 1) COE「文化遺産を核とした歴史都市の防災研究拠点」清水寺調査研究グループ:清水寺周辺の斜面防災に関わる基 礎研究のための調査・観測報告書,立命館大学,pp.9-13,2006. 2) 深川良一・酒匂一成・里見知昭・石田優子・仲矢順子・安川郁夫:降雨時斜面災害防止のための重要文化財周辺斜 面における現地多点モニタリング,歴史都市防災論文集,Vol.2,pp.99-104,2008. 3) 石田優子:2013年台風18号による清水寺境内の斜面崩壊調査報告書,立命館大学歴史都市防災研究所2013年度第4回 定例研究会講演資料,2013.

4) Sako, K., Fukagawa, R. and Satomi, T.: Slope Monitoring System at a Slope Behind an Important Cultural Asset, Journal of

Disaster Research, Vol.6, No.1, pp.70-79, 2011.

歴史都市防災論文集 Vol. 8(2014年7月) 【論文】

神聖とされている領域における地形把握手法の提案

Surveying the topography of an area of sacred site

原田紹臣

1

・山中一幸

2

・中谷加奈

3

・里深好文

4

Norio Harada, Ikko Yamanaka, Kana Nakatani and Yoshifumi Satofuka

1三井共同建設コンサルタント株式会社 関西支社(〒552-0007 大阪市港区弁天1丁目2番1-1000号)

Ph.D. in Engineering, Mitsui Consultants Corporation

2株式会社アミューズワンセルフ(〒542-0082 大阪市中央区島之内1-19-21)

Engineer, amuse oneself Incorporated

3京都大学大学院農学研究科 助教(〒606-8502 京都市左京区北白川追分町)

Assistant Professor, Kyoto University, Graduate School of Agriculture

4立命館大学理工学部都市システム工学科 教授(〒525-8577 滋賀県草津市野路東1-1-1)

Professor, Ritsumeikan University, Dept. of Civil Engineering

Historic sites must be protected against landslides and debris flows to save them for posterity. However, it is difficult to survey the topography in an area of sacred site, such as an off-limits area behind a shrine, to devise countermeasures against such hazards. We propose a method of measuring the topography of an area of sacred site using an unmanned aerial vehicle (UAV). In this study, the photogrammetry data obtained with the UAV were compared to control survey data obtained on the ground to validate the proposed method. In addition, a new relationship between the watershed area and channel width was proposed by taking into consideration the riverbed gradient, for prediction of the river width accurately using the photogrammetry data.

Keywords : Unmanned aerial vehicle, shrine, holy area, topographical survey, river width 1.はじめに 近年、神社仏閣等の史跡に隣接した山地において、豪雨や地震に起因した斜面崩壊や土石流による土砂災 害が発生しており、史跡保全の観点よりその対策等が課題となっている1)。斜面崩壊や土石流流動に関する 予測や災害時における初動の対応において、詳細な現況地形の把握が重要となる。しかしながら、神社本殿 や拝殿の後背山地に存在する斜面や土石流危険渓流は神聖な領域(図1)とされており、一般的に調査時に おける立ち入りに関して制約を受ける。 図1 谷出口付近に建立されている拝殿と立ち入り禁止となっている後背山地の事例2) River

Oumi Jingu Shrine Catchment area

Previous predicted flooding area Parking lot, road

& deposit area Landslide Front shrine

(2)

このような立ち入りが困難な区域を対象に調査する場合、従来から航空機による空中写真測量や航空レー ザ測量が用いられている。ただし、航空機による測量は比較的に費用が高く、航空法に基づく運用が必要と なるため、災害直後の迅速な対応が困難な場合がある。そこで、迅速で簡易な現地把握手法として、近年開 発されたUAV(小型無人自動自立航空機)を用いた空中写真撮影が有効であると考えられる3)UAVはGPS 機能と慣性センサを積載しており、比較的に精度の高い自動飛行が可能である。なお、低空飛行による撮影 が可能であり、詳細な画像を取得することが可能である4)。また、2011年3月11日に発生した東日本大震災に より被災した東京電力福島第一原子力発電所の立ち入り禁止地区において、UAVを用いた情報収集手法の有 効性が報告されている5)。さらに、UAVを用いた海岸調査4)や干潟堆積土砂調査6)の事例について報告されて いる。しかしながら、UAVを用いた空中写真測量による斜面地形解析に関する精度の検証や適用性について の報告は、筆者らが知る限り存在しない。一方、神聖とされている渓流における土石流の流動解析を目的に 空中写真測量結果を用いて河道モデルを構築する際、河床高については推定が可能であるが、河道幅につい ては植生により上空からの正確な河道幅の判別が困難となり調査結果をそのまま利用できない場合がある。 そこで、本研究では山間部における地すべり斜面を対象に、UAVを用いた空中写真測量結果と地表面にお ける測量結果との比較により、UAVを用いた空中写真測量の精度及び適用性について考察する。また、 UAVで得られた情報に対して補完的な検討により構築する河道モデルの精度を向上させるため、実測した河 道幅等の調査結果により流域面積等を用いた山地河川における新たな河道幅の推定方法について提案する。 2.UAV(小型無人自動自立航空機)を用いた空中写真測量の試行と適用性に関する考察 山間部における地すべり斜面を対象にUAVを用いた空中写真測量を試行し、現地での測量結果との比較に より、UAVを用いた空中写真測量の精度及び適用性について考察する。 (1) 調査方法 2014年3月19日、福井県内に位置する地すべり斜面(ただし、排土工による対策済み:写真1)を対象に、 UAVを用いた空中写真測量を実施した。地表での風速は約0.5~1.0m、照度は約20,000~40,000 luxであった。 今回使用したUAV(Unmanned Aerial Vehicle:写真2及び表1)は、飛行ルートに関して事前に電子地図を用 いて設定及び機体に転送し、自動的に巡航させることが可能である。また、図2に示される上空の位置から 撮影した空中写真(約10,000m2/枚;撮影位置の座標情報を保有)を用いて空間解析(空中三角測量)を実施 し、点群データ、三次元地形図ならびにオルソフォト画像(写真3)等を作成することが可能である。ただ し、別途実施する基準点測量結果(P1~P4:写真3)等を用いて、最終的に地形補正(制御)する必要がある。 写真1 今回対象とする山間部における斜面(地すべり斜面:ただし、排土対策後) 写真2 今回使用したUAV(小型無人自動自立航空機)の概要

(3)

1 今回使用した UAV の仕様

Length (Width) ~800 mm

Weight 1.3 kg

Payload 3.7 kg

Power Electric power

Cruising speed ~5 m/s

Flight time ~5 min

図2 上空からの撮影位置(軌跡:黒点)及び空間解析時における画像の重複枚数(枚数:凡例着色)

(4)

(2) 調査結果及び考察 今回の撮影条件及び空間解析(空中三角測量)の条件を、表2に示す。また、UAVにより撮影した写真を 用いて、空間解析(空中三角測量)により三次元地形モデルを作成した結果を図3に示す。なお、空間解析 に際して、現地で実施した基準点測量(四級程度)結果を用いた制御において確認された制御誤差を、表3 に示す。表3に示されるとおり、平面的な制御誤差は平均で1~3cmであった。また、補正(制御)に用いた 各基準点測量地点の範囲内における現地との高さ(鉛直)方向における誤差は、最大で2cm未満であった。 図3に示される三次元地形モデルを用いて作成した地形平面図を、図4に示す。図4に示されるとおり、現 地に存在している草本等の影響を受け等高線の一部が繁雑になっている。そこで、図4の地形図内に示した 横断線を対象に、草本類の影響によるノイズに関して、空中写真等から明らかな草本を除去してスムージン グした横断図を図5に示す。図5に示された横断図は、地すべり等の一般的な安定解析(例えば、円弧すべり 解析)において利用可能な地形情報であると考えられる。 今回試行した結果を踏まえて、UAVを用いた空中写真測量の適用性に関して考察する。先ず、小型UAV は軽量であり運搬に関しては有効である。しかしながら、軽量のため上空において風の影響を受けて機体が 不安定になった場合は、手動での操作が必要となる。このため、通常時には電子地図を用いたGPS自動操作 が可能であるが緊急時においては手動操作を行う必要があるため、飛行範囲は操作者の可視範囲に限定され る。また、図3に示されるとおり、今回対象とした斜面の中央部(写真3)は地すべり対策(排土)後である ため高木が殆ど存在せず、空中写真測量の対象物としては比較的容易な条件であった。ただし、図4に示さ れるとおり地形図端部の高木は地形の一部として認識されてしまうため、斜面崩壊等により裸地となった斜 面への適用が有効であると考えられる。 表2 撮影条件及び空間解析条件

Number of camera station 57

Flying altitude ~175 m

Coverage area ~0.068 km2

Precalibrated No

Focal Length 16 mm

Camera Model NEX-5N (16 mm)

Pixel Size 4.89 x 4.89 μm

図3 今回作成した三次元の地形モデル

3 空中写真測量の平面制御における精度

Label X error (m) Y error (m) X error (m) Error (pix.)

P1 -0.003 -0.002 -0.001 0.393

P2 -0.006 0.041 -0.015 0.383

P3 0.021 0.001 -0.001 0.367

P4 -0.011 -0.0381 0.012 0.364

(5)

4 今回作成した地形図5 草本等を除去してスムージングしたA-A’ 横断図(排土後の地すべり斜面) 今後、簡易に操作が可能な小型のUAVを用いた上空からのレーザ測量手法の提案を目的に、機体とレーザ ースキャナーとの改良を加えて開発していく予定である。 3.山地河川における河道幅の推定方法に関する提案 UAVにより撮影された空中写真を用いて渓流の河道幅について精度良く予測するため、現地にて実測した 山地河道幅等の調査結果を用いて、新たな河道幅の推定方法について提案する。 (1) レジーム理論を用いた流域面積と河道幅との関係 河道幅に関して、一般的なレジーム理論を用いると、 2 / 1 0 Q B

(1) 2 / 1 2 / 1 2 / 1 2 / 1 0 ( k r )A A B

e

(2) と表される 7)。ここに、B0 は河道幅、Q は流量、reは有効降雨強度、A は対象地点より上流域の流域面積及 α、β、k は係数である。そこで、九頭竜川流域(福井県)の荒島谷を対象に調査した結果(河道幅等)を 用いて、式 (2) の適用性について検証する。調査結果を対象に式 (2) を用いて整理された結果を、図 6 に示 す。図 6 に示されるとおり、本予測式の相関係数 r は 0.64(0.7 以下)であった。これより、流域面積のみ を用いた河道幅の予測式は、更なる改善が必要であることが分かった。 A’ A

(6)

B0= 8.4A1/2 0 10 20 30 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 Ri ve r w id th: B0 (m ) Area of basin: A1/2(km2×1/2) r=0.64,β=8.4 図6 流域面積と河道幅との関係 (2) 新たに提案する河道幅の推定方法 既往研究 8)によると、河床材料が存在する中規模河道において、河床形態を支配する主な無次元量は τ* h /d 及び B0/d である。ここに、τ* は無次元限界掃流力、 h は水深及び d は河床材料の代表粒径(ここでは、 平均粒径)であり、 3 / 2 0/ ) ( ) ( /d R I B d h   (3) の関係が示されている。ここに、R (I) は勾配 I を考慮した係数である。ただし、河床勾配 I が1/20以下の緩 勾配区間においては、 ) 20 / 1 ( 45 . 0 ) (I IR ≒ (4) であることが示されている8)。 また、流水の連続式は、 h B v Q  0 (5) と表される。ここに、v は流速であり、さらに、 f v v/ * 8/ (6) ghI f v f v 8/  * 8/  (7) と表される。ここに、v* は摩擦速度、g は重力加速度及び f は摩擦損失係数である。 式 (2)、(3)、(4)、(5) 及び (7) を用いて整理すると、 2 / 1 2 / 1 2 / 1 2 / 1 4 / 3 0 ( 8(/) )                         I A I Q gdI Q f I R B

(8) と表される。ここに、χ 及び δ は係数である。ここで、式(8) を用いて、実河川で確認された河道幅を対象に 整理された結果を図7に示す。図7に示されるとおり、河床勾配を考慮した流域面積を河道幅との関係性に関 する相関係数 r は0.84 であり、比較的に高い関係性があることがわかった。 参考に、河道幅 B0 と河床勾配 I -1/2 との関係に関して、実測結果を用いて整理する(図8)。図8に示され るとおり、河道幅と河床勾配(対象地点の前後10mにおける地表高を用いて算定)との相関係数 r は0.79で あり、流域面積との関係(図6)に比べて相関が高いことがわかった。この要因について、以降に考察する。 一般的に、河床変動が活発な谷形状を呈する河道において、河床堆積物の存在する幅(河道幅)は堆積物の 厚さの違いに強く影響を受ける。また、堆積物の厚さは河床勾配の違いに影響を受ける。これより、河床勾 配の違いが河道幅に影響を与えると考えられる。

(7)

B0= 4.5(A/I1/2)1/2 0 5 10 15 20 25 30 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 Rive r w id th: B0 (m )

Basin-area considering riverbed-incline: (A/I1/2)1/2

r=0.84,δ=4.5 図7 提案する河床勾配を考慮した流域面積と河道幅との関係 B0= 5.2I -1/2 0 5 10 15 20 25 30 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 Ri ve r w id th: B0 (m) Incline of riverbed: I-1/2(m/m-1/2) r=0.79,ξ=5.2 図8 河床勾配と河道幅との関係 R(I)≒0.45

(I≦1/50) R(I) = 0.13I-1/2

r = 0.89 0.1 1.0 0.001 0.01 0.1 1 R( I) Incline of riverbed: I

Riverbed: steep slope Riverbed: mild slope

9 河床勾配 I と係数 R ( I ) との関係2)に一部加筆 一方、既往研究8)で提案されている式 (3) における河床勾配を考慮した係数 R(I) は、式 (4) に示されるとお り、緩勾配区間においては河床勾配の影響を受けずに一定値とされている。ただし、河床勾配 I が急な山地 河川においては、式 (4) を満足しない。そこで、既往研究8)で示されている河床勾配 I と係数 R(I) との関係に ついて、河床勾配 I が急な区間を対象に、新たに近似式を求める。河床勾配 I と係数 R(I) との関係について、 新たに再整理及び加筆した図を図9に示す。図9に示されるとおり、再整理した結果によると河床勾配 I が 1/50以上より急な区間においては、 2 / 1 ) (I IR

(9) の関係式が示される。ここに、μ は係数である。 最終的に、式 (2)、(3)、(5)、(7) 及び (9) を用いて整理すると、 I A I A d g r k f gdI Q f I R B

e

          8 ) / 8 ( ) ( 1/2 2 / 1 4 / 3 0 (10) と表される。 これまでと同様に、調査結果を対象に式 (10) を用いて整理された結果を図10に示す。図10に示されるとお り、河床勾配を考慮した流域面積と河道幅との関係(相関係数 r = 0.90)が新たに示された。今後、他の山 地河川を対象に本予測式の検証が望まれる。

(8)

B0= 2.4(A/I)1/2 0 5 10 15 20 25 30 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 Ri ve r w id th: B0 (m )

New basin-area considering riverbed-incline: (A/I)1/2

r=0.90,η=2.410 提案する山地河川における河床勾配(ただし、河床勾配 I は1/50以上)を考慮した流域面積と河道幅との関係 4.おわりに 神聖な領域とされている神社本殿や拝殿の後背山地に存在する斜面や土石流危険渓流における簡易な地形 把握手法の提案を目的に、山間部における地すべり斜面を対象にUAVを用いた空中写真測量結果と現地での 水準測量結果との比較により、UAVを用いた空中写真測量の精度及び適用性について考察した。また、現地 にて計測した河道幅等の調査結果を対象に、流域面積等を用いた山地河川における新たな河道幅の推定方法 について提案した。 本研究により得られた成果を、以降に要約する。 1) GPS 機能と慣性センサを積載したUAV(小型無人自動自立航空機)により空中から撮影した写真を用い て画像解析(空中三角測量)を実施し、その適用性について考察した。 2) UAVを用いた空中写真測量結果と地表での測量結果と比較したところ、その高さ(鉛直)方向における 誤差は最大で2cmであった。 3) 山地河川における流域面積と河道幅との関係等について、現地調査結果及び既往の経験式等を用いて検 討した結果、新たに河床勾配を考慮した流域面積と河道幅との関係(相関係数 r = 0.90)が示された。 今後、他の山地河川を対象にした本予測式の検証が望まれる。 参考文献 1) 赤澤史顕・藤本将光・里深好文・深川良一:熊野那智大社後背山地において発生した土石流に関する研究,歴史都市 防災論文集,Vol. 7,pp.59-66,2013. 2) 原田紹臣・里深好文:史跡の保全に配慮した土砂災害対策,歴史都市防災論文集,Vol. 6,pp.133-140,2012. 3) 東俊孝・高田知典・鈴木弘人・窪野琢也:プログラミング飛行型ヘリを用いた空間情報収集システム,土木学会年次 学術講演会,Vol.61,pp.539-540,2008. 4) 熊田貴之・宇多高明・鈴木真二・酒井和也・野志保仁・森田学・柄沢研治:無人飛行機(UAV)による新しい海岸モ ニタリング手法:海洋開発論文集,Vol.26,pp.1167-1171,2010.

5) YOMIURI ONLINE: http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110330-OYT1T00276.html, 2011.

6) 渡部要一・佐々真志:UAVとMASWを活用した効率的な干潟堆積土砂調査,海岸工学論文集,Vol.65,pp.1441-1445, 2009.

7) Norio HARADA: Predicting and Controlling Sediment Runoff caused by Heavy Rain in a Mountain Watershed, Doctoral Thesis, Ritsumeikan University, 2013.

表 1   今回使用した UAV の仕様
図 3   今回作成した三次元の地形モデル 表 3   空中写真測量の平面制御における精度
図 4   今回作成した地形図 図 5   草本等を除去してスムージングした A-A’  横断図(排土後の地すべり斜面)   今後、簡易に操作が可能な小型の UAV を用いた上空からのレーザ測量手法の提案を目的に、機体とレーザ ースキャナーとの改良を加えて開発していく予定である。 3.山地河川における河道幅の推定方法に関する提案 UAV により撮影された空中写真を用いて渓流の河道幅について精度良く予測するため、現地にて実測した 山地河道幅等の調査結果を用いて、新たな河道幅の推定方法について提案する。 (1)
図 9  河床勾配  I  と係数  R ( I )  との関係 2) に一部加筆 一方、既往研究 8) で提案されている式  (3)  における河床勾配を考慮した係数  R(I)  は、式  (4)  に示されるとお り、緩勾配区間においては河床勾配の影響を受けずに一定値とされている。ただし、河床勾配 I  が急な山地 河川においては、式  (4)  を満足しない。そこで、既往研究 8) で示されている河床勾配  I  と係数  R(I)  との関係に ついて、河床勾配  I  が急な区間を対象に、新たに

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