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災害監視・防災分野と光センシング

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Academic year: 2021

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57(1) 災害監視・防災のための光センシング技術

巻頭言

災害監視・防災分野と光センシング

竹 内 延 夫

(千葉大学名誉教授)  阪神・淡路大震災,中越大震災,2011 年 3 月 11 日の東日本大震災と,このところ大地震の 発生が記憶に生々しい.大地震に伴う津波,火災や原発事故ばかりでなく,台風・豪雨・竜巻 等の自然災害による洪水,土砂崩れなどのニュースも枚挙にいとまがない.これらの災害に対 する対策には,災害の実情把握がまずすべての第一歩であり,計測技術が重要となる.物の測 定には古来より各種の計測技術が開発されてきたが,その中でも光学に基づく測定は重要な役 割を果たしてきた.これは,われわれが外界から得る情報量の 8 ∼ 9 割は視覚によるものであ ることと関連している.  近年,エレクトロニクスやコンピューターの飛躍的発展とともに,計測技術も格段に向上し た.望遠鏡や顕微鏡などは典型的な例で,光学は天文,生体などの学問分野の発展に大きく寄 与してきたが,レーザーの発明により,周波数,位相,コヒーレンス,指向性などの制御が身 近なものとなり,レーザー技術は時間や長さの標準となるまでに至っている.この結果,光の 強度のみならず,波長や位相を使うことによって,応用範囲も工学,理学,医学,農学,気象, 環境など広い分野に広がった.  筆者が関わってきたライダーは大気環境を対象とするリモートセンシングであるが,ハード ターゲットを対象とする技術は,自然災害とも関連の深い地形等の測量に実用化されている. 現在,国土地理院から発行されている国土基本図は,航空写真と全地球型測位網(GPS)や慣性 計測装置(IMU)を組み合わせて作成されているが,レーザー技術を取り入れると,精密な 3D の計測が可能となる.レーザー・プロファイラーによる距離計測を取り入れた航空レーザー測 量により,数値表層モデル(DSM)や数値標高モデル(DEM)等の 3D の地形データが作製さ れている.これらは河川氾濫,地滑り,土石流の対策に利用されている.また,光の領域を電 磁波の領域まで広げ,赤外からマイクロ波・電波をも含めると,衛星からの計測,レーダー観 測,長基線電波干渉法などの新しい技術が展開されており,これも広義の光センシングといえ る.一方,光ファイバーは光を拡散させることなく,長距離を伝搬することが可能であり,建 造物のひずみセンサーをはじめとする各種のセンサーとして,また,センサーシステム系に有 効な支援技術としてのノイズフリーな電力給田システムとしての研究も進んでいる.  昨今,地球温暖化などにより,地球環境は大きく変動し,それに伴い,災害の発生も頻発し, 国民生活に甚大な影響を与えている.そこで本誌では,防災・減災をテーマにして,光技術が どのように寄与しているかについて最先端の研究を紹介する.この分野がますます発展し,防 災・減災に貢献することを期待する.

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