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IRUCAA@TDC : リハビリテーションの役割と課題

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Academic year: 2021

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(1)Title Author(s) Journal URL. リハビリテーションの役割と課題 新井, 健 歯科学報, 110(2): 86-87 http://hdl.handle.net/10130/1458. Right. Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/.

(2) 86. リハビリテーションの役割と課題 新. 井. 健. 市川総合病院リハビリテーション科. えてきている。高齢者の問題も含め種々のケースに. はじめに. 対応しつつ,よりよい形の自立を目標とし援助する. リハビリテーションとは,種々の疾患によって生. ことが,リハビリテーションの役割であり,患者の. じた神経・筋・骨格筋の運動障害(知覚障害) ならび. 利益のみならず,社会的な負担を軽減することにも. に高次機能障害を物理医学的手段により診断と治療. 貢献することとなる。. を行い,患者に身体的・精神的に生き甲斐のある社. 当院のリハビリテーション診療体制. 会生活が送れるように援助することである。従って その目指すところは,単に運動機能を高めるという. 当院のリハビリテーション科は,平成16年に前任. ことではなくて,患者が日常生活動作(ADL) を自. の高橋正憲前部長が,それまでは,整形外科の業務. 立 ま た は 手 段 的 日 常 生 活 動 作(I (instrumental). の一部として行っていたものを,口腔外科および脳. ADL) を快適に遂行でき,介護量を軽減し,ひいて. 血管障害,循環器疾患などに対するリハビリテー. は生活の質(QOL) を高めることにある。病院の各. ションの必要性が高まってきたことから開設した科. 診療科は,疾病または外傷を治療する。しかしなが. である。スタッフは,常勤医1名,非常勤医1名,. ら,疾病または外傷が改善しても,身体の機能不全. 理学療法士6名,作業療法士4名,言語聴覚士2. が残存した時や,入院中の安静による障害が起きた. 名,専属の看護師1名看護助手1名で構成されてい. 場合などは,社会生活に元のように復帰することは. る。対象疾患は,脳梗塞,脳出血,くも膜下出血,. できない。また,治療の限界により,どうしてもあ. 頭部外傷,脳腫瘍などの脳血管障害,脊髄疾患,末. る機能が失われてしまうケースもある。そのような. 梢神経障害,骨折,変形性関節症,切断,慢性関節. とき,残された能力を最大限に引き延ばし,なるべ. リウマチなどの運動器疾患,肺炎,肺気腫,慢性閉. く以前に近い形で社会復帰をめざす必要がある。リ. 塞性肺疾患などの呼吸器疾患,心筋梗塞や心不全な. ハビリテーションは,身体能力の改善とともに,. どの循環器疾患,脳性麻痺,運動発達遅滞,さらに. ケースワーカー,保健師,介護福祉士,ケアマネー. は開胸手術前の呼吸訓練,術後の廃用症候群など多. ジャー,行政側の担当者など多くの職種の方と連繋. 岐にわたる。当科では,上記のような疾患に対し,. を取りながら,家や職業の問題も含め,社会的な復. 主治医からの依頼を受け,当科のスタッフが中心と. 帰を目指すものである。近年,QOL に対する意識. なり,多くの職種からなるチームアプローチによっ. の高まりや人口の高齢化により,社会的にもリハビ. て総合的に評価,治療を行っている。リハビリテー. リテーションがますます重要になってきている。特. ションの診療は,当科医師による診察と処方によ. に,高齢の患者が増加してきているが,高齢者の場. り,理学療法士,作業療法士,言語聴覚療法士によ. 合,入院中の臥床による廃用性の変化を起こしやす. り行われる。理学療法とは,検査,測定/評価に基. く,回復にも時間がかかる。したがって,可及的早. づき,何らかの疾病,傷害(スポーツを含む) などに. 期にリハビリテーションを介しすることが治療後の. 起因する機能・形態障害に対する運動療法による筋. 自立のために必要となってくる。また,入院前から. 力,関節可動域,協調性といった身体機能,および. 障害のあるケースも増加傾向にあり,手術などの治. 温熱,水,光線,電気などの物理療法による疼痛,. 療前からリハビリが介入する必要があるケースも増. 循環などの改善を図る治療科学である。また能力障. ― 4 ―.

(3) 歯科学報. Vol.110,No.2(2010). 87. 害が残ったとき,基本的動作や日常生活活動を改善. おける QOL の改善の立場から,緩和ケアにも積極. するための指導,そして社会生活を送る上で不利な. 的に取り組んでいる。実際には,当科療法士が患者. 要素を少なくするための福祉用具の選定や住宅改. と接する時間が最も長くなるケースが多く,終末期. 修・環境調整,在宅ケアなどが含まれる。近年で. の患者の支えとなっていることも多い。. は,生活習慣病の予防,コントロール,障害予防も. 歯科・口腔外科との連携. 理学療法の対象になっている。当院では,脳血管障 害と運動器疾患を中心に行っているが,近年,呼吸. 口腔癌などの侵襲が大きい手術後には,臥床期間. 器疾患の増加と開胸手術に対応するために呼吸訓練. における廃用性変化が起きやすく,リハビリテー. にも力を入れている。次に,作業療法とは,身体又. ションの介入を必要とする場合が多い。また,歯. は精神に障害のある者,またはそれが予測される者. 科・口腔外科との共同作業になるが,言語聴覚療法. に対し,その主体的な生活の獲得を図るため,諸機. 士による嚥下訓練に力を入れている。よりきめ細か. 能の回復,維持及び開発を促す作業活動を用いて,. な療法が可能となり成果を出している。. 治療,指導及び援助を行うことをいう。実際には,. リハビリテーション科における研究. 上肢を中心にした運動機能障害,高次脳機能障害, 日常生活動作障害に対して,必要な運動・認知機能. 臨床的には,食道癌治療へのチームとしての参加. 訓練,身辺動作や家事訓練,復職に向けた訓練など. や歯科・口腔外科と連携した接触嚥下療法などリハ. を作業療法として行う。最後に,言語聴覚療法と. ビリテーション科として取り組んできたことに対す. は,音声機能,言語機能又は,聴覚に障害のある者. る評価を行い,成果を発信してきている。最近,重. についてその機能の維持向上を図るため,言語訓練. 心動揺計を導入し,脳血管障害,脊髄疾患の術前術. その他の訓練,これに必要な検査及び助言,指導そ. 後などにつき検討を行っており,早期リハビリや早. の他の援助を行う。実際には,失語症を含む高次脳. 期起床の影響につき調査を行っている。基礎研究と. 機能障害,言語発達障害,構音障害,摂食嚥下障害. しては,末梢神経の発芽及び再生に関する研究を院. などの対し,改善のための訓練を行っている。これ. 内施設で行っており,臨床的にも機能再建への応用. らの3部門の療法士が中心となり,各診療科はもち. を考えている。. ろんのこと特に脳卒中センター,脊椎・脊髄病セン. 今後の課題. ター,口腔がんセンターの入院患者を中心にリハビ リテーションを行っている。. リハビリテーション科は,主治医からの依頼が あって初めて介入が始まるというシステムになって. 当院でのリハビリテーションの役割. いる。そのため,主治医からの依頼がないまま,廃. 当院は急性期病院であることから,急性期の治療. 用性変化が進んでゆくケースも未だにある。主治医. 後,なるべく早期に社会復帰させることが最も重要. や病棟の啓蒙により,このようなケースをなくして. なことであると考えられる。そのためのも,可及的. いきたいと考えている。. 早期にリハビリ介入を開始し,的確なゴールの設定. さいごに. を行い,チームとして患者を支援していくことに努 めている。ことに,侵襲の大きな手術の場合には,. 当科は当院では比較的新しい診療科であるが,各. チームを組み術前から介入を行っている。食道癌. 診療科と連携をとりつつ患者の QOL の向上と自立. が,典型的なケースであるが,チームとして介入す. を促進することが,患者の利益のみならず,病院の. る前と比較すると,明らかな入院期間の短縮と,早. 評価や社会的負担の軽減になることを肝に銘じつつ. 期の患者の自立がみられている。また,癌終末期に. 今後も努めてゆきたい。. ― 5 ―.

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