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テナガホンヤドカリの相対繁殖成功度の試算(ミニシンポジウム : 『甲殻類の繁殖様式』を終えて)

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Academic year: 2021

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(1)

The Carcinological Society of Japan

NII-Electronic Library Service The  Caroinologioal  Sooiety  of  Japan

ミニ シ ンポ ジウム

33

後 期の もの で は後 続の 頭 部 付 属 肢 が 原 器 と し て 備 わ り

メ タノ

プ リ ウス幼生 と呼 ばれ ま す

 

十脚 類を中心 に見て み る と

プ リウス

生 の次 は ゾエ ア

生 です

ゾエ

主な 遊泳 器 官が胸 部 付 属 肢で あ る こ とが特 徴で 幾つ かの ス テ

ジを経 て成長 し てい き ま す

カニ 類で は

2

〜 8

ス テ

ジ, エ ビ類では

10

ス テ

前 後の もの が知ら れて い ま す

各ス テ

ジの特徴 と しては

1

ス テ

ジで は共 通し て複 眼が背 甲に固 着 し, 腹 部が

5

節か ら な ります

.第 2

ス テ

ジで は

複 眼が分 離 して有 柄 とな り

尾 節が

2

節に分 節 し て

腹 部 が

6

節と な ります

3

ス テ

ジ 以降は遊 泳 肢の 剛 毛が

2

本 ずつ してい き

後 続の胸 部 付 属 肢や腹 部 付 属 肢が原 器として 出 現 し随 時 発 達 して い き ます

ま た

ゾエ ア幼生 は各 分 類 群によ り形 態 が 特 徴 的であ り

エ ビ類

般で は ミ シ ス幼生

イセエ ビ 類で は フ ィ ロ ゾ

生等

そ れ ぞ れ特 有の 名 前で 呼ばれ ます

 ゾエ ア幼生 の次に メガ ロ バ 生へ 変 態 し ま

メ ガ ロ バ 幼 生 と は, 腹 肢に より遊 泳 する幼生 の

です

全 体 的に かな り発 達し てい て

そ れ ぞ れ

ビ 類

カ リ類

カニ 類 らしくな り ます が, い ずれ も, 成 体の 形 態と はか な り異 なっ たも の で, 近 縁 種間で は差 異が はっ き り しない こ とが 多い ようです

普通, メ ガ ロ バ 幼 生は た だ

1

ス テ

ジ だ

メ ガ ロ バ 生 も分 類群に よ り特 徴 的 で, エ ビ類で は ポス トラ

バ , ヤ ドカリ類で は グ ロ コ

, イセエ ビ類はプエ ル ル ス幼生

セ ミ エ ビ 類 は 幼 生 等名 前呼ば れます

 

十脚 類以外の 分 類群 につ い て もそ れ ぞ れ様々な

生 を経 ます

口脚 類で は シ ャ コ類幼 生, オ キ ア ミ類で は カ リ プ ト ピス

生, フ ルキ リ ア

生, フ クロエ ビ類で はマ ン カ幼 生, 蔓脚 類 で はキプ リス 幼生

カ イア シ類で はコ ペ ボ デ

等.

脚 類の 生 は

Williamson

に よっ て 遊泳肢 が ど こ の付 属 肢である か に よっ て

プリ ウス

ゾエ , メ ガ ロバ 幼生に分 類 さ れてい ま す が, こ の定 義を 十脚 類以外の分 類群 の幼生 に も当ては め る と

カ イア シ類のコ ペ ボデ ィッ ト幼生 と蔓 脚 類の キ プリス

オ キ ア ミ対の カ リプ ト ピス 生 は ゾエ

脚 類 幼生 と ロ エ ビの マ ン カ幼生 はメガロ バ 生 に相 当す ると考 えら れ ます

 これ らの幼 生の特 徴をみ ます と

各 幼生 は甲 殻 類 の

統 と類 似 する よ うに思わ れ ま す

すな わ ち

プリウ ス 幼 生は頭 部 付 属 肢が遊 泳 器 官であ り, こ れ は

鰓脚類の員 甲 類 と枝 角 類に類 似 し ま す

ゾエ 幼 生は胸 肢 が 遊 泳 肢であ り

腹 部に は

属 肢が未 発 達です

これは 鰓 脚 類の無 甲 類や

カイア シ類, 鰓尾類 等の 切 甲 類に相 当 しま す

メ ガロ バ 幼 生は腹 部 付 属 肢が遊 泳 器 官であ り

これ は等脚類や端 脚 類 等の 軟 甲 類に相 当 する ように思 い ま す

テ ナ ガホンヤ ドカ リ の相

対繁

殖 成 功 度の試 算

 

和 田

 

北 海 道大学 水産学 部

 多

くの小 型甲殻 類 と同

ヤ ドカ リ では

般 に

個 体マ

キン グ お よ びマ

キン グ個

の追跡 が困 難である た め

実際 に, 雄の 繁 殖 成 功 度 が 体 サ イ ズ と どの ような関 係に あ るの か調べ は な い ようである

本 研究で は

テナガ ホ ンヤ ドカ リ

Pagurns

 middendorffii を 材

と し て, ヤ ドカ リ が 交 尾 前ガ

ド行 動を示 すこ と を利 用して, 雌 雄の 繁 殖 成 功 度の 算 出を試み た

 テ ナ ガ ホン ヤ ド カ リ は

主 に岩 礁 域の潮 間 帯か ら浅い 潮 下 帯にか けて分 布す る 北方 系のヤ ドカ リ である

函 館 湾 葛 登 支 岬 周 辺におい て

本 種の産 卵 期は

11

月 上旬を ピ

ク と して

10

月 下旬か ら

12

月 上旬で あ り, 抱 卵 期 間は約

3.

5

ヵ 月 だっ た

雌の 産 卵回数は年

回だっ た た め

雌の 繁 殖成 功度は

その抱 卵 数と

致 する とみ な すこと がで き た

雌の 体サイズと抱 卵 数の 間には有 意な 正の相 関が あ り

抱 卵 数は体サ イ ズの約

3

乗に比例 して増 加した

  本 種 は 他のヤ ドカ リ類 と同 様に交 尾 前ガ

ド行 動 を行い

雄 間の雌を め ぐる激しい 競 争 が, 野外 及び室 内 実 験におい て観 察 される

室 内 実 験の 果, 雄問の競 争の勝 敗は

直 接 的 あるい は間接 的に体サ イ ズに強 く依 存 して い た

こ の こ とか ら

野 外 におい て 雄の

間繁 殖 成功 度 は体 サ イ ズ と 強い 正 の関を 示 すこ と が 予想さ れる

雄の繁 殖 成功度 を以 下の手順 で求め た

 

まず, 全 体の サ イズ組 成とガ

個 体 イ ズ 組成 か ら,

サ イ ズ ク ラス に おける ガ

ド個

を算 出 するこ と によっ て

テ ナ ガホ ン ヤ ドカ N工 工

Eleotronio  Library  

(2)

The Carcinological Society of Japan

NII-Electronic Library Service The  Caroinologioal  Sooiety  of  Japan

34

ミニ シ ンポ ジウ ム リの雄のサ イ ズ ク ラ ス ご との 相 対 交 尾 成功 度を求 め た

さらに

本 種では, 交尾前ガ

雌 雄の サ イ ズ が 正の 相関 を示 し

サ イ ズ同 類 交配 がみ ら れ たの で

各サイ ズクラス の のペ アと なっ てい た雌の平 均 抱 卵 数 を求め 相 対 交 尾 成 功 度との を相 対 繁 殖 成 功 度 と した

 

その結 果

雄の相 対繁殖 成功 度は

2.

5mm

ま で は ほ とん ど

0

であ り

さ ら に

,約3 .

5mm

以 上 で は

繁 殖 成 功 度の 増 加 率が2

5mm か ら

3.

5mm まで の増 加 率 に 比 べ る と極め て 小 さ くな る

ある い は

逆に繁 殖 成 功度 が 減 少 して し まうとい う 結 果が得 ら れ た

N工 工

Eleotronio  Library  

参照

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