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奥村 拓朗1)  伊藤 雅広2)  近藤 智靖2) 今関 豊一2)  滝沢 洋平3)  岡出 美則2)

体育授業における個人ベースのゲームパフォーマンス評価:

小学校 6 年生のゴール型のカリキュラム評価を通じて

1) 日本体育大学大学院 〒 158-8508 東京都世田谷区深沢 7-1-1 2) 日本体育大学 〒 158-8508 東京都世田谷区深沢 7-1-1 3) 大阪体育大学 〒 590-0496 大阪府泉南郡熊取町朝代台 1-1 連絡先 奥村拓朗

1. Nippon Sport Science University Graduate School 7-1-1 Fukasawa, Setagaya-ku, Tokyo 158-8508 2. Nippon Sport Science University

7-1-1 Fukasawa, Setagaya-ku, Tokyo 158-8508 3. Osaka University of Health and Sport Sciences

1-1 Asashirodai, Kumatori-cho, Sennan-gun Osaka 590-0496 Corresponding author okutaku1002@gmail.com

Abstract: The revision of competency-based courses of study has increased the importance of assessment. However, individual-based game performance assessment in PE classes has not been employed due to insufficient trials for calculating the individual-based success rate. In this study, we attempted to perform curriculum assessment based on individual-based game performance using the number of trials and successes as indicators. We conducted 8-hour flag football units for 6th graders (n=103). All games were video-recorded and the individual game performances of those who participated in all classes (n=81) were assessed. The interobserver agreement between 2 analysts was 95%. The study showed that it was possible to assess the degree of individual achievement, and to identify children who had few learning opportunities during games. These results provide effective feedback for assessing the intended curriculum based on the learned outcomes of individual children, making it possible to derive a more developmentally appropriate curriculum for games teaching based on performance standards. Key words : flag football, GPAI, low-skilled children

キーワード:フラッグフットボール,GPAI,技能下位児

OKUMURA Takuro1, ITO Masahiro2, KONDO Tomoyasu2, IMAZEKI Toyokazu2, TAKIZAWA Youhei3 and OKADE Yoshinori2: Individual-based game performance assessment of 6th graders in physical education class based on flag football games. Japan J. Phys. Educ. Hlth. Sport Sci.

Ⅰ 緒 言 2017 年の学習指導要領改訂においては,子ど もが未来社会を切り拓くための資質・能力を一層 確実に育成することが目指された(文部科学省, 2017,p.2).この改訂は,内容ベースから資質・ 能力ベースへの改訂として特徴付けられる(文部 科学省,2014).また,同時にスタンダードベー スのカリキュラム開発(岡出,2010)の過程とし て解釈できる.このスタンダードベースのカリキ ュラム開発に際しては,子どもがそこで示された スタンダードを結果として達成したかどうかを評 価するカリキュラム評価が不可欠になる(Lund and Tannehill, 2015, p.8).このような背景から, 体育授業でも個々の種目を経験させるだけではな く,設定した指導内容の習得とその習得を確認す るための評価の重要性がより一層高まっている. また,評価に関しては生徒の学習成果の評価, 授業評価並びにカリキュラム評価に区別される. これらの中でカリキュラム評価は,実施した授業 の成果に関する情報を管理職や教師にフィードバ ックすることが意図される(Lund and Tannehill, 2015, p.107).また,カリキュラム開発の中核に

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学力評価を位置づけ,カリキュラム改善を図る試 みである(西岡,2019,pp.102-103).そのため, カリキュラム評価に際しては,計画したカリキュ ラム,実施したカリキュラム並びに達成したカ リキュラム(安彦,2019,p.3)の関係を踏まえ, 育成可能な資質・能力やその育成に向けて指導内 容の妥当性やそれらを達成するために必要な条件 を検証していくことが必要になる. そのため,スタンダードベースのカリキュラム 開発に長年取り組んできたアメリカにおいては, ナショナルスタンダード初版(NASPE, 1995)以 降,体育授業の評価方法に関連した資料集が積 極的に提案,出版されていた(岡出,2019).そ の成果の 1 つが 2 版以降のナショナルスタンダ ー ド(NASPE, 2004; SHAPE, 2014) に 対 応 し た PE Metrics であった(NASPE, 2010, 2011; SHAPE, 2019).それらは,真正の評価やルーブリック, ポートフォリオ,パフォーマンススタンダード, コンテンツスタンダード等の考え方を踏まえたも のであった.さらに,球技の評価に関しては種目 の枠を越えたゲームパフォーマンス評価法も提 案されてきた(Arias and Castejon, 2012; Memmert and Harvey, 2008; Oslin et al., 1998).

これらのゲームパフォーマンス評価は,真正の 評価で求められるようなゲーム中のパフォーマン スを評価することを可能にし,新規の課題の学習 へと児童生徒を方向付けることが容易となる.し かし,スキルテストと比較した場合,個人のゲー ムパフォーマンスの評価という点で問題を抱えて いる.ゲーム中には評価したい場面に直面しない あるいは試行しない児童生徒が想定できるためで ある(出原,1991;Lund and Kirk, 2010, p.83;鬼 澤ほか,2008;シーデントップ,2003).これに 起因し,個人の成功率を算出しようとした際には 十分な試行数が確保されず,個人のパフォーマン スを成功率で算出することが困難である.そのた め,どの程度の達成度を期待すればよいのか,そ の根拠となるデータの蓄積がなされないままであ る.加えて,パフォーマンス課題となるゲームの ルールにより期待できる達成度が異なるという問 題も残されている. また,学級やチームといった学習集団の成功率 を算出することで集団のゲームパフォーマンスを 評価することができても,個人のゲームパフォー マンスを評価することにはならない.アメリカの ナショナルスタンダード開発に対応した評価法開 発の過程において個人が習得可能な目標設定が求 められていたこと(Markos, 2007)を踏まえれば, チームのゲームパフォーマンスだけでなく,個人 のゲームパフォーマンスを評価することが求めら れる.同時に,上手な児童生徒がより多くの学習 機会を得ること(森山,2019;Otomo and Ogawa, 2003)を踏まえれば,ゲーム中の試行数にも同様 の偏りが予想される.そのため,集団の特徴を表 す代表値として集団の成功率を用いることに対し ても疑問が残る.技能下位児がゲーム中に抱える 困難が見えないためである. この状況改善に向けては,ゲームパフォーマ ンスを成功率ではなくプレイの試行数・成功数 を評価指標として,それらを個人ベースで集計・ 評価することで個人ベースのゲームパフォーマ ンス評価を実施する案が考えられる.このよう な評価を実施することで,概ねの児童生徒が通 過できる試行数・成功数を評価指標として,カ リキュラムで示された目標の妥当性や多くの児 童生徒が目標を達成可能となるゲームの修正方 法の検討も可能になると考えられる. この点に関する数少ない我が国の先行研究と して北村ほか(2014)によるネット型の検討, 中垣・岡出(2009)によるベースボール型の検 討が見受けられる.しかし,ゴール型でこのよ うな検討はみられない.カリキュラム上では 3 つ の型が必ず取り上げられることから,この課題に 対する早急な取り組みが求められる. そこで本研究では,体育授業のゴール型におい て個人ベースのゲームパフォーマンス評価を実施 し,カリキュラム評価の手法としての個人ベース のゲームパフォーマンス評価の有用性を検討し た.

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Ⅱ 方 法 1. 種目・期日・対象・教師 授業の種目,実施期日,児童数,授業を実施し た教師の特徴は表 1 のとおりである.本研究にお いて対象とした授業ではゴール型の中でも作戦の 立案・実行が比較的容易なフラッグフットボール (吉永ほか,2004)を修正したゲームを実施した. 授業は X 県 Y 市の Z 小学校で実施し,各学級 の担任教師が指導した.なお,3 人の教師のうち 教師 A は前年度に長期研修生として中学年のフ ラッグフットボール単元の指導経験を有してい た. また,単元実施前には,授業を実施した教師 A,フラッグフットボール協会の教材開発や学習 指導モデルの提案に関与してきた体育科教育学を 専門とする大学教員,フラッグフットボールの競 技歴 12 年の大学院生,アメリカンフットボール の競技歴 4 年の大学院生の計 4 名の研究チームか ら教師 B・C に指導内容と指導方法を伝えるミー ティングを行った.また,教師 B・C が授業を実 施する前には教師 A から助言を受けた.さらに, 毎回の授業終了後には,授業の観察記録を形成的 授業評価の結果と併せて担当する教師に伝えられ た. なお,これらの授業の実施,撮影および分析は, 教師,保護者,学校長の了承を得て行われた.(日 本体育大学倫理委員会承認番号 018-H020) 2. 対象単元で期待する学習成果の設定 対象単元で期待する学習成果の設定は,平成 25 年度学習指導要領実施状況調査(小学校 体 育(運動領域))(国立教育政策研究所,2018)で 例示項目が調査項目として設定されたことを踏ま え,2017 年版小学校学習指導要領解説における ゴール型の技能の例示を設定した(表 2 参照). 授業ではこれらを期待する学習成果として児童に 伝えるとともに,それらを実現する作戦の立案と 実行を求めた. 3. 単元計画 対象単元の単元計画は,図 1 に示した.単元計 画並びに授業計画は前述した計 4 名の研究チーム による協議により作成した. この授業ではスポーツ教育論(Siedentop et al., 2011)の方針に則って単元経過に即した学習の段 階が設定された.チームとしてのパフォーマンス 向上に向け誰もがゲームに参加できることを重視 する第 1 段階(1―3 時間目),チームの方針に基 づき個々人の役割を明確にして個々人の課題改善 に取り組む第 2 段階(4―6 時間目),チームとし てそれを最適の状態で発揮する第 3 段階(7―8 時間目)である.第 1 段階は,チーム内のメンバ ーがゲームで何ができているか,どのような課題 種目 フラッグフットボール 学年 6 年生 学校 X 県 Y 市 Z 小学校 時期 2018 年 11 月 16 日~ 12 月 7 日 時間 8 時間 学級 3 学級 人数 1 組 35 人 2 組 35 人 3 組 33 人 計 103 人(男子 57 人 女子 46 人) 教師 教師 A:1 組担任・教職 12 年目教師 B:2 組担任・教職 2 年目 教師 C:3 組担任・教職 10 年目 表 1 授業の種目,実施期日,児童数,授業を実施した 教師の特徴 対象単元で期待する技能の学習成果 (2017 年版小学校学習指導要領解説高学年ゴール 型における技能の例示) 1 近くにいるフリーの味方にパスを出すこと。 2 ボール保持者と自己の間に守備者が入らないように移動すること。 3 得点しやすい場所に移動し、パスを受けてシュートなどをすること。 4 相手にとられない位置でドリブルをすること。 5 ボール保持者とゴールの間に体を入れて守備をすること。 表 2 対象単元で期待する学習成果

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を抱えているのかをチーム内で確認する段階であ る.第 2 段階は,第 1 段階での確認内容を踏まえ, チームの方針や作戦について合意を形成する段階 であり,ゲーム中に個々人が担うべき役割を確認 し合うとともに,それがどの程度達成可能かを確 認し合う段階である.第 3 段階は,第 2 段階の成 果を踏まえ,チームの実態に応じた作戦を確認し, それを実行する段階である.このような段階を経 ることで,すべての児童が授業の指導内容を確実 に習得する過程を保障しようとした.そのため, チームは 8 時間の単元を通じて固定された.チー ムメイトはチームの向上に向けて誰もが責任を負 うとともに,その達成に向け誰もが支援し合う関 係を構築していくことを促された. 下位教材であるサインパスゲームは,攻撃 2 人 対守備 0 人の守りがいない状況で,パス・キャッ チ・ランアフターキャッチ(キャッチ後のラン) を繰り返し練習する場として設定された.2 時間 目に練習を行い,3 時間目から 8 時間目まで単元 を通じて実施された.作戦練習ゲームは,きょう だいチームを相手に立案した作戦を練習する時間 として設定された.3 時間目から 7 時間目まで単 元を通じて実施された. 授業では,特定の正解パターンではなく投げ手 と受け手の間に守備が入らないようにする状況判 断の原則を指導し,この原則に則って作戦を立案 及び選択させた.また,ボールを持たない人には, ボールを受ける役割とおとりの 2 つの役割がある こと,ボールを持っていないときには誰がどの役 であるのかを作戦会議で確認すること並びにゲー ム中にはこれらの役割が守備の対応によって変わ る可能性があるためボールを投げる人は誰にボー ルを投げるのかをゲーム中に判断することを指導 した.同時に,ボールを持たない人にも自分がど の役割になっているのかをゲーム中に自分で判断 してプレイすることを求めた. 4. メインゲームのルール(図 2) 授業で設定するメインゲームは,ゲームパフォ ーマンスを評価するためのパフォーマンス課題と いえる.そのため,個人が指導内容をゲーム中に 適切に発揮できるようにゲームのルールを修正す ることが必要になる.そこで,ゲームの修正に際 しては授業で期待する学習成果を踏まえ, 多くの 児童にプレイを発揮する機会と成功を保障するこ と(岡出,1995)を意図した. そのため,全員にすべての役割を経験させるた め,毎回の攻撃のたびにポジションのローテーシ ョンを行わせた.1 チームの攻撃に確保された時 間は 3 分程度で,すべてのチームがゲームを行う 時間は,攻撃の間の作戦会議や攻守交代を含めて 15 分程度であった. また,今回実施したゲームではダウン・アンド・ ディスタンス制注 1)を用いず,進めたところまで を得点とするルールを用いた.このようなルール は,日本フラッグフットボール協会の指導資料 (日本フラッグフットボール協会,online)をはじ め,複数の実践報告(有坂ほか,2019;小畑ほか, 2007;坂本,2018,pp.54-59;白旗,2016)にみ られるルールである.このルールは,ゲームパフ ォーマンスを発揮する条件がスタート時点では常 に同じ条件となるため児童には理解しやすく,思 考した作戦の評価を行い易い条件を備えたルール といえる.そのため,パフォーマンス課題として



図1 単元計画 図2 メインゲームのコート図とルール 表1 授業の種目,実施期日,児童数,授業を実施した教師の特徴 フラッグフットボール 6年生 X県Y市Z小学校 2018年11月16日〜12月7日 8時間 3学級 1組 35人 2組 35人 3組 33人 計 103人(男子57人 女子46人) 教師A:1組担任・教職12年目 教師B:2組担任・教職 2年目 教師C:3組担任・教職10年目 種目 学級 人 数 教師 学年 学校 時期 時間 図 1 単元計画

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より好ましい条件を備えていると考えた. さらに,攻撃前には 4 回分の作戦の構成を決定 させた.その際,得点状況や勝敗にこだわること で思考した作戦を破棄してしまわないように,自 チームの長所や課題をサインパスゲームと作戦練 習ゲームで事前に確認しておき,そこで把握した 長所や課題に応じて作戦を選択することを授業中 に求めた.これらは,選択した作戦の評価を行い 易くすると同時に課題志向的な学習を促す方策で あった. 5. 映像の撮影方法と分析方法 データ収集に際しては,3 時間目から 8 時間目 に実施された 7 回のメインゲームをグラウンドに 面した校舎の 4 階ベランダからデジタルビデオカ メラ(SONY 社 HDR-CX270V)で撮影した. ゲームパフォーマンスの評価規準は表 3 に示し た.これらの評価規準の設定に際しては期待する 学習成果と対応させるとともに Game Performance Assessment Instrument(GPAI)(Oslin et al., 1998) で用いられた概念と評価方法を参考にした. なお,GPAI のサポートはパスターゲットにな ったかどうかは関係なく評価するが,この授業で は作戦として,パスターゲットにならない児童は わざとディフェンスにマークされるようにしてデ ィフェンスを引き付けることを指導していたた め,パスターゲットになった児童のみをサポート の評価対象とした. 分析結果の信頼性を確保するため,メインゲー ムを実施した 3 時間目から 8 時間目のうち 1 時間 以上欠席・見学等でゲームに参加しなかった児童 は,分析の対象から除外した.そのため,分析対 象となった児童は,1 組が 31 人,2 組が 23 人,3 組が 27 人,合計で 81 人となった. また,体育科教育学を専門とする大学院生 2 名(フラッグフットボールの競技歴 12 年・アメ リカンフットボールの競技歴 4 年)が,設定した 評価規準を用いてそれぞれ独立して事前分析を行 った.その結果,95%と十分高い一致率 注 2)(「パ スレーンの確保」:12/12,「ゴールへの走路の確 保」:10/12,「パスの精度」:12/12,「サポート」: 12/12,「キャッチ」:10/12,「スペースへのラン」: 12/12,「カバー」:12/12)が得られた注 3).その後, フラッグフットボールの競技歴 12 年の大学院生 1 名が分析した. 統計処理は,試行数が多いプレイと少ないプレ イならびに成功数が多いプレイと少ないプレイを 明らかにするため一元配置分散分析と多重比較を 行った.多重比較は Holm の方法を用いた.なお, 一連の統計処理については HAD16.01 を用い,有 意差については 5%の水準で判定した. また,個人ベースのゲームパフォーマンス評価

1点

3点

2点

投げ手 受け手orおとり 守り <ルール>攻撃4人、守備2人。1チーム4回の攻撃を行う。二重線がスタートライン。毎回の攻撃のたびに、ポジションをローテーションする。受け手は1-3点ゾーン内で投げ手から投げられたボールをキャッチすることが でき、そのエリアの得点が入る。ボールをキャッチできず、落としても得点が入る。ボールをキャッチできれば、そのままボールを持って走ることができる。ボールを持ってコート最奧のラインを超えれば4点、フラッグを取られたり外に出 たりしたときは進んだエリアまでの点数を加点する。キャッチしたエリアやキャッチしたエリアより点数の低いエリアでフラッグを取ら れたり外に出たりした場合は点数を加点することができない。攻撃はボールを持ってスタートラインを越えることができない。守備はスタートラインを越えることができない。投げ手は7秒以内にパスを投げなければいけない。 4m 5m 6m 3m 15m 図 2 メインゲームのコート図とルール

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によって得られた試行数及び成功数の結果の個人 差を検討するためにパーセンタイル値ならびに変 動係数注 4)を算出することとした.指導内容がど の程度達成されているかを検討するため,7 割の 児童が通過できる基準として 30 パーセンタイル 値を用いた.この 7 割という基準は,学習指導要 領の妥当性の検証(高橋,2010)やネット型とベ ースボール型の先行研究(北村ほか,2014;中垣・ 岡出,2009),学習指導要領実施状況調査(国立 教育政策研究所,2018)を踏まえて設定した.ま た,試行数・成功数の多い児童の試行数・成功数 については,上位 1 割しか通過できない 90 パー センタイル値を用いた.また,変動係数はデータ のばらつきを相対的に比較することのできる数値 である.そのため,試行数・成功数のばらつきに ついてプレイ間で比較することを意図して変動係 数を算出した. Ⅲ 結 果 1. 試行数 3 時間目から 8 時間目に行われた 7 回のメイン ゲームにおけるすべてのプレイを個人ごとに集計 し,1 ゲーム(攻守合わせて 6 分,各チーム 4 回 攻撃・4 回守備)あたりの試行数の平均値・標準 偏差・変動係数・最小値・最大値・パーセンタイ ル値を算出した(表 4). 3 学級を一括した 1 ゲームあたりの試行数の平 均値では,「パス」が 1.01 回,「パスターゲット」 が 0.98 回,「パスレシーブ」が 0.74 回,「ランア フターキャッチ」が 0.50 回,「ディフェンス」が 1.99 回であった.「パスターゲット」,「パスレシ 目標 役割 プレイ プレイの定義 評価カテゴリー 成否等 評価規準 タイミング評価の 近くにいるフリー の味方にパスを出 すこと。 投げ手 パス パスを投げる こと 意思 決定 パス レーンの 確保 適切 投げ手と受け手を結ぶ線上にディフェン スがいない。 パスを 投げるとき 不適切 投げ手と受け手を結ぶ線上にディフェン スがいる。 ゴール への走路 の確保 適切 受け手とゴールを最短距離で結ぶ線上にディフェンスがいない。 不適切 受け手とゴールを最短距離で結ぶ線上にディフェンスがいる。 技能 発揮 パスの 精度 成功 受け手の膝より高い高さで手の届くところに投げた。 パスを 受けるとき 失敗 受け手の膝より低い高さや手の届かないところに投げた。 ボール保持者と自 己の間に守備者が 入らないように移 動すること。 受け手 パス ターゲット パスの受け手 になること サポート 成功 投げ手と受け手を結ぶ線上にディフェン スがいない。 パスを 投げるとき 失敗 投げ手と受け手を結ぶ線上にディフェン スがいる。 得点しやすい場所 に移動し、パスを 受けてシュートな どをすること。 パスレシーブ パスが手元に到達すること 技能発揮 キャッチ キャッチ ボールをキャッチできた。 パスを 受けるとき タッチ ボールに触れたが、キャッチできなかっ た。 失敗 触れることのできるボールに触れることができなかった。 相手にとられない 位置でドリブルを すること。 ランアフター キャッチ ボールを キャッチして 走ること 技能 発揮 スペース へのラン 成功 フラッグを取られずに前方の得点ゾーンへ移動した。 プレー 終了時 失敗 フラッグを取られずに前方の得点ゾーンへ移動できなかった。 ボ ー ル 保 持 者 と ゴールの間に体を 入れて守備をする こと。 守り ディフェンス 守備プレイ ヤーとなるこ と カバー 成功 ゴールに向かう受け手のランを妨げることのできる位置にいる。 パスを 受けるとき 失敗 ゴールに向かう受け手のランを妨げるこ とのできる位置にいない。 表 3 ゲームパフォーマンスの評価規準

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プレイ 学級 n 平均値(回) 最小値(回) 最大値(回) 標準偏差 変動係数 パーセンタイル値(回) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 パス 1 組 31 0.97 0.43 1.43 0.17 0.18 0.43 0.86 0.86 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.14 1.43 2 組 23 1.02 0.57 1.71 0.22 0.21 0.57 0.86 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.34 1.71 3 組 27 1.03 0.43 2.43 0.35 0.34 0.43 0.71 0.80 0.86 1.00 1.00 1.00 1.14 1.14 1.31 2.43 3 学級 81 1.01 0.43 2.43 0.25 0.25 0.43 0.86 0.86 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.14 2.43 パス ターゲット 1 組 31 0.99 0.43 1.86 0.41 0.42 0.43 0.46 0.57 0.71 0.86 1.00 1.00 1.20 1.37 1.69 1.86 2 組 23 0.94 0.00 2.86 0.71 0.76 0.00 0.29 0.43 0.43 0.51 0.71 0.91 1.26 1.46 2.17 2.86 3 組 27 1.01 0.14 1.86 0.49 0.49 0.14 0.40 0.51 0.71 0.86 1.00 1.14 1.23 1.54 1.74 1.86 3 学級 81 0.98 0.00 2.86 0.53 0.54 0.00 0.43 0.43 0.57 0.71 0.86 1.00 1.14 1.43 1.71 2.86 パス レシーブ 1 組 31 0.68 0.14 1.86 0.38 0.56 0.14 0.17 0.29 0.51 0.57 0.57 0.74 0.86 1.00 1.11 1.86 2 組 23 0.76 0.00 2.71 0.70 0.92 0.00 0.06 0.29 0.31 0.43 0.43 0.63 0.86 1.31 2.03 2.71 3 組 27 0.80 0.14 1.57 0.42 0.52 0.14 0.29 0.37 0.49 0.60 0.86 0.97 1.00 1.14 1.46 1.57 3 学級 81 0.74 0.00 2.71 0.50 0.67 0.00 0.29 0.29 0.43 0.57 0.57 0.86 0.86 1.00 1.43 2.71 ラン アフター キャッチ 1 組 31 0.46 0.00 1.71 0.37 0.80 0.00 0.00 0.14 0.29 0.29 0.43 0.43 0.57 0.71 0.97 1.71 2 組 23 0.46 0.00 1.86 0.57 1.25 0.00 0.00 0.00 0.14 0.14 0.29 0.29 0.43 0.77 1.74 1.86 3 組 27 0.57 0.00 1.57 0.42 0.74 0.00 0.11 0.23 0.29 0.43 0.57 0.57 0.80 0.86 1.34 1.57 3 学級 81 0.50 0.00 1.86 0.45 0.90 0.00 0.00 0.14 0.29 0.29 0.43 0.43 0.57 0.86 1.00 1.86 ディフェンス 1 組 31 1.91 1.00 2.29 0.33 0.17 1.00 1.20 1.86 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 2.14 2.26 2.29 2 組 23 2.01 1.57 3.86 0.52 0.26 1.57 1.57 1.71 1.86 1.86 2.00 2.00 2.00 2.00 2.77 3.86 3 組 27 2.06 1.86 3.00 0.22 0.11 1.86 1.86 1.86 2.00 2.00 2.00 2.11 2.14 2.14 2.14 3.00 3 学級 81 1.99 1.00 3.86 0.37 0.18 1.00 1.71 1.86 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 2.14 2.14 3.86 *試行数の差の検定(一元配置分散分析) F=310.448 p<0.05 多重比較(Holm)  ランアフターキャッチ<パスレシーブ<パス、パスターゲット<ディフェンス 表 4 1 ゲームあたりの試行数 ーブ」,「ランアフターキャッチ」は最小値が 0 であり,単元中のメインゲームで1回も試行して いない児童が存在していた. また,3 学級を一括した 1 ゲームあたりの試行 数の 30 パーセンタイル値では,「パス」が 1.00 回,「パスターゲット」が 0.57 回,「パスレシーブ」 が 0.43 回,「ランアフターキャッチ」が 0.29 回,「デ ィフェンス」が 2.00 回であった. 一方,3 学級を一括した 1 ゲームあたりの試行 数の 90 パーセンタイル値では,「パス」が 1.14 回,「パスターゲット」が 1.71 回,「パスレシーブ」 が 1.43 回,「ランアフターキャッチ」が 1.00 回,「デ ィフェンス」が 2.14 回であった. 試行数の差を検討する一元配置分散分析の結 果,試行数には有意な差があった(F=310.448)(p < 0.05).多重比較の結果,「ランアフターキャッ チ」は最も試行数の少ないプレイで,「ディフェ ンス」は最も試行数の多いプレイであった. 変動係数は,「パス」と「ディフェンス」が 0.2 前後と低い水準で,「パスターゲット」,「パスレ シーブ」,「ランアフターキャッチ」は 0.5 を超え 中程度以上であった.特に「ランアフターキャッ チ」は 0.90 と高い水準の値であった. 2. 成功数 3 時間目から 8 時間目に行われた 7 回のメイン ゲームにおけるすべてのパフォーマンスを個人ご とに集計し,1 ゲーム(攻守合わせて 6 分,各チ ーム 4 回攻撃・4 回守備)あたりのプレイの成功 数について,平均値・標準偏差・変動係数・最小 値・最大値・パーセンタイル値を算出した(表 5). 3 学級を一括した 1 ゲームあたりの成功数の平 均値では,「パスレーンの確保」が 0.86 回,「ゴ ールへの走路の確保」が 0.81 回,「パスの精度」 が 0.64 回,「サポート」が 0.85 回,「キャッチ」 が 0.51 回,「タッチ or キャッチ」(タッチまたは キャッチ)が 0.69 回,「スペースへのラン」が 0.34 回,「カバー」が 0.80 回であった.「サポート」, 「キャッチ」,「タッチ or キャッチ」,「スペースへ のラン」,「カバー」は最小値が 0 であり,単元中

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のメインゲームで1回も成功していない児童が存 在していた. また,3 学級を一括した 1 ゲームあたりの成功 数の 30 パーセンタイル値では,「パスレーンの確 保」が 0.71 回,「ゴールへの走路の確保」が 0.71 回, 「パスの精度」が 0.43 回,「サポート」が 0.53 回, 「キャッチ」が 0.29 回,「タッチ or キャッチ」が 0.29 回,「スペースへのラン」が 0.14 回,「カバー」 が 0.43 回であった. 一方,3 学級を一括した 1 ゲームあたりの成功 プレイ カテゴリー評価 学級 n 平均値(回) 最小値(回) 最大値(回) 標準偏差 変動係数 パーセンタイル値(回) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 パス パス レーン の確保 1 組 31 0.79 0.29 1.29 0.22 0.28 0.29 0.57 0.57 0.66 0.71 0.86 0.86 1.00 1.00 1.00 1.29 2 組 23 0.93 0.57 1.71 0.22 0.24 0.57 0.71 0.71 0.86 0.86 1.00 1.00 1.00 1.00 1.09 1.71 3 組 27 0.86 0.29 2.14 0.34 0.39 0.29 0.57 0.57 0.71 0.71 0.86 0.86 1.00 1.00 1.17 2.14 3 学級 81 0.86 0.29 2.14 0.27 0.31 0.29 0.57 0.69 0.71 0.80 0.86 0.86 1.00 1.00 1.01 2.14 ゴール への 走路の 確保 1 組 31 0.85 0.29 1.43 0.22 0.26 0.29 0.57 0.71 0.71 0.86 0.86 1.00 1.00 1.00 1.00 1.43 2 組 23 0.73 0.29 1.57 0.33 0.44 0.29 0.34 0.43 0.43 0.66 0.71 0.86 0.86 1.00 1.17 1.57 3 組 27 0.85 0.29 2.00 0.31 0.36 0.29 0.57 0.66 0.71 0.74 0.86 0.86 0.86 0.91 1.17 2.00 3 学級 81 0.81 0.29 2.00 0.28 0.35 0.29 0.43 0.57 0.71 0.71 0.86 0.86 0.86 1.00 1.00 2.00 パスの 精度 1 組 31 0.54 0.14 0.86 0.20 0.36 0.14 0.29 0.43 0.43 0.43 0.57 0.57 0.71 0.71 0.86 0.86 2 組 23 0.66 0.43 1.29 0.25 0.38 0.43 0.43 0.43 0.43 0.51 0.57 0.71 0.86 0.89 1.00 1.29 3 組 27 0.72 0.14 1.86 0.34 0.48 0.14 0.29 0.43 0.57 0.57 0.71 0.83 0.86 1.00 1.03 1.86 3 学級 81 0.64 0.14 1.86 0.28 0.43 0.14 0.29 0.43 0.43 0.57 0.57 0.71 0.71 0.86 1.00 1.86 パス ターゲット サポート 1 組 31 0.81 0.29 1.71 0.37 0.46 0.29 0.31 0.43 0.57 0.69 0.71 0.89 1.00 1.14 1.40 1.71 2 組 23 0.85 0.00 2.29 0.64 0.76 0.00 0.29 0.40 0.43 0.43 0.57 0.86 1.11 1.31 2.17 2.29 3 組 27 0.89 0.14 1.71 0.48 0.54 0.14 0.29 0.43 0.57 0.71 0.86 1.00 1.14 1.34 1.71 1.71 3 学級 81 0.85 0.00 2.29 0.49 0.58 0.00 0.29 0.43 0.53 0.57 0.71 0.91 1.00 1.14 1.44 2.29 パス レシーブ キャッチ 1 組 31 0.47 0.00 1.71 0.36 0.77 0.00 0.03 0.14 0.29 0.40 0.43 0.43 0.57 0.71 0.97 1.71 2 組 23 0.48 0.00 1.86 0.57 1.20 0.00 0.00 0.00 0.14 0.23 0.29 0.29 0.54 0.77 1.74 1.86 3 組 27 0.58 0.00 1.57 0.42 0.73 0.00 0.11 0.23 0.29 0.43 0.57 0.57 0.80 0.86 1.34 1.57 3 学級 81 0.51 0.00 1.86 0.45 0.88 0.00 0.00 0.14 0.29 0.29 0.43 0.43 0.57 0.74 1.00 1.86 タッチ or キャッチ 1 組 31 0.62 0.00 1.86 0.39 0.63 0.00 0.14 0.29 0.37 0.57 0.57 0.71 0.77 0.86 1.00 1.86 2 組 23 0.69 0.00 2.57 0.70 1.02 0.00 0.06 0.14 0.29 0.29 0.43 0.63 0.83 1.20 2.03 2.57 3 組 27 0.77 0.14 1.57 0.41 0.54 0.14 0.26 0.37 0.49 0.60 0.71 0.86 1.00 1.00 1.46 1.57 3 学級 81 0.69 0.00 2.57 0.50 0.73 0.00 0.14 0.29 0.29 0.57 0.57 0.71 0.86 1.00 1.43 2.57 ラン アフター キャッチ スペース への ラン 1 組 31 0.31 0.00 1.43 0.32 1.04 0.00 0.00 0.00 0.00 0.26 0.29 0.31 0.43 0.43 0.71 1.43 2 組 23 0.34 0.00 1.43 0.43 1.27 0.00 0.00 0.00 0.14 0.14 0.14 0.20 0.40 0.63 1.26 1.43 3 組 27 0.38 0.00 1.29 0.32 0.84 0.00 0.00 0.14 0.14 0.29 0.29 0.40 0.51 0.71 0.74 1.29 3 学級 81 0.34 0.00 1.43 0.35 1.03 0.00 0.00 0.00 0.14 0.14 0.29 0.29 0.43 0.57 0.71 1.43 ディフェン ス カバー 1 組 31 0.61 0.00 1.57 0.41 0.68 0.00 0.14 0.20 0.37 0.43 0.43 0.60 0.86 1.00 1.29 1.57 2 組 23 0.87 0.14 3.00 0.59 0.68 0.14 0.20 0.43 0.46 0.66 0.86 1.00 1.11 1.14 1.37 3.00 3 組 27 0.96 0.14 1.71 0.38 0.40 0.14 0.54 0.57 0.71 0.86 0.86 1.00 1.14 1.29 1.60 1.71 3 学級 81 0.80 0.00 3.00 0.48 0.60 0.00 0.14 0.43 0.43 0.57 0.86 0.86 1.00 1.14 1.29 3.00 *成功数の差の検定(一元配置分散分析) F=29.253 p<0.05 多重比較(Holm)  スペースへのラン<キャッチ,パスの精度,タッチ or キャッチ,カバー,ゴールへの走路の確保,パスレーンの確保,サポート  キャッチ<タッチ or キャッチ,カバー,ゴールへの走路の確保,パスレーンの確保,サポート  パスの精度<ゴールへの走路の確保,パスレーンの確保,サポート  タッチ or キャッチ<サポート 表 5 1 ゲームあたりの成功数 数の 90 パーセンタイル値では,「パスレーンの確 保」が 1.01 回,「ゴールへの走路の確保」が 1.00 回, 「パスの精度」が 1.00 回,「サポート」が 1.44 回, 「キャッチ」が 1.00 回,「タッチ or キャッチ」が 1.43 回,「スペースへのラン」が 0.71 回,「カバー」 が 1.29 回であった. 成功数の差を検討する一元配置分散分析の結 果,成功数には有意な差があった(F=29.253)(p < 0.05).多重比較の結果,「ランアフターキャッ チ」,「キャッチ」,「パスの精度」,「タッチ or キ

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2018)やベースボール型(中垣・岡出,2009)と 同様であった. この結果を生み出した理由は,まず,ローテー ション制によってパスが順番に行われていたこと が試行数の保障に寄与していたと考えられる.ま た,守備よりも攻撃が多い人数設定とパスコース, ゴールへの走路を確保しやすいような横幅の確保 が状況判断の成功に寄与していたと考えられる. 一方,ボール操作の技能発揮については,サイン パスゲームで豊富に練習の機会を提供したり握り やすいボールを用いたりしたものの状況判断と比 して少ない成功に留まり,ボール操作の難度の高 さが示された. 以上を踏まえた改善点の検討として,まず,適 切な状況判断が成功裡なボール操作の技能発揮に つながるためには,成功裡な技能発揮につながり やすいコートの幅や奥行きを修正すること等のゲ ーム条件の修正が考えられる.例えば,コートの 幅や奥行きを広げることで,守備と受け手との距 離が広がり,パスカットのリスクを低減させるこ とができると考えられる.また,タスクゲームで の試行数や質を高めることで技能発揮の改善を図 る必要性や,適切な状況判断と成功裡な技能発揮 を同時に達成し得るルールの必要性も示唆され た.例えば,攻撃側に有利な人数としたり,ディ フェンスが直接投げ手にプレッシャーをかけるこ とを制限したりすることで,投げ手が落ち着いて 投げることができると考えられる. 1.2 「ボール保持者と自己の間に守備者が入らな いように移動すること」 「ボール保持者と自己の間に守備者が入らない ように移動すること」に応じたデータは試行数で いえば「パスターゲット」,成功数でいえば「サ ポート」である.「パスターゲット」の試行数を みると,2 ゲーム(8 回の攻撃)あたり 1 回以上 の試行を保障できていたものの,30 パーセンタ イル値は 0.57 回,平均値は 0.98 回,90 パーセン タイル値は 1.71 回であり,変動係数は 0.5 を超え ている.そのため,試行数に一定以上の個人差が 生じた結果,保障できる試行数が減少していると ャッチ」は有意に少ない成功数であった. 変動係数は,「パスレーンの確保」,「ゴールへ の走路の確保」は0.3程度と比較的低い水準で,「パ スの精度」,「サポート」,「カバー」は 0.4 から 0.6 程度の中程度の水準であった.一方,「キャッ チ」,「タッチ or キャッチ」,「スペースへのラン」 は 0.7 を超える高い水準であった. Ⅳ 考 察 1. 個人ベースのパフォーマンス評価によるカリ キュラム評価 カリキュラム評価に際しては,中垣・岡出(2009) と北村ほか(2014)が設定した概ね(7 割)の児 童が通過できる試行数・成功数を検討することと した.その際には,統計的検定の結果を踏まえて データを解釈した. また,以下の 3 つの観点に即して進めることと した.まず,カリキュラムの目標に応じたデータ の解釈,得られたデータを生み出した理由の検討, その上でそれを踏まえた改善点の検討の順に考察 した. 1.1 「近くにいるフリーの味方にパスを出すこと」 「近くにいるフリーの味方にパスを出すこと」 に応じたデータは試行数でいえば「パス」,成功 数でいえば「パスレーンの確保」,「ゴールへの走 路の確保」,「パスの精度」である.パスの試行数 をみると,概ねの児童に 1 ゲーム(4 回の攻撃) あたり 1 回の試行を保障できていた.また,成功 数をみると,状況判断の「パスレーンの確保」(0.71 回)と「ゴールへの走路の確保」(0.71 回)はボ ール操作の「パスの精度」(0.43 回)よりも成功 しやすく,概ねの児童に保障できる成功数も多か った. 以上より,「近くにいるフリーの味方にパスを 出すこと」については,ボール操作の技能発揮に 課題があるものの,状況判断の面では一定以上の 成果を保障していたと考えられる.ボール保持時 の状況判断はボール操作の技能発揮よりも成功し やすいという今回の結果は,ネット型(西原ほか,

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考えられる.一方で「サポート」の成功数をみる と,30 パーセンタイル値は 0.53 回であり,2 ゲ ームに 1 回以上の成功を保障できていた.試行数 と成功数の結果を合わせて考えると,試行した際 には多くの成功を保障できていたと考えられる. 以上より,「ボール保持者と自己の間に守備者 が入らないように移動すること」については,保 障できた学習機会がやや少ないもののその中では 多くの成功が保障されており,一定の成果を保障 していたと考えられる. この結果を生み出した理由として,試行数に関 しては,今回の授業においてパスターゲットにな る人は作戦に規定されるため,チームで決定した 作戦においてパスターゲットになりやすい児童と なりにくい児童が存在していたと予想される.つ まり,毎回の攻撃前に作戦会議を行ってパスター ゲットを事前に決めていたとしても試行数の個人 差が生じえることを示した.この個人差の原因と しては,児童の技能差やチームにおける立場,ボ ール操作の技能に対する自信(森山,2019)など が,作戦でパスターゲットとして選択されること に影響を及ぼしている可能性が考えられる.一 方,この授業を計画する際には,ルールによる形 式的な平等な学習機会の保障が求められてきたこ と(Siedentop,1994,p.110)を踏まえ,プレイを発 揮する試行数が偏ることを予見して,攻撃と守備 のいずれにおいても毎回の攻撃の度にポジション をローテーションするルールを導入した.しかし, このルールを導入しても試行数の偏りを解消する のは困難であった. 以上を踏まえた改善点の検討として,技能が未 熟な児童がより多くの機会を得る実質的な機会保 障に向けた指導方略の必要性が考えられる.技能 下位児の学習機会が学習集団によって奪われる (Otomo and Ogawa, 2003)ことを踏まえれば,ゲ ーム以外の易しい場面で練習ができるような下位 課題の設定と同時に,技能下位児こそ多くの試行 の機会を得られるようなチームづくりの指導が必 要である.例えば,技術認識を基盤として集団で 発展していく学習集団の形成(出原,1991)やス モールティーチャーとしてチームの成長を担わせ る指導方略(浅川ほか,2016)の導入である. 1.3 「得点しやすい場所に移動し,パスを受けて シュートなどをすること」 「得点しやすい場所に移動し,パスを受けてシ ュートなどをすること」に応じたデータは試行数 でいえば「パスレシーブ」,成功数でいえば「キ ャッチ」と「タッチ or キャッチ」である.「パス レシーブ」の試行数をみると,3 学級を一括した 30 パーセンタイル値は 0.43 回であった.同時に, 平均値が 0.74 回,変動係数が 0.6 を超えたことを 踏まえると,「パスターゲット」と同様に試行数 に一定以上の個人差が生じ保障できる試行数が減 少していると考えられる.また,成功数をみると, 落とさず捕球することを求める「キャッチ」と落 としてしまうことも許容される「タッチ or キャ ッチ」では,3 学級を一括した 30 パーセンタイ ル値には差が生じていなかった.しかし,統計的 検定では 2 つのプレイ間に有意差が認められた. また,それぞれの学級の 30 パーセンタイル値で は「キャッチ」と「タッチ or キャッチ」の成功 数に差があることを確認でき,他のパーセンタイ ル値でも「タッチ or キャッチ」の成功数が「キ ャッチ」に比して多いことから,ボールの落下点 に入れても落としてしまうことを許容することで 得点が成功しやすくなっていたことが推察され る. 以上より,「得点しやすい場所に移動し,パス を受けてシュートなどをすること」については, 学習機会が少なく,キャッチすることも困難であ ったと考えられる.ただし,ボールを落としてし まうことを許容することで得点を増やすことがで きたと考えられる.移動してボールをノーバウン ドでキャッチすることを期待する成果として求め ることの難しさが示されるとともに,ボールをキ ャッチできなくても得点を可能にするルールの有 効性が示されたといえよう. この結果を生み出した理由として,「パスター ゲット」として選択されないと「キャッチ」に至 る機会がないことから,「キャッチ」に保障でき る試行数が少ないことは「パスターゲット」に保

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障できる試行数が少ないことの影響を受けている と考えられる.一方で,「キャッチ」と「タッチ or キャッチ」に一定の差が生じていたことから, ボールのキャッチに課題のある児童の存在も示唆 された. 以上を踏まえた改善点の検討として,キャッチ の成功を増やすためには,まず,フリーとなり, パスターゲットとして選択される機会を増やす必 要がある.さらに,ボールが手元に来た場合の成 功を増やすには,ワンバウンドしたボールのキャ ッチも認めるルールの採用も考えられる. 1.4 「相手にとられない位置でドリブルをするこ と」 「相手にとられない位置でドリブルをすること」 に応じたデータは,試行数でいえば「ランアフタ ーキャッチ」,成功数でいえば「スペースへのラン」 である.「ランアフターキャッチ」の試行数をみ ると,30 パーセンタイル値は 0.29 回であった. 平均値が 0.50 回であり,変動係数が 0.90 であっ たことから,試行数に大きな個人差が生じていた といえる.また,「スペースへのラン」の成功数 をみると,30 パーセンタイル値は 0.14 回,平均 値は 0.34 回であった.「スペースへのラン」は統 計的検定でも他のプレイと比して少ない成功数で あった. 以上より,「相手にとられない位置でドリブル をすること」については,ルールと試行数の偏り から,ゲーム中に保障できる試行数が大きく限ら れており,成果を保障することが困難であったと 考えられる. この結果を生み出した理由として,「パスター ゲット」として選択され,かつ「キャッチ」を成 功させなければ「ランアフターキャッチ」に至ら ないことから,保障できる試行数が少なくなって いることが挙げられる. 以上を踏まえた改善点の検討として,試行数の 少ない状況を改善しようとすると,例えば,ボー ルを持ってスタートラインを越えるランプレイを 認めることが考えられる.ただし,ランプレイを 認めることで「パス」や「パスレシーブ」といっ たプレイの試行数が少なくなることが予想でき る.そのため,ランプレイを認める場合にはその ような状況を考慮した目標とその達成基準を設定 することが必要になると考えられる. 1.5 「ボール保持者とゴールの間に体を入れて守 備をすること」 「ボール保持者とゴールの間に体を入れて守備 をすること」に応じたデータは,試行数でいえば 「ディフェンス」,成功数でいえば「カバー」であ る.「ディフェンス」の試行数をみると,30 パー センタイル値は 2.00 回で平均値は 1.99 回,変動 係数が 0.18 と,試行数の個人差はほとんど生じ ていなかった.また,他のプレイよりも有意に多 くの試行数を保障できていた.一方,「カバー」 の成功数は 30 パーセンタイル値が 0.43 回と試行 数に比して保障できる成功数が少なかった.その ため,十分な機会があったものの成功は少ないプ レイであったといえる.以上より,「ボール保持 者とゴールの間に体を入れて守備をすること」に ついては,学習機会は保障されているものの成功 が少なく,成果を保障することは困難であったと 考えられる. この結果を生み出した理由としては次の理由が 考えられる.体育授業で実施するゴール型ではオ フェンスの指導を中心とした単元構成である場合 が多く,オフェンスの成功を保障するために,ル ールやコートの設定をオフェンスの成功を増やす ことを意図して行うことが多い.実際,2017 年 版小学校学習指導要領解説(文部科学省,2017) においては,高学年のゴール型において,攻撃側 にとって易しい状況の設定が求められている.こ の授業においても,ルール修正はいずれもオフェ ンスの成功を意図したものであった.そのため, 「カバー」が成功しづらくなっていたと考えられ る. 以上を踏まえた改善点の検討として,このよう な状況を改善するためには,ディフェンスが容易 になるように場や人数を修正することで「カバー」 の成功を増やすことのできる可能性がある.しか し,そのようなゲーム修正を行った場合には,オ

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フェンスに関するプレイの成功が抑制されるリス クが予想できる.一方で,小学校高学年における 守備についての戦術的知識が攻撃よりも貧困であ ること(Griffin et al., 2001)や中学校 2 年生の守 備の状況判断や技能発揮が攻撃のそれよりも低い 成功率であること(Blomquist et al., 2005)を踏ま えれば,意図的に守備について指導をしない限り, 守備についての学習が停滞する可能性を示唆して いる.他方で,攻撃に関するボール操作が未熟で ある場合,守備の対応が向上することで攻撃の成 功裡な技能発揮が困難になることが予想される. このことはまた,攻撃と守備のいずれを先に指導 するのか,あるいは,両者のバランスをどのよう に取るのかといった問題を投げかけ,発達の段階 を踏まえた指導内容の設定の必要性を示唆するも のといえる. 2. 個人ベースのゲームパフォーマンス評価の有 用性 前項で実施した評価を踏まえ,個人ベースのゲ ームパフォーマンス評価の有用性を検討する.そ の有用性は以下の 2 点に集約される. 1 点目は,集団全体の達成度だけでなく,個人 の学習成果についても把握することが可能である ことである.体育授業に参加する児童の技能水準 の多様さから考えれば,個人の学習成果を評価す る意義は大きい.本研究においても,学習集団と して一定以上試行していても個人ベースではゲー ム中にほとんど試行あるいは成功していないプレ イの存在が明らかになった.このような存在を明 らかにすることで,その改善を意図したゲームの ルールや授業計画の改善が可能となる.今回の検 討で明らかになった「パスレシーブ」,「ランアフ ターキャッチ」に保障できる試行数の少なさはそ の典型である. 2 点目は,学習集団全体の平均値や成功率より 実態に即したデータが収集可能である点である. 実際,今回検討したデータにおいては,30 パー センタイル値と平均値の間には,試行数・成功数 ともに大きな差があった.また,ローテーション 制の影響を直接受けないプレイについては,上位 1 割の児童しか通過できない 90 パーセンタイル 値は概ねの児童が通過可能な 30 パーセンタイル 値と比べて 2 倍から 4 倍多い試行数・成功数を得 ており,一部の児童がゲーム中に多く試行して多 く成功している状況が推察できる.このような状 況から考えれば,学習集団全体の平均値や成功率 を評価指標とした分析が学習集団の特徴を示すと は考えづらい.それは同時に,カリキュラム評価 の観点から考えれば,概ねの児童が通過可能な達 成度から目標やゲームのルールを検討することの 必要性を示唆するものであり,個人ベースのゲー ムパフォーマンス評価はこの検討に有用であると 考えられる. このように,試行数・成功数を評価指標とした 個人ベースのゲームパフォーマンス評価は,技能 下位児のように学習機会が少なく成功体験を得に くい児童が直面している課題を明らかにすること が可能である.その結果,単元時数や 1 ゲームの 時間の長さ,ゲームのルールについて児童の実態 を踏まえた検討が可能になると考えられる. Ⅴ 結 論 本研究では,体育授業のゴール型において個人 ベースのゲームパフォーマンス評価を実施し,カ リキュラム評価の手法としての個人ベースのゲー ムパフォーマンス評価の有用性を検討した. 本研究で明らかになったことを,結論として述 べる. 1. 個人ベースのゲームパフォーマンス評価の評 価結果をもとにしたカリキュラム評価によっ て,実施した授業の学習成果について以下の 結果が得られた. 「近くにいるフリーの味方にパスを出すこ と」については,技能発揮に課題があるもの の状況判断は一定以上の成果を保障してい た. 「ボール保持者と自己の間に守備者が入らな いように移動すること」については,学習機 会が少ないもののその中では多くの成功があ り,一定の成果を保障していた.

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「得点しやすい場所に移動し,パスを受ける こと」と「相手にとられない位置でドリブル をすること」については,試行数の少なさと 偏りから成果を保障することが困難であっ た. 「ボール保持者とゴールの間に体を入れて守 備をすること」については,学習機会は保障 されているものの成功が少なく,成果を保障 することは困難であった. 2. 個人ベースのゲームパフォーマンス評価は, 個人の達成度を評価することが可能であり, 技能下位児のように困難を抱えた児童の存在 を明らかにできる点で有用である.また,技 能下位児の抱える困難の原因や 1 ゲーム中に 期待できる試行数や成功数が明らかにされる ことで,単元時数や単元構成を検討する根拠 も得ることができる. 今回の検討は,ゴール型ゲームとしてフラッグ フットボールを実施した際のカリキュラム評価の 例であり,他にも多様なゴール型ゲームが存在す る.そしてそれぞれのゲームのルールによってゲ ームパフォーマンスの難度が規定されている.し たがって,今回の結果を踏まえつつ,同学年で異 なるルールを適用したゲームを実施した際のデー タの収集が今後の課題として考えられる.このよ うなデータの収集が進めば,期待できるパフォー マンスをゲーム間で比較可能になっていくと考え られる. さらに,個人ベースのゲームパフォーマンス評 価は,今回実施したカリキュラム評価だけでな く,形成的な評価としても実施できる可能性があ る.この実施によって自分やチームのゲームパフ ォーマンスの伸びを確認することが可能になると 考えられる.例えば今回のゲームでは,2 時間(8 回の攻撃)に 1 回はパスターゲットとして選択さ れることや,2 時間(8 回の攻撃)に 1 回はパス を受け手の手元に届くように投げることを目標の 達成基準として設定できる.また,基準値を 2 つ 設定すれば,3 段階(ABC)のルーブリックを作 成することも可能になる.このような試みは,学 習指導の改善が目的とされる「学習のための評 価(Assessment for Learning)」(Black and Wilism, 2009; Leirhaug, 2018)で求められており,我が国 の学習評価にも今後の方針として示されている (中央教育審議会,2019). 一方で,個人ベースのパフォーマンス評価を教 師が 1 人で行おうとした場合には非常に多くの時 間が必要になる.しかし,児童生徒の自己評価や ペア,グループでの他者評価を集積することでそ の時間を削減することができる.児童生徒が授業 中に記録するための記録用紙や観察しやすい評価 規準の設定,評価のトレーニングの方法はその実 現に求められる.これらの方法の検討やその効果 検証については今後の課題としたい. 注 注 1)オフィシャルルールのフラッグフットボールやア メリカンフットボールは,複数回の攻撃回数で一定の 距離を継続して獲得するダウン・アンド・ディスタン ス制である.ダウン・アンド・ディスタンス制は進行 とともに守備が守る範囲が狭くなり,進行すればする ほどフリーになりづらくなると考えられる.加えて, 進行とともに作戦を立案する条件が変わるため,作戦 の立案,実行の難度が高くなる可能性が高い.そのた め,ダウン・アンド・ディスタンス制の条件は,技能 下位児のゲームへの参加をより困難にすることが予想 できる.これらの理由から,ダウン・アンド・ディス タンス制を用いなかった. 注 2)シーデントップ(1988)では,評価者間の一致率 が 80%以上であれば十分な信頼性が確保されたとし ている.一致率の計算方法は「一致率=一致数÷(一 致数+不一致数)×100」である. 注 3)今回は各カテゴリーにつき無作為に抽出した 12 プレイを評価し,2 名の一致率を算出した. 注 4)パーセンタイル値は,例えば,10 パーセンタイルは, 「与えられた度数分布においてその値よりも小さい観 測値の個数が全体の 10%にあたる値」である(大澤, 2011,p.32).変動係数は,平均値の異なる項目のバ ラつきを比較するための数値である(大澤,2011, pp.44-45). 文 献 安彦忠彦(2019)カリキュラムとは何か.日本カリキュ ラム学会編,現代カリキュラムの動向と展望.教育出

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