(1)1
1 調査の概要
発達障がいを早期に発見し、発達支援を行うための「発達障害者支援法」の施行か
ら 10 年を経て、この間、発達障がいに対する認知と理解は高まりつつあります。
このような中で、市においては近年、乳幼児健診や発達健診の充実により、発達
に支援が必要であると判断される児童が増加しています。
このような児童への支援の遅れが、障がいの重度化や虐待・育児放棄などの事態を
引き起こす要因ともなり兼ねないことから、保護者も含めた児童への適切な療育支援
をおこなうために、早期発見、早期支援をおこなう体制を確立する必要があります。
このアンケートは、日頃から多くの児童や家族と接する機会が多く、児童育成の専
門である保育所や認定こども園、幼稚園、認可外保育施設(以下、「保育所等」とい
う。
)における「気になる子」への対応方法を参考にしながら、現状や課題を整理し、
今後必要とされる支援の在り方を検討することを目的として実施したものです。
2 調査の内容
子どもが乳幼児であるため、明確な診断はないが障がいが疑われる場合や、子ども
が示す気になる行動の例が、障がいによるものか環境のためなのか分かりにくい段階
のお子さんのことを「気になる子」と定義し、保育所等の「気になる子」の現状や課
題等の把握をおこないました。
「気になる子」の行動の例は 3 ページに記載のとおり。
3 調査の方法
調 査 の 方 法:郵送による配付および回収
調 査 対 象 施 設:弘前市内の認定こども園・保育所・幼稚園・認可外保育施設
計87施設
アンケート回答者:施設長(普段一番身近で児童に接している職員やクラス担任
などの意見を参考にするように依頼した。
)
調
査
期
間:平成 27 年 7 月 31 日~8 月 18 日まで
「気になる子」アンケート調査 結果報告書
(2)2
4 調査依頼施設の内訳
(H27.4.1 現在)
*弘前市内の施設数は87か所。
*利用児童数は、弘前市に住所があり認定こども園・保育所・幼稚園・認可外保育施設を利用し
ている児童の数。
5 年齢別人口と保育所等利用児童
(H27.4.1 現在) 幼稚園の入園児童数は H27.5.1 現在
単位:人
*利用児童数は、弘前市に住所があり認定こども園・保育所・幼稚園・認可外保育施設に利用し
ている児童の数。
6 回答率
単位:か所
認定こども園 保育所 幼稚園 認可外保育施設 計
施設数 20 51 8 8 87
定員数 1,498 人 3,758 人 1,020 人 230 人 6,506 人
利用児童数 1,172 人 3,384 人 742 人 80 人 5,378 人
0歳児 1歳児 2歳児 3歳児 4歳児 5歳児 計
年齢別
人口A 1,136 1,249 1,135 1,219 1,212 1,261 7,212
利用児童数
B 257 779 815 1,122 1,151 1,254 5,378
利用児童の
割合(%)
22.6%
62.4%
71.8%
92.0%
95.0%
99.4%
74.6%
認定
こども園 保育所 幼稚園
認可外
保育施設 計
施設の総数 20 51 8 8 87
回 答 の あ っ た 施
設の総数 14 37 7 2 60
回答率
70.0%
72.6%
87.5%
25.0%
69.0%
(3)3
7 <気になる子>とは
アンケートの中では、下記の「気になる行動の例」に該当する児童と定義しました。
【気になる行動の例】
生活場面 気になる行動の具体例
1
人との
関わり方
•ひとり遊びが多い、一方的でやりとりがしにくい ・表情が乏しい
•おとなしすぎる、常に受動的 ・視線が合わない
•集団に入れない・友達とあそべない ・人との距離がつかめない など
2
ことば
•お話は上手だが、一方的に話すことが多い
•保育士や指導員の指示が伝わりにくい ・言葉が遅い
•質問と違う答え、おうむ返し、発音不明瞭 など
3
イマジネーシ
ョン・
こだわり
•相手にとって失礼なことや相手が傷つくことをいってしまう
•友だちがふざけてやっていることをとらえ違えて、いじめられたと思う
•集団で何かしている時にボーッとしていたり、ふらふらと歩いていたりする
(場が読めない)
•同じ色を好んだり並べたり、興味が偏る ・ものに対するこだわり強い
•急な予定変更時に不安や混乱したようすがみられる など
4
注意・集中
•ひとつのことに没頭すると話しかけても聞いていない
•落ち着きがない、集中力がない、いつもぼんやりとしている、注意力に欠ける
•話を聞かなければならない場面で離席が多い、聞いていない
・多動である など
5
感 覚
•ざわざわした音に敏感で耳をふさぐ、雷や大きな音が苦手(聴覚)
•靴下をいつも脱いでしまう、同じ洋服でないとダメ、手をつなぎたがらない
(触覚) •極端な偏食(味覚・嗅覚など)
•揺れているところを極端に怖がる、すき間など狭い空間を好む
・痛みや熱さなどに鈍感であったり敏感である など
6
運 動
•身体がクニャクニャとしていることが多い、床に寝転がることが多い
•極端に不器用、絵やひらがなを書く時に筆圧が弱い、食べこぼしが多い など
•運動の調整が苦手で乱暴に思われてしまう、大きすぎる声など
7
理 解
•話が流暢で頭の回転が速いことに比べて、作業が極端に遅い
・生活習慣が身につかない
・全体指示が理解できない など
8
情緒・感情
•極端な怖がり ・頭を床にぶつける
•ささいなことでも注意されるとかっとなりやすい、思い通りにならないとパニ
ックになる
•一度感情が高まると、なかなか興奮がおさまらない など
*「気になる行動の例」は 発達障害情報・支援センターウェブサイトより
(4)4
8 集計結果
以下は回答のあった施設 計 60 か所の集計内容です。
単位:か所
定員 1 認定
こども園 2 幼稚園
3 保育所
(園)
4 認可外
保育施設 計
20 人~39 人 3 3 1 7
40 人~59 人 1 1 6 1 9
60 人~79 人 6 1 11 18
80 人~99 人 2 1 9 12
100 人~119 人 2 1 2 5
120 人~139 人 1 4 5
140 人~159 人 1 1 2
230 人~249 人 1 1
250 人~269 人 1 1
計 16 7 35 2 60
定員合計 1,234 人 930 人 2,540 人 76 人 4,780 人
利用児童数合計 1,010 人 557 人 2,418 人 66 人 4,051 人
*集計表の利用児童数は市外在住の児童を含む。
問Ⅱ クラスの人数を教えてください。
(児童の年齢ではなくクラスごとの人数)
問Ⅲ クラスに、気になる行動をする乳幼児は何人いますか。
(質問Ⅴの「気になる行動の例」を参考にしてください。
)
問Ⅳ 担当クラスの気になる行動をする乳幼児について、保護者が理解している
(気がついている・心配している・相談している等)方は何人いますか。
(わかる範囲で結構です。
)
問Ⅰ 施設の種類と定員について
(5)5
0 歳児 1 歳児 2 歳児 3 歳児 4 歳児 5 歳児 合計
Ⅱ クラ
ス人数 308 528 636 815 851 913 4,051
Ⅲ 気に
なる行動
をする子
6 57 98 127 115 147 550
1.9%
10.8%
15.4%
15.6%
13.5%
16.1%
13.6%
Ⅳ Ⅲの
うち保護
者が気が
付いてい
る子
1 14 27 48 50 55 195
16.7%
24.6%
27.6%
37.8%
43.5%
37.4%
35.5%
1.9%
10.8%
15.4%
15.6%
13.5%
16.1%
0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%
0歳児
1歳児
2歳児
3歳児
4歳児
5歳児
児童の中で気になる行動をする子の割合
16.7%
24.6%
27.6%
37.8%
43.5%
37.4%
0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%
0歳児
1歳児
2歳児
3歳児
4歳児
5歳児
気になる子のうち保護者が理解している割合
気になる行動をする子の割合
(6)6
生活場面 気になる行動の具体例
①人との関わり方 201ケース 36.5%
•ひとり遊びが多い、一方的でやりとりがしにくい
•おとなしすぎる、常に受動的 ・視線が合わない
•集団に入れない・友達とあそべない ・表情が乏しい
・人との距離がつかめない など
②ことば 307ケース 55.8%
•お話は上手だが、一方的に話すことが多い
•保育士や指導員の指示が伝わりにくい
・言葉が遅い
•質問と違う答え、おうむ返し、発音不明瞭 など
③イマジネーション・
こだわり 251ケース 45.6%
•相手にとって失礼なことや相手が傷つくことをいってしまう
•友だちがふざけてやっていることをとらえ違えて、いじめられたと思ってしまう
・ものに対するこだわり強い
•集団で何かしている時にボーッとしていたり、ふらふらと歩いていたりする
(場が読めない)
•同じ色を好んだり並べたり、興味が偏る
•急な予定変更時に不安や混乱したようすがみられる など
④注意・集中 279ケース 50.7%
•ひとつのことに没頭すると話しかけても聞いていない
•落ち着きがない、集中力がない、いつもぼんやりとしている、注意力に欠ける
•話を聞かなければならない場面で離席が多い、聞いていない
・多動である など
⑤感覚 96ケース 17.5%
•ざわざわした音に敏感で耳をふさぐ、雷や大きな音が苦手(聴覚)
•靴下をいつも脱いでしまう、同じ洋服でないとダメ、手をつなぎたがらない(触覚)
•極端な偏食(味覚・嗅覚など)
•揺れているところを極端に怖がる、すき間など狭い空間を好む
・痛みや熱さなどに鈍感であったり敏感である など
⑥運動 150ケース 27.3%
•身体がクニャクニャとしていることが多い、床に寝転がることが多い
•極端に不器用、絵やひらがなを書く時に筆圧が弱い、食べこぼしが多い など
•運動の調整が苦手で乱暴に思われてしまう、大きすぎる声など
⑦理解 169ケース 30.7%
•話が流暢で頭の回転が速いことに比べて、作業が極端に遅い
・生活習慣が身につかない
・全体指示が理解できない など
⑧情緒・感情 159ケース 28.9%
•極端な怖がり
•ささいなことでも注意されるとかっとなりやすい、思い通りにならないとパニックに
なる
•一度感情が高まると、なかなか興奮がおさまらない
・頭を床にぶつける など
⑨その他 15ケース 2.7% ・次表のとおり
計 1,627 ケース
気になる行動をする
児童の数 550 人
1 人当たりの
ケース平均 3ケース
Ⅴ 上記Ⅲに該当するお子さんの中で、「気になる行動の例」に該当する人数を、人
数欄に記入してください。一人で複数の行動が見られる場合は複数人数として記入し
てください。
(Ⅲの数より多くなっても構いません。
)
また、例にあてはまらない場合には、「9その他」に具体的な気になる行動と人数
を記入してください。
*複数回答式のため、単位は「ケース」としました。
*割合は、気になる行動をする児童 550 人が行う行動の率を示しています。
気になる行動の数
(7)7
⑨その他 について
・玩具であまり遊ばない、遊び込めない。ブロック等組み立てるがいつも同じ型である。
保育者が援助するが進歩、進展が見られない。
・一度、気持ちが落ち込むと立ち直りまでかなりの時間を要する。
・保育室又は今遊んでいる部屋からいきなり走り出し脱走する。
・高い所に登りたがる。手にした物が回せるものと認識できればすぐ回す。
おもちゃ(身近な物)を投手の様に投げる。
・友達の肌が好きでくっついてくる。
・奇声をあげる。よだれをたらして(水たまりにして)遊んでいる。下腹部をさわって遊ん
でいる。
・自分の思い通りにいかないと奇声をあげる。それが続くと周りにいる友達を叩いたり押し
たりする。
・つま先立ち、急に走り出す。午睡ができない。
・1 歳 8 か月、しゃがんだ状態から立ち上がる事ができない。つかまる場所を見つけ、ハイ
ハイでその場へ移動し、つかまり立ちから歩行し始める。
・感触:午睡時、タオルの角を口の奥まで詰め込む癖がある。布団に入ると手に持つまで泣
く。口元へタオルを運び落ち着いて一人で眠る。
・外国から来たお子さんで、言葉が理解出来ない為なのか、テンションが非常に高く、乱暴
で歯止めがきかない。身体が非常に大きいので、一寸の動きでも怪我をしそうな感じで困っ
ている。常に先生の傍に置いている状況。
・通りすがり、友だちを叩く。降園時、迎えに来た友だちの車に勝手に乗り込み、中の物を
いろいろ触って降りようとしない。
・注意されたことに対して、納得できなかったり、思い通りにならなかったりすると黙り込
む。周りを気にせず、一緒に行動しない。
・手先も器用で、場に合った適切な行動をとることができるが、色の識別があいまいな時が
ある。(例えば花の絵を描く時、違う色で描いたり塗ったりする)
55.8%
50.7%
45.6%
36.5%
30.7%
28.9%
27.3%
17.5%
2.7%
②ことば
④注意・集中
③イマジネーション・こだわり
①人との関わり方
⑦理解
⑧情緒・感情
⑥運動
⑤感覚
⑨その他
気になる行動
(8)8
0%
25.0%
53.3%
20.0%
10.0%
11.7%
10.0%
18.3%
0% 20% 40% 60%
①相談相手がいない
②対応のしかたが分からない
③保護者の理解・協力が得られない
④人員不足で十分に関われない
⑤園全体で関わる体制が整っていない
⑥専門機関との連携がとれない
⑦専門機関が不足している
⑧その他
「気になる子」への対応で困っていること
○割合は回答のあった 60 施設から寄せられた件数の率を示しています。
内 容 件数 割合
①相談相手がいない 0 0.0%
②対応のしかたが分からない 15 25.0%
③保護者の理解・協力が得られない 32 53.3%
④人員不足で十分に関われない 12 20.0%
⑤園全体で関わる体制が整っていない 6 10.0%
⑥専門機関との連携がとれない 7 11.7%
⑦専門機関が不足している 6 10.0%
⑧その他 11 18.3%
Ⅵ 「気になる子」への対応で困っていることを教えてください。
(9)9
「②対応のしかたが分からない」に関連した意見
・集団活動からはみ出したり、みんなと一緒に行動できない子への対応、又その時の他児への
対応
・発達障がいなのか発達過程であるのか見極めが難しく、指導の仕方に困っている。専門機関
でも経過観察の事が多く、対応が難しい。
・気になる子1人ひとり、対応のポイントが異なると、それぞれに特に気をつけるべきポイン
トを知りたい。(病院を受診し「様子を見ましょう」という結果の場合、専門にまわされない
ため、その子の対応方法が保護者にも知らされる事もなく、ある程度覚悟をして結果に臨んだ
保護者としては『嬉しい』と『どうすればいい?』という思いに困惑するようだった)
・専門知識が保育士にはないので父兄への対応のしかた、気になる子に対しても自信を持って
対応できない。気になる子の対応、支援等の研修会には参加しているが。
・自分の対応や関わり方がその子にとって良いものなのかが分からず、悩むことがある。
「③保護者の理解・協力が得られない」に関連した意見
・保護者が子どものレベルを認められない
・保護者の方が受け止めて下さらず(支援機関を紹介するが)進展しないことが多い。
・親が専門の場へ行く事をやめてしまった。
・保護者との話しあいや相談機関へ相談するまでの間に適切な対応を模索している期間が一番困っ
ている。
・保護者の方たちが、気になる子という存在を知らないのではないかと思う。
「⑧その他」の内容
・就学に向けた支援の仕方(家庭との連携)
・保育者の人数は十分だが、気になる子に対応できる保育者が限られる。
・小さい年齢であればあるほど、経験不足や発達段階の途中なのではないかと、障がいかどう
かの見極めが難しい。教師(保育者)自身も判断に困ることがあるので親としては更にその思
いも強く、理解を求める難しさがある。
・年齢的にもはっきりと分からないのに現状を保護者に伝えづらい。それでも子どもの特徴を
知ってほしいと思うことはある。
・急に走り出して転んだりする為、他児へぶつかることもあるが、予測が難しく未然に防ぐこ
とが出来ない。
・行動が遅い子に対して思わず「早く」と言ってしまう。
・集団の中で一人が立って歩いたり、周りにいたずらをしてしまったりすることで他児もつら
れてしまうことが多い。静と動の区別がつけづらくなる。
・満3才児の診断で広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害の診断域が検査結果として評価され
た子が満5才になり、再度診断後に、広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害として評価される。
母親(保護者)との懇談も終了し、今後、障がい児補助事業になれるのかどうか。3才児、4
才児共に補助事業なしの保育士(0.5 人)を担当として付けていました。安心、安全のために、
保育園側負担の人件費ではなく保育士雇用のための補助事業として考えて欲しいと思います。
・専門機関に通っている子に関しては連携がとれているが、気になる子に関しての相談、連携
がとれない。
(10)10
63.3%
25.0%
46.7%
6.7%
16.7%
16.7%
15.0%
26.7%
28.3%
21.7%
0% 20% 40% 60%
①専門職員による園訪問
②相談窓口の一本化
③検査・診断の充実
④担任一緒の親子教室
⑤親子の専門教室
⑥理解啓発活動
⑦職員研修の充実
⑧専門職員との連携の強化
⑨職員数の増加
⑩その他
今後必要なことやあったら良いと思うこと
○割合は回答のあった 60 施設から寄せられた件数の率を示しています。
⑩その他の意見は、最後の項目にまとめています。
内 容 件数 割合
①専門職員による園訪問 38 63.3%
②相談窓口の一本化 15 25.0%
③検査・診断の充実 28 46.7%
④担任一緒の親子教室 4 6.7%
⑤親子の専門教室 10 16.7%
⑥理解啓発活動 10 16.7%
⑦職員研修の充実 9 15.0%
⑧専門職員との連携の強化 16 26.7%
⑨職員数の増加 17 28.3%
⑩その他 13 21.7%
Ⅶ 「気になる子」への対応や支援で、今後必要なことやあったら良いと思うこと
などを教えてください。該当する番号に 3 つ以内で○をつけてください。
(11)11
手帳やサービスを受給しているお子さんや
言葉の教室等を利用しているお子さんの有無
いない 18施設 30%
いる 42施設 70%
計 60施設 100%
○割合は回答のあった 60 施設から寄せられた件数の率を示しています。
①愛護精神
手帳
②障害児通
所施設との
併行通園
③ぽっぽ
教室
④親子遊ゆう・
のびのび子ども
相談室
⑤ことばの
教室
⑥その他
計
12 5 23 3 84 21 148 人
診断がついている児童
17
診断がついている児童及び気になる行動をする児童
131
○回答のあった60施設の入所児童 計 4,051 人のうち 148 人(3.7%)が該当。
「⑥その他」の内訳
・国立弘前病院(言語訓練)7人 ・健生病院(言語訓練等)5人 ・弘大発達外来 1 人
・下田クリニック 1 人 ・ろう学校 1 人 ・さわらび園 1人
・岩木小学校教育相談 1 人 ・保健センター 1 人 ・不明 3人
*①②は障害福祉サービスを受給できる児童です。(すでに診断がついている児童)
*③④⑤⑥は、気になる段階の児童が通所できる施設です。概ね 131 ケースは、保護者がすでに
教室や訓練等に通っていることがわかります。(重複して通所しているケースも含まれる)
Ⅷ 受け持ちクラスに、愛護手帳や精神手帳をお持ちのお子さん、障がい福祉サービ
ス(児童発達支援センター)を利用しているお子さん、またポッポ教室、ことばの教
室などを利用しているお子さんの有無について番号に○をつけ、いる場合はその人数
をお知らせください。
(わかる範囲で結構です。
)
いな
い,
30%
いる,
70%
(12)12
○内容を課題ごとに項目を分けて記載しました。
○質問Ⅶの「⑩その他意見」は下記に記載しています。
○各質問に寄せられた自由記載のうち、意見と思われるものを下記に重複して記載しています。
保護者への支援
・園だけで「気になる子」への対応していくことに限界はあると思う。特に、保護者との連携
については、理解のある保護者に対しては情報提供や園での取り組みを伝えやすいが、子供の
「気になるところ」を受け入れられない保護者も多い。
・市として、保健師等の定期的な園への訪問・支援が必要と思われる。子の保護者へのアプロ
ーチを検討していただきたい。
・お便り帳や玄関で子どもさんの状況をお話ししてもわかってもらえない事がとても多いのが
辛いです。早く色々な手立てをしてあげることで、子どもさんの成長が(?)望めるのにと思
うと残念です。小学校へ行って一番困るのがこの子達なので。
・発達障害の子どもを持つ親が子どもへのかかわり方にとまどい苦労している方が多いように
感じられます。障害の特徴が少しずつ世間に知られるようになってきていますが、では親はど
のように子どもと日々向き合い、支えてあげれば良いかをサポートしてくれる機関が増えてく
ることを願っています。子どもを直接育てている親のかかわりが、子どもの今後の育ちに大き
くかかわってくると思います。
・板柳町在住のお子さんが弘前市内の園に通っています。以前住んでいた青森市でも通園しな
がら「ことばの教室」に通って下さいとの事で、その子のお母さんは行き来が大変のようでし
た。弘前の学校や園に通う場合においては、弘前のことばの教室に通うことが可能になるよう
な弾力的な措置があると良いのではないかと感じました。
・園の方で「ちょっと気になる」と思って対応しようとするが、親が気にせず何もしようとし
ない。子どもってこんなもんでしょうと思っているので、親をどう気づかせるか、どう動かす
かが課題になっていると思う。
・親が専門の場へ行く事をやめてしまった。
・保護者の方たちが、気になる子という存在を知らないのではないかと思う。
保育所等および保育士等への支援
・今年度は障がい児保育の補助とかあるのでしょうか。保育給付の中に療育支援加算がありま
すが、1ケ月約5万円、1年で60万円、保育士をもっともっとふやしたくても届きません。
助けていただきたいです。
・入園の時に支援が必要かどうか判断できず0ケ月~半年位でやはり支援の必要性を感じ、い
つの間にか「気になる子」の割合が高くなっているのが実状です。毎日の保育に苦労していま
す。
・愛護手帳等の取得や市で行なっている障害児に対する手当等、わからないことが多い。取得
【その他のご意見について】
(13)13
の条件やどのような手続きが必要なのか研修等を開催し、職員の知識も増やしていけると良い
と思う。
・診断名がない為、助成金を受けることができない。園の持ち出しで職員配置をしている現状
を理解して欲しい。
・まずは父母へ理解させることをどのように進めていくかが問題となります。(父母に気になる
ことの理解)
・就学に向けた支援の仕方が知りたい。(家庭との連携)
・保育者の人数は十分だが、気になる子に対応できる保育者が限られる。
・小さい年齢であればあるほど、経験不足や発達段階の途中なのではないかと、障がいかどう
かの見極めが難しい。教師(保育者)自身も判断に困ることがあるので親としては更にその思
いも強く、理解を求める難しさがある。
・年齢的にもはっきりと分からないのに現状を保護者に伝えづらい。それでも子どもの特徴を
知ってほしいと思うことはある。
・急に走り出して転んだりする為、他児へぶつかることもあるが、予測が難しく未然に防ぐこ
とが出来ない。・行動が遅い子に対して思わず「早く」と言ってしまう。
・集団の中で一人が立って歩いたり、周りにいたずらをしてしまったりすることで他児もつら
れてしまうことが多い。静と動の区別がつけづらくなる。
・満3才児の診断で広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害の診断域が検査結果として評価され
た子が満5才になり、再度診断後に、広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害として評価された。
母親(保護者)との懇談も終了し、今後、障がい児補助事業になれるのかどうか。3才児、4
才児共に、補助事業なしの保育士(0.5人)を担当として付けていました。安心、安全のた
めに、保育園側負担の人件費ではなく、保育士雇用のための補助事業として考えて欲しいと思
います。
・集団活動からはみ出したり、みんなと一緒に行動できない子への対応、又その時の他児への
対応に困っている
・発達障がいなのか発達過程であるのか見極めが難しく、指導の仕方に困っている。専門機関
でも経過観察の事が多く、対応が難しい。
・気になる子1人ひとり、対応のポイントが異なると、それぞれに特に気をつけるべきポイン
トを知りたい。(医師を受診し「様子を見ましょう」という結果の場合、専門にまわされないた
め、その子の対応方法が保護者にも知らされる事もなく、ある程度覚悟をして結果に臨んだ保
護者としては『嬉しい』と『どうすればいい?』という思いに困惑するようだった)
・専門知識が保育士にはないので父兄への対応のしかた、気になる子に対しても自信を持って
対応できない。気になる子の対応、支援等の研修会には参加しているが。
・自分の対応や関わり方がその子にとって良いものなのかが分からず、悩むことがある。
・質問Ⅶ「9 職員数の増加」に対して、障害と断定されてなくても、対応しやすい人数の調整
がきく体制にしてほしい。
・平成26年度に2名程在園した児童について、就学指導委員会の職員(担当者)との懇談や
保護者との懇談等、園長、担当保育士を含めての約2年以上にわたる長期間の対応は大変なも
(14)14
のです。当時、補助事業(障害者)にも当てはまらず、保育士雇用は自園負担としてきました。
今回、このアンケートを利用し、「気になる子」の保育現場の声を届ける機会を得て、今後その
子にあった支援をと考えるならば、とりあえず「保育士数、副担」は、最小必要と考えます。
・保護者との話しあいや相談機関へ相談するまでの間に適切な対応を模索している期間が一番
困っている。
・「気になる子」についての研修などに参加し、いろいろと専門的なお話を聞く機会があるので
すが、専門的な知識だけではなく、実践的な関わり方を知ることが出来る研修もあっても良い
と思う。
・保育心理士の普及
相談窓口の充実
・気になるお子さんの親御さんに伝えるときは難しく、その際のアドバイスや専門機関へのつ
なげ方が課題となっていますが、なかなか改善されていないのが現状です。どのような方法で
伝えるか、また、その子に合った専門機関はどこか等、相談できる窓口があればいいなと思い
ます。
・「子育て支援課」以外の単独の「児童障害」に関する窓口を設けた方が「相談」しやすいのか
もと思ってます。
・専門機関の充実 ・専門機関の増設。
・専門機関の横のつながりをある程度深め、共通理解がほしい。A 機関と B 機関が同じ専門分
野なのに、対処・対応が 180 度異なったりする。
質問Ⅶ「①専門職員による園訪問」に対する意見および「その他」関連した意見
・今のところ気になる子はいませんがそういう子が入園した時保育士の立場からは親に対して
言えないので専門の方がいればすぐに対応してもらえるのでいいのではと。(定期的に園に来て
見ていただき親に言っていただければ助かります)
・保健師さんの定期的な園の訪問があれば情報交換がしやすくなると思う。
・親にアプローチするにあたり、うまく伝えるのがむずかしい。専門の方から伝えてもらった
ほうが理解を得られるのではないか。市の子どもの健診時、見のがすことがあるので、事前に
保育所への聞き取りなどの連携があると良いのでは?
・医師が「様子を見ましょう!」と言った場合、専門員の方が園を定期訪問するようなシステム。
(家庭と園だと子どもの状態が異なり、園での方が状態や場面での様子がわかる)
・定期的に専門の人が各保育園を巡回指導して欲しい。気になる子がいるいないに関わらず巡
回訪問してみてもらいたい。
・気になる子の対応の仕方について、研修を行ったり、聞くだけではなく実際に専門の方の対
応を見て、勉強していきたい。
・専門機関の方が子供の様子を見に来園することがあるが、その時に保育士の関わり方や対応
についてのアドバイス等もいただけると嬉しい。
・どの学校や園にも「気になる子」がいると思うのですが、いわゆるグレーゾーンに位置づけ
(15)15
られるお子さんは増えてきている様に思います。はっきりとした診断名がつかないままクラス
の子どもの中で埋もれ、適切な対応がされないケースもあるのではないでしょうか。また、対
応にあたるクラス担任も、その子への個別対応におわれる場面が増え、クラス運営も大変にな
ってくると思います。こうしたことから、診断名がなくても大変な子がいるクラスには専門の
先生が定期的に巡回指導をくださったり、グレーゾーンの子どもをサポートする職員の増員が
望まれます。私立の園の場合、職員の数を増やすことが難しい現状です。何らかのサポートが
あればと思います。
・健診で異常があった時など保育園の方にも連絡をいただけるといいかなと思う。そして保育
園と連絡をとり合い保健師の方、相談員の方に園を訪問してもらいその子の園での様子を見て
ほしいと思う。又、異常があった時、保護者の方もすぐ専門機関に連れて行く方もいますが、
そうでない方が多いと思うので、もっと保護者の方にも働きかけてほしいと思う。
・保育園の職員同士の気になる子どもに対する具体的な事例の話し合いができるような研修な
どがあれば良い。専門職員からのアドバイスを全職員で聞いてみたり、質問などをしたい。定
期的に来てもらい、気になる子どもに対する接し方や成長している部分などを聞きたい。
質問Ⅶ「③検査・診断の充実」に対する意見および「その他」関連した意見
・3才児健診に、5才児健診にある集団生活での様子の調査も取り入れ、親だけの目以外も取
り入れることで、早期発見につながるのでは。また、成長が著しくなる時期、保護者支援とし
て2才~3才の間に子育て教室の開催もあればどうでしょうか。保育園でも行っていますが、
健診と重ねることで親の意識も変わり、子育てについて考える機会が増えると思う。
・1 才半とか 3 才児とかの健診の充実
・現況、3歳6ヶ月健診以降、「5歳児における発達障害に関する予備調査及び発達健診」まで
の間、専門機関での健診がないので、いわゆるグレーゾーンではないかと感じる子への対応が
十分に行われないのではと思います。また、「5歳児―発達健診」も書面で行われていますが個
別に対応できる専門機関での健診が望ましいのではないかと考えます。
・3才児健診の充実~申し出たお子さんだけでなく、すべて診てほしいです。都合の悪いお母
さんは申し出ないので。5才児健診の充実~親の判断だけでなく、保育園の判断も初めから入
れてほしい。この2つを充実させることにより、良く理解してもらえるのではないか?と考え
ますが。
・3歳児健診の際に専門機関より、もう少しアプローチしていけるようにしてもらえると、親
も子どもの発達の遅れなどに気づき、対応していこうとする方も増えてくるのではないでしょ
うか。
・健診の時に親がチェックすることが多く(視力、聴力など)その時に保健師さんがきちんと
見てくれることで、早期発見にもつながるのではないか?
・眠くなる時間に健診を行うので、気になる子どもさんも眠くなり、本来の姿がわかりにくい
時もあるのでは?
・親の理解を得るのが困難と感じるので、市主催の健診を充実してもらい、専門の方に話して
もらう場が多くあるとよい。
(16)16
質問Ⅶ「⑧専門職員との連携の強化」(専門施設と保育所等との連携強化)に関連
した意見および「その他」関連した意見
・気になり始める時期が3才前後であるため、3才児健診の問診は家庭以外の集団生活をして
いる保育園、幼稚園にも状態を伺う体勢もあってもよいのではと思う。
・乳幼児検診で何か問題があった時はその結果を知らせていただきたい。
・健診で引っかかった場合、その事実を園に話してくれる保護者が少なく、伝えていいのか、
とまどう場面が多くある為、健診の結果を園でも把握できるようにして欲しい。
・検査結果後の経過も見てほしい。(何か気がかりなことがあった場合)又園の方へも連絡がほ
しい。
・健診で異常があった時など保育園の方にも連絡をいただけるといいかなと思う。そして保育
園と連絡をとり合い保健師の方、相談員の方に園を訪問してもらいその子の園での様子を見て
ほしいと思う。又、異常があった時、保護者の方もすぐ専門機関に連れて行く方もいますが、
そうでない方が多いと思うので、もっと保護者の方にも働きかけてほしいと思う。
・健診時に、詳しく状態を伝えてもらったり保育園や幼稚園での様子を確認してもらうような
項目(簡単な内容で)があっても良いかなと思う。
・健診を活かせるよう、保護者への指導について、見直ししてはどうでしょうか。気になる子
の診断結果が、保護者の同意がないと園に伝わってこないこともあり、支援につながっていか
ないこともある。難しいことではあるが、少しでも子どものより良い支援につながるような体
制作りをお願いしたい。
・保育士から親へ専門施設をすすめても大丈夫になれば良いと思う。
その他の意見
・子どもの日常生活をみると、何が原因か突然乱暴行動を起こし、他児を突く、たたくなど危
害を起こすのは予想外で、被害者の保護者に対して「説明」として、一個人の児童名は伏せて
お話ししてますが、たびたび起こることには、とても保育園側対応として、正直「しんどい」
です。
・1歳児のことばに関しては、言葉が遅いのは発達途上であるため判断に困りましたが、あえ
て人数に入れました。
・園児数が定員に達していないが支援を必要とする割合が多く入園をお断りするのに苦労して
います。
・「相談」することが、実現に向けて少しでも”歩み”と受け止めることがあれば一筋のあかり
と思いますが。”空ぶり対策”では、年月を費やすだけで、とてもしんどいです。以上です。
・「気になる子」と「気がかりな子」と区別しにくくアンケートの人数が少し多くなってしまっ
たと思います。もう少し厳密に調査することで人数が減るかもしれません。
・アンケートに答えて思った事ですが、見極めはできないがそのような行動があるという事で
○をつけたり人数を書きました。家庭環境や性格なのか何かを抱えている子なのかは、正直判
断しかねます。5才児2人に関しては前者だと思いますが、一応人数に入れてみました。
(17)17
アンケート集計結果より
朱書きは保育所からの意見を抜粋したもの
1.就学前児童の保育所等の利用状況
保育所等を利用している児童の割合は、平成 27 年 4 月 1 日(幼稚園は 5 月 1 日)の時点で、0 歳
児の 2.2 割、1 歳児の約 6.2 割、2 歳児の約 7.2 割、3 歳児は約 9.2 割、4 歳児は約 9.5 割、5 歳児は
9.9 割以上である。
保育所等では、同年齢の集団の中で日々の生活・行動に関わりながら子どもの発達を見ていることか
ら、「気になる子」の早期発見に繋げることができる可能性は高いと思われる。
2.気になる行動をする子の割合
回答のあった 60 施設、合計利用児童 4,051 人のうち、550 人(13.6%)の児童が「気になる行動
をする子」であると回答した。その中でも 5 歳児が 16.1%と、高い割合となった。
また、550 人のうち保護者が理解している(気がついている・心配している・相談している等)
人数は 195 人(35.5%)であった。
この状況から、保護者の 6 割以上は子どもの行動について認識できていない状況であることがわか
った。
ただし、今回のアンケートの「気になる子」については、基準が明確でないため、施設により、ま
た保育士の経験年数などによりそれぞれの視点で判断していただいたものである。
各施設では、「見極めは出来ないがそのような行動がある」などの判断しかねる子を当然人数に含ん
でいると解釈している。
3.気になる行動の主なもの
気になる行動をする子の中で一番多いのは「ことば」に関するものである。
「お話は上手だが、一方的に話すことが多い」「保育士や指導員の指示が伝わりにくい」
「言葉が遅い」「質問と違う答えをする」「おうむ返し」「発音不明瞭」「吃音」などである。
次に多いのは「注意・集中」に関するものである。
「ひとつのことに没頭すると話しかけても聞いていない」「落ち着きがない、集中力がない」
「いつもぼんやりとしている、注意力に欠ける」「話を聞かなければならない場面で離席が多い、聞い
(18)18
ていない」「多動である」などである。
気になる行動をする子は、複数の気になる行動(「生活場面」)が見受けられ、多くは「ことば」や
「注意・集中」に関する行動と重複している。
4.「気になる子」への対応で困っていること
「保護者の理解・協力が得られない」と回答した施設が 32 件、53.3%であった。
さきの回答にもあるように、保護者の 6 割以上は子どもの行動を認識していない状況である。
保育所からは、「保護者をどう気づかせるか、どう動かすかが課題となっている」という意見があり、
そのため「保健師等の定期的な園への訪問・支援」により「保護者へのアプローチ」をしてほしいな
ど、専門機関による園訪問等を要望されている。
次に「対応の仕方がわからない」と回答した施設が 15 件、25%であった。
「発達障がいか発達過程かの見極めが難しく、指導の仕方に困っている。」などの意見が多く、専門
知識を身に付けるための「実践的な関わり方を知ることが出来る研修」や「一人ひとり、それぞれに
気を付けるべきポイントを知る」ための指導を行ってほしいなどを要望されている。
また、気づいても適切な対応方法がわからないなど、発達に関する専門機関からの巡回指導等を要
望されている。
5.気になる子への対応や支援で今後必要なこと
意見を大きく分類すると以下のとおりである。このことから現状と課題を整理した。
① 保護者への支援
現 状
「保護者の方たちが気になる子という存在を知らないのではないかと思う。」という意見にあるよう
に、子どもは、障がいを持つ子とそうでない子の二つに分かれると思っている保護者は多い。
気になる子の保護者の 6 割以上は子どもの行動を認識していないというアンケート結果からは、子
どもに障がいの疑いがあることを認めたくないとの意識が働いたり、少し遅れているが成長と共に良
① 保護者への支援 ② 保育士への支援 ③ 相談窓口の充実
④ 健診機関との連携 ⑤ 専門職員による巡回支援
(19)19
くなっていくもの、あるいは単なる個性だと思い込んでいるという事が考えられる。
早期支援を行うための第一歩は、保護者が「気になる子」を受容することから始まる。このため、
保護者に「気になる子」についての正しい知識・情報を提供する必要があるが、現状において保育士
等だけで保護者を「気づき」へ導くには限界がある。
課 題
今後は専門職員の定期的な園訪問などにより、保護者への情報提供や理解促進を図りながら、保育
士等と連携して、一人ひとりの状況に応じて適切な対応を家族と共に考えていくことのできる、信頼
される受容支援をおこなっていく必要がある。
② 保育士等への支援
現 状①
保育所等は、基本的に集団保育が出来る児童の保育を専門に行う施設である。しかし近年は少子化
や孤立した家庭保育などにより、児童の育ちにいろいろな問題が生じていることから、保育所等が地
域における子育て支援の中核としての役割も果たすこととされている。しかし実際は入所児童の数に
応じて、最低基準を超える程度の保育士を配置しているのが現状である。
このような中で、障がい児はもとより、「気になる子」については、その行動により、保育士が目を
離せずに付きっきりになっている場合も見受けられる。
現在の障がい児保育事業補助金は、診断のついた児童に対する補助制度であるため、「気になる子」
は対象外となり、必要に応じて各施設が単独で職員配置を行っている状況である。
課 題①
アンケート結果により、各施設の13.6%が気になる行動をする児童であるとの状況を踏まえ、「皆
と一緒に行動できない子への対応」「保護者への対応」に人手と時間を費やし、他の子に対する保育が
不十分になっているとの現状から、「気になる子をサポートする職員の増員」に対する、人件費補助を求め
る声が多数あり、一定程度の「気になる子」を補助対象児童とするなどの対応が必要と思われる。
現 状②
保育所等の回答の中には「気になる子」が一人もいない施設が6か所あった。
入所児童の多い施設においても、一人もいないという状況があったことから、保育士等の経験や情
報量の違い、また園の方針の違いなどから、「気になる子」に対する考え方、対応方法・対応策に差異
が生じている可能性が高いと思われる。
(20)20
課 題②
「発達障がいかどうかの見極めが難しく指導の仕方に困っている。」「それぞれに特に気をつけるべ
きポイントを知りたい。」など、各施設からは、同じ視点で「気になる子」を早期発見するための、基
準や対応方法の明確化、また、専門的な研修等の充実が望まれている。
③ 相談窓口の充実
現 状
「気になるお子さんの保護者に伝えるときは難しく、その際のアドバイスや専門機関へのつなげ方が
課題となっている。どのような方法で伝えるか、また、その子に合った専門機関はどこか等、相談で
きる窓口があればいいと思う。」「子育て支援課以外の単独の「児童障害」に関する窓口を設けた方が
相談しやすい。」など、相談支援窓口の一本化や、専門機関の充実や増設を求める声がある。
市の組織において、「気になる子」の担当部署が明確にされていないことから、保育所等に対しての
情報提供がなく、そのことが各施設ごとに対応方法が違う要因ともなっていると考えられる。
課 題
担当部署の明確化や発達支援専門の相談支援事業所など、発達支援に関する機能・役割の明確化が
必要となっている。
④ 健診機関との連携
現 状
疾病や障がいの早期発見、早期療育のため、市では 1 歳半・3 歳児健康診査の他に、5 歳児発達健
康診査を実施し、気になる子の早期発見に努め、次の相談や支援に結びつけている。
しかし保育所等での集団生活を送るようになり初めて社会性の問題が顕著になり、健診より先に保
育所等で発見される場合もある。
保育所からは「3 歳児健診にも保育所等の集団生活での様子の調査を取り入れてほしい。」「5 歳児検
診に親の判断だけでなく、保育園の意見も入れてほしい。」
また健診後は「支援が必要と判断された児童について、保育所等でも結果を把握できるようにして
ほしい。」という意見が多数寄せられた。
(21)21
課 題
健診機関と保育所等の意思疎通や一定程度の情報の共有化などにより、「気になる子」の早期発見、保
護者の受容に対する支援、早期療育の充実など、支援体制の強化を図る必要がある。
⑤ 専門職員による巡回支援
現 状
「気になる子」への対応や支援で、今後必要なこととして 63.3%(38 件)の施設から要望があった
のは、「専門職員による園訪問」であった。
各施設で、「気になる子」への「対応のしかたが分からない」「保護者への伝え方が難しい」「保育所
等だけでは専門的な療育支援ができない」「集団保育のなかで職員配置に余剰が無く「気になる子」一
人ひとりに丁寧に対応できない」など、施設の中だけで対応することに限界を感じている様子が伺え
る。
課 題
専門員等が定期的に各施設を巡回し、情報交換や実態把握、相談や助言等により「気になる子」を
早期に発見する体制を形成し、保護者の受容に対する支援や施設内での適切な対応方法についての助
言を行うことにより、早期療育に結び付けることが可能となるものと思われる。
このことから、発達障がい等に関する知識を有する専門員が、保育所等への巡回支援を行い、施設
等の職員や保護者に対し、障がいの早期発見・早期対応のための支援を行う体制づくりが必要である
と考える。
(22)22
認定こども園・幼稚園・保育所(園)・認可外保育施設 施設長各位
皆さまには日頃より、市の子育て支援施策にご理解とご協力をいただき厚くお礼申し上げます。
市では、発達障がい・知的障がいなどの可能性があると思われる乳幼児をできるだけ早く発見し、
早い時期にその対応・支援をすることが重要であり、そのための体制を整備する必要があると考えて
います。
つきましては、お忙しいところ恐縮ではございますが、下記のとおりアンケートにご協力いただき
ますようお願い申し上げます。
平成 27 年 7 月
弘前市福祉事務所長
「気になる子」 アンケート調査票へのご協力のお願い
○このアンケートは、普段一番身近でお子さんに接している職員(クラス担任など)
のご意見を参考にして作成してください。
○このアンケートは平成 27 年 7 月 1 日現在の内容でご記入ください。
○本調査への協力は任意であり、調査にご協力いただけない場合や無回答があった
場合でも不利益を被ることは一切ございません。
○調査で得たデータは表記以外の目的に使用いたしません。
○ご回答いただいた調査票は目的が達成された段階で速やかに破棄いたします。
○調査票の返信をもって調査への同意をいただいたものとさせていただきます。
【調査票の返信について】
大変勝手ですが、8 月 14日(金)までに、市の福祉政策課へ同封の返信用封筒
により郵送してくださるようお願いいたします。
このアンケートに関する問い合わせ 弘前市福祉事務所福祉政策課
障がい福祉係 石澤・澤居
電 話 0172-40-7122
FAX 0172-32-1166
アンケート記入上の注意
参考:調査票
(23)23
「気になる子」とは
このアンケートでは、子どもが乳幼児であるため、明確な診断がないが障がいが疑われ
る場合や、子どもが示す気になる行動の例【質問Ⅴの項目】が、障がいによるものか環境
のためなのか分かりにくい段階のお子さんのことを「気になる子」と定義します。
ご回答にあたっては、既に診断名の分かっているお子さんを「気になる子」に含めない
ようにお願いします。
Ⅰ施設の種類と定員
(施設の種類の番号に○をつけてください。)
施設の種類 1 認定こども園 2 幼稚園
3 保育所(園) 4 認可外保育施設
定員
名
Ⅱ クラスの人数を教えてください。
(児童の年齢ではなくクラスごとの人数)
クラス 0 歳児 1 歳児 2 歳児 3 歳児 4 歳児 5 歳児
人数 人 人 人 人 人 人
Ⅲ クラスに、気になる行動をする乳幼児は何人いますか。
(質問Ⅴの「気になる行動の例」を参考にしてください。)
Ⅳ 担当クラスの気になる行動をする乳幼児について、保護者が理解している(気がつい
ている・心配している・相談している等)方は何人いますか。
(わかる範囲で結構です。)
クラス 0 歳児 1 歳児 2 歳児 3 歳児 4 歳児 5 歳児
気になる子の
人数
人
人
人
人
人
人
クラス 0 歳児 1 歳児 2 歳児 3 歳児 4 歳児 5 歳児
気になる子の
人数
人
人
人
人
人
人
「気になる子」アンケート調査票
(24)24
Ⅴ 上記Ⅲに該当するお子さんの中で、下記の「気になる行動の例」に該当する人数を、
人数欄に記入してください。一人で複数の行動が見られる場合は複数人数として記入して
ください。
(Ⅲの数より多くなっても構いません。)
また、例にあてはまらない場合には、
「9その他」に具体的な気になる行動と人数を記入
してください。
【気になる行動の例】
人数 生活場面 気になる行動の具体例
1
人
人との関わり方 •ひとり遊びが多い、一方的でやりとりがしにくい
•おとなしすぎる、常に受動的 ・視線が合わない
•集団に入れない・友達とあそべない ・表情が乏しい
・人との距離がつかめない など
2
人
ことば •お話は上手だが、一方的に話すことが多い
•保育士や指導員の指示が伝わりにくい
・言葉が遅い
•質問と違う答え、おうむ返し、発音不明瞭 など
3
人
イマジネーション・
こだわり
•相手にとって失礼なことや相手が傷つくことをいってしまう
•友だちがふざけてやっていることをとらえ違えて、いじめられ
たと思ってしまう
•集団で何かしている時にボーッとしていたり、ふらふらと歩い
ていたりする(場が読めない)
•同じ色を好んだり並べたり、興味が偏る
・ものに対するこだわり強い
•急な予定変更時に不安や混乱したようすがみられる など
4
人
注意・集中 •ひとつのことに没頭すると話しかけても聞いていない
•落ち着きがない、集中力がない、いつもぼんやりとしている、
注意力に欠ける
•話を聞かなければならない場面で離席が多い、聞いていない
・多動である など
5
人
感覚 •ざわざわした音に敏感で耳をふさぐ、雷や大きな音が苦手(聴
覚)
•靴下をいつも脱いでしまう、同じ洋服でないとダメ、手をつな
ぎたがらない(触覚)
•極端な偏食(味覚・嗅覚など)
•揺れているところを極端に怖がる、すき間など狭い空間を好む
・痛みや熱さなどに鈍感であったり敏感である など
(25)25
6
人
運動 •身体がクニャクニャとしていることが多い、床に寝転がること
が多い
•極端に不器用、絵やひらがなを書く時に筆圧が弱い、食べこぼ
しが多い など
•運動の調整が苦手で乱暴に思われてしまう、大きすぎる声など
7
人
理解 •話が流暢で頭の回転が速いことに比べて、作業が極端に遅い
・生活習慣が身につかない
・全体指示が理解できない など
8
人
情緒・感情 •極端な怖がり
•ささいなことでも注意されるとかっとなりやすい、思い通りに
ならないとパニックになる
•一度感情が高まると、なかなか興奮がおさまらない
・頭を床にぶつける など
*「気になる行動の例」は 発達障害情報・支援センターウェブサイトより
9 その他 あてはまらない場合の気になる行動の具体例
人
Ⅵ 「気になる子」への対応で困っていることを教えてください。
該当する番号に○(複数回答可)をつけるか、困っていることを「8その他」に具体的に記
入してください。
1 相談相手がいない。 5 園全体で関わる体制が整っていない。
2 児童への対応の仕方がわからない。 6 専門機関との連携がとれない。
3 保護者の理解・協力が得られない。 7 専門機関が不足している。
4 人員不足で十分に関われない。
8 その他(気になる子への対応で困っていること) 次ページへ記入してください。
(26)26
Ⅶ 「気になる子」への対応や支援で、今後必要なことやあったら良いと思うことなどを教
えてください。該当する番号に 3 つ以内で○をつけてください。また 1 番から9番に当て
はまらない場合、10その他に具体的に記入してください。
1 専門職員(保健師・保育士・相談員等)による園訪問(定期的・要請時)
2 気になる子の担当部署や相談窓口の一本化
3 検査・診断の充実
4 担任も一緒に参加できる親子教室の開催
5 親子の専門教室の開催
6 気になる子や発達障害の理解のための啓発活動
7 職員研修の充実
8 専門機関との連携の強化
9 職員数の増加
10 その他 今後必要なことやあったら良いと思うことなど具体的に記入してください。
(27)27
Ⅷ 受け持ちクラスに、愛護手帳や精神手帳をお持ちのお子さん、障がい福祉サービス(児
童発達支援センター)を利用しているお子さん、またポッポ教室、ことばの教室などを利用
しているお子さんの有無について番号に○をつけ、いる場合はその人数をお知らせください。
(わかる範囲で結構です。
)
1 いない
2 いる
・愛護手帳や精神手帳をお持ちのお子さん 人
・児童発達支援センター(大清水学園・はあと)に併行通園しているお子さん 人
・県療育支援事業(大清水 ポッポ教室)を利用しているお子さん 人
・親子遊ゆう教室(保健センター)・のびのび子ども相談室(保健センター)
を利用しているお子さん 人
・ことばの教室を利用しているお子さん 人
・その他の施設・機関( )を利用しているお子さん 人
以上、ご協力 大変ありがとうございました。
その他ご意見等がございましたらご記入ください。
担当:弘前市健康福祉部 福祉政策課 障がい福祉係 電話 0172-40-7122
(28)弘前市
「気になる子」アンケート調査 結果報告書
平成27年10月